9919 関西スーパ 2021-09-24 15:00:00
エイチ・ツー・オー リテイリング グループとオーケー株式会社の各提案に対する当社の見解及びFAQの開示に関するお知らせ [pdf]

                                                     2021 年9月 24 日
 各 位
                       会 社 名   株式会社関西スーパーマーケット
                       代表者名    代表取締役社長                       福谷  耕治
                       証券コード   9919(東証第一部)
                       問合せ先    常務取締役経営企画室長                   中 西  淳
                       TEL     072-772-0341(代表)
                       URL     http://www.kansaisuper.co.jp/


       エイチ・ツー・オー リテイリング グループとオーケー株式会社の
              各提案に対する当社の見解について

 当社は、2021 年8月 31 日付当社プレスリリース「当社とエイチ・ツー・オー リテイリング グループ
の経営統合(資本業務提携)
            、株式交換によるイズミヤ株式会社及び株式会社阪急オアシスの完全子会社
化、親会社の異動、吸収分割による持株会社体制への移行、商号変更その他の定款の一部変更並びに代表
取締役の異動に関するお知らせ」
              (以下「本経営統合プレスリリース」といいます。
                                    )においてお知らせい
たしましたとおり、エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社(以下「H2O リテイリング」といいます。、
                                                  )
イズミヤ株式会社(以下「イズミヤ」といいます。
                      )及び株式会社阪急オアシス(以下「阪急オアシス」と
いいます。 との間で、
    )      H2O リテイリングが当社を子会社とするとともに、当社が当社事業を営む新会社、
イズミヤ及び阪急オアシスを傘下に置く持株会社体制に移行することにより、当社と H2O リテイリング、
イズミヤ及び阪急オアシスの事業を統合すること(以下「本経営統合」といいます。
                                     )に関し、H2O リテイ
リング、イズミヤ及び阪急オアシスとの間で、同日付で、経営統合に関する契約書(以下「本経営統合契
約」といいます。
       )を締結し、その旨公表しております。
 一方、本経営統合プレスリリースにおいてもお知らせしておりましたとおり、当社においては、2021 年
6月上旬に、オーケー株式会社(以下「オーケー」といいます。 からも、
                            )     当社株式に対する公開買付け(以
下「本公開買付け」といいます。
              )を行い、当社を連結子会社化することを前提とした資本業務提携の提案
(以下「オーケー提案」といいます。
                )を受領しておりました。そして、2021 年7月下旬には、オーケー提
案は、当社の連結子会社化ではなく、完全子会社化(非公開化)を前提としたものに変更されました(か
かる変更後のオーケー提案に係る取引を「本非公開化取引」といいます。。
                                 )
 当社取締役会においては、オーケー提案が当社の企業価値及び当社株主の皆様の利益に大きく影響する
事項であるという認識に立ち、2021 年7月上旬に、独立社外取締役4名及び M&A に深い知見を有する独
立した弁護士1名からなる特別委員会を設置し、独立した各種アドバイザーの助言を得つつ、公平・中立
の立場から、本経営統合及び本非公開化取引について詳細に比較検討をしていただき、その結果、本経営
統合を実施すべきという勧告を受領したことも踏まえ、当社の企業価値・株主の皆様の利益という観点か
ら、本非公開化取引よりも、本経営統合の方が望ましいと判断するに至ったことから、本経営統合契約の
締結を決定しております。
 今般、当社において、なぜ、当社の企業価値・株主の皆様の利益という観点から、本非公開化取引より
も、本経営統合の方が望ましいと判断するに至ったのかについて、下記のとおりご説明いたします。また、
別添の「H2O リテイリンググループとの経営統合に関する FAQ」
                                (以下「FAQ」といいます。
                                             )も併せてご
参照ください。
 なお、本経営統合に関しては、当社は、2021 年9月 14 日の労使協議会において、労働組合より賛同表
明を得ておりますので、その点も併せてお知らせいたします。

                          1
                                  記


    当社の見解の概要


    当社の特別委員会及び取締役会において、公正な手続のもとで、真摯に検討を尽くし、H2O リテイリ
    ング及びオーケーの提案を比較検討した結果、当社は、大要以下の理由から、当社の企業価値・株主の
    皆様の利益という観点に照らし、本非公開化取引よりも本経営統合の方が望ましいと考えており、本経
    営統合こそが当社及び当社の株主の皆様にとって最善の選択であると確信しております。詳細について
    は、下記一から六をご参照ください。


                   本経営統合(H2O リテイリング)          本非公開化取引(オーケー)
基本的な企業理念・          企業理念やビジョン、とりわけ             企業理念や業態そのものに大きな
経営方針等の相違            ESG の「S」
                           (従業員・地域社会等)          相違があり、企業文化等において
(下記一)               の重視など、   共通する部分が多く、         相容れない部分が多く、シナジー
                    親和性が高いため、シナジー実現             実現のための施策の導入・実施が
                    のための施策の導入・実施も容易             困難である
                    である
これまでの提携実績          2016 年以降、提携関係にあり、商         H2O リテイリングとの提携関係の
の有無(下記二)            品の共同仕入れや共同開発、ポイ             解消を余儀なくされ、オーケーと
                    ントの共通化等の各種提携の実績             の間で改めて一から提携関係を構
                    がある                         築する必要がある
中長期におけるシナ          H2O リテイリンググループは、ス          ディスカウントストア業態のオー
ジーの拡がりの可能           ーパーマーケット以外にも幅広く             ケーでは、H2O リテイリンググル
性(下記三)              小売業を展開しており、店舗とデ             ープとの提携のような様々な小売
                    ジタルを融合した顧客拡大政策を             業態におけるシナジーの拡がりは
                    推進するなど、将来的なシナジー             期待できない
                    の拡がりの可能性がある
株式の継続保有によ          少数株主の皆様は、当社株式を継            少数株主の皆様は、強制的に排除
るシナジー効果の享           続保有することが可能であり、今             され、その意に関わらず、当社株
受の可否(下記四)           後実際に創出されるシナジー効果             式を継続保有することができず、
                    を享受できる                      (買付価格以外に)今後実際に創
                                                出されるシナジー効果を享受でき
                                                ない
当社株主の皆様が得          本経営統合後の当社株式の理論価            本非公開化取引における公開買付
ることとなる経済的           値は、独立した第三者算定機関2             け等の価格は 2,250 円とされる
価値(下記五)             社の評価によれば、①2,400 円~
                    3,018 円、又は、②1,787 円~3,128
                    円とされる
取引の実現可能性           既に本経営統合契約を締結済みで            当社による本経営統合の撤回、当
(下記六)               あり、当社の臨時株主総会で所定             社の取締役会がオーケー提案に真
                    の議案が承認可決されれば、取引             に賛同することその他の前提条件
                    は確実に実行される                   が付されており、取引が実現する
                                                保証はない


                                  2
一 基本的な企業理念・経営方針等の相違


1. 企業理念・ビジョンの相違
  当社は、その企業理念(経営理念)として、次のように謳っております。
  「普段の食生活をより豊かにする事により、地域のお客様から信頼を得、社会に貢献する」
  当社は、この企業理念のもと、お客様目線の店づくり、従業員目線の職場づくり、地域社会への貢献
を通じて問題解決を行う「トータルソリューション型スーパーマーケット」の実現を目指しております。
そして、これを実現するための中長期的な経営戦略の3つの柱として、①健康経営、②生産性の向上、
③教育を掲げております。なぜなら、当社において中長期的に上記企業理念を達成し、企業価値を向上
させていくためには、当社の人的資本(従業員)が鍵となるためです。当社従業員が心身ともに健康で
あることを前提に、デジタル化による業務の効率化や、接客力向上等のための教育の充実を図っていく
ことが必須であると考えております。また、当社は、地域のお客様のためのスーパーマーケットである
ことが事業の継続的な発展の基盤になるとの考えの下、環境保全や社会貢献活動を通じて地域社会の利
益に配慮するサステナビリティ経営にも積極的に取り組んでおります。
  そして、H2O リテイリングを最終親会社とする企業グループ(以下「H2O リテイリンググループ」と
いいます。
    )も、
      「地域住民への生活モデルの提供を通して、地域社会になくてはならない存在であり続
けること」を企業の基本理念とし、
               「地域との絆づくり」を柱に、サステナビリティ経営を推進しており、
かかる基本理念のもと、イズミヤ及び阪急オアシスにおいて食品スーパーマーケットを運営しておりま
す。また、H2O リテイリンググループは、グループ全体として、人材の活性化を図り、個人と組織のパ
フォーマンスを最大化すべく、人材育成への取組みを推進しております。
  そのため、当社と H2O リテイリンググループとの間では、関西圏の地域社会に根差し、地域の皆様か
ら支持される商品・サービスを提供することを目指し、そのために人的資本(従業員)の維持・充実を
図る点で、その企業理念・ビジョンを共通にしております。これが、当社が 2016 年 10 月 27 日に H2O
リテイリングとの間で資本業務提携契約を締結し、今日まで各種の協業を進めてきた最大の理由でもあ
ります。
          「高品質・Everyday Low Price」を経営方針に掲げており、これに基づき、特売を廃
  一方、オーケーは、
止し、品質の高い商品を競合店の特売価格に負けない売価で毎日提供する各施策を導入しているとのこ
とです。当社としては、オーケーの経営方針の要諦は徹底したコスト削減による低価格販売にあるもの
と理解しており、従業員の利益や地域社会への貢献を重視する当社の企業理念とは相違する側面がある
ものと考えております。
  スーパーマーケットの経営統合に際しては、商品仕入れ、在庫管理、配送・物流、店舗運営、新規出
店等の様々なオペレーションにおける統合を推進する必要があるところ、上記のような企業理念・ビジ
ョンの親和性を欠く場合、各オペレーションの統合が事実上困難となります。下記2.以下でも個別に
述べますが、このような経営方針・ビジョンの相違があることからも、オーケーとの経営統合によるシ
ナジーの実現は容易ではないと考えております。


