9318 アジア開発キャピタル 2021-02-19 17:00:00
ワンアジア証券株式会社の第三者割当増資引受(子会社化)に関するお知らせ [pdf]

                                                                       2021 年 2 月 19 日
各 位
                                                 会 社 名 アジア開発キャピタル株式会社
                                                 代表者名 代表取締役社長 アンセム ウォン
                                                                       ANSELM WONG
                                                 (コード:9318 東証第 2 部)
                                                 問合せ先 社長室 天神 雄一郎
                                                 (TEL.03-5534-9614)


      ワンアジア証券株式会社の第三者割当増資引受(子会社化)に関するお知らせ



 当社は、本日開催の取締役会において、ワンアジア証券株式会社(以下、
                                 「OAS 社」といいます。
                                             )が実施する第
三者割当増資を引き受け(以下、
              「本件引受」といいます。、同社を子会社化することについて決議しましたので、
                          )
下記の通りお知らせいたします。
 なお、本件引受につきましては、2021 年 2 月 26 日開催予定の OAS 社臨時株主総会において第三者割当増資に関
する議案が承認されることを実施の条件といたします。
                                         記


1. 本件引受の理由


  当社グループは、2020 年 3 月期まで 14 期連続して経常損失を計上しており、2021 年 3 月期第 3 四半期連結決
算において 320 百万円の営業損失を計上し、財政状態の改善および収益力の強化が経営の最重要課題となってお
ります。現在まで大幅な損失を計上している中、2020 年 10 月 6 日に発行済株式数の 2.3 倍に相当する大規模な第
三者割当増資を実施しました。これにより、株式の希薄化を招き、全株主にご迷惑をおかけすることとなりまし
た。当社は、前述の増資を実施したことに加え、11 月下旬に経営陣の刷新を行い、事業の総点検を行いました。
それを受け、2018 年 8 月 14 日に前経営陣が策定した中期経営計画の実現が困難と判断、企業価値を高め、事業成
長を実現するため、不必要なコストの更なる削減と収益構造の抜本的な再構築を実行すべく、グループ全体にお
いて実現可能な収益改善プロジェクトを迅速に立ち上げる方針です。
 今後の利益創出に向けた、より具体的、かつ実現可能なリバイバルプラン、2022 年 3 月期から 2024 年 3 月期
(2021 年 4 月~2024 年 3 月)までを対象とする新たな中期 3 ヵ年経営計画および、この変更に伴う資金用途の変
更を本年 3 月初旬迄に策定し、発表する予定でおります。
 当社は本年 2 月 15 日付適時開示資料「ワンアジア証券株式会社との包括的業務提携に関する基本合意のお知ら
せ」にてお知らせした通り、OAS 社との包括的業務提携の諸準備を双方で協力・実施しておりましたが、この度、
当社が OAS 社を子会社化することにより、当社との関係性の強い新鴻基有限公司 SUN HUNG KAI & CO. LIMITED
(SEHK:0086)
          (以下、
             「SHK 社」といいます。
                         )グループの証券会社である EVERBRIGHT SUN HUNG KAI LIMITED(以
下、
 「ESHK 社」といいます。
              )とのシナジーを活かすことで、当社の経営課題の解決に寄与し、同時に OAS 社の経
営改革を支援することにもつながると考えるに至りました。そして、このことが両社において一日でも早く利益
を創出し、社会的信用の向上に繋がるものと判断いたしております。
 なお、本件引受は自己資金によって行う予定でございます。


 当社は 2020 年 10 月に SHK 社の 100%子会社である SUN HUNG KAI STRATEGIC CAPITAL LIMITED(以下、
                                                                             「SHKSCL」
といいます。
     )に第三者割当増資を実施し、SHKSCL は当社の筆頭株主になりました。香港を拠点とする財閥系コン
グロマリットの SHK 社(総資産約 6,000 億円)及び SHK 社系列証券会社 ESHK 社(香港最大規模の証券会社、管理
資産約 2 兆円)が有する豊富な産業知識とグローバルネットワークを活用し、巨大な可能性を持ち、中長期的な
経済成長が見込める中国・香港地域をビジネスターゲットとします。

