9432 NTT 2020-09-29 15:15:00
株式会社NTTドコモ株式等(証券コード9437)に対する公開買付けの開始及び資金の借入れに関するお知らせ [pdf]

                                                               2020 年9月 29 日
各 位
                                        会社名      日本電信電話株式会社
                                        代表者氏名    代表取締役社長 澤田 純
                                        (証券コード 9432   東証第一部)




                  株式会社NTTドコモ株式等(証券コード 9437)に対する
                   公開買付けの開始及び資金の借入れに関するお知らせ




日本電信電話株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、本日、株式会社NTTドコモ(株式会社東京証券取引所
(以下「東京証券取引所」といいます。
                 )市場第一部、証券コード:9437。以下「対象者」といいます。
                                               )の普通株式(以
下「対象者株式」といいます。
             )及び本米国預託証券(以下に定義されます。
                                 )を対象とする金融商品取引法(昭和 23 年法
律第 25 号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。
                              )に基づく公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
                                                        )
を実施することを決定しましたので、下記のとおりお知らせいたします。


 また、公開買付者は、本取引(以下に定義されます。)に要する資金の確保のため、資金の借入れを行うことを決定いた
しました。


                                  記


Ⅰ 本公開買付けについて
1.買付け等の目的等
(1)本公開買付けの概要
       公開買付者は、本日現在、東京証券取引所市場第一部に上場している対象者株式 2,137,733,200 株(所有割合
      (注1)66.21%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、割合の計算において、他の取り扱いを定めて
      いない限り同じです。)を所有し、対象者を連結子会社としております。
                )
  (注1)
     「所有割合」とは、対象者が 2020 年8月7日に提出した第 30 期第1四半期報告書(以下「対象者四半期報
         告書」といいます。
                 )に記載された 2020 年6月 30 日現在の対象者の発行済株式総数(3,228,629,406 株)
         から、対象者四半期報告書に記載された 2020 年6月 30 日現在の対象者が所有する自己株式数(150 株)を
         控除した株式数(3,228,629,256 株)に対する割合をいいます。


      下記「
        (2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経
      営方針(上場子会社に対する公開買付けの実施を決定するに至った意思決定の過程)
                                           」の「① 本公開買付けの実施
      を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、今般、公開買付者は、2020 年9月 29 日付
      取締役会決議により、公開買付者が対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自
      己株式を除きます。
              )を取得することにより、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした取引(以下
      「本取引」といいます。
                )の一環として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。


      公開買付者は、対象者の完全子会社化を企図しているため、本公開買付けにおいて、14,686,300 株(所有割合
      0.45%)
           (注2)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応じて売付け等の申込みがなされた株券
      等(以下「応募株券等」といいます。
                      )の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、公開買付者は、応募株券等
      の全部の買付け等を行いません。他方、公開買付者は、上記のとおり、本公開買付けにおいて、対象者を公開買付
      者の完全子会社とすることを目的としており、買付予定数の上限を設定していないところ、応募株券等の総数が買
      付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。
  (注2)買付予定数の下限は、対象者四半期報告書に記載された 2020 年6月 30 日現在の対象者の発行済株式総数


                                - 1 -
         (3,228,629,406 株)から、対象者四半期報告書に記載された 2020 年6月 30 日現在の対象者が所有する自
         己株式数(150 株)を控除した株式数(3,228,629,256 株)に係る議決権数(32,286,292 個)の3分の2以
         上となる議決権数(21,524,195 個)に対象者株式1単元(100 株)を乗じた株式数(2,152,419,500 株)に
         ついて、さらに公開買付者が所有する対象者株式数(2,137,733,200 株)を差し引いた株式数(14,686,300
         株)として設定しております。


   また、公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けによっ
  て、公開買付者が対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。
                                                     )
  を取得することができなかった場合には、対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施する予定
  です(以下「本完全子会社化手続」といいます。。詳細については、下記「
                       )           (5)本公開買付け後の組織再編等の方
  針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                   」をご参照ください。
   対象者が 2020 年9月 29 日付で公表した「当社親会社である日本電信電話株式会社による当社株式等に対する公
  開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」
                              (以下「対象者プレスリリース」といいます。)に
  よれば、対象者は、同日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者
  の株主の皆さまに対し、本公開買付けに応募することを、本米国預託証券の所有者の皆さまに対し、事前に本米国
  預託証券を預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた対象者株式の交付を受けた上で、本公開
  買付けに応募することを、それぞれ推奨することを決議したとのことです。
   なお、対象者の意思決定過程の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「2.買付け等の概要」の「
                                                   (4)
  買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「
                           (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益
  相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「
                                       (viii) 対象者における利害
  関係を有しない取締役(監査等委員であるものを含む)全員の承認」をご参照ください。


(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針(上場
  子会社に対する公開買付けの実施を決定するに至った意思決定の過程)
  ① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
  公開買付者は、1985 年4月1日に日本電信電話株式会社法(昭和 59 年法律第 85 号)に基づき設立され、1987 年
  2月に、東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部、名古屋証券取引所市場第一部、京都証券取引所
  市場、広島証券取引所市場、福岡証券取引所市場、新潟証券取引所市場、札幌証券取引所市場に上場し、その後、
  1994 年9月にニューヨーク証券取引所に上場(2017 年4月に上場廃止)
                                       、加えて、1994 年 10 月にロンドン証券取
  引所に上場(2014 年3月に上場廃止)し、現在は、東京証券取引所市場第一部に上場しております。2020 年3月
  31 日現在の公開買付者の連結子会社数は 979 社、関連会社数は 132 社(以下、総称して「公開買付者グループ」と
  いいます。
      )です。公開買付者グループの主な事業内容は以下のとおりです。
    i)    移動通信事業:携帯電話事業及びそれに関連する事業
   ii)    地域通信事業:国内電気通信事業における県内通信サービスの提供及びそれに附帯する事業
  iii)    長距離・国際通信事業:国内電気通信事業における県間通信サービス、国際通信事業、ソリューション
          事業及びそれに関連する事業
   iv)    データ通信事業:システムインテグレーションやネットワークシステム等の事業
    v)    その他の事業:不動産事業、金融事業、電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業等


   公開買付者グループは、安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでも皆さまに信頼される企業としてお役に
  立ち続けるために、激しい競争環境の中でそれぞれの事業において求められる法の責務や社会的な使命を果たしな
  がら、多様化し、増大するICT(Information and Communication Technology)のニーズに応えられるよう積極
  的に事業を展開し、お客さまや株主の皆さまから常に高い信頼を得て持続的な発展をめざしてまいりました。
   この経営の基本方針の下、公開買付者グループは、2018 年 11 月上旬に中期経営戦略「Your Value Partner 2025」
  を策定・公表し、“Your Value Partner”として、事業活動を通じて、パートナーの皆さまとともに社会的課題の
  解決をめざすことをビジョンに掲げております。
   公開買付者グループは、上記の中期経営戦略において、以下の4つの柱を掲げ、スマートな社会(Smart World)
  実現への貢献と公開買付者グループの持続的な企業価値の向上を通じた自己変革の加速に向けて取り組んでおりま


                                  - 2 -
す。
 i)     お客さまのデジタルトランスフォーメーション(注1)をサポート:B2B2X(注2)モデルの推進
        による新たな価値創出の支援や、5G(第5世代移動通信システム)サービスの実現・展開に向けた取
        り組み、パーソナル化推進によるライフスタイル変革の支援等を進めております。特にB2B2Xモデ
        ルの推進では、2021 年度のプロジェクト数 100 をめざす中期目標に対して 2020 年3月末時点のプロ
        ジェクト数は 66 まで進捗し、5Gサービスについては、2020 年3月から5Gサービスの提供を本格始
        動し、2020 年6月末にはそのエリアを全都道府県へ拡大しました。
 ii)    自らのデジタルトランスフォーメーションを推進:グローバル競争力強化に向けた「One NTT」とし
        てのグローバルビジネス成長戦略や、国内事業のデジタルトランスフォーメーション等を推進しており
        ます。
iii)    人・技術・資産の活用:不動産利活用、エネルギー供給等の新事業創出、地域社会・経済の活性化に取
        り組んでおります。
 iv)    ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上:持続的な企業価値の向上と、株主の皆さま
        への利益還元を重要な経営課題の一つとして位置づけ、環境負荷の低減、多様な人材の活用、セキュリ
        ティの強化、株主還元の充実等に取り組んでおります。
(注1)ICTツールにより、様々なデータの集積や経営におけるデータの利活用を実現し、新たなビジネスモデ
       ルの創出や既存ビジネスの変革を行うこと。
(注2)他分野の事業者や自治体等のサービス提供者(B)との連携を拡大し、デジタルトランスフォーメーショ
       ンをサポートすることを通じて、サービス提供者と共に社会的課題の解決やエンドユーザ(X)へ新たな
       価値創造を提供する取り組み。


