9308 乾汽船 2020-04-24 19:15:00
当社監査役による臨時株主総会開催禁止の仮処分の申立てに関するお知らせ [pdf]

                                                2020 年 4 月 24 日
各 位


                       会社名     乾汽船株式会社
                       代表者名    代表取締役社長           乾 康之
                                 (コード番号:9308     東証第一部)
                       問合せ先    コーポレートマネジメント部長     加藤 貴子
                                           (TEL. 03-5548-8613)


      当社監査役による臨時株主総会開催禁止の仮処分の申立てに関するお知らせ

 当社監査役は、当社株主であるアルファレオホールディングス合同会社(以下「本招集株主」といいま
す。)が招集する、2020 年 5 月 7 日開催予定の臨時株主総会(以下「本総会」といいます。)に関して、
本総会において本招集株主が行おうとしている決議方法に法令違反又は著しい不公正があり、       かつ、それ
により当社に著しい損害が生ずるおそれがあることを理由として、       本日、東京地方裁判所に株主総会開催
禁止の仮処分命令の申立て(以下「本申立て」といいます。
                          )を行いましたので、下記のとおりお知らせ
いたします。


                          記

1.本申立てを行った日
  2020 年 4 月 24 日

2.本申立てを行った者の概要
  東京都中央区勝どき一丁目 13-6
  乾汽船株式会社
  監査役 加島 昭久

3.本申立ての内容
 (1) 本申立てを行った裁判所
     東京地方裁判所

 (2) 本申立ての対象
     本総会の開催禁止の仮処分命令の申立て

 (3) 本申立ての理由・経緯
   ア.本申立ての理由
      本総会は、本招集株主が招集し、開催されるものですが、本総会では、①出席議決権に算入すべ
     き議決権代理行使の委任状による議決権が算入されない蓋然性が高いこと、及び、②株主の議場へ
     の入場制限により株主の直接の議決権行使等が制限される予定であることから、本申立ては、本総
     会において本招集株主が行おうとしている決議方法には法令違反又は著しい不公正があり、かつ、
   それにより当社に著しい損害が生ずるおそれがあることを理由になされたものです。
    以下、その概要をご説明いたします。
(ア) ①出席議決権に算入すべき議決権代理行使の委任状による議決権が算入されない蓋然性が高
   いこと
    当社は、現在、当社株主 204 名に対して、本総会における議決権の代理行使の勧誘(委任状勧
誘)を行っており、本総会の開催までに、当社株主から委任状を取得するとともに、当社が選定
する代理人が当該委任状を持参の上、本総会に出席する予定です。
 ところで、2019 年 9 月 26 日付プレスリリース「訴状受領に関するお知らせ」においてお知ら
せしております、同年 6 月 21 日開催の当社定時株主総会(以下「2019 年定時総会」といいます。
                                                  )
に関する株主総会決議の取消訴訟(令和元年(ワ)第 24145 号株主総会決議取消請求事件)にお
いて、本招集株主は、当社が当時行った委任状勧誘に係る委任状の様式について、株主総会の委
任状実務及び会社法学説の通説的な見解に沿った適法かつ有効なものであるにもかかわらず、こ
れに不備があるとして、これらの委任状実務及び通説的な見解とは異なり、当該委任状は無効で
ある旨の見解を一貫して主張しております。
 このような独自の見解を主張する本招集株主が本総会を招集し、運営する場合、本招集株主が、
当社による委任状勧誘により取得した委任状については無効であり、当該委任状に係る議決権を
出席議決権に算入しないとの取扱いを行う蓋然性は極めて高いと考えておりますが、出席議決権
に算入すべき議決権を算入せずに決議を行った場合、当該決議の方法に法令違反があると考えて
おります。
 なお、当社が委任状勧誘を行っている当社株主の議決権は合計 11 万 1024 個、その議決権総数
(24 万 7563 個)に占める割合は 44.85%(小数点第三位以下四捨五入)であり、また、そのう
ちのほぼ全てに相当する数の議決権を有する株主は、2019 年定時総会において、本総会で本招
集株主により廃止が提案されている買収防衛策の導入に関する議案に賛成されておりました。        し
たがって、当社が委任状勧誘を行っている当社株主の委任状を本招集株主が無効として取り扱っ
た場合、当該委任状による議決権の数等に照らすと、本総会の決議の成否に重大な影響を与える
と考えております。

