9308 乾汽船 2019-09-11 20:30:00
株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ [pdf]

                                                    2019 年 9 月 11 日
各     位
                                     会 社 名   乾汽船株式会社
                                         (コード番号:9308 東証第一部)
                                     代表者名 代表取締役社長 乾 康之
                                     問合せ先    コーポレートマネジメント部長
                                                         加藤 貴子
                                                (TEL. 03-5548-8613)


               株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ

 当社は、当社株主より、会社法第 297 条第 1 項の規定に基づき、臨時株主総会招集の請求(以下「本
請求」といいます。)に関する書面(2019 年 9 月 6 日付)を、2019 年 9 月 9 日に受領いたしましたの
で、下記のとおり、お知らせいたします。なお、下記2及び3については、当社が受領した本請求に
関する書面の内容を原文のまま記載しております。


                               記
1.本請求をした株主
    アルファレオホールディングス合同会社
    (東京都千代田区永田町二丁目 11 番 1 号山王パークタワー)
     ※総株主の議決権の 100 分の 3 以上の議決権を 6 カ月前より引き続き有する株主です。


2.株主総会の目的である事項及び要領
 (1)取締役の報酬総額(年額)の引下げの件
       取締役の報酬総額を年額 9,000 万円(但し、使用人分給与は含まない。
                                          )とすること。
 (2)剰余金の配当の件
       特別配当として下記のとおり配当すること。
       ① 配当財産の種類
          金銭
       ② 配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
          対象会社普通株式 1 株につき金 38.28 円
          総額 金 38.28 円に本臨時株主総会基準日時点の対象会社発行済普通株式総数 (自己株
          式を除く) を乗じて算出した金額
       ③ 剰余金の配当が効力を生じる日
          本臨時株主総会の日の翌営業日
 (3)取締役 1 名解任の件
       乾康之を取締役から解任すること。
 (4)自己株式取得の件
       会社法第 156 条第 1 項の規定に基づき、本臨時株主総会終結の時から 1 年以内に、対象会社
       普通株式を株式総数 230 万株、取得価額の総額 22 億円(ただし、会社法により許容される取
       得価額の総額(すなわち会社法 461 条に規定される「分配可能額」)が当該金額を下回るとき
       は、会社法により許容される取得価額の総額の上限となる額)を限度として、 金銭の交付を
   もって取得すること。
(5)対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件
   2019 年 6 月 21 日開催の第 99 回定時株主総会にて決議された「対象会社株式の大規模買付行
   為等への対応策(買収防衛策)
                」を廃止すること。


3.招集の理由
(1)取締役の報酬総額(年額)の引下げの件
    常勤取締役の人数が減少しているにもかかわらず、取締役の報酬総額上限額が 10 年以上の
   長期にわたり変更されていないこと、及び対象会社の経営状況を踏まえれば取締役の報酬総
   額は高額すぎることから、 取締役の報酬総額の上限額 (年額) を引き下げるべきである。
    まず、過去に、取締役の報酬総額の上限額(年額)は 2008 年 2 月 28 日開催の第 87 回定時
   株主総会において年額 2 億円以内 (但し、使用人分給与は含まない。) と決議されたが、当
   該決議時点の常勤取締役は 5 名、社外取締役は 0 名であった(常勤取締役 1 人当たりに換算
   すると年額 4,000 万円である) 一方、
                    。    2019 年 6 月 21 日開催の第 99 回定時株主総会で選任さ
   れた常勤取締役は、創業家出身である乾康之、乾隆志の 2 名しかいないのであるから、取締
   役報酬総額が上限 2 億円というのは過剰である。 すなわち、常勤取締役が 2 名しかいない以
   上、社外取締役が 3 名いることを踏まえても、取締役報酬総額の上限は年額 9,000 万円が適
   正である。
    次に、 年 3 月期の対象会社純利益は 639 百万円であり、
       2019                        前期比-65%の減益であった。一
   方で 2019 年 3 月期の常勤取締役報酬は 2 名で 1 億 1,900 万円(常勤取締役 1 人当たりに換算
   すると年額 5,950 万円である)であり、前期比+45%も増加している。純利益が大幅に減少し
   ているにもかかわらず常勤取締役報酬は大幅に増加している。株主の立場からすれば、常勤
   取締役 1 人当たり年額 4,000 万円を上限額とするのが妥当であり、社外取締役の分を加えて
   も年額 9,000 万円を上限とすべきである。


