9409 テレビ朝日HD 2020-05-26 15:00:00
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]
2020 年 5 月 26 日
各 位
会社名 株式会社テレビ朝日ホールディングス
代表者名 代表取締役会長 ・ CEO 早河 洋
(コード番号:9409、東証第1部)
問合せ先 専務取締役 藤ノ木 正哉
03-6406-1115
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ
当社は、株主1名より、2020 年 6 月 26 日開催予定の第 80 回定時株主総会における議案につ
いて株主提案(以下「本株主提案」といいます。
)を行う旨の書面(以下「本株主提案書面」とい
います。
)を受領しておりましたが、本日開催の当社取締役会において、本株主提案について反対
することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.提案株主
株主名 アールエムビー・ジャパン・オポチュニティーズ・ファンド,エル・ピー
2.本株主提案の内容および理由
(1) 議題
自己株式の取得の件
(2) 議案の要領および提案の理由
別紙に記載のとおりです。
なお、提案株主から提出された本株主提案書面の該当箇所を原文のまま掲載しています。
3.株主提案に対する取締役会の意見
当社取締役会は、以下の理由により、本株主提案に反対いたします。
(1) 当社では、中期経営計画における戦略投資および設備投資等の規模に鑑み、中長期的な
観点から、現在の株主還元政策を策定、実行しております
テレビ局を取り巻く経営環境は今、デジタル化に伴う動画広告市場の急拡大や、スマートフォ
ン・タブレット端末などによるコンテンツスタイルの多様化など、激変しております。当社は、
このようなメディア環境に対応できる「新しい時代のテレビ局」への進化を目指し、経営計画「テ
レビ朝日 360°2017– 2020」を推進し、コンテンツ制作力の強化はもとより、コンテンツの 360°
展開(他メディア展開)などにより、収益源の多様化を徹底的に進めてまいりました。
また経営環境の激変を受け、
経営計画を一年前倒し、
新たに策定した経営計画「テレビ朝日 360°
2020-2025」では“当社グループの全ての価値の源泉はコンテンツにある”という基本理念を維
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持した上で、さらなる自己変革を加速してまいります。
このような360°戦略を展開するために何よりも大切なのが、強力なコンテンツであり、コ
ンテンツ制作力を維持・強化していくことが、当社の持続的な成長と発展につながります。その
ために、当社では、戦略投資枠を設定し、コンテンツ制作力の強化やコンテンツを核としたビジ
ネスの強化につながる資本提携やM&A等を実行してまいりました。現経営計画では 300 億円の
戦略投資枠を設定し実行しました。また新しい経営計画においても、安定した放送等を継続する
ための投資や次世代放送に対応するための投資等にくわえて、経営計画を推進する戦略投資を行
うことを想定しています。
このような戦略を通して、本業の利益水準の拡大を中心に資本効率の改善に努めることで、今
後とも株主価値の向上に努めてまいります。
また、当社は株主還元の重要性を強く認識しており、前述の将来的な資金需要を踏まえたうえ
で、
「継続的な成長に主眼をおいた安定的な普通配当に努めるとともに、記念配当・特別配当など
により、株主還元に努める」とする配当方針を掲げております。くわえて自己株式の取得につい
ても、成長投資とのバランスを考慮し、株主還元の選択肢の1つとして継続的に検討することと
しております。以下の通り、特別配当・記念配当や、自己株式取得を実施してまいりました。今
後とも安定性と機動性の両面で株主の皆様への還元に努めてまいります。
2015 年度 2016 年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度
普通配当 40 円 40 円 40 円 40 円 40 円
10 円 10 円
特別・記念配当 - - -
(特別配当) (開局 60 周年)
年間配当金 40 円 40 円 50 円 50 円 40 円
自己株式取得 22.4 億円 - - - -
なお、このような株主の皆様を重要なステークホルダーとする適切な経営判断を行っていくた
めに、当社ではコーポレート・ガバナンスの継続的な改善に取り組んでまいりました。これまで
に、認定放送持ち株会社化、監査等委員会設置会社への移行、独立社外取締役の増員ならびに取
締役会構成員の多様化、指名・報酬委員会の設置、などの施策を実施してきたことが、株主還元
を重要課題と位置付けた諸施策の実施へとつながってまいりました。今後とも、コーポレート・
ガバナンスの実効性の向上に努めてまいります。
(2) 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界的に経済環境は不透明度を増しており、
今後の経営危機に備えた手元流動性の確保が経営における重要課題です
新型コロナウイルス感染拡大の世界経済への影響は、現在でも甚大であると想定され、なおか
つ、今後収束の見通しが立っているとは言えない状況です。そのような中、企業の手元流動性に
対する懸念は著しく高まっております。
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当社も例外ではありえず、2019 年度第 4 四半期のスポット収入は、各種増収策を実施したもの
の前年同期比 9.8%の減収となりました。また、2020 年度に入ってからも、テレビ広告市況の急
速な落ち込みや、一部番組の収録等を中止していることなどもあり、今後の収益への影響は現状
では正確な見通しが立っておりません。
当社は、民間放送局を傘下にもつ認定放送持株会社としての公共的使命を果たしながら、共通
の理念を持つ人材の育成と確保、ステークホルダーとの信頼関係の保持、放送局・報道機関とし
ての使命の全うとともに、これらを前提とした社会のニーズに適うコンテンツを制作・発信し続
けることが企業価値の源泉であると考えております。そのためには、安定した経営基盤・財務基
盤の維持が経営の重要課題であり、現在のような状況下においては少しでも財務健全性を損なう
ようなリスクをとることは、中長期的な株主共同の利益に資する経営判断とは思われません。
当社は株主還元の重要性を強く認識しており、企業価値向上に向けた成長投資と経営基盤・財務
基盤の維持等の施策および外部環境等を総合的に勘案し、継続的に検討してまいります。
以上の理由から、当社取締役会は、本株主提案に反対致します。
以 上
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(別紙)
「議案の要領および理由」
提案株主から提出された株主提案書面の該当箇所を原文のまま掲載しています。
(1) 議案の要領
会社法 156 条 1 項の規定に基づき、本定時株主総会終結のときから 1 年以内に当社普通株
式を、株式総数1,250,000株、取得価格の総額2,000,000,000円(ただ
し、会社法により許容される取得価額の総額(会社法 461 条に定める「分配可能額」)が当該
金額を下回るときは、会社法により許容される取得価額の総額の上限額)を限度として、金銭
の交付をもって取得することとする。
(2) 提案の理由
市場において株価が低いと評価を受けている場合には、会社は、自社株を買戻すことで、株
主に投下資本回収の機会を与えるだけでなく、経営陣により「自社株が市場において不当に安
い評価を受けている」との見解を示すことができます。これらを通じて、将来の企業価値の向
上に資することになります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、貴社の株価は本来よりも低い評価となっています。
日本経済が景気後退に直面しているとされる中、不確実性に対処しつつ経営安定性を維持する
ため、一定の手元資金を確保することは必要です。しかし、貴社の場合は、今後想定される資
金流出を勘案しても、本提案の規模の自己株式の取得は十分可能であり、自己株式の取得が将
来の企業価値向上に資することが見込まれるため、本提案を致します。
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