9984 ソフトバンクグループ 2021-05-12 15:00:00
2021年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                         2021年3月期  決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                                                              2021年5月12日
上場会社名   ソフトバンクグループ株式会社                                                                                 上場取引所  東
コード番号   9984    URL  https://group.softbank/
代表者     (役職名) 代表取締役 会長 兼 社長執行役員                                         (氏名)孫 正義
問合せ先責任者 (役職名) 常務執行役員                                                    (氏名)君和田 和子 TEL  03-6889-2000
定時株主総会開催予定日     2021年6月23日                                              配当支払開始予定日  2021年6月24日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月23日
決算補足説明資料作成の有無:有  
決算説明会開催の有無      :有  
                                                                                                             (百万円未満四捨五入)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
 (1)連結経営成績                                                                                                 (%表示は対前期増減率)
                                                                                           親会社の所有者に                   当期包括利益
                 売上高                     税引前利益                       当期利益
                                                                                           帰属する当期利益                    合計額
                百万円           %          百万円            %           百万円              %         百万円            %        百万円            %
 2021年3月期    5,628,167       7.4     5,670,456          -        5,078,236           -     4,987,962          -     5,578,244         -
 2020年3月期    5,238,938        -          50,038         -        △800,760            -     △961,576           -    △1,290,339         -

               基本的1株当たり                        希薄化後                              親会社所有者帰属持分                          資産合計
                 当期利益                        1株当たり当期利益                              当期利益率                           税引前利益率
                                   円 銭                             円 銭                                 %                              %
 2021年3月期                    2,619.61                           2,437.29                           61.9                             13.7
 2020年3月期                    △478.50                            △485.33                          △14.2                               0.1
(参考)持分法による投資損益                 2021年3月期                616,432百万円                2020年3月期           624,015百万円
(注1)売上高および税引前利益は継続事業のみの金額を表示しています。なお、対応する2020年3月期についても同様に組み替えて表示して
    いるため、売上高および税引前利益の対前年同期増減率は記載していません。非継続事業の詳細は決算短信(添付資料)80ページ
    「4.連結財務諸表及び注記(6)連結財務諸表注記3.非継続事業」をご参照ください。
(注2)当社は、2019年6月28日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行わ
    れたと仮定し、「基本的1株当たり当期利益」および「希薄化後1株当たり当期利益」を算定しています。

 (2)連結財政状態
                                                                 親会社の所有者に                      親会社所有者               1株当たり親会社
                資産合計                     資本合計
                                                                  帰属する持分                       帰属持分比率                所有者帰属持分
                         百万円                        百万円                百万円                                    %            円 銭
 2021年3月期            45,750,453               11,955,593                   10,213,093                       22.3                5,588.80
 2020年3月期            37,257,292                   7,372,917                    5,913,613                    15.9                2,619.32
(注)「1株当たり親会社所有者帰属持分」に使用する親会社所有者帰属持分は、「親会社の所有者に帰属する持分」から当社普通株主に帰属
    しない金額を控除し、算定しています。

(3)連結キャッシュ・フローの状況
                営業活動による                       投資活動による                              財務活動による                         現金及び現金同等物
               キャッシュ・フロー                     キャッシュ・フロー                            キャッシュ・フロー                           期末残高
                               百万円                                百万円                             百万円                              百万円
 2021年3月期                     557,250                         △1,468,599                       2,194,077                        4,662,725
 2020年3月期                    1,117,879                        △4,286,921                       2,920,863                        3,369,015

2.配当の状況
                                             年間配当金                                                                        親会社所有者
                                                                                               配当金総額           配当性向
                                                                                                                          帰属持分配当
               第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                                期末                合計         (合計)           (連結)
                                                                                                                           率(連結)
                     円 銭            円 銭               円 銭            円 銭               円 銭         百万円                 %        %
2020年3月期               -            22.00               -            22.00             44.00       91,063              -       1.5
2021年3月期               -            22.00               -            22.00             44.00       79,592             1.7      1.1
2022年3月期(予想)             -          22.00               -            22.00             44.00                           -
※  注記事項
 (1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):有
     新規  2社   (社名)LINE(株)、LINE Financial Asia Corporation Limited
     除外  3社   (社名)Sprint Corporation、Sprint Communications, Inc.、Starburst I, Inc.
         (注1)詳細は、決算短信(添付資料)60ページ「3.サマリー情報(注記事項)に関する事項(1)2021年3月31日に終了した1年
             間における重要な子会社の異動」をご参照ください。
         (注2)海外所在の子会社は、その本国の会社の計算に関する法令または慣行により単体の財務書類を作成する必要がある場合に限り
             単体の財務書類を作成し、企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」)第19条第10項第1号から第3号までの該
             当性を判断しています。一方、単体の財務書類を作成していない、または連結決算日時点で単体の財務書類を作成していない
             海外子会社の資本金の額および純資産額を算出することはできないため、当該会社については、開示府令第19条第10項第1号
             のみにより特定関係の有無を判断しています。
             開示府令第19条第10項第1号の該当性は、ソフトバンクグループ(株)に対する仕入高及び支払配当の総額のソフトバンクグ
             ループ(株)の営業収益の総額に占める割合で判定しています。
             ファンド形態の子会社は、当該ファンドに適用のある計算に関する法令又は慣行に則り作成されたファンドの財務書類上の純
             資産額により、開示府令第19条第10項第2号の該当性を判断しています。
 
    (2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
      ①  IFRSにより要求される会計方針の変更:無
      ②  ①以外の会計方針の変更                :無
      ③  会計上の見積りの変更                  :有
       (注)詳細は、決算短信(添付資料)60ページ「3.サマリー情報(注記事項)に関する事項(2)会計上の見積りの変更」をご参照く
          ださい。
 
    (3)発行済株式数(普通株式)
      ①  期末発行済株式数(自己株式を含む)                           2021年3月期             2,089,814,330株   2020年3月期        2,089,814,330株
      ②  期末自己株式数                                     2021年3月期               351,297,587株   2020年3月期           21,818,471株
      ③  期中平均株式数                                     2021年3月期             1,892,538,088株   2020年3月期        2,074,225,377株
       (注)当社は、2019年6月28日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が
          行われたと仮定し、「期中平均株式数」を算定しています。
 
(参考)個別業績の概要
1.2021年3月期の個別業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
  (1)個別経営成績                                                                                       (%表示は対前期増減率)
 
            営業収益           営業利益                                                 経常利益                    当期純利益
                    百万円             %            百万円                %          百万円           %           百万円            %
    2021年3月期     1,622,615          -         1,569,569             -       1,258,459        -        1,403,478         -
    2020年3月期       101,542       △95.1           50,039          △97.5      △135,045         -        △964,714          -
 
                   1株当たり                       潜在株式調整後
                   当期純利益                     1株当たり当期純利益
                      円 銭            円 銭
 2021年3月期            741.58         739.48
 2020年3月期           △465.10             -
(注1)当社は、2019年6月28日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。前事業年度の期首に当該株式分割が行われた
      と仮定し、「1株当たり当期純利益」および「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しています。
(注2)前事業年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
 
    (2)個別財政状態
                     総資産                          純資産                         自己資本比率                  1株当たり純資産
                                 百万円                             百万円                         %                       円 銭
    2021年3月期                 19,234,339                       3,536,120                    18.3                   2,027.26
    2020年3月期                 15,199,663                       4,153,205                    27.2                   2,000.51
 
(参考)自己資本           2021年3月期               3,524,428百万円           2020年3月期         4,137,052百万円
 
    (3)個別業績の前期実績値との差異
         2021年3月期の営業収益、営業利益、経常利益および当期純利益が2020年3月期と比較して増加した要因は、主に「関係会社受取配当
         金」が、2020年3月期と比較して1,521,117百万円増加したことによるものです。
       (注)個別業績における財務数値については、日本基準に基づいています。
 
※  決算短信は公認会計士または監査法人の監査の対象外です。
 
※  業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
      本資料に記載されている将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実
    際には様々な要因により大きく異なる可能性があります。
      当社は、2021年5月12日に報道機関および機関投資家や金融機関の皆様を対象とした決算説明会を開催予定です。決算説明会については、
    当社ウェブサイト(https://group.softbank/corp/irinfo/presentations/)において日本語および英語でライブ中継する予定です。
      また近日中に、「決算データシート」を同サイトに掲載する予定です。
                                                                            ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




(添付資料)

                                                       添付資料の目次


1.当期決算の経営成績等の概況 ........................................................................................ p. 4
   (1)経営成績の概況 ..................................................................................................... p. 4
       a. 連結経営成績の概況 ................................................................................................ p.13
       b. セグメントの業績概況 .......................................................................................... p.16
           (a) 持株会社投資事業 .......................................................................................... p.17
           (b) SVF1等 SBIA の運営するファンド事業 ......................................................... p.27
           (c) ソフトバンク事業 .......................................................................................... p.34
           (d) アーム事業 .................................................................................................... p.35
           (e) その他 ............................................................................................................ p.40
   (2)財政状態の概況 .................................................................................................... p.42
   (3)キャッシュ・フローの概況 ................................................................................... p.54
   (4)今後の見通し ........................................................................................................ p.59


2.会計基準の選択に関する基本的な考え方...................................................................... p.59


3.サマリー情報(注記事項)に関する事項...................................................................... p.60
   (1)2021 年3月 31 日に終了した1年間における重要な子会社の異動 ....................... p.60
   (2)会計上の見積りの変更 .......................................................................................... p.60


4.連結財務諸表及び主な注記........................................................................................... p.61
   (1)連結財政状態計算書 ............................................................................................. p.63
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 .............................................................. p.65
   (3)連結持分変動計算書 ............................................................................................. p.68
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ............................................................................ p.70
   (5)継続企業の前提に関する注記 ............................................................................... p.72
   (6)連結財務諸表注記 ................................................................................................. p.72



免責事項
 本資料は、SB Investment Advisers (UK) Limited およびその関係会社を含むソフトバンクグループ㈱の子
会社により運用されるいずれかのファンド(ソフトバンク・ビジョン・ファンド1およびソフトバンク・ビ
ジョ ン・ ファ ンド 2を 含む 。 のリ ミテ ッド ・パ ート ナー シッ プ持 分ま たは 同等 の有 限責 任持 分そ の他 す べ
                    )
ての法域におけるあらゆる証券の販売の申込みまたは申込みの勧誘を行うものではなく、また、いかなる方
法でもそのように依拠してはなりません。