 一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1991 年8月にエヌ・ティ・ティ・移動通信企画株式会社とし
て設立されました。その後、商号を、1992 年4月にエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社に、2000 年4月に株式会
社エヌ・ティ・ティ・ドコモに、2013 年 10 月に現在の社名である株式会社NTTドコモに変更したとのことです。
対象者が提供している移動通信サービスは、公開買付者において無線呼出サービス(ポケットべル)が 1968 年7月
に東京 23 区で開始され、自動車電話サービスが 1979 年 12 月に同じく東京地区で開始されたことを起源としている
とのことです。その後、対象者は、1992 年7月に公開買付者より移動通信事業(携帯・自動車電話、無線呼出、船
舶電話、航空機公衆電話)を譲り受けて、営業を開始し、1998 年 10 月に東京証券取引所市場第一部に、2002 年3
月にロンドン証券取引所及びニューヨーク証券取引所にそれぞれ上場したとのことです。その後、2014 年3月にロ
ンドン証券取引所において、2018 年4月にニューヨーク証券取引所において、それぞれ上場廃止となり、現在は東
京証券取引所市場第一部に上場しているとのことです。


 公開買付者は、対象者設立時、対象者発行済株式の全てである 20,000 株を保有しており、その後、対象者が
1992 年5月に二度にわたって発行した新株 280,000 株全てを引き受けました(これらの各時点の対象者の発行済株
式総数に占める所有株式数の割合(以下、各時点の対象者の発行済株式総数に占める公開買付者の所有株式数の割
合を「出資比率」といい、いずれも小数点以下第三位を四捨五入しております。:100.00%)
                                   )        。その後、1993 年 10
月1日に対象者はエヌ・ティ・ティ中央移動通信株式会社と合併し、一連の合併手続きにより、17,640 株がエヌ・
ティ・ティ中央移動通信株式会社の株主に対して発行、交付されたとのことであり、公開買付者は 440 株を取得し
ました(当該時点において公開買付者が所有していた株式数(以下、各時点において公開買付者が所有していた株
式数を「所有していた株式数」といいます。:300,440 株、出資比率:94.59%)
                    )                     。その後、1994 年4月及び5月並
びに 1995 年6月に、対象者の一部の株主からの株式譲渡により、公開買付者は合計 304 株を取得しました(所有し
ていた株式数:300,744 株、出資比率:94.68%)
                            。1998 年8月、対象者は1:5の比率で株式分割を行ったとのこ
とであり、同年 10 月の対象者上場に伴って公開買付者は 218,000 株の売出を実施しました(所有していた株式数:
1,285,720 株、出資比率:67.13%)
                       。1999 年9月、対象者は1:5の比率で株式分割を行い(所有していた株式
数:6,428,600 株、出資比率:67.13%)
                         、さらに 2002 年5月、1:5の比率で株式分割を行った後、2002 年7月株
式譲渡により公開買付者から 551,000 株を取得したとのことです(所有していた株式数:31,592,000 株、出資比
率:62.96%)
        。その後、対象者は 2003 年8月、2004 年8月及び 2005 年8月に自己株式の公開買付けを公表し、公
開買付者からそれぞれ 698,000 株(所有していた株式数:30,894,000 株、出資比率:61.57%)
                                                       、1,748,000 株(所


                              - 3 -
有していた株式数:29,146,000 株、出資比率:58.08%)及び 1,506,000 株(所有していた株式数:27,640,000 株、
出資比率:56.76%)を取得したとのことです。2013 年 10 月、対象者は、1:100 の比率で株式分割を行ったとの
ことです(所有していた株式数:2,764,000,000 株、出資比率:63.32%)
                                          。その後、対象者は 2014 年8月、2016 年
2月、2017 年 12 月及び 2018 年 11 月に自己株式の公開買付けを公表し、公開買付者からそれぞれ 176,991,100 株
(所有していた株式数:2,587,008,900 株、出資比率:59.27%)、117,924,500 株(所有していた株式数:
2,469,084,400 株、出資比率:60.43%)、74,599,000 株(所有していた株式数:2,394,485,400 株、出資比率:
61.40%)及び 256,752,200 株を取得したことにより、公開買付者が所有する対象者株式は現在 2,137,733,200 株
(出資比率:56.52%)となっているとのことです。その後、2019 年2月に対象者が自己株式 447,067,906 株、
2020 年4月に自己株式 106,601,688 株を消却したことで、現在の所有割合である 66.21%に至っているとのことで
す。
 2020 年3月 31 日現在、対象者グループ(対象者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社をいいます。以
下同じです。
     )は、対象者、連結子会社 96 社及び持分法適用関連会社 27 社により構成され、通信事業(携帯電話
サービス、光ブロードバンドサービス、衛星電話サービス、国際サービス、各サービスの端末機器販売等)
                                               、スマー
トライフ事業(動画・音楽・電子書籍等の配信サービス、金融・決済サービス、ショッピングサービス、生活関連
サービス等)及びその他の事業(ケータイ補償サービス、法人IoT、システムの開発・販売・保守受託等)を展
開しているとのことです。
 対象者を取り巻く市場環境は、電気通信事業法の改正、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)
                                                              (注3)
やMNO(Mobile Network Operator)
                            (注4)運営の格安プランを提供するサブブランドによる格安スマートフォ
ンサービスの普及、異業種からの新たなMNO事業者の参入等競争がますます激化しているとのことです。また、
各社ともポイントサービスの提供や金融・決済事業の強化を中心に、非通信事業においても将来の成長に向けた
様々な取り組みを推進しているとのことです。このような事業領域の拡大に伴い、EC業界をはじめとする異なる
業界の事業者が競合になる等、従来の通信市場の枠を超えた領域での競争が加速しているとのことです。さらに、
各通信事業者が5Gの提供を開始し、新たなサービス競争が始まっているとのことです。
(注3)MNOの提供する移動通信サービスを利用して、又はMNOと接続して、移動通信サービスを提供する電
     気通信事業者であって、当該移動通信サービスに係る無線局を自ら開設しておらず、かつ、運用をしてい
     ない者とのことです。
(注4)電気通信役務としての移動通信サービスを提供する電気通信事業を営む者であって、当該移動通信サービ
     スに係る無線局を自ら開設又は運用している者とのことです。
 対象者グループは、
         「新しいコミュニケーション文化の世界を創造する」という企業理念のもと、5Gを通じたよ
り豊かな未来の実現に向け 2017 年4月に中期戦略 2020「beyond 宣言」を策定し、2018 年 10 月に中期経営戦略と
して、
  「beyond 宣言」に基づく具体的戦略とともに定量的な目標として、2021 年度には営業収益5兆円、2023 年度
には営業利益 9,900 億円の達成をめざすことを発表しているとのことです。この中で対象者は、
                                              「会員を軸とした事
業運営への変革」と「5Gの導入とビジネス創出」に舵を切るという基本方針を示しているとのことです。この基
本方針を踏まえ、対象者グループは、2020 年度を「新時代の成長に向けたスタートの年」と位置付け、新時代の持
続的成長を確かなものとすべく取り組む1年と位置付けているとのことです。対処すべき課題は、異業種からの新
規参入に伴う競争激化、5Gサービス展開に向けた5Gエリアの早期構築、キャッシュレス市場の競争激化、新た
な収益機会の創出等であるとのことです。これらに対処し、新時代の成長を実現するため、以下の方針に基づいて
事業運営を行っているとのことです。


 i)顧客基盤の更なる強化
 5G商用サービス開始や、新規事業者参入等の新たな競争環境を迎えるとのことですが、お客さまの利用ニーズ
に合わせた料金プランの充実と5Gの早期展開に取り組み、顧客基盤をより強固なものにしていくとのことです。
また、応対時間短縮やお客さまへの基本サポートの徹底、Web導線強化等により、各種ご契約のお手続きや端末
の購入が店頭やWebにおいて、より快適に実施できる等お客さま体験の向上に取り組むとのことです。加えて、
より日常的にご利用いただきやすい「dポイント」加盟店の拡大等、会員プログラムの更なる魅力アップや会員基
盤の「質」の向上に取り組むとのことです。


 ii)会員を軸とした事業運営の本格化


                                - 4 -
 中期経営戦略の基本方針のひとつである「会員を軸とした事業運営」をさらに深め、お客さまとの強い顧客接点
を構築し、デジタルマーケティングによる最適アプローチを実現することで事業の拡大をめざすとのことです。ま
た、成長分野へリソースを集中させていくとのことです。具体的には、加盟店拡大と「dカード」
                                           「d払い」の日常
利用促進による金融・決済事業の更なる拡大と、映像・エンターテインメント等を中心としたコンテンツ事業の強
化を進めていくとのことです。さらに、会員属性に応じた広告事業の拡大や、戦略パートナーとのデータ連携によ
るCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)強化等により、充実した会員基盤を活用したマー
ケティングソリューション事業を確立していくとのことです。


 iii)5G時代の新たな価値創造
 2020 年代の持続的成長に向け、5G商用サービスを軸に新たな価値創造に取り組んでいくとのことです。8KV
Rライブ・マルチアングル視聴・ゲーム等、映像を中心として、5G時代における新たな体感・体験を実現すると
のことです。また、5Gの特徴を活かした新たなソリューションの創出等、産業創出・社会課題解決に向けたパー
トナーとの協創を進めていくとのことです。併せて、XR(注5)
                             ・ヘルスケア・スポーツ・MaaS(注6)等新
たな事業の創造にも取り組むとのことです。
(注5)仮想現実を意味するVR(Virtual Reality)や、拡張現実を意味するAR(Augmented Reality)等の総
     称とのことです。
(注6)Mobility as a Service の略。多様な移動手段とそれに関連する情報をICTによりシームレスに統合し、
     効率的かつ利便性の高い交通サービスをワンストップで利用可能にするという「移動」に関する概念との
     ことです。