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 OAS 社では、金融関連諸法令を遵守した上、後述の既存の業務に加えて、当社及び SHK 社グループとともに下記
のアドバイザリー業務を展開していきたいと考えております。


 ①   日中両国の資本市場を活用した株式や債券による資金調達や経営戦略に関わる M&A アドバイザリー
 ②   中国・香港企業による日本企業への M&A アドバイザリー
 ③   日本企業によるアジア圏の企業への M&A アドバイザリー
 ④   特定の日本企業による香港証券取引所への上場に関わるアドバイザリー
 ⑤   クロスボーダーM&A に付随するサービス


 日中両国の企業に対して M&A や事業再生に関する最適なアドバイスを提供し、お客様企業の長期的な成長を幅
広くサポートし、企業価値向上に貢献していきます。


 また、アジア企業、とりわけ中国・香港企業に対する国内の投資情報の助言や、日本国内における既存のクラ
イアント(主に中堅企業オーナーや富裕層個人)にハイクオリティな金融サービス及び海外の運用商品を提供し
ていきます。中国・香港株や債券取引のほか、四半期毎に新しい商品やサービスの開発・提供に努めてまいりま
す。
 その他、投資事業組合を使ったファンドビジネスで SHK 社とのシナジーを活かし、利益を生む体質に変えてま
いります。日中両国における経済成長を後押しすることで、両国の資本市場の発展に貢献していきます。


 <OAS 社について>
 OAS 社は、2001 年2月設立以来、証券業務を行ってきました。株式相場の売買委託手数料が減少している上、
手数料自由化に伴う引き下げ競争も激化し、大幅減収に追い込まれる中小証券企業の淘汰が本格化する中で、同
社はM&A 仲介事業等の新規事業への進出を試みましたが、結果を出すことができず、収益改善の兆しが見えなかっ
たことから、2020 年6月に経営陣を刷新し、コロナ禍の中で経営改革を断行し、管理体制及び全組織の再構築を
徹底的に進行させております。専門性の高い仕事を着実にこなせるよう、投資銀行業務や信託業務の経験を有す
る人材を採用し、
       、外部との専門家との連携も積極的に行っております。内外専門家のノウハウを活かすことで、
お客様に新たなサービスを提供するとともに、内部管理体制の強化及び業績の安定化に繋げることを目指してお
ります。


 また、他社との差別化を図るために、中国・香港株や債券の取扱い商品を拡大し、今後は四半期毎に、投資家
の方に真に求められ、支持される独自性の高い商品やサービスの開発・提供に努め、既存の投資家に限らず、新
規投資家の獲得に繋げていくことを創意工夫していきます。
 手数料以外の収益源は OAS 社の将来を左右すると認識し、既存ビジネスに加え、投資事業組合等を用いたファ
ンドビジネス、クロスボーダーM&A の FA 業務、MS ワラントや CB の引受けなどの新しい金融サービスを積極的に行
うために、グローバル投資銀行業務について多様な知識と経験を有する役職員を新たに迎え、クライアントの多
様なニーズに対して専門性の高いソリューションを提供することが可能となる体制を整えていっております。
 OAS 社の既存の収益構造は、ブローカレッジ業務に大きく依存し、株式相場の影響を受けやすいビジネスモデル
でした。同時に、上位証券会社に市場シェアが集中してきており、既存のビジネスモデルではこれからの時代に
成長するのは難しくなってきております。
 そこで、ESHK 社とのシナジーを活かし、時代の流れにフィットした競争優位性を構築したいと考えております。
 SHK 社グループとは、相互の信頼に基づき、両社の特性および強み、社風、ビジネスモデルを活かしつつ、互恵
的かつ協力的な戦略提携を目指してまいります。


