9984 ソフトバンクグループ 2021-02-08 15:00:00
2021年3月期第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2021年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
2021年2月8日
上場会社名 ソフトバンクグループ株式会社 上場取引所 東
コード番号 9984 URL https://group.softbank/
代表者 (役職名) 代表取締役 会長 兼 社長執行役員 (氏名)孫 正義
問合せ先責任者 (役職名) 常務執行役員 (氏名)君和田 和子 TEL 03-6889-2000
四半期報告書提出予定日 2021年2月12日 配当支払開始予定日 ―
四半期決算補足説明資料作成の有無:有
四半期決算説明会開催の有無 :有
(百万円未満四捨五入)
1.2021年3月期第3四半期の連結業績(2020年4月1日~2020年12月31日)
(1)連結経営成績(累計) (%表示は、対前年同四半期増減率)
親会社の
四半期包括利益
売上高 税引前利益 四半期利益 所有者に帰属する
合計額
四半期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期第3四半期 4,138,038 6.1 3,361,504 133.0 3,096,695 371.7 3,055,162 541.1 2,543,236 398.1
2020年3月期第3四半期 3,901,300 - 1,442,665 - 656,460 △58.3 476,587 △69.0 510,581 △63.8
基本的1株当たり 希薄化後1株当たり
四半期利益 四半期利益
円 銭 円 銭
2021年3月期第3四半期 1,572.09 1,476.17
2020年3月期第3四半期 218.55 212.47
(注1)売上高および税引前利益は継続事業のみの金額を表示しています。なお、対応する2020年3月期第3四半期についても同様に組み替え
て表示しているため、売上高および税引前利益の対前年同四半期増減率は記載していません。非継続事業の詳細は四半期決算短信(添
付資料)74ページ「3.要約四半期連結財務諸表及び注記(6)要約四半期連結財務諸表注記3.非継続事業」をご参照ください。
(注2)当社は、2019年6月28日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行わ
れたと仮定し、「基本的1株当たり四半期利益」および「希薄化後1株当たり四半期利益」を算定しています。
(2)連結財政状態
親会社の所有者に 親会社所有者
資産合計 資本合計
帰属する持分 帰属持分比率
百万円 百万円 百万円 %
2021年3月期第3四半期 37,858,793 8,622,306 7,625,039 20.1
2020年3月期 37,257,292 7,372,917 5,913,613 15.9
2.配当の状況
年間配当金
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭
2020年3月期 - 22.00 - 22.00 44.00
2021年3月期 - 22.00 -
2021年3月期(予想) - -
(注)当社は、定款において期末日及び第2四半期末日を配当基準日と定めていますが、現時点において2021年3月期の期末配当予想額は未定
です。
※ 注記事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):有
新規 -社 (社名)-
除外 3社 (社名)Sprint Corporation、Sprint Communications, Inc.、Starburst I, Inc.
(注1)詳細は、四半期決算短信(添付資料)51ページ「2.サマリー情報(注記事項)に関する事項(1)2020年12月31日に終了し
た9カ月間における重要な子会社の異動」をご参照ください。
(注2)海外所在の子会社は、その本国の会社の計算に関する法令または慣行により単体の財務書類を作成する必要がある場合に限り
単体の財務書類を作成し、企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」)第19条第10項第1号から第3号までの該
当性を判断しています。一方、単体の財務書類を作成していない、または連結決算日時点で単体の財務書類を作成していない
海外子会社の資本金の額および純資産額を算出することはできないため、当該会社については、開示府令第19条第10項第1号
のみにより特定関係の有無を判断しています。
開示府令第19条第10項第1号の該当性は、ソフトバンクグループ(株)に対する仕入高及び支払配当の総額のソフトバンクグ
ループ(株)の営業収益の総額に占める割合で判定しています。
ファンド形態の子会社は、当該ファンドに適用のある計算に関する法令又は慣行に則り作成されたファンドの財務書類上の純
資産額により、開示府令第19条第10項第2号の該当性を判断しています。
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更:無
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :有
(注)詳細は、四半期決算短信(添付資料)51ページ「2.サマリー情報(注記事項)に関する事項(2)会計上の見積りの変更」をご
参照ください。
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年3月期3Q 2,089,814,330株 2020年3月期 2,089,814,330株
② 期末自己株式数 2021年3月期3Q 288,169,439株 2020年3月期 21,818,471株
③ 期中平均株式数(四半期累計) 2021年3月期3Q 1,929,114,012株 2020年3月期3Q 2,075,041,260株
(注)当社は、2019年6月28日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が
行われたと仮定し、「期末発行済株式数」、「期末自己株式数」および「期中平均株式数」を算定しています。
※ 四半期決算短信は公認会計士または監査法人の四半期レビューの対象外です。
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
本資料に記載されている将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前
提に基づいており、実際には様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社は、2021年2月8日に報道機関および機関投資家や金融機関の皆様を対象とした決算説明会を開催予定です。決
算説明会については、当社ウェブサイト(https://group.softbank/corp/irinfo/presentations/)において日本語
および英語でライブ中継する予定です。
また近日中に「決算データシート」を同サイトに掲載する予定です。
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(添付資料)
添付資料の目次
1.当四半期決算の経営成績等の概況 ................................................................................. p. 4
(1)経営成績の概況 ..................................................................................................... p. 4
a. 連結経営成績の概況 ................................................................................................ p.13
b. セグメントの業績概況 .......................................................................................... p.15
(a) 持株会社投資事業 .......................................................................................... p.16
(b) SVF1等 SBIA の運営するファンド事業 ......................................................... p.23
(c) ソフトバンク事業 .......................................................................................... p.29
(d) アーム事業 .................................................................................................... p.30
(e) その他 ............................................................................................................ p.35
(2)財政状態の概況 .................................................................................................... p.36
(3)キャッシュ・フローの概況 ................................................................................... p.47
(4)今後の見通し ........................................................................................................ p.50
2.サマリー情報(注記事項)に関する事項...................................................................... p.51
(1)2020 年 12 月 31 日に終了した9カ月間における重要な子会社の異動 .................. p.51
(2)会計上の見積りの変更 .......................................................................................... p.51
3.要約四半期連結財務諸表及び主な注記 ......................................................................... p.52
(1)要約四半期連結財政状態計算書 ............................................................................ p.54
(2)要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書 ........................... p.56
(3)要約四半期連結持分変動計算書 ............................................................................ p.62
(4)要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書 .......................................................... p.64
(5)継続企業の前提に関する注記 ............................................................................... p.66
(6)要約四半期連結財務諸表注記 ............................................................................... p.66
免責事項
本資料は、SB Investment Advisers (UK) Limited およびその関係会社を含むソフトバンクグループ㈱の子
会社により運用されるいずれかのファンド(ソフトバンク・ビジョン・ファンド1およびソフトバンク・ビ
ジョン ・フ ァン ド2 を含 む 。 のリミ テッ ド・ パー ト ナーシ ップ 持分 また は同 等 の有限 責任 持分 その 他す べ
)
ての法域におけるあらゆる証券の販売の申込みまたは申込みの勧誘を行うものではなく、また、いかなる方
法でもそのように依拠してはなりません。
PFIC のステータスに関するお知らせ
ソフトバンクグループ㈱は、その資産の構成および収益の性質故に、当会計年度において、1986 年米国内
国歳入法(U.S. Internal Revenue Code of 1986)のもと消極的外国投資会社(Passive Foreign Investment
Company、以下「PFIC」 )に該当する可能性があります。ソフトバンクグループ㈱株式の米国保有者におか
れては、ソフトバンクグループ㈱が PFIC と見做された場合の米国連邦所得税上の影響について、税務専門
家に相談されることをお勧め致します。
1
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
本添付資料における社名または略称
本添付資料において、文脈上別異に解される場合または別段の記載がある場合を除き、以下の
社名または略称は以下の意味を有します。
社名または略称 意味
ソフトバンクグループ㈱ ソフトバンクグループ㈱(単体)
当社 ソフトバンクグループ㈱および子会社
※以下の略称の意味は、それぞれの会社の傘下に子会社がある場合、それらを含みます。
SB Northstar SB Northstar LP
ソフトバンク・ビジョン・ファンド1 SoftBank Vision Fund L.P.お よ び 代 替 の 投 資 ビ ー ク ル
または SVF1(注1)
ソフトバンク・ビジョン・ファンド2 SoftBank Vision Fund II-2 L.P.および代替の投資ビークル
または SVF2 (注2)
SBIA SB Investment Advisers (UK) Limited
スプリント Sprint Corporation
T モバイル スプリントと合併後の T-Mobile US, Inc.