 また、新時代を支える構造改革を推進していくとのことです。3Gサービスから4G/5Gサービスへの契約の移
行を図る3Gマイグレーション強化による事業運営のスリム化に向け、通信モジュールを含めた円滑移行や3Gエ
リアの早期縮退等に取り組むとのことです。また、デジタルトランスフォーメーションの積極活用による業務プロ
セス効率化と、金融・決済事業やコンテンツ事業等の成長分野へのリソースシフトにも力を入れていくとのことで
す。


 対象者グループを含む公開買付者グループを取り巻く情報通信市場は、1990 年代半ばまでの交換機を用いた固定
電話向け中心のネットワークからIPネットワークへシフトし、インターネット接続の主流がPCからスマート
フォンとなっています。固定通信とモバイルの連携を通じたネットワーク形成への進化と高速化・高度化の進展を
通じて、固定通信分野と移動通信分野の垣根がなくなるとともに、通信事業者だけではなく様々な事業者による市
場への参入により市場競争が熾烈化しています。また、ライフスタイルの変化や様々な技術革新等が進む中、OT
T(注7)事業者が提供するコンテンツ配信や金融・決済を含むサービスの普及に伴うグローバルレベルの競争が
進展し、従来の事業領域の垣根を越えた多面的かつ多層的な市場競争が展開される等、大きく業界構造が変化して
います。
 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、世界におけるヒト・モノ・カネ
の自由な移動が制限されるため、ニューグローカリズム(注8)が台頭することも想定される中、グローバルレベ
ルでダイナミックな環境変化に対応していく必要があります。
(注7)Over the Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用
     してコンテンツ配信等を行うサービス。
(注8)世界に分散したサプライチェーンが国内回帰する等、ローカルを重視するサプライチェーンの組み替えが、
     グローバルに起こる新たな社会トレンド。


 国内の固定通信市場では、インターネットの普及とともに生活に不可欠なサービスとしてブロードバンドの整
備・普及が大きく進み、総務省の発表(電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(2020
年6月 29 日発表)
          )によれば、2020 年3月末時点の固定系ブロードバンドの契約数は 4,120 万契約、うちFTTH
(Fiber to the Home)は 3,309 万契約となっています。2015 年2月以降、光アクセスサービスを活用した様々な
プレイヤーとの連携による多様な新サービスの創出とイノベーションの促進を企図して、公開買付者の完全子会社
である東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社は光アクセスサービスの卸売の提供を開始しておりま


                              - 5 -
す。インターネット接続事業者、移動通信事業者、ケーブルテレビ事業者、異業種からの新規参入事業者等に対し
て光アクセスサービスの卸売が提供されることで、光ファイバーを活用する高速のFTTHサービスの普及が加速
され、従来の固定通信市場の枠を超えた競争の拡大が進みました。
 国内の移動通信市場では、スマートフォン利用の拡大に加え、タブレット端末やモバイルWi-Fiルーター等の
2台目需要及び法人契約の増加等を背景に、総務省の発表(電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期
データの公表(2020 年6月 29 日発表)
                      )によれば、2020 年3月末時点の携帯電話の総契約数は1億 8,480 万契約、
総務省の発表による全国人口(全国人口の推移(2020 年9月 23 日発表)
                                     )に対して普及率は約 146%に達していま
すが、総務省(平成 30 年版情報通信白書)によれば、少子高齢化が進む中、我が国の人口は減少に向かっており、
音声利用を伴う新規契約数の今後の伸びは限定的と見込まれ、市場は飽和状態に近づいています。一方で、総務省
の競争促進政策により、異業種からの新規参入、MVNOによる市場シェアの拡大等、競争がますます激化してい
ます。
 また、近年では、5G、クラウドサービス、IoT、ビッグデータ、AI等の最新技術の進展により、様々なデ
ジタルサービスの利用が進んでいます。それらのサービスの利用を通じて蓄積されたデータを分析・活用(データ
マネジメント)することで、人々の生活における利便性向上、ビジネスにおける新たなモデル創出や生産性向上等、
より良い方向への変革を実現するデジタルトランスフォーメーションが世界的に進みつつあります。また、高度
化・複雑化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化、災害対策への取り組み強化、地球環境保護への貢献
等も求められるようになっています。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行の世界的な拡
大に伴い、在宅勤務や遠隔教育、遠隔医療等、リモートワールド(分散型社会)への取り組みが求められており、
今後あらゆる場面で、ICTを活用したデジタルトランスフォーメーションの推進が必要とされ、情報通信に求め
られる役割はますます拡大し、重要な位置づけを占めていくものと考えられます。とりわけAI等のテクノロジー
の進化に伴い新たな価値創造の実現が見込まれる中で、情報通信は高度な接続性、パーソナル性、大容量性という
方向へさらに進化し、今後5Gネットワークが社会基盤を支えていくと見込まれます。5Gをベースにした顧客基
盤の拡大には、通信サービスの領域を超えて、端末やアプリケーションサービスの領域に至る、付加価値の高い移
動固定融合型の新サービスの創出や料金・サービスの競争力強化が求められています。加えて、2030 年代に導入が
見込まれている「beyond 5G(6G)
                    」社会においては、通信インフラの重要性はさらに高まり、5Gの特徴的機
能(高速・大容量、低遅延、多数同時接続)の高度化に加え、自律性や超低消費電力等、新たな機能の実現も求め
られてきます。こうした機能を具備した「beyond 5G(6G)
                               」を我が国において円滑に導入していくことは、国
際競争力の強化にとっても不可欠なものと考えております。


 加えて、対象者グループの移動通信事業において、他の移動通信事業者との競争環境が激化している中、2020 年
4月に新たな移動通信事業者が商用サービスを開始する等、対象者グループの経営環境はますます厳しさを増して
おります。また、6Gの研究開発が世界的に加速する中、移動・固定を跨る次世代通信技術に係る研究開発を強化
する必要性が高まっております。
 かかる事業環境下において、公開買付者グループが、自らを取り巻く急速な市場変化に柔軟に対応していくため
には、グループ全体の経営資源配分の最適化等も視野に入れた役割(バリューチェーン)を明確にした上で、グ
ループ横断で各社のリソース・アセットを戦略的に組み合わせて活用していくことが必要であり、その際、対象者
グループを含む公開買付者グループ各社がグループ横断の取り組みに関して意思決定を迅速化することが重要と考
えております。公正競争の確保及び利用者利益の確保等を勘案しながら対象者グループを含む公開買付者グループ
全体で保有する様々な経営資源や能力を最大限活用することで、研究開発力の強化を通じた我が国産業の国際競争
力の向上や、我が国が抱える社会的課題の解決や地方創生の実現に貢献していくとともに、サイバーセキュリティ
の強化等に向けて移動・固定を跨るより安心・安全な通信基盤の整備や、お客さまにとってより使いやすく、安価
なサービス・料金を提供していくことで顧客満足度の向上を実現する等、様々な社会貢献に努めていきたいと考え
ております。公開買付者グループは、
                “Your Value Partner”として、新しい付加価値の創造や社会的課題の解決に
向けて、例えば対象者グループによるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社やエヌ・ティ・ティ・コ
ムウェア株式会社の能力の活用等、対象者グループを含む公開買付者グループ各社における連携を一層深め、対象
者グループの競争力強化と成長並びに対象者グループを含む公開買付者グループ全体の成長をめざす方針であり、
以下の各グループ横断施策を推進する予定です。
 i)   法人営業力の強化:対象者グループの5Gモバイル通信・IoT等に係るリソース・アセットと公開買