2. 基本的な業態の相違(顧客層・商品構成や店舗運営手法の相違)
  当社と H2O リテイリンググループのイズミヤ及び阪急オアシスは、いずれも食品スーパーマーケッ
 トを運営し、また、いずれも関西圏において比較的小さな商圏を前提に、毎日の食生活を豊かにする、
 地域に密着した品揃え型スーパーマーケットとして店舗運営を行ってまいりました。他方、オーケーは、
 量販型ディスカウントストアであり、首都圏の主要幹線道路(国道 16 号線)沿いを中心に、比較的広い

                           3
商圏を前提とした店舗を展開しております。
  このような業態の相違に伴い、両者は顧客層も相違しているところがあります。店舗ごとの特性もあ
るため一概には言えないものの、当社とイズミヤ及び阪急オアシスは、店舗から徒歩圏内の近隣住民で
あるお客様が多く、その結果、顧客に占める地域の高齢者の割合も高くなっております。他方、オーケ
ーは、徒歩圏外から自動車等で来店する顧客が多く、当社、イズミヤ及び阪急オアシスと比較して、相
対的に顧客の年齢層も低いものと当社は考えております。
  そして、業態や顧客層の相違は、商品構成の相違や顧客サービスの在り方の相違につながります。当
社、イズミヤ及び阪急オアシスにおいては、地域密着型の店舗運営を行い、顧客のニーズに柔軟に対応
し、生鮮食品やインストア商品の充実など、きめの細かいサービスを通じた顧客価値の提供を行ってお
ります。他方、オーケーにおいては、商品管理上の効率性を重視する業態をとる結果、当社、イズミヤ
及び阪急オアシスと比較して、生鮮食品やインストア商品を含めた商品構成には大きな違いがあるもの
と当社は考えております。オーケーによれば、オーケーとしても、本非公開取引が実行された場合には、
「商品の品質を吟味し、取り扱い商品を絞りこむことで、お客様にとって買い物がしやすい売場造り、
単品量販、店舗作業の効率化」を行う手法を当社にも導入し、当社商品の見直しを行う予定であるとの
ことです。
  スーパーマーケット事業の経営統合において、商品の統一や共同仕入れは最大のシナジー項目の一つ
ではありますが、業態が同一(スーパーマーケット)であって顧客層や商品構成が共通又は類似するイ
ズミヤ及び阪急オアシスとの間ではこれらが比較的容易に達成可能であると見込まれます。一方で、量
販型ディスカウントストアであるオーケーとの間ではそもそも商品構成の相違が大きく、統一に要する
コストが膨らむことが予想されることに加え、仮にこれを急激に進める場合には、当社の現在の商品構
成を支持いただいている既存顧客の離反を招く可能性は否定できないものと考えております。
  また、顧客層や商品構成の違いによって、販促活動における連携、具体的にはチラシその他の販促ツ
ールの共通化等による提携効果の発揮の可否も変わるところ、顧客層や商品構成が共通又は類似するイ
ズミヤ及び阪急オアシスとの提携においてはこれも容易であります。
  さらに、上記のように顧客層や商品構成が異なると、店舗の内装や配置(インストア商品の調理場の
設置を含みます。
       )なども大きく異なり、店舗開発や店舗運営の手法も全く異なるものとなります。
  スーパーマーケット事業の経営統合においては、店舗開発や店舗運営におけるノウハウの共有、オペ
レーションシステムの共通化も一つの重要なシナジー項目ではありますが、上記のとおり本経営統合に
おいてはこの点でも高いシナジー効果が期待される一方で、本非公開化取引においては、オーケーの店
舗に近づける形で当社店舗を改装するなどした場合、店舗運営のオペレーションが異なることから改装
等に多大なコストを要すると見込まれることに加え、店舗のコンセプトが大きく異なるものとなる結果、
上述の当社商品の見直しも相まって、既存顧客の離反を招く可能性があると当社は考えております。


3. 出店地域の相違
  上記2.にも述べたとおり、当社、イズミヤ及び阪急オアシスは、いずれも関西圏において比較的小
さな商圏を前提に地域密着型の事業運営を行い、他方、オーケーは、首都圏の主要幹線道路沿いに、比
較的広い商圏を想定した店舗を展開しております。
  この点、スーパーマーケット事業の経営統合においては、商品配送その他の物流における効率化も重
要なシナジー項目の一つであります。当社、イズミヤ及び阪急オアシスはいずれも関西圏を事業基盤と
し、互いの店舗も近接したエリアに存在することから、在庫を保管する倉庫や配送センターの効率化に
加え、共同配送によるコスト効率向上など、物流面のシナジーの可能性は極めて大きいものといえます。

                       4
    他方で、当社と首都圏を中心に事業展開するオーケーとでは出店地域が全く異なることから、本非公開
    化取引では、このような共同配送等を通じた効率化を見込むことはできないと考えております。オーケ
    ーによれば、当社にて検討中の新物流センターにおいて、オーケーグループのノウハウも活用し、当社
    に導入予定の EDLP 施策をコスト面で支える物流基盤となるよう協力をいただけるとのことですが、本
    非公開化取引においては、少なくとも本経営統合における関西圏での物理的に近接した店舗・施設を前
    提としたシナジー効果は発揮できないものと考えております。
     また、出店地域の差異は、物流効率化に加え、商品の共同仕入れの可否にも影響します。特に、生鮮
    商品は、その性質上、鮮度が重要であることから、関東と関西では仕入先も大きく異なります。ともに
    関西圏に出店する当社、イズミヤ及び阪急オアシスにおいては生鮮商品の仕入先の共通化も可能となり
    ますが、当社とオーケーでは事実上困難と考えております。


4. 従業員利益への考え方・配慮の相違
     上記1.に記載のとおり、中長期的な企業価値向上のために従業員を含む人的資本の維持・管理にど
    のように取り組むかについて、当社と H2O リテイリンググループは基本的な方針を共通にする一方で、
    当社とオーケーとの間には根本的な相違があります。
     当社は、健康への配慮、デジタル化等による業務効率化、教育の充実により、
                                       「従業員目線の職場づく
    り」を行い、従業員の定着率をあげるとともに、従業員の接客力を含む能力を向上させていくことを基
    本方針としております。H2O リテイリンググループにおいても、グループ全体として、人材の活性化を
    図り、個人と組織のパフォーマンスを最大化すべく、人材育成への取組みを推進しております。
     他方、オーケーは、自社のウェブサイトにおいて、
                           「10%ルール」と名付けて、営業部門の職種ごとに、
    評価順位で下位 10%の従業員を自動的に配置転換する仕組みを 2003 年から継続している旨を喧伝して
    いるところ、特別委員会の質問に対しては、現在は上記 10%ルールの運用が変更されているとの回答が
    なされたものの、オーケーの正社員の平均勤続年数が当社の正社員の平均勤続年数を大きく下回ってい
    ること(当社は 18.7 年、オーケーは 7.2 年)1等にも鑑みれば、当社と比較して、従業員間の競争による
    生産性の向上を重視する結果、従業員の定着率の向上等の優先度が落ちる可能性もあると当社は考えて
    おります2。
     また、取引実行後の従業員の処遇等に関する各社の意向においても、H2O リテイリングは、当社の従
    業員を少なくとも3年間、現在の雇用条件と実質的に同等以上の条件にて引き続き雇用することを法的
    にコミット(合意)しております。他方、オーケーは、当社の特別委員会に対し、当社の人員合理化や
    当社従業員にとって不利益となるような雇用条件の変更等を行う考えはない旨を述べつつも、回答時点
    において、当社従業員の雇用及び雇用条件の維持について、法的拘束力を有する形で一定の期間の合意
    を行うことは難しい旨を回答しております。
     以上からすれば、当社としては、本経営統合を実施する場合、当社と H2O リテイリンググループは従
    業員利益に関する基本的な考え方を共通にしていることから、引き続き当社の従業員の定着率と能力の