アーム Arm Limited
アリババ Alibaba Group Holding Limited
当第1四半期 2020 年6月 30 日に終了した3カ月間
当第2四半期 2020 年9月 30 日に終了した3カ月間
当第3四半期 2020 年 12 月 31 日に終了した3カ月間
当第3四半期累計期間 2020 年 12 月 31 日に終了した9カ月間
当第3四半期末 2020 年 12 月 31 日
当期 2021 年3月 31 日に終了する1年間
前期 2020 年3月 31 日に終了した1年間
前期末 2020 年3月 31 日
(注1)当第2四半期から、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の表記を、「ソフトバンク・ビジョン・ファ
ンド2」と明確に区別する目的で、
「ソフトバンク・ビジョン・ファンド1」または「SVF1」へ変更す
るとともに、報告セグメントの名称を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド等 SBIA の運営するファン
ド事業」から「SVF1等 SBIA の運営するファンド事業」に変更しました。また、関連する勘定科目名に
ついても変更しています。詳細は「3.要約四半期連結財務諸表及び主な注記」をご参照ください。
(注2)外部投資家が参画する私募ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」の活動に使用されること
を目的として組成されたエンティティーです。 当第3四半期末現在、ソフトバンク・ビジョン・ファン
ド2はソフトバンクグループ㈱のみがリミテッド・パートナーとして参画しています。
為替換算レート
期中平均レート
2020 年3月期 2021 年3月期
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期
1米ドル 110.00 円 107.70 円 108.98 円 109.22 円 107.74 円 105.88 円 104.45 円
期末日レート
2020 年 2020 年
3月 31 日 12 月 31 日
1米ドル 108.83 円 103.50 円
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更>
当期において、以下の通り連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更を行っています。
前年同期における連結損益計算書および報告セグメントも同様に組み替えて表示しています。
連結損益計算書の表示の変更
「営業利益」の表示取り止めと「投資損益」の新規表示
ソフトバンクグループ㈱は、直接(子会社を通じた投資を含む)または投資ファンド(例えば、
SVF1)を通じて多数の企業に投資を行い、その投資ポートフォリオを管理する戦略的投資持株会
社です。2020 年4月1日にスプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引が完了し、同日からスプリ
ントが当社の子会社ではなくなったことにより、当社の連結業績全体に占める投資活動の重要性
が一層高まったことを踏まえて、当第1四半期より連結損益計算書の表示を変更しました。
具体的には、連結損益計算書において「営業利益」の表示を取り止める一方で、連結業績におけ
る投資の成果を明示するために新たに「投資損益」を表示しています。従前の「営業利益」には
「SVF1および SVF2からの投資損益」に含まれる投資損益以外の投資損益が含まれておらず、 戦
略的投資持株会社としての連結業績を適切に表示するには有用でないと判断したためです。新た
に設けた「投資損益」には、①投資有価証券(FVTPL の金融資産)および持分法で会計処理され
ている投資の売却による実現損益、②FVTPL の金融資産の未実現評価損益、③投資先からの受取
配当金、④FVTPL の金融資産などの投資に係るデリバティブ関連損益が含まれています。なお、
上記の投資損益に含まれないデリバティブ関連損益は、 「デリバティブ関連損益 (投資損益を除く) 」
として表示しています。また、投資先の純損益に対する当社持分を認識する持分法による投資損
益については、従前と同様に「持分法による投資損益」として表示しています。
なお、連結損益計算書における「営業利益」の表示の取り止めに伴い、報告セグメントの利益は
「税引前利益」に変更しました。
ブライトスターの売却目的保有に分類された処分グループへの分類
2020 年9月 17 日(米国時間)、当社は Brightstar Global Group Inc.(以下「ブライトスター」)
の全株式の売却取引 に合意し、同取引は 2020 年 10 月 22 日(米国時間)に完了しました。これ
1
を踏まえて、連結損益計算書における当該取引完了までの同社の純損益は、継続事業と区分して
「非継続事業からの純利益」として表示し、前年同期における同社の純損益についても遡及修正
が行われ、 「非継続事業からの純利益」として表示しています。
報告セグメントの変更
「持株会社投資事業」の新設
前述の通り当社の連結業績全体に占める投資活動の重要性が一層高まったことを踏まえて、当
第1四半期から、「持株会社投資事業」を新たに設けました。同事業の概要については 16 ページ
「(1)経営成績の概況 b. セグメントの業績概況 (a)持株会社投資事業 <事業概要>」をご参照
ください。
「ブライトスター事業」の除外
ブライトスターの売却目的保有に分類された処分グループへの分類に伴い、当第2四半期から
「ブライトスター事業」を報告セグメントから除きました。
当第3四半期末現在、当社の報告セグメントは「持株会社投資事業」 「SVF1等 SBIA の運営
、
するファンド事業」 「ソフトバンク事業」 「アーム事業」の4つです。
、 、
1
本取引の対価の⼀部として、当社はブライトスターの全株式を取得した Brightstar Capital Partners の⼦会社
の 25%(完全希薄化後)の持分を受領しています。本取引の完了に伴いブライトスターを 当社の子会社から
除外しました。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
1. 当四半期決算の経営成績等の概況
(1)経営成績の概況
1. 業績ハイライト
投資利益3兆 7,995 億円
- 持株会社投資事業からの投資利益 8,465 億円:スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併お
よびその後の T モバイル株式一部売却に関連して、T モバイル株式売却関連利益 4,218
億円、引き続き保有する T モバイル株式に係る未実現評価益 3,276 億円、条件付対価
の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益 3,245 億円をそれぞれ計上。一方で上場株
式等への投資に係る投資損失 3,014 億円を計上
- SVF1および SVF2からの投資利益2兆 7,288 億円
・ SVF1:投資の売却により実現益(純額)2,093 億円を計上。DoorDash、Uber など
の好調な株価を反映し上場投資先で合計1兆 5,415 億円の未実現評価益(純額)を計
上したほか、未上場投資先でも公正価値上昇を反映し 5,306 億円の評価益を計上
・SVF2:KE Holdings および Seer の上場後の株価上昇などにより未実現評価益(純
額)5,427 億円を計上
税引前利益3兆 3,615 億円(前年同期比1兆 9,118 億円増加)
- 財務費用 2,243 億円*
- デリバティブ関連損失(投資損益を除く)4,807 億円*
- SVF1における外部投資家持分の増減額△9,567 億円*
(*:費用の当第3四半期累計期間計上額)
親会社所有者に帰属する純利益3兆 552 億円(前年同期比2兆 5,786 億円増加)
- 非継続事業からの純利益 7,115 億円:主にスプリントに係る支配喪失利益
2. 投資先の上場が続く
SVF1:2020 年 12 月9日、DoorDash がニューヨーク証券取引所に上場。2020 年 12 月
21 日、Opendoor が SPAC(特別目的買収会社)との合併により NASDAQ に上場 2
SVF2:2020 年 12 月4日、Seer が NASDAQ に上場
2021 年 1 月8日、SBIA 子会社の SPAC である SVF Investment Corp.が NASDAQ に上場
3. 4.5 兆円プログラムの進捗
資産売却または資金化を完了:T モバイル株式の一部売却および同株式を活用した借入
れ、先渡売買契約によるアリババ株式の一部資金化、およびソフトバンク㈱株式の一部売
却(追加売却を含む)で、2020 年4~9月の6カ月間で 5.6 兆円にのぼる資産売却また
は資金化を完了。4.5 兆円を超過した調達資金の使途は財務バランスを勘案して今後決定
自己株式取得:合計2兆円の自己株式取得決定枠のうち、自己株式を 2020 年 12 月末ま
でに累計 1.1 兆円、2021 年1月末までに累計 1.3 兆円取得
負債削減:2020 年9月末までに国内無担保社債 1,676 億円(額面総額)の買⼊れおよびシ
ニアローン 3,000 億円の期限前返済を実施
2
Opendoor Labs Inc.と SPAC である Social Capital Hedosophia Holdings Corp. II は 2020 年 12 月 18 日に合併
し、社名を Opendoor Technologies Inc.に変更しました。同年 12 月 21 日に同社普通株式の NASDAQ での取
引が開始されました。
4
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<4.5 兆円の資産の売却または資金化の方針(4.5 兆円プログラム)>
ソフトバンクグループ㈱は 2020 年3月 23 日、自己株式取得と負債削減のために 4.5 兆円の当
社保有資産の売却または資金化に関する方針を発表しました。売却または資金化で得られた資金
のうち最大2兆円を自己株式取得に、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預金残高に振り向ける
ものです(以下「4.5 兆円プログラム」と総称)。このうち、保有資産の売却または資金化について
は、当第2四半期末までに、目標額の 4.5 兆円を達成して完了しました。なお、2020 年4月~9
月までの6カ月間における資産の売却または資金化額は 5.6 兆円にのぼります。目標額を超過し
て取得した資産売却の手取金の資金使途は現時点で未定であり、今後財務体質の健全性を保ちつ
つ、持続的成長に向けた新規投資と株主への利益還元の両立を図りながら決定していきます。一
方、最大2兆円の自己株式取得については、2020 年3月 23 日の発表から4四半期にわたって行
うことを予定していましたが、市場動向などの不確実性等に鑑み、取得の終了が 2021 年4月以降
となる可能性があります。
なお、ソフトバンクグループ㈱は、新型コロナウイルスの感染拡大の収束が不透明な現在の状
況に鑑み手元資金のさらなる拡充が必要と考えています。自己株式の取得や負債の削減に充当す
るまでの間の調達資金およびその他の余剰資金に関しては、現預金で保有するだけでなく、従来
から掲げている LTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合)や手元流動性に関する財
務方針を堅持しつつ、流動性の高い優良有価証券等で運用を行っています。詳細は「b. セグメン
トの業績概況 (a) 持株会社投資事業」をご参照ください。
2020 年4月~9月の資産の売却または資金化
売却または資金化額
2020 年 2020 年
合計
4~6月 7~9月
1. T モバイル株式の一部売却
および同株式を活用した借入れ 1.9 兆円 0.5 兆円 2.4 兆円
2. 先渡売買契約によるアリババ株式の一部資金化 1.5 兆円 0.2 兆円 1.7 兆円
3. ソフトバンク㈱株式の一部売却 0.3 兆円 1.2 兆円 1.5 兆円
合計 3.7 兆円 1.9 兆円 5.6 兆円
(注)2020 年6月末日までに完了した取引は1米ドル=107.74 円、同9月末日までに完了した取引は1米ドル
=105.80 円で換算しています。
1. スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併完了、および T モバイル株式の一部売却等
① スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併完了
2020 年4月1日、当社米国子会社であったスプリントと T-Mobile US, Inc.の全ての対価を株
式とする合併による取引(以下「本合併取引」)が完了しました。当社は、本合併取引の対価とし