                           - 6 -
         付者グループの固定通信・AI等に係るリソース・アセットを組み合わせ、付加価値の高い移動固定融
         合型の新サービスや、自社SaaS開発・他社SaaS連携(注9)によるエコシステムを構築するこ
         と等により、アフターコロナのリモート型社会の普及・定着の支援等、デジタルトランスフォーメー
         ションや社会基盤システムの変革をサポートします。また、企業や自治体等とのコラボレーションを活
         性化するとともに、様々なデータの利活用に対応した法人向けプラットフォーム基盤を整備していくこ
         とにより、法人・自治体等向けビジネスであるB2B及びB2B2Xモデルのソリューション・サービ
         ス創出力の強化をめざします。さらに、創出されたサービスを対象者グループを含む公開買付者グルー
         プ各社がコネクションを有する企業や自治体等のニーズに応じて広く展開することで営業力を強化いた
         します。こうした法人営業体制を構築することにより、我が国の社会・産業基盤のデジタル化やスマー
         ト化等を実現し、アフターコロナにおける様々な社会的課題の解決や地方創生の実現に貢献するととも
         に、対象者グループと公開買付者グループにおけるグローバル事業を統括・推進する NTT, Inc.グルー
         プとの連携を強化し、グローバル企業向けのワールドワイドのサービス提供力を獲得し、グローバルビ
         ジネスを展開していきます。
 ii)     サービス創出力の強化:対象者グループを含む公開買付者グループ各社が携わる金融・決済等プラット
         フォーム・サービスや商流との更なる連携を通じ、B2B2XモデルによるセンターB(他分野の事業
         者や自治体等のサービス提供者)向けサービスを充実させていくことにより、対象者グループの金融・
         決済サービス等のサービス創出力を強化します。また、上記 i)法人営業力の強化によるコラボレー
         ション活性化を通じて、B2B2Xモデルにさらに磨きをかけ、企業や自治体等と対象者グループを含
         む公開買付者グループ各社がそれぞれ集積するデータを適切に掛け合わせる等、パートナーとの協創に
         よるエコシステム構築を加速・深化させて、サービス・マーケティングプラットフォームの強化と新ビ
         ジネス創出に繋げるとともに、対象者グループの広告・CRM事業等を強化します。さらに、対象者グ
         ループを含む公開買付者グループ各社のCDN(注 10)
                                   ・トラヒック制御(注 11)の技術等を集約し、
         AI・エッジ技術(注 12)を活用し、ユーザーによる安定的かつ低遅延のコンテンツ視聴を実現できる
         大容量コンテンツ配信基盤の構築や優先制御等を用いた新サービスを実現します。加えて、公開買付者
         グループ各社のアジャイル開発(注 13)用のソフトウェア開発力を活用し、アプリケーション開発の内
         製化やユーザエクスペリエンス(注 14)の向上に取り組んでいきます。こうして創出された対象者グ
         ループのアセットやノウハウ等を、NTT, Inc.グループとの連携強化、国内外パートナーとの協創によ
         り、グローバルに展開していきます。以上により、スマートライフ事業の拡大及びサービス創出力の強
         化を図ることで、より使いやすく、満足度の高いサービスを提供していきます。
 iii)    コスト競争力の強化:仮想化技術(注 15)
                             、ネットワークスライシング技術(注 16)等を活用して、
         ネットワークや建物、IT基盤等に係るリソース・アセットを最適化し、コスト競争力を強化します。
 iv)     研究開発力の強化:対象者グループとNTT研究所との一体的な研究・開発を推進するとともに、対象
         者グループの豊富なキャッシュフローを活用し、ワイヤレスと光を組み合わせたIOWN構想(注 17)
         の実現に向けた研究開発投資や国内外のパートナーへの出資・共同開発を進めていくことで、世界で利
         用される情報通信機器・ソフトウェア・サービスを産み出していきます。また、こうした活動を通じ、
         対象者グループを含む公開買付者グループがグローバルビジネスにおいてO-RAN(注 18)推進等、
         国際標準化のイニシアティブをとり、ワイヤレス分野における新たな価値創造は勿論のこと、その周辺
         領域や異分野領域においても、斬新なビジネスやプロダクト・サービスを創造し、対象者グループを含
         む公開買付者グループ全体の事業を拡大します。加えて、移動・固定を跨るより安心・安全な通信基盤
         を整備し、事業継続性の向上、情報通信の災害時の強靭化、サイバーセキュリティの強化を図ります。
         そうした活動を通じ、我が国の国際競争力の向上にも貢献します。
(注9)Software as a Serviceの略。インターネットを介して提供されるアプリケーションサービス。
(注10)Contents Delivery Networkの略。ファイルサイズの大きい画像・動画を高速かつ安定して配信するために
        最適化されたネットワークソリューション。
(注11)大量のデータを、利用する通信サービスやアプリケーションに応じて、適切にネットワークに流したり、
        必要十分な通信リソースを確保したりするための技術。
(注12)利用者や端末と物理的に近いネットワークの端点でデータ処理を行うことで、データ処理の低遅延化を可
        能とする技術。


                             - 7 -
(注13)「計画→設計→実装→テスト」といった開発工程を、機能単位の小さいサイクルで繰り返すことで、短期
     間でのシステム構築を可能とする開発手法。
(注14)「使いやすさ」「使い勝手」「使い心地」等、商品やサービスの利用を通じて利用者が得られる体験の総
     称。
(注15)これまで特定のハードウェアでしか動作しなかったソフトウェアを、仮想的なハードウェア上で動作させ
     る技術。
(注16)ネットワークを仮想的に分割(スライス)することで、お客さまが利用するサービスの要求条件に合わせ
     て効率的にネットワークを提供する技術。
(注17)Innovative Optical & Wireless Networkの略。光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラ
     の限界を超えた高速大容量通信並びに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情
     報処理基盤の構想。
(注18)Open Radio Access Networkの略。5Gをはじめとする無線アクセスネットワークを、より拡張性が高く、
     よりオープンでインテリジェントにするための仕様。


 公開買付者は、上記の取り組み・施策を迅速に推進するためには、公開買付者が対象者を完全子会社化すること
により、対象者グループが公開買付者グループ全体の中心的ポジションを担う体制を確立するとともに、対象者グ
ループと公開買付者グループ各社との連携を強化し、これをもって対象者グループを、通信サービスの領域だけで
なく、端末やアプリケーションサービスの領域に至るまで、様々な領域のサービスを組み合わせた付加価値の高い
多彩なサービスを移動固定融合型で次々と創出・提供する新たな総合ICT企業へと転換を図り、更なる競争力の
強化と成長を図っていくことが不可欠と考えております。また、対象者グループを含む公開買付者グループ各社が
それぞれの得意分野を活かすだけでなく、グループ全体の経営資源配分の最適化を図り、グループ横断で各社のリ
ソース・アセットを戦略的に組み合わせて活用していくことが必要であり、その際、対象者グループを含む公開買
付者グループ各社がグループ横断の取り組みに関して意思決定を迅速化することが、対象者グループ及び対象者グ
ループを含む公開買付者グループの持続的な企業価値向上にとって最適な選択であると考えました。
 対象者は、上場会社として、資本市場から独自に資金調達が可能であるというメリットを有しているものの、上
記のように対象者グループを取り巻く経営環境がますます厳しさを増している中で、上記の i)乃至 iv)に記載さ
れた各種施策を実施するにあたり、公開買付者及び対象者がともに上場会社として独立した事業運営を行っている
現状では、それぞれの経営資源等の相互活用に際し、その有用性及び取引としての客観的な公正性について対象者
の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要すること、また、短期的には対象者の利益最大化に必ずしも直結し
ない先行投資や、一時的なコスト増となる取り組みも迅速に遂行していく必要が生じる可能性があるところ、これ
らは対象者グループ及び対象者グループを含む公開買付者グループ全体の中長期的な成長の観点からは必要となる
ものの、短期的には対象者の少数株主の利益を損なうことも想定されることから、公開買付者は、対象者が上場会
社のままこれらの施策を実施することは、柔軟かつ迅速な意思決定の観点から懸念があると考えました。
 そのため、公開買付者は本取引を通じて対象者を完全子会社化し、親子上場に伴う親会社と少数株主の潜在的な
利益相反関係を解消して、公開買付者グループと対象者グループの利害を完全に一致させると同時に、対象者の機
動的な意思決定を可能にすることで、対象者と公開買付者グループの中長期的な視点に立脚した成長を推進するこ
とができると考えました。


 こうした認識のもと、公開買付者は、2020 年4月中旬に、対象者を公開買付者の完全子会社とすることが最善の
方途であると考えるに至りました。かかる時点においては、2020 年4月7日に緊急事態宣言が発令される等、新型
コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響が広がっておりましたが、前述の通り、5Gサービス
の提供開始や新たな移動通信事業者の商用サービス開始等、対象者グループの経営環境は厳しさを増しているため、
本取引を通じてビジネスモデルの転換を可能な限り早期に実現することで、対象者グループの競争力の強化・成長
及び公開買付者グループ全体の成長を図ることの重要性はさらに増していると考え、2020 年4月中旬から本取引の
検討を開始しました。なお、公開買付者の既存株主の希釈化の影響や対象者の少数株主の便宜の観点から、株式対
価ではなく現金対価により完全子会社化を実行することが望ましいとの考えの下、本取引に係る税制上の取扱い
(本日現在において、公開買付者は対象者の発行済株式(自己株式を除きます。
                                   )の総数の3分の2以上に相当する
数の対象者株式を有しないことから、現金対価による株式交換又は株式併合による完全子会社化の場合には対象者