PFIC のステータスに関するお知らせ
  ソフトバンクグループ㈱は、その資産の構成および収益の性質故に、当会計年度において、1986 年米国内
国歳入法(U.S. Internal Revenue Code of 1986)のもと消極的外国投資会社(Passive Foreign Investment
Company、以下「PFIC」  )に該当する可能性があります。ソフトバンクグループ㈱株式の米国保有者におか
れては、ソフトバンクグループ㈱が PFIC と見なされた場合の米国連邦所得税上の影響について、税務専門
家に相談されることをお勧め致します。




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本添付資料における社名または略称

 本添付資料において、文脈上別異に解される場合または別段の記載がある場合を除き、以下の社
名または略称は以下の意味を有します。
社名または略称                        意味
ソフトバンクグループ㈱                   ソフトバンクグループ㈱(単体)
当社                            ソフトバンクグループ㈱および子会社
※以下の略称の意味は、それぞれの会社の傘下に子会社がある場合、それらを含みます。
SB Northstar                  SB Northstar LP
ソフトバンク・ビジョン・ファンド1             SoftBank Vision Fund L.P.および代替の投資ビークル
  または SVF1(注1)
ソフトバンク・ビジョン・ファンド2             SoftBank Vision Fund II-2 L.P.および代替の投資ビークル
  または SVF2                    (注2)
SBIA                          SB Investment Advisers (UK) Limited
ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド SoftBank Latin America Fund L.P.
スプリント                         Sprint Corporation
T モバイル                        スプリントと合併後の T-Mobile US, Inc.
アーム                           Arm Limited
アリババ                          Alibaba Group Holding Limited
当第1四半期                        2020 年6月 30 日に終了した3カ月間
当第2四半期                        2020 年9月 30 日に終了した3カ月間
当第3四半期                        2020 年 12 月 31 日に終了した3カ月間
当第4四半期                        2021 年3月 31 日に終了した3カ月間
当期                            2021 年3月 31 日に終了した1年間
前期                            2020 年3月 31 日に終了した1年間
(注1)当第2四半期から、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の表記を、「ソフトバンク・ビジョン・ファ
       ンド2」と明確に区別する目的で、
                      「ソフトバンク・ビジョン・ファンド1」または「SVF1」へ変更す
       るとともに、報告セグメントの名称を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド等 SBIA の運営するファン
       ド事業」から「SVF1等 SBIA の運営するファンド事業」に変更しました。また、関連する勘定科目名に
       ついても変更しています。詳細は「4.連結財務諸表及び主な注記」をご参照ください。
(注2)外部投資家が参画する私募ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」の活動に使用されること
       を目的として組成されたエンティティーです。当期末現在、 ソフトバンク・ビジョン・ファンド2はソ
       フトバンクグループ㈱のみがリミテッド・パートナーとして参画しています。


為替換算レート
期中平均レート
                               2020 年3月期                            2021 年3月期
        第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
1米ドル 110.00 円 107.70 円 108.98 円 109.22 円 107.74 円 105.88 円 104.45 円   106.24 円


期末日レート
                                 2020 年                                2021 年
                                3月 31 日                               3月 31 日
1米ドル                             108.83 円                             110.71 円




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<連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更>
 当期において、以下の通り連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更を行っています。
前期における連結損益計算書および報告セグメントも同様に組み替えて表示しています。

連結損益計算書の表示の変更
「営業利益」の表示取りやめと「投資損益」の新規表示
  ソフトバンクグループ㈱は、直接(子会社を通じた投資を含む)または投資ファンド(例えば、
SVF1)を通じて多数の企業に投資を行い、その投資ポートフォリオを管理する戦略的投資持株会
社です。2020 年4月1日にスプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引が完了し、同日からスプリ
ントが当社の子会社ではなくなったことにより、当社の連結業績全体に占める投資活動の重要性
が一層高まったことを踏まえて、当第1四半期より連結損益計算書の表示を変更しました。
  具体的には、連結損益計算書において「営業利益」の表示を取りやめる一方で、連結業績におけ
る投資の成果を明示するために新たに「投資損益」を表示しています。従前の「営業利益」には
「SVF1および SVF2等からの投資損益」に含まれる投資損益以外の投資損益が含まれておらず、
戦略的投資持株会社としての連結業績を適切に表示するには有用でないと判断したためです。新
たに設けた「投資損益」には、①投資有価証券(FVTPL の金融資産)および持分法で会計処理さ
れている投資の売却による実現損益、②FVTPL の金融資産の未実現評価損益、③投資先からの受
取配当金、 ④FVTPL の金融資産などの投資に係るデリバティブ関連損益が含まれています。         なお、
上記の投資損益に含まれないデリバティブ関連損益は、        「デリバティブ関連損益   (投資損益を除く) 」
として表示しています。また、投資先の純損益に対する当社持分を認識する持分法による投資損
益については、従前と同様に「持分法による投資損益」として表示しています。
  なお、連結損益計算書における「営業利益」の表示の取りやめに伴い、報告セグメントの利益は
「税引前利益」に変更しました。

ブライトスターの非継続事業への分類
 2020 年9月 17 日(米国時間)、当社は Brightstar Global Group Inc.(以下「ブライトスター」)
の全株式の売却取引 に合意し、同取引は 2020 年 10 月 22 日(米国時間)に完了しました。これ
              1

を踏まえて、連結損益計算書における当該取引完了までの同社の純損益は、継続事業と区分して
「非継続事業からの純利益」として表示し、前期における同社の純損益についても遡及修正が行
われ、 「非継続事業からの純利益」として表示しています。

報告セグメントの変更
「持株会社投資事業」の新設
 前述の通り当社の連結業績全体に占める投資活動の重要性が一層高まったことを踏まえて、当
第1四半期から、  「持株会社投資事業」を新たに設けました。同事業の概要については「 (1)経営
成績の概況 b. セグメントの業績概況 (a)持株会社投資事業 <事業概要>」をご参照ください。

「ブライトスター事業」の除外
 ブライトスターの非継続事業への分類に伴い、当第2四半期から「ブライトスター事業」を報
告セグメントから除きました。

 当期末現在、当社の報告セグメントは「持株会社投資事業」 「SVF1等 SBIA の運営するファ
                              、
ンド事業」 「ソフトバンク事業」 「アーム事業」の4つです。
     、          、


1
    本取引の対価の⼀部として、当社はブライトスターの全株式を取得した Brightstar Capital Partners の⼦会社
    の 25%(完全希薄化後)の持分を受領しています。本取引の完了に伴いブライトスターを 当社の子会社から
    除外しました。


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1. 当期決算の経営成績等の概況
(1)経営成績の概況

 1. 業績ハイライト
  投資利益7兆 5,290 億円
    - SVF1および SVF2等からの投資利益6兆 2,920 億円
     ・ SVF1:主に Guardant Health(一部)や OSIsoft、Uber(一部)などの投資の売却
       により実現益(純額)4,237 億円を計上。上場投資先で合計4兆 2,851 億円の未実現
       評価益を計上(このうち Coupang で2兆 5,978 億円、DoorDash で 6,611 億円の利
       益)。未上場投資先で合計1兆 1,930 億円の未実現評価益(純額)を計上
     ・SVF2:KE Holdings をはじめとする上場投資先の好調な株価推移などにより未実現
       評価益(純額)4,903 億円を計上
    - 持株会社投資事業からの投資利益 9,459 億円:スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併お
      よびその後の T モバイル株式一部売却に関連して、T モバイル株式売却関連利益 4,218
      億円、引き続き保有する T モバイル株式に係る未実現評価益 2,196 億円、条件付対価
      の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益 2,644 億円をそれぞれ計上。一方で上場株
      式等への投資に係る投資損失 2,329 億円を計上

   税引前利益 5 兆 6,705 億円(前期比5兆 6,204 億円増加)
    - 財務費用 3,073 億円*
    - デリバティブ関連損失(投資損益を除く)4,803 億円*
    - SVF1における外部投資家持分の増減額△2兆 2,464 億円*
                                      (*:費用の当期計上額)
   親会社所有者に帰属する純利益4兆 9,880 億円(前期比5兆 9,495 億円増加)
    - 非継続事業からの純利益 7,112 億円:主にスプリントに係る支配喪失利益

 2. 投資事業の好調が続く
  SVF1:当第4四半期に AUTO1、Coupang、View の3社が上場し、当期の累計上場社数
        は 6 社に。当期末に保有する全投資先 81 社のうち、11 社が上場済み
  SVF2:当第4四半期に Qualtrics が上場。当期末に保有する全投資先 44 社のうち、3社
        が上場済み
  SPAC:当第4四半期に SBIA の子会社3社を含む7社の子会社 SPAC(特別買収目的会
        社)が上場し、当期末現在で累計9社が上場済み。このうち1社は事業会社との
        合併が完了

 3. 4.5 兆円プログラムが終了
  資産売却または資金化:T モバイル、アリババおよびソフトバンク㈱の株式の一部売却ま
   たは資金化により、2020 年4~9月の6カ月間で 5.6 兆円の資産売却・資金化を実現
  自己株式取得:合計2兆円の自己株式取得枠を設定済み。このうち、2021 年3月末まで
   に累計 1 兆 7,422 億円、2021 年4月末までに累計1兆 9,502 億円の自己株式を取得。取
   得枠上限まで取得を継続予定
  負債削減:国内社債および外貨建て社債の買入れならびにシニアローンおよびコミットメン
   トラインによる借入金の返済により、当期末までに合計1兆円の負債を削減
  その他の手取金は上場株式で運用しながら投資機会に備えた資金として保持

 4.当期の年間配当は1株当たり 44 円で取締役会決定

 5.2021 年3月1日付で Z ホールディングス㈱と LINE㈱が経営統合




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<4.5 兆円の資産の売却または資金化の方針(4.5 兆円プログラム)>
 ソフトバンクグループ㈱は 2020 年3月 23 日、自己株式取得と負債削減等を通じた財務改善の
ために 4.5 兆円の当社保有資産の売却または資金化に関する方針を発表しました。売却または資
金化で得られた資金のうち最大2兆円を自己株式取得に、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預
金残高に振り向けるものです(以下「4.5 兆円プログラム」と総称)。このうち、保有資産の売却ま
たは資金化については、当第2四半期末までに、目標額の 4.5 兆円を達成して完了しました。2020
年4月から9月までの6カ月間における資産の売却または資金化額は 5.6 兆円にのぼります。一
方、最大2兆円の自己株式取得については、2020 年5月から7月にかけて計2兆円の自己株式の
取得枠を設定済みであり、このうち 2021 年4月末時点で累計取得額は1兆 9,502 億円に達してお
り、取得枠上限まで取得を継続する予定です。また、負債削減については、当期末までに国内社債
および外貨建て社債の買入れのほか、シニアローンおよびコミットメントラインによる借入金の
返済により合計1兆円の負債を削減しています。そして、その他の手取金は、さらなる財務改善の
ために資産運用子会社 SB Northstar を通じて流動性の高い上場株式で運用しながら投資機会に備
える資金として保持する形で、本プログラムは終了しました。
 SB Northstar による上場株式への投資の状況は「b. セグメントの業績概況 (a) 持株会社投資
事業」をご参照ください。