て T モバイルの株式 304,606,049 株と一定の条件を満たした際に T モバイル株式 48,751,557 株
を無償で取得できる権利(以下「条件付対価」)を取得しました。同日から、スプリントは当社の
子会社ではなくなり、統合後の新会社である T モバイルが、株式の 24.7%を当社が保有する持分
法適用関連会社となりました。詳細は「3.要約四半期連結財務諸表及び主な注記(6)要約四
半期連結財務諸表注記 3.非継続事業(1)スプリント」をご参照ください。
② T モバイル株式の一部売却
さらに当社は保有する T モバイルの普通株式 304,606,049 株のうち、2020 年6月 26 日に
173,564,426 株(以下「本一部売却の内容」の(a)および(b))、2020 年7月 16 日に 5,000,000 株
(同(c))、2020 年8月3日に 19,750,000 株(同(d))を当社子会社を通じて T モバイルに売却し
5
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
ました(以下「本一部売却」 。 モバイルは当社子会社から購入した株式を米国内における公募、
)T
現金強制転換証券(Cash Mandatory Exchangeable Trust Securities)を発行する信託を通じた私
募、同社取締役のマルセロ・クラウレ(ソフトバンクグループ㈱副社長 執行役員 COO)への売
却および株主割当による株式募集を通じて処分し、その手取金は当社子会社に引渡されました。
なお、2020 年6月 26 日の株式売却に伴う議決権比率の低下により T モバイルに対する重要な
影響力がなくなったため、同日をもって T モバイルは当社の持分法適用関連会社から除外されま
した。
本一部売却の内容
取引内容 売却株式数 売却価額の総額
(a) Tモバイルによる米国内における公募 154,147,026 株 15,877 百万米ドル
(b) Tモバイルによる信託を通じた私募 19,417,400 株 1,667 百万米ドル
(c) Tモバイルによる同社取締役のマルセロ・クラ
ウレへの売却 5,000,000 株 515 百万米ドル
(d) Tモバイルによる株主割当による株式募集 19,750,000 株 2,034 百万米ドル
また、Deutsche Telekom AG(以下「ドイツテレコム」)は、本一部売却後に当社が引き続き保
有する T モバイル株式 101,491,623 株を対象とする株式購入オプション(以下「ドイツテレコム
の株式購入オプション」 3 を受領しました。
)
(i) 上記 101,491,623 株のうち 44,905,479 株を対象とする株式購入オプションの行使価額は、
1株当たり 103.00 米ドルです。また、ドイツテレコムはオプション付与日以降いつでも権
利行使可能です。
(ⅱ) 上記 101,491,623 株のうち 56,586,144 株を対象とする株式購入オプションの行使価額は、行
使に先立つ 20 取引日の T モバイル株式市場株価の加重平均価額の平均です。また、ドイツテ
レコムは、上記(i)の権利行使後もしくは 2020 年 10 月2日以降、権利行使可能です。
本一部売却前後の当社が保有するTモバイル株式
(a) 本一部売却前の保有株式数 304,606,049 株
(b) 本一部売却株式数 198,314,426 株
(c) 本一部売却後の保有株式数 (a)-(b) 106,291,623 株
(d) ドイツテレコムの株式購入オプションの対象株式数 101,491,623 株
(e) ドイツテレコムの株式購入オプションが全て行使された場合の
所有株式数 (c)-(d) 4,800,000 株
(f) 条件付対価で取得できる株式数 48,751,557 株
(g) 条件付対価で株式を取得した場合の所有株式数 (e)+(f) 53,551,557 株
③ T モバイル株式を活用した借入れ
2020 年7月 30 日、ソフトバンクグループ㈱の 100%子会社が、保有する T モバイル株式を担
保に、43.8 億米ドルの借入れ(マージン・ローン)を行いました。本マージン・ローンについて
は、例外的にソフトバンクグループ㈱が一部保証しているため、当該保証債務の上限枠(20.8 億
米ドル)を控除した 23.0 億米ドルを 4.5 兆円プログラムに基づく資産の資金化額としています。
3
早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024 年6月 22 日に行使期限が到来します。
6
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
なお、ソフトバンクグループ㈱が当該保証を履行する前提条件として、金融機関はまず当該マー
ジン・ローンの担保に供されているアリババ株式から最大限回収を図ることが義務付けられてい
ます。
2. 先渡売買契約によるアリババ株式の一部資金化
2020 年4月から8月にかけて、ソフトバンクグループ㈱の 100%子会社である West Raptor
Holdings 2, LLC、Skybridge LLC、Skylark 2020 Holdings Limited、Scout 2020 Holdings Limited
および Tigress 2020 Holdings Limited が、保有するアリババ株式を利用した複数の先渡売買契約
を金融機関との間で締結し、総額で 154 億米ドルを調達しました。なお本取引後もアリババは継
続して当社の持分法適用関連会社です。
なお、2020 年 10 月および 11 月において、2020 年4月から8月にかけて締結した上記株式先
渡売買契約のうち、カラー契約について決済株価のキャップ(上限)およびフロア(下限)の設定
を見直したほか、先渡契約について決済株価にキャップおよびフロアを設定するカラー契約へと
変更しました。また同時に、前期に締結したアリババ株式を使った株式先渡売買契約(カラー契
約)についても決済株価のキャップおよびフロアの設定を見直しています。これらの見直しは、当
時のアリババ株価の上昇に対応して、さらなる株価上昇局面でのアップサイドを確保することを
意図して行われました。当該契約変更の詳細は、
「3.要約四半期連結財務諸表及び主な注記(6)
要約四半期連結財務諸表注記 10. 有利子負債」をご参照ください。
3. ソフトバンク㈱株式の一部売却
2020 年5月および9月、ソフトバンクグループ㈱は、ソフトバンクグループジャパン㈱を通じ
て、保有する子会社ソフトバンク㈱の普通株式 3,182,919,470 株のうち合計 1,268,061,400 株を以
下の通り売却し、合計 1.5 兆円を受領しました。
①2020 年5月:240,000,000 株(所有割合:5.0%)を 3,102 億円で売却
②2020 年9月:1,028,061,400 株(所有割合:21.7%)を 1.2 兆円で売却
これらの売却後もソフトバンク㈱は引き続き当社の子会社であり、当社グループにおけるその
戦略的な重要性は変わりません。また、その重要性に鑑み、当社およびソフトバンクグループジャ
パン㈱はソフトバンク㈱株式を追加で売却する意向はなく、これらの売却後の所有株式を中長期
的に継続保有する方針です。
なお、これらの売却後もソフトバンク㈱は引き続きソフトバンクグループ㈱の子会社であるた
め、当該売却における売却益相当額(税金考慮後)は、要約四半期連結財政状態計算書の資本剰余
金として計上されています。これに加え、これらの取引によって、ソフトバンクグループジャパン
㈱において繰延税金資産を認識していなかった繰越欠損金を使用できる課税所得が生じる可能性
が高まったと判断したことなどにより、法人所得税が利益方向に計上されています。
7
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
4.5 兆円プログラムに基づく自己株式取得
2021 年1月 31 日現在
進行中
取締役会決議日 取得株式数 取得総額 取得期間
2020 年7月 30 日 37,538,100 3,122 億円 2020 年 12 月 14 日
~2021 年1月 31 日
決議内容 上限:240,000,000 上限:1兆円 2020 年7月 31 日
~2021 年7月 30 日
終了
取締役会決議日 取得株式数 取得総額 取得期間
2020 年6月 17 日
2020 年5月 15 日 81,940,400 5,000 億円 ~2020 年8月3日
2020 年9月 15 日
2020 年6月 25 日 70,579,400 5,000 億円 ~2020 年 12 月 11 日
(参考:4.5 兆円プログラム以前に決定された自己株式の取得)
2020 年3月 16 日
2020 年3月 13 日 107,679,300 5,000 億円 ~2020 年6月 15 日
4.5 兆円プログラムに基づく負債削減
当第3四半期末までに、4.5 兆円プログラムの一環として負債の削減を以下の通り実施しました。
① 国内無担保社債の買入れ
ソフトバンクグループ㈱は、2020 年7月 22 日、国内無担保社債 1,676 億円(額面総額)の買⼊
れを完了しました。
② シニアローンの返済
ソフトバンクグループ㈱は、2020 年9月、シニアローン 3,000 億円(借入額面総額)の期限前
返済を行いました。
アリババ株式を活用した借入れ(マージン・ローン)について
2020 年7月、4.5 兆円プログラムに基づく負債削減の一環として当社の 100%子会社であるスカ
イウォークファイナンス合同会社のアリババ株式を活用した借入れ 94.4 億米ドルを返済しました。
一方、2020 年 10 月には上場株式等への投資を担う資産運用子会社 SB Northstar がアリババ株式
を活用し 60 億米ドルの借入れを行っています。今後もアリババ株式を活用した借入れについては
機動的に実施する方針であり、その残高は変動する可能性があります。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<アーム全株式の売却契約の締結>
2020 年9月 13 日(米国時間)、当社 100%子会社である SoftBank Group Capital Limited(以
下「SBGC」)および SVF1が保有する当社 100%子会社アームの全株式を米国の半導体メーカー
である NVIDIA Corporation(以下「NVIDIA」)に対して取引価値を最大 400 億米ドル(約 4.2 兆
円)と評価した取引で売却すること(以下「本取引」)について、SBGC、SVF1および NVIDIA の
間で最終的な契約(以下「最終契約」)の締結に至りました。本取引は、英国、中国、EU および米
国を含む必要な規制当局の承認、その他のクロージング要件の充足を条件とします。本取引の完
了までには最終契約の締結から約 18 カ月かかると見込んでいます。なお、アームの事業のうち
ISG(Internet-of-Things Services Group;IoT に関連するサービスグループ)事業は本取引の対象
外です。同事業は当第3四半期にアームから分離されましたが、その業績は引き続きアーム事業
セグメントに含まれています。
本取引の完了をもってアームは当社の子会社に該当しないこととなり、当社の連結対象から除
外されますが、本取引完了の蓋然性が非常に高いと見なされるまでの間、当社連結財務諸表にお
いてアームは引き続き継続事業として扱われます。また、本取引の完了後、SBGC および SVF1
は合計で NVIDIA の発行済み株式(自己株式を除きます。)の約 6.7~8.1%を保有することになる
と見込んでいます(最終的なアーンアウト(詳細は以下をご参照ください)の金額により変動しま
す。 。本取引の完了後も NVIDIA は当社の子会社や関連会社に該当しません。
)
本取引の取引価値の内訳は下表の通りです。
(単位:億米ドル)
取引価値 受領時期
①現金 120 (a) 20 2020 年9月 13 日に受領
(うち 7.5 億米ドルはアームがラ
当 イセンス契約対価として受領)
社 (b) 100 クロージング時
の
受 ②NVIDIA 株式 215 クロージング時
領 (44.37 百万株)
対 ③アーンアウト 最大 50 クロージング時
価
(現金または NVIDIA 株式) (または (アーンアウト対象アーム業績が
10.32 百万株) 一定の財務指標を達成することが
条件)
④アーム従業員への 15 クロージング時
NVIDIA 株式報酬 (アームの従業員が受領)
合計 最大 400
(注1)①および②ならびに③(もしあれば)の受領対価は、SBGC および SVF1が、アーム株式保有割合に
応じてそれぞれ 75.01%および 24.99%の割合で受領します。なお、SVF1の手取金は所定の分配順位
(ウォーターフォール)に基づいて当社を含む SVF1のリミテッド・パートナーに分配されます。
(注2)②および③における取引価値は、NVIDIA 株式を1株当たり 484.6007 米ドルで算定(2020 年9月 10