(イ) ②株主の入場制限により株主の直接の議決権行使が制限される旨公表していること
  本招集株主のホームページ上で公開されている本総会の招集通知上、本招集株主は、本総会の
議場に入場できる株主を、本招集株主を含め 3 名に制限し、入場希望者がその人数を超過した場
合には、議場に入場できない可能性があるとしております。
 本招集株主は、上記運用の根拠として、経済産業省及び法務省が 2020 年 4 月 2 日付で公表し
た「株主総会運営に係る Q&A」を引用しておりますが、 Q&A においても、
                           同          かかる入場制限は  「合
理的な範囲内において」可能とされているにすぎず(同 Q2)  、これを無制限に可能とするもので
はありません。
 改めていうまでもなく、株主総会は、株主によって構成される株式会社の最高意思決定機関で
あり、株主が株主総会に参加できる権利は十分に尊重されなければなりません。しかしながら、
当社の株主数や過去の当社株主総会の出席株主数に照らして、      「本招集株主を含め 3 名」との制
限はあまりにも過剰であり、およそ「合理的な範囲内」のものではないと考えております。この
ように、「合理的な範囲内」の制限を超えて過度に株主の本総会への出席権及び議決権行使を制
限して決議を行う場合には、   当該決議の方法に法令違反があるか、   又は著しい不公正があると考
えております。
 なお、上記(ア)のとおり、 当社は、当社の議決権総数の 44.85%(小数点第三位以下四捨五入)
を有する当社株主に委任状勧誘を行っており、   また、そのうちのほぼ全てに相当する数の議決権
を有する株主は、2019 年定時総会において、本総会で本招集株主により廃止が提案されている
買収防衛策の導入に関する議案に賛成されておりました。    したがって、  当社が委任状勧誘を行っ
ている当社株主の委任状を持参する株主が、本総会の議場への入場を制限される場合、当該委任
状による議決権の数等に照らすと、本総会の決議の成否に重大な影響を与えると考えております。
 (ウ) 当社に著しい損害が生ずるおそれがあること
     本総会では、当社の株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)
                                    (以下「本プラン」とい
   います。)の廃止が目的事項とされております。
   本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上させるために当社株式の大
  規模買付けが一定の合理的な手続に従って行われるように設けられたものです。具体的には、本
  プランは、株券等保有割合が 30%以上となる買付け等を大規模買付行為等と定め、当社株式の大
  規模買付けが行われる場合における情報提供等に関する一定の手続を設定するとともに、大規模
  買付行為等にあたり本プランに定める手続が遵守されない場合、及び、大規模買付行為等が当社
  の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものである場合に対抗措置を発動する旨を
  定めるものであり、当社の経営権を有すべきものの在り方に関する基本方針に照らして不適切な
  者によって大規模買付けが行われた場合に、それらの者によって当社の財務及び事業の方針の決
  定が支配されることを防止する取組みとして位置付けられるものです。
   そして、上記(ア)及び(イ)で述べたとおり本総会において法令違反又は著しく不公正な方法によ
  り決議がなされ、 本プランの廃止議案が可決された場合には、  当社の経営権を有すべきものの在
  り方に関する基本方針に照らして不適切な者による当社株式の大規模買付行為等が、本プランに
  定める大規模買付者による必要情報の提供なしに、かつ、本プランに定める対抗措置の発動の余
  地もないまま進められ、その結果、株主に対して十分な検討の時間と情報が与えられないまま、
  かかる不適切な大規模買付者による買収が進められ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が
  毀損される可能性が高いと考えられます。
   したがって、法令違反又は著しく不公正な方法により本総会の決議が行われた結果、本プラン
  の廃止議案が可決された場合には、当社に著しい損害が生ずるおそれがあると考えております。

イ.本申立てに至る経緯
  本申立てに至る過程において、本総会の検査役(2020 年 4 月 9 日付プレスリリース「臨時株主
総会検査役の選任に関するお知らせ」をご参照ください。、本招集株主の代理人弁護士及び当社の
                          )
代理人弁護士が、本総会の運営に関する打合せを実施した際、当社の代理人弁護士が本招集株主の
代理人弁護士に対して、①当社が委任状勧誘を行っている当社株主の委任状を持参する株主 1 名が
本総会の議場へ入場できること、及び、②当社による委任状勧誘に係る委任状様式に基づく委任が
有効であることについて確認を求め、  当社の代理人弁護士が指定した期限までにその確認が得られ
ない場合には本総会開催禁止の仮処分の申立てを行う予定である旨を伝えたものの、  その後本招集
株主及びその代理人弁護士からは、当該期限までに何らの回答も得られませんでした。加えて、本
招集株主のホームページ上で同月 23 日付「乾汽船株式会社による『臨時株主総会開催禁止の仮処
分』の申立ての準備のお知らせ」が公開され、本招集株主は、本総会開催禁止の仮処分が申し立て
られた場合には却下を求めて対応する方針であることを明らかにしました。これらのことから、当
社監査役は、本総会において、当社が委任状勧誘を行っている当社株主の委任状を無効として取り
扱われ、また、当社が委任状勧誘を行っている当社株主の委任状を持参する株主の本総会の議場へ
の入場が制限される可能性が高いと考え、本申立てに至りました。
 なお、本招集株主は、本招集株主のホームページ上で公開されている、2020 年 4 月 23 日付「乾
汽船株式会社による『臨時株主総会開催禁止の仮処分』の申立ての準備のお知らせ」において、当
社が委任状勧誘を行っていることについて、「自己保身に基づくもの」である等と述べ、また、当
社監査役が本申立てを行うことについて、「東京地裁の許可決定の趣旨を全く踏まえていない」      「経
営陣の保身そのもの」である等と述べております。しかしながら、同月 17 日付プレスリリース    「当
社臨時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ」   に記載のとおり、    当
社としては、買収防衛策の必要性・相当性を始めとする客観的かつ合理的な理由により、買収防衛
策を廃止することに反対しておりますので、本総会において買収防衛策の廃止議案が成立するこ
とを防ぐために委任状勧誘を行うことは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の
観点からは当然であり、また、本総会の招集が裁判所の許可に基づくものであるとはいえ、裁判所
  が違法又は著しく不公正な株主総会をも許容しているものではなく、そのような違法又は著しく
  不公正な株主総会の開催を防ぐため、当社に対して善管注意義務・忠実義務を負う監査役が本申立
  てを行うこともまた当然である以上、全く的外れな指摘といわざるを得ません。

4.今後の見通し
  当社監査役は、本申立てに係る手続において、当社の正当性を真摯に主張して参ります。
 なお、本招集株主のホームページ上で公開されている本総会の招集通知に添付されている株主総会参
考書類の内容に対する当社取締役会の意見は、決定し次第、速やかにお知らせいたします。


                                             以上