1 オーケーの平均勤続年数は、 54 期
                   第   (自 2020 年3月 21 日至 2021 年3月 20 日)有価証券報告書では 4.8 年とされており、
第 54 期事業報告書では 7.2 年とされております(後者は正社員を対象とするものであるとされております。。なお、当社の         )
平均勤続年数は当社の 2021 年3月期有価証券報告書に記載したものです。
2 オーケーのホームページには、    『10%ルール』が掲載されており、       「営業部門の各職種ごとに、評価順位で、下位 10%の人
を自動的に配置転換する仕組みを 2003 年 3 月から実施しております。          店長では店長の 10%が降格になり、1 年間勉強して出
直すことになります。  (略)業績が良い時に、毎年人員整理を行って、人材の活性化を図り、各自が力を発揮して、業績が悪
くならないよう常に気持ちを引き締めております。         (略) 」等の記載がなされています。なお、特別委員会に対するオーケー
の回答においては、現時点では、     「評価順位で、下位 10%の人を自動的に配置転換する仕組み」は実施してはおらず、店長に
ついての降格制度がある旨の回答がなされております。

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向上を図るとともに、H2O リテイリンググループとの間で従業員の教育・研修や福利厚生等の施策にお
ける連携を推進することも可能であると考えております。他方、この点の考え方に大きな相違のあるオ
ーケーとの間で本非公開化取引を実施する場合、仮に将来的にオーケーの人事施策と合わせる形で当社
の従業員の職務環境が変更されることがあればその定着率及び能力の低下等の悪影響が生じうること
が懸念されるとともに、従業員の教育・研修や福利厚生等の施策における連携も容易ではないと考えて
おります。
 この点、当社は、2021 年9月 14 日の労使協議会において、労働組合から、本経営統合に関し、
                                                「今回
の会社発表について、この間の労働者(従業員)へ向き合う姿勢及び対応、これまで培ってきた健全な
労使関係及び労組相互の信頼関係を踏まえて、今後の雇用や労働条件に対する考えが一致するものと判
断し、支持する」との意見表明を受けております。


5. ブランドの取扱い方針の相違
 当社は、これまで、関西地域に根ざした地域密着型のスーパーマーケットとして、サステナビリティ
経営を進め、地域貢献等も積極的に行うことにより、商号及び屋号である「関西スーパー」のブランド
価値を高めてまいりました。
 本経営統合においては、H2O リテイリングからも「関西スーパー」のブランド価値を評価いただき、
持株会社体制への移行後も、当社事業を承継する新会社は、引き続き「関西スーパーマーケット」の商
号及び「関西スーパー」の屋号の下に営業を継続することとされております。これに加え、H2O リテイ
リンググループは、関西圏においては小売業界全般に強い信用力・訴求力を有する有数のブランドを抱
える上場会社グループであり、本経営統合は、関西地域における「関西スーパー」のブランド価値を更
に高めるものであると確信しております。
 他方、本非公開化取引に関しては、上記2.に記載のとおりオーケーと当社では業態が異なるところ、
オーケーは、当社の取締役会及び特別委員会に対し、ディスカウントストアを前提とするオーケーの店
舗運営方針に従い、商品の見直しや店舗の改装、また当社の屋号へのオーケーの屋号や「高品質 Everyday
                                           ・
Low Price」の追加等を行う旨の意向を示しております。このような施策が実行された場合には、当社が
これまで目指してきた、お客様目線の売場づくり、従業員目線の職場づくり、及び地域社会への貢献を
通じて問題解決を行う「トータルソリューション型スーパーマーケット」の実現が困難となるとともに、
その実現を目指して取り組む中で育んできた「関西スーパー」のブランド価値が毀損する可能性がある
と当社は考えております。


6. コーポレートガバナンスの在り方(透明性・合理性)の相違
 当社はこれまで、上場会社として、コーポレートガバナンスを強化し、効率的で健全な企業経営を行
うため、意思決定プロセスの向上、情報開示及び説明責任の強化、並びに法令遵守を始めとする危機管
理の徹底を図り、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など様々な利害関係者を意識した透明性の高
い経営システムの構築を図るよう努力してまいりました。その中で、2015 年には、コーポレートガバナ
ンス体制を一層充実させることを目的として、監査等委員会設置会社に移行し、内部統制システムの見
直しを行い、その実効性の向上を図ってまいりました。
 本経営統合に関しては、その実行後、当社は上場を維持するとともに、H2O リテイリングという上場
会社の企業グループの一員として透明性・合理性の高いガバナンス体制の維持に努めてまいる所存です。
また、本経営統合後の当社のガバナンス体制については、本経営統合契約においても、現行の監査等委
員会設置会社の体制を維持することが定められ、取締役総数の3分の1を独立社外取締役とすることも

                         6
 定められております。
  これに対し、オーケーは、当社を本非公開化取引により完全子会社化することを想定しているところ、
 同社はその資本構成上も創業家又はその資産管理会社が強い影響力を有する非上場企業であると当社
 は認識しており3、金融商品取引所規則による開示その他の規律が働く上場会社に比べると、コーポレー
 トガバナンスに関して適用される制度やルールも異なり、ガバナンスの透明性・合理性に係る制度的担
 保が乏しいと当社は考えております。当社としては、H2O リテイリンググループという上場会社グルー
 プとの提携であり、かつ当社の上場維持を前提とする本経営統合と対比するとき、本非公開化取引が行
 われた場合には、当社がこれまで上場会社として構築してきたガバナンスの透明性・合理性に対する重
 大な懸念が生じることを危惧しております。
  当社におけるガバナンスの透明性・合理性の有無は、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など様々
 な利害関係者からの信頼に直結し、当社の中長期的な企業価値に対し、シナジー効果を上回る悪影響を
 生じかねない問題であると考えております。


二 これまでの提携実績の有無


  当社と H2O リテイリングは、2016 年 10 月 27 日に資本業務提携契約を締結して以降、様々な形で協
 業(業務提携)を進めてきました。かかる協業は、①当社の店舗における H2O リテイリンググループの
 商品の取扱い(例として、株式会社阪急ベーカリーの焼成パン、株式会社阪急フードプロセスの精肉ア
 ウトパック等、株式会社阪急フーズの「阪急の味」シリーズなど)
                              、②商品の共同仕入れや共同開発(生
 鮮商品の共同仕入れやイズミヤ及び阪急オアシスとの菓子類の共同開発) ③ポイントの共通化
                                 、          (H2O リ
 テイリンググループ及び阪急阪神ホールディングスグループの運営する「S ポイント」の当社における
 導入)など、多岐にわたっております。
  このように、当社と H2O リテイリングの間では、2016 年 10 月以降の約 5 年間にわたって積み上げて
 きた提携の実績があり、生鮮商品の共同仕入れや商品の共同開発なども進めた結果、容易に解消困難な
 関係が構築されております。
  今般の本経営統合は、かかる提携の実績を前提に、これをさらに進化・発展させるものであります。
 当社が持株会社体制に移行し、当社事業を承継する新会社(新関西スーパーマーケット) イズミヤ及び
                                        、
 阪急オアシスの3社を完全子会社とすることで、3社における経営資源の最適化、意思決定の迅速化、
 人材交流の強化等が促進され、もって3社の協業によるシナジー効果の最大化が期待されます。また、
 当社としては、本経営統合により当社が H2O リテイリングの子会社となる結果、当社は、H2O リテイ
 リンググループの一員として、下記三に述べるとおり、百貨店をはじめとする食品スーパーマーケット
 以外の小売分野との提携も更に促進されるものと考えております。
  これに対し、本非公開化取引では、オーケーと一から提携関係を構築する必要があるとともに、H2O
 リテイリングとの間の提携の解消を余儀なくされ、それに伴い上記の H2O リテイリングとの間で行わ
 れている協業の施策の中止が必要となるなど、様々な事業上の悪影響や損失等が生じることが想定され
 ます。




3 オーケーの創業家又はその資産管理会社がオーケーに有する議決権割合は、開示資料からは必ずしも明らかではありませ

んが、オーケーの第 54 期有価証券報告書によれば、オーケークリエイティブ株式会社及び飯田勧氏がオーケーの総議決権の
少なくとも 46%を保有しているものと理解しております。

