9432 NTT 2019-05-10 15:00:00
2018年度 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2018年度 決算短信〔IFRS〕(連結)
2019年5月10日
上場会社名 日本電信電話株式会社 上場取引所 東
コード番号 9432 URL http://www.ntt.co.jp/ir/
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名)澤田 純
問合せ先責任者 (役職名) 財務部門IR室長 (氏名)藤城 夏子 (TEL) 03(6838)5481
定時株主総会開催予定日 2019年6月25日 配当支払開始予定日 2019年6月26日
有価証券報告書提出予定日 2019年6月28日
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無 :有 (機関投資家・アナリスト向け)
(百万円未満四捨五入)
1.2018年度の連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
当社に帰属する
営業収益 営業利益 税引前利益
当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2018年度 11,879,842 0.8 1,693,833 3.2 1,671,861 △3.9 854,561 △4.8
2017年度 11,782,148 - 1,641,086 - 1,740,479 - 897,887 -
(注)当社に帰属する包括利益 2018年度 826,154百万円(△13.1%) 2017年度 950,302百万円(-%)
基本的1株当たり 希薄化後1株当たり 株主資本
総資産 営業収益
当社に帰属する 当社に帰属する 当社に帰属する
税引前利益率 営業利益率
当期利益 当期利益 当期利益率
円 銭 円 銭 % % %
2018年度 440.25 - 9.3 7.6 14.3
2017年度 449.86 - 10.2 8.1 13.9
(参考)持分法による投資損益 2018年度 △10,075百万円 2017年度 4,966百万円
(2)連結財政状態
資本合計 1株当たり
総資産
(純資産)
株主資本 株主資本比率
株主資本
百万円 百万円 百万円 % 円 銭
2018年度 22,295,146 11,804,790 9,264,913 41.6 4,832.03
2017年度 21,541,444 11,565,654 9,050,358 42.0 4,591.58
(注)2017年度の株主資本、株主資本比率及び1株当たり株主資本を今回より訂正しています。なお、訂正前の数値は、株主資本:9,062,752百
万円、株主資本比率:42.1%、1株当たり株主資本:4,597円87銭となります。
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2018年度 2,406,157 △1,774,136 △584,266 946,134
2017年度 2,541,270 △1,746,185 △968,279 895,003
2.配当の状況
年間配当金 配当金総額 配当性向 株主資本配当率
(合計) (連結) (連結)
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2017年度 - 75.00 - 75.00 150.00 298,314 33.3 3.4
2018年度 - 85.00 - 95.00 180.00 347,927 40.9 3.8
2019年度(予想) - 95.00 - 95.00 190.00 41.7
3.2019年度の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)
(%表示は対前期増減率)
基本的1株当たり
当社に帰属する
営業収益 営業利益 税引前利益
当期利益
当社に帰属する
当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 11,830,000 △0.4 1,550,000 △8.5 1,569,000 △6.2 855,000 0.1 456.00
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):有
新規 2社 (社名)NTT株式会社、NTT-SH株式会社、除外 -社 (社名)-
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更 :有
② ①以外の会計方針の変更 :有
③ 会計上の見積りの変更 :無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2018年度 1,950,394,470株 2017年度 2,096,394,470株
② 期末自己株式数 2018年度 32,997,746株 2017年度 125,318,558株
③ 期中平均株式数 2018年度 1,941,068,728株 2017年度 1,995,912,757株
(参考)個別業績の概要
(百万円未満切り捨て)
1.2018年度の個別業績(2018年4月1日~2019年3月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
営業収益 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2018年度 750,740 13.2 613,833 15.7 612,862 16.0 1,192,784 64.5
2017年度 663,118 39.8 530,552 56.2 528,143 57.7 724,908 151.6
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2018年度 614.50 -
2017年度 363.20 -
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2018年度 7,098,890 5,222,248 73.6 2,723.61
2017年度 6,710,444 4,602,591 68.6 2,335.07
(参考)自己資本 2018年度 5,222,248百万円 2017年度 4,602,591百万円
2.2019年度の個別業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)
(%表示は対前年増減率)
1株当たり
営業収益 営業利益 経常利益 当期純利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 646,000 △14.0 509,000 △17.1 507,000 △17.3 508,000 △57.4 271.00
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
・NTTグループの連結財務諸表は、2018年度第1四半期からIFRS(国際財務報告基準)を適用しています。また、前連
結会計年度の連結財務諸表についても、IFRSに準拠して表示しています。
・本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
断する一定の前提に基づき、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提と
なる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料43ページをご覧ください。
・当社は年次での業績管理を実施しているため、第2四半期累計期間の業績予想は作成しておりません。
・当社は、2019年5月10日(金)に機関投資家・アナリスト向けに決算説明会を開催します。その模様及び説明内容
については、当日使用する資料とともに、開催後速やかに当社ウェブサイトに掲載する予定です。
日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………………………… 10
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………………………… 10
3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………… 11
(1)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………………………………… 11
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………… 13
(3)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………………………… 15
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………… 16
(5)継続企業の前提に関する注記 …………………………………………………………………………………… 18
(6)連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 …………………………………………………………… 18
(7)会計方針の変更 …………………………………………………………………………………………………… 20
(8)セグメント情報等 ………………………………………………………………………………………………… 21
(9)重要な後発事象 …………………………………………………………………………………………………… 23
(10)初度適用…………………………………………………………………………………………………………… 24
4.その他 …………………………………………………………………………………………………………………… 41
《予想の前提条件その他の関連する事項》……………………………………………………………………………… 43
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
【定性的情報・財務諸表等】
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
連結業績の概要(2018年4月1日~2019年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 117,821 118,798 977 0.8%
営業費用 101,411 101,860 449 0.4%
営業利益 16,411 16,938 527 3.2%
税引前利益 17,405 16,719 △686 △3.9%
当社に帰属する
8,979 8,546 △433 △4.8%
当期利益
