9698 J-クレオ 2020-05-21 15:00:00
中期経営計画(2020年~2022年度)の策定について [pdf]

                                                  2020 年 5 月 21 日
各     位
                                    会社名       株式会社     ク    レ   オ
                                    代表者名    代表取締役社長        柿﨑 淳一
                                             (JASDAQ・コード 9698)
                                問合せ先     執行役員 管理本部長        鳥屋 和彦
                                                 TEL 03-5783-3560

             中期経営計画(2020 年~2022 年度)の策定について

 当社は、2021 年 3 月期を初年度とする 3 ヶ年中期経営計画(2021 年 3 月期~2023 年 3 月期)を
策定いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
 創業 45 周年を迎えたクレオグループは、2017 年より「100 年企業」を目指し中長期的な視点で
事業運営を進めております。2024 年には創業 50 周年を迎え、その先の 50 年もすべてのステーク
ホルダーの皆様に魅力的な企業として存在し続けるため、持続的な成長と企業価値向上を可能にす
る「仕組み作り」をキーワードに、新たな中期経営計画達成に向け取り組んでまいります。


1. 中期経営計画の基本方針
    (1) 事業構造、事業ポートフォリオの転換
      成長を牽引する事業へ経営資源の集中を図るとともに、新規事業を創出する
    (2) 持続的成長に向けた人財育成・活用
      特に「経営後継者」「グローバル人財」「デジタル人財」の育成に注力
    (3) 変化、リスクに対応できる柔軟な組織、業務プロセスへの変革
      グループ再編の第二弾の検討、BCP 視点からテレワークを軸にした業務プロセス構築


2. 目標とする経営指標
               2019 年度(実績)   2020 年度(予想)       2022 年度(計画)
      売上高       14,624 百万円     15,500 百万円       18,000 百万円
      営業利益      1,044 百万円      1,100 百万円        1,800 百万円
     営業利益率         7.1%           7.1%             10.0%


3. 中期経営計画の詳細
詳細は別紙資料をご覧ください。

                                                            以   上
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新しい中期経営計画についてご説明する前に、まず2017年4月からの3か年度、前の中期経営計画
の成果と継続課題を振り返りたいと思います。

クレオグループを新しい成長の流れに乗せるために、前中計で取り組んだのはグループの事業と組
織の再編でした。2011年4月にクレオを事業ごとに分社、持株会社化してから6年を経て、再度複
数の子会社を合併、再編しました。
再編の目的はグループ各社に散在・偏在してしまったサービスや人財、ノウハウを集約、最適配置
することでした。これにより単品の「モノ(製品)」を売ることから「コト(ソリューション)」を提
供することが可能になり、「点」から「面」での事業展開へと変化、顧客内シェアの拡大へとつな
がりました。

このような当社グループの変革を推し進めたことで、IT需要の拡大を確実に取り込むことができ、
特に HR ソリューションを中心としたソリューションサービス事業が大きく成長しました。
ソリューションサービス事業の躍進のみならず、他の4事業においても堅調に業績が拡大したこと
により、最終年度の2019年度においては、21期ぶりに営業利益の過去最高益を更新し、創業以来
初めての2桁、10億円を超える営業利益を計上することができました。

しかし「100年企業を目指す」というビジョンの実現に向けてのグループの変革はまだ着手したば
かりであり、多くの課題が残されています。特に永続的な成長を実現する上では事業の新陳代謝、
新しい事業の創出が不可欠です。
業績が好調であったものの新領域、未来への投資を十分に行うことができませんでした。

新しい中期経営計画ではこれらの継続課題に改めて取り組んでいく所存です。




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昨年度までの3か年、IT 市場は安定して拡大をしてまいりました。

今中計における IT 市場の見通しも同様の成長が続くという前提に基づき、計画策定を進めており
ましたが、コロナウイルス感染拡大が顕在化してきたこの数か月で見直しを余儀なくされました。

経済全体がコロナウイルスによってどの程度影響を受け、IT 市場にどこまで波及するかについて
は、2年後、3年後と先になるほど現時点で見通すことが困難であると考えています。

しかしながらここに挙げたような国内の顧客企業が直面する IT 領域の課題は大きく変化すること
はなく、むしろこれまで以上に「IT を活用して企業活動、働き方を変革し、価値を創造する」と
いうことが重要になり、IT 企業への期待が益々高まっていくと考えています。




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前中計からの継続課題、今後の外部環境の変化を踏まえて、新中計のビジョンは「持続的成長・企
業価値向上の仕組み作り」と定めました。クレオグループの長期ビジョンは「100年企業」であり、
2024年には50周年を迎えます。