(2)剰余金の配当の件
    2019 年 3 月期の常勤取締役報酬は大幅に増加しているのに対し、 配当は大幅に減少してい
   る。 常勤取締役報酬と株主還元を平等にするため特別配当をすべきである。
   この点、対象会社は、2018 年 5 月 11 日に 2019 年 3 月期の期末配当を 40 円とする予想を発表
   し、 その後 4 回の予想配当額の下方修正を経た結果、 2019 年 3 月期期末配当は僅かに 1. 72
   円だった。40 円と 1.72 円の差額が 38.28 円である。
   そして、対象会社普通株式 1 株につき 38.28 円の配当を実施した場合、総額は約 9.5 億円に
   なるが、2019 年 6 月末時点で現預金約 110 億円を有しており、さらに、対象会社は 2015 年 3
   月期から 2019 年 3 月期までに営業キャッシュフロー約 77 億円、 投資キャッシュフロー約 58
   億円を創出しており、 その合計額 (いわゆるフリーキャッシュフロー) は 5 年間で約 135 億
   円にもなる。したがって、特別配当を実施したとしても財務上の健全性及び事業の継続性の
   観点からは何ら問題ない。


(3)取締役解任について
    対象会社の企業価値向上に資する経営を行なわない乾康之を取締役から解任するべきであ
   る。
    まず、2014 年に旧イヌイ倉庫株式会社と旧乾汽船株式会社は統合(合併)したが、統合前
   10 年間平均の純利益は、旧イヌイ倉庫株式会社が 498 百万円、旧乾汽船株式会社が 1,361 百
   万円であり、合算すると 1,859 百万円の純利益を計上しており、両社の統合により企業価値
   は増大すると予想されていた。しかしながら、統合後は船舶の減損や繰延税金資産の取り崩
   し等により度重なる下方修正を発表し、統合後 5 年間の平均純損失は約 682 百万円である(5
   年間の累計純損失は 3,409 百万円)
                      。統合により企業価値を増加させるばかりか、反対に企業
   価値を減少させている。
    また、
      2020年3月期を最終期とする中期経営計画では最終期の目標ROEを8%超としている。
   しかしながら、対象会社発表の 2020 年 3 月期の純損失は 809 百万円と予想しており目標には
   到底及ばない。さらに、過去 5 期の平均 ROE は-1.5%である。議決権行使助言会社
   Institutional Shareholder Services Inc.も「過去 5 期平均の ROE が 5%を下回りかつ改善傾
   向にない場合」 は経営トップである取締役選任案に反対を推奨するとしている。
    以上より、乾康之が経営を担う取締役として相応しくないことは明らかである。


(4)自己株式取得の件
    保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合わない対象会社保有の政策保有株式を売却し、
   自社株買いを実施するべきである。
    対象会社によれば、2020 年 3 月期を最終期とする中期経営計画では最終期の目標 ROE を 8%
   超としている。しかしながら、対象会社発表の 2020 年 3 月期の純損失は 809 百万円と予想し
   ており目標には到底及ばない。また、過去 5 期の平均 ROE は-1.5%である。次に、2020 年 3
   月期第一四半期時点の自己資本比率は 38.2%であるが、不動産の含み益を考慮した実質自己資
   本比率は約 65%である。よって、資本効率を改善するために自社株買いを実施すべきである。
    この点、対象会社の第 99 期有価証券報告書によれば、上場企業 18 社の普通株式(2,236 百
   万円分)を政策保有株式として保有している。対象会社よりこの政策保有株式の定量的な保
   有効果についての説明は全くなく、政策保有株式保有は企業価値の向上に結び付いていない。
   政策保有株式を保有することは安定株主として対象会社取締役の保身に協力するものでしか
   ない。実際に、2019 年 6 月 21 日開催の第 99 回定時株主総会における議決権行使書面を閲覧
   したところ、同株主総会において 18 社の政策保有株式の内、大手銀行含め 14 社が白紙委任
   状を対象会社に提出していた。その議決権数は 51,084 個(議決権の数の 20.7%)にもなる。政
   策保有株式全てを売却し、
              その売却代金で 22 億円の自社株買いを実施することが最適である。


(5)対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件
    この大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)は経営者の保身のために導入されており、
   直ちに廃止されるべきである。
    この大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)は、2019 年 3 月末の請求者の所有割合及
   び過去に行った自社株買いの株主提案等の状況を考えれば、明らかに請求者を狙い撃ちにし
   たものであり、大規模買付行為等への対応策ではない。
    仮に買収脅威が存したとしても、それには企業価値最大化を通じて防衛すべきである。ま
   た、対象会社は、買収防衛策が企業価値の向上にどのように寄与するのかを一度たりとも株
   主に説明したことがない。買収防衛策が継続している限り、今後も非効率的な経営がなされ
   企業価値最大化は図られない。そのため買収防衛策を廃止し、経営者は効率的な経営を行い
   企業価値最大化によって企業を防衛すべきである。


4.本請求への当社の対応方針
  本請求に対する当社の対応方針につきましては、本請求の内容を慎重に検討の上、決定次第開示
  いたします。
5.その他
  上記1記載の株主より 2019 年 9 月 6 日付で提出された大量保有報告書に関する変更報告書(9)
  の第2の1(2)
         【保有目的】欄において、本請求と「同日付けで第 99 回定時株主総会の各決議
  の取消を求めて提訴した。 との記載がございますが、
             」             現時点において、訴状の送達を受けておら
  ず、当社では訴訟提起の事実を確認できておりません。訴状を受領次第、改めて開示いたします。
                                                  以上