                            7
三 中長期におけるシナジーの拡がりの可能性


     H2O リテイリンググループは、関西エリアを中心に、百貨店、食品スーパー、ショッピングセンター、
    専門店やコンビニエンスストアなど多角的に小売業を展開しております。また、H2O リテイリンググル
    ープにおいては、食品事業を百貨店事業に次ぐ第2の柱として、グループ全体での関西ドミナント化戦
    略を推進しているところ、本経営統合により、当社も関西ドミナント化戦略の一翼を担うこととなり、
    大阪府大阪市、兵庫県神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市といった関西の主要都市での店舗数で
    トップクラスのグループを形成することになります。
     本経営統合においては、現状、H2O リテイリンググループの百貨店商材の導入や各種オリジナル商品
    の製造ノウハウの共有といった施策も想定されているところ、これは関西圏において阪急百貨店、阪神
    百貨店を中心に、ショッピングセンターの運営やコンビニエンスストア、食品専門店、食品宅配事業な
    どの百貨店を含む小売業を多角的に展開する H2O リテイリンググループとの提携であるからこそ実現
    できるものです。また、H2O リテイリンググループは、関西ドミナント化戦略において、店舗とオンラ
    インサービスを融合した顧客拡大政策を計画しているところ、当社が H2O リテイリンググループの一
    員となることで、数百万人の顧客基盤を有する H2O リテイリンググループの顧客とオンラインサービ
    スを介して繋がることができ、中長期的にはこれらの施策によるシナジーの拡大も見込んでおります。
     H2O リテイリンググループは、阪急阪神ホールディングス株式会社及び東宝株式会社とともに、関西
    圏を中心に都市交通、不動産、商業施設、ホテル、エンタテインメント事業等、幅広く地域に根ざした
    事業を展開する企業グループである阪急阪神東宝グループの中核を担っているところ、当社と H2O リ
    テイリングとの資本業務提携以来導入されている「S ポイント」は、H2O リテイリンググループだけで
    なく、阪急阪神ホールディングスグループの各事業とも共通化されたポイント制度であり、関西圏にお
    けるお客様の生活を広範囲にカバーするものです。そして、本経営統合は、百貨店を含む小売業を多角
    的に展開する H2O リテイリンググループの一員となるのみならず、それを通じて、関西圏における強い
    ブランド力、多彩な顧客接点と顧客基盤を有する阪急阪神東宝グループの一員ともなるものであること
    から、食品スーパーマーケットという事業の枠組みを超えた取組みによる顧客共通化を実現することも
    可能であり、今後の本経営統合の推進にあたっては、中長期的に更なるシナジーを実現できる可能性が
    あると考えております。なお、当社が、本経営統合に伴うシナジー効果の追求のために H2O リテイリン
    ググループとの間で推進していくことを検討している施策については、FAQ をご参照ください。
     他方、当社においては、本非公開化取引に関しては、有価証券報告書その他の公表情報からもオーケ
    ーは H2O リテイリンググループのように多角的な小売業を営むものではないと理解しており、オーケ
    ーとの提携では、スーパーマーケット事業の枠組みを超えたシナジーを実現することは難しいものと評
    価しております4。
     なお、当社と H2O リテイリングは、本経営統合が実現した暁には、当社の株主の皆様に対し、H2O リ
    テイリンググループとの提携のメリットを享受して頂くべく、グループで利用可能な株主優待制度を実
    施させていただく方針を有しており、現在、その詳細について協議を行っております。こちらについて
    は、別途改めてお知らせさせて頂きます。



4スーパーマーケットの枠組みの範囲内では、量販型ディスカウントストアとしてのオーケーの経営手法やノウハウを当社
の店舗運営に取り入れることで、一定の売上拡大や利益率改善に繋がる可能性はあるものの、その実現可能性については、
上記一及び二に記載したとおりです。また、オーケーとのシナジーについては、別添の FAQ7 及び 8 についてもご参照くだ
さい。

                             8
四 当社株式の継続保有によるシナジー享受の可否


 本経営統合は、基本的に以下の二つの取引により実施されます。
 ① 株式交換
   当社を株式交換完全親会社、イズミヤ及び阪急オアシスを株式交換完全子会社とする株式交換(以
   下「本株式交換」といいます。
                )
 ② 会社分割
   当社を吸収分割会社、当社 100%出資の子会社(以下「分割準備会社」といいます。
                                          )を吸収分割
   承継会社とし、当社の営む一切の事業を承継させる吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。
                                             )


   【現状】




   【本株式交換後】




                          9
    【本吸収分割後】




  本株式交換及び本吸収分割の実施後も、当社の少数株主の皆様は引き続き当社の普通株式(以下「当
 社株式」といいます。
          )を保有いただくことができます。当社の少数株主の皆様は、本吸収分割の効力発
 生日後は、当社事業を承継した会社(新関西スーパーマーケット) イズミヤ及び阪急オアシスの3社を
                              、
 傘下に収める持株会社となる当社の株主となります。その結果、当社の株主の皆様は、売上高 4,000 億
 円規模の食品スーパーグループの株主となるとともに、今後創出されるシナジーや当社の株価の上昇益
 を享受することができます。
  これに対し、本非公開化取引は、当社の非公開化(オーケーによる完全子会社化)を前提としており、
 その場合、オーケー以外の当社株主の皆様は、金銭対価の支払いと引換えに排除されることとなります。
 このように、本非公開化取引では、本公開買付けが成立した場合には、当社の少数株主の皆様は、その
 ご意向にかかわらず(本公開買付けに反対し、これに応募しなかった場合も) 当社株式を継続的に保有
                                   、
 いただくことが不可能になります。そのため、本非公開化取引が実施されたとしても、当社の少数株主
 の皆様は、
     (本公開買付けの公開買付価格を受領する以外には、
                            )将来的に実際に創出されるシナジーを
 享受することができず、また、当社の株価の上昇益を享受することもできません。


五 当社株主の皆様が得ることとなる経済的価値の比較


  当社の特別委員会は、当社の株主の皆様の利益の最大化という観点から、独立した財務アドバイザー
 兼第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティン
 グ」といいます。
        )を独自に選定し、当社の独立した財務アドバイザー兼第三者算定機関である株式会社
 アイ・アール ジャパン(以下「アイ・アール ジャパン」といいます。
                                 )とプルータス・コンサルティン
 グの助言を得ながら、H2O リテイリングとの間で、本株式交換の条件について繰り返し真摯な交渉を行
 い、その結果、本株式交換に係る交換比率(以下「本株式交換比率」といいます。
                                     )は妥当であると判断
 するに至りました。その過程においては、本株式交換比率自体を当社の少数株主の皆様に有利に変更す
 るよう交渉がなされたほか、本株式交換の効力発生日に先立ち H2O リテイリングがイズミヤ及び阪急
 オアシスに対して合計約 164 億円の増資を行うといった条件を引き出しており、かかる交渉は、独立当
 事者間の取引条件と同視できる公正なものと考えております。当社といたしましては、このような交渉
 を経て合意された本株式交換比率は、当社の少数株主の皆様にとって公正な条件であると評価しており

                        10
ます。
 また、当社は、2021 年8月 30 日、アイ・アール ジャパンから、株式交換比率算定書(以下「本算定
書(アイ・アール ジャパン)
             」といいます。
                   )を取得するとともに、当社の特別委員会は、プルータス・
コンサルティングから、株式価値及び株式交換比率算定書(以下「本算定書(プルータス) といいます。
                                        」      )
及び本株式交換比率は少数株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の意見書(いわゆるフェ
アネス・オピニオン)を取得しております。当社及び当社の特別委員会は、本株式交換の交換比率等の
本経営統合の経済条件の妥当性及び公正性を判断するに際しては、これらの第三者算定機関2社による
算定及び分析の結果等を踏まえ、本非公開化取引の経済条件との比較検討も行いました。
 この点、本経営統合においては、本株式交換によって当社がイズミヤ及び阪急オアシスを取得し、H2O
リテイリングに対して株式が発行されるにとどまり、当社の少数株主の皆様に対して直接対価が交付さ
れることはありません。他方で、本非公開化取引においては、現金を対価とする本公開買付け等が行わ
れ、当社の少数株主の皆様に対して直接対価が交付されることとなります。このように、両取引は構造
的に異なるため、その経済条件を単純に比較することはできません。
 そこで、当社の特別委員会は、本株式交換の実施後の当社の株式価値がどのように理論的に評価され
るかを検討し、これを、オーケーが提案する本公開買付けの公開買付価格(当社1株当たり 2,250 円。
以下「本公開買付価格」といいます。
                )と比較することが重要であると判断しました。
 本株式交換の実施後の当社の理論的な株式価値(1株当たりの価値)は、大要以下の方法で算出する
ことができます。
  ① 当社、イズミヤ及び阪急オアシスの3社の事業計画を合算した統合事業計画(後述)を前提に、
      DCF 法により、本株式交換の実施後の当社の株式価値総額を計算する。
  ② ①の株式価値総額を、本株式交換後の株式数で除する。


 そして、上記手順に基づき算出された本株式交換の実施後の当社株式1株当たりの理論価値は、以下
のとおりです。


        参照する算定書                   1株当たりの価値
 本算定書(アイ・アール ジャパン)                2,400 円~3,018 円
 本算定書(プルータス)                      1,787 円~3,128 円


 本公開買付価格である 2,250 円は、本算定書(アイ・アール ジャパン)に依拠する場合においては評
価レンジの下限に満たず、また、本算定書(プルータス)に依拠する場合においても、評価レンジ内で
はあるものの、下限に近い水準にあります。
 このように、本経営統合により当社の株主の皆様が享受しうる利益(本経営統合後の当社の株式価値)
は、本非公開化取引により株主の皆様が享受しうる利益(本公開買付価格)と比較し、これを上回りう
るものであると考えております。
 したがって、両取引の経済条件の対比からも、当社は、本経営統合こそが、当社の株主の皆様の共同
の利益の最大化に資すると考えております。


 上記①の DCF 法による算定の前提とした統合事業計画は、H2O リテイリングから受領したイズミヤ
及び阪急オアシスの事業計画と当社の事業計画を合算して当社が独自に作成したものであり、その内容
は以下のとおりです。なお、統合事業計画に本経営統合のシナジー効果は含まれておりません。


