9681 東京ドーム 2020-12-03 15:00:00
当社臨時株主総会の上程議案(株主提案)に関する議決権行使助言会社ISS 社の賛成推奨に対する当社の見解 [pdf]
2020 年 12 月 3 日
各 位
会社名 株式会社東京ドーム
代表者名 代表取締役専務 谷口 好幸
取締役会議長
(コード:9681 東証第 1 部)
問合せ先 広報IR室長 佐治 英郎
(TEL. 03-3811-2111)
当社臨時株主総会の上程議案(株主提案)に関する
議決権行使助言会社 ISS 社の賛成推奨に対する当社の見解
2020 年 11 月 10 日付け「臨時株主総会開催及び株主提案に対する当社取締役会の意見に
関するお知らせ」(以下「本プレスリリース」といいます。)及び同年 12 月 2 日付け臨
時株主総会招集ご通知(以下「本招集通知」といいます。)にてお知らせしておりますよ
うに、当社は、2020 年 12 月 17 日に開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総
会」といいます。)において、当社株主(以下「提案株主」といい、提案株主の運用会社
である Oasis Management Company Ltd.と併せて以下、「株主提案者」といいます。)の
提案を受けて、第 1 号議案「取締役 長岡勤氏解任の件」、第 2 号議案「取締役 森信博
氏解任の件」及び第 3 号議案「取締役 秋山智史氏解任の件」(以下「本株主提案議案」
といいます。)を付議することとしておりますが、これらに関し、議決権行使助言会社
Institutional Shareholder Services Inc.(以下「ISS 社」といいます。)から、本株主
提案議案に対して「賛成」を推奨する旨のレポート(以下「ISS レポート」といいま
す。)が発行されたことを確認しました。
当社取締役会は、本株主提案議案に反対しており、その反対意見の詳細は本プレスリ
リース及び本招集通知にてお知らせしたとおりですが、ISS レポートは 2020 年 4 月の当社
第 110 回定時株主総会における ISS 社による議決権行使の推奨内容と一貫性を欠き、当社
取締役会の意見との相違が認められることから、ISS レポートに対する当社の見解につい
て、下記のとおりご説明申し上げます。
当社の株主の皆様におかれましては、本臨時株主総会における議決権行使の判断にあた
り、下記の当社の見解をご参照いただいたうえで、改めて本株主提案議案に反対する当社
取締役会の意見へのご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
記
1. ISS レポートの賛成推奨の内容
ISS レポートによれば、過去 5 年間の当社の TSR 及び業績が同業他社と比較して大幅に
低迷していること、株主提案者が提案する戦略が当社の戦略よりも優れていることを証明
しなければならないような支配権を巡る委任状争奪の場面ではないこと並びに当社取締役
会の独立性及び業界における経験が欠けていることを主な理由に、本株主提案議案に対し
て賛成推奨をしています。
2. 当社の見解
ISS 社は、過去 5 年間の当社の TSR 及び業績が同業他社と比較して大幅に低迷している
ことを本株主提案議案に対する賛成推奨の理由に挙げておりますが、当社は総合エンター
テインメント事業である東京ドームシティ事業を中核として、流通事業、不動産事業、熱
海事業及び競輪事業を営んでおり、当社と類似する事業を行っている上場会社は存在しな
いため、ISS レポートにおいて同業他社として比較対象とされている上場会社と単純な比
較を行うことは適切でありません。
また、ISS 社は、株主提案者が提案する戦略が当社の戦略よりも優れていることを証明
する必要がないことも本株主提案議案に対する賛成推奨の理由としています。この点、株
主提案者による当社の経営改善策の提案内容は、東京ドームシティのほぼ全域が都市計画
法に基づき東京都より都市計画公園区域に指定される等の規制を受けていることへの理解
不足や、昨今のコロナ禍の環境変化を考慮していない提案になっており、実効性に欠けて
いることは明らかです。それにもかからず、当社が現在策定中である長期・中期・短期の
時間軸を見据えた次期中期経営計画における現実的かつ実効性がある戦略との比較衡量を
行ってないことから、合理的な根拠を持って十分な検討を行ったうえで、本株主提案議案