(注) 当社の連結財務諸表は、IFRS(国際財務報告基準)に基づいて作成しております。
当連結会計年度における情報通信市場では、クラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AI等の急速な進展により、
様々なデジタルサービスの利用が進んでいます。それらのサービスの利用を通じて蓄積されたデータを分析・活用
(データマネジメント)することで、人々の生活における利便性向上や、ビジネスにおける新たなモデル創出や生産
性向上等、より良い方向への変革を実現するデジタルトランスフォーメーションが世界的に進みつつあります。ま
た、高度化・複雑化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化、災害対策への取り組み強化や、地球環境保護
への貢献等も求められるようになっています。
こうした様々な社会的課題を解決する上で、情報通信の役割はますます重要になっています。
このような事業環境のなか、NTTグループは、2018年11月に新たな中期経営戦略『Your Value Partner 2025』を策
定・公表し、「Your Value Partner」としてパートナーの皆さまとともに、社会的課題の解決をめざす取り組みを推
進しました。
《お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート》
B2B2Xモデルの推進による新たな価値創出の支援や、5Gサービスの実現・展開に向けた取り組み、パーソナル化推
進によるライフスタイル変革の支援等を進めました。
○ 新たな価値創出の支援として、神奈川県横浜市・横浜市立大学と、超スマート社会の実現に向けた官民データ
活用に関する包括連携協定を締結し、市民生活をより豊かにする取り組みを開始しました。また、ラスベガス
市においては、迅速な事件・事故対応、AIを用いた予測対応による、公共安全ソリューションの実現に向けた
実証実験を、Dell Technologiesとともに実施しました。さらに、デジタルマーケティング支援の強化を目的
に、ネットイヤーグループ株式会社との資本業務提携契約を締結しました。このようなB2B2Xモデルの更なる推
進に向け、グループの連携を図りながらプロジェクトを拡大するため、当社内にB2B2X戦略委員会を設置しまし
た。
○ 5Gサービスの実現・展開に向け、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」において、幅広いパートナーと
ともに新たな利用シーン創出に向けた取り組みを拡大しました。また、5Gの屋外実験において、世界で初めて
5Gで要求される移動端末への通信速度20Gbpsを超える27Gbpsに成功する等、幅広い環境における5Gの活用に向
けた取り組みを推進しました。
○ パーソナル化の推進に向け、多様化するお客さまのライフスタイルに対応するため、NTTドコモによるNTTぷら
らの子会社化を決定し、映像コンテンツビジネスの強化に取り組みました。また、独自コンテンツの充実を目
的として、NTTぷららが番組制作会社大手の株式会社イースト・グループ・ホールディングスへの出資を実施し
ました。そのほか、利用データ量の少ないお客さまにもご利用いただきやすい「ベーシックシェアパック」
「ベーシックパック」や、携帯電話からスマートフォンへ初めて移行するお客さまを対象とした「ウェルカム
スマホ割」を提供しました。また、1つの端末を長くご利用になるお客さま向けの割引料金プラン「docomo
with」の契約数は500万契約を突破しました。
○ 昨今の働き方改革の流れを受け、NTTグループが提供するRPAツール「WinActor®」の導入企業が3,000社を突破
しました。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
《自らのデジタルトランスフォーメーションを推進》
グローバル事業の競争力強化に向けた「One NTT」としてのグローバルビジネス成長戦略や、国内事業のデジタル
トランスフォーメーション等を推進しました。
○ グローバル事業の競争力強化に向け、当社の傘下に新たにグローバル持株会社(会社名:NTT株式会社)を創設
し、NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTセキュリティ、NTTデータをその傘下に移管しました。ま
た、グローバル市場で成長が見込めるテクノロジー領域を中心とした投資を活発化するため、グローバルイノ
ベーションファンド(会社名:NTT Venture Capital, L.P.)を設立しました。さらに、グループ各社が共通で
購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、世界各国のメーカーや販売会社等と一元的に価
格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社(会社名:NTT Global Sourcing, Inc.)を米国に設立し
ました。なお、本調達の対象に、当社、NTT東日本及びNTT西日本は含みません。
○ 当社、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本及びNTTコミュニケーションズは自らのデジタルトランスフォーメー
ションを通じた業務プロセスの更なる効率化や新たな付加価値サービス提供等を推進するため、それぞれCDO
(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を設置しました。各社CDOは、5G導入やPSTNマイグレーショ
ン(固定電話のIP網移行)等を含む様々な環境変化に迅速かつ柔軟に対応するデジタル戦略策定とその推進を
担います。なお、NTTデータは当連結会計年度開始以前にデジタル戦略を牽引する執行役員を配置済です。
○ 24時間自動応答のAI自動対話ロボットと有人チャットによる新たな顧客接点の創出や、音声認識・分析技術を
活用したオペレーター支援システムの導入等、コンタクトセンターのデジタルトランスフォーメーションを推進
したことで、NTTコミュニケーションズのコンタクトセンター(愛知県名古屋市)では、チャットでの問い合わ
せ受付数が約4.5倍に増加しました。これらの取り組みが評価され、「コンタクトセンター・アワード2018」に
おいて、NTTコミュニケーションズは「最優秀テクノロジー部門賞」を受賞しました。
《人・技術・資産の活用》
不動産利活用、エネルギー供給等の新事業創出、地域社会・経済の活性化に取り組みました。
○ NTTグループの持つ不動産やICT・エネルギー・環境技術等を最大限活用し、従来の不動産開発にとどまらない
新たな街づくり事業を推進しました。具体的には、グループ一体となり取り組むための体制強化として、グル
ープの不動産事業の中核を担うNTT都市開発の、公開買付け等による完全子会社化等、街づくり事業推進会社
(会社名:NTTアーバンソリューションズ株式会社)の創設に向けた準備を進めました。
○ 省エネルギー・脱炭素化推進、災害に強いエネルギー供給等の社会的要請に資する協業事業を創出するととも
に、市場・社会の変化に応じた事業展開を推進することを目的に、東京電力ホールディングス株式会社と共同
出資会社「TNクロス株式会社」を設立しました。具体的な取り組みの一つとして、災害時の住民生活の早期安
定化や平常時の住民サービスの向上を目的とした、新たなエネルギーソリューションの実証に向け、千葉県千
葉市と協定を締結しました。
《ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上》
持続的な企業価値の向上と、株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題の一つとして位置づけ、環境負荷の低
減、多様な人材の活用、セキュリティの強化、株主還元の充実等に取り組みました。
○ 環境への取り組みとして、電気通信事業者としては世界で初めて、国際的なNPO法人「The Climate Group」が
運営する国際イニシアティブ「EP100」「EV100」に加盟しました。高効率直流電力設備の導入促進、通信設備
の省エネルギー化、環境負荷の低減・車両保有コストの低減に向けたEV化を推進しました。
○ サイバーセキュリティの取り組みとして、安心・安全なデジタル経済に向けた国際評議会(CSDE:Council to
Secure the Digital Economy)に参画し、国際ボットネット対策ガイドの発行と、一般社団法人ICT-ISACを通
じた日本国内への展開に貢献しました。また、ICTの利用者を守り、サイバー空間の安全性・安定性・強靭性を
高めるべく、世界の通信・ITを支える80以上の企業による共同宣言「Cybersecurity Tech Accord」に賛同しま
した。
○ ダイバーシティ・マネジメントを重要な経営戦略と位置づけ、多様な人材が活躍できるように取り組みまし
た。LGBT等性的マイノリティに対する取り組みとしては、各種手当や福利厚生等、配偶者及びその家族に関わ
る制度全般を同性パートナーにも適用しました。また、ICT企業として、在宅勤務を含むテレワーク、フレック
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
スタイム制度等を積極的に活用し、多様な働き方を推進しました。2018年7月に実施されたテレワーク・デイズ
においては、NTTグループ全体で1万5千人以上の社員が柔軟な働き方を実践しました。
○ 持続的な企業価値向上に向けた様々な取り組みが評価され、世界の代表的なESG投資指標であるDow Jones
Sustainability Indexの「World Index」に初めて選定されました。なお、アジアパシフィック地域の構成銘柄
の指標である「Asia Pacific Index」にも5年連続で選定されました。
○ 株主還元については、配当及び機動的な自己株式取得を実施しました。
《基盤的研究開発等の状況》
中期経営戦略『Your Value Partner 2025』に基づき、世界に変革をもたらす革新的な研究開発を推進しました。
多様な領域で新たな価値創造の源泉となるため、様々な分野の産業界の方々とともに、産業競争力の強化や社会的課
題の解決をめざす取り組みを推進しました。
○ B2B2Xモデル推進に向けた研究開発
・社会インフラ産業における製造技術の変革に向け、三菱重工業株式会社と共同で、通信用光ファイバ技術を
レーザ加工に応用し、従来数メートル程度しか伝送することができなかった高出力シングルモードレーザ光
を、精密加工に適した品質を維持したまま数十~数百メートルに渡り伝送することに成功しました。
・未知のサイバー攻撃に対するリアルタイムの異常検知及び対処を可能とする、重要インフラ等の制御システ
ム向けサイバーセキュリティ技術を、三菱重工業株式会社とともに開発し、同社の「InteRSePT®」として製