クレオグループがさらに50年先にもすべてのステークホルダーの皆様に対して魅力的な企業とし
て存在し続けていくためには、持続的成長、企業価値向上を可能にする「仕組み作り」をさらに進
めなければなりません。

これからの3年間は定量的に表れる業績の向上のみならず、大きく「質」の転換を図る必要がある
と考え、3つの領域における投資を強化します。

「質」の転換を重視するこの3年間は「営業利益率」の向上を最重要の指標と位置付けます。
これまでの3年間の取り組みの成果として、受注・売上高は拡大基調にありますがコロナウイルス
感染拡大による影響がこれをどの程度相殺してしまうか、正確な予想が難しい状況にあります。

このような状況下にあって、増収のスピードがある程度鈍化したとしても、生産性・収益性の向上
によって安定した増益を実現していきたいと考えております。




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1つ目の投資強化のテーマ「事業構造、事業ポートフォリオの転換」についてお話する前に、
改めて現状のクレオグループの事業と組織についてご説明します。

クレオグループは現在クレオおよび4社の連結子会社から構成されており、事業と組織の対応は図
の通りとなっています。

従来は原則として「組織 = 事業セグメント」という対応になっており、組織は主要顧客ごとに分
かれる形としていました。

西日本カンパニーは「地域による区分」ではなく、あくまで「名古屋以西の顧客」に各種サービス
を提供する組織体として「西日本事業」と位置付けてきましたが、投資家の皆様の分かりやすさを
重視して、図の通りの変更を行いました。




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前ページでご覧いただいた、事業モデルの異なる4事業をバランスよく行っていることはクレオグループの
独自性、優位性を生んでいます。

日本国内の多くのIT企業は「システムインテグレーター」と呼ばれ、顧客ごとに異なるシステム開発等を請
け負う受託ビジネスを中心に行っています。一方で顧客ごとのニーズに対応するのではなく、同じ仕様の自
社製品やサービスを多くの顧客に提供するプロダクトビジネスを行っているIT企業が存在します。
これらを両立することは実は難しく、実際に日本国内でこの2つのビジネスを両立させているIT企業は少な
いのではないかと思います。

この2つのビジネスモデルの「ハイブリッド」によって順調に業績を伸ばしているのがソリューションサー
ビス事業です。
ソリューションサービス事業で提供している「人事給与システム」などは同一仕様の「パッケージソフト」
を中心としたシステムですが、パッケージソフトでは対応しきれないニーズが存在します。
クレオはパッケージソフトのカスタマイズの要望にも柔軟に対応することによって、複雑・高度な人事給与
制度を持つ企業のお客様にもソリューションを提供することができています。

また人事給与システムなどの HR ソリューション以外にも、この「ハイブリッドモデル」を活かしてソ
リューションサービス事業の拡大を牽引しているビジネスがあります。

自社内では「共創型受託ビジネス」と呼んでいますが、これはお客様企業が消費者や顧客企業に提供するソ
フトウェアやクラウドサービスをお客様企業とともに開発するビジネスです。このビジネスは単にお客様か
らの要求通りにソフトウェアを開発することでは成立しません。
クレオ自身がプロダクトビジネスを経験し、お客様と共にどのような機能、仕様のソフトウェアを提供すべ
きかを考え「共創」することによって価値を生み出しています。

この数年「共創型受託ビジネス」として受注するお客様の数は増え、案件規模も大型化しており、
グループ全体の成長にも寄与しています。
(※ このビジネスに関する具体的な事例はお客様との契約上の理由により詳細をご説明することができませ
ん)




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1つ目の投資強化のテーマ「事業構造、事業ポートフォリオの転換」においては、グループの営業
利益の半分を稼ぐソリューションサービス事業に経営資源を集中させることが重点戦略となります。

ソリューションサービス事業においては好調な需要に対してエンジニア人財の不足により十分な受
注体制が確保できていないことがありました。これを解消するためにグループ内での事業をまた
がった連携、人財の配置転換を進めていきます。

具体的にはソリューションサービス事業において受注した大型案件に対応するプロジェクトに受託
開発事業に所属するエンジニアを移籍させるなどの取り組みを既に前期後半から進めています。

人財確保が難しい状況の中で、グループ内部での対応力を強化することによって、グループを牽引
するソリューションサービス事業をより安定して成長させていきます。




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グループ全体の成長牽引役であるソリューションサービス事業には成長を牽引する両輪があります。
先ほど「クレオのビジネスモデルの特長」でも説明した「共創型受託開発」の拡大が同事業の売上
高向上の主力となります。
一方の利益拡大を実現する主力サービスは HR ソリューションです。
当社の人事給与ソリューション「ZeeM」とアマノ社の勤怠管理ソリューション「TimePro」の連
携によって、引き続き旺盛な「働き方改革」需要に応えますが、これを製品のバージョンアップや
クラウド環境への移行などによってさらに強化します。

