2397 DNAチップ研 2019-12-19 18:30:00
第1回新株予約権の制限超過行使について [pdf]

                                                                    2019 年 12 月 19 日
各位
                          東   京   都   港   区   海       岸   一     丁   目    1   5   番   1
                          株   式   会   社   D   N       A    チ    ッ    プ   研       究   所
                          代   表   取   締   役   社       長             的    場           亮
                          ( コ ー ド 番 号         :       2 3 9 7       東 証 第 2 部 )
                          問   合       せ   先       :       総 務 部          大 塚         勉
                          電   話   番   号   :   03-5777-1700(代表)



              第 1 回新株予約権の制限超過行使について


 この度、当社が 2014 年 12 月8日に発行いたしました第 1 回新株予約権(以下「本新株予約権」とい
います。)について、下記のとおり制限超過行使が行われていたことが今般外部からの指摘で判明しまし
た。2019 年6月7日付「第 1 回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ」
で開示しておくべき事項でありましたが、以下のとおりお知らせいたします。


                              記
1.制限超過行使の内容と経緯
(1) 制限超過行使の内容
 当社と本新株予約権の割当先である株式会社エンプラスは、東京証券取引所の定める有価証券上場規
程第 434 条第1項及び同施行規則第 436 条第 1 項乃至第 5 項の定めに基づき、原則として、単一暦月中
に割当先が本新株予約権を行使することにより取得する株式数が、本新株予約権の払込日時点における
上場株式数(4,237,700 株)の 10%を超える部分(4,237 個、423,700 株)に係る行使を制限する旨を引
受契約にて規定し、その旨を開示していたにも関わらず、2018 年 12 月 19 日、当該契約に反し、制限を
超える 8,520 個(852,000 株)の行使が行われました。


(2) 制限超過行使の経緯
 割当先と当社の資本業務提携の一環として発行された本新株予約権に関連して、当社において 2019 年
以降に実施を予定する診断事業における研究開発資金の資金需要が生じました。そこで当社は、総額で
数億円規模の資金調達を希望している旨 2018 年 11 月又は 12 月頃割当先にお伝えし、本新株予約権の行
使の数量や時期について当社と割当先で協議を重ねました。数量については最終的に総額で5、6億円
規模とすることになりました。総額で5、6億円規模の資金調達は、当時の株価を前提にすると、本新株
予約権の全量の行使を必要とする金額でした。行使方法・行使のタイミングについては、基本的に割当先
の判断にお任せしていましたが、2018 年 12 月 19 日を行使日として簡易に1回の行使とされたい旨割当
先からお話しがありました。このような経緯を経て、最終的に 2018 年 12 月 19 日に1回の行使で本新株
予約権の全部を行使し5、6億円規模の資金を調達する旨当社は割当先と口頭で合意しました。
 この過程において、当社も割当先も、引受契約に制限超過行使の禁止を定めていたにも関わらず、当該
規定を失念していたため、かかる行使が制限超過行使に該当し、許容されないということを認識してい
ませんでした。そのため、当社において、引受契約に定められたとおり制限超過行使を行わせない義務を
遵守しておりませんでした。