品化のうえ販売を開始しました。
・コネクティッドカー向けICT基盤の共同研究先であるトヨタ自動車株式会社と、自動運転を実現する基盤技術
の確立に向けた実証実験を開始しました。
・東日本旅客鉄道株式会社が設立した「モビリティ変革コンソーシアム」においてNTTグループが推進する、
MaaS検討のなかで、NTTデータがJR東日本メカトロニクス株式会社と開発・サービス展開に取り組んでいる、
クラウド型ID認証システムによるSuica認証を活用し、交通事業者・デマンド交通・商業施設を連携させる実
証実験を開始しました。
・歌舞伎と最新のICT技術のコラボレーションによる、新たな歌舞伎の商用公演を共同で実施するため、松竹株
式会社との業務提携を行うことで合意しました。その第一弾として、両社共同で設立した任意組合「NTT・松
竹パートナーズ」の主催で、京都・南座にて「南座新開場記念『八月南座超歌舞伎』」を開催することを公
表しました。
○ 研究開発の強化・グローバル化
・デジタルトランスフォーメーションの加速を目的に、欧州を中心に事業を展開するフランスの大手通信事業
者Orangeと、5G&NW、AI、IoT、サイバーセキュリティ等の主要分野において、研究成果の相互利用を容易に
するための研究開発合意書を締結しました。
・Deakin大学、Western Sydney大学、Dimension Data Australiaと当社は、日豪共通の課題解決に向けて、
「高齢者が健康で自立し、安全な生活を送ることができる社会」というビジョンを共有するとともに、革新
的な解決策を創出し、それらを社会に実装するためのパートナーシップ契約を締結しました。
○ 高臨場&ナチュラルな世界の実現に向けた研究開発
・あたかもその場にいるかのような超高臨場な体験を、あらゆる場所でリアルタイムに感じることができる世
界を目指す「Kirari!®」の処理技術をさらに進化させ、中継元の被写体の映像と3次元位置情報を処理・伝送
するとともに、中継先の擬似3D表示において被写体の奥行き方向の動きを知覚させる手法を開発しました。
これにより、中継先において被写体が3次元的に動いているような視聴体験を実現しました。
・物体が変形しても同一物体であると認識することで、在庫管理の効率化や、レジ打ち業務の省力化等を実現
する、変形対応アングルフリー物体検索技術等、より自然に社会へ溶け込む、ナチュラルなAIを開発しまし
た。
・電子端末だけでなく日常のあらゆるモノをデバイスとして、よりナチュラルに情報を伝える、新しい研究
「Point of Atmosphere」を立ち上げました。
○ 最先端研究の推進
・IoT/5Gサービスの本格的な普及に向け、大容量光ネットワークの更なる進化が期待されているなか、独自の
デジタル信号処理技術と超広帯域な光デバイス技術を新たに開発し、1波長あたりのチャンネル容量を現在の
実用システムの10倍以上高速化することで、毎秒1テラビット容量の長距離波長多重光伝送実験に世界で初め
て成功しました。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
・LTEやWi-Fiのおよそ100倍、5Gの5倍という大容量の無線伝送に2つの技術を用いて成功しました。まず、OAM多
重という新原理を用いた、毎秒100ギガビットの無線伝送に28GHz帯域において成功しました。加えて、国立大
学法人東京工業大学と共同で、より伝送帯域を拡大しやすい300GHz帯域において、毎秒100ギガビットの無線
伝送が可能な超高速ICを開発しました。
・光の物理的性質を用いて難問を解く新しいコンピュータ「光イジングマシンLASOLV」の研究開発を進め、創
薬・渋滞解消・AIの学習機能への応用が期待できる、様々な種類の組み合わせ最適化問題に対応しました。
・身の回りのものがインターネットに繋がりデバイス化していくことを見据え、存在を意識させることなく周囲
に馴染む「透ける電池」を提案し、電池として動作することを確認しました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度のNTTグループの営業収益は11兆8,798億円(前期比0.8%増)となりまし
た。また、営業費用は10兆1,860億円(前期比0.4%増)となりました。この結果、営業利益は1兆6,938億円(前期比
3.2%増)、また、税引前利益は1兆6,719億円(前期比3.9%減)、当社に帰属する当期利益は8,546億円(前期比
4.8%減)となりました。
また、2019年度の連結業績については、営業収益は11兆8,300億円、営業利益は1兆5,500億円、税引前利益は1兆
5,690億円、当社に帰属する当期利益は8,550億円を予想しております。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
当連結会計年度における各事業セグメントの経営成績等は次のとおりです。
■移動通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2018年4月1日~2019年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 47,623 48,408 786 1.7%
営業費用 37,753 38,272 519 1.4%
営業利益 9,870 10,136 267 2.7%
契約数 (単位:千契約)
前連結会計年度 当連結会計年度 増 減 増減率
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
携帯電話サービス 76,370 78,453 2,083 2.7%
(再掲)カケホーダイ&パケあえる 41,964 45,793 3,829 9.1%
LTE(Xi)サービス 50,097 55,872 5,775 11.5%
FOMAサービス 26,273 22,581 △3,692 △14.1%
(注) 携帯電話サービス契約数、LTE(Xi)サービス契約数及びFOMAサービス契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記
載しております。
移動通信事業では、料金プラン「docomo with」や「ドコモ光」の販売を推進したほか、スマートライフ領域にお
いては、様々な事業者とのコラボレーションを推進し、新たな付加価値の提供に取り組みました。
《主な取り組み内容》
○ バーコードやQRコードを利用した新たなスマートフォン決済サービス「d払い」取扱い店舗の拡大や、国内だけ
でなく海外における「dポイント」の取扱い店舗の拡大に努めました。その結果、「dポイントクラブ」の会員
数は7,015万人、「dポイントカード」登録数は3,372万人となりました。
○ 来店予約の拡大、説明方法の見直し、Web応対の強化等により、ドコモショップでのお客さまの待ち時間・応対
時間の短縮に努めました。
○ スマートフォンから取得した情報を通じてAIがお勧めの保険を提示する仕組みを確立し、「ケータイする保
険」から「ケータイに任せる保険」への進化をめざし、東京海上日動火災保険株式会社と「保険レコメンデー
ションのAI化」「保険プロセスのフルデジタル化」に向けた検討を開始することについて合意しました。
○ 耳の聞こえづらいお客さま向けに、通話相手の発話内容を画面上に文字で表示する「みえる電話」の提供を開
始しました。
○ AGC株式会社と共同で、景観を損ねずに既存窓ガラスの室内側から貼り付けができる、電波送受信が可能なガラ
スアンテナを世界で初めて開発しました。
以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、4兆8,408億円(前期比
1.7%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、3兆8,272億円(前期比1.4%増)となりました。この
結果、当連結会計年度の営業利益は、1兆136億円(前期比2.7%増)となりました。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
■地域通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2018年4月1日~2019年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 32,316 31,523 △792 △2.5%
営業費用 28,800 27,916 △884 △3.1%
営業利益 3,516 3,607 91 2.6%
契約数 (単位:千契約)
前連結会計年度 当連結会計年度 増 減 増減率
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
フレッツ光(コラボ光含む) 20,533 21,078 545 2.7%
NTT東日本 11,491 11,880 389 3.4%
NTT西日本 9,041 9,197 156 1.7%
(再)コラボ光 11,117 12,690 1,573 14.1%
NTT東日本 6,602 7,470 868 13.1%
NTT西日本 4,515 5,220 705 15.6%
ひかり電話 18,032 18,244 212 1.2%
NTT東日本 9,558 9,759 201 2.1%
NTT西日本 8,474 8,485 11 0.1%
(注)1.「フレッツ光(コラボ光含む)」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレ
ッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレ
ッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」「フレッツ 光ライト」及び「フレッ
ツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて
記載しております。
2. ひかり電話は、チャネル数(単位:千)を記載しております。また、NTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供
しているサービスを含めて記載しております。
地域通信事業では、光アクセスサービス等を様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」や、地域社
会・経済の活性化に向けたソリューションビジネスの強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○ 「光コラボレーションモデル」において、社会インフラ事業を営む事業者に対し、移転等を契機に電気・ガ
ス・光サービスを一元的にエンドユーザへ提供するモデルを展開する等、異業種との協業が広がりました。こ
うした取り組みにより、卸サービスを提供している事業者数は当連結会計年度末時点で約750社となり、同モデ