日に終了した連続した 30 取引日の同社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))
① 現金 120 億米ドル
(a) 20 億米ドル
最終契約締結時(2020 年9月 13 日)、SBGC およびアームは現金合計 20 億米ドルを受領し
ました。このうち 12.5 億米ドルは SBGC が売却対価の前受金として受領(本取引の完了まで
の間、所定の条件下で NVIDIA に払い戻す義務があり、本取引の完了後は払戻し不要)、7.5
億米ドルはアームが最終契約と同時に NVIDIA と締結したライセンス契約の対価として受領
9
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
したものです。
(b) 100 億米ドル
本取引のクロージング時、SBGC および SVF1は現金合計 100 億米ドルを受け取ります。
② NVIDIA 株式 215 億米ドル相当(4,437 万株)
SBGC および SVF1は、本取引のクロージング時に 215 億米ドル相当の NVIDIA 普通株式を
受け取ります。受け取る NVIDIA 普通株式の総数は 44,366,423 株で、これは1株当たり 484.6007
米ドル(2020 年9月 10 日に終了した連続した 30 取引日の同社普通株式終値の平均(小数第5
位を切り上げ))に基づき決定されています。なお、このうち 10 億米ドル相当(2,063,554 株)
は、本取引の最終契約における SBGC および SVF1が負担し得る一定の補償義務の履行のため
にエスクローの対象となります。
受領する株式はクロージング時に FVTPL の金融資産として公正価値で計上され、以降は毎四
半期末の公正価値の変動が純損益として認識される予定です。
③ アーンアウト最大 50 億米ドル(現金または NVIDIA 株式 1,032 万株)
2022 年3月 31 日に終了する会計年度のアームの売上高および EBITDA(それぞれ一定の調整
を受け、かつ ISG 事業への帰属分を除きます。)が最終契約で規定された目標値を達成することを
条件に、SBGC および SVF1は、クロージング時、アーンアウトとして最大 50 億米ドルの現金ま
たは NVIDIA 普通株式最大 10,317,772 株(2020 年9月 10 日に終了した連続した 30 取引日の同
社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))である1株当たり 484.6007 米ドルに基づく)を
受け取ります。アームの業績が合意されたフロア値を超え当該目標値を下回る場合は達成度に応じ
た割合でアーンアウトを受け取り、当該フロア値に満たない場合はアーンアウトは得られません。
同アーンアウトを NVIDIA 株式で受領する場合、当該株式はクロージング時に FVTPL の金融
資産として公正価値で計上され、以降は毎四半期の公正価値の変動が純損益として認識される予
定です。
④ アームの従業員への 15 億米ドル相当の NVIDIA 株式報酬
本取引のクロージング時、アームの従業員が NVIDIA から 15 億米ドル相当の同社株式報酬を
受領します。
なお、アームは当社の子会社であるため、SVF1が保有するアーム株式の公正価値の変動により
計上される未実現評価損益は、セグメント利益において「SVF1および SVF2からの投資損益(投
資の未実現評価損益の当期計上額)」に含めていますが、連結上消去し、要約四半期連結損益計算
書上の「SVF1および SVF2からの投資損益」には含めていません。
10
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引および T モバイル株式の一部売却による当第3四
半期累計期間の要約四半期連結財務諸表への主な影響>
スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引による影響
① 要約四半期連結損益計算書への影響
スプリントの支配喪失利益 7,211 億円を「非継続事業からの純利益」に計上
② 要約四半期連結財政状態計算書への影響
資産の部
・本合併取引の対価として受領した T モバイル株式を公正価値 2.7 兆円で「持分法で会計処理
されている投資」に計上(以下の T モバイル株式の一部売却の結果、引き続き保有する T モ
バイル株式は公正価値で「投資有価証券」に振替え)
・本合併取引の対価として受領した条件付対価 5,208 億円を「デリバティブ金融資産」に計上
しました。本合併取引時に公正価値 1,963 億円で計上した後、当第3四半期末までに 3,245
億円の公正価値の上昇を認識したものです(当該上昇はデリバティブ関連利益として「持株
会社投資事業からの投資損益」で認識)。
T モバイル株式の一部売却取引による影響
① 要約四半期連結損益計算書への影響
投資損益
T モバイル株式売却関連利益 4,218 億円を「持株会社投資事業からの投資損益」に計上:
関連会社株式売却益 2,803 億円、引き続き保有する T モバイル株式の再評価益 2,960 億円、ド
イツテレコムの株式購入オプションに係るデリバティブ関連損失 1,545 億円、T モバイル株式
の売却による実現損失 31 億円、デリバティブ負債の認識の中止に伴う利益 30 億円
② 要約四半期連結財政状態計算書への影響
資産の部
引き続き保有する T モバイル株式を公正価値で「投資有価証券」に計上(当第3四半期末:1兆
4,835 億円)。なお、引き続き保有する T モバイル株式は毎四半期末に公正価値で測定し、その
変動額は連結損益計算書の「持株会社投資事業からの投資損益」に計上します。2020 年6月 26
日から当第3四半期末までの期間に認識した T モバイル株式に係る投資の評価益は 3,276 億円
です。
負債の部
ドイツテレコムの株式購入オプションを公正価値で「デリバティブ金融負債」に計上(当第3
四半期末:2,359 億円)。なお、ドイツテレコムの株式購入オプションは毎四半期末に公正価値
で測定し、その変動額は連結損益計算書の「持株会社投資事業からの投資損益」にデリバティ
ブ関連損益として計上します。
③ 要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書への影響
投資活動によるキャッシュ・フロー
T モバイル株式売却の手取金 2.1 兆円を「投資の売却または償還による収入」に計上
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<新型コロナウイルス感染拡大の市場および当社事業への主な影響>
新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しが未だに見えていません。2020 年 10 月から世界
各国で感染が再拡大し、米国のジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、2021 年2月1日時点
(日本時間)で世界の累計感染者数は1億 292 万人、死亡者数は 223 万人を超えました。一部の
国でワクチンの接種が開始されたものの普及には時間を要する見込みであり、世界の株式相場は
経済活動停滞への懸念から不安定な動きを続けています。
SVF1においては、公開株式市場の復調に伴い上場投資先の公正価値が回復したほか、資金調達
ラウンドやエグジットの決定のあった投資先やコロナ下で顧客のサービス利用が増加した投資先
など未上場投資先の公正価値が上昇し、当第3四半期累計期間において 2,072,036 百万円の未実
現評価利益を計上しました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大による投資先への影
響は一様ではありません。イーコマースやエンターテインメント、ヘルスケア、教育、食料デリバ
リー、法人向けソリューションなどのセクターにおける事業は、デジタルサービスの導入が加速
度的に進んでいることからおおむねプラスの影響を受けており、これらのセクターに属する SVF
1の投資先の多くが、前ラウンドよりも高い評価額で新規および既存投資家からの追加資金調達
に成功していることは、各社の底堅い事業成長を反映しているものと考えられます。一方、旅行・
ホスピタリティーなどのセクターでは、業績回復のペースは比較的鈍いものとなっており、今後
も投資先ごとに異なる影響をきたすことが予想されます。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
a. 連結経営成績の概況
(単位:百万円)
12 月 31 日に終了した9カ月間
2019 年 2020 年 増減 増減率
継続事業
売上高 3,901,300 4,138,038 236,738 6.1% A
売上総利益 2,007,695 2,168,300 160,605 8.0%
投資損益
持株会社投資事業からの投資損益 840,664 846,477 5,813 0.7% B
SVF1および SVF2からの投資損益 △729,007 2,728,778 3,457,785 ― C
その他の投資損益 20,130 224,201 204,071 ―
投資損益合計 131,787 3,799,456 3,667,669 ―
販売費及び一般管理費 △1,445,721 △1,575,206 △129,485 9.0%
財務費用 △215,525 △224,322 △8,797 4.1% D
持分法による投資損益 472,535 379,431 △93,104 △19.7% E
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) △17,586 △480,665 △463,079 ― F
SVF1における外部投資家持分の増減額 190,005 △956,736 △1,146,741 ―
その他の損益 319,475 251,246 △68,229 △21.4%
税引前利益 1,442,665 3,361,504 1,918,839 133.0%
法人所得税 △731,908 △975,983 △244,075 33.3% G
継続事業からの純利益 710,757 2,385,521 1,674,764 235.6%
非継続事業
非継続事業からの純利益 △54,297 711,174 765,471 ― H
純利益 656,460 3,096,695 2,440,235 371.7%
親会社の所有者に帰属する純利益 476,587 3,055,162 2,578,575 541.0%
包括利益合計 510,581 2,543,236 2,032,655 398.1%
親会社の所有者に帰属する包括利益 344,500 2,488,577 2,144,077 622.4%
(注)当期において、継続事業と非継続事業を区分して表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、
前年同期においても同様に組み替えて表示しています。
以下、要約四半期連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業とアーム事業はいずれも増収となりました。
B 持株会社投資事業からの投資損益
スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併およびその後の T モバイル株式一部売却に関連して、T
モバイル株式売却関連利益 421,755 百万円、引き続き保有する T モバイル株式に係る未実現評価
益 327,564 百万円、条件付対価の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益 324,518 百万円をそ
れぞれ計上した一方、上場株式等への投資で 301,437 百万円の投資損失を計上しました。なお、
前年同期には、アリババ株式先渡売買契約決済益 1,218,527 百万円を計上していました。詳細は
「b. セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
C SVF1および SVF2からの投資損益
SVF1が、投資先4銘柄の一部株式および7銘柄の全株式の売却(関係投資先株式との株式の交
換を含む)により投資の売却による実現益 209,317 百万円(純額)を計上しました。また、DoorDash,
Inc.(以下「DoorDash」)や Uber Technologies, Inc.(以下「Uber」)などの好調な株価を反映し
上場投資先について合計 1,541,453 百万円の未実現評価益(純額)を計上したほか、未上場投資先
については資金調達ラウンドやエグジットの決定、コロナ下での顧客のサービス利用増加などを
反映し 530,583 百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。また、SVF2が、KE Holdings Inc.