に対して賛成推奨を行っているのか疑問を抱かざるを得ません。
さらに、ISS レポートによれば、ISS 社の独立性基準に照らして社外取締役である森氏
及び秋山氏の独立性に問題があり、当社の社外取締役 4 名の経歴等に鑑みて当社のコアビ
ジネスに関する経験が欠けていることをもって、当社取締役会の独立性及び業界における
経験が欠けているとされています。それを前提に、代表取締役社長である長岡氏が取締役
を解任されても経営陣のほとんどは残留し、長岡氏も CEO 職を解任されることを必ずしも
意味しない、ゆえに取締役の立場以外で取締役会の審議に参加することが可能であり、さ
らには、代表取締役 1 名及び社外取締役 2 名を解任することで、取締役 7 名中 2 名が独立
社外取締役になることから取締役会の独立社外取締役比率が 20%から 28.5%に上昇する
等という、実務上およそ現実的ではなく、安易かつ形式的な理由により、本株主提案議案
に対して賛成推奨することは、現行の取締役会の一体性や継続性を全く考慮に入れない、
無責任な推奨であると言わざるを得ません。
そもそも、ISS 社は、2020 年 4 月の当社第 110 回定時株主総会において、当該 3 名の取
締役の選任議案に対し賛成推奨をしていますが、その後、特段の不祥事等が起こったり、
ISS レポートで指摘されている過去 5 年間の当社の業績や当社取締役会の独立性及び業界
における経験等の事情の変更がないにもかかわらず、本株主提案議案に対して賛成推奨、
即ち、当該 3 名の取締役について任期の途中での解任を推奨しており、その議決権行使推
奨方針が一貫性を欠くことは明白であり、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の議
決権行使を誤導するものであり、議決権行使助言会社も対象とするスチュワードシップ・
コードに照らして、本株主提案議案に関する ISS 社の議決権行使推奨のあり方には問題が
あるものと考えております。
本プレスリリース及び本招集通知においてお知らせいたしましたとおり、当社の企業価
値向上のためには、東京ドームシティ全体の再整備という長期的な目標を見据え、中期、
短期と時間軸を区切った段階的かつ精緻な課題解決アプローチが不可欠となります。これ
までその陣頭指揮を執ってきた代表取締役社長の長岡氏はもちろんのこと、森氏及び秋山
氏は、このような当社の事業構造及び段階的な課題を十分に認識したうえで、社外取締役
として長年にわたり当社の経営方針及び経営課題を適切にモニタリングすることにより、
当社の財務体質の改善や業績の回復、安全文化の再構築等、中長期的な企業価値向上に貢
献し続けております。
そして、当社は、現在、長期的な目標である東京ドームシティ全体の再整備という大命
題を睨みつつ、それを実現させるための事業面及び財務面の盤石な基盤の確立並びに筋肉
質なビジネスモデルへの変革等を主要な目的とする「次期中期経営計画」を策定しつつあ
ります。この「次期中期経営計画」を実効性あるものとし、もって当社の企業価値を向上
させるためには、長期・中期・短期それぞれの課題を知悉した長岡氏、森氏及び秋山氏 3
名の取締役の存在が不可欠です。
また、森氏及び秋山氏は社外取締役が過半数を占めるガバナンス委員会の委員として、
「代表取締役社長と取締役会議長の分離」や「インセンティブを効かせた報酬制度の導
入」等を実現させ、現在においても「報酬制度の更なる改善」や「取締役任期」等の課題
に取り組んでおり、多様なステークホルダーの利益に対する配慮が必要な当社のコーポ
レート・ガバナンス強化に向けて不断の努力を重ねております。
以上のとおり、提案株主による長岡氏、森氏及び秋山氏の 3 名の取締役の解任を要求す
る株主提案並びに本株主提案議案に対して賛成推奨する ISS レポートは、当社の企業価値
向上において重要な役割を担う 3 名の取締役の上記貢献や取り組みを看過したものであ
り、当社のガバナンス強化や各戦略・施策の推進力を大きく低下させ、当社の企業価値を
著しく毀損する結果を招くものと強く危惧いたします。
株主の皆様におかれましては、本株主提案議案及び ISS レポートに対する当社の見解を
ご賢察いただき、当社の中長期的視点からの企業価値向上の取り組みについてご理解いた
だいたうえで、本臨時株主総会における議決権行使の判断をしていただきますよう、重ね
てお願い申し上げます。
以 上