                        11
                                                          (単位 億円)
                                                              :
               22年3月期      23年3月期     24年3月期    25年3月期     26年3月期
               (9ヶ月)
       売上高         3,001     3,927      3,937     3,988      4,028
      営業利益            53        80         94       118        135
      EBITDA          91       132        147       173        193
  (注)2021年6月末時点の総資産については1,415億円となります。


 なお、上記①の DCF 法による算定に関し、本算定書(アイ・アール ジャパン)においては、割引率
(加重平均資本コスト)については、資本資産価格モデル(Capital Asset Pricing Model:CAPM)により
見積もった資本コストと、節税効果控除後の予想調達金利により見積もった負債コストを、当社及び類
                                        4.3%~5.3%
似上場会社の情報により見積もられた株主資本構成比率で加重平均することにより計算し、
を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率を 0%としておりま
す。他方、本算定書(プルータス)においては、割引率(加重平均資本コスト)については、資本資産
価格モデル(Capital Asset Pricing Model:CAPM)により見積もった資本コストと、節税効果控除後の予
想調達金利により見積もった負債コストを、当社及び類似上場会社の情報により見積もられた株主資本
構成比率で加重平均することにより計算し、4.2%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成
長率法及び倍率法を採用し、永久成長率を 0%、倍率法では EBIT 倍率は 10.64 倍、EBITA 倍率は 10.55
倍、EBITDA 倍率は 5.86 倍としております。


六 取引の実現可能性


 本経営統合及び本非公開化取引は、いずれも、予定されている取引が実現した場合には、当社の少数
株主の皆様において一定の経済的利益を得ることができるものです。
 もっとも、オーケーにおいては、当社による H2O リテイリンググループとの取引の撤回、当社の取締
役会がオーケー提案に真に賛同すること、当社の企業価値が大きく毀損していないことといった前提条
件を付した上で、本公開買付けを行う意向を示しております。しかし、当社取締役会は、特別委員会の
指示を受けつつ、熟慮を重ねた上で H2O リテイリンググループとの本経営統合を決定したものであり、
これを撤回する意向はなく、また、現時点でオーケー提案に賛同する予定もございません。したがって、
そもそも上記の前提条件が満たされ、本公開買付けが実施される可能性は低いものと当社は考えており
ます。
 また、本非公開化取引は、当社の総議決権の3分の2に相当する株式の応募又は賛同を得て当社を非
公開化することが前提となっておりますが、当社株式 3,200,000 株(所有割合にして 10.66%)を保有す
る筆頭株主である H2O リテイリングは、本経営統合について当社と合意に至った経緯から考えても、本
公開買付けには賛同していないことが想定されるなど、仮に本公開買付けが実施されたとしても、オー
ケーにおいて、本公開買付けの前提条件である当社の議決権の3分の2に相当する株式の応募又は賛同
を得ることができる保証はございません。
 このように、本非公開化取引は、そもそも本公開買付けが実施されるとは限らず、また本公開買付け
が実施されたとしても、それが成立しない可能性もあるなど不確定要素が多く、必ずしも取引が実現す
る保証はないと当社は判断しております。
 他方、本経営統合は、既に本経営統合契約を締結済みであり、あとは、当社の臨時株主総会において


                                 12
 所定の議案へのご賛成があれば、確実に実行されるものであります。当社といたしましては、本経営統
 合は当社の中長期的な企業価値向上を導くものであり(上記一~三) 当社株主の皆様の利益にも資する
                               、
 ものであることから(上記四・五) 臨時株主総会において当社の株主の皆様から多数のご賛成をいただ
                、
 けるものと確信しております。


七 さいごに
  当社は、上記に述べたとおり、当社の中長期的かつ持続的な企業価値・株主の皆様の利益の向上とい
 う観点から、本非公開化取引よりも本経営統合の方が望ましいと考えており、本経営統合こそが当社及
 び当社の株主の皆様にとって最善の選択であると確信しております。


                                                   以 上




(ご注意)
本プレスリリースは、本経営統合及びこれに関する事項について情報提供を行うことを目的としており、
本経営統合に関して 2021 年 10 月 29 日に開催予定の臨時株主総会に付議されることとなる議案の全部又
は一部について、当社又は第三者に議決権の行使を代理させることを勧誘するものではありません。




                          13
                          H2O リテイリンググループとの経営統合に関する FAQ
                                    2021 年 9 月 24 日

                                     質問                                       頁

I. H2O リテイリンググループとの経営統合に関して
1.   本経営統合を実施する目的を教えてください。                                                    3
2.    本経営統合のスキームを教えてください。                                                     3
3.    なぜこのタイミングでの実施を決定したのか、教えてください。現状の資本業務提携関係では十分ではなく、H2O リテイリンググループの        4
      一員となる必要があるのでしょうか。
II. オーケーからの買収提案について
4.   オーケーから提出されている買収提案はどのようなものでしょうか。                                          5
5.    オーケーからの本非公開化取引に関する提案についてどのような検討を行ったのでしょうか。                              5
6.    オーケーは当社経営陣との実質的な協議の場が設けられておらず、H2O リテイリングからの提案と公正に比較されていないと主張しており        6
      ますが、当社経営陣は、オーケーとはどのような協議をしたのでしょうか。
III. 本経営統合と本非公開化取引の比較について
7.    H2O リテイリンググループとの間の本経営統合とオーケーとの間の本非公開化取引のそれぞれについて、シナジー創出のための施策にはど        7
      のようなものがあるか、教えてください。
8.    本経営統合と本非公開化取引は、シナジーの実現可能性において、どのような相違があるのでしょうか。                         8
9.    本経営統合の場合、本非公開化取引と異なり、当社の少数株主の皆様は、将来のシナジー効果による利益も享受することができるといわれて         8
      おりますが、その意味を教えてください。
IV. 本株式交換比率に関して
10. アイ・アールジャパンは、どのような手法で株式交換比率を算定したのでしょうか。                                    9
11.   プルータス・コンサルティングは、どのような手法で株式交換比率を算定したのでしょうか。                              10
12.   株式交換比率の算定結果から見て、合意された株式交換比率は株主にとって魅力的なのでしょうか。                           11
13.   H2O リテイリンググループの提案は、1株当たり 2,250 円で公開買付けを行うオーケーの提案よりも、株主にとって魅力的なのでしょうか。   12




                                          1
                                  質問                                    頁

V. 特別委員会からの答申に関して
14. 特別委員会とは何でしょうか。どのようなメンバーで構成されているのでしょうか。                              13
15.   特別委員会の答申の結果を教えてください。                                              13
16.   特別委員会の答申の理由を教えてください。                                              13
17.   特別委員会においてどのような検討プロセスが経られたのか、教えてください。                              14
VI. その他
18. 本経営統合後の取締役会の構成を教えてください。                                             15
19.   今後関西スーパーの株主優待はどうなるのでしょうか。                                         15
20.   本経営統合による少数株主への親子上場による潜在的な利益相反、市場区分の変更などに関し、どのような検討をされたか教えてください。   15
21.   本株式交換に伴い大規模な株式の希釈化が生じるため、少数株主にとって不利益となるとの指摘がありますが、この点についてどのように検   15
      討したか教えてください。
22.   関西スーパーの従業員は本経営統合に対してどう考えているのでしょうか。                                16




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I.   H2Oリテイリンググループとの経営統合に関して

1.    本経営統合を実施する目的を教えてください。    2016年10月より資本業務提携関係にあるH2Oリテイリンググループとの間で、さらなるシナジーの創
                               出、当社の中長期的な企業価値、株主価値の最大化を目的に本経営統合の実施を決断いたしました。
                               当社は本経営統合の実行により、H2Oリテイリンググループの強みである関西エリアにおける圧倒的
                               なブランド力及びスケールメリットの活用が可能となり、関西エリア内における当社のマーケットシ
                               ェアを高め、ブランディングと競争優位性、店舗数などの点において、関西エリアNo.1の地位を目指す
                               ことが可能になると考えております。


2.    本経営統合のスキームを教えてください。      当社を親会社、イズミヤ及び阪急オアシスを子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。 )
                               を実施し、イズミヤ及び阪急オアシスの親会社であるH2Oリテイリングに当社株式を交付し、当社は
                               H2Oリテイリングの子会社となります。
                               また、当社の子会社(新関西スーパー)との間で行う会社分割(以下「本会社分割」といいます。  )に
                               より、当社の営む一切の事業を新関西スーパーに承継させます。
                               これにより、当社は、新関西スーパー、イズミヤ及び阪急オアシスの3社を傘下に収める持株会社とな
                               る予定です。その結果、当社の株主の皆様は、売上高4,000億円規模の食品スーパーグループの株主と
                               なっていただくとともに、今後実際に創出されるシナジーや当社の株価の上昇益をご享受いただける
                               こととなります。



