9308 乾汽船 2019-10-07 19:00:00
臨時株主総会の開催日時および場所、付議議案、株主提案に対する当社取締役会の意見ならびに総会検査役選任の申立てに関するお知らせ [pdf]

                                                   2019 年 10 月7日
各 位


                         会社名      乾 汽 船 株 式 会 社
                         代表者名     代 表 取 締 役 社 長     乾     康之
                                     (コード番号:9308    東証第一部)
                         問合せ先     コーポレートマネジメント部長    加藤 貴子
                                               (TEL. 03-5548-8613)


         臨時株主総会の開催日時および場所、付議議案、
株主提案に対する当社取締役会の意見ならびに総会検査役選任の申立てに関するお知らせ

 当社は、2019 年9月 11 日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」において、当社
株主であるアルファレオホールディングス合同会社(以下「提案株主」といいます。          )より、臨時株主総
会招集の請求に関する書面(以下「本招集請求書」といいます。      )を受領したことをお知らせし、また、
2019 年9月 13 日付「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」 において、2019 年 11 月上旬を目途に、
同年9月 30 日を議決権行使の基準日とする臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。         )を開催
する予定である旨をお知らせしておりましたが、      本日付の取締役会決議により、  本臨時株主総会の開催日
時および場所、     付議議案ならびに株主提案に対する当社取締役会の意見について、    下記のとおり決定いた
しましたので、お知らせいたします。
  また、 本臨時株主総会について、   上記株主が東京地方裁判所に対して総会検査役選任の申立て      (以下「本
申立て」といいます。     )を行った旨の申立書を受領いたしましたので、併せて下記のとおりお知らせいた
します。

                            記

1.本臨時株主総会の開催日時および場所
(1)開催日時 2019 年 11 月4日(月曜日)
                         (祝日) 午前 10 時
(2)開催場所 乾汽船株式会社本社
         東京都中央区勝どき一丁目 13 番6号 プラザタワー勝どき
        ※当社第 99 回定時株主総会  (2019 年6月 21 日開催)
                                         とは開催場所が異なりますので、
          ご来場の際には、招集ご通知に記載いたします「臨時株主総会会場ご案内図」をご
          参照いただき、お間違えになりませんようご注意ください。

2.本臨時株主総会の付議議案
   【株主提案】第1号議案 取締役の報酬総額(年額)の引下げの件
   【株主提案】第2号議案 剰余金の配当の件
   【株主提案】第3号議案 取締役1名解任の件
   【株主提案】第4号議案 自己株式取得の件
         ※各議案の要領および提案の理由は、別紙「株主提案の内容」に記載のとおりです。
          なお、当該別紙は、本招集請求書の内容(事前に提案株主の承諾を得た、事務手続
          上の理由に基づく議案の要領の修正を含みます。)を原文のまま掲載したものであ
          ります。


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 なお、2019 年9月 11 日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」において公表い
たしましたとおり、提案株主は、本招集請求書において、2019 年6月 21 日開催の当社第 99 回定時株
主総会において株主の皆様のご賛同を得て承認可決の上で導入された     「対象会社株式の大規模買付行為
等への対応策(買収防衛策)     」を廃止することについても、本臨時株主総会の議案とすることを求めて
おりますが、当社取締役会において慎重に検討した結果、当該株主提案に係る議案については、その適
法性に疑義があると判断致しましたので、本臨時株主総会において議案として取り上げる予定はござい
ません。

3.議案に対する当社取締役会の意見
(1)第1号議案(取締役の報酬総額(年額)の引下げの件)

   第1号議案に対する取締役会の反対意見


   当社の取締役の報酬総額は、2008年2月28日開催の第87回定時株主総会において、年額2億円を
  上限とする旨ご決議いただいております。当社の取締役報酬の一部は業績に連動しており、年度毎
  に一定程度その額に変動があるため、取締役報酬限度額にも相応の幅が必要です。2018年度におけ
  る取締役報酬の実績が1億4,300万円であり、その約4割が業績連動報酬であったこと、経営執行体
  制の強化、取締役会の監督機能の強化等の観点から、今後、取締役増員の可能性もあること等、諸
  般の事情に照らし、この上限額を減額する必要はないと考えております。