ルによる光アクセスサービスの契約数は1,269万契約となりました。
○ 生産現場を「見える化」できる「工場向けIoTパッケージ」の提供を開始しました。本パッケージの導入によ
り、製造機械の稼働データ蓄積やアラート通知による異常停止の早期発見、異常停止時のネットワークカメラ
による映像記録が可能となり、作業工程の見直しや従業員のスキル継承等、現場の生産性向上、作業の省力
化、人材育成を実現しました。
○ 「地域創生クラウド」構想の実現に向けた第一歩として、自治体が抱える産業活性化、雇用創出、高齢化対策
等への対応や、人手不足に陥りがちな地域企業が求める仕事の効率化等の実現をめざし、日本マイクロソフト
株式会社と、自治体向けクラウドサービス基盤の導入・展開における協業を開始しました。
○ 「災害用伝言ダイヤル(171)」「災害用伝言板(web171)」の効果的な利用促進に向け、体験利用期間を設定
しました。また、東京都豊島区帰宅困難者対策訓練において、ホテルに避難した外国人に対し、災害情報等を
簡単に母国語表示するサービスを、株式会社アクアビットスパイラルズと共同で提供しました。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、3兆1,523億円(前期比
2.5%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、2兆7,916億円(前期比3.1%減)となりました。この
結果、当連結会計年度の営業利益は、3,607億円(前期比2.6%増)となりました。
■長距離・国際通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2018年4月1日~2019年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 22,422 22,787 365 1.6%
営業費用 21,516 21,785 269 1.3%
営業利益 906 1,001 96 10.6%
長距離・国際通信事業では、ネットワーク、セキュリティ等を組み合わせたICTソリューションの提供力を強化し
たほか、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○ 対話型自然言語解析AIエンジン「COTOHA® Virtual Assistant」をはじめとする対話型AIや、「WinActor®」等
のRPAを組み合わせ、コンタクトセンターの応対から事務処理までのプロセス全体を自動化し、生産性を大幅に
向上させる「コンタクトセンターDXソリューション」を提供しました。これにより、従来の「ヒト」が主体と
なって対応するコンタクトセンターに代わり、「AI+RPA」が主体で対応し業務を完結できる環境を実現しまし
た。
○ お客さまのセキュリティニーズに包括的に対応するため、アプリケーションセキュリティの先進的事業者であ
る、米国のWhiteHat Security, Inc.を完全子会社化する契約を締結しました。
○ 世界各地でのクラウドサービスやデータセンターの需要に対応するため、市場拡大の続く各国において、サー
ビス提供体制の拡充を進めました。また、NTTグループのデータセンターの建設・保有・設備卸提供をグローバ
ルで一元的に実施することを目的に、投資子会社を設立しました。
以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、2兆2,787億円
(前期比1.6%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、2兆1,785億円(前期比1.3%増)となりまし
た。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,001億円(前期比10.6%増)となりました。
■データ通信事業セグメント
セグメント業績の概要(2018年4月1日~2019年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 20,452 21,636 1,184 5.8%
営業費用 19,220 20,159 939 4.9%
営業利益 1,232 1,477 245 19.9%
データ通信事業では、グローバルでのデジタルトランスフォーメーション等の加速や、ニーズの多様化・高度化に
対応するため、グローバル市場でビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したデジタル化の提案、システム
インテグレーション等の多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
《主な取り組み内容》
○ 地方公共団体や自治体とともに、「WinActor®」を活用した業務効率化や働き方改革に向けた研究・検証を実施
しました。その結果、特に個人住民税・法人市民税業務に係る定型作業の軽減効果や、AI-OCRによる様々な帳
票の読取制度の高さを確認し、当該ソリューションの実用性について公表しました。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
○ 国内最大の決済プラットフォームである「CAFIS」において、国内外の一次元バーコードやQRコードといった各
種コード決済を、小売業者が1台の決済端末又は1つのインターフェースで対応が可能となるサービスの開始を
決定しました。また、地方公共団体向けに、スマートフォンによるクレジットカード払いが可能となる「モバ
イルレジ公金クレジット収納サービス」を開始しました。さらに、APAC地域への電子決済事業の拡大に向け、
インドのAtom Technologies Limitedを子会社化することに合意する等、国内外に利便性・先進性の高い決済関
連サービスを提供する取り組みを推進しました。
○ デジタル領域を中心にサービス提供力の更なる強化に向けて、英国のMagenTys Holdings Limitedやドイツの
Sybit GmbH、カナダのSierra Systems Group, Inc.等を子会社化しました。
以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、2兆1,636億円(前期比
5.8%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、2兆159億円(前期比4.9%増)となりました。この結
果、当連結会計年度の営業利益は、1,477億円(前期比19.9%増)となりました。
■その他の事業セグメント
セグメント業績の概要(2018年4月1日~2019年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 12,146 12,403 257 2.1%
営業費用 11,159 11,546 387 3.5%
営業利益 987 856 △131 △13.2%
その他の事業では、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業に係るサービスを提供しまし
た。
《主な取り組み内容》
○ 不動産事業
国際ビジネスセンターとしての機能強化を推進している東京都千代田区大手町に、国内最高水準の通信環境
や、国際会議にも対応可能な大規模ホール等を備えた「大手町プレイス」を竣工しました。また、NTTグループ
の不動産事業を一元的に担う、街づくり事業推進会社の創設に向けた準備を進めました。
○ 金融事業
ICT機器の普及や、環境・教育・医療分野を中心とした社会的課題の解決に向け、リース・ファイナンス等の金
融サービスを展開しました。また、通信サービス料金等の請求・回収、クレジットカードの決済サービスの提
供を行いました。
○ 建築・電力事業
ICT・エネルギー・建築の技術を最大限に融合・活用し、南相馬川房発電・メガソーラー発電所をはじめとした
太陽光発電所を竣工する等、自然エネルギーの活用や限りあるエネルギーを効率的にムダなく使う街づくり、
自然災害等のリスクに強い安心・安全な街づくりに取り組みました。
○ システム開発事業
最適で高品質なICTサービスを提供するため、ネットワークの運用システムやアプリケーションサービスの開発
等に取り組んだほか、IoT、ビッグデータ、AI等、先端技術を活用したソリューション開発等に取り組みまし
た。
以上の取り組みの結果、その他の事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、1兆2,403億円(前期比
2.1%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、1兆1,546億円(前期比3.5%増)となりました。この
結果、当連結会計年度の営業利益は、856億円(前期比13.2%減)となりました。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度における休日影響を除いた場合の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、2兆3,979億円の収入
です。前期比では、3,753億円(13.5%)減少していますが、これは前期における仲裁裁定金収入や、当期における
営業債権等の回収の減少などによるものです。なお、当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロ
ー」は、2兆4,062億円となります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」については、1兆7,741億円の支出です。前期比では、280億円(1.6%)支
出が増加しておりますが、これは、出資による支出が増加したことなどによるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」については、5,843億円の支出です。前期比では、3,840億円(39.7%)支
出が減少していますが、これは、借入債務が増加したことなどによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における休日影響を除いた場合のNTTグループの「現金及び現金同等物の残高」
は、前連結会計年度末と比較して429億円(3.8%)増加し、1兆1,698億円です。なお、当連結会計年度末における
「現金及び現金同等物の残高」は9,461億円となります。
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月1日から (2018年4月1日から 増 減 増減率
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業活動によるキャッシュ・フロー 25,413 24,062 △1,351 △5.3%
営業活動によるキャッシュ・フロー
