9514 EF-ON 2020-02-12 15:00:00
電力販売先および販売条件(価格)変更のお知らせ [pdf]

                                                      2020 年 2 月 12 日


各     位

                                    上場会社名        株 式 会 社 エ フ オ ン
                                    代 表 者 名   代表取締役     島   﨑    知      格
                                              (コード番号:9514 東証第一部)
                                    問 合 せ 先   常務取締役     小   池    久      士
                                                 (TEL:03-5299-8521)



                   電力販売先および販売条件(価格)変更のお知らせ

    このたび当社グループでは、バイオマス発電事業所の電力の販売につきまして、その販売先ならびに
販売条件(価格)の変更を行うことといたしましたのでお知らせいたします。


期         日 :   2020 年4月1日より
販売先変更:          「エフオン日田」:      九州電力送配電株式会社(予定)
                「エフオン豊後大野」: 九州電力送配電株式会社(予定)


「エフオン白河」につきましては販売先の変更はありません。また「エフオン壬生」につきましては本年1
月2日より販売を開始しており変更はありません。
    この措置に伴いまして、中期経営計画の際にもお知らせいたしました FIT 価格に対する上乗せ部分
(プレミアム価格)は大きく縮小することとなります。この結果、以降の売上高、ならびに利益の水準につき
ましては減少することになります。


1. 上乗せ部分(プレミアム価格)について

    FIT 認定発電事業者が小売電気事業者に電気を販売する場合、法律で定められた単価(円/kWh)
を下回ることはできませんが、これより高い価格で販売することは認められています。
    一方、小売電気事業者は、FIT 電源由来の電気を発電事業者から直接購入した場合、「回避可能費
用(電気を作る上で必要となる費用)」で購入したものとみなされます。
    つまり、「FIT 法で定められた単価-回避可能費用」の差の部分を、費用負担調整機関を通じて再エ
ネ賦課金の補填を受ける仕組みです。これにより、小売電気事業者の実質の電気の仕入れ価格は「回
避可能費用」となるため、電力市場価格との間には乖離が生じています。
 また、「電力市場価格>回避可能費用」のときには、FIT 電源由来の電気を購入する方が電力市場で
調達するより安価となるため、法定の FIT 価格プラスアルファ、すなわちプレミアム価格を上乗せした価格
で購入することが可能となります。
 当社グループの「エフオン日田」、「エフオン豊後大野」、「エフオン白河」の3つの発電所につきまして
は、2014 年 3 月以前に FIT 認定を取得しているため、回避可能費用は全電源可変費用単価(1kWh の
電気を作る際、太陽光発電等を含めたすべての電源の平均費用)が適用されています。このため、法定
の FIT 価格に一定のプレミアム価格を加算した価格で電気の販売を行っておりました。
 しかし最近では、様々な取り組み等の結果、JEPX の電力市場価格は比較的低位で推移する状況にな
り、この結果、先ほどの
              電力市場価格>回避可能費用 ➡ 電力市場価格≦回避可能費用
となる局面が多くなってきております。電力市場価格より回避可能費用の方が安価であるという乖離こそ
が「プレミアム価格」の原資であったことから、プレミアムの必然性は地域によっては喪失したと言わざるを
得ません。



(円)                グラフ1     九州エリアプライスと回避可能費⽤の推移
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      2016年 2017年                 2018年                 2019年

                       九州エリアの電⼒市場価格               回避可能費⽤

                                              JEPX、低炭素投資促進機構の資料より当社作成




2. 電力小売りの環境について

  2016 年に全面自由化された電力小売りですが、昨今は小売電気事業者に厳しい環境となっていま
す。前段で JEPX 電力卸取引市場価格が比較的低位で推移しているとしましたが、これは本来、小売電
力事業者には良い環境となります。しかし一方で、販売の方の電力小売価格の下落が甚だしく、電力
仕入れ価格の低下を上回る影響を与えており、結果として小売電気事業者の収益性を圧迫しておりま
す。このため、従前は FIT 電源に対してプレミアム価格を上乗せした価格で電気を購入していた事業者
も、昨今では上乗せが極めて厳しいのが実情です。
(円/KWh)
                          グラフ2        エリア別 ⾼圧電⼒価格の推移
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        2016年 2017年                    2018年                 2019

                         九州       東京         中部        東北
                              電⼒取引の状況(電⼒取引報結果)、各電⼒会社の燃料費調整単価より当社作成



3. 九州エリアにおける出力抑制の動き

 FIT の下での太陽光発電所の開発ラッシュの結果、九州エリアにおいては、夏季を除いて恒常的に発
電事業者に対する出力抑制の措置が取られています。これは、昼間の発電総量が総需要を上回ること
が予想されるとき、九州電力が事前に発電事業者に対して翌日の発電出力の抑制を指示することがで
きる措置で、昨年以降は中間期においてはほぼ恒常的に行われています。この結果、九州エリアにお
いては JEPX 卸取引所の市場価格を押し下げ、全国のシステムプライスを下回る「市場分断」の状態を
頻出させており、新電力による FIT 電源の特定契約を妨げる要因となっております。


 以上のような環境のもと、電力の販売先である日本テクノ株式会社からは、価格の改定に関する申し入
れがあり、このたび当社グループとしても受諾せざるを得ないものと判断し、これを受諾した次第となりまし
た。
 なお、当期の連結業績見通しに対する影響は別途公表しております「通期連結業績予想の修正に関
するお知らせ」に記載の通りです。


                                                                               以上