   また、当社においては、取締役報酬の具体的な金額は、当社が任意で設置した「指名・報酬委員
  会」
   (その委員の過半数が独立社外取締役により構成されております)にて審議・提案し、取締役
  会で決定することとしております。
   加えて、当社の取締役の報酬は、①固定金銭報酬、②業績連動金銭報酬、及び③譲渡制限付株式
  報酬により構成されており、いずれも取締役の役位、職責及び会社業績等を勘案した客観的な算定
  方式等が定められております。


   以上のとおり、当社の取締役の報酬の決定にあたっては、その審議・決定の過程に客観性が担保
  され、取締役の恣意性が最大限排除されていることから、その結論としての報酬額も適正なもので
  あると考えております。


   さらに、当社の取締役は、外航海運事業、倉庫・運送事業、勝どきを中心とする不動産事業の3
  つの事業領域に亘る経営判断を担い、特に、業務執行取締役は、それら事業を包括して牽引してい
  く責任を負うことが求められ、そのような業務執行取締役の報酬額はかかる重大な責任の負担に対
  応した合理的な額であるべきと考えております。また、取締役の報酬総額を引き下げることは、業
  務執行取締役のみならず、独立社外取締役を含め、有能な取締役候補者の人材確保に支障をきたし、
  適切な経営判断及び事業の遂行を妨げる要因となります。

  したがいまして、当社取締役会は本提案に反対致します。

(2)第2号議案 剰余金の配当の件

   第2号議案に対する取締役会の反対意見


   当社の配当政策については、2014年10月の旧イヌイ倉庫株式会社と旧乾汽船株式会社の経営統合
  時から、両社の配当政策が、安定配当を重視するものと、一定の配当性向を重視するものとで異な
  っていたことを契機として、如何に事業の永続的な営みを支えつつ、株主の皆様への還元の最大化
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を果たすかにつき、相応の時間をかけ検討してまいりました。


 当社は、現在の中期経営計画(対象期間:2017年4月1日~2020年3月31日。詳細につきまして
は、2017年2月13日付で公表しております「はじめての中期経営計画~今を生きる、明日を生きる
~」
 (https://ssl4.eir-parts.net/doc/9308/ir_material3/66170/00.pdf)をご参照ください。 に
                                                                        )
おいても記載のとおり、運賃市況ボラティリティの大きい外航海運事業と、中長期の視点で景気波
動の異なる倉庫・運送事業及び不動産事業という3つの事業セグメントからなる事業特性を踏まえ、
「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」を方針とし、業績が悪いときでも無配を前提とせず、
また、
  「良いとき」には配当性向の累進による増配を目指すことにより、当社の配当政策は、多く
の株主の皆様からご支持をいただいております。


 かかる当社の配当政策は、当社の事業特性に沿った当社経営の根幹を支える考えであり、その実
現のために、当社は、資産を活用した事業の展開や、機動的な投資を行う財務基盤の強化に努めて
まいりました。当社が営む外航海運事業、倉庫・運送事業及び不動産事業においては、市況の変化
に臨機応変に対応すべく、ときには大規模設備投資の実行が不可欠であるところ、現在の中期経営
計画も、上記配当政策とその結果としての内部留保の確保を前提としており、2020年4月から始ま
る次期中期経営計画においても、この配当政策を前提とすることを予定しております。

 したがいまして、本提案は、当社の経営の根幹である配当政策のみならず、現在実行中の事業や
今後の経営計画にも相当な変更を迫ることになります。

 また、当社は、外航海運事業において、米ドル建てによる収入を得る一方で、従業員に対する給
与の支払など円建てによる支出もあるため、為替変動による影響を受けやすい環境にあります。そ
のため、当社は、円・米ドル双方の通貨建てによる収益がある場合には、双方の通貨を多く保有す
ることで、為替変動による資金効率の悪化を抑えることとしており、当社の現預金の保有は、他業
種と比較して、事業規模に比してやむを得ず多くなる傾向にあります。この点については、当社の
ように国内不動産事業も手掛けている他の海運会社でも同様であり、当社が特異な状況にあるもの
ではありません。したがいまして、当社において、円・米ドル双方の通貨を合わせて 100 億円程度
の現預金を保有することは、為替変動に伴う資金効率の悪化に対して備えるために必要であり、不
合理なものではありません。