27,732 23,979 △3,753 △13.5%
(休日影響(注)1,2を除く)
投資活動によるキャッシュ・フロー △17,462 △17,741 △280 △1.6%
財務活動によるキャッシュ・フロー △9,683 △5,843 3,840 39.7%
現金及び現金同等物の期末残高 8,950 9,461 511 5.7%
現金及び現金同等物の期末残高
11,269 11,698 429 3.8%
(休日影響(注)1,3を除く)
(注)1.前期末日が休日だったことから、通信サービス料金等の支払期限が月末から翌月初に後倒しとなった影響
2,319億円。
2.前期末日及び当期末日が休日だったことから、通信サービス料金等の支払期限が月末から翌月初に後倒し
となった影響83億円。
3.当期末日が休日だったことから、通信サービス料金等の支払期限が月末から翌月初に後倒しとなった影響
2,237億円。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
NTTグループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上等を目的として、2018年度第1四半期から
国際財務報告基準(IFRS)を適用しております。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結財政状態計算書
(単位:百万円)
IFRS移行日 前連結会計年度末 当連結会計年度末
(2017年4月1日) (2018年3月31日) (2019年3月31日)
(資産の部)
流動資産
現金及び現金同等物(※) 1,075,773 895,003 946,134
営業債権及びその他の債権(※) 3,623,577 4,022,227 4,391,434
その他の金融資産 167,410 123,344 117,753
棚卸資産 326,718 354,181 331,634
その他の流動資産 383,506 474,405 550,487
小計 5,576,984 5,869,160 6,337,442
売却目的で保有する資産 - - 242,524
流動資産合計 5,576,984 5,869,160 6,579,966
非流動資産
有形固定資産 8,719,755 8,812,174 9,012,947
のれん 881,292 841,283 886,531
無形資産 1,609,598 1,589,448 1,627,762
投資不動産 992,317 1,002,301 967,006
持分法で会計処理されている投資 528,981 539,342 298,261
その他の金融資産 1,010,546 1,068,799 1,138,502
繰延税金資産 1,243,283 1,173,946 1,124,467
その他の非流動資産 660,971 644,991 659,704
非流動資産合計 15,646,743 15,672,284 15,715,180
資産合計 21,223,727 21,541,444 22,295,146
※前連結会計年度末及び当連結会計年度末については、末日が休日であり、通信サービス料金等の支払期限が翌月初
に後倒しになっており、これにより、現金及び現金同等物がそれぞれ231,929百万円、223,672百万円減少し、営業
債権及びその他の債権が同額増加しています。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(単位:百万円)
IFRS移行日 前連結会計年度末 当連結会計年度末
(2017年4月1日) (2018年3月31日) (2019年3月31日)
(負債及び資本の部)
流動負債
短期借入債務 1,079,243 1,017,744 1,397,545
営業債務及びその他の債務 1,797,544 1,811,723 2,092,479
その他の金融負債 45,727 50,711 44,305
未払人件費 450,360 455,007 468,216
未払法人税等 233,817 240,670 237,282
その他の流動負債 958,862 1,046,582 988,244
流動負債合計 4,565,553 4,622,437 5,228,071
非流動負債
長期借入債務 3,179,645 2,953,855 2,865,181
その他の金融負債 201,789 190,356 175,087
確定給付負債 1,876,845 1,860,524 1,878,013
繰延税金負債 99,038 74,095 61,189
その他の非流動負債 258,428 274,523 282,815
非流動負債合計 5,615,745 5,353,353 5,262,285
負債合計 10,181,298 9,975,790 10,490,356
資本
株主資本
資本金 937,950 937,950 937,950
資本剰余金 2,410,572 2,396,555 2,341,206
利益剰余金 5,468,245 6,125,957 5,954,305
自己株式 △375,223 △610,742 △150,635
その他の資本の構成要素 179,453 200,638 182,087
株主資本合計 8,620,997 9,050,358 9,264,913
非支配持分 2,421,432 2,515,296 2,539,877
資本合計 11,042,429 11,565,654 11,804,790
負債及び資本合計 21,223,727 21,541,444 22,295,146
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月 1日から (2018年4月 1日から 増 減 (△)
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業収益 11,782,148 11,879,842 97,694
営業費用
人件費 2,393,358 2,391,617 △1,741
経費 5,833,866 5,917,693 83,827
減価償却費 1,346,931 1,333,647 △13,284
固定資産除却費 154,161 172,167 18,006
減損損失 177,869 126,398 △51,471
のれん 34,119 39,443 5,324
メタルケーブル関連 124,800 66,003 △58,797
その他 18,950 20,952 2,002
租税公課 234,877 244,487 9,610
営業費用合計 10,141,062 10,186,009 44,947
営業利益 1,641,086 1,693,833 52,747
金融収益 43,964 24,465 △19,499
金融費用 97,183 36,362 △60,821
仲裁裁定金収入 147,646 - △147,646
持分法による投資損益 4,966 △10,075 △15,041
税引前利益 1,740,479 1,671,861 △68,618
法人税等 533,780 533,174 △606
当期利益 1,206,699 1,138,687 △68,012
当社に帰属する当期利益 897,887 854,561 △43,326
非支配持分に帰属する当期利益 308,812 284,126 △24,686
当社に帰属する1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 449.86 440.25
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月 1日から (2018年4月 1日から 増 減 (△)
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
当期利益 1,206,699 1,138,687 △68,012
その他の包括利益(税引後)
損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値測定する
- 5,967 5,967
金融資産の公正価値変動額
持分法適用会社のその他の包括利益に対する
△432 △4,637 △4,205
持分
確定給付制度の再測定 32,710 △13,250 △45,960
損益に振り替えられることのない項目合計 32,278 △11,920 △44,198
損益に振り替えられる可能性のある項目
未実現有価証券評価損益 15,602 - △15,602
キャッシュ・フロー・ヘッジ 2,257 △2,784 △5,041
外貨換算調整額 △23,098 2,791 25,889
持分法適用会社のその他の包括利益に対する
41,258 △12,025 △53,283
持分
損益に振り替えられる可能性のある項目合計 36,019 △12,018 △48,037
その他の包括利益(税引後)合計 68,297 △23,938 △92,235
当期包括利益合計 1,274,996 1,114,749 △160,247
当社に帰属する当期包括利益 950,302 826,154 △124,148
非支配持分に帰属する当期包括利益 324,694 288,595 △36,099
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(3)連結持分変動計算書
前連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)
(単位:百万円)
株主資本
その他の 非支配持分 資本合計
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 資本の 合計
構成要素
2017年4月1日 937,950 2,410,572 5,468,245 △375,223 179,453 8,620,997 2,421,432 11,042,429
当期包括利益
当期利益 - - 897,887 - - 897,887 308,812 1,206,699
その他の包括利益 - - - - 52,415 52,415 15,882 68,297
当期包括利益合計 - - 897,887 - 52,415 950,302 324,694 1,274,996
株主との取引額等
剰余金の配当 - - △271,405 - - △271,405 △126,494 △397,899
利益剰余金への振替 - - 31,230 - △31,230 - - -
自己株式の取得及び処分 - 1 - △235,519 - △235,518 - △235,518
支配継続子会社に対する持分変動 - △22,467 - - - △22,467 △104,336 △126,803
株式に基づく報酬取引 - △7,315 - - - △7,315 - △7,315
非支配持分に付与されたプット・
- 15,764 - - - 15,764 - 15,764
