9308 乾汽船 2020-10-08 16:00:00
当社臨時株主総会の開催日時及び場所、付議議案並びに株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ [pdf]
2020 年 10 月 8 日
各 位
会 社 名 乾汽船株式会社
代表者名 代表取締役社長 乾 康之
(コード番号:9308 東証第一部)
問合せ先 コーポレートマネジメント部長
加藤 貴子
(TEL. 03-5548-8613)
当社臨時株主総会の開催日時及び場所、付議議案並びに株主提案に対する
当社取締役会の意見に関するお知らせ
当社は、2020 年 9 月 10 日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」において、株主 1 名
(アルファレオホールディングス合同会社。以下「請求人」といいます。
)より臨時株主総会の招集請求(以下
「本招集請求」といいます。
)に関する書面(以下「本招集請求書」といいます。
)を受領したことをお知らせ
いたしました。また、当社は、2020 年 9 月 15 日付「臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ」
において、2020 年 11 月上旬を目処に開催する可能性がある臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいま
す。
)招集のための基準日設定についてお知らせいたしました。
これらの経過を経て、当社は、本日開催の取締役会において、本臨時株主総会の開催日時及び場所、付議議
案並びに株主提案に対する当社取締役会の意見について、下記のとおり決議いたしましたので、お知らせいた
します。なお、2020 年 10 月 1 日付「臨時株主総会の招集の適否等に関する検討状況について」
(当社ウェブサ
イト(https://ssl4.eir-parts.net/doc/9308/announcement/61274/00.pdf)
)に記載のとおり、請求人による
本招集請求は、事実誤認に基づくものであり、また、濫用的な株主権の行使である疑いがあるため、当社取締
役会は、本臨時株主総会を招集することの適切性・妥当性等に疑問を抱いておりますが、株主総会の運営の適
法性・適切性等の確保のため、本臨時株主総会を招集することとしております。
記
1.本臨時株主総会の開催日時及び場所
(1)開催日時 2020 年 11 月 4 日(水曜日) 午前 10 時
(2)開催場所 東京都中央区晴海 4-7-28
ホテルマリナーズコート東京
2.本臨時株主総会の付議議案
決議事項
【株主提案】第1号議案 取締役1名解任の件
【株主提案】第2号議案 対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件
※各議案の要領及び提案の理由は、別紙「株主提案の内容」に記載のとおりです。
なお、当該別紙は、本招集請求書の内容を原文のまま記載したものであります。
1
3.議案に対する当社取締役会の意見
当社取締役会は、各議案にいずれも反対いたします。
(1)第 1 号議案 取締役 1 名解任の件
ア 当社取締役会の構成に関する基本的な方針等
(ア) 当社取締役会の構成に関する基本的な方針
当社は、①資産の力を事業の力に、②カイゼンは宝、③「らしさ」の追求、という 3 つの理念を経
営の基本方針として定め、また、2020 年 8 月に、2023 年 3 月までの 3 か年の経営計画として、
「中期
経営計画 Beyond120」を策定し、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指しております。
当社は、かかる中期経営計画の実現に向けて、効果的かつ効率的なガバナンス体制を構築すべく、
業務執行取締役としては、当社事業に精通し専門性を有すると同時に、会社経営全般に適切な意思決
定ができるバランス感覚を有する人材を指名・選任することとし、社外取締役としては、上場企業等
で培った幅広い経験や高い見識を当社経営に活かすことができる人材を指名することとしております。
また、経営の監督の実効性を確保するため、取締役会の過半数を独立社外取締役とすることを基本的
な考え方としております。
(イ) 業務執行取締役
当社の事業は、運賃市況ボラティリティの大きい外航海運事業と、中長期の視点で景気波動の異な
る倉庫事業及び不動産事業という 3 つの事業セグメントにより構成されており、当社はこれらの事業
を適切に組み合わせ、単一の事業環境の変動から影響を受けにくい可変性のある事業ポートフォリオ
を形成しております。
このような当社の事業特性及び事業ポートフォリオに鑑み、当社は、当社事業に精通し専門性を有
すると同時に、当社経営全般に適切な意思決定ができるバランス感覚を有する当社代表取締役社長乾
康之及び当社取締役専務執行役員乾隆志を、当社業務執行取締役に選任しております。
(ウ) 社外取締役
当社は、当社事業のほか法務、コンプライアンス、財務、リスク管理等に関する必要かつ十分な専
門性を有するかという観点等も踏まえ、ロジスティクスシステム等の専門領域における深い知見を有
する苦瀬博仁氏(以下「苦瀬取締役」といいます。、弁護士としての豊富な経験と知識を有する川﨑
)
清隆氏(以下「川﨑取締役」といいます。、及び、長年に亘り造船企業の経営者であったことから企
)
業経営に関する豊富な経験を有する神林伸光氏を、それぞれ当社社外取締役に選任しております。
イ 川﨑取締役の任期途中の解任は当社の企業価値の毀損につながること
本議案において解任の対象とされております川﨑取締役は、弁護士として会社法、国際取引をはじめ
とした専門的な知識・経験を有していることから、その専門的な見識を当社の経営に活かし、社外取締
役として職務を適切に遂行していただけるものと判断し、当社取締役会として取締役候補者に指名いた
しました。
川﨑取締役を取締役に選任する議案は、2020 年 6 月 19 日開催の当社第 100 回定時株主総会(以下「当
社第 100 回定時株主総会」といいます。
)において、賛成率 63.29%と賛成多数をもって選任されたもの
であります。このうち、請求人以外の株主の賛成率は 95.73%であり、川﨑取締役の取締役選任につい
て、請求人を除く大多数の株主の皆様からご賛同をいただきました。
また、川﨑取締役のこれまでの活動状況としても、2019 年 3 月期に開催された取締役会 25 回の全て、
2020 年 3 月期においてこれまでに開催された取締役会 21 回の全てに出席しており、当社の中長期的な
企業価値の向上の観点から、当社経営陣を適切に監督するとともに、弁護士としての専門的見地から、
適宜発言を行う等、当社取締役として積極的に活動しております。
2
以上のとおり、川﨑取締役は、当社取締役会の構成に関する基本的な方針(上記ア(ア))に照らし、当
社取締役に相応しいものであり、現状の当社取締役会の構成上も、重要な役割を担っております。川﨑
取締役の実際の活動状況をも踏まえると、同取締役は、当社取締役会に不可欠な存在です。したがいま
して、川﨑取締役の任期途中の解任は、当社取締役会の機能に直ちに悪影響を及ぼすこととなり、当社
のガバナンス体制の弱体化等を通じ、当社の企業価値の毀損につながることは明らかです。
ウ 請求人の提案理由における主張には理由がないこと
(ア) 請求人の主張
請求人は、川﨑取締役と当社との取引関係について、当社が、2020 年 6 月 4 日付で東京証券取引所
に提出した独立役員届出書において、
「当社の内部通報窓口の委託先である御堂筋法律事務所にパー
トナー弁護士として所属しておりますが、直近 1 年間で当社より同事務所に支払った報酬額は当社の
売上高の 1%未満と僅少であり、かつ法律顧問契約は締結しておりません。 と記載したことについて、
」
①独立性を疑わせるに十分な事情であるとし、
また、
②これらの事実を開示しなかった川﨑取締役は、
当社取締役としての適格性を欠くとしてその解