                               - 8 -
について時価評価課税がなされること)も踏まえ、公開買付者は、本取引の取引形態として、本公開買付け及びそ
の後の本完全子会社化手続による二段階買収を前提に検討いたしました。その後、公開買付者は、同年4月下旬に、
対象者に対して、本取引の検討を開始した旨の初期的な通知を行い、また、同年6月上旬に、本取引の検討・協議
を開始したい旨の申入れ(以下「本初期的申入れ」といいます。
                            )を行った上で、以降、本取引の戦略的意義に関す
る協議を開始いたしました。また、公開買付者は、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバ
イザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」とい
います。
   )を同年7月中旬に、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を同年4月下旬に、日比谷総
合法律事務所を同年7月上旬にそれぞれ選任の上、本取引の本格的な検討を進めてまいりました。その後、公開買
付者は、同年7月下旬から、対象者の了解を得て、対象者に対するデュー・ディリジェンスを行い、同デュー・
ディリジェンスは同年8月下旬に終了しております。なお、公開買付者グループは“Your Value Partner”として、
事業活動を通じて、研究開発やICT基盤、人材等様々な経営資源や能力を活用し、パートナーの皆さまとコラボ
レーション(協業)しながら、デジタルトランスフォーメーションの推進により、社会的課題の解決をめざすとい
う、公開買付者グループのグループ戦略に変更はありません。


 他方、対象者は、2020 年6月上旬に公開買付者から本初期的申入れを受けたことを契機として、下記「2.買付
け等の概要」の「
       (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「
                                   (本公開買付価格の公正性を担保
するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)
                                             」に記載のと
おり、本公開買付けにおける対象者株式の買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。
                                           )の公正性その他
本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバ
イザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。
                                     )を、リーガル・アドバイザー
として中村・角田・松本法律事務所を選任するとともに、第三者算定機関である野村證券に対し、対象者株式の株
式価値算定及び本公開買付価格が公開買付者を除く対象者の株主にとって財務的見地から妥当であるか否かの意見
書(フェアネス・オピニオン)の提出を依頼し、さらに、対象者は、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株
主の皆さまの利益の確保の観点から本取引に係る検討及び判断を行うための体制を構築するため、特別委員会を設
置したとのことです。なお、当該特別委員会設置の詳細については、下記「2.買付け等の概要」の「
                                             (4)買付け
等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「
                      (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を
回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「
                                  (ii) 対象者における独立した特別
委員会の設置」をご参照ください。
 その上で、公開買付者及び対象者は、更なるグループ経営資源の活用による通信事業の競争力強化、グループ連
携強化による法人ビジネス・スマートライフ事業の強化、グループ全体のリソース活用による研究開発体制の強化
といった対象者グループ及び公開買付者グループの企業価値の向上を目的とした諸施策及び本取引の目的、本取引
後の経営体制・方針、本取引の諸条件について、2020 年8月中旬以降、複数回に亘り協議・検討を重ねてまいりま
した。
 具体的には、公開買付者は、2020 年8月 11 日に、本公開買付価格に関する最初の提案(1株当たり 3,400 円)
を行いました。その後、公開買付者は、2020 年8月 19 日に対象者から提案内容の再検討を要請されたことを踏ま
え、2020 年8月 25 日、本公開買付価格を1株当たり 3,600 円とする旨の提案を行いました。公開買付者は、2020
年9月2日に対象者から提案内容の再検討を要請されたことを受け、2020 年9月9日、本公開買付価格を1株当た
り 3,750 円とする旨の提案を行い、さらに 2020 年9月 14 日に対象者から提案内容の再検討を要請されました。な
お、公開買付者は、2020 年9月 15 日、対象者に対し、ドコモ口座の不正利用による預金流出問題が対象者の事業
に与える影響について対象者の考え方のヒアリングを行い、その内容を踏まえて、対象者の事業の見通しを改めて
検証し、本取引の目的や効果に重要な影響を与えるものではないと判断いたしました。それを踏まえて、公開買付
者は、2020 年9月 17 日に、本公開買付価格を1株当たり 3,800 円とする旨の再提案を行いました。これに対し、
2020 年9月 18 日に対象者から提案内容の再検討を要請されたことを受けて、公開買付者は、2020 年9月 25 日に対
象者に対して本公開買付けの最終提案(1株当たり 3,900 円)を行いました。
 以上の経緯の下で、公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化することが、公開買付者グループ全体の
企業価値向上に資するとの結論に至り、2020 年9月 29 日付取締役会決議により、本取引の一環として、本公開買
付けの実施を決定いたしました。



                           - 9 -
② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2020 年6月上旬、公開買付者から、本初期的申入れを受けたとのこ
とです。これを受けて、対象者は、同月中旬に対象者のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務
所を、同月下旬に対象者のファイナンシャル・アドバイザーとして野村證券を選任したとのことです。そして、対
象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が
類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、中村・角
田・松本法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象
者の一般株主の皆さまの利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始し
たとのことです。
具体的には、対象者は、下記「2.買付け等の概要」の「
                         (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経
緯」の「
   (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公
正性を担保するための措置)
            」の「
              (ii) 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、2020 年6
月中旬から対象者の独立社外取締役から構成される特別委員会の設置に向けた準備を進めたとのことです。その上
で、同年7月 13 日開催の取締役会における決議により、新宅正明氏(対象者独立社外取締役、株式会社ファースト
リテイリング 社外取締役、公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 参与)
                                    、菊地伸氏(対象者独立社外取締役、
外苑法律事務所 パートナー弁護士)及び辻山栄子氏(対象者独立社外取締役(監査等委員)、早稲田大学名誉教
授・監事、株式会社ローソン社外監査役)の3氏から構成される特別委員会(当該特別委員会の設置等の経緯、検
討の経緯及び判断内容等については、下記「2.買付け等の概要」の「
                               (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「②
算定の経緯」の「
       (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
付けの公正性を担保するための措置)
                」の「
                  (ii) 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。
                                                   )
を設置し、特別委員会に対し、
             (i)本取引の目的は合理的か(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含む。、
                                                   )
(ii)本取引における取引条件(本取引における対価を含む。
                            )の公正性が確保されているか、
                                          (iii)本取引におい
て公正な手続を通じた対象者の少数株主の利益への十分な配慮がなされているか、
                                    (iv)上記(i)乃至(iii)その
他の事項を前提に、対象者取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対
象者の株主の皆さまに対し、本公開買付けに応募することを推奨すること、並びに下記「
                                       (5)本公開買付け後の組
織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                       」に記載の公開買付者による対象者の完全子会社化に必要とな
る手続を行うこと)の意思決定をすることが適切か、また、対象者の少数株主にとって不利益なものでないか、
                                                 (v)
その他、本特別委員会設置の趣旨に鑑み、本取引に関し、取締役会又は代表取締役が必要と認めて諮問する事項
(なお、(v)に基づき、特別委員会設置後に、
                     「対象者取締役会が、本米国預託証券の所有者の皆さまに対し、本
公開買付けに応募することを推奨する旨の意思決定をすることの是非」を諮問事項に追加しているとのことです。)
(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。
                        )について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、
特別委員会の設置にあたり、特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意
思決定を行うに際して、特別委員会の意見を最大限尊重し、特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場
合には本取引を行う旨の意思決定を行わないこと、及び対象者が公開買付者と本取引の取引条件等について交渉す
るにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けることを決議
するとともに、特別委員会が必要と認めるときは、対象者の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士
その他のアドバイザーを選任することができること、及び特別委員会は、対象者の費用負担の下、その職務に関連
する調査(本取引に関係する対象者の役員若しくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーに対し、その職
務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。
                                )を行うことができること等を決議してい
るとのことです(当該取締役会における決議の方法については、下記「2.買付け等の概要」の「
                                           (4)買付け等の
価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「
                    (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避
するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「
                                (ii) 対象者における独立した特別委員
会の設置」をご参照ください。。なお、特別委員会は、下記「2.買付け等の概要」の「
              )                        (4)買付け等の価格の算
定根拠等」の「② 算定の経緯」の「
                (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するため
の措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「
                            (ii) 対象者における独立した特別委員会の設置」
に記載のとおり、上記の権限に基づき、2020 年7月 30 日、独自のリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律


                        - 10 -
事務所を、同年8月5日、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータ
ス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。
                         )を選任するとともに、同年7月 28 日、対象者及び公開
買付者が属する通信業界に関する深い知見、対象者の独立社外取締役としての職務を通じて得た知見、並びにこれ
らの知見に基づくアドバイスの提供を目的として、村上輝康氏(産業戦略研究所代表、元対象者独立社外取締役)
を独自のアドバイザーとして選任しているとのことです。
また、対象者は、下記「2.買付け等の概要」の「
                      (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の
「
(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
担保するための措置)」の「
            (ii) 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、特別委員会にお
いて、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・ア
ドバイザーである中村・角田・松本法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、そ
の選任の承認を受けているとのことです。
さらに、対象者は、下記「2.買付け等の概要」の「
                       (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」
の「
 (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性
を担保するための措置)
          」の「
            (vii) 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から
独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与す
る対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。
                      )を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性
及び公正性の観点から問題がないことについて特別委員会の承認を受けているとのことです。