(3) 保有方針について
 割当先と当社との資本業務提携の交渉に際し、当社は、割当先が本新株予約権の行使により取得した
当社株式を中長期保有する旨契約書で誓約することを希望していました。しかし、このことを割当先は
受け入れなかったため、契約書にかかる定めを置くことができませんでした。これに代わり、当社は、本
新株予約権の発行に際して、割当先が当社の資本業務提携先として中長期にわたって当社株式を保有す
る方針であることを口頭で確認するにとどまりました。この経緯により、当社の理解では、本新株予約権
の行使により取得した当社株式を中長期保有するかどうかは、最終的に割当先の決定に委ねられたと理
解し、割当先との資本業務提携は割当先優位に交渉が進んでいました。
 2018 年 12 月に当社と割当先が本新株予約権の行使について協議する中で、割当先から「既に保有して
いる株式について売却する予定はないが、本新株予約権の行使により取得した株式については長期保有
するつもりはない」と聞きました。当社は、割当先がこの時表明した新株予約権の行使により取得した当
社株式の保有方針については、資本業務提携の当初口頭で表明された保有方針とは違うと思いました。
しかし、新株予約権の行使により取得した当社株式の保有方針点は最終的に割当先の決定事項であると
いう理解に変わりがなく、資本業務提携に関する契約締結時の交渉状況に照らしても、当社から本新株
予約権の行使の前に本新株予約権の行使により取得した当社株式を中長期にわたって保有するよう働き
かけをしても効果がないという考えから、そのような働きかけをしておりませんでした。
 その後、割当先が本新株予約権の行使により取得した当社株式を売却した事実については、割当先が提
出した変更報告書等で都度認識しておりました。なおこの点、割当先の提出した 2014 年 12 月 9 日付け
の大量保有報告書において本資本業務提携に関連した割当先の当社株式及び本新株予約権の保有目的は
「資本業務提携に基づく業務上の関係強化のため」と記載されておりました。その後、2018 年 12 月 25
日付けの変更報告書においては「当初取得した株券(普通株式)は資本業務提携に基づく業務上の関係強
化のため   新株予約権行使は純投資のため」と記載され、また本新株予約権行使による当社株式がすべ
て処分されるまで変更報告書において同様の記載がなされていました。しかし、変更報告書において、本
新株予約権の保有目的が純投資に変更されている点については、当社はその当時気が付いておりません
でした。売却するかもしれないと割当先から予告されていたので、当社はそれが実行されたとの認識で、
当初の中長期保有する方針とは異なりましたが、異議を述べることはありませんでした。また、割当先が
業務提携の当初表明した本新株予約権行使により取得する当社株式の保有方針は、中長期保有とされて
いましたが、当社は、この点の変更についての正式な書面通知を割当先から受けていたわけでもなかっ
たため、公式に表明されている中長期保有の予定という方針が正式に変更されたことに伴うわけではな
いという認識から開示しておりませんでした。
 制限超過行使が行われていたことが 2019 年 11 月 13 日に外部の指摘で発覚した後に割当先に確認した
ところ、当社と割当先との間の業務提携については、割当先においてこれまでどおり継続する予定との
ことを口頭で聞いており、当社においても同様の予定であるため、業務提携に関する影響は特にないと
考えております。


(4) 小括
 当社は有価証券上場規程第 434 条第1項及び有価証券上場規程施行規則第 436 条で定めるMSCB等
の行使に係る遵守事項を失念しており、本新株予約権の行使に関し、当社が制限超過行使を行わせない
義務(同施行規則 436 条第4項1号)について、本新株予約権発行の当初より正確な理解を欠き、当社が
主体的に管理するべき立場にあることを理解できておりませんでした。このような理由で、制限超過行
使に関する担当者の設定及び社内手続きの策定など、適切な管理体制を整備していなかったことを原因
に今回の制限超過行使行為は発生しました。背景として、資金調達を進めるにあたり、本新株予約権が短
期間に大量に行使され、取得される株式について中長期保有が行われない場合、本新株予約権の性質上、
株式の希薄化や株価の下落により一般株主の利益が損なわれる懸念があるという本新株予約権の商品性
の正確な理解が当社において十分でなかったと思います。


2.今後の対策
 MSCB等については、当社が制限超過行使を行わせない義務を負っていること、それについては制
限超過防止のための社内体制が必要であることを理解し、社内体制の構築と実務への適用で対応して参
ります。
 具体的には、従来、当社では、上場企業が遵守すべき規則については主管部である総務部だけでその義
務について確認し、遂行しておりましたが、今後は、代表取締役及び取締役会の監督のもと主管部である
総務部が副主管部である経理部と連携し相互確認する体制を整備し、MSCB等の行使については、単
一暦月中の行使上限数を管理し、個別の行使の事前確認手続きの中で制限超過行使に該当しないことを
確認するようにいたします。
 制限超過行使が株主価値を毀損する可能性があることに鑑み、今後においては、資金調達において利用
される金融商品の商品性を株主利益の観点から十分に吟味するとともに、制限超過行使を発生させない
ように努めて参ります。
                                                 以上