                                    【現状】       ⇒    【本株式交換後】   ⇒    【本会社分割後】




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3.   なぜこのタイミングでの実施を決定したのか、    関西スーパーとH2Oリテイリングは2016年に資本業務提携を開始してから、 ポイントシステム、商品の
     教えてください。現状の資本業務提携関係では    共同仕入れ、店舗運営等の分野において協業の取組みを進めてきました。
     十分ではなく、H2Oリテイリンググループの一   そのような中、当社は、2021年6月上旬、オーケーから、当社に対して公開買付けを行い、当社を子会
     員となる必要があるのでしょうか。         社化することを前提とした資本業務提携の提案を受領いたしました。
                              他方で、当社は、2016年10月よりH2Oリテイリングとの間で資本業務提携を実施し、当社店舗における
                              H2Oリテイリンググループ商品の取扱い、   共同仕入れ、共通ポイントサービスの導入等によるシナジー
                              効果を追求してまいりましたが、   提携関係を更に進化させるべくH2Oリテイリングとの間でも、本経営
                              統合について検討することとなりました。
                              当社取締役会においては、本件が当社の企業価値及び当社株主の皆様の利益に大きく影響する事項で
                              あるという認識に立ち、2021年7月上旬、独立社外取締役4名及びM&Aに深い知見を有する独立した
                              弁護士1名からなる特別委員会を設置いたしました。    特別委員会においては、独立した各種アドバイザ
                              ーの助言を得つつ、公平・中立の立場から、H2Oリテイリングとの本経営統合とオーケーの提案につい
                              て詳細に比較検討をしていただきました。
                              その結果、当社取締役会は、特別委員会より、本経営統合を実施すべきという勧告を受領したことを踏
                              まえ、当社の企業価値・株主の皆様の利益という観点から、本非公開化取引よりも、本経営統合の方が
                              望ましいと判断するに至ったことから、本経営統合契約の締結を決定いたしました。




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II. オーケーからの買収提案について

4.   オーケーから提出されている買収提案はどのよ   オーケーのホームページに掲載されております2021年9月3日付「株式会社関西スーパーマーケット
     うなものでしょうか。              によるエイチ・ツー・オー リテイリンググループとの経営統合等に関するプレスリリースについて」
                             と題する資料によれば、オーケーの提案は、当社株式に対し、1株当たり2,250円の価格で公開買付け
                             を行い、その後、当社の少数株主の皆様をスクイーズアウトして当社株式を非公開化し、当社の上場を
                             廃止するものとのことです(以下「本非公開化取引」といいます。。 )
                             但し、この公開買付けには前提条件が設定されており、 当社がH2Oリテイリンググループとの取引を撤
                             回すること、当社の取締役会がオーケーの提案に真に賛同すること、  当社の企業価値が大きく毀損され
                             ていないことが前提条件とされております。
                             なお、当社としては、H2Oリテイリンググループとの本経営統合を推進する予定であって、これを撤回
                             する意向はなく、また、現時点でオーケーの提案に賛同する予定もございません。


5.   オーケーからの本非公開化取引に関する提案に   オーケーの本非公開化取引に関する提案については、独立した特別委員会を中心として、公平・中立な
     ついてどのような検討を行ったのでしょうか。   観点から慎重に検討を行っております。
                             特別委員会は、2021年7月3日から2021年8月30日までの間、合計13回にわたり開催され、各開催日間
                             においても電子メール等でもやり取りや意見交換などを行うなどして、真摯かつ慎重に、協議・検討を
                             行いました。
                             その過程で、特別委員会は、オーケーに対して質問事項を送付し、回答を受領した上で、検討を行いま
                             した。また、特別委員会は、オーケーに対し、特別委員会への実際の出席を求め、各取引の意義・目的、
                             取引手法・条件、想定されるシナジー、取引実行後の経営方針その他の事項について聴取するととも
                             に、これらの事項について質疑応答を行いました。さらに、特別委員会は、当社の経営陣(福谷耕治代
                             表取締役社長、中西淳常務取締役等)に対しても、本非公開化取引について質問事項を送付し、その回
                             答を得て検討を行うとともに、特別委員会への出席を求め、本非公開化取引の意義に加え、想定される
                             シナジー・ディスシナジーやH2Oリテイリングとの比較についても質疑応答等を行っております。
                             さらに、特別委員会は、本非公開化取引に関しては、特別委員会の委員長を含めた複数名の委員におい
                             て神奈川県にあるオーケーの店舗を実際に訪問し、オーケーの社長その他の経営陣から店舗の案内を
                             受け、その内容について特別委員会で共有し、審議・検討の材料といたしました。
                             その後も、特別委員会は、オーケーに対して再度質問事項を送付し、回答を受領した上で検討を進め、
                             本非公開化取引について、公正かつ中立な手続のもと慎重に審議・検討を行っております。




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6.   オーケーは当社経営陣との実質的な協議の場が    オーケーから2021年6月に提案を受けた後、特別委員会とは別に、当社経営陣としても、オーケーの提
     設けられておらず、H2Oリテイリングからの提   案について理解し、これを評価するために必要な情報収集及び協議を行っております。
     案と公正に比較されていないと主張しておりま    まず、当社経営陣は、従前も株主であるオーケーとの間で定期的に意見交換を行っておりましたが、今
     すが、当社経営陣は、オーケーとはどのような    般の提案に関しては、何の予告も事前協議もなく、2021年6月8日付提案書が届いたため、当社取締役
     協議をしたのでしょうか。             会長は、同月11日にオーケーに架電の上、同月17日にはオーケーを訪問し、真摯に協議を行いました。
                              かかる協議の場において、当社取締役会長は、公開買付け後当面の間、当社株式の上場を維持し、将来
                              的に当社の非公開化を行う段階で、透明性のあるガバナンスを確保するため、共同持株会社を設置し、
                              当該共同持株会社を上場させる選択肢などの検討を依頼いたしました。しかし、オーケーからは、同月
                              18日、電話にてかかるストラクチャーの変更について応諾できない旨の連絡がありました。
                              その後、 当社取締役会は、   オーケーからの2021年6月8日付提案書に当社による特別委員会の設置を示
                              唆する記述があったこともあり、2021年8月31日公表の本経営統合プレスリリースに記載いたしまし
                              た経緯で、2021年7月3日、特別委員会を設置いたしました。
                              当社経営陣は、特別委員会の設置後は、特別委員会の独立性の観点から、オーケーとの間の協議・交渉
                              は極力特別委員会に委ねておりました。しかし、当社経営陣は、オーケーと特別委員会との間の質疑応
                              答を経て、事業上重要な点で、オーケーの想定する経営方針と、当社が目指す経営方針との間に相違が
                              ありうることを理解しました。そのため、当社経営陣は、特別委員会の検討中であったため「非公式」
                              としつつも、特別委員会の了承を得て、2021年8月23日、当社の取締役会長を含む取締役2名がオーケ
                              ーを訪問し、実質的な協議の機会を持ちました。その際、当社取締役は、オーケーに対し、当社と協議
                              することなく一方的に行った提案のストラクチャーや内容に固執するのではなく、一旦これを撤回し、
                              どのような資本業務提携のあり方がよいか、      一から真摯に協議を行うことなどを打診いたしました。も
                              っとも、オーケーにおかれては、この提案についても応諾頂けませんでした。
                              さらに、 2021年8月26日には、当社の代表取締役社長及び取締役会長を含む取締役5名及びオーケーの
                              代表取締役社長を含む取締役3名が参加する形でウェブ会議を行い、      オーケーとの間で、基本的な経営
                              方針を含む本非公開化取引後の当社の事業運営(業態、物流センターの運営、健康経営、従業員採用、
                              新しい業務運営の方法などを含みます。    )等についても改めて協議を行いました。
                              以上のとおり、当社としては、特別委員会のみならず、当社経営陣としても、オーケーの提案を真摯に
                              検討するとともに、オーケーとの間で、十分かつ実質的な協議を行ってまいりました。




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             質問                                           回答

III. 本経営統合と本非公開化取引の比較について

7.   H2Oリテイリンググループとの間の本経営統合   本経営統合において当社とH2Oリテイリンググループが取り組むシナジー創出のための施策、及び、本
     とオーケーとの間の本非公開化取引のそれぞれ    非公開化取引においてオーケーが想定するシナジー創出のための施策としては、主として下表に記載
     について、シナジー創出のための施策にはどの    のものが挙げられます。
     ようなものがあるか、教えてください。       下表のとおり、シナジー創出のための施策の項目としては、商品の共同仕入れ、物流の効率化、商品の
                              共同開発など一定の重複がみられます。他方で、百貨店商材の導入や販促手段の共通化、従業員施策に
                              おける連携など、本経営統合には含まれるものの、本非公開化取引には含まれない項目もあります。