 運賃市況が悪い時は、船価は低く、絶好の船舶購入の機会が到来しますが、運賃市況の低迷時に
は、融資案件を成約させるのは大変な苦労が伴うため、手元資金が十分でなければ、絶好の船舶購
入の機会を逃すことになります。一定の現預金を保有して、商機を逃さないことは、外航海運事業
を営む者であれば誰もが目指すところであり、当社はその実現のための準備を整えております。

 また、運賃市況低迷時の船舶の購入や重要な不動産資産の資産価値の維持等により事業基盤を整
えるため、当社には一定の資金需要が常に存在します。実際に、当社が保有する現預金は、事業運
営による利益のみならず、種々のファイナンスによる資金調達によるものも含まれております。例
えば、当社の財務基盤を支える勝どきの不動産資産は、施設賃貸業としての収益を生むだけでなく、
一定の含み益を背景に、超長期に資産から資金を抽出するアセットバックローン等における裏付け
資産となり得る資産ですが、実際に当社は、これまで上記資金需要に応えるため、銀行借入のみな
らず、勝どきの不動産資産を用いたアセットバックローン等を含むファイナンス全般について、相
応の時間をかけて検討を進め、事業の基盤を整えてまいりました。

 したがいまして、当社が現在有するこれらの余力は、次なる事業発展のための資金であり、決し
て剰余している資金ではありません。
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   最後に、現在の中期経営計画にも示しておりますとおり、容積率(建物の延床面積の敷地面積に
  対する割合)に余裕のある「プラザ勝どき(賃貸マンション) において、
                             」      建替えにより床面積を大
  幅に増加させ、将来の中長期的な収益性を向上させるべく、現在、大型再開発を計画しております。
  本計画の資金計画等については何ら決定した事実はありませんが、現状、工事費のみで数百億円規
  模となることが見込まれており、その実現に向けた資金面での備えが必要となります。本計画は、
  当社経営にとり一時的な負担となりますが、永年に亘り「住みよい街、勝どき」の地域環境に貢献
  し、当社の経営基盤をしっかりと支えることが見込まれる大型プロジェクトであり、長期的な目線
  で備えが必要な事業です。


   以上の各事情を踏まえますと、現時点において高額の配当を実施することの合理性が乏しいこと
  は明らかであり、当社の事業特性を無視し、移ろいやすい市況の変化に関する分析を欠いた本提案
  は、短期的な視点に立脚したものであり、当社の中長期的な企業価値を毀損するものであるといえ
  ます。


   上述のとおり、当社の配当政策との関係、現預金を一定程度確保しなければならない事業特性・
  経営環境等、計画中の大型再開発への備えの必要性という3つの観点から、当社取締役会は本提案
  に反対致します。

   なお、2019 年8月8日付で公表しております「2020 年3月期連結業績予想の修正に関するお知
  らせ」のとおり、2020 年3月期における連結当期純利益(  「親会社株主に帰属する当期純利益」
                                                 )の
  予想額はマイナス 809 百万円であり、今期の業績は厳しいものとなることが見込まれますが、当社
  は、既に述べた「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」方針を前提に、無配とはせず、2020 年
  3月期の配当予想は、1株当たり年間6円としております。

(3)第3号議案 取締役1名解任の件

   第3号議案に対する反対意見

   当社取締役乾康之は、  当社不動産事業部門、倉庫事業部門、管理部門等の担当役員等を務め、2008
  年 12 月より当社代表取締役社長として当社の経営を担っており、当社および当社グループの事業
  に関する豊富な業務経験と経営全般および管理運営業務に関する知見を有しています。   したがいま
  して、同氏が当社経営に当たることが、当社の企業価値の維持・向上に資するものと考えておりま
  す。


   本提案については、当社社外取締役3名全員(社外取締役苦瀬博仁、同川﨑清隆、及び同神林伸
  光)から、全員一致で以下の反対意見が示されております。

  <当社社外取締役の反対意見>


  「
  (第3号)議案には反対です。


   当社は、世界の経済動向に直接左右され、ボラティリティが極めて高い外航海運事業に加えて、
  多種多様な企業のオフィスや一般の方々の住居を提供する不動産事業、及び同じく多種多様な事業
  を支える倉庫・運送事業の三つを同時に経営しております。それら三つの事業経営のリーダーたる
  社長には極めて高度かつプロフェッショナルな経験・知見が要求されます。