(以下「KE Holdings」)および Seer, Inc.(以下「Seer」)の上場後の株価上昇などに伴い、未実現
評価益 542,711 百万円(純額)を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(b)SVF1等
SBIA の運営するファンド事業」をご参照ください。
主に B および C の結果、投資損益合計は 3,799,456 百万円の利益となりました。
D 財務費用
持株会社投資事業で 10,169 百万円、ソフトバンク事業で 5,010 百万円、それぞれの支払利息が増
加した一方、SVF1等 SBIA の運営するファンド事業で支払利息が 9,458 百万円減少しました。
E 持分法による投資損益
アリババに係る持分法投資利益は 340,040 百万円 4 でした。2019 年9月にアリババが保有する
知的財産の一部を Ant Small and Micro Financial Services Group Co., Ltd.(現 Ant Group Co.,
Ltd.、以下「Ant Financial」)およびその子会社へ譲渡し、その対価をもって Ant Financial の新規
発行株式(33%の持分)を取得する取引を行った結果、前年同期において当社のアリババに係る持
分 法 投 資 利 益 が 277,175 百 万 円 増 加 し て い た こ と な ど に よ り 、 前 年 同 期 か ら 125,404 百 万 円
(26.9%)減少しました。
F デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
2019 年 11 月および 2020 年4月から8月にかけて締結したアリババ株式の先渡売買契約に係る
デリバティブ関連損失 485,436 百万円を計上しました(2020 年 10 月および 11 月に行った契約の
一部変更による影響を含む)。
主に A~F の結果、税引前利益は前年同期比 1,918,839 百万円(133.0%)増加の 3,361,504 百
万円となりました。
G 法人所得税
ソフトバンク㈱やヤフー㈱に係る法人所得税を計上しているほか、T モバイル株式の売却に係
る税金費用を計上しています。なお、ソフトバンク㈱株式の一部売却(7ページ「3. ソフトバン
ク㈱株式の一部売却」ご参照)によって、ソフトバンクグループジャパン㈱において繰延税金資産
を認識していなかった繰越欠損金を使用できる課税所得が生じる可能性が高まったと判断したこ
となどにより、法人所得税が利益方向に 256,060 百万円計上されました。
4
アリババとの契約などにより、同社の報告期間を統一することが実務上不可能であるため、連結損益計算書上、
報告期間が3カ月相違した同社の連結財務諸表に持分法を適用しています。ただし、アリババが公表した当該
期間差における重要な取引または事象については、必要な調整を行っています。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
H 非継続事業からの純利益
スプリントと T-Mobile US, Inc.の合併取引の完了によりスプリントが当社の子会社でなくなっ
たことに伴い、同社に係る支配喪失利益 721,068 百万円を計上しました。
主に A~H の結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比 2,578,575 百万円(541.0%)
増加の 3,055,162 百万円となりました。
アリババの持分法投資損益算出における基礎情報は、近日中に当社ウェブサイトに掲載予定の「決算
データシート」をご参照ください:https://group.softbank/ir/presentations/
b. セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎
としています。当第3四半期末現在、「持株会社投資事業」 「SVF1等 SBIA の運営するファンド
、
事業」「ソフトバンク事業」「アーム事業」の4つを報告セグメントとしています。当期における
、 、
連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更の詳細は「<連結損益計算書の表示および報
告セグメントの変更>」をご参照ください。なお、連結損益計算書における「営業利益」の表示の
取り止めに伴い、報告セグメントの利益を「税引前利益」に変更しました。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
セグメント名称 主な事業の内容 主な会社
報告セグメント
持株会社投資事業 ・ソフトバンクグループ㈱および ソフトバンクグループ㈱
その子会社による投資事業 SoftBank Group Capital Limited
ソフトバンクグループジャパン
㈱
SB Northstar LP
SVF1等 SBIA の運営す ・SVF1および SVF2による投資事業 SB Investment Advisers (UK)
るファンド事業 Limited
SoftBank Vision Fund L.P.
SoftBank Vision Fund II-2 L.P.
ソフトバンク事業 ・日本国内での移動通信サービスの ソフトバンク㈱
提供、 携帯端末の販売、 ブロードバン Z ホールディングス㈱
ドなど固定通信サービスの提供
・インターネット広告やイーコマース
サービスの提供
アーム事業 ・マイクロプロセッサーの IP および Arm Limited
関連テクノロジーのデザイン
・ソフトウエアツールの販売、
ソフトウエアサービスの提供
その他 ・スマートフォン決済事業 PayPay㈱
・オルタナティブ投資の資産運用事業 Fortress Investment Group LLC
・ラテンアメリカにおけるファンド
事業
・福岡ソフトバンクホークス関連事業 福岡ソフトバンクホークス㈱
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(a) 持株会社投資事業
1. T モバイル株式売却関連利益 4,218 億円、引き続き保有する T モバイル株式に係る未実
現評価益 3,276 億円、条件付対価の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益 3,245 億
円をそれぞれ計上
2. 4.5 兆円プログラムに基づく資産売却または資金化を完了
3. 上場株式等への投資で 3,014 億円の投資損失を計上(ソフトバンクグループ㈱および
SB Northstar の投資損益合計)
<事業概要>
当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子
会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SBGC、ソフトバン
クグループジャパン㈱および資産運用子会社である SB Northstar のほか、投資または資金調達を
行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグルー
プ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただ
し、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資
損益を含みません。
当 事 業 を 構 成 す る 会 社 が 保 有 す る 投 資 先 は 、 ア リ バ バ や T モ バ イ ル 、 WeWork Inc. ( 以 下
「WeWork」(注)など約 120 社と、SB Northstar からの投資先であり、持分法適用関連会社(例
)
えばアリババ)のほか、FVTPL の金融資産として認識されるものがあります。持分法適用関連会
社に該当する投資先の業績は、持分に応じて損益が「持分法による投資損益」に計上されます。
FVTPL の金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」
として連結損益計算書に計上しています。
(注)SVF1が保有する WeWork 株式に係る投資損益は「SVF1等 SBIA の運営するファンド事業」に含まれて
います。
資産運用子会社からの上場株式等への投資
当社は、当第1四半期から、保有資産の多様化と余剰資金の運用を目的として、従来から掲げて
いる LTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合)や手元流動性に関する財務方針を堅持
しつつ、流動性の高い上場株式への投資を行っています。当第1四半期においてはソフトバンク
グループ㈱がこうした投資を行っていましたが、当第2四半期からは資産運用子会社である SB
Northstar が上場株式の取得および売却、上場株式に関連するデリバティブ取引および信用取引を
行っています。なお、上場株式等への投資の規模は、ソフトバンクグループ㈱の資金需要、手元現
金の状況、および保有資産の状況により変動します。
SB Northstar における持分は、ソフトバンクグループ㈱が 67%、ソフトバンクグループ㈱代表
取締役 会長 兼 社長執行役員の孫 正義が 33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の
持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の 67%が親会社の所有
者に帰属する純利益に影響を与えます。なお、ソフトバンクグループ㈱が SB Northstar に対しファ
ンド存続期間(12 年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、
持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<業績全般>
(単位:百万円)
12 月 31 日に終了した9カ月間
2019 年 2020 年 増減 増減率
投資損益 840,664 846,477 5,813 0.7% A
T モバイル株式売却関連損益 - 421,755 421,755 ―
アリババ株式先渡売買契約決済益 1,218,527 - △1,218,527 ―
資産運用子会社からの投資の売却に
よる実現損益 - △92,459 △92,459 ―
資産運用子会社からの投資の未実現
評価損益 - 105,658 105,658 ―
資産運用子会社からの投資に係る
デリバティブ関連損益 - △577,602 △577,602 ―
投資の売却による実現損益 21,371 206,233 184,862 865.0%