この2つのビジネスの拡大においてカギとなるのは人財の確保と「効率化・自動化」です。
「人手を増やす」という面においては、前のスライドでも説明したグループ内での人員配置により
不足を解消していきます。
また開発業務においてオフショア・ニアショアの活用余地はまだまだ残っており、これによって費
用を抑えつつ売上を拡大する生産性の向上が見込めます。
また「人手を増やす」取り組みの一方で必要な人手を減らす取り組みも進めています。
HR ソリューションの導入時におけるシステム設定等はまだエンジニアが人手で行っている部分が
多くありますが、これをある程度の範囲まで自動化する取り組みも進めていきます。

このようにソリューションサービス事業においては、より多くの人財を確保して売上を拡大しつつ、
「効率化・自動化」によって費用を抑制し、より収益性の高い事業へと転換させていきます。




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二つ目の投資強化テーマは「人財育成・活用」です。
IT 企業にとっては「人財がすべて」と言っても過言ではありません。今後の3年間では3つのキー
ワードを挙げて重点的に人財の育成を進めていく考えです。

一つ目は「将来世代のリーダー育成」です。「100年企業」を目指す上では今後連綿と経営を引き
継いでいくリーダー達の存在が欠かせません。ガバナンス強化の面からもこの点は重要です。
この取り組みは新中計の3年間だけで終えるものではなく今後恒久的に続く「仕組み」として考え
ていかなければなりません。

二つ目は「グローバル人財の育成」です。現在当社グループのお客様は日本国内のみですが、中長
期視点ではグローバル展開を考えていかなければなりません。また「イノベーションの創出」とい
う場面において海外のパートナーとの共創も選択肢の一つであると考えています。
現在はコロナウイルスの影響で渡航制限がありますが、まずは意欲のある若手社員を海外に行かせ
るところから始め徐々にグループ全体にグローバルな視点や意識を浸透させていきたいと考えてい
ます。

三つ目は「技術者のレベルアップ」です。IT 企業にとってこれは常に行うべき、当然のことでは
ありますが、特に現在は今後数十年の社会の変化を方向付けるような技術変化の大きな波が来てお
り、多くの技術者が大幅なスキルの転換を求められる状況にあります。その中で当社としてはやみ
くもに複数の新しい技術を追うのではなく、強みを発揮できる領域を見定め、特化していく考えで
す。

以上の領域での人財育成を成功させるには社員の意欲を高めることがカギとなります。
様々な領域で異なる強み、能力を発揮する多様な人財を評価し、報い、意欲を高めるためには、各
種の人事制度も多様性を許容するものである必要があると考え、制度の改定、新設に取り組んでい
きます。




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三つ目の投資強化テーマは「組織、業務プロセスの変革」です。
過去10年余りの間に我々が経験した世界的な金融危機や大震災などの教訓を踏まえ、これからの
数十年の間に企業の存続を揺るがすようなリスクが発生することは「前提」とすべきと考え、以前
から BCP(事業継続計画)の策定などを進めていました。
今中計の発表を間近に控えたタイミングで奇しくも「感染症の世界的な拡大」というリスクが顕在
化し、リスクへの対応力がまさに試されることとなりました。
コロナリスクの顕在化以前から検討していたポイントが二つあります。

一つ目はグループ再編の第二弾を進めることです。「Phase2 クレオグループの統合」に記載して
いる通り、「より収益性の高い事業に人財をシフト」する施策は「6.事業構造・ポートフォリオの
転換」でも触れた通り、既に前期から始まっています。
このようにグループ内で柔軟に人財の配置ができることは「機会を逃さない」ことと同時に、「リ
スクへの備え」の効果も発揮すると考えています。「4.クレオグループの事業と組織」で説明した
ように、当社グループの各事業はそれぞれ異なるお客様との取引により成り立っており、この「分
散」によって過去の危機を乗り越えてきた経緯があります。今後仮にいずれかの事業で「需要蒸
発」と呼ぶほどの大きな売上減が発生する場合に備えて、グループ内でより柔軟に、素早く人財の
配置やスキルの転換が行える体制を構築していきます。

二つ目は「生産性の向上」と「BCP」の両面を考慮した業務プロセスの変革です。当社では緊急事
態宣言が発令される前の(2020年)4月2日から、在宅勤務可能な社員は、原則として全員在宅勤務
とするガイドラインを定め、これまで準備していたテレワークのためのインフラ、制度の整備・運
用を加速させました。
これらの環境整備は費用の増加となりますが、今後コロナウイルスの感染拡大が収束した後も様々
なリスクへの備えは必要と考えています。またこのような取り組みは同時に生産性向上のための
「投資」でもあり、コロナウイルス感染拡大の長期化により働き方が大きく変わる中でも高い生産
性を発揮したいと考えています。