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   乾康之社長は、それらの十分な経験・知見を備え、既に5年にわたり、この間の特に外航海運事
  業における厳しい市場環境にもかかわらず、同業他社と比べても遜色のない十分な業績を上げ続け
  てきたと、社外取締役として高く評価しています。そして、将来計画についても、その実現に向け、
  たゆまぬ努力をしています。私ども社外取締役としまして、このような実績と、長期的な将来計画
  実現の見通しを考えますと、この時点での社長交替などは全く現実的ではないと判断しておりま
  す。
   」


   また、当社監査役3名全員(常勤監査役加島昭久、社外監査役田中正人及び同山田治彦)からは、
  乾康之代表取締役社長の職務執行に関して、以下の意見が示されております。


  <当社監査役の意見>
   「乾康之代表取締役社長の職務の執行に関し、当社監査役3名各々が検証した結果、3名の意見
  は、以下のとおり一致致しました。
   乾康之代表取締役社長の職務の執行状況は、法令及び定款等に適合しており、善管注意義務違反
  は認められず、当該代表取締役社長の解任を要すると思われる事項は認められません。
                                        」


   当社取締役会としては、これらの意見を踏まえ、これまで乾康之代表取締役社長が当社の企業価
  値の維持・向上に果たしてきた役割に鑑み、本年6月21日開催の第99回定時株主総会において再任
  された乾康之代表取締役社長を解任することは、当社の経営に支障をきたすことになり、当社の企
  業価値の維持・向上の観点からは不適切であると考えております。


  したがいまして、当社取締役会は本提案に反対致します。

(4)第4号議案 自己株式取得の件

   第4号議案に対する反対意見


   当社は、長期に亘る持続的な事業の推進を通じて、株主の皆様への利益還元を行うことを経営の
  重要課題の一つと考えており、業績に応じた配当を基本とする「良いときは笑い、悪いときにも泣
  かない」との方針を表明しております。かかる「良いとき」
                            「悪いとき」の具体的な判断基準につい
  ては、以下のとおり定めております。

   【当社配当に関する基本方針】
  判断基準       連結当期純利益                配当目標計算基準


   悪い       ~500百万円以下     年間6円



   基本    500百万円超~1,500百万円以下 連結当期純利益×配当性向30%…①



   良い       1,500百万円超~    (連結当期純利益-1,500百万円)×配当性向50%+①基本配当



   提案株主の求める自己株式の取得は、株主還元策の一つとして認識しております。しかしながら、
  その実施時期や取得金額の設定等につきましては、上記の当社株主還元の基本方針や経営計画等に

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   基づいた判断の下で実施することが株主の皆様の利益に資するものと考えております。かかる考え
   方に基づき本提案について検討したところ、第2号議案に対する反対意見において述べたとおり、
   当社として一定の現預金を確保する必要性等がある中で、自己株式の取得を行うことの合理性は乏
   しいため、現在は自己株式の取得を行うべき時機にはないと判断致しました。


    なお、2019年8月8日付で公表しております「2020年3月期連結業績予想の修正に関するお知ら
   せ」のとおり、2020年3月期における連結当期純利益(
                             「親会社株主に帰属する当期純利益」
                                             )の予
   想額はマイナス809百万円であり、今期の業績は厳しいものとなることが見込まれますが、当社は、
   既に述べた「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」方針を前提に、無配とはせず、2020年3月
   期の配当予想は、1株当たり年間6円としております。


    また、提案株主からは、本提案の理由において、自己株式の売却代金を、政策保有株式の売却に
   よって捻出することをご提案いただいております。かかるご提案は、議案の内容には含まれません
   が、現時点で、当社の政策保有株式を売却すべきではないことについて、以下のとおりご説明申し
   上げます。


    当社では、当社が保有する政策保有株式について、当社グループと取引先の取引内容、取引の規
   模、取引の継続期間等、その保有の必要性や保有に伴う便益が資本コストに総合的に見合っている
   こと及び価格変動等のリスクを考慮してもなお経済的メリットがあることについて、定期的に検証
   し保有の適否を判断しております。当社は、過去に多くの政策保有株式を保有していた時期もあり
   ましたが、これを自ら改め、現在の保有株式は必要かつ適切な範囲に留まっております。