2020 年4月~9月の資産の売却または資金化

                                             売却または資金化額
                                        2020 年    2020 年
                                                               合計
                                       4~6月      7~9月
1. T モバイル株式の一部売却
   および同株式を活用した借入れ                       1.9 兆円    0.5 兆円    2.4 兆円
2. 先渡売買契約によるアリババ株式の一部資金化                1.5 兆円    0.2 兆円    1.7 兆円
3. ソフトバンク㈱株式の一部売却                       0.3 兆円    1.2 兆円    1.5 兆円
合計                                      3.7 兆円    1.9 兆円    5.6 兆円
(注)2020 年6月末日までに完了した取引は1米ドル=107.74 円、同9月末日までに完了した取引は1米ドル
   =105.80 円で換算しています。


1. スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併完了、および T モバイル株式の一部売却等
① スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併完了
 2020 年4月1日、当社米国子会社であったスプリントと T-Mobile US, Inc.の全ての対価を株
式とする合併による取引(以下「本合併取引」)が完了しました。当社は、本合併取引の対価とし
て T モバイルの株式 304,606,049 株と一定の条件を満たした際に T モバイル株式 48,751,557 株
を無償で取得できる権利(以下「条件付対価」)を取得しました。同日から、スプリントは当社の
子会社ではなくなり、統合後の新会社である T モバイルが、株式の 24.7%を当社が保有する持分
法適用関連会社となりました。詳細は「4.連結財務諸表及び主な注記(6)連結財務諸表注記
3.非継続事業(1)スプリント」をご参照ください。

② T モバイル株式の一部売却
 さらに当社は保有する T モバイルの普通株式 304,606,049 株のうち、2020 年6月 26 日に
173,564,426 株(以下「本一部売却の内容」の(a)および(b))、2020 年7月 16 日に 5,000,000 株
(同(c))、2020 年8月3日に 19,750,000 株(同(d))を当社子会社を通じて T モバイルに売却し
ました(以下「本一部売却」 。 モバイルは当社子会社から購入した株式を米国内における公募、
             )T
現金強制転換証券(Cash Mandatory Exchangeable Trust Securities)を発行する信託を通じた私



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                                        ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




    募、同社取締役のマルセロ・クラウレ(ソフトバンクグループ㈱副社長 執行役員 COO)への売
    却および株主割当による株式募集を通じて処分し、その手取金は当社子会社に引渡されました。
      なお、2020 年6月 26 日の株式売却に伴う議決権比率の低下により T モバイルに対する重要な
    影響力がなくなったため、同日をもって T モバイルは当社の持分法適用関連会社から除外されま
    した。

    本一部売却の内容

                     取引内容                売却株式数          売却価額の総額

     (a) Tモバイルによる米国内における公募              154,147,026 株   15,877 百万米ドル
     (b) Tモバイルによる信託を通じた私募                19,417,400 株   1,667 百万米ドル
     (c) Tモバイルによる同社取締役のマルセロ・クラ
         ウレへの売却                           5,000,000 株     515 百万米ドル
     (d) Tモバイルによる株主割当による株式募集             19,750,000 株   2,034 百万米ドル

      また、Deutsche Telekom AG(以下「ドイツテレコム」)は、本一部売却後に当社が引き続き保
    有する T モバイル株式 101,491,623 株を対象とする株式購入オプション(以下「ドイツテレコム
    の株式購入オプション」 2 を受領しました。
               )
    (i)   上記 101,491,623 株のうち 44,905,479 株を対象とする株式購入オプションの行使価額は、
          1株当たり 103.00 米ドルです。また、ドイツテレコムはオプション付与日以降いつでも権
          利行使可能です。
    (ⅱ) 上記 101,491,623 株のうち 56,586,144 株を対象とする株式購入オプションの行使価額は、行
          使に先立つ 20 取引日の T モバイル株式市場株価の加重平均価額の平均です。また、ドイツテ
          レコムは、上記(i)の権利行使後もしくは 2020 年 10 月2日以降、権利行使可能です。

    本一部売却前後の当社が保有するTモバイル株式
     (a) 本一部売却前の保有株式数                                    304,606,049 株
     (b) 本一部売却株式数                                        198,314,426 株
     (c) 本一部売却後の保有株式数 (a)-(b)                            106,291,623 株
     (d) ドイツテレコムの株式購入オプションの対象株式数                         101,491,623 株
     (e) ドイツテレコムの株式購入オプションが全て行使された場合の
         所有株式数 (c)-(d)                                     4,800,000 株

     (f) 条件付対価で取得できる株式数                                   48,751,557 株
     (g) 条件付対価で株式を取得した場合の所有株式数 (e)+(f)                    53,551,557 株


    ③ T モバイル株式を活用した借入れ
      2020 年7月 30 日、ソフトバンクグループ㈱の 100%子会社が、保有する T モバイル株式を担
    保に、43.8 億米ドルの借入れ(マージン・ローン)を行いました。本マージン・ローンについて
    は、例外的にソフトバンクグループ㈱が一部保証しているため、当該保証債務の上限枠(資金化
    時点において 20.8 億米ドル)を控除した 23.0 億米ドルを 4.5 兆円プログラムに基づく資産の資金
    化額としています。なお、ソフトバンクグループ㈱が当該保証を履行する前提条件として、金融
    機関はまず当該マージン・ローンの担保に供されているアリババ株式から最大限回収を図ること

2
    早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024 年6月 22 日に行使期限が到来します。


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                                                   ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




が義務付けられています。


2. 先渡売買契約によるアリババ株式の一部資金化
  2020 年4月から8月にかけて、ソフトバンクグループ㈱の 100%子会社である West Raptor
Holdings 2, LLC、Skybridge LLC、Skylark 2020 Holdings Limited、Scout 2020 Holdings Limited
および Tigress 2020 Holdings Limited が、保有するアリババ株式を利用した複数の先渡売買契約
を金融機関との間で締結し、総額で 154 億米ドルを調達しました。なお本取引後もアリババは継
続して当社の持分法適用関連会社です。
  なお、2020 年4月から8月にかけて締結した上記株式先渡売買契約のうち、2020 年 10 月およ
び 11 月において、カラー契約について決済株価のキャップ(上限)およびフロア(下限)の設定
を見直したほか、先渡契約について決済株価にキャップおよびフロアを設定するカラー契約へと
変更しました。また同時に、前期に締結したアリババ株式を使った株式先渡売買契約(カラー契
約)についても決済株価のキャップおよびフロアの設定を見直しています。これらの見直しは、当
時のアリババ株価の上昇に対応して、さらなる株価上昇局面でのアップサイドを確保することを
意図して行われました。またカラー契約の一部については、アリババ株価の現在の水準を考慮し
2021 年4月に早期解約を行いました。これらの詳細は「4.連結財務諸表及び主な注記(6)連
結財務諸表注記 12.有利子負債」をご参照ください。



3. ソフトバンク㈱株式の一部売却
  2020 年5月および9月、ソフトバンクグループ㈱は、ソフトバンクグループジャパン㈱を通じ
て、保有する子会社ソフトバンク㈱の普通株式 3,182,919,470 株のうち合計 1,268,061,400 株を以
下の通り売却し、合計 1.5 兆円を受領しました。
①2020 年5月:240,000,000 株(所有割合:5.0%)を 3,102 億円で売却
②2020 年9月:1,028,061,400 株(所有割合:21.7%)を 1.2 兆円で売却


  これらの売却後もソフトバンク㈱は引き続き当社の子会社であり、当社グループにおけるその
戦略的な重要性は変わりません。また、その重要性に鑑み、当社およびソフトバンクグループジャ
パン㈱はソフトバンク㈱株式を追加で売却する意向はなく、これらの売却後の所有株式を中長期
的に継続保有する方針です。
  なお、これらの売却後もソフトバンク㈱は引き続きソフトバンクグループ㈱の子会社であるた
め、当該売却における売却益相当額(税金考慮後)は、連結財政状態計算書上、「資本剰余金」と
して計上されています。これに加え、これらの取引で生じた課税所得について、繰延税金資産を認
識していなかった繰越欠損金を使用したことなどにより、法人所得税が利益方向に 256,060 百万
円計上されました。




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4.5 兆円プログラムに基づく自己株式取得
2021 年4月 30 日現在

進行中
取締役会決議日                取得株式数               取得総額           取得期間
2020 年7月 30 日         101,540,300        9,502 億円   2020 年 12 月 14 日
                                                    ~2021 年4月 30 日
  決議内容            上限:240,000,000        上限:1兆円      2020 年7月 31 日
                                                    ~2021 年7月 30 日

終了
取締役会決議日                取得株式数               取得総額           取得期間
                                                    2020 年6月 17 日
2020 年5月 15 日          81,940,400        5,000 億円   ~2020 年8月3日
                                                    2020 年9月 15 日
2020 年6月 25 日          70,579,400        5,000 億円   ~2020 年 12 月 11 日


(参考:4.5 兆円プログラム以前に決定された自己株式の取得)
                                                    2020 年3月 16 日
2020 年3月 13 日         107,679,300        5,000 億円   ~2020 年6月 15 日



4.5 兆円プログラムに基づく負債削減
 ソフトバンクグループ㈱は、当期末までに以下の通り合計1兆円の負債削減を行い、4.5 兆円プ
ログラムに基づく負債削減を終了しました。


①国内無担保社債 1,676 億円(額面総額)を買入れ(2020 年7月)
②シニアローン 3,000 億円(借入額面総額)を期限前返済(2020 年9月)
③外貨建普通社債 9.78 億米ドルおよび 8.98 億ユーロ(額面総額、合計 2,249 億円)を買入れ(2021
 年3月)
④コミットメントラインによる借入金 3,100 億円の返済(2021 年3月)