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前中計では21期ぶりに営業利益過去最高を更新、という業績の伸びを実現しましたがこれは既存
事業の成長によるもので、長期の視点では目立った新規事業の存在がないことは大きな課題である
と認識しています。
「過去最高益の更新」という目標を掲げ、既存事業が好調であるほど新規事業創出に人財を振り向
けにくくなってしまったというジレンマもあります。
そこで今中計においては、投資に係る意思決定や推進の体制を見直します。新設する投資委員会は
各事業からの投資計画を「評価」「承認」するだけでなく、逆に委員会が自ら投資機会を探索し、
トップダウンで実行を促します。
委員会のメンバーは各担当領域を持ち、スライドに挙げた項目を中心として投資を推進します。グ
ループ全体での投資額の規模は今中計期間中に5億円程度という目安を設けていますが、投資額
「ありき」となって投資それ自体が目的化することないよう、投資機会と結果を見ながら柔軟に判
断する考えです。




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ここまでご説明した今中計のポイントを踏まえ、今中計において最も重視する経営指標を営業利益
「率」としました。
前中計では「過去最高益の更新」「営業利益10億円超え」という社外・社内双方に向けて分かり
やすい目標を設定しました。
今中計では繰り返しご説明した通り、様々な「仕組み作り」に取り組み、企業の「質」が転換して
いくことが最も重要な経営課題です。その推移を見る上で「事業の構造転換が図れたか?」「生産
性向上が仕組み化できているか?」を表す営業利益率に注目し、まずは 10% 以上の水準に上げる
ことを目指します。

なお3年後の業績については、コロナウィルスによる影響を現時点で正確に見積もることは極めて
難しく、売上の伸び悩み、あるいは減収という可能性も否めません。そのため特に「売上高」はあ
くまでも「目安」としてお考えいただきたいと思います。
収益性の向上に取り組み続けることで仮に売上高が「横ばい」になる状況下であっても増益を続け
られるよう「営業利益率 10%」という経営目標を常に意識してまいります。

2020年度(2021年3月期)の業績目標は既に発表の通り売上高155億円、営業利益11億円としていま
す。前期までの増収・増益のペースに比べるとやや足踏みする印象をお持ちになるかもしれません
が、コロナウィルスの影響をある程度保守的に見積もっていること、各種の投資を強化することが
要因です。
2021年度(2022年3月期)の業績目標は情勢を見つつ年度の初め(前年度決算発表時)に開示します。




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財務・資本政策の基本方針は「株主還元」「財務安定性」「投資」の3点の最適バランスを取る、
というもので前中計から変更はありません。変更点は「投資」の面で永続的な成長のための投資を
従来より拡大することですが、営業利益率の向上により事業活動によって投資の原資を生み出しな
がら行うので、「財務安定性」という規律を損なうことはありません。

前中計までは自己資本比率が70%を超過した時点で自己株式の取得を行うことを資本政策の一つと
していましたが、これによって株式の流動性が下がることを懸念するご指摘も多く、実際の運用に
あたってはいくつかの課題が見られました。
今中計期間中には役員向けの株式報酬制度の導入も予定されており、別の形で間接的な自己株式の
買付を行うことになるため、今中計では自己株式の取得に関して「自己資本比率が70%を超過した
場合」という明示的な基準を設定することは取りやめています。

なお現在の当社の自己資本比率は70%前後で安定しており、コロナウィルスの影響によって仮に短
期的に業績悪化が生じた場合でも財務面の懸念は小さいと認識しています。

以上の基本方針および関連する事情を総合的に勘案して、還元方針は「連結配当性向 40%」とい
う目標を継続します。今後の業績、特に売上高の推移を見通すことが難しい状況ですが、収益性の
向上によって増益を継続することで、継続的な増配を目指します。




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以上ご説明した内容が新しい中期経営計画の主なポイントとなります。
前中計では、多くの投資家の皆様にご注目いただき、ご意見、ご支援をいただく機会に恵まれま
した。

新中計においても引き続き、ご意見、ご支援を賜りたいと存じます。
新中計のスタートは「世界的な感染症拡大」という未曽有の出来事に見舞われましたが、「100
年企業」を目指す当社グループはこの危機も必ず乗り越え、安心して長期的な投資を行っていた
だける「魅力あるクレオ」に育てて参りたいと存じます。

今後も当社への変わらぬご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。




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