    この点に関して、事業会社である当社は、数多のステークスホルダーとの相互の関係によって経
   営環境を整えております。その一環として、取引先、同業他社及び金融機関等の株式を保有し、友
   好的な関係を維持・強化することにより、取引先及び同業他社との連携・協業に役立て、また、金
   融機関等からの経営上の有用な助言を得ることにつながる等、現在の当社の政策保有株式は、当社
   の中長期的な企業価値の維持・向上に貢献しております。このような観点から、現在の当社の政策
   保有株式は、これらのステークスホルダーとの間での強固な信頼関係の下支えとなるものであり、
   積極的にこの関係を壊すことは事業上のデメリットにしかなりません。

    以上を踏まえ、当社取締役会は本提案に反対致します。

4.総会検査役選任の申立て
(1)本申立ての理由
   本臨時株主総会の招集の手続および決議の方法を調査させるため

(2)本申立てがあった裁判所および申立書を受領した年月日
   ア 本 申 立 て が あ っ た 裁 判 所 東京地方裁判所
   イ 申立書を受領した年月日   2019 年 10 月1日

(3)本申立てを行った株主
   ア 名       称     アルファレオホールディングス合同会社
   イ 本 店 所 在 地     東京都千代田区永田町二丁目 11 番1号山王パークタワー
   ウ 代表者の役職・氏名     代表社員 株式会社マキス
                   職務執行者 渡邊 章行

                                                  以上
                              6
                                                  (別紙)

                        株主提案の内容



第1   株主総会の目的である事項及び要領
 1   取締役の報酬総額(年額)の引下げの件
     取締役の報酬総額を年額 9,000 万円(但し、使用人分給与は含まない。)とすること。
 2   剰余金の配当の件
     特別配当として下記のとおり配当すること。
     (1)配当財産の種類
        金銭
     (2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
        対象会社普通株式1株につき金 38.28 円
        総額 金 38.28 円に 2019 年 11 月 30 日時点の対象会社発行済普通株式総数 (自
        己株式を除く)を乗じて算出した金額
     (3)剰余金の配当が効力を生じる日
        2020 年1月 20 日
 3   取締役1名解任の件
      乾康之を取締役から解任すること。
 4   自己株式取得の件
      会社法第 156 条第1項の規定に基づき、本臨時株主総会終結の時から1年以内に、
     対象会社普通株式を株式総数 230 万株、取得価額の総額 22 億円(ただし、会社法に
     より許容される取得価額の総額(すなわち会社法 461 条に規定される「分配可能額」)
     が当該金額を下回るときは、会社法により許容される取得価額の総額の上限となる
     額)を限度として、金銭の交付をもって取得すること。


第2   招集の理由
 1   取締役の報酬総額(年額)の引下げの件
      常勤取締役の人数が減少しているにもかかわらず、 取締役の報酬総額上限額が 10
     年以上の長期にわたり変更されていないこと、及び対象会社の経営状況を踏まえれ
     ば取締役の報酬総額は高額すぎることから、取締役の報酬総額の上限額(年額)を引
     き下げるべきである。
      まず、過去に、取締役の報酬総額の上限額(年額)は 2008 年2月 28 日開催の第 87
     回定時株主総会において年額2億円以内(但し、使用人分給与は含まない。)と決議さ
     れたが、当該決議時点の常勤取締役は5名、社外取締役は0名であった(常勤取締役
     1人当たりに換算すると年額 4,000 万円である)。一方、2019 年6月 21 日開催の第
     99 回定時株主総会で選任された常勤取締役は、創業家出身である乾康之、 乾隆志の
     2名しかいないのであるから、取締役報酬総額が上限2億円というのは過剰である。
     すなわち、常勤取締役が2名しかいない以上、社外取締役が3名いることを踏まえて
     も、取締役報酬総額の上限は年額 9,000 万円が適正である。
      次に、2019 年3月期の対象会社純利益は 639 百万円であり、前期比-65%の減益で
     あった。一方で 2019 年3月期の常勤取締役報酬は2名で1億 1,900 万円(常勤取締
     役1人当たりに換算すると年額 5,950 万円である)であり、前期比+45%も増加して
     いる。純利益が大幅に減少しているにもかかわらず常勤取締役報酬は大幅に増加し
                                                     (別紙)