オプション
株主との取引額等合計 - △14,017 △240,175 △235,519 △31,230 △520,941 △230,830 △751,771
2018年3月31日 937,950 2,396,555 6,125,957 △610,742 200,638 9,050,358 2,515,296 11,565,654
当連結会計年度(2018年4月1日から2019年3月31日まで)
(単位:百万円)
株主資本
その他の 非支配持分 資本合計
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 資本の 合計
構成要素
2018年3月31日 937,950 2,396,555 6,125,957 △610,742 200,638 9,050,358 2,515,296 11,565,654
IFRS第9号「金融商品」適用による
- - 14,033 - △2,432 11,601 7,565 19,166
累積的影響額
2018年4月1日 937,950 2,396,555 6,139,990 △610,742 198,206 9,061,959 2,522,861 11,584,820
当期包括利益
当期利益 - - 854,561 - - 854,561 284,126 1,138,687
その他の包括利益 - - - - △28,407 △28,407 4,469 △23,938
当期包括利益合計 - - 854,561 - △28,407 826,154 288,595 1,114,749
株主との取引額等
剰余金の配当 - - △313,605 - - △313,605 △142,171 △455,776
利益剰余金への振替 - - △8,383 - 8,383 - - -
非金融資産等への振替 - - - - 3,905 3,905 - 3,905
自己株式の取得及び処分 - 0 - △258,153 - △258,153 - △258,153
自己株式の消却 - △2 △718,258 718,260 - - - -
支配継続子会社に対する持分変動 - △61,233 - - - △61,233 △135,038 △196,271
株式に基づく報酬取引 - △6,589 - - - △6,589 - △6,589
非支配持分に付与されたプット・
- 12,475 - - - 12,475 5,630 18,105
オプション
株主との取引額等合計 - △55,349 △1,040,246 460,107 12,288 △623,200 △271,579 △894,779
2019年3月31日 937,950 2,341,206 5,954,305 △150,635 182,087 9,264,913 2,539,877 11,804,790
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月 1日から (2018年4月 1日から 増 減 (△)
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
営業活動によるキャッシュ・フロー
当期利益 1,206,699 1,138,687 △68,012
減価償却費 1,346,931 1,333,647 △13,284
減損損失 177,869 126,398 △51,471
持分法による投資損益(△は益) △4,966 10,075 15,041
固定資産除却損 69,591 85,703 16,112
固定資産売却益 △12,556 △10,142 2,414
法人税等 533,780 533,174 △606
営業債権及びその他の債権の増減(△は増加
△395,972 △338,018 57,954
額)(※)
棚卸資産の増減(△は増加額) △44,770 1,572 46,342
その他の流動資産の増減(△は増加額) △36,754 △11,538 25,216
営業債務及びその他の債務・未払人件費の増減
70,900 99,452 28,552
(△は減少額)
その他の流動負債の増減(△は減少額) 111,414 12,511 △98,903
確定給付負債の増減(△は減少額) 18,596 834 △17,762
その他の非流動負債の増減(△は減少額) 12,371 4,359 △8,012
その他 49,599 15,359 △34,240
小計 3,102,732 3,002,073 △100,659
利息及び配当金の受取額 58,634 56,889 △1,745
利息の支払額 △45,461 △39,416 6,045
法人税等の支払額 △574,635 △613,389 △38,754
営業活動によるキャッシュ・フロー 2,541,270 2,406,157 △135,113
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2017年4月 1日から (2018年4月 1日から 増 減 (△)
2018年3月31日まで) 2019年3月31日まで)
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得
△1,748,113 △1,672,350 75,763
による支出
投資の取得による支出 △251,295 △65,623 185,672
投資の売却または償還による収入 268,370 55,178 △213,192
子会社の支配獲得による支出 △9,057 △107,264 △98,207
その他 △6,090 15,923 22,013
投資活動によるキャッシュ・フロー △1,746,185 △1,774,136 △27,951
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入債務の収支(△は支出) △2,370 486,124 488,494
長期借入債務の増加による収入 449,857 434,922 △14,935
長期借入債務の返済による支出 △636,853 △627,680 9,173
非支配持分からの子会社持分取得による支出 △132,431 △164,415 △31,984
配当金の支払額 △271,405 △313,605 △42,200
非支配持分への配当金の支払額 △126,366 △142,020 △15,654
自己株式の取得による支出 △235,570 △258,215 △22,645
その他 △13,141 623 13,764
財務活動によるキャッシュ・フロー △968,279 △584,266 384,013
現金及び現金同等物に係る換算差額 △7,576 3,376 10,952
現金及び現金同等物の増減額(△は減少額) △180,770 51,131 231,901
現金及び現金同等物の期首残高(※) 1,075,773 895,003 △180,770
現金及び現金同等物の期末残高(※) 895,003 946,134 51,131
※前連結会計年度末及び当連結会計年度末については、末日が休日であり、通信サービス料金等の支払期限が翌月初
に後倒しになっており、これにより、現金及び現金同等物がそれぞれ231,929百万円、223,672百万円減少し、営業
債権及びその他の債権が同額増加しています。詳細については、「1.経営成績等の概況」の「(2)当期の財政状態
の概況」をご参照ください。
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(5)継続企業の前提に関する注記
該当事項はありません。
(6)連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項
重要な会計方針
1.連結財務諸表の作成基準
当連結会計年度より、国際財務報告基準(以下「IFRS」)に準拠して作成しています。IFRSへの移行日は2017
年4月1日です。
2.金融資産
分類及び認識・測定
金融資産を、当初認識時に(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産及び(c)損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。NTTグループでは、それぞ
れ契約当事者になった日に当初認識しています。また、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の
権利が消滅した場合、または金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融
資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、金融資産の認識を中止
し、連結財政状態計算書から除いています。
(a)償却原価で測定する金融資産
貸付金等の負債性金融商品のうちで、次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融
資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を目的とする事業モデルのなかで保有している。
・契約条件に基づいて、特定の日に元本及び利息のみのキャッシュ・フローを生じさせる。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引費用を加算して
測定しています。なお、提供した財又はサービスに対する対価の支払時期等を考慮すると、貨幣の時間価
値に重要性がないことから、重大な金融要素を含まない営業債権については、取引価格で当初測定してい
ます。
また、当初認識後は実効金利法に基づき算定した総額の帳簿価額から損失評価引当金を控除した償却原
価で測定しています。
(b-1)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(負債性金融商品)
社債等の負債性金融商品のうちで、次の条件がともに満たされる負債性金融商品をその他の包括利益を
通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方を目的とする事業モデルのなかで保有し
ている。
・契約条件に基づいて、特定の日に元本及び利息のみのキャッシュ・フローを生じさせる。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起
因する取引費用を加算して測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を
その他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、売却等により認識を
中止した場合、その累計額を損益に振り替えています。
(b-2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(資本性金融商品)