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<アーム全株式の売却契約の締結>
 2020 年9月 13 日(米国時間)、当社 100%子会社である SoftBank Group Capital Limited(以
下「SBGC」)および SVF1が保有する当社 100%子会社アームの全株式を米国の半導体メーカー
である NVIDIA Corporation(以下「NVIDIA」)に対して取引価値を最大 400 億米ドル(約 4.2 兆
円)と評価した取引で売却すること(以下「本取引」)について、SBGC、SVF1および NVIDIA の
間で最終的な契約(以下「最終契約」)の締結に至りました。本取引は、英国、中国、EU および米
国を含む必要な規制当局の承認、その他のクロージング要件の充足を条件とします。本取引の完
了までには最終契約の締結から約 18 カ月かかると見込んでいます。なお、 (Internet-of-Things
                                    ISG
Services Group;IoT に関連するサービスグループ)事業は本取引の対象外であるため、アームか
ら分離され、それ以外のアーム事業とは別に管理することが当第4四半期に決定されました。同
事業のアームからの移管は 2021 年 12 月までに行われるとアームは見込んでいます。これに伴い、
当期のアーム事業は ISG 事業を除くアームの業績を表示するとともに、ISG 事業の業績は「その
他」に含めて表示しています。前期の業績についても同様に遡及修正を行っています。
 本取引の完了をもってアームは当社の子会社に該当しないこととなり、当社の連結対象から除
外されますが、本取引完了の蓋然性が非常に高いと見なされるまでの間、当社連結財務諸表にお
いてアームは引き続き継続事業として扱われます。また、本取引の完了後、SBGC および SVF1
は合計で NVIDIA の発行済み株式(自己株式を除きます。)の約 6.7~8.1%を保有することになる
と見込んでいます(最終的なアーンアウト(詳細は以下をご参照ください)の金額により変動しま
す。 。本取引の完了後も NVIDIA は当社の子会社や関連会社に該当しません。
  )
 本取引の取引価値の内訳は下表の通りです。
                                                        (単位:億米ドル)

                             取引価値             受領時期
     ①現金                       120 (a)     20 2020 年9月受領
                                              (うち 7.5 億米ドルはアームがラ
当                                             イセンス契約対価として受領)
社                                     (b) 100 クロージング時
の
受    ②NVIDIA 株式                 215         クロージング時
領                     (44.37 百万株)
対    ③アーンアウト                  最大 50         クロージング時
価
     (現金または NVIDIA 株式)       (または           (アーンアウト対象アーム業績が
                       10.32 百万株)           一定の財務指標を達成することが
                                            条件)
     ④アーム従業員への                   15         クロージング時
      NVIDIA 株式報酬                           (アームの従業員が受領)
     合計                      最大 400
(注1)①および②ならびに③(もしあれば)の受領対価は、SBGC および SVF1が、アーム株式保有割合に
       応じてそれぞれ 75.01%および 24.99%の割合で受領します。なお、SVF1の手取金は所定の分配順位
       (ウォーターフォール)に基づいて当社を含む SVF1のリミテッド・パートナーに分配されます。
(注2)②および③における取引価値は、NVIDIA 株式を1株当たり 484.6007 米ドルで算定(2020 年9月 10
       日に終了した連続した 30 取引日の同社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))


① 現金 120 億米ドル
    (a) 20 億米ドル
     最終契約締結(2020 年9月 13 日)に伴い、SBGC およびアームは現金合計 20 億米ドルを
    受領しました。このうち 12.5 億米ドルは SBGC が売却対価の前受金として受領(本取引の完



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 了までの間、所定の条件下で NVIDIA に払い戻す義務があり、本取引の完了後は払戻し不要)、
 7.5 億米ドルはアームが最終契約と同時に NVIDIA と締結したライセンス契約の対価として受
 領したものです。
 (b) 100 億米ドル
  本取引のクロージング時、SBGC および SVF1は現金合計 100 億米ドルを受け取ります。


② NVIDIA 株式 215 億米ドル相当(4,437 万株)
 SBGC および SVF1は、本取引のクロージング時に NVIDIA 普通株式 44,366,423 株を受け取
ります。これは1株当たり 484.6007 米ドル(2020 年9月 10 日に終了した連続した 30 取引日の
同社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))に基づき決定されています。なお、このうち
2,063,554 株は、本取引の最終契約における SBGC および SVF1が負担し得る一定の補償義務の
履行のためにエスクローの対象となります。
 受領する株式はクロージング時に FVTPL の金融資産として公正価値で計上され、以降は毎四
半期末の公正価値の変動が純損益として認識される予定です。


③ アーンアウト最大 50 億米ドル(現金または NVIDIA 株式 1,032 万株)
 2022 年3月 31 日に終了する会計年度のアームの売上高および EBITDA(それぞれ一定の調整
を受け、かつ ISG 事業への帰属分を除きます。)が最終契約で規定された目標値を達成することを
条件に、SBGC および SVF1は、クロージング時、アーンアウトとして最大 50 億米ドルの現金ま
たは NVIDIA 普通株式最大 10,317,772 株(2020 年9月 10 日に終了した連続した 30 取引日の同
社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))である1株当たり 484.6007 米ドルに基づく)を
受け取ります。アームの業績が合意されたフロア値を超え当該目標値を下回る場合は達成度に応じ
た割合でアーンアウトを受け取り、当該フロア値に満たない場合はアーンアウトは得られません。
 同アーンアウトを NVIDIA 株式で受領する場合、当該株式はクロージング時に FVTPL の金融
資産として公正価値で計上され、以降は毎四半期の公正価値の変動が純損益として認識される予
定です。


④ アームの従業員への 15 億米ドル相当の NVIDIA 株式報酬
 本取引のクロージング時、アームの従業員が NVIDIA から 15 億米ドル相当の同社株式報酬を
受領します。



 なお、アームは当社の子会社であるため、SVF1が保有するアーム株式の公正価値の変動により
計上される未実現評価損益およびアームからの受取配当金は、セグメント利益において「SVF1お
よび SVF2等からの投資損益」に含めていますが、連結上消去し、連結損益計算書上の「SVF1お
よび SVF2等からの投資損益」には含めていません。




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<スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引および T モバイル株式の一部売却による当期の連
結財務諸表への主な影響>
スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引による影響
① 連結損益計算書への影響
スプリントの支配喪失利益 7,208 億円を「非継続事業からの純利益」に計上


② 連結財政状態計算書への影響
  資産の部
  ・本合併取引の対価として受領した T モバイル株式を公正価値 2.7 兆円で「持分法で会計処理
   されている投資」に計上(以下の T モバイル株式の一部売却の結果、引き続き保有する T モ
   バイル株式は公正価値で「投資有価証券」に振替え)
  ・本合併取引の対価として受領した条件付対価 4,607 億円を「デリバティブ金融資産」に計上
   しました。本合併取引時に公正価値 1,963 億円で計上した後、当期末までに 2,644 億円の公
   正価値の上昇を認識したものです(当該上昇はデリバティブ関連利益として「持株会社投資
   事業からの投資損益」で認識)。


T モバイル株式の一部売却取引による影響
① 連結損益計算書への影響
  投資損益
  T モバイル株式売却関連利益 4,218 億円を「持株会社投資事業からの投資損益」に計上:
 関連会社株式売却益 2,803 億円、引き続き保有する T モバイル株式の再評価益 2,960 億円、ド
 イツテレコムの株式購入オプションに係るデリバティブ関連損失 1,545 億円、T モバイル株式
 の売却による実現損失 31 億円、デリバティブ負債の認識の中止に伴う利益 30 億円


② 連結財政状態計算書への影響
  資産の部
  引き続き保有する T モバイル株式を公正価値で「投資有価証券」に計上(当期末:1兆 4,744 億
  円)。なお、引き続き保有する T モバイル株式は毎四半期末に公正価値で測定し、その変動額は
  連結損益計算書上、「持株会社投資事業からの投資損益」に計上します。2020 年6月 26 日から
  当期末までの期間に認識した T モバイル株式に係る投資の評価益は 2,196 億円です。
  負債の部
  ドイツテレコムの株式購入オプションを公正価値で「デリバティブ金融負債」に計上(当期末:
  2,048 億円)。なお、ドイツテレコムの株式購入オプションは毎四半期末に公正価値で測定し、
  その変動額は連結損益計算書の「持株会社投資事業からの投資損益」にデリバティブ関連損益
  として計上します。


③ 連結キャッシュ・フロー計算書への影響
  投資活動によるキャッシュ・フロー
  T モバイル株式売却の手取金 2.1 兆円を「投資の売却または償還による収入」に計上




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<新型コロナウイルス感染拡大の市場および当社事業への主な影響>
 当期の世界の経済状況は新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな影響を受け、その影響
は今なお継続しています。世界各国の政府が新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響に
対処するために財政出動や金融緩和を実施していることや、一部の国でのワクチン接種の進展に
よる経済活動活性化への期待感により、下半期において市場は全体的に急激に回復しており、新
規資金の流入が続いています。特に、当社が投資活動の力点を置いているテクノロジー分野は、新
型コロナウイルスの感染拡大に対応するためにデジタルサービスの導入が加速度的に進んでいる
ことのプラス影響を受けており、当期、S&P500 情報技術株指数は 73%上昇しました。これらの
要因により、当期、SVF1および SVF2を中心に投資のパフォーマンスは好調に推移し、当社の投
資損益合計は 7,529,006 百万円に達しました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴
う影響に関する不確実性等を考慮すると、現在の好影響が持続する保証はなく、また、その影響の
度合いも投資先ごとに異なる可能性があります。
 当期、特に SVF1においては、上場投資先の株価が好調に推移したほか、上場の決定や資金調
達ラウンドのあった投資先やコロナ下で顧客のサービス利用が増加した投資先などの未上場投資
先の公正価値が上昇し、合計で 5,478,148 百万円の未実現評価利益(純額)を計上しました。イー
コマースやエンターテインメント、ヘルスケア、教育、食料デリバリー、法人向けソリューション
などのセクターにおける事業は、デジタルサービスの導入が加速度的に進んでいることからプラ
スの影響を受けており、これらのセクターに属する SVF1の投資先の多くが、前ラウンドよりも
高い評価額で新規および既存投資家からの追加資金調達に成功していることは、各社の底堅い事
業成長を反映しているものと考えられます。一方、旅行・ホスピタリティーなどのセクターでは、
業績回復のペースは比較的鈍いものとなっています。