    ている。 株主の立場からすれば、常勤取締役1人当たり年額 4,000 万円を上限額と
    するのが妥当であり、社外取締役の分を加えても年額 9,000 万円を上限とすべきで
    ある。


2   剰余金の配当の件
     2019 年3月期の常勤取締役報酬は大幅に増加しているのに対し、配当は大幅に減
    少している。常勤取締役報酬と株主還元を平等にするため特別配当をすべきである。
    この点、対象会社は、2018 年5月 11 日に 2019 年3月期の期末配当を 40 円とする
    予想を発表し、その後4回の予想配当額の下方修正を経た結果、2019 年3月期期末
    配当は僅かに 1.72 円だった。40 円と 1.72 円の差額が 38.28 円である。
     そして、対象会社普通株式1株につき 38.28 円の配当を実施した場合、総額は約
    9.5 億円になるが、2019 年6月末時点で現預金約 110 億円を有しており、さらに、
    対象会社は 2015 年3月期から 2019 年3月期までに営業キャッシュフロー約 77 億
    円、投資キャッシュフロー約 58 億円を創出しており、その合計額(いわゆるフリー
    キャッシュフロー)は5年間で約 135 億円にもなる。したがって、特別配当を実施
    したとしても財務上の健全性及び事業の継続性の観点からは何ら問題ない。


3   取締役解任について
     対象会社の企業価値向上に資する経営を行なわない乾康之を取締役から解任す
    るべきである。
     まず、2014 年に旧イヌイ倉庫株式会社と旧乾汽船株式会社は統合(合併)したが、
    統合前 10 年間平均の純利益は、旧イヌイ倉庫株式会社が 498 百万円、旧乾汽船株式
    会社が 1,361 百万円であり、合算すると 1,859 百万円の純利益を計上しており、両
    社の統合により企業価値は増大すると予想されていた。しかしながら、統合後は船
    舶の減損や繰延税金資産の取り崩し等により度重なる下方修正を発表し、統合後5
    年間の平均純損失は約 682 百万円である(5年間の累計純損失は 3,409 百万円)。統
    合により企業価値を増加させるばかりか、反対に企業価値を減少させている。
     また、2020 年3月期を最終期とする中期経営計画では最終期の目標 ROE を8%超
    としている。しかしながら、対象会社発表の 2020 年3月期の純損失は 809 百万円と
    予想しており目標には到底及ばない。さらに、過去5期の平均 ROE は-1.5%であ
    る。議決権行使助言会社 Institutional Shareholder Services Inc.も「過去5期
    平均の ROE が5%を下回りかつ改善傾向にない場合」は経営トップである取締役選
    任案に反対を推奨するとしている。
     以上より、乾康之が経営を担う取締役として相応しくないことは明らかである。


4   自己株式取得の件
     保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合わない対象会社保有の政策保有株
    式を売却し、自社株買いを実施するべきである。
     対象会社によれば、2020 年3月期を最終期とする中期経営計画では最終期の目標
    ROE を8%超としている。しかしながら、対象会社発表の 2020 年3月期の純損失は
    809 百万円と予想しており目標には到底及ばない。また、過去5期の平均 ROE は-
    1.5%である。次に、
              2020 年3月期第一四半期時点の自己資本比率 38.2%であるが、
    不動産の含み益を考慮した実質自己資本比率は約 65%である。よって、資本効率を
                                       (別紙)

改善するために自社株買いを実施すべきである。
 この点、対象会社の第 99 期有価証券報告書によれば、上場企業 18 社の普通株式
(2,236 百万円分)を政策保有株式として保有している。対象会社よりこの政策保有
株式の定量的な保有効果についての説明は全くなく、政策保有株式保有は企業価値
の向上に結び付いていない。政策保有株式を保有することは安定株主として対象会
社取締役の保身に協力するものでしかない。実際に、2019 年6月 21 日開催の第 99
回定時株主総会における議決権行使書面を閲覧したところ、同株主総会において 18
社の政策保有株式の内、大手銀行含め 14 社が白紙委任状を対象会社に提出してい
た。その議決権数は 51,084 個(議決権の数の 20.7%)にもなる。政策保有株式全て
を売却し、その売却代金で 22 億円の自社株買いを実施することが最適である。


                                          以上