株式等の資本性金融商品のうち、売買目的ではないものは、当初認識時に、その公正価値の事後的な変
動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、NTTグループでは
金融商品ごとに当該指定を行っています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、当初認識時に公正価値にその取得に
直接起因する取引費用を加算して測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な
変動をその他の包括利益として認識しています。「その他の資本の構成要素」に累積したその他の包括利
益は、認識を中止した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、損益には振り替えていません。
なお、配当については損益として認識しています。
(c)損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ等の(a)(b-1)(b-2)以外の金融資産は、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類
しています。
損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起
因する取引費用は、発生時に損益として認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事
後的な変動を損益として認識しています。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
減損
NTTグループは、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
(負債性金融商品)、リース債権、契約資産及び金融保証契約並びに貸出コミットメントについて、下記に基
づき、減損損失(損失評価引当金)の額を算定しています。
・期末日時点で、金融資産にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、報告日後
12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じると予想される信用損失(12ヵ月の予想信用損失)により損失
評価引当金の額を算定しています。
・期末日時点で、金融資産にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商
品の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損
失)により損失評価引当金の額を算定しています。
ただし、リース債権、並びに重大な金融要素を含まない営業債権及び契約資産については、上記に関わら
ず、常に全期間の予想信用損失により損失評価引当金の額を算定しています。
3.棚卸資産
評価基準
棚卸資産は、通信端末機器、材料品、仕掛品、及び貯蔵品で構成されており、取得原価と正味実現可能価額
(NTTグループが通常の事業の過程における見積販売価格から、販売に要する見積費用を控除して算定した金
額)のいずれか低い価額で測定しています。
評価方法
通信端末機器及び材料品の原価は、先入先出法により評価しています。仕掛品の原価は、主として顧客との
契約に基づくソフトウェア製作及び販売用不動産の建築に関して発生した人件費及び委託費等を含む未完成の
製造原価です。貯蔵品の原価は、総平均法または個別法により評価しています。
4.のれん
償却を行わず、各年度の一定時期に減損テストを実施しており、取得原価から減損損失累計額を控除した金額
で計上しています。
5.有形固定資産、無形資産及び投資不動産
測定方法
原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。
減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法
(2) 無形資産
定額法(ただし、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産については、償却を
行わず、各年度の一定時期に減損テストを実施しています。)
(3) 投資不動産
定額法
6.引当金
引当金は、NTTグループが過去の事象の結果として、現在の法的債務または推定的債務を負い、債務の決済を
要求される可能性が高く、かつその債務の金額について信頼性のある見積りが可能な場合に認識しています。
引当金は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率を用いて、期末日における債務に関するリスクと不確実性
を考慮に入れた見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて測定しています。NTTグループは引当金と
して、主に資産除去債務、環境対策引当金及びポイントプログラム引当金を認識しています。
7.確定給付負債
確定給付制度に関連して認識する負債(確定給付負債)は、期末日現在の確定給付制度債務の現在価値から、
制度資産の公正価値を控除したものです。
確定給付負債と資産の純額の再測定によって生じる変動は数理計算上の差異及び制度資産に係る収益(利息額
に含まれる金額を除く)から構成され、その他の包括利益として認識し、直ちにその累計額を「その他の資本の
構成要素」から利益剰余金に振り替えています。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
8.収益
NTTグループにおける主要なサービスは、固定音声関連サービス、移動音声関連サービス、IP系・パケット通
信サービス、システムインテグレーションサービス、通信端末機器販売及びその他のサービスです。
これらについて、IFRS第9号に基づく利息・配当収益やIFRS第4号に基づく保険料収入等を除き、以下の5ステ
ップアプローチに基づき、顧客に移転する財やサービスとの交換により、その権利を得ると見込む金額を収益と
して認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
また、顧客との契約獲得のための増分コスト及び履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分につい
て資産として認識しています。
9.消費税等
税抜方式によっています。
(7)会計方針の変更
NTTグループは、当期首(2018年4月1日)より、IFRS第9号「金融商品」(2014年7月公表)を適用しています。
IFRS第9号による会計方針の変更は、IFRS第1号の免除規定に基づき、過去の期間について修正再表示は行ってい
ません。IFRS移行日及び前連結会計年度は、米国において一般に公正妥当と認められる会計基準(以下、米国会計
基準)に準拠しています。
当該会計方針の変更に伴い、従来米国会計基準では公正価値が容易に算定可能ではない資本性金融商品について
は、原価法で測定していましたが、当期首より公正価値で測定することとし、IFRS第1号の免除規定に基づきIFRS
第9号適用時点にその公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行った上
で、その変動を連結包括利益計算書のその他の包括利益として認識しています。
当該変更による連結財政状態計算書への影響
(単位:百万円)
IFRS第9号に基づく
勘定科目 前期末残高
当期首残高 修正要因
(米国会計基準に基づく分類) (2018年3月31日)
(2018年4月1日)
非流動資産
その他の金融資産 未上場株式の公正価値
54,364 67,258
(原価法による投資) 測定による影響
上記修正要因を除き、当該会計方針の変更による影響は軽微です。
IFRS第9号の適用による当期首時点における主な累積的影響額
(単位:百万円)
勘定科目 増減
持分法で会計処理されている投資 4,993
その他の金融資産(非流動) 20,883
繰延税金資産 △5,912
繰延税金負債 963
利益剰余金 14,033
その他の資本の構成要素 △2,432
非支配持分 7,565
また、当連結会計年度の「当期利益」及び「基本的1株当たり当期利益」への影響は軽微です。
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(8)セグメント情報等
① 営業収益
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
2017年4月 1日から 2018年4月 1日から 増 減(△)
2018年3月31日まで 2019年3月31日まで
移 動 通 信 事 業
外部顧客に対するもの 4,699,842 4,774,711 74,869
セグメント間取引 62,425 66,138 3,713
小 計 4,762,267 4,840,849 78,582
地 域 通 信 事 業
外部顧客に対するもの 2,585,194 2,463,941 △121,253
セグメント間取引 646,386 688,391 42,005
小 計 3,231,580 3,152,332 △79,248
長距離・国際通信事業
外部顧客に対するもの 2,139,723 2,162,563 22,840
セグメント間取引 102,484 116,128 13,644
小 計 2,242,207 2,278,691 36,484
デ ー タ 通 信 事 業
外部顧客に対するもの 1,927,244 2,037,782 110,538
セグメント間取引 117,966 125,843 7,877
小 計 2,045,210 2,163,625 118,415
そ の 他 の 事 業
外部顧客に対するもの 430,145 440,845 10,700
セグメント間取引 784,438 799,425 14,987
小 計 1,214,583 1,240,270 25,687
セグメント間取引消去 △1,713,699 △1,795,925 △82,226
合 計 11,782,148 11,879,842 97,694
② セグメント別損益
(単位 百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
2017年4月 1日から 2018年4月 1日から 増 減(△)
2018年3月31日まで 2019年3月31日まで
セグメント利益
移 動 通 信 事 業 986,981 1,013,644 26,663
地 域 通 信 事 業 351,608 360,726 9,118
長距離・国際通信事業 90,560 100,148 9,588
デ ー タ 通 信 事 業 123,218 147,717 24,499
そ の 他 の 事 業 98,686 85,624 △13,062
合 計 1,651,053 1,707,859 56,806
