9987 スズケン 2020-03-27 14:00:00
国内新規参入 ステラファーマ株式会社の頭頸部癌治療薬「ステボロニン点滴静注バッグ9000mg/300mL」スズケングループによる一社流通受託のお知らせ [pdf]
2020 年 3 月 27 日
各 位
会社名 株式会社スズケン
代表者名 代表取締役社長 宮田 浩美
(コード番号 9987 東証・名証第1部、札証)
問合せ先 取締役副社長執行役員
コーポレート本部長 浅野 茂
(TEL.
052-961-2331)
国内新規参入 ステラファーマ株式会社の頭頸部癌治療薬
「ステボロニン®点滴静注バッグ 9000mg/300mL」
スズケングループによる一社流通受託のお知らせ
当社の連結対象子会社である株式会社エス・ディ・コラボ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:副
島秀継、以下エス・ディ・コラボ)は、ステラファーマ株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、社長:浅野
智之、以下ステラファーマ)が開発した世界初のホウ素中性子捕捉療法を用いた頭頸部癌治療薬「ステボロ
ニン点滴静注バッグ 9000mg/300mL(以下「ステボロニン点滴静注バッグ」」
)(一般名:ボロファラン 10B)
( )
について、日本国内でのメーカー物流から卸流通までの一社流通を受託することで、ステラファーマと合意
いたしました。ステラファーマは、2020 年 3 月 25 日に「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を
効能・効果として、「ステボロニン点滴静注バッグ」の製造販売承認を日本国内で取得しています。
1.受託の背景
今回の受託に至った背景には、エス・ディ・コラボのメーカー物流およびスペシャリティ医薬品流通の実
績と国内新規参入メーカーの受託実績、そして、スズケングループの物流サービスと機能をステラファーマ
に評価していただいたという経緯があります。
「ステボロニン点滴静注バッグ」のメーカー物流から卸流通までをスズケングループが一手に担うことで、
国内流通在庫の偏在を最少化し、適切な温度帯での保管・輸配送と安定供給を実現します。
メーカー物流は、メーカー物流センターでの保管・管理を株式会社エス・ディ・ロジ*1 が担います。また、
*2
メーカー物流センターから卸物流センターまでの輸配送を、中央運輸株式会社 を中心とした医薬品共同配
送ネットワークが担います。卸流通については、スズケングループの医薬品卸 7 社が担います。
スズケングループは、今後もスペシャリティ医薬品流通において、国内への新規参入や新製品の上市を目
指す製薬企業のご要望にお応えしてまいります。また、新薬を待ち望む患者さまに確実に医薬品をお届けで
きるよう流通基盤の強化に努め、日本の医療に貢献いたします。
*1・2 株式会社エス・ディ・ロジと中央運輸株式会社はいずれもスズケンの連結対象子会社です。
2.「ステボロニン点滴静注バッグ」の受託業務
(1)メーカー物流業務
(2)卸流通業務
(3)使用成績調査支援
3.受託業務開始
2020 年 5 月下旬
4.ステラファーマ株式会社について
ステラファーマは「ひとりのかけがえのない命のために」、それぞれの使命を実行することを行動指針
の基盤とし、「世界の医療に新しい光を照らす」ことを経営目標の策定方針として企業理念に掲げていま
す。
この企業理念を実現するため、設立当初より、難治性の癌に対する新たな治療法としてホウ素中性子捕
捉療法(BNCT)の実用化に取り組んでおり、医薬品の開発を通じて豊かな社会づくりに貢献するという使
命を持って様々な開発プロジェクトの推進に取り組んでいます。
詳細はホームページをご参照ください。https://stella-pharma.co.jp/
5.「ステボロニン点滴静注バッグ」(一般名:ボロファラン(10B))について
「ステボロニン点滴静注バッグ」は、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を効能・効果と
するホウ素薬剤です。後述するホウ素中性子捕捉療法を実施する際、薬剤を患者の体内に点滴投与し、ホ
ウ素が取り込まれた癌細胞を選択的に破壊することが可能となります。2017 年 4 月には厚生労働省が実施
する「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定され、ステラファーマとして初めて上市する医薬品となり
ます。
6.ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)について
ホウ素中性子捕捉療法は「Boron Neutron Capture Therapy」の頭文字を取り、BNCT とも呼ばれます。
「ステボロニン点滴静注バッグ」を点滴し、ホウ素が癌細胞に集まった患部に体外から BNCT 治療システム
*3
により中性子線を照射します。照射する中性子線は、非常にエネルギーが小さいため、人体への影響は
ほとんどありませんが、ホウ素とぶつかると核反応を起こし、放射線が発生します。この放射線は、体内
では細胞1つ程度の非常に短い距離しか飛ばないため、ホウ素を取り込んだ癌細胞をピンポイントで破壊
することができます。
従来の放射線治療では、通常の細胞にダメージを与え、また複数回治療が必要となりますが、BNCT は癌
細胞をピンポイントで破壊する単回治療のため、身体への負担が少ない治療として期待されています。
*3 「ステボロニン点滴静注バッグ」に併用する BNCT 治療システムには、住友重機械工業株式会社の「BNCT 治療
システム NeuCure」および「BNCT 線量計算プログラム NeuCure ドーズエンジン」が製造販売承認されていま
す。
なお、本件に伴う業績への影響は、詳細が確定し、適時開示の必要性が生じた場合に速やかに開示いた
します。
以 上