(ⅱ)検討・交渉の経緯
対象者は、野村證券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他
の財務的見地からの助言を受けるとともに、中村・角田・松本法律事務所から本取引における手続の公正性を確保
するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥
当性について慎重に検討を行ってきたとのことです。
2020 年8月 11 日、対象者は、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり 3,400 円とすることを含む最初の
提案を受領して以降、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及
び交渉を行ってきたとのことです。具体的には、公開買付者より、8月 25 日に本公開買付価格を1株当たり 3,600
円とする旨の提案を、9月9日に本公開買付価格を1株当たり 3,750 円とする旨の提案を、9月 17 日には本公開買
付価格を1株当たり 3,800 円とする旨の提案を順次受領したとのことです。このいずれに対しても、対象者は、特
別委員会から聴取した意見(特別委員会は、当該意見の形成にあたり、そのアドバイザーであるプルータス、西村
あさひ法律事務所及び村上輝康氏から助言を受けているとのことです。
                               )並びに野村證券及び中村・角田・松本法律
事務所から聴取した意見を踏まえて検討を行った上で、適正な価格に達していないとして、公開買付者に対し本公
開買付価格の再検討を要請したとのことです。その後も公開買付者との間で、対象者のファイナンシャル・アドバ
イザーを通じて、継続的に協議及び交渉を行い、その結果、対象者は、2020 年9月 25 日、公開買付者から、本公
開買付価格を1株当たり 3,900 円とすることを含む最終提案を受けるに至ったとのことです。
以上の検討・交渉過程において、特別委員会は、適宜、対象者や対象者のアドバイザーから報告を受け、確認及
び意見の申述等を行ってきているとのことです。具体的には、まず、公開買付者並びに野村證券及びプルータスに
よる対象者株式の価値算定の基礎ともなる事業見通し(2021 年3月期から 2024 年3月期までの4期分)
                                                    (以下「事
業見通し」といいます。
          )について、その重要性に鑑み、対象者取締役会において、利害関係を有しない取締役全員
による審議を経た決議により内容を確定した後に公開買付者並びに野村證券及びプルータスに提示すべきとの特別
委員会の意見を踏まえ、対象者は、2020 年8月3日に開催された取締役会において、事業見通しの内容を決議し、
同日、公開買付者及び野村證券に、同年8月5日、プルータスにそれぞれ提示しているとのことです。上記の対象
者取締役会においては、対象者の取締役 15 名のうち、井伊基之氏、廣井孝史氏は過去に公開買付者の取締役を務め
ていたこと、寒河江弘信氏、中田勝已氏は過去に対象者グループ以外の公開買付者グループ各社の取締役を務めて
いたこと、及び黒田勝己氏は公開買付者の従業員を兼務していること等に鑑み、取締役会における審議及び決議が
本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、
これらの5氏を除く 10 名の取締役(監査等委員であるものを含みます。
                                  )において審議の上、全員一致により上記
の決議を行っているとのことです。また、対象者のファイナンシャル・アドバイザーは、公開買付者との交渉にあ
たっては、事前に対象者内で検討し、特別委員会の意見を踏まえた交渉方針に従って対応を行っており、また、公


                         - 11 -
開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに特別委員会に対して報告を行い、
その助言を踏まえて対象者内にて検討を行い、対応を行っているとのことです。
そして、対象者は、2020 年9月 29 日、特別委員会から、ⅰ本取引は対象者の企業価値向上に資するものであっ
て、本取引の目的は合理的なものであると考えられる旨、ⅱ本取引における取引条件(本取引における対価を含む。
                                                   )
の公正性は確保されているものと考えられる旨、ⅲ本取引においては公正な手続を通じた対象者の少数株主の利益
に対する十分な配慮がなされているものと考えられる旨、及びⅳ対象者取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の
意見を表明するとともに、対象者の株主に対し、本公開買付けに応募することを推奨し、また、本米国預託証券の
所有者に対し、事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた対象者株式
の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本公開買付け後に対象者を完全子会社とするための
手続を行う旨の意思決定をすることは適切であり、また、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考え
られる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。
                      )の提出を受けているとのことです(本答申書の概要については、
下記「2.買付け等の概要」の「
              (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「
                                          (本公開買付価格
の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措
置)」の「
    (ii) 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。。なお、対象者は、本答申書と
                                     )
併せて、特別委員会から、2020 年9月 29 日付で特別委員会がプルータスから提出を受けた対象者株式の価値算定
結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本公開買付価格である
1株当たり 3,900 円が対象者株式の株主(公開買付者及びその関係会社を除きます。
                                         )及び本米国預託証券の保有者
にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(プルータス)
                                                   」
といいます。
     )の提出も受けているとのことです(本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオン
(プルータス)の概要については、下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠等」の「②
算定の経緯」の「
       (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
付けの公正性を担保するための措置)」の「
                   (iv) 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー
及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。。
                                             )
なお、対象者は、本取引の検討の過程において、ドコモ口座の不正利用による預金流出問題が対象者の事業に与
える影響について対象者の考え方を公開買付者に説明したとのことです。対象者によれば、公開買付者は対象者か
らの説明を踏まえ、対象者の事業の見通しを改めて検証し、本取引の目的や効果に重要な影響を与えるものではな
いと判断したとのことです。


(ⅲ)判断内容
以上の経緯の下で、対象者は、2020 年9月 29 日開催の対象者取締役会において、中村・角田・松本法律事務所
から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに9月 29 日付で提出を受けた対象者株式の価
値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。
                                        )及び本公開買付価格で
ある1株当たり 3,900 円が対象者株式の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨の
フェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(野村證券)」といいます。)の内容、並びに特別委員
会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス)の内容を
踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引
が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否か
について、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
その結果、以下のとおり、対象者としても、公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込
むことができ、対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
対象者を取り巻く市場環境は、電気通信事業法の改正、MVNOやMNO運営の格安プランを提供するサブブラ
ンドによる格安スマートフォンサービスの普及、異業種からの新たなMNO事業者の参入等競争がますます激化し
ているとのことです。また、各社ともポイントサービスの提供や金融・決済事業の強化を中心に、非通信事業にお
いても将来の成長に向けた様々な取り組みを推進しているとのことです。このような事業領域の拡大に伴い、EC
業界をはじめとする異なる業界の事業者が競合になる等、従来の通信市場の枠を超えた領域での競争が加速してい
るとのことです。さらに、各通信事業者が5Gの提供を開始し、新たなサービス競争が始まっているとのことです。
また、年初来の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、社会構造・産業構造が
急速に「リモート型」へと変化してきているとのことです。これは企業にとっては「デジタルトランスフォーメー


                        - 12 -
ション(DX)
      」の動きをさらに加速させるものであり、また個々人の働き方やコミュニケーションのあり方も大き
く変容しているとのことです。テレワーク、遠隔作業支援、遠隔教育をはじめ、産業活動・社会生活の中で、対象
者の提供する5Gを含めたモバイル通信サービスが広く活用されているとのことです。しかしながら、お客さま
ニーズは高度化・複雑化しており、対象者の既存事業領域だけでは対応できないケースも出てきているとのことで
す。5Gがまさに拡大し、社会が新たな姿、リモート型へと変化する今こそ、対象者はモバイル通信を中心とした
事業領域をさらに拡大し、お客さまのニーズにトータルで対応できる存在へと変革することが必要であると考えて
いるとのことです。
こうした動きの中で対象者は、より便利で使いやすいサービスをいち早く提供することはもちろんのこと、社
会・産業のデジタル化・スマート化の実現を通じて社会課題の解決に貢献していくことをめざすとのことです。さ
らに、6G・IOWNといった 2030 年代を見すえた次世代のサービス・インフラの実現に向けた取り組みを早期に
強化し、我が国のICT産業の更なる発展、国際競争力の向上に貢献していくことが対象者が果たすべき役割であ
ると考えているとのことです。
これらの実現に向けて対象者は、本取引を通じて対象者が公開買付者グループ全体の中心的ポジションを担う体
制を確立し、コンシューマ・法人を問わず「すべてのお客さまのフロント」として、多様化するお客さまニーズに、
モバイルネットワークにとどまらずアプリケーション・ソリューションまで含めたトータルサービスで対応する存
在となっていくとのことです。そのためには、「サービス創出力・提供力」を徹底的に強化するとともに、
                                               「通信
ネットワークの競争力」をさらに高めることが必要となるとのことです。対象者としては、本取引を通じて公開買
付者の完全子会社となり、例えばエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社やエヌ・ティ・ティ・コム
ウェア株式会社の能力活用等、公開買付者グループの保有するリソース・アセットを戦略的かつ機動的に活用する
ことで対象者の持つ事業基盤を強化することが、そのための最短かつ最も確実な手法であると認識しているとのこ
とです。
対象者が実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりとのことです。