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a. 連結経営成績の概況
                                                             (単位:百万円)
                        3月 31 日に終了した1年間
                            2020 年           2021 年        増減      増減率
継続事業
売上高                       5,238,938        5,628,167    389,229     7.4 % A
売上総利益                     2,654,665        2,874,929    220,264     8.3 %
投資損益
 持株会社投資事業からの投資損益            484,308         945,944     461,636    95.3 % B
 SVF1および SVF2等からの投資損益    △1,844,867        6,292,024   8,136,891       ― C
 その他の投資損益                  △49,594          291,038     340,632        ―
投資損益合計                   △1,410,153        7,529,006   8,939,159       ―
 販売費及び一般管理費              △2,060,080      △2,271,497    △211,417    10.3 %
 財務費用                     △293,897        △307,250     △13,353      4.5 % D
 持分法による投資損益                 624,015         616,432     △7,583     △1.2 % E
 デリバティブ関連損益(投資損益を除く)               15     △480,251     △480,266        ― F
 SVF1における外部投資家持分の増減額        540,930      △2,246,417 △2,787,347         ―
 その他の損益                     △5,457         △44,496     △39,039         ―
税引前利益                           50,038     5,670,456   5,620,418       ―
 法人所得税                    △792,655       △1,303,168    △510,513     64.4% G
継続事業からの純利益                △742,617         4,367,288   5,109,905       ―
非継続事業
非継続事業からの純利益                △58,143          710,948     769,091        ― H
純利益                       △800,760         5,078,236   5,878,996       ―
親会社の所有者に帰属する純利益           △961,576         4,987,962   5,949,538       ―

包括利益合計                   △1,290,339        5,578,244   6,868,583       ―
親会社の所有者に帰属する包括利益         △1,425,587        5,482,739   6,908,326       ―
(注)当期において、継続事業と非継続事業を区分して表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、
   前期においても同様に組み替えて表示しています。


 以下、連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。

A 売上高
 ソフトバンク事業とアーム事業はいずれも増収となりました。


B 持株会社投資事業からの投資損益
 スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併およびその後の T モバイル株式一部売却に関連して、T
モバイル株式売却関連利益 421,755 百万円、引き続き保有する T モバイル株式に係る未実現評価
益 219,608 百万円、条件付対価の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益 264,395 百万円をそ
れぞれ計上した一方、上場株式等への投資で 232,856 百万円の投資損失を計上しました。なお、
前期には、アリババ株式先渡売買契約決済益 1,218,527 百万円を計上していました。詳細は「b. セ
グメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。



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                                              ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




C SVF1および SVF2等からの投資損益
    SVF1が、保有銘柄の一部について、株式の全部(関係投資先株式との株式の交換を含む)また
は一部を売却したことにより、投資の売却による実現益 423,683 百万円(純額)を計上しました。
また、Coupang, Inc. 以下
               (   「Coupang」 や DoorDash, Inc. 以下
                            )               (   「DoorDash」 、
                                                          ) Uber Technologies,
Inc.(以下「Uber」)などの好調な株価を反映し上場投資先について合計 4,285,133 百万円の未実
現評価益(純額)を計上したほか、未上場投資先について上場の決定や資金調達ラウンドなどによ
る公正価値上昇を反映し 1,193,015 百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。また、SVF2
が、KE Holdings Inc.(以下「KE Holdings」)をはじめとする上場投資先の好調な株価推移などを
反映し、未実現評価益 490,255 百万円(純額)を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概
況(b)SVF1等 SBIA の運営するファンド事業」をご参照ください。


    主に B および C の結果、投資損益合計は 7,529,006 百万円の利益となりました。


D 財務費用
    持株会社投資事業で 20,069 百万円、ソフトバンク事業で 4,167 百万円、それぞれの支払利息が増
加した一方、SVF1等 SBIA の運営するファンド事業で支払利息が 13,128 百万円減少しました。


E 持分法による投資損益
    アリババに係る持分法投資利益は 572,516 百万円 3 でした。当期も本業は引き続き好調だったも
のの、2019 年9月にアリババが保有する知的財産の一部を Ant Small and Micro Financial Services
Group Co., Ltd.(現 Ant Group Co., Ltd.、以下「Ant Financial」)およびその子会社へ譲渡し、そ
の対価をもって Ant Financial の新規発行株式(33%の持分)を取得する取引を行った結果、前期
において当社のアリババに係る持分法投資利益が 286,473 百万円増加していたことなどから、前
期から 87,626 百万円(13.3%)減少しました。
    なお、アリババは中国国家市場監督管理総局が同社に科した独占禁止法違反の罰金を 2021 年1
~3月期に費用計上しました。当社は当該費用を期間差における重要な事象として当期に計上し
たため、アリババに係る持分法投資利益が 74,270 百万円押し下げられました。


F デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
    2019 年 11 月および 2020 年4月から8月にかけて締結したアリババ株式の先渡売買契約に係る
デリバティブ関連損失 504,048 百万円を計上しました(2020 年 10 月および 11 月に行った契約の
一部変更による影響を含む)。


    主に A~F の結果、税引前利益は前期比 5,620,418 百万円増加の 5,670,456 百万円となりまし
た。


G 法人所得税
    ソフトバンク㈱やヤフー㈱で法人所得税を計上しているほか、T モバイル株式の売却に伴う法
人所得税を計上しています。また、アリババ株式先渡売買契約の変更に伴う繰延税金費用を計上
しています。なお、ソフトバンクグループジャパン㈱によるソフトバンク㈱株式の一部売却 「
                                         ( (1)


3
    アリババとの契約などにより、   同社の報告期間を統一することが実務上不可能であるため、 連結損益計算書上、
    報告期間が3カ月相違した同社の連結財務諸表に持分法を適用しています(2020 年 12 月末のアリババに対す
    る当社の経済的持分比率: 25.02%)。ただし、アリババが公表した当該期間差における重要な取引または事象に
    ついては、必要な調整を行っています。


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                                   ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




経営成績の概況 <4.5 兆円の資産の売却または資金化の方針(4.5 兆円プログラム)> 3. ソフ
トバンク㈱株式の一部売却」ご参照)で生じた課税所得について、繰延税金資産を認識していな
かった繰越欠損金を使用したことなどにより、法人所得税が利益方向に 256,060 百万円計上され
ました。


H 非継続事業からの純利益
 スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引の完了によりスプリントが当社の子会社でなくなっ
たことに伴い、同社に係る支配喪失利益 720,842 百万円を計上しました。


 主に A~H の結果、親会社の所有者に帰属する純利益は 4,987,962 百万円となりました。


アリババの持分法投資損益算出における基礎情報は、近日中に当社ウェブサイトに掲載予定の「決算
データシート」をご参照ください:https://group.softbank/ir/presentations/




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                                     ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




b. セグメントの業績概況
 当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎
としています。当期末現在、
            「持株会社投資事業」「SVF1等 SBIA の運営するファンド事業」「ソ
                      、                       、
フトバンク事業」「アーム事業」の4つを報告セグメントとしています。当期における連結損益計
        、
算書の表示および報告セグメントの変更の詳細は「<連結損益計算書の表示および報告セグメン
トの変更>」をご参照ください。なお、連結損益計算書における「営業利益」の表示の取りやめに
伴い、報告セグメントの利益を「税引前利益」に変更しました。


 報告セグメントの概要は以下の通りです。

セグメント名称         主な事業の内容                   主な会社
報告セグメント
 持株会社投資事業       ・ソフトバンクグループ㈱および           ソフトバンクグループ㈱
                 その子会社による投資事業             SoftBank Group Capital Limited
                                          ソフトバンクグループジャパン
                                            ㈱
                                          SB Northstar LP
 SVF1等 SBIA の運営す ・SVF1および SVF2による投資事業     SB Investment Advisers (UK)
  るファンド事業                                   Limited
                                          SoftBank Vision Fund L.P.
                                          SoftBank Vision Fund II-2 L.P.
 ソフトバンク事業       ・日本国内での移動通信サービスの          ソフトバンク㈱
                 提供、携帯端末の販売、ブロードバン Z ホールディングス㈱
                 ドなど固定通信サービスの提供
                ・インターネット広告やイーコマース
                 サービスの提供
 アーム事業          ・マイクロプロセッサーの IP および       Arm Limited
                 関連テクノロジーのデザイン
                ・ソフトウエアツールの販売および関
                 連サービスの提供
その他             ・スマートフォン決済事業              PayPay㈱
                ・オルタナティブ投資の資産運用事業         Fortress Investment Group LLC
                ・ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファ SoftBank Latin America Fund
                 ンドによる投資事業                  L.P.
                ・福岡ソフトバンクホークス関連事業         福岡ソフトバンクホークス㈱




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 (a) 持株会社投資事業

  1. T モバイル株式売却関連利益 4,218 億円、引き続き保有する T モバイル株式に係る未実
     現評価益 2,196 億円、条件付対価の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益 2,644 億
     円をそれぞれ計上
  2. 4.5 兆円プログラムを終了(注)
  3. 上場株式等への投資で 2,329 億円の投資損失を計上(ソフトバンクグループ㈱および
     SB Northstar の投資損益合計)

(注)4.5 兆円プログラムに基づく資産の売却または資金化、自己株式の取得、負債削減等を通じた財務改善に
   ついては、 (1)経営成績の概況 <4.5 兆円の資産の売却または資金化の方針(4.5 兆円プログラム)
        「
   >」をご参照ください。


<事業概要>
 当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会
社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SBGC、ソフトバンク
グループジャパン㈱および資産運用子会社である SB Northstar のほか、投資または資金調達を行
う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグルー
プ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただ
し、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資
損益を含みません。
 当 事 業 を 構 成 す る 会 社 が 保 有 す る 投 資 先 は 、 ア リ バ バ や T モ バ イ ル 、 WeWork Inc.( 以 下
「WeWork」(注)など約 110 社と、SB Northstar からの投資先であり、持分法適用関連会社(例
        )
えばアリババ)のほか、FVTPL の金融資産として認識されるものがあります。持分法適用関連会
社に該当する投資先の業績は、持分に応じて損益が「持分法による投資損益」に計上されます。
FVTPL の金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」
として連結損益計算書に計上しています。
(注)SVF1が保有する WeWork 株式に係る投資損益は「SVF1等 SBIA の運営するファンド事業」に含まれて
   います。