                                        本経営統合                         本非公開化取引
                              ・ 関西スーパー、イズミヤ、阪急オアシスの3ブラ ・ オーケーグループの経営方針「高品質・
                                ンドの特性を活かした地域密着型の新規出店     Everyday Low Price」
                                                                           (EDLP 施策)の当社へ
                              ・ 阪急・阪神百貨店が取り扱う百貨店商材の導入    の導入
                              ・ ナショナルブランド、輸入商材等の仕入先統合  ・ 品質・価格・品揃え等での商品の見直し
                              ・ 店舗の建築資材、什器、消耗品等の共同購入   ・ 店舗改装の実施
                              ・ 製造外注委託食品の一括委託          ・ 両社の共同仕入れによる仕入原価の低減
                              ・ 共同配送、取扱量拡大等による物流の効率化   ・ 両社でのプライベートブランド           (PB)商品・
                              ・ 会員カード及び会員向けサービスの共有       留型商品の販売・商品共同開発
                              ・ チラシ、レシピ販促、販促ツールの共同制作   ・ 物流効率化
                              ・ セントラルキッチン、プロセスセンターの効率化 ・ 店舗運営のノウハウ共有
                              ・ システム統合による IT 関連コスト削減   ・ 店舗開発のノウハウ共有
                              ・ 決済端末の共通化
                              ・ 人材交流・共同研修、福利厚生制度の連携
                              ・ リアル店舗の差別化を図るためのDX戦略




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            質問                                        回答

8.   本経営統合と本非公開化取引は、シナジーの実   シナジーの実現可能性の分析を行うに際しては、企業理念、業態、出店地域その他の基本的な経営方針
     現可能性において、どのような相違があるので   等の異同が非常に重要であると考えております。これらの基本的な経営方針等においてH2Oリテイリ
     しょうか。                   ンググループとオーケーを対比する場合、    当社とH2Oリテイリンググループとは、   従業員や地域社会へ
                             の貢献を重視する経営を行うといった経営方針や業態、     出店地域等で共通する部分が多く、    両者の親和
                             性が高いものと考えております。一方で、オーケーは「高品質・Everyday Low Price」を経営方針に掲
                             げているところ、 当社としては、  オーケーの経営方針の要諦は徹底したコスト削減による低価格販売に
                             あるものと理解しており、  当社とは企業理念や業態・出店地域そのものに相違する側面があるものと考
                             えております。上記7.のとおり、シナジー創出のための施策としては、商品の共同仕入れ、物流の効率
                             化、 商品の共同開発など一定の重複もございますが、    これらの施策によるシナジーの実現可能性や効果
                             は、 出店地域や顧客層(商品構成)  に重なりがあるか否かで大きく異なると考えております。     その結果、
                             H2Oリテイリンググループとの本経営統合においては上記各施策の実施によるシナジーが容易に実現
                             可能であると見込まれる一方で、本非公開化取引においては上記各施策によるシナジーの実現が容易
                             ではないと考えております。
                             詳細については、2021年9月24日付当社プレスリリース「エイチ・ツー・オー リテイリング グループ
                             とオーケー株式会社の各提案に対する当社の見解について」の一.についてもご参照ください。


9.   本経営統合の場合、本非公開化取引と異なり、   本経営統合においては、当社の少数株主の皆様は、当社の株式を継続して保有いただくことができます
     当社の少数株主の皆様は、将来のシナジー効果   ので、本経営統合後は、当社事業を承継する新会社(新関西スーパー) 、イズミヤ及び阪急オアシスの
     による利益も享受することができるといわれて   3社を傘下に収める持株会社の株主となります。その結果、売上高4,000億円規模の食品スーパーグル
     おりますが、その意味を教えてください。     ープの株主となることができるとともに、今後実際に創出されるシナジーや当社の株価の上昇益を享
                             受することができます。
                             一方で、本非公開化取引では、オーケー以外の当社株主の皆様は、本公開買付けが成立した場合には、
                             当社の少数株主の皆様は、そのご意向にかかわらず、(本公開買付けに反対し、これに応募しなかった
                             場合も)金銭対価の支払いと引換えに当社株式を喪失することとなります。そのため、本非公開化取引
                             が実施されたとしても、当社の少数株主の皆様は、本公開買付けの買付価格を受領する以外には、将来
                             的に実際に創出されるシナジーや、当社の株価の上昇益を享受することはできません。
                             以上より、当社は、シナジーの実現による利益を当社の少数株主の皆様が将来にわたり享受することが
                             できる点で、本経営統合の方が、当社の少数株主の皆様の利益に資するものであると考えております。




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             質問                                      回答

IV. 本株式交換比率に関して

10.   アイ・アールジャパンは、どのような手法で株   <採用した株式価値算定手法>
      式交換比率を算定したのでしょうか。       アイ・アール ジャパンは、当社については、当社が上場会社であり、市場株価が存在することから市
                              場株価法を、また、比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能
                              なことから類似会社比較法を、さらに、将来の事業活動の状況を評価に反映するためディスカウンテッ
                              ド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を、それぞれ採用し算定を行いました。
                              イズミヤ及び阪急オアシスについては、非上場会社であり市場株価が存在しないため市場株価法は採
                              用していないものの、類似の事業を行う上場会社が複数存在することから類似会社比較法を、また、将
                              来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を、それぞれ採用して算定を行いました。

                              <株式価値算定結果に基づく株式交換比率算定>
                              交換比率の算定においては、マーケットアプローチとインカムアプローチによりそれぞれ比率を算出
                              しており、イズミヤ及び阪急オアシスについては、非上場会社であり市場株価が存在していないため、
                              当社の市場株価法による算定結果との関係では類似会社比較法による算定結果を採用しております。
                              株式交換比率の算定は、各社株式価値算定結果の下限と上限をたすき掛けすることで算出しており、株
                              式交換に際し、イズミヤ株式及び阪急オアシス株式1株に対して割当てられる当社株式のレンジは以
                              下のとおりです。

                                            採用方法
                                                              株式交換比率の算定結果
                                     当社              イズミヤ
                                    DCF法             DCF法       12,094~18,413
                                  類似会社比較法          類似会社比較法      11,531~17,710
                                   市場株価法           類似会社比較法       8,876~15,344


                                            採用方法
                                                              株式交換比率の算定結果
                                     当社             阪急オアシス
                                    DCF法             DCF法        5,780~9,619
                                  類似会社比較法          類似会社比較法       2,544~8,795
                                   市場株価法           類似会社比較法       1,958~7,620




                                       9
             質問                                      回答

11.   プルータス・コンサルティングは、どのような   <採用した株式価値算定手法>
      手法で株式交換比率を算定したのでしょうか。   プルータス・コンサルティングは、当社については、当社が金融商品取引所に上場しており、市場株価
                              が存在することから市場株価法を、また、比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による
                              株式価値の類推が可能なことから類似会社比較法を、 さらに、将来の事業活動の状況を評価に反映する
                              ためDCF法を、それぞれ採用して算定を行いました。
                              イズミヤ及び阪急オアシスについては、非上場会社であり市場株価が存在しないため市場株価法は採
                              用していないものの、 類似の事業を行う上場会社が複数存在することから類似会社比較法を、将来の事
                              業活動の状況を評価に反映するためDCF法を、それぞれ採用して算定を行いました。

                              <株式価値算定結果に基づく株式交換比率算定>
                              交換比率の算定においては、マーケットアプローチとインカムアプローチによりそれぞれ比率を算出
                              しており、イズミヤ及び阪急オアシスについては、非上場会社であり市場株価が存在していないため、
                              当社の市場株価法による算定結果との関係では類似会社比較法による算定結果を採用しております。
                              株式交換比率の算定は、各社株式価値算定結果の下限と上限をたすき掛けすることで算出しており、株
                              式交換に際し、イズミヤ株式及び阪急オアシス株式1株に対して割当てられる当社株式のレンジは以
                              下のとおりです。



                                            採用方法
                                                              株式交換比率の算定結果
                                     当社              イズミヤ
                                    DCF法             DCF法        9,531~25,545
                                  類似会社比較法          類似会社比較法       9,793~14,789
                                   市場株価法           類似会社比較法       9,177~14,211

                                            採用方法
                                                              株式交換比率の算定結果
                                     当社             阪急オアシス
                                    DCF法             DCF法        3,486~14,192
                                  類似会社比較法          類似会社比較法       2,510~5,639
                                   市場株価法           類似会社比較法       2,352~5,418




                                       10
             質問                                                 回答

12.   株式交換比率の算定結果から見て、合意された   そのように考えております。
      株式交換比率は株主にとって公正かつ魅力的な   本件のようなM&A案件において、一般的に最も重視されるDCF法による株式交換比率の算定結果と、
      のでしょうか。                 実際に合意された算定結果の関係は、以下のとおりとなります。


                                              アイ・アール ジャパンの           プルータス・コンサルティ      合意された
                                               算定結果(DCF法)            ングの算定結果(DCF法)     株式交換比率

                               イズミヤとの
                                                12,094~18,413           9,531~25,545    11,909
                               株式交換比率

                              阪急オアシスとの
                                                 5,780~9,619            3,486~14,192    5,000
                               株式交換比率


                              本株式交換においては、株式交換比率は低ければ低いほど、 対価として交付する当社の株式数が少なく
                              なるため、当社の少数株主の皆様にとって有利な条件となります。
                              本経営統合においては、イズミヤと阪急オアシスの株式交換比率はいずれも、アイ・アール ジャパン
                              の算定結果の下限以下であり、プルータス・コンサルティングの算定結果の下限付近となっておりま
                              す。これは両算定機関によるDCF法での算定結果からすると、当社の少数株主の皆様にとって極めて有
                              利な条件でイズミヤと阪急オアシスの2社を子会社化することを意味します。
                              このように、いずれの算定結果を踏まえても、本経営統合において合意された株式交換比率は、当社の
                              少数株主の皆様にとって有利な条件であると考えております。
                              なお、当社の特別委員会は、H2Oリテイリングとの株式交換比率の交渉の過程において、本株式交換の
                              効力発生日に先立ちH2Oリテイリングがイズミヤ及び阪急オアシスに対して合計約164億円の増資を
                              行うといった条件を引き出しており、当社の少数株主の皆様の利益の確保に最大限尽力しております。