(a)グループ経営資源の活用による通信事業の競争力強化
対象者において基幹となる通信事業においては、市場飽和や新規事業者の参入等により事業者間の競争が激化し
ており、コスト競争力の高い安心安全なネットワークの実現がより重要となっているとのことです。また、モバイ
ルにとどまらず固定・Wi-Fiといった多様なサービス・通信方式への対応や、6GやIOWNを含めたネット
ワークの高度化への柔軟な対応が求められているとのことです。これらの実現に向け、公開買付者グループの経営
資源との連携及びその活用により対応することが可能となると考えているとのことです。具体的には、公開買付者
グループ各社の通信インフラ設備の活用やネットワーク仮想化技術、ネットワークスライシング技術等を活かした
通信インフラの最適化により、コスト競争力を強化することが可能となると考えているとのことです。また、公開
買付者グループ各社のネットワークとの連携強化によりモバイル・固定・Wi-Fi等の融合ネットワークや融合
サービスを実現するとともに、公開買付者グループの全国基幹ネットワークの全体最適化により信頼性をさらに向
上させることで、ネットワーク高度化の実現を図っていくとのことです。さらに、対象者を含む公開買付者グルー
プ各社のエンジニアリングリソースの連携を強化することで、より付加価値の高い業務へのリソースシフトを行う
等、エンジニアリング力を強化すると同時により効率的な運営を実現していくとのことです。これらの取り組みを
通じ、多様化するお客さまのニーズに応えるべく、新たなコミュニケーションサービスや低廉で使いやすい料金の
提供を実現するとのことです。


(b)グループ連携強化による、法人ビジネス、スマートライフ事業の強化
対象者の成長戦略の柱である法人ビジネス、スマートライフ事業においては、リモート型社会への構造変化に伴
う産業高度化や社会課題解決に対応したトータルソリューションが求められているとのことです。また、ライフス
タイルの変化や技術革新により新たな事業機会が生まれており、その機をとらえた事業創出が競争優位の源泉とな
るとのことです。当該事業における更なる成長のためには、モバイルを中心とした現状の事業領域にとどまらず、
より広い領域におけるお客さまニーズや新たな事業領域に対応したサービス・ソリューション創出力、及び顧客対
応力を強化することが必要であると考えているとのことです。これらの実現に向け、公開買付者グループの保有す
るリソース・アセットと対象者のリソース・アセットを統合、又は連携させることにより、早期かつ確実に可能と
なると考えているとのことです。具体的には、法人ビジネスにおいては、対象者の商材と公開買付者グループの商


                       - 13 -
材との連携によるモバイル・固定通信・上位領域のサービスまでを含めたソリューション提供領域の拡張や、対象
者のモバイルネットワークサービス基盤と公開買付者グループの固定ネットワークサービス基盤及びソリューショ
ンを融合した新たなサービスの創出等を行っていくとのことです。さらに、公開買付者グループの有する営業リ
ソース、顧客基盤等のアセットを統合、又は適切に連携して活用することで、法人ビジネスにおける顧客対応力の
更なる強化を図っていくとのことです。また、スマートライフ事業においては、対象者のマーケティングプラット
フォームと公開買付者グループの保有するソリューションとの連携強化により、顧客理解をさらに深化させ、会員
基盤を活用したエコシステムをさらに拡大していくとのことです。さらに、映像配信やヘルスケアといった成長領
域において公開買付者グループのアセットを活用することで新規事業創出を加速するとともに、公開買付者グルー
プの有するソフトウェア開発リソースの有効活用等により、成長領域におけるサービス創出力の強化を図り、マー
ケティングソリューションカンパニー・サービス創出カンパニーとしての進化を実現するとのことです。さらに、
公開買付者のグローバル拠点や国内外のパートナーとの連携強化を通じ、国内で展開した法人ビジネス・スマート
ライフ事業のグローバル展開も図っていくとのことです。


(c)グループ全体のリソース活用による研究開発体制の強化
対象者を含む公開買付者グループの中長期的な企業価値向上のためには、通信技術の進化や6G・IOWNを含
む次世代ネットワークの実現に向けた、研究開発力の更なる強化が必要であると考えているとのことです。これら
の実現に向け、公開買付者グループの研究開発部門と対象者の研究開発部門の連携をさらに強化し、機動的な研究
開発体制を構築することにより、早期かつ確実に可能となると考えているとのことです。具体的には、対象者と公
開買付者グループのR&D部門の連携強化により機動的な研究開発体制を構築するとともに、公開買付者グループ
の基礎研究成果を早期に取り込み、実用化技術の開発に集中した資源投下を行い、公開買付者グループ各社の開発
リソースとの連携を強化することで、高品質なサービスを早期に創出する体制を構築していくとのことです。


また、これまで対象者は上場会社として、対象者少数株主の利益を尊重し、対象者としての独立性の確保に努め
てきたとのことです。このため、公開買付者グループの経営インフラを共通活用することについては、公開買付者
グループと少数株主との利益相反の懸念、対象者としての独立性の確保のため、迅速かつ円滑にその推進を行うこ
とが困難であったとのことです。本取引後においては、公開買付者の完全子会社になることで、そのような公開買
付者グループと少数株主の間の利益相反や独立性確保のための制約を回避しつつ、中長期的な成長の観点から必要
な公開買付者グループとの連携及び経営資源の効率的活用を迅速かつ円滑に行いながら、対象者を含む公開買付者
グループの中長期的な企業価値向上に資することができると考えているとのことです。
また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり 3,900 円は対象者の一般株主の皆さまが享
受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の一般株主の皆さまに対して適切なプレミ
アムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。
(ⅰ)当該価格が、対象者において、下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠等」の
   「② 算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措
   置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条
   件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者と
   の間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(ⅱ)当該価格が、下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」
   の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付け
   の公正性を担保するための措置)」の「(vi) 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー
   及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書
   (野村證券)における野村證券による対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法及び類似会社比較
   法による算定結果の範囲を上回っており、また、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」
   といいます。)による算定結果の範囲内であること。また、下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け
   等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利
   益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(vi) 対象者にお
   ける独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・
   オピニオンの取得」に記載のとおり、野村證券から、本公開買付価格である1株当たり3,900円が対象者株



                       - 14 -
   式の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨の本フェアネス・オピニオン
   (野村證券)が発行されていること。
(ⅲ)当該価格が、下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」
   の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付け
   の公正性を担保するための措置)」の「(iv) 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイ
   ザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算
   定書(プルータス)におけるプルータスによる対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社
   比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であること。また、
   下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」の「(本公開
   買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担
   保するための措置)」の「(iv) 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三
   者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、
   本公開買付価格である1株当たり3,900円が対象者株式の株主(公開買付者及びその関係会社を除きます。)
   及び本米国預託証券の保有者にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(プルータ
   ス)が発行されていること。
(ⅳ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年9月28日の東京証券取引所市場
   第一部における対象者株式の終値2,775円に対して40.54%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以
   下、プレミアム率の計算において同じです。)、2020年9月28日から直近1ヶ月間の終値単純平均値2,814円
   (小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して38.61%、
   同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,941円に対して32.59%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値3,018円に対
   して29.25%のプレミアムが加算されたものであり、親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした
   他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準に照らしても遜色なく、合理的な水準と認められること
   (なお、対象者株式の市場株価は、直近において下落しているものの、対象者株式の市場株価に対するプレ
   ミアムの検討に際しては、2020年9月28日から直近1ヶ月間の終値単純平均値、同直近3ヶ月間の終値単純
   平均値及び同直近6ヶ月間の終値単純平均値のそれぞれに対するプレミアムが十分に確保されていることを
   もって、合理的な水準であると判断しているとのことです。)。
(ⅴ)当該価格は、下記「2.買付け等の概要」の「(4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経緯」
   の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付け
   の公正性を担保するための措置)」の「(ii) 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとお
   り、特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。


以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本
取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2020 年9月 29 日開催の対象者取締役会において、本公開買付
けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆さまに対し、本公開買付けに応募することを、本米
国預託証券の所有者の皆さまに対し、事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章
されていた対象者株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを、それぞれ推奨することを決議したと
のことです。
当該取締役会における決議の方法については、下記「2.買付け等の概要」の「
                                   (4)買付け等の価格の算定根拠
等」の「② 算定の経緯」の「
             (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「
                         (viii) 対象者における利害関係を有しない取締役(監
査等委員であるものを含む)全員の承認」をご参照ください。


③ 本公開買付け成立後の経営方針
公開買付者は、本取引後、対象者の更なる企業価値の向上に向けた経営を継続する方針であり、対象者の事業特
性、強みを十分に活かした経営を行い、事業強化を図ってまいります。
また、公開買付者は、本取引後、期待される対象者グループの競争力強化・成長と、公開買付者グループ全体の
中長期的成長を出来る限り早期に実現することを目的として、グループの経営資源を活用し、必要な施策とその推
進体制について対象者と協議の上、速やかに実行していく考えです。対象者としても、引き続き、対象者の事業特
性、強みを十分に活かした経営を行い、事業強化を図り、対象者の更なる企業価値の向上に向けた経営を継続しつ



