2397 DNAチップ研 2021-10-28 16:00:00
肺がんコンパクトパネルの国内の製造販売承認申請のお知らせ [pdf]
2021 年 10 月 28 日
東京都港区海岸1-15-1スズエベイディアム5階
株 式 会 社 D N A チ ッ プ 研 究 所
代 表 取 締 役 社 長 的 場 亮
(コード番号 : 2397 東証第2部)
問合せ先 : 総務部 大 塚 勉
電話番号 : 03-5777-1700(代表)
肺がんコンパクトパネルの国内の製造販売承認申請のお知らせ
株式会社DNAチップ研究所(代表取締役社長 的場亮)では、かねてより次世代シークエンス
NGS 技術(*1)による遺伝子パネル検査の開発に取り組んでおり、本日、肺癌の高感度パネル検
査「肺がんコンパクトパネル(以下、「本検査」)」(肺癌の複数のドライバー遺伝子(*2)に対するが
ん遺伝子パネル検査)の医療機器製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。
非小細胞肺癌(*3)では EGFR 遺伝子変異を含め 7 つの遺伝子変異に対して分子標的薬があ
り、EGFR-TKI(*4)同様にそれぞれの遺伝子変異のコンパニオン診断(CDx)が薬剤選択の条件
になっています。以前は1つ1つの遺伝子変異を検出する単一遺伝子検査は行われてきましたが、
治療薬選択が増えるに伴い、現在では複数の遺伝子変異を同時に解析できる遺伝子パネル検査
が用いられるようになりました。しかしながら既存の遺伝子パネル検査でも問題点は残されていま
す。例えば、大型パネル検査で検査費用と診療報酬の差が大きいものや、遺伝子変異検出数は
多いもののコンパニオン診断(*5)として使えないもの、患者 1 人につき 1 回限りの保険算定であり、
細胞診検体のように検査に提出できる腫瘍組織が少ない場合、検査の検出感度も非常に重要に
なります。
このような問題の解決や本邦の医療ニーズに応えるため、弊社は奈良先端科学技術大学院大
学、大阪国際がんセンターと共同で、肺癌に特化した本検査を開発しました。本検査は、解析する
遺伝子を絞り小グループ(モデュール)に分けて分割処理し、十分な深度でシークエンス解析する
ことで、従来法は 5~10%の検出感度のところ、本システムでは 10 倍以上の検出感度の改善を達
成しています。また、一般的に診断用検査は開発時に条件を固定して使い続けるため新たな変異
などへの対応が難しい場合がありますが、肺がんコンパクトパネルでは診断モジュールとは別にモ
ジュールカクテルの開発・追加が可能であり、例えば新たな耐性変異・薬剤への柔軟な対応ができ
るため、末長く臨床現場で使っていただける有用な検査システムとなりうると考えています。本検査
はまずは EGFR 遺伝子変異(*6)、ALK 融合遺伝子(*7)、ROS1 融合遺伝子(*8)、MET 遺伝子
エクソン 14 スキッピング変異(*9)の4つの遺伝子変異をコンパニオン診断薬の対象としています。
なお BRAF 遺伝子変異(*10)、RET 融合遺伝子(*11)に関して追加申請を計画しています。
承認されましたら、複数の遺伝子を対象とした一括コンパニオン保険診療検査として、臨床現場
で利用可能となります。国内全体では年間に 5~10 万件の肺癌遺伝子検査が実施されていると言
われており、今後パネル一括検査のニーズがさらに高まっていくと考えられています。また本システ
ムは、FFPE 検体に加え、細胞診検体からも変異検出が可能な高感度システムであることから、組
織生検が難しいケースなどにも適応の幅を広げ、さらには侵襲性の低い検査オプションの提案に
もつながり、新たな検査需要を創出するものと考えています。本システムの薬事承認、市場への普
及を診断事業の最優先事項と位置付け、当社診断ビジネスの中核となる検査に成長させるべく、
臨床現場への浸透を推進していきます。
承認後、検査開始となるのは来年度後半以降となるため、本年度の業績には影響はありません
が、今後開示すべき事象が発生または判明した場合には、速やかにお知らせいたします。
以上
*1 ドライバー遺伝子次世代シークエンス NGS 技術:次世代シーケンサー(Next Generation
Sequencer:NGS)と呼ばれる装置を用いた DNA の塩基配列を大量かつ高速に解読する技術。
*2 ドライバー遺伝子:癌細胞の増殖に密接に関連する遺伝子。
*3 非小細胞肺癌:non-small cell lung cancer(NSCLC):上皮性肺がんのうち、小細胞肺がん
(SCLC)を除くすべてのタイプが含まれ、肺癌全体の 90%を占める。
*4 EGFR-TKI:上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬:上皮成長因子受容体
(EGFR)チロシンキナーゼ活性を選択的に阻害することで癌細胞の増殖を抑制する薬。
*5 コンパニオン診断:Companion Diagnostics(CDx):特定の医薬品の有効性及び安全性を特定
するために行われる検査で、治療薬剤の選択や投与量を予測するために行われる臨床検査。
*6 EFGR 遺伝子変異:日本人の非小細胞肺癌の約 40%が有する受容体チロシンキナーゼの 1 つ
である EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子のドライバー変異。
*7 ALK 融合遺伝子:細胞の増殖に関わる ALK 遺伝子と他の遺伝子が融合してできる特殊な遺
伝子で、肺癌における重要なドライバー変異の1つ。
*8 ROS1融合遺伝子:細胞の増殖を促進するシグナル伝達に関与する ROS1 遺伝子と他の遺伝
子が融合してできる特殊な遺伝子で、肺癌における重要なドライバー変異の1つ。
*9 MET 遺伝子エクソン 14 スキッピング変異:細胞の増殖や運動性に関与する MET 遺伝子に生
じるドライバー変異。MET 遺伝子のイントロン領域などの変異により、エクソン 14 が翻訳されなく
なる変異。
*10 BRAF 遺伝子変異:細胞増殖の指令の伝達に関わる BRAF 遺伝子に生じるドライバー遺伝子
変異。
*11 RET 融合遺伝子:細胞増殖や分化のシグナルを伝達する細胞表面分子である RET 遺伝子と
他の遺伝子が融合してできる特殊な遺伝子で、肺癌における重要なドライバー変異の1つ。