                                         11
              質問                                         回答

13.   H2Oリテイリンググループの提案は、1株当た    そのように考えております。
      り2,250円で公開買付けを行うオーケーの提案   本経営統合においては、本非公開化取引と異なり、当社の株主の皆様において、当社株式を引き続き保
      よりも、株主にとって魅力的なのでしょうか。     有することが可能であり、その結果、新関西スーパー、イズミヤ及び阪急オアシスの3社を傘下に収め
                                る売上高4,000億円規模の食品スーパーグループの株主として、今後創出されるシナジーや当社の株価
                                の上昇益を享受できることとなります。
                                また、本経営統合後の当社株式の理論価値(DCF法)は、①2,400円~3,018円(アイ・アール ジャパン
                                による算定)又は②1,787円~3,128円(プルータス・コンサルティングによる算定)とされており、本
                                非公開化取引における公開買付価格(2,250円)と比較しても、これを上回りうるものであります。
                                このように、  経済条件の対比の観点からも、   本経営統合こそが当社株主の皆様の利益の最大化に資する
                                ものであると考えております。
                                なお、詳細については、2021年9月24日付当社プレスリリース「エイチ・ツー・オー リテイリング グ
                                ループとオーケー株式会社の各提案に対する当社の見解について」の五.をご参照ください。




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               質問                                      回答

V.    特別委員会からの答申に関して

14.    特別委員会とは何でしょうか。どのようなメン   当社取締役会において、本件が当社の企業価値及び当社株主の皆様の利益に大きく影響する事項であ
       バーで構成されているのでしょうか。       るという認識の下、独立・公平・中立の立場から、本経営統合及び本非公開化取引について詳細に検討
                               をしていただき、当社取締役会に対し、これらの実施を勧告するか、これらの実施についての決定が当
                               社の少数株主の皆様にとって不利益なものではないかについて、答申をしていただくために設置した
                               合議体です。
                               特別委員会は、当社の独立社外取締役である岡田由佳氏、森薫生氏、福井公子氏及び牟禮恵美子氏並び
                               に弁護士として豊富な経験や専門的知識等を有する渡辺徹氏(北浜法律事務所 弁護士)の5名によっ
                               て構成されております。
                               また、特別委員会は、独自の法務アドバイザーとして、北浜法律事務所を選任し、独自のファイナンシ
                               ャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任しております。


15.    特別委員会の答申の結果を教えてください。    当社取締役会は、特別委員会より、2021年8月31日付で以下の答申を受けております。
                               (a) 当社取締役会に対し、本経営統合の実施を勧告する。また、当社取締役会に対し、本非公開化取引
                                   を実施することは勧告しない
                               (b) 当社取締役会における本経営統合の実施についての決定は、当社の少数株主にとって不利益なも
                                   のではない


16.    特別委員会の答申の理由を教えてください。    2021年8月31日公表の本経営統合プレスリリースの16~18頁をご参照ください。




                                         13
             質問                                       回答

17.   特別委員会においてどのような検討プロセスが   2021年8月31日公表の本経営統合プレスリリースにも記載しておりますとおり、 特別委員会は、2021年
      経られたのか、教えてください。         7月3日から2021年8月30日までの間、合計13回にわたり開催され、開催日間においても電子メール等
                              でやり取りや意見交換等を行うなどして、   本非公開化取引及び本経営統合のいずれについても、 真摯か
                              つ慎重に、協議及び検討を行いました。
                              特別委員会は、   諮問事項の検討にあたり、オーケーとH2Oリテイリングのそれぞれに対して質問事項を
                              送付し、それぞれ回答を受領し、検討を行っております。また、特別委員会は、オーケーとH2Oリテイ
                              リングのいずれに対しても、それぞれ特別委員会への出席を求め、各取引の意義及び目的、取引手法及
                              び条件、想定されるシナジー、実行後の経営方針その他の事項について聴取するとともに、これらの事
                              項について質疑応答を行っております。
                              また、特別委員会は、当社の経営陣(福谷耕治代表取締役社長、中西淳常務取締役等)に対しては、本
                              非公開化取引と本経営統合のそれぞれについて質問事項を送付し、その回答を得て検討を行うととも
                              に、特別委員会への出席を求め、各取引の意義及び目的に加え、各取引において想定されるシナジー及
                              びディスシナジー並びにその比較についても質疑応答等を行っております。
                              さらに、特別委員会は、本非公開化取引に関しては、特別委員会の委員長を含めた複数名の委員におい
                              て神奈川県にあるオーケーの店舗を実際に訪問し、オーケーの社長その他の経営陣から店舗の案内を
                              受け、その内容について特別委員会で共有し、審議・検討の材料とされておりました。
                              その後も、特別委員会は、オーケーとH2Oリテイリングに対して再度質問事項を送付し、それぞれ回答
                              を受領した上で検討を進め、本非公開化取引と本経営統合の双方について、慎重に審議・検討を重ねて
                              おり、極めて公正かつ中立な手続のもと審議・検討が行われました。




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             質問                                     回答

VI. その他

18.   本経営統合後の取締役会の構成を教えてくださ   <当社(持株会社)>
      い。                      監査等委員会設置会社の機関設計を維持した上、 取締役総数を9名とし、うち監査等委員でない取締役
                              を5名、監査等委員である取締役を4名とします。
                              監査等委員ではない取締役5名については、そのうち、2名(うち1名は代表取締役社長)はH2Oリテ
                              イリングが推薦し、残る3名は新関西スーパー、イズミヤ及び阪急オアシスが各1名を推薦します。ま
                              た、監査等委員である取締役4名については、そのうち、1名はH2Oリテイリングが推薦し、残る3名
                              は独立社外取締役とし、H2Oリテイリング、新関西スーパー、イズミヤ及び阪急オアシスが協議の上定
                              める予定です。

                              <分割準備会社(新関西スーパー)>
                              現関西スーパー取締役のうち、社外取締役及び監査等委員である取締役を除く6名の取締役が取締役
                              に就任し、常勤の監査等委員である取締役1名が監査役に就任する予定です。


19.   今後関西スーパーの株主優待はどうなるのでし   本経営統合が実現した暁には、当社の株主の皆様に対し、H2Oリテイリンググループとの提携のメリッ
      ょうか。                    トを享受して頂くべく、グループで利用可能な株主優待制度を実施させていただく方針です。
                              現在、詳細について協議を行っており、別途改めてお知らせさせて頂きます。


20.   本経営統合による少数株主への親子上場による   親子上場で問題視されているガバナンスに関しては、 当社を持株会社とし、持株会社のガバナンス体制
      潜在的な利益相反などに関し、どのような検討   を上場子会社として適切な体制とすることで、親子上場におけるガバナンス上の問題に適切に対応し、
      をされたか教えてください。           少数株主の利益を担保してまいります。具体的には、持株会社では独立した社外取締役の数を3分の1
                              以上として、少数株主の皆様の利益を害さないよう監視体制を整備していきます。


21.   本株式交換に伴い大規模な株式の希釈化が生じ   本株式交換においては、H2Oリテイリングに多数の当社株式が割り当てられる結果、当社の少数株主の
      るため、少数株主にとって不利益となるとの指   皆様に当社株式に係る議決権比率の低下という意味での株式の希釈化は生じます。
      摘がありますが、この点についてどのように検   しかしながら、本経営統合後の当社株式1株当たりの理論価値は本経営統合前よりも上昇することが
      討したか教えてください。            見込まれております。また、本株式交換の交換比率は、当社の少数株主の皆様にとって有利な公正な条
                              件であると評価できます。したがって、本経営統合は、当社の少数株主の皆様に対し、経済的な意味で
                              の株式の希釈化(不利益)を生じさせるものではなく、むしろ経済的には大きな利益をもたらすものと
                              評価できると考えております。


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             質問                                         回答

22.   関西スーパーの従業員は本経営統合に対してど   当社は、2021年9月14日の労使協議会において、労働組合から、本経営統合に関し、「今回の会社発表
      う考えているのでしょうか。           について、この間の労働者(従業員)へ向き合う姿勢及び対応、これまで培ってきた健全な労使関係及
                              び労組相互の信頼関係を踏まえて、   今後の雇用や労働条件に対する考えが一致するものと判断し、支持
                              する」との意見表明を受けております。




(ご注意)
本 FAQ は、本経営統合及びこれに関する事項について情報提供を行うことを目的としており、本経営統合に関して 2021 年 10 月 29 日に開催予定の臨時株主総会に
付議されることとなる議案の全部又は一部について、当社又は第三者に議決権の行使を代理させることを勧誘するものではありません。


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