セグメント間取引消去 △9,967 △14,026 △4,059
営 業 利 益 1,641,086 1,693,833 52,747
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③ セグメント別資産
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
増 減(△)
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
総 資 産
移 動 通 信 事 業 7,654,418 7,340,543 △313,875
地 域 通 信 事 業 6,831,933 6,884,134 52,201
長距離・国際通信事業 2,775,204 2,994,007 218,803
デ ー タ 通 信 事 業 2,346,791 2,548,369 201,578
そ の 他 の 事 業 10,951,797 11,546,523 594,726
合 計 30,560,143 31,313,576 753,433
セグメント間取引消去 △9,018,699 △9,018,430 269
合 計 21,541,444 22,295,146 753,702
④ その他の重要事項
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
2017年4月 1日から 2018年4月 1日から 増 減(△)
2018年3月31日まで 2019年3月31日まで
減 価 償 却 費
移 動 通 信 事 業 486,550 470,922 △15,628
地 域 通 信 事 業 454,977 447,984 △6,993
長距離・国際通信事業 167,837 178,424 10,587
デ ー タ 通 信 事 業 153,886 153,577 △309
そ の 他 の 事 業 84,557 90,943 6,386
合 計 1,347,807 1,341,850 △5,957
セグメント間取引消去 △876 △8,203 △7,327
合 計 1,346,931 1,333,647 △13,284
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
2017年4月 1日から 2018年4月 1日から 増 減(△)
2018年3月31日まで 2019年3月31日まで
設 備 投 資 額
移 動 通 信 事 業 577,037 593,749 16,712
地 域 通 信 事 業 549,649 540,997 △8,652
長距離・国際通信事業 234,977 244,326 9,349
デ ー タ 通 信 事 業 194,814 179,214 △15,600
そ の 他 の 事 業 141,465 138,672 △2,793
合 計 1,697,942 1,696,958 △984
(注)設備投資額は、有形固定資産及び無形固定資産の取得に要した発生主義ベースでの把握金額を記載して
おり、連結キャッシュ・フロー計算書上の「有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得による支
出」の金額とは、以下の差額が生じております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度 増 減(△)
有形固定資産・無形資産及び投資不動産の
1,748,113 1,672,350 △75,763
取得による支出
設備投資額(合計)との差額 50,171 △24,608 △74,779
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(9)重要な後発事象
当社の自己株式の取得に係る決議
2019年5月10日、当社の取締役会は、2019年5月13日から2019年7月31日における、発行済普通株式総数5,300万
株、取得総額250,000百万円の自己株式の取得枠に係る決議をしました。
子会社の自己株式の取得に係る決議
2019年4月26日、NTTドコモの取締役会は、2019年5月7日から2020年4月30日における、発行済普通株式総数1億
2,830万株、取得総額300,000百万円の自己株式の取得枠に係る決議をしました。
関連会社株式の売却について
NTTグループは、2019年3月31日において、三井住友カード株式会社(以下「三井住友カード」)の発行済普通株式
(自己株式を除く)の34%を保有しています。三井住友カードは、非上場のクレジットカード事業者です。
2005年7月、当社の子会社であるNTTドコモは、三井住友カード、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以
下「SMFG」)及び株式会社三井住友銀行との間で、「おサイフケータイ」を利用したクレジット決済サービス事業
の共同推進を中心とした業務提携に関する契約を締結し、三井住友カードに出資するとともに、持分法を適用しま
した。
2018年9月、NTTドコモは三井住友カード及びSMFGとの間で、当社が保有する三井住友カードの株式の全てを2019
年4月にSMFGに売却することで合意いたしました。
このため、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に基づき、NTTグループは三井住友カー
ドへの投資を「持分法で会計処理されている投資」から「売却目的で保有する資産」に組替えました。これに伴
い、これ以後の持分法の適用を中止し、その後は帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方で測定
しています。この結果、当連結会計年度末においては、持分法の適用を中止した時点の帳簿価額で計上していま
す。
2019年3月31日における、三井住友カードへの投資に係る「売却目的で保有する資産」の帳簿価額は、234,160百
万円です。
2019年4月1日、NTTドコモは、当社が保有する三井住友カードの株式の全てをSMFGに売却しました。なお、「売
却目的で保有する資産」に関連するその他の包括利益の累計額(税引後)は30,620百万円(貸方)であり、当連結
会計年度末における連結財政状態計算書上、「その他の資本の構成要素」に含まれています。このすべては、「そ
の他の包括利益を通じて公正価値測定する金融資産の公正価値変動額」であり、当該資産の売却の時点で、損益に
計上されることはなく、直接、利益剰余金に振り替えられます。売却に伴う連結損益計算書への重要な影響はあり
ません。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
(10)初度適用
IFRSに基づく財務報告への移行
NTTグループはこの連結財務諸表よりIFRSに準拠して作成しています。
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する会社に対して遡及的にIFRSを適用することを求めています。ただし、IFRS
第1号では、一部の基準は遡及適用が例外的に禁止され、IFRS移行日から将来に向かって適用することとされてい
ます。また、IFRS第1号では、IFRSで要求される基準の一部について、任意に免除規定を適用できるとされていま
す。これらの規定の適用により発生した影響は、IFRSへの移行日で認識し、影響額を利益剰余金または「その他の
資本の構成要素」で調整しています。
NTTグループが適用したIFRS第1号に規定されている任意の免除規定のうち主な項目は、以下のとおりです。
① 企業結合
NTTグループは、2002年4月1日よりも前に生じた企業結合にIFRS第3号を遡及適用していません。2002年4月1日
よりも前に生じた企業結合によるのれんの金額は、米国会計基準に基づく帳簿価額により認識しています。な
お、IFRS移行日前の企業結合により生じたのれんについては、減損の兆候の有無に関わらず、IFRS移行日時点で
減損テストを実施しています。
② みなし原価
NTTグループは、一部の有形固定資産及び投資不動産について、IFRS移行日現在の公正価値を当該日における
取得原価とするみなし原価を使用しています。
③ 営業収益
NTTグループは、IFRS第15号C5項(d)に規定された実務上の便法を使用し、IFRS第15号を遡及適用しています。
基準の定めに従い、翌年度以降に提供する財やサービスの対価の金額及び当該金額をいつ収益として認識すると
見込んでいるかの説明のうち、IFRS移行日及び前連結会計年度に関する情報を省略しています。
④ IFRS第9号適用における比較情報修正再表示の免除
NTTグループは、IFRS移行日及び前連結会計年度においては、IFRS第9号の範囲に含まれる項目は、IFRS第9号
に準拠した修正再表示を行わず、従前の会計基準である米国会計基準に基づき認識・測定されています。
米国会計基準からIFRSへの調整
IFRSへ移行するにあたり、当社は米国会計基準に基づいて作成された連結財務諸表の金額を調整しています。米
国会計基準からIFRSへの移行がNTTグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は、以下
の調整表及び調整表に関する注記に記載しています。
なお、調整表の「表示組替」には資本及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には資
本及び包括利益に影響を及ぼす項目を表示しています。
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日本電信電話株式会社(9432) 2018年度 決算短信
IFRS移行日(2017年4月1日)の資本に対する調整
連結財政状態計算書 (単位:百万円)
認識・測定の
米国会計基準表示科目 米国会計基準 表示組替 IFRS IFRS表示科目
差異
資産の部 (資産の部)
流動資産 流動資産
現預金及び現金同等物 925,213 172,176 △21,616 1,075,773 現金及び現金同等物
短期投資 63,844 103,734 △168 167,410 その他の金融資産
営業債権及び
受取手形及び売掛金 2,699,708 932,534 △8,665 3,623,577
その他の債権
貸倒引当金 △48,626 48,626 - -
未収入金 505,145 △505,145 - -
棚卸資産 365,379 △7,767 △30,894 326,718 棚卸資産
前払費用及び
573,170 △208,786 19,122 383,506 その他の流動資産
その他の流動資産
繰延税金資産 228,590 △228,590 - -
流動資産合計 5,312,423 306,782 △42,221 5,576,984 流動資産合計
有形固定資産 非流動資産
電気通信機械設備 11,046,115 - - -
電気通信線路設