                         - 15 -
  つ、上記「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「
                                         (ⅲ)判断内容」に記載の
  とおり、対象者が公開買付者グループ全体の中心的ポジションを担う体制を確立し、コンシューマ・法人を問わず
  「すべてのお客様のフロント」として、多様化するお客様ニーズに、モバイルネットワークにとどまらずアプリ
  ケーション・ソリューションまで含めたトータルサービスで対応する存在となり、本取引を通じた公開買付者グ
  ループの保有するリソース・アセットを戦略的かつ機動的に活用することによるシナジーを最大限、かつより早期
  に獲得するための経営体制を構築していく所存とのことです。その一環として、公開買付者による対象者の完全子
  会社化後、対象者グループの更なる企業価値の向上に資する経営戦略の策定・実行に迅速に取り組むことで、社会
  への更なる貢献をめざすため、2020 年9月 29 日開催の取締役会において、2020 年 12 月1日付(予定)での代表取
  締役の交代を含む役員等の異動を決議しているとのことです。その内容については、下記「4.その他」の「
                                                  (2)
  投資者が買付け等への応募の是非を判断するために必要と判断されるその他の情報」の「② 対象者の代表取締役
  の異動」及び対象者が発表した 2020 年9月 29 日付「代表取締役及び役員等の異動に関するお知らせ」をご参照く
  ださい。
   なお、本日現在において、対象者の取締役会は社外取締役7名及び監査等委員である取締役5名を含む 15 名で構
  成されておりますが、そのうち取締役1名(黒田勝己氏)が公開買付者の従業員としての地位を有しております。
  また、対象者の取締役(監査等委員である取締役を除く。)10 名のうち5名(吉澤和弘氏、井伊基之氏、丸山誠治
  氏、藤原道朗氏、廣井孝史氏)
               、及び監査等委員である取締役5名のうち3名(須藤章二氏、寒河江弘信氏、中田勝
  已氏)は、公開買付者の出身者です。本取引後の対象者の経営体制につきましては、上記の代表取締役の交代を含
  む役員等の異動以外、現時点において決定している事項はありませんが、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーション
  ズ株式会社やエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社を対象者グループへ移管すること等、対象者グループを含む
  公開買付者グループ各社における連携強化を検討していく考えであり、今後対象者と協議の上、上記「① 本公開
  買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸施策の実行や経営基盤の更なる強化
  に向けた最適な体制の構築を検討していく予定です。


(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
   該当事項はありません。


(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担
  保するための措置
   公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けに関する意見表明を含む本取
  引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間で構造的に利
  益相反の関係にあることに鑑み、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するため、以下の措置を講じて
  おります。以下の記載のうち対象者において実施した措置等については、対象者プレスリリース及び対象者から受
  けた説明に基づくものです。
   なお、公開買付者は、上記「
               (1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本日現在、対象者株式 2,137,733,200
  株(所有割合 66.21%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリ
  ティ」
    (Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、か
  えって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆さまの利益に資さない可能性もあるものと考え、本公
  開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」
                                (Majority of Minority)の買付予定数の下限
  を設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において以下の(i)から(x)までの措置が講じられており、本
  公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられていることから、対象
  者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。


 (i) 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取
    得並びに独立した第三者算定機関からのフェアネス・オピニオンの取得
(ii) 対象者における独立した特別委員会の設置
(iii) 特別委員会における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
(iv) 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及び
    フェアネス・オピニオンの取得


                            - 16 -
 (v) 対象者における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
(vi) 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェ
    アネス・オピニオンの取得
(vii) 対象者における独立した検討体制の構築
(viii) 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員であるものを含む)全員の承認
(ix) 取引保護条項の不存在
 (x) 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置


   以上の詳細については、下記「2.買付け等の概要」の「
                            (4)買付け等の価格の算定根拠等」の「② 算定の経
  緯」の「
     (本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公
  正性を担保するための措置)
              」をご参照ください。


(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
   公開買付者は、上記「
            (1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とする方針
  であり、本公開買付けにおいて公開買付者が対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所
  有する自己株式を除きます。
              )を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下のいずれかの方法により、
  対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。
                                             )を所有するため
  の手続を実施する予定です。


  ① 株式売渡請求
   本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の
  90%以上となった場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法(平成 17 年法律第 86
  号。その後の改正を含みます。以下同じです。
                      )第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付
  者及び対象者を除きます。
             )の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式の全てを売
  り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。
                          )する予定です。
   株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対し
  て交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を、対象者に通知し、対象者に対し株式売渡
  請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める
  手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもっ
  て、売渡株主が所有する対象者株式の全てを取得します。公開買付者は、売渡株主の所有していた対象者株式の対
  価として、各売渡株主に対し、対象者株式1株当たり本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対
  象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より会社法第 179 条の2第1項各号に定める事項を記載した
  株式売渡請求の通知を受けた場合には、対象者の取締役会において、公開買付者による株式売渡請求を承認する予
  定とのことです。
   なお、株式売渡請求の対象となる対象者株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行(下記「2.買付け
  等の概要」の「
        (3)買付け等の価格」において定義します。以下同じです。)が保有する対象者株式も含まれてい
  ますので、上記の承認がなされた場合には、本預託銀行に対しては、本公開買付価格に当該対象者株式の数を乗じ
  た金額に相当する金銭が交付される予定です。この場合、本米国預託証券の各保有者に対しては、その保有する本
  米国預託証券の数に応じて、本預託銀行より、預託契約に従い、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算
  (1セント未満を四捨五入)した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭が交付される予定
  です。
   上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第 179 条の8その他関係法
  令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うこと
  ができる旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断する
  ことになります。
   なお、本米国預託証券の保有者が価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米国預託証券を本預
  託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている対象者株式の交付を受けた上で、会社法第 179 条の8その他関係
  法令の定めに従い価格決定申立てを行う必要があります。


                           - 17 -
② 株式併合
本公開買付けが成立したものの、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数
の 90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第 180 条に基づき対象者株式の併合を行うこと(以下「株式併
合」といいます。
       )及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うこ
とを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。
                                )を 2021 年1月頃を目途に開催すること
を対象者に要請する予定であり、公開買付者は、本臨時株主総会において、当該議案に賛成する予定です。本臨時
株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、
対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有する
こととなります。
株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第
235 条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合に
は、当該端数は切捨てられます。以下同じです。
                     )に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却すること等
によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格について
は、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。
                                                )に交
付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう
設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、対象者株式
の併合の割合は、本日現在において未定ですが、公開買付者が対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除
きます。
   )を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除
きます。
   )の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定です。
なお、株式併合の対象となる対象者株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する対象者株式も
含まれていますので、上記の決定がなされた場合には、本預託銀行が株式併合後に保有する対象者株式の数も1株
に満たない端数となる予定です。この場合、預託契約に従い、本米国預託証券の各保有者に対しては、その保有す
る本米国預託証券の数に応じて、本預託銀行より、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算(1セント未満
を四捨五入)した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭が交付される予定です。
上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の
数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第 182 条の4及び第 182 条の5その他の関係法令の定めに従い、
所定の条件を充たす場合には、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する対象者株式のうち1株に満たない
端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価
格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付
けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。
                                )の所有する対象者株式の数は1株に満た
ない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主は、上記申立てを行うことができることになる予
定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
なお、本米国預託証券の保有者が株式買取請求及び価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米
国預託証券を本預託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている対象者株式の交付を受けた上で、会社法第 182
条の4及び第 182 条の5その他の関係法令の定めに従い株式買取請求及び価格決定申立てを行う必要があります。


上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況によっては、実施に時
間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合
には、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。
                                         )に対しては、最終的
に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開
買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。また、そ
の場合、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する対象者株式に関して本預託銀行に対して交付される金
銭の額も同様となり、本米国預託証券の保有者に対しては、その保有する本米国預託証券の数に応じて、本預託銀
行より、預託契約に従い、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算(1セント未満を四捨五入)した金額か
ら本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭が交付される予定です。以上の場合における具体的な手続
及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。



                        - 18 -
   本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆さまの賛同を勧誘するものでは一切ありません。ま
  た、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主(本米国預託証券の
  保有者も含みます。
          )の皆さまにおいて自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたしま
  す。


(6)上場廃止となる見込み及びその事由
   対象者株式は、本日現在、東京証券取引所市場第一部に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けに
  おいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止
  基準に従って、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付け成立時点
  で当該基準に該当しない場合でも、上記「
                    (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する
  事項)
    」に記載のとおり、本完全子会社化手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、対象
  者株式は所定の手続を経て上場廃止になります。なお、対象者株式が上場廃止となった場合は、対象者株式を東京
  証券取引所において取引することはできません。




                           - 19 -
2.買付け等の概要


(1)対象者の概要




①   名                         称   株式会社NTTドコモ
②   所             在           地   東京都千代田区永田町二丁目 11 番1号
③   代 表 者 の 役 職 ・ 氏 名             代表取締役社長 吉澤 和弘
                                  携帯電話サービスや光ブロードバンドサービスを含む通信事業、動画・音楽配信を
④   事         業       内       容
                                  含むスマートライフ事業並びに、ケータイ補償サービスを含むその他の事業の展開
⑤   資             本           金   949,680 百万円
⑥   設     立