投資の未実現評価損益 △396,329 532,146 928,475 ―
投資に係るデリバティブ関連損益 △6,118 248,558 254,676 ―
その他 3,213 2,188 △1,025 △31.9%
販売費及び一般管理費 △52,675 △74,094 △21,419 40.7%
財務費用 △147,600 △157,769 △10,169 6.9% B
持分法による投資損益 471,259 363,660 △107,599 △22.8% C
デリバティブ関連損益
(投資損益を除く) △17,839 △482,668 △464,829 ― D
その他の損益 309,787 267,379 △42,408 △13.7% E
セグメント利益(税引前利益) 1,403,596 762,985 △640,611 △45.6%
A 投資利益:846,477 百万円
・T モバイル株式売却関連利益 421,755 百万円を計上しました。これは、①2020 年6月 26 日
に保有する T モバイル株式 304,606,049 株のうち 173,564,426 株を売却したことに伴う関連
会社株式売却益 280,341 百万円、②T モバイルの持分法適用除外時に引き続き保有する同社
株式に係る再測定益 296,013 百万円、③ドイツテレコムが受領した当社が保有する T モバイ
ル 株 式 101,491,623 株 を 対 象 と す る 株 式 購 入 オ プ シ ョ ン に 関 す る デ リ バ テ ィ ブ 関 連 損 失
154,491 百万円、④2020 年7月 16 日に保有する T モバイル株式 5,000,000 株、2020 年8月
3日に同 19,750,000 株を売却したことに伴う投資の売却による実現損失 3,122 百万円および
デリバティブ負債の認識の中止に伴うデリバティブ関連利益 3,014 百万円から成ります。
・資産運用子会社からの投資の売却による実現損失 92,459 百万円、資産運用子会社からの投資
の未実現評価利益 105,658 百万円をそれぞれ計上しました。これは SB Northstar が上場株式
への投資を行ったことによるものです。
・資産運用子会社からの投資に係るデリバティブ関連損失 577,602 百万円を計上しました。こ
れは SB Northstar において主に上場株式に係るコールオプションや売建株価指数先物取引に
係る損失を計上したことによるものです。
・投資の売却による実現利益 206,233 百万円、投資の未実現評価利益 532,146 百万円をそれぞ
れ計上しました。前者については、主にソフトバンクグループ㈱からの上場株式への投資によ
り 207,919 百万円の実現利益を計上したことによるものです。後者については、2020 年6月
26 日 か ら 同 年 12 月 31 日 ま で の 期 間 に 認 識 し た T モ バ イ ル 株 式 に 係 る 投 資 の 評 価 利 益
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
327,564 百万円を計上したことに加え、ソフトバンクグループ㈱による上場株式への投資によ
り 55,047 百万円の未実現評価利益を計上したことなどによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連利益 248,558 百万円を計上しました。これは主に、スプリント
と T-Mobile US, Inc.の合併取引の対価として受領した一定の条件を満たした際に T モバイル
株式を無償で取得できる権利の公正価値の増加額 324,518 百万円を当該利益として計上した
ことによるものです。
B 財務費用:157,769 百万円(前年同期比 10,169 百万円増)
・ソフトバンクグループ㈱の支払利息 5 が 7,236 百万円増の 154,592 百万円となりました。これ
は主に資金調達を行う 100%子会社において有利子負債が増加したことによるものです。
C 持分法による投資利益:363,660 百万円(前年同期比 107,599 百万円減少)
・アリババに係る持分法投資利益は 340,040 百万円でした。2019 年9月にアリババが保有する
知的財産の一部を Ant Financial およびその子会社へ譲渡し、その対価をもって Ant Financial
の新規発行株式(33%の持分)を取得する取引を行った結果、前年同期において当社のアリバ
バに係る持分法投資利益が 277,175 百万円増加したことや、2020 年3月 31 日に終了した3
カ月間において新型 コ ロナウイルスの感染 拡 大による株式相場の 急 落に伴う同社 の FVTPL
の金融資産に分類される投資先に係る投資損失を計上したことなどにより、前年同期から
125,404 百万円(26.9%)減少しました。
・2020 年4月1日 から同 年6月 25 日まで の期 間にお けるT モバイ ル に係る 持分法 投資利 益
24,736 百万円を計上しました(前年同期は計上なし)。
D デリバティブ関連損失(投資損益を除く):482,668 百万円
・2019 年 11 月および 2020 年4月から8月にかけて締結したアリババ株式の先渡売買契約に関
するデリバティブ関連損失 485,436 百万円を計上しました(2020 年 10 月および 11 月に行っ
た契約の一部変更による影響を含む)。
E その他の利益:267,379 百万円
・ソフトバンクグループ㈱が行っている海外子会社からの米ドル建ての借入について為替レー
トが円高となったことなどにより、為替差益 87,484 百万円を計上しました。
・当社による金融機関から WeWork への支払保証枠に対するクレジットサポート、および当社
100%子会社による WeWork の無担保債券の買い受けについて、2020 年3月 31 日に終了し
た3カ月間(前期第4四半期)に損失評価引当金繰入額をそれぞれ 52,349 百万円、90,210 百
万円計上しましたが、同社の信用リスクが改善したことなどにより、それぞれ 31,341 百万円、
46,918 百万円の戻し入れを行いました。
<4.5 兆円プログラム>
4.5 兆円プログラムに基づく資産の売却または資金化、自己株式の取得、負債の削減について
は、5ページ「<4.5 兆円の資産の売却または資金化の方針(4.5 兆円プログラム)>」をご参照
ください。
5
ソフトバンクグループ㈱の支払利息は、 資金調達を行う 100%子会社 (スカイウォークファイナンス合同会社、
West Raptor Holdings, LLC、West Raptor Holdings 2, LLC、Skybridge LLC、Skylark 2020 Holdings Limited、
Scout 2020 Holdings Limited、 Tigress 2020 Holdings Limited、 ム ー ン ラ イ ト フ ァ イ ナ ン ス 合 同 会 社 お よ び
Delaware Project 6 L.L.C.)の有利子負債に係る支払利息を含めて表示しています。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<資産運用子会社からの上場株式等への投資>
財政状態および投資損益への主な影響
(単位:百万円)
要約四半期連結財政状態計算書 要約四半期連結損益計算書
投資元 投資種別 Q3 末残高 計上額
計上科目 計上科目
(△は負債) Q1 Q2 Q3 Q1-Q3
ソフトバンク 現物 投資の売却による
グループ㈱ 株式 実現損益(注1) 64,470 102,768 40,681 207,919
投資の未実現評価損
投資有価証券 14,204 益(注1) 20,880 75,693 △41,526 55,047
SB Northstar 現物 資産運用子会社から
株式 資産運用子会社 の投資の売却による
からの投資 1,039,940 実現損益 ― △8,060 △84,399 △92,459
担保差入有価証券 1,227,560 資産運用子会社から
信用 の投資の未実現評価
取引 借入有価証券 (注2)― 損益 ― △95,082 200,740 105,658
デリバ 上場株式に係る 資産運用子会社に
ティブ 買建コールオプ おけるデリバティ
ション ブ金融資産 173,997
上場株式に係る
売建コールオプ 資産運用子会社に
ション おけるデリバティ △24,633
売建株価指数先 ブ金融負債
物取引 △18,713
資産運用子会社に
上場株式に係る おけるデリバティ
トータル・ ブ金融資産 137
リターン・ 資産運用子会社に 資産運用子会社から
スワップ取引 おけるデリバティ の投資に係るデリバ
ブ金融負債 △21,375 ティブ関連損益 ― △292,346 △285,256 △577,602
(注1 ) 当 第1 四 半期 に ソフ ト バン ク グル ープ ㈱ が取 得 した 上場 株 式の 一部 を 、当 第2 四 半 持株会社投資事業
期に SB Northstar へ 移 管し ま した 。 本移 管後 に SB Northstar が当 該 上場 株 式を 外部 に 売 からの投資損益 85,350 △217,027 △169,760 △301,437
却し た 部分 につ い ては 、ソ フ トバ ン クグ ルー プ ㈱に よ る取 得価 額 と SB Northstar へ の移 管
価 額 の 差 額 を 「投 資 の 売 却 に よ る 実 現 損 益 」に 含 め て 表 示 し て い ま す 。 当第 3 四 半 期 末 に 非支配持分に帰属す
おい て 、SB Northstar が 引 き 続き 保 有し てい る 部分 に つい ては 、 当該 差額 を 「投 資 の未 実 る投資損益(注3) ― 131,829 56,305 188,134
現評 価 損益 」に 含 めて 表 示し てい ま す。 SB Northstar が 当 該上 場 株式 を外 部 に売 却 した 際
に 、 当 該 差 額 を「 投 資 の 未 実 現 評 価 損 益 」 から 「 投 資 の 売 却 に よ る 実 現 損益 」 に 振 り 替 え
親会社の所有者に
てい ま す。 帰属する投資損益
(注2 ) 売 建信 用 取引 で 借り 入 れた 有 価証 券の 公 正価 値 。な お 、当 第3 四 半期 末 にお い て売 (注4) 85,350 △85,198 △113,455 △113,303
建信 用 取引 で借 り 入れ た 有価 証券 は あり ませ ん 。
(注3 ) SB Northstar の 投資 損 益 の 33%