 近い将来において、アジアが世界の経済発展と金融革新のグローバルハブになると確信し、多くのアジアのク
ライアントやビジネスパートナーと交流を拡げていくことを通じ、クライアントの資産拡大に貢献する投資機会
を発見し、アジア経済の未来の発展に寄与していくことを使命であると考えております。
 なお、当社執行役員副社長の小杉裕が、OAS 社の代表取締役副社長に就任予定となっております。

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2. OAS 社の概要
(1)   名                   称     ワンアジア証券株式会社

(2)   所           在       地     東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

(3)   代表者の役職・氏名                 代表取締役 鬼木 康男

(4)   事       業       内   容     第 1 種及び第 2 種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 201 号

(5)   資           本       金     970 百万円

(6)   設   立       年   月   日     2001 年 2 月 14 日
                                1.KING STONE (INTERNATIONAL) HOLDINGS LIMITED 35.76%
                                2.CRYSTAL KIRIN LIMITED 14.93%
                                3.LUCKY VIBE LIMITED 14.71%
                                4.株式会社 朝陽 13.17%
      大株主及び持株比率                 5.株式会社アジアゲートホールディングス 8.12%
(7)
              (既存)              6. 中島 一彦 3.29%
                                7. 中文産業 株式会社 3.07%
                                8. 藤井 正晴 2.66%
                                9. 後藤 由利子 1.53%
                                10. 山本 麻記子 0.61%

                                                  当社は本増件引受により当該会社の普通株式 750,000 株
                                資 本 関 係
                                                  (62.23%)を保有する予定であります。


      上場会社と当該会社                                   当社執行役員副社長の小杉裕が、OAS 社の代表取締役副社長に
(8)                             人 的 関 係
      と の 間 の 関 係                                 就任予定となっております。


                                                  当社は、2021 年 2 月 15 日付で、当該会社との間で包括的業
                                取 引 関 係
                                                  務提携契約を締結しています。



3.OAS 社の直前 3 事業年度の経営成績及び財政状態                            (単位:千円)

                                 ワンアジア証券株式会社

                           2018年         2019年          2020年
      決算期
                           3月期           3月期            3月期
 純        資           産       188,700     238,275        234,395
 総        資           産   1,479,132     1,601,813       1,145,884
  1株当たり純資産(円)                  474.7        599.5          589.7
 売        上           高        40,482      36,049         34,870
 営    業       利       益    △99,085      △146,710        △163,442
 経    常       利       益   △100,969      △147,063        △163,073
  当 期 純 利 益               △101,669      △150,325        △163,826
 1株当たり当期純利益(円)             △255.81        △378.23        △412.20
  1株当たり配当金(円)                     -            -              -
4.本件引受の方法

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 同社が実施する第三者割当増資により発行する株式 750,000 株全てを当社が引き受け、同社を当社の子会社と
いたします。


5.取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1)   異動前の所有株式数            0株
(2)   取   得    株   式   数   750,000 株
(3)   取    得       価   額   OAS 社の普通株式 60,000,000 円
(4)   異動後の所有株式数            750,000 株(株式保有割合:62.23%)


6.本株式取得の日程
(1)   取 締 役 会 決 議 日        2021 年 2 月 19 日
(2)   引 受 契 約 締 結 日        2021 年 2 月 26 日(予定)
(3)   株 式 引 受 実 行 日        2021 年 2 月 26 日(予定)


7.今後の見通し
本子会社化による当社の 2021 年 3 月期の連結業績に及ぼす影響は軽微であります。今後、当社の連結業績等に
重要な影響を与える事象が発生した場合は、速やかにお知らせいたします。
                                                               以上



参考
<SHK 社について>
本子会社化に伴い OAS 社との間でシナジー効果が見込まれる SHK 社の概要は下記の通りです。
(以下、
   「SUN HUNG KAI & CO. LTD. 2020 INTERIM RESULTS」より一部加工の上引用)




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(引用終わり)




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