9964 J-アイテック 2021-09-08 18:00:00
第三者調査委員会の中間調査報告書(要約版)の公表に関するお知らせ [pdf]

                                                 2021年9月8日
各   位
                           会 社 名 株 式 会 社 アイ・テック
                           代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 大畑 大輔
                                         (コード:9964・JASDAQ)
                           問 合 せ 先 常務取締役管理本部長 伏見 好史
                                           (TEL 054-337-2001)



        第三者調査委員会の中間調査報告書(要約版)の公表に関するお知らせ



  当社は、 2021年7月26日付「第三者調査委員会の設置に関するお知らせ」にてお知らせしましたと
おり、当社役員及び従業員が取引先に対して外注費を過剰に支払い、キックバックを受けていた疑
いに関して、専門的かつ客観的な見地から、事実関係の正確な把握・分析を行った上で、当該事実関
係を踏まえた会計処理の適正性・妥当性の検討、     訂正の要否等の分析等が必要であると判断し、2021
年7月26日の取締役会において、当社と利害関係を有しない外部専門家から構成される第三者調査
委員会(以下「本委員会」といいます。)を設置することを決議し、本委員会に対して本件に係る事
実の調査を委嘱しました。
  本委員会の調査目的は、①当社による取引先への過剰な工事費用の支払並びに当社の役員及び従
業員によるキックバックの受領に関する事実の調査、②発生原因の解明、責任の所在の明確化及び
再発防止策の提言とされていますが、当社の2022年3月期第1四半期報告書の延長後の提出期限が
2021年9月14日までとされていることを踏まえ、2021年7月26日から同年9月5日にかけて、まず
は当社の決算の確定のために必要となる上記①の調査が実施されました。なお、本委員会による調
査は、2014年3月期から2022年3月期第1四半期までの期間を対象としております。
  当社は、 2021年9月7日付 「第三者調査委員会の中間調査報告書受領に関するお知らせ」にてお知
らせしましたとおり、同日付で本委員会より中間調査報告書を受領いたしましたので、その内容に
ついて公表させていただきます。
  なお、本件が捜査機関による捜査の進行中の事案であり、中間調査報告書の内容の開示が捜査機
関による捜査に支障を与える可能性に鑑み、第三者調査委員会が作成した中間調査報告書の要約版
を公表させていただております。

 株主・投資家の皆様をはじめ、市場関係者及び取引先の皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけい
たしておりますことを、心よりお詫び申し上げます。

                                                        以   上
株式会社アイ・テック 御中



                中   間 調 査 報 告 書(要約版)



                                                   2021 年 9 月 8 日



                                   株式会社アイ・テック第三者調査委員会

                                       委員長:弁 護     士 藤井 崇仁

                                       委   員:公認会計士 和泉 嘉人

                                       委   員:税 理   士 西山 公造




第 1 調査の概要

当委員会は、株式会社アイ・テック(以下「アイ・テック」という。
                              )からの委嘱を受けて、ア
イ・テックの役員及び従業員が取引先に対して外注費を過剰に支払い、キックバックを受けて
いたとの疑いが生じた件(以下「本件」という。)について、2021 年 7 月 26 日から同年 9 月 5
日にかけて、アイ・テック及びその役職員から開示された資料の閲覧及び検討、アイ・テック
の役職員及び外部関係者に対するヒアリング、アイ・テックの従業員及び外部関係者との間で
の書面による質問回答の実施並びに一般に入手可能な公開情報に基づき、事実の調査を実施し
た(以下、当委員会による調査及び検討を総称して「本調査」という。。調査対象期間につい
                               )
ては、アイ・テック社内で行われたヒアリングにより、本件が 2014 年から 2021 年の 8 年間に
わたって行われていたとの情報を得たため、2013 年 4 月 1 日から 2021 年 6 月 30 日まで(2014
年 3 月期から 2022 年 3 月期第 1 四半期まで)と設定した。

当委員会は、アイ・テックの 2022 年 3 月期第 1 四半期報告書の延長後の提出期限が 2021 年 9
月 14 日までとされていることを踏まえて、アイ・テックの決算の確定のために、本調査に係
る中間報告を行う。今後は、本件に係る原因の究明、責任の所在の検討及び再発防止策の提言
等を行うために追加で調査を行い、最終報告を行う予定である。

なお、本件が検察による捜査の対象となっており、調査期間内において本件に関する物証の殆
どが検察に押収されていたこと、データ保全の対象となる機器の殆どが検察に押収されていた

                           - 1 -
ために調査期間内においてデジタルフォレンジック調査が未了であったこと、調査期間による
時間的制約が存在したこと、アイ・テックの役職員及び関係者に対するヒアリングが任意の協
力に基づくものであって、かつ、物証の欠如により当該ヒアリングに依拠せざるを得なかった
ことの各種事情により、本調査には事実認定上の制約があった点を付言する。



第2 調査の結果

1.判明した事実の概要

2008 年頃から 2021 年 6 月までの間、アイ・テックの東京支社において、取締役 A、従業員 B 及
び従業員 C(なお、C は既にアイ・テックを退職している。)は、共謀の上、鉄骨工事請負の下
請け先である現場施工業者をしてアイ・テックに工事費用を過剰に請求させ、当該現場施工業
者が支払を受けた工事費用からキックバックを支払わせるというスキーム(以下「本スキーム」
という。)を実行した。

過剰支払額の一部は、現場施工業者が受領し、残額については C 経由で A 及び B がキックバッ
クとして受領した。A 及び B は、キックバックとして受領した金銭をゼネコンへの接待等に費
消したが、一部を私的に流用した。

2. 工事費用の過剰支払総額及びキックバックの総額

B によれば、2014 年から 2021 年における現場施工業者に対する工事費用の過剰支払総額は
680,800 千円であり、そのうち A 及び B が現場施工業者より受領したキックバックの総額は
278,300 千円である。

なお、本スキームは上述のとおり 2008 年頃から始まったとの供述を得たが、当該時期におい
て本件を主導していたと思われる役員が 2014 年に死去していること及び当時の物証が残って
いないことから、調査対象期間以前に遡って、工事費用の過剰支払額及びキックバックの金額
を含む本件に係る事実を認定することは不可能であった。

また、中間調査報告書の提出時点においてデジタルフォレンジック調査が未了であり、本スキ
ームの関与者の業務用パソコンや携帯電話端末等に存在するデータを確認できていないこと、
A 及び B が保有する銀行口座の調査対象期間における取引履歴の開示を受けて、各人の説明を
受けたものの、キックバックに関連すると思われる入金は確認できなかったことから、工事費
用の過剰支払総額及びキックバックの総額については、本スキームの関与者の供述に依拠せざ
るを得なかった。

                                                   以上




                         - 2 -