(注4 ) 販 売費 及 び一 般 管理 費 や税 金 費用 など の 影響 を 含み ませ ん 。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
資産運用子会社のソフトバンクグループ㈱要約四半期連結財政状態計算書への影響(注1)
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万円)
2020 年
12 月 31 日
現金及び現金同等物 284,932
資産運用子会社からの投資 1,039,940
資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産 174,134
その他の金融資産 1,381,392
その他 9,887
資産合計 2,890,285
有利子負債 1,528,759
資産運用子会社におけるデリバティブ金融負債 64,721
その他 14,318
負債合計 1,607,798
Delaware 子会社(以下に定義)からの出資(注2) 1,929,946
ソフトバンクグループ㈱から Delaware 子会社への現金出資相当額 39,786
ソフトバンクグループ㈱から Delaware 子会社への貸付および未収金
相当額(ソフトバンクグループ㈱からの運用委託金) 1,870,267
孫 正義から Delaware 子会社への現金出資相当額 19,893 A
利益剰余金 △576,045 B
為替換算差額 △71,414
純資産 1,282,487 C
(注1)ソフトバンクグループ㈱から Delaware 子会社を経由して SB Northstar へ現物出資したアリババ株式の
影響を除いた SB Northstar の財政状態計算書を、同社のソフトバンクグループ㈱要約四半期連結財政
状態計算書への影響を示すための参考情報として記載しています。
(注2)当社の子会社である Delaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.および Delaware Project 3
L.L.C.(以下「Delaware 子会社」)から資産運用子会社である SB Northstar への出資額
(非支配持分の計算)
(単位:百万円)
孫 正義から Delaware 子会社への現金出資相当額 19,893 A
非支配持分損益(注3) △191,978
為替換算差額 △24,624
非支配持分(孫 正義の持分) △196,709 D
(注3)表中 B の3分の1
(純資産(上記 C)に対する持分)
(単位:百万円)
ソフトバンクグループ㈱の持分 1,479,196
非支配持分(孫 正義の持分) △196,709 D
純資産 1,282,487 C
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
資産の状況
2020 年 12 月 31 日現在
① 現物株式
(単位:百万米ドル)
当第3四半期末の
公正価値
AbCellera Biologics Inc. 272
Adobe Inc. 10
Alphabet Inc. Class C Capital Stock 1,375
Amazon.com, Inc. 7,386
Facebook, Inc. 3,279
Microsoft Corporation 1,105
Netflix, Inc. 582
Pacific Biosciences of California, Inc. 238
PayPal Holdings, Inc. 1,438
salesforce.com, inc 677
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited ADR 1,302
4D Molecular Therapeutics, Inc. 30
その他 4,213
NVIDIA Corporation 137
合計 22,045
(注)ソフトバンクグループ㈱が保有する NVIDIA Corporation 株式を上表に含めて表示しています。
② デリバティブ
(単位:百万米ドル)
当第3四半期末の 想定元本
公正価値 (△は売建)
(△は負債)
上場株式に係る買建コールオプション 1,681 44,324
上場株式に係る売建コールオプション △238 △30,549
売建株価指数先物取引 △181 △4,458
上場株式に係るトータル・リターン・スワップ取引 △205 1,727
合計 1,057 11,044
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
当事業における主な有利子負債
2020 年 12 月 31 日
要約四半期連結
借入者 種別 財政状態計算書残高
ソフトバンクグループ㈱ 借入金 9,207 億円
社債 4兆 7,348 億円
リース負債 136 億円
コマーシャル・ペーパー 1,715 億円
(資金調達を行う 100%子会社(注1))
West Raptor Holdings, LLC
West Raptor Holdings 2, LLC
アリババ株式を活用した複数の株式先
Skybridge LLC
渡売買契約(フロア契約およびカラー契 2兆 8,664 億円
Skylark 2020 Holdings Limited
約)
Scout 2020 Holdings Limited
Tigress 2020 Holdings Limited
ムーンライトファイナンス
ソフトバンク㈱株式を活用した借入れ 4,984 億円
合同会社
Delaware Project 6 L.L.C. T モバイル株式を活用した借入れ 4,497 億円
SB Northstar 借入金 1兆 5,288 億円
(注1)資金調達を行う 100%子会社による借入れはソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。ただ
し、T モバイル株式を活用した借入れについては、例外的にソフトバンクグループ㈱が一部保証してい
ます。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(b) SVF1等 SBIA の運営するファンド事業
1. 投資利益(純額)2兆 7,673 億円。外部投資家持分増減額を控除したセグメント利益は
1 兆 7,581 億円に
SVF1
- 投資の売却による実現益(純額)2,098 億円:主に投資先4銘柄の一部株式を売却
- 当第3四半期末に保有する投資の未実現評価益(純額)2兆 1,100 億円:DoorDash、
Uber をはじめとする好調な株価推移により上場投資先で1兆 5,415 億円の評価益を
計上。未上場投資先でも公正価値上昇を反映し評価益 5,685 億円
SVF2
- 未実現評価益(純額)5,427 億円: KE Holdings および Seer の株価上昇により合計
5,505 億円の利益を計上
2. 投資の状況
SVF1
- エグジット前の投資:当第3四半期末現在、82 銘柄を保有。投資額合計 763 億米ドル
に対し、保有投資先公正価値合計 900 億米ドル
- 累計実現益 52 億米ドルおよび累計デリバティブ関連利益 15 億米ドルを含めた、
活動開始来の累計投資利益(グロス)は 204 億米ドルに(注1)
SVF2
- 当第3四半期末現在、26 銘柄を保有。投資額合計 43 億米ドルに対し、保有投資先公
正価値合計 93 億米ドル
その他
- 2021 年1月8日、SBIA 子会社の SPAC である SVF Investment Corp.が NASDAQ に
新規上場
(注1)累計投資利益(グロス)は外部投資家持分および税金等の控除前の金額です。
<事業概要>
当事業の業績には、主に、金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)の認可およ
び規制を受けた当社の英国 100%子会社 SBIA が運営するソフトバンク・ビジョン・ファンド1
(SVF1)とソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)の投資および事業活動の結果が含
まれています。
SVF1は、「ユニコーン(投資時において企業価値が 10 億米ドル以上と推定される非公開企
業)」を中心に、AI を活用した成長可能性の大きな企業への投資を保有しており、中長期的視点
から投資成果を最大化することを目指しています。同ファンドの投資期間は 2019 年9月 12 日
に終了しましたが、合弁会社への投資を含む既存投資先への追加投資や固定分配、ファンド運営
関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。2回の1年延
長オプションを SBIA が行使した場合を除き、SVF1の存続期間は原則として 2029 年 11 月 20
日までです。
SVF2は、テクノロジーを活用して各市場をリードする成長企業への投資を通じて、AI 革命
を持続的に加速することを目的に、2019 年 10 月にソフトバンクグループ㈱から出資コミット
メントを取得して設立されました。当第3四半期末現在、SVF2はソフトバンクグループ㈱のみ
がリミテッド・パートナーとして参画し、100 億米ドルの出資をコミットしています。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
また、当第3四半期、当社グループの上場および非上場企業への投資を補完し、私募ファンド
として定められた投資範疇を超えたより広範な投資機会の追求を実現するため、SBIA は SPAC
を用いた投資を開始しました。その第一弾として、SBIA 子会社の SPAC である SVF Investment
Corp.が 2021 年1月8日に NASDAQ に新規上場(株式公開)しました。SVF Investment Corp.
は、上場時点では特定されていない1社以上の事業者との合併、株式交換、資産取得、株式取得、
組織再編、またはこれらに類する企業結合を目的として設立された投資ビークルであり、2021
年1月 12 日(新規株式公開による払込資金の決済日)から2年以内にこれらの企業結合を行う
ことを目指しています。当社グループの国際的な存在感と各地域に根差したネットワークから
生じる多くの魅力的な投資機会へのアクセスを生かし、テクノロジーの駆使により成長が見込
まれる分野において投資先となる企業を特定し、買収および運営することを図っています。な
お、企業結合後、結合会社は SBIA の子会社ではなくなる見込みです。
当事業における主なファンドの概要
2020 年 12 月 31 日現在
ソフトバンク・ビジョン・ファンド1 ソフトバンク・ビジョン・ファンド2
主なリミテッド・
SoftBank Vision Fund L.P. SoftBank Vision Fund II-2 L.P.
