9424 日本通信 2019-11-15 11:30:00
日本通信、携帯料金4割削減プラン実現のために総務大臣裁定を申請 [pdf]

                                              2019 年 11 月 15 日
各   位
                                  東京都港区虎ノ門四丁目1番 28 号
                                          日本通信株式会社
                                     代表取締役社長 福田 尚久
                                        (コード番号:9424)
                                 問合せ先 執行役員CFO 小平 充
                                         電話 03-5776-1700



        日本通信、携帯料金4割削減プラン実現のために総務大臣裁定を申請

 日本通信株式会社(以下、
            「当社」という)は、2014 年 4 月から5年以上にわたり、株式会社NTT
ドコモ(以下、
      「ドコモ」という)との間で、音声通話サービス(通話定額を含む)の卸契約に関する協
議を行なってまいりましたが、このたび協議が不調に終わったことから、本日、電気通信事業法第 39 条
において準用する同法第 35 条第3項の規定により、総務大臣による裁定を求める申請を行いましたの
で、下記のとおり、お知らせいたします。


                          記


1.経緯及び背景
    当社は 1996 年の創業時に、MVNO事業モデルという新たな通信事業の在り方を考案し、以来一貫
 して自ら実践してまいりました。当初は、携帯電話事業者(MNO)と個別に相対契約を締結して通
 信サービスを調達し、お客様に提供していましたが、この方法では、調達条件は携帯電話事業者の意
 向次第であり、MVNO事業者が競争力のあるサービスを開発し、安定的に提供することはできませ
 んでした。
    そのため、当社は、2007 年 7 月、ドコモとの間で協議が不調に終わっていたデータ通信の相互接続
 について総務大臣裁定を申請し、同年 11 月、当社の主張を認めていただく形で総務大臣裁定が下さ
 れました。これにより、当社は、ドコモから原価ベースの価格(原価に適正利潤を加えた額)でデー
 タ通信サービスを調達することができるようになり、MVNO事業は、長期的な事業モデルとして成
 立しうるものとなりました。その後、当社はデータ通信をMNOの半額で提供し、MVNO事業への
 新規参入が加速、MVNO事業者数は現在では 1,000 社を超え、一つの産業にまで成長しました。


    しかしながら、原価ベースで調達できるようになったのはデータ通信サービスであり、音声通話サ
 ービスの調達条件はドコモ次第であるため、当社は競争力のある料金を打ち出すことができていませ
 ん。当社は、ドコモとの間で、2010 年に音声通話サービスの卸契約を締結しましたが、その後、今日
 に至るまで、卸料金の改定は実質的にはありません。ドコモは、2014 年に通話定額サービスを市場に
投入し、現在は月額 1,700 円の通話定額オプションを提供していますが、当社の音声通話サービスの
調達価格は卸契約の締結時から変わっていないため、当社は、従来どおり、30 秒あたり 20 円という
従量制の料金で提供せざるを得ない状況が続いています。本大臣裁定において当社の主張が認められ
れば、データ通信及び音声通話を含めた月額料金を、携帯事業者が現在提供している料金から4割削
減した料金プランを提供可能と見込んでいます。


 このような状況で、本年 5 月に電気通信事業法が改正され、10 月 1 日に施行されました。この改正
は、モバイル市場の競争を促進するための基本的なルールを定めるもので、端末・通信の分離や2年
縛りの解約金上限を設けるなど、利用者にとって合理的な市場環境が整いました。しかし一方で、M
NOとMVNOが公正な競争ルールで戦える環境が整わなければ、MVNOはMNOによって駆逐さ
れ、モバイル市場の競争環境が後退していくことは明らかです。当社は、MVNO事業モデルを生み
出したパイオニア企業として、この状況を放置することはできず、このたびの総務大臣裁定により、
データ通信サービスのみならず、音声通話サービスにおいてもMNOとMVNOの公正な競争環境を
実現し、相互に切磋琢磨して多様かつ低廉な通信サービスを提供することを目指しています。


 以上の経緯及び背景から、当社は本日、総務大臣に、以下の2つの項目に関する裁定を求める申請
を行いました。


2.裁定を求める事項
 【裁定事項 1】
   音声通話サービスを能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を基本
  とする料金で、ドコモは当社に対して卸電気通信役務として提供すること


 【裁定事項 2】
   裁定事項1で求める事項を具現化した卸電気通信役務の一つとして、ドコモが現在「かけ放題
  オプション」及び「5分通話無料オプション」の名称で利用者に提供している音声通話料の定額
  サービスを、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を基本とする料金
  でドコモは当社に提供すること


3.業績に与える影響
 本裁定において当社の主張が認められた場合、当社は、コンシューマ市場及び法人市場向けに音声
定額サービスを含めた低廉なサービスを提供することができるようになり、初めて、公正な競争環境
でMNOとの通信サービス競争に参入することができます。その場合、当社が持つ柔軟かつ高機能な
課金システムや安全な通信等の当社の強みを活かした売上成長が可能となり、同時に調達コストが削
減されることから、2020 年 3 月期の業績への影響が生じることになりますが、影響額については、本
裁定が下された段階で公表いたします。
■日本通信について
 日本通信は 1996年5月24日、モバイルが実現する次世代インターネットを活用して日本の次世代経済の
基盤を構築する総務省の方針を実現する会社として設立されました。当社ビジネスモデルはのちにMVNOと
命名され、 2009 年3月、総務省の携帯市場のオープン政策のもとNTTドコモとの相互接続を実現しました。
これにより 「格安SIM」 が生まれ、携帯事業者以外から携帯通信  (SIM)が買える市場が誕生しました。次は、
携帯電話以外の産業が、   自社サービスにモバイルを組み込み、  産業全体がモバイルを活用し成長する番です。
MVNO ルールメーカ、世界初のMSEnabler としての強い技術ビジョンと高い遂行力によって、日本発の経
済創出の一翼を担うべく次世代プラットフォームの構築に取り組んでいます。       東京、米国コロラド州およびア
イルランドダブリンに拠点を置き、東京証券取引所市場第一部に上場(証券コード:9424)しています。当
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