資産運用子会社からの上場株式等への投資
 当社は、当第1四半期から、保有資産の多様化と余剰資金の運用を目的として、従来から掲げて
いる LTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合)や手元流動性に関する財務方針を堅持
しつつ、流動性の高い上場株式への投資を行っています。当第1四半期においてはソフトバンク
グループ㈱がこうした投資を行っていましたが、当第2四半期からは資産運用子会社である SB
Northstar が上場株式等の取得および売却、上場株式に関連するデリバティブ取引および信用取引
を行っています。なお、上場株式等への投資の規模は、ソフトバンクグループ㈱の資金需要、手元
現金の状況、および保有資産の状況により変動します。
 SB Northstar における持分は、ソフトバンクグループ㈱が 67%、ソフトバンクグループ㈱代表
取締役 会長 兼 社長執行役員の孫 正義が 33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の
持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の 67%が親会社の所有
者に帰属する純利益に影響を与えます。なお、ソフトバンクグループ㈱が SB Northstar に対しファ
ンド存続期間(12 年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、
持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。




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                                              ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




<業績全般>
                                                                (単位:百万円)
                             3月 31 日に終了した1年間
                                  2020 年 2021 年               増減      増減率
投資損益                               484,308    946,107      461,799    95.4%   A
  T モバイル株式売却関連損益                        ―     421,755      421,755       ―
  アリババ株式先渡売買契約決済益                1,218,527         ―    △1,218,527       ―
  資産運用子会社からの投資の売却に
   よる実現損益                                ―   △20,537      △20,537        ―
  資産運用子会社からの投資の未実現
   評価損益                                  ―    134,237      134,237       ―
  資産運用子会社からの投資に係る
   デリバティブ関連損益                          ―     △610,690    △610,690        ―
  投資の売却による実現損益                     17,777     222,161      204,384       ―
  投資の未実現評価損益                     △690,669     608,448    1,299,117       ―
  投資に係るデリバティブ関連損益                 △66,343     185,769      252,112       ―
  その他                               5,016       4,964         △52    △1.0%
販売費及び一般管理費                        △75,099    △102,276     △27,177    36.2%
財務費用                             △198,535    △218,604     △20,069    10.1%    B
持分法による投資損益                        657,232     601,364     △55,868    △8.5%    C
デリバティブ関連損益
 (投資損益を除く)                         △1,886    △477,536    △475,650         ―   D
その他の損益                             47,720      11,872     △35,848    △75.1%
セグメント利益(税引前利益)                     913,740    760,927    △152,813    △16.7%


A 投資利益:946,107 百万円
・T モバイル株式売却関連利益 421,755 百万円を計上しました。これは、①2020 年6月 26 日
 に保有する T モバイル株式 304,606,049 株のうち 173,564,426 株を売却したことに伴う関連
 会社株式売却益 280,341 百万円、②T モバイルの持分法適用除外時に引き続き保有する同社
 株式に係る再測定益 296,013 百万円、③ドイツテレコムが受領した当社が保有する T モバイ
 ル 株 式 101,491,623 株 を 対 象 と す る 株 式 購 入 オ プ シ ョ ン に 関 す る デ リ バ テ ィ ブ 関 連 損 失
 154,491 百万円、④2020 年7月 16 日に保有する T モバイル株式 5,000,000 株、2020 年8月
 3日に同 19,750,000 株を売却したことに伴う投資の売却による実現損失 3,122 百万円および
 デリバティブ負債の認識の中止に伴うデリバティブ関連利益 3,014 百万円から成ります。
・資産運用子会社からの投資の売却による実現損失 20,537 百万円、資産運用子会社からの投資
 の未実現評価利益 134,237 百万円をそれぞれ計上しました。これは SB Northstar が上場株式
 等への投資を行ったことによるものです。
・資産運用子会社からの投資に係るデリバティブ関連損失 610,690 百万円を計上しました。こ
 れは SB Northstar において主に上場株式に係るコールオプションや売建株価指数先物取引に
 係る損失を計上したことによるものです。
・投資の売却による実現利益 222,161 百万円、投資の未実現評価利益 608,448 百万円をそれぞ
 れ計上しました。前者については、主にソフトバンクグループ㈱からの上場株式への投資によ
 り 222,009 百万円の実現利益を計上したことによるものです。後者については、2020 年6月
 26 日から当期末までの期間に認識した T モバイル株式に係る投資の評価利益 219,608 百万円



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      を 計 上 し た こ と に 加 え 、 公 正 価 値 上 昇 を 反 映 し て Social Finance, Inc.、 Lemonade, Inc.、
      Berkshire Grey Inc. 4 への投資に係る未実現評価益をそれぞれ 124,420 百万円、72,994 百万円、
      49,462 百万円計上したことなどによるものです。そのほかに、ソフトバンクグループ㈱によ
      る上場株式への投資により 42,288 百万円の未実現評価益も計上しました。
    ・投資に係るデリバティブ関連利益 185,769 百万円を計上しました。これは主に、スプリント
      と T-Mobile US, Inc.の合併取引の対価として受領した一定の条件を満たした際に T モバイル
      株式を無償で取得できる権利の公正価値の上昇額 264,395 百万円を当該利益として計上した
      ことによるものです。


    B 財務費用:218,604 百万円(前期比 20,069 百万円増加)
    ・ソフトバンクグループ㈱の支払利息 5 が 12,406 百万円増の 210,649 百万円となりました。こ
      れは主に、2020 年4月から8月にかけて資金調達を行う 100%子会社がアリババ株式を利用
      した複数の先渡売買契約を金融機関との間で締結して資金調達を行った結果、有利子負債が
      増加したことによるものです。


    C 持分法による投資利益:601,364 百万円(前期比 55,868 百万円減少)
    ・アリババに係る持分法投資利益は 572,516 百万円でした。当期も本業は引き続き好調だった
      ものの、2019 年9月にアリババが保有する知的財産の一部を Ant Financial およびその子会
      社へ譲渡し、その対価をもって Ant Financial の新規発行株式(33%の持分)を取得する取引
      を行った結果、前期において当社のアリババに係る持分法投資利益が 277,175 百万円増加し
      ていたことなどから、前期から 87,626 百万円(13.3%)減少しました。
      なお、アリババは中国国家市場監督管理総局が同社に科した独占禁止法違反の罰金を 2021 年
      1~3月期に費用計上しました。当社は当該費用を期間差における重要な事象として当期に
      計上したため、アリババに係る持分法投資利益が 74,270 百万円押し下げられました。
    ・2020 年4月1日 から同 年6月 25 日ま での期 間にお けるT モバイ ル に係る 持分法 投資利 益
      24,736 百万円を計上しました(前期は計上なし)。


    D デリバティブ関連損失(投資損益を除く):477,536 百万円
    ・2019 年 11 月および 2020 年4月から8月にかけて締結したアリババ株式の先渡売買契約に関
      するデリバティブ関連損失 504,048 百万円を計上しました(2020 年 10 月および 11 月に行っ
      た契約の一部変更による影響を含む)。




4
    2021 年3月に Berkshire Grey Inc.株式は SVF2へ移管されました。
5
    ソフトバンクグループ㈱の支払利息は、                  資金調達を行う 100%子会社         (スカイウォークファイナンス合同会社、
    West Raptor Holdings, LLC、West Raptor Holdings 2, LLC、Skybridge LLC、Skylark 2020 Holdings Limited、
    Scout 2020 Holdings Limited、 Tigress 2020 Holdings Limited、 ム ー ン ラ イ ト フ ァ イ ナ ン ス 合 同 会 社 お よ び
    Delaware Project 6 L.L.C.)の有利子負債に係る支払利息を含めて表示しています。


                                                  19
                                                                                                         ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信


<資産運用子会社からの上場株式等への投資>
財政状態および投資損益への主な影響
                                                                                                                            (単位:百万円)
                                             連結財政状態計算書                                           連結損益計算書
    投資元               投資種別                                当期末残高                                                計上額
                                           計上科目                              計上科目
                                                          (△は負債)                        Q1          Q2         Q3         Q4       Q1-4
ソフトバンク         現物                                                         投資の売却による
グループ㈱          株式                                                         実現損益(注1)     64,470      102,768     40,681    14,090    222,009
                                                                          投資の未実現評価損益
                                       投資有価証券                  15,535     (注1)         20,880       75,693    △41,526   △12,759     42,288
SB Northstar   現物                                                         資産運用子会社からの
               株式等                     資産運用子会社                            投資の売却による実現
                                       からの投資                  755,250     損益                 ―     △8,060     △84,399    71,922    △20,537
                                       資産運用子会社に
                                       おける担保差入有
                                       価証券                  1,427,286     資産運用子会社からの
               信用                      借入有価証券                             投資の未実現評価損益
               取引                      (注2)                   △8,713      (注3)               ―    △95,082     200,740    28,416    134,074
               デリバ      上場株式に係         資産運用子会社に
               ティブ      る買建コール         おけるデリバティ
                        オプション          ブ金融資産                  176,627
                        上場株式に係         資産運用子会社に
                        る売建コール         おけるデリバティ
                        オプション          ブ金融負債                  △9,283
                        売建株価指数
                        先物取引                  ―                     ―
                                       資産運用子会社に
                        上場株式に係         おけるデリバティ
                        るトータル・         ブ金融資産                    7,057
                        リターン・          資産運用子会社に
                        スワップ取引         おけるデリバティ
                                       ブ金融負債                  △5,390
                        上場株式に係         資産運用子会社に                           資産運用子会社からの
                        るフォワード         おけるデリバティ                           投資に係るデリバティ
                        契約             ブ金融資産                    4,372     ブ関連損益              ―   △292,346    △285,256   △33,088   △610,690
(注 1) 当 第 1 四 半 期 お よ び 当 第 2 四 半 期 に ソ フ ト バ ン ク グ ル ー プ ㈱ が 取 得 し た 上   持株会社投資事業
場株 式 の一 部を 、 当第 2 四半 期に SB Northstar へ移 管 しま した 。 本移 管後 に SB              からの投資損益      85,350    △217,027    △169,760    68,581   △232,856
Northstar が当 該 上場 株式 を 外 部に 売 却し た部 分 につ い ては 、ソ フ トバ ンク グ ルー
                                                                          非支配持分に帰属する
プ㈱ に よる 取得 価 額 と SB Northstar への 移 管価 額 の差 額を 「 投資 の 売却 によ る 実
                                                                          投資損益(注4)           ―     131,829     56,305   △22,417    165,717
現損 益 」に 含め て 表示 し てい ま す。当 期末 にお い て、SB Northstar が 引き 続 き保 有
して い る部 分に つ いて は 、当該 差額 を「投 資 の未 実 現評 価 損益 」に含 めて 表 示し て                 親会社の所有者に
いま す 。SB Northstar が当 該 上 場株 式 を外 部に 売 却し た 際に 、当該 差 額を「投 資 の             帰属する投資損益
未実 現 評価 損益 」 から 「 投資 の売 却 によ る実 現 損益 」 に振 り替 え てい ます 。                    (注5)         85,350     △85,198    △113,455    46,164   △67,139
(注2 ) 売 建信 用 取引 で 借り 入 れた 有 価証 券の 公 正価 値
(注3 ) 内 部取 引 控除 後
(注4 ) SB Northstar の 投資 損 益 の 33%
(注5 ) 販 売費 及 び一 般 管理 費 や税 金 費用 など の 影響 を 含み ませ ん 。
                                                                            20
                                                   ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




資産運用子会社の当社連結財政状態計算書への影響(注1)
2021 年3月 31 日現在
                                                                       (単位:百万円)
                                                                           2021 年
                                                                          3月 31 日
  現金及び現金同等物                                                                 221,281
  資産運用子会社からの投資                                                              755,250
  資産運用子会社における担保差入有価証券                                                     1,427,286
  資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産                                                     188,056
  その他の金融資産                                                                  126,472
  その他                                                                        14,407
  資産合計                                                                    2,732,752
  有利子負債                                                                   1,866,521
  資産運用子会社におけるデリバティブ金融負債                                                      14,673
  その他                                                                        19,226
  負債合計                                                                    1,900,420
  Delaware 子会社(以下に定義)からの出資(注2)                                            1,348,963
    ソフトバンクグループ㈱から Delaware 子会社への現金出資相当額                                      39,786
    ソフトバンクグループ㈱から Delaware 子会社への貸付相当額
     (ソフトバンクグループ㈱からの運用委託金)                                                1,289,284
    孫 正義から Delaware 子会社への現金出資相当額                                             19,893   A
  利益剰余金                                                                   △506,265    B
  為替換算差額                                                                   △10,366
  純資産                                                                      832,332    C
(注1)ソフトバンクグループ㈱から Delaware 子会社を経由して SB Northstar へ現物出資したアリババ株式の
    影響および SB Northstar から SBIA 子会社の SPAC への投資の影響を除いた SB Northstar の財政状態
    計算書を、当社連結財政状態計算書への同社の影響を示すための参考情報として記載しています。
(注2)当社の子会社である Delaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.および Delaware Project 3
    L.L.C.(以下「Delaware 子会社」 )から資産運用子会社である SB Northstar への出資額


(非支配持分の計算)
                                                                       (単位:百万円)
  孫 正義から Delaware 子会社への現金出資相当額                                               19,893   A
  非支配持分損益(注3)                                                             △168,714
  為替換算差額                                                                    △4,043
  非支配持分(孫 正義の持分)                                                         △152,864     D
(注3)表中 B の3分の1


(純資産(上記 C)に対する持分)
                                                                       (単位:百万円)
  ソフトバンクグループ㈱の持分                                                            985,196
  非支配持分(孫 正義の持分)                                                          △152,864    D
  純資産                                                                      832,332    C




                                          21
                                                ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




資産の状況
2021 年3月 31 日現在


① 現物株式等
                                                      (単位:百万米ドル)
                                                              当期末
                                                             公正価値
株式
 AbCellera Biologics Inc.                                           265
 Adobe Inc.                                                          10
 Alphabet Inc. Class C Capital Stock                                575
 Amazon.com, Inc.                                                  6,211
 Facebook, Inc.                                                    3,182
 Microsoft Corporation                                             1,030
 Netflix, Inc.                                                      382
 Pacific Biosciences of California, Inc.                            328
 PayPal Holdings, Inc.                                             1,180
 salesforce.com, inc.                                               385
 Sana Biotechnology, Inc.                                            88
 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited ADR            1,320
 4D Molecular Therapeutics, Inc.                                     15
 SPAC16 社                                                           441
   うち、SBIA 子会社の SPAC3社(注1)                                           54
 その他                                                               3,481
 NVIDIA Corporation(注2)                                             140
その他
 転換社債                                                               876
合計                                                                19,907
(注1)SBIA 子会社の SPAC3社への投資は、連結決算では内部取引として消去されます。
(注2)NVIDIA Corporation 株式はソフトバンクグループ㈱が保有しています。


② デリバティブ
                                                             (単位:百万米ドル)
                                                当期末公正価値            想定元本
                                                 (△は負債)           (△は売建)
上場株式に係る買建コールオプション                                         1,595            13,386
上場株式に係る売建コールオプション                                         △84          △2,691
上場株式に係るトータル・リターン・スワップ取引                                     15              2,534
上場株式に係るフォワード契約                                              39                75
合計                                                        1,565            13,304




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                                             ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




当事業における主な有利子負債

                                                                当期末
                                                              連結財政状態
借入者                             種別                             計算書残高
ソフトバンクグループ㈱                     借入金                            1兆 1,529 億円
                                社債                             4兆 7,455 億円
                                リース負債                                134 億円
                                コマーシャル・ペーパー                        2,465 億円

(資金調達を行う 100%子会社(注1))
West Raptor Holdings, LLC
West Raptor Holdings 2, LLC
                                アリババ株式を活用した複数の株式先
Skybridge LLC
                                渡売買契約(フロア契約およびカラー契               3兆 857 億円
Skylark 2020 Holdings Limited
                                約)
Scout 2020 Holdings Limited
Tigress 2020 Holdings Limited
スカイウォークファイナンス
                                アリババ株式を活用した借入れ                     8,941 億円
合同会社
ムーンライトファイナンス
                                ソフトバンク㈱株式を活用した借入れ                  4,987 億円
合同会社
Delaware Project 6 L.L.C.       T モバイル株式を活用した借入れ                   4,813 億円


SB Northstar                    借入金                            1兆 8,665 億円
(注1)資金調達を行う 100%子会社による借入れはソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。ただ
    し、T モバイル株式を活用した借入れについては、例外的にソフトバンクグループ㈱が一部保証してい
    ます。




WeWork への投資
  フレキシブルオフィスを展開する、当社関連会社である WeWork に対しては、SVF1以外の当社
100%子会社(以下「WeWork への投資」において、WeWork への投資または WeWork との契約の
当事者である当社 100%子会社を総称して「WeWork 投資用 100%子会社」と呼びます。)が投資を
行っているほか、SVF1が同社および同社の関係会社に投資を行っています。当期末現在、これらの
WeWork 株式への投資の累計額は 108.30 億米ドル(2021 年4月に完了した総額 9.22 億米ドルの株
式の公開買付けを含まない)です。当期末現在、当社評価における WeWork 株式全体の公正価値は
38 億米ドルです。
  なお、2021 年3月 25 日、WeWork は SPAC(特別買収目的会社)である BowX Acquisition Corp.
(以下「BowX」)との合併を通じて NASDAQ またはニューヨーク証券取引所に上場すること(以
下「本合併取引」)について、同社と最終的な契約を締結しました。本合併取引は、BowX の株主の
承認やその他の一般的なクロージング要件の充足を条件に、2021 年7~9月に完了する予定です。
本合併取引においては、合併により誕生する新会社(以下「合併会社」)のプレマネーの企業価値は
総額約 90 億米ドルと見積もられており、本合併取引完了時に約 13 億米ドルの資金を調達し(PIPE
(Private investment in public equity;上場企業の私募増資)による出資コミットメント 8 億米ドル
を含む)、成長計画に充てる予定です。本合併取引に関する詳細は、2021 年3月 26 日付の WeWork
と BowX の共同プレスリリース「WeWork to Become Publicly Traded Via SPAC Merger with BowX
Acquisition Corp.」をご参照ください。本合併取引完了後、当社の合併会社に対する経済的持分比率



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                                           ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




(完全希薄化後;SVF1の持分を含む)は約 56%となる見込みです。ただし、合併会社の定款の規
定により、いずれの株主総会においても行使された議決権証券の 49.9%を超える議決権を行使する
ことが制限されており、また、当社および SVF1は合併会社の取締役会において 9 名のうち合計 4
名の取締役を指名する権利を有しています。したがって、当社は同社を支配できないため、同社は当
社の子会社とはならず、関連会社となる予定です。

 2019 年 10 月 22 日および当期に当社と WeWork が合意した内容(具体的にはマスター・トラン
ザクション・アグリーメント、以下「MTA」)とその進捗は以下の通りです。

(1)既存コミットメントの行使価格の引き下げおよび早期支払い
 MTA に基づき、   WeWork 投資用 100%子会社が当初 2020 年4月に払い込みを予定していた 15 億
米ドル分の既存コミットメントについて、行使価格を1株当たり 110.00 米ドルから 11.60 米ドルに
引き下げた上で、2019 年 10 月 30 日に全額を払い込みました。この投資の前払い金のうち、2億米
ドル分は 2019 年 11 月に、残りの 13 億米ドル分は 2020 年4月に、それぞれ WeWork 優先株式に転
換済みです。

(2)公開買付け
  MTA に基づき、WeWork 投資用 100%子会社が、当社以外の一部の株主を対象として1株当たり
19.19 米ドルで最大 30 億米ドル分の WeWork の普通株式および優先株式の公開買付け(以下「本公
開買付け」)を開始することで合意しました。WeWork 投資用 100%子会社は 2019 年 11 月に本公
開買付けを開始したものの、当該合意に基づく期限である 2020 年 4 月 1 日までに完了に必要な条
件のうち複数が充足されなかったとして、当該時点で本公開買付けを取りやめました。これを受け
て、2020 年4月および5月に WeWork 取締役会の特別委員会(以下「特別委員会」)による指図を
受けた WeWork、および WeWork の創業者であり元 CEO であるアダム・ニューマン氏が自らおよ
び同氏の関係持株会社である We Holdings LLC を通じて、それぞれ当社および SVF1に対して本公
開買付けの完了、またはその代替として本公開買付けの取りやめにより生じた損害の賠償を求めて、
裁判所に訴訟(以下あわせて「本訴訟」)を提起しました。
  本訴訟に関して、2021 年2月、当社と WeWork、We Holdings LLC およびアダム・ニューマン氏
は和解契約(以下「本和解契約」)を締結しました。本和解契約に基づき、WeWork 投資用 100%子
会社 は ①We Holdings LLC から 2021 年 2月 に 実施 し た 相対 取 引に よ り 、お よ び ②そ の 他の 一部
WeWork 株主から 2021 年3月に開始し同年4月に完了した公開買付けにより、WeWork の普通株
式および優先株式を1株当たり 19.19 米ドルで買い取ることに同意しました。これらの買取総額は
15 億米ドルに達しました。これをもって、本訴訟は終結しました。
  We Holdings LLC からの普通株式の買い取りについては、取得額と取得時における公正価値との
差額 54,277 百万円の減損損失を計上しました。その後、WeWork と BowX が合併契約を締結したこ
とに伴い保有する普通株式の公正価値が上昇したため、21,634 百万円の減損損失戻入益を計上しま
した。
  本和解契約に基づき 2021 年 3 月に開始した公開買付けはフォワード契約のデリバティブとして
会計処理し、取得 見込み の普通株式および 優先株 式の評価額と取得 予定額 との差額 76,823 百万円
を、当期末の連結財政状態計算書上、「デリバティブ金融負債(流動)」に計上しました。また、当
期において、取得見込みの普通株式の評価額と取得予定額との差額 17,594 百万円、取得見込みの優
先株式の評価額と取得予定額との差額 56,127 百万円を、連結損益計算書上、「デリバティブ関連損
益(投資損益を除く)」および「持株会社投資事業からの投資損益」にそれぞれ損失として 計上しま
した。

(3)クレジットサポートおよび債券の買い受け
 MTA において、当社が(a)金融機関による WeWork への 17.5 億米ドルの支払保証枠(レターオ
ブクレジットファシリティー)に対するクレジットサポートを行ったほか、WeWork 投資用 100%
子会社が WeWork の発行する(b)最大 22 億米ドルの無担保債券および(c)最大 11 億米ドルの担保付
シニア債券の買い受け、またはアレンジを行うことで合意しました。



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                                                   ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




  このうち、当社と金融機関は(a)に関する契約を 2019 年 12 月に締結しました。当該契約において
は、当社は WeWork と連帯して債務を負担しますが、当社が返済を行った場合には WeWork へ求償
可能となる契約を別途締結しています。また、WeWork 投資用 100%子会社と WeWork は(b)に関す
る契約を 2019 年 12 月に締結しました。当期末現在、当該無担保債券については 18 億米ドルを
WeWork 投資用 100%子会社が買い受けています。(a)と(b)に関する契約の締結により、その対価と
して当社は 1 株当たり 0.01 米ドルで WeWork 優先株式を取得可能なワラントを受領しています。
当該ワラントについては、当期末現在、取得可能な優先株式 136 百万株のうち 130 百万株を取得済
です。
  (c)については、本公開買付けの完了を前提および条件としていたため、本公開買付けの取りやめ
に伴い、  MTA に基づく係る債券の買い受けまたはアレンジを行う義務がなくなりましたが、                                  WeWork
投資用 100%子会社と WeWork は(c)に関する契約を 2020 年8月に締結しました。当期末現在、当
該担保付シニア債券の発行実績はありません。
  なお、2021 年3月 25 日の WeWork と BowX の本合併取引に関する合意に合わせて、当社は、
WeWork 投資用 100%子会社が保有する WeWork 優先株式を BowX との合併時に合併会社の普通株
式に転換・交換することに加え、(a)については当社が WeWork とともに金融機関と交渉した結果と
して金融機関が延長に応じることを前提に、                  連帯債務者としてのクレジットサポートを 2024 年 2 月
まで1年間延長すること、          ならびに(c)については最大 5.5 億米ドルに修正した上で、                    2023 年 2 月 12
日(または本合併取引完了から 18 カ月間のいずれか早い日)まで担保付シニア債券を WeWork 投
資用 100%子会社が買い受けることについて、WeWork および BowX と合意しました。この優先株
式 か ら 普 通 株 式 へ の 転 換 お よ び (a)の 連 帯 債 務 者 と し て の ク レ ジ ッ ト サ ポ ー ト を 延 長 す る こ と の 対
価として、優先株式から普通株式への当該転換・交換時および(a)の変更契約締結時に、当社は1株
当たり 0.01 米ドルで(然るべき調整がなされる場合があります)合併会社の普通株式を取得可能な
ワラントをそれぞれ受領する予定です。

 (a)の金融機関による WeWork への 17.5 億米ドルの支払保証枠に対するクレジットサポートは金
融保証契約に該当します。また、(b)の最大 22 億米ドルの無担保債券の買い受けは、市場金利を下
回る金利で貸付金を提供するコミットメント(ローンコミットメント)に該当します。当該金融保証
契約およびローンコミットメントの予想信用損失に対する損失評価引当金を、当初認識した金融負
債の額から償却累計額を控除した金額と予想信用損失の金額とのいずれか高い方で測定していま
す。前期末において、金融保証契約およびローンコミットメントに 係る損失評価引当金を、連結財政
状態計算書上、「その他の金融負債(流動)」にそれぞれ 89,202 百万円、145,133 百万円計上して
います。当期末において、金融保証契約および未使用のローンコミットメントに係る損失評価引当
金を、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債(流動)」にそれぞれ 24,381 百万円、10,218 百
万円計上しています。

(4)WeWork China および WeWork Asia 株式の WeWork 優先株式への交換
  MTA において、SVF1が保有する WeWork Greater China Holding Company B.V(以下「WeWork
China」)および WeWork Asia Holding Company B.V(以下「WeWork Asia」)の全株式を WeWork
の優先株式に交換することで合意していました。このうち、WeWork Asia 株式は1株当たり 11.60
米ドルで 2020 年4月に WeWork 優先株式に交換されました。           一方、 WeWork China 株式の WeWork
優先株式への交換については取りやめられました。




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WeWork 投資用 100%子会社から WeWork への投融資
                                                                                                                         (単位:百万米ドル)
                                                                      連結財政状態計算書                                  連結損益計算書
                                        累計          累計                            帳簿価額
               投資種別                                                                                                             損益額
                                       投融資額        損益額          計上科目             (△は負債)                  計上科目
                                                                                前期末  当期末                                   前期         当期
                                                                                                      FVTPL の金融商品か
                                                              投資有価証券
                                                                                      ―         ―     ら生じる損益                △417            ―
                                                                                                      持分法による投資損
普通株式
                                                              持分法で会計処理                                益(注1)                  △40       △109
                                                              されている投資
                                                                                                      その他の損益
                                                                                     14        173                          △113       △307
 優先株式                                                         投資有価証券
                                                                                    885       1,521                        △3,213          112
                                                                                                      FVTPL の金融商品か
 2019 年 10 月に支払った 15 億米ドルの               内訳        内訳                                                 ら生じる損益
 うち、前期末時点で WeWork 優先株式へ                  省略        省略         その他の金融資産
 転換前の 13 億米ドル                                                                       406          ―                          △894            ―
 WeWork 優先株式が取得可能なワラント
 (行使前)                                                        デリバティブ                165        26 投資に係るデリバティ                △703        △22
 合併会社普通株式が取得可能なワラント                                           金融資産                                ブ関連損益
 (行使前)                                                                                ―       126                               ―          126
                                                                                                  デリバティブ関連損益
 2021 年3月開始の公開買付けに係るデ                                         デリバティブ                              (投資損益を除く)                     ―      △166
 リバティブ                                                        金融負債                                投資に係るデリバティ
                                                                                      ―      △694 ブ関連損益                         ―      △528

 合計
                                           6,580   △6,292                          1,470      1,152                        △5,380      △894

 無担保債券の買い受け(注2)                            1,800         44 その他の金融資産                  ―       1,173                             ―           44
 ローンコミットメントに係る負債(注2)                          ―      △256                        △1,334        △92 その他の損益                   △826           570
                                                              その他の金融負債
 金融保証契約に係る負債(注2)                              ―         140                       △819       △220                           △459           599
 合計                                        1,800      △72                        △2,153        861                         △1,285      1,213
(注 1 )2019 年 10 月 30 日 に WeWork が 当社 の 関連 会社 と なっ た ため 、同 日 から 当 期末 まで の 純損 失を 普 通株 式 持分 (希 薄 化前 ベー ス :前 期 末現 在 は 2.75%、 当 期末 現 在は
      6.11% )に 応 じて 取 り込 ん で いま す 。
(注 2)金 融保 証契 約 およ び ロー ン コミ ット メ ント に 係る 損失 評 価引 当金 は、連 結財 政 状態 計 算書 上「 その 他 の金 融 負債 」に 計 上し てい ま す。金融 保証 契 約お よび ロ ーン コ ミッ トメ
      ント に 関す る契 約 の締 結 の対 価と し て当 社 は 1 株当 た り 0.01 米ド ル で WeWork の 優先 株 式に 転 換可 能な ワ ラン ト を取 得し た ため 、契約 締結 時 には 連 結損 益 計算 書に 金 融保
      証契 約 およ びロ ー ンコ ミ ット メン ト に係 る損 益 を計 上 して いま せ ん 。そ の後 、同 社の 信 用 リス ク が悪 化し た こと か ら 、前期 末 に損 失評 価 引当 金 繰入 額を 計 上し まし た 。当期
      にお い ては 同社 の 信用 リ スク が改 善 した こと な どに よ り、損失 評 価引 当金 戻 入益 を 計上 して い ます 。ロー ン コミ ット メン ト に係 る負 債 につ い ては 、WeWork 投資 用 100% 子
      会 社が 無 担 保債 券 の 買い 受 け 時 に、 相 応 額を 「 そ の他 の 金 融 負債 」 か ら取 り 崩 し 、 そ の 他 の金 融 資 産」 と し て計 上 さ れ る貸 付 金 の当 初 認 識額 か ら 控 除し て い ます 。 無 担保
                                                                       「
      債券 は 貸付 金の 当 初認 識 時か ら規 則 的な 償却 を して い ます 。金 融 保証 契約 に 係る 負 債に つい て は、 保証 を 開始 し た前 期 第 4 四 半 期途 中 から 規則 的 な償 却 をし てい ま す。




                                                                      26
                                  ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 決算短信




(b) SVF1等 SBIA の運営するファンド事業

 1. 投資利益(純額)6兆 3,575 億円。外部投資家持分増減額を控除したセグメント利益は
    4兆 268 億円に
    SVF1
    - 投資の売却による実現益(純額)4,242 億円
      Guardant Health(一部)、OSIsof