パートナーシップ
出資コミットメン
986 億米ドル 100 億米ドル
ト総額
当社:331 億米ドル(注) 当社:100 億米ドル
外部投資家:655 億米ドル
ジェネラル・パー SVF GP (Jersey) Limited SVF II GP (Jersey) Limited
トナー (当社海外 100%子会社) (当社海外 100%子会社)
投資期間 2019 年9月 12 日に終了 今後外部投資家の参画により変動する
可能性があるため開示を控えていま
存続期間 2029 年 11 月 20 日まで(原則) す。
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、Arm Limited 株式を活用した約 82 億米ドル相当の支払義務履
行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の
25 億米ドル(従来の 50 億米ドルから減額)を含みます。
SVF1および SVF2の投資先の一覧は、近日中に当社ウェブサイトに掲載予定の「決算データシート」を
ご参照ください:https://group.softbank/ir/presentations/
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
SVF1の資金の状況
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:億米ドル)
合計 当社 外部投資家
出資コミットメント (A) 986 331 655
払込資金 6
(B) 845 289 556
払込資金返還額(再コール不可) (C) 86 9 77
払込資金残高 (D)=(B)-(C) 759 280 479
コミットメント残額 (E)=(A)-(B) 141 42 99
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、Arm Limited 株式を活用した約 82 億米ドル相当の支払義務履
行分(全該当株式を拠出済 み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキ ームへ活用される予定
の 25 億米ドル(従来の 50 億米ドルから減額)を含みます。
当第3四半期末現在、ソフトバンクグループ㈱は SVF2に対する出資コミットメントのうち、
44 億米ドルを履行済みです。
<業績全般>
(単位:百万円)
12 月 31 日に終了した9カ月間
2019 年 2020 年 増減 増減率
SVF1および SVF2からの投資損益 △729,007 2,767,257 3,496,264 ― A
投資の売却による実現損益 14,643 205,274 190,631 ―
投資の未実現評価損益 △754,828 2,545,550 3,300,378 ―
当期計上額 △727,327 2,652,701 3,380,028 ―
過年度計上額のうち
実現損益への振替額(注1) △27,501 △107,151 △79,650 ―
投資先からの受取配当金 10,067 8,219 △1,848 △18.4%
投資に係るデリバティブ関連損益 ― 1,091 1,091 ―
為替換算影響額 1,111 7,123 6,012 541.1%
販売費及び一般管理費 △68,466 △45,199 23,267 △34.0%
財務費用 △17,092 △7,634 9,458 △55.3% B
SVF1における外部投資家持分の
増減額 190,005 △956,736 △1,146,741 ― C
その他の損益 596 429 △167 △28.0%
セグメント利益(税引前利益) △623,964 1,758,117 2,382,081 ―
(注1)当期に売却した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の売却による実現損益」に振り
替えています。
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SVF1における払込資金は、払込後に投資計画の変更等によりリミテッド・パートナーへ返還された金額を差
し引いています。
25
ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
当第3四半期累計期間において、SVF1は、既存投資先およびその合弁会社へ合計 35 億米ド
ルの追加投資 7 を行った一方、投資先4銘柄の一部株式および7銘柄 7
の全株式を、合計 22 億
米ドルの当初取得額に対し合計 42 億米ドル で売却しました。また SVF2は、合計 23 億米ド
8
ルの新規および追加の投資を行いました。
セグメント利益
A SVF1および SVF2からの投資利益:2,767,257 百万円
・SVF1
- 投資先4銘柄の一部株式および7銘柄 7 の全株式を売却したことにより、投資の売却による実
現益 209,849 百万円を計上しました。
- 当第3四半期末に保有する投資について未実現評価益 2,109,989 百万円(20,068 百万米ドル、
純額)を計上しました(内訳は以下「SVF1の投資の状況」をご参照ください)。このうち、
上場投資先について、DoorDash、Uber をはじめとする投資先の株価の好調な推移により、
合計 14,667 百万米ドルの未実現評価益を計上しました。また、非上場株式について、資金調
達ラウンドがあった投資先やエグジットが決定した投資先、イーコマースやプロップテック
(不動産テック)など新型コロナウイルス感染拡大局面において顧客によるサービスの利用
の高まりが見られるオンライン事業を営む投資先の公正価値が増加したことなどにより、合
計 5,401 百万米ドルの未実現評価益を計上しました。
・SVF2
- 未実現評価益 542,711 百万円(5,126 百万米ドル、純額)を計上しました。これは主に、KE
Holdings および Seer について、上場後の株価上昇を反映し、合計 5,201 百万米ドルの未実現
評価益を計上したことによるものです。その他の内訳は以下「SVF2の投資の状況」をご参照
ください。
B 財務費用:7,634 百万円(前年同期比 9,458 百万円減少)
主に、SVF1が投資の資本効率向上などのために設定した借入枠を利用した借入れ(以下「ファ
ンド・レベル・ファシリティー」 および保有株式の一部の資金化を目的とした借入れ
) (以下「ポー
トフォリオ・ファイナンシング・ファシリティー」)について、返済に伴う借入残高の減少によ
り支払利息が減少しました。
C SVF1における外部投資家持分の増減額:△956,736 百万円
SVF1からの投資損益から SBIA に支払われる管理報酬および成功報酬、SVF1の営業費用な
らびにその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した成果分配額および
固定分配額の合計です。詳細は「3.要約四半期連結財務諸表及び主な注記(6)要約四半期連
結財務諸表注記 5.SVF1等 SBIA の運営するファンド事業(2)SVF1における外部投資家持
分」をご参照ください。
なお、当第3四半期末現在、SVF2はソフトバンクグループ㈱のみが出資しているため、外部
投資家持分はありません。
7
株式の交換を含みます。当第1四半期において、既存投資先2 社の株式を同じく既存投資先であるその関係会
社株式に交換しました。当該株式の交換は、投資のエグジット(売却)および新規投資の取得として取り扱
い、売却額および交換先の株式取得額をそれぞれグロスで算入するとともに、当初保有株式の取得額と売却額
(交換先の株式の取得額)との差額を投資の実現損益として計上しています。
8
売却手数料等の控除後
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
SVF1の投資の状況
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③)
累計 累計投資額 累計リターン 累計損益 ( 注 1 )
投資銘柄数 A1+B1+C1 A2+B2+C2 A3+B3+C3
92 84.5 104.9 20.4
①エグジット前の投資(当第3四半期末に保有する投資)
累計 未実現
未実現 評価損益
銘柄数 投資額 公正価値 評価損益 当期計上額
セクター A1 A2 (注2)
A3 Q1-Q3
a コンシューマー 12 10.4 14.8 4.4 3.0
b エドテック 1 0.7 1.1 0.4 0.4
c エンタープライズ 8 2.5 3.9 1.4 0.8
d フィンテック 11 4.4 3.4 △1.0 △1.2
e フロンティアテック 9 11.0 11.2 0.2 0.6
f ヘルステック 8 2.0 4.3 2.3 1.4
g ロジスティクス 14 8.0 16.9 8.9 8.4
h プロップテック 9 10.1 5.9 △4.2 0.8
i トランスポーテーション 10 27.2 28.5 1.3 5.9
合計 82 76.3 90.0 13.7 20.1
(別掲)
上場株式(注3) 8 9.7 24.8 15.1 14.7
d OneConnect 0.1 0.1 △0.0 0.0
d ZhongAn Insurance 0.2 0.1 △0.1 0.0
f Guardant Health 0.1 0.8 0.7 0.4
f Relay Therapeutics 0.3 1.2 0.9 0.9
f Vir Biotechnology 0.2 0.6 0.4 △0.1
g DoorDash 0.7 9.0 8.3 7.1
h Opendoor 0.4 1.7 1.3 1.3
i Uber 7.7 11.3 3.6 5.1
非上場株式 74 66.6 65.2 △1.4 5.4
合計 82 76.3 90.0 13.7 20.1
②エグジットした投資
実現損益
銘柄数 投資額 売却額 累計実現損益 当期計上額
B1 B2 (注1)
B3 Q1-Q3
一部エグジット ― 1.1 2.7 1.6 1.2
全部エグジット 7
10 7.1 10.7 3.6 0.8
合計 10 8.2 13.4 5.2 2.0
③投資に係るデリバティブ関連損益
累計デリバティブ
デリバティブ原価 決済額 関連損益
C1 C2 C3
既決済 0.0 1.5 1.5
合計 0.0 1.5 1.5
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)当社から SVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを
決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
(注3)上場株式に付された記号は属するセクターを表しています。当該セクターにおける投資先は掲載され
た上場株式に限りません。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
SVF2の投資の状況
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②)
累計 累計投資額 累計リターン 累計損益 ( 注 1 )
投資銘柄数 A1+B1 A2+B2 A3+B3
26 4.3 9.3 5.0
①エグジット前の投資(当第3四半期末に保有する投資)
累計 未実現
投資額 公正価値 未実現 評価損益
(注2) (注2)
評価損益 当期計上額
会社名 銘柄数 A1 A2 A3 Q1-Q3
上場株式 2 1.4 6.6 5.2 5.2
KE Holdings 1.4 6.4 5.0 5.1
Seer 0.0 0.2 0.2 0.1
非上場株式 24 2.9 2.7 △0.2 △0.1
合計 26 4.3 9.3 5.0 5.1
②エグジットした投資
実現損益
銘柄数 投資額 売却額 累計実現損益 当期計上額
B1 B2 (注1)
B3 Q1-Q3
一部エグジット ― 0.0 0.0 △0.0 △0.0
合計 ― 0.0 0.0 △0.0 △0.0
(注1)税金等の控除前
(注2)SVF2のエグジット前の投資の投資額および 公正価値には、投資の取得 対価の一部として受領した 他
会社の非支配持分に係るものが含まれています。
投資先の上場実績および公表済の上場予定
2020 年 12 月 31 日現在;投資時に上場済みのものを除く
ファンド 会社名 上場日 上場方式
SVF1 エグジット前の投資
ZhongAn Insurance 2017 年9月 28 日 IPO
Guardant Health 2018 年 10 月4日 IPO
Uber 2019 年5月 10 日 IPO
Vir Biotechnology 2019 年 10 月 11 日 IPO
OneConnect 2019 年 12 月 13 日 IPO
Relay Therapeutics 2020 年7月 16 日 IPO
DoorDash 2020 年 12 月9日 IPO
Opendoor 2020 年 12 月 21 日 SPAC との合併
View 2021 年1~3月(予定) SPAC との合併 9
エグジット済みの投資
PingAn Good Doctor 2018 年5月4日 IPO
Slack 2019 年6月 20 日 ダイレクトリスティング
10x Genomics 2019 年9月 12 日 IPO
SVF2 エグジット前の投資
KE Holdings 2020 年8月 13 日 IPO
Seer 2020 年 12 月4日 IPO
9
2020 年 11 月 30 日(米国時間)に View, Inc.と SPAC である CF Finance Acquisition Corp. II との合併が発表
されました。2021 年2月8日現在、当該合併は未了です。
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ソフトバンクグループ㈱ (9984) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(c) ソフトバンク事業
1. セグメント利益が前年同期比 1.8%増加:Z ホールディングス㈱と法人向け事業が好調に
推移
2. Z ホールディングス㈱と LINE㈱の経営統合は 2021 年3月の完了を予定
(単位:百万円)
12 月 31 日に終了した9カ月間
2019 年 2020 年 増減 増減率
売上高 3,617,784 3,805,561 187,777 5.2%
セグメント利益(税引前利益) 733,329 746,219 12,890 1.8%
減価償却費及び償却費 △506,588 △537,640 △31,052 6.1%
投資損益 5,541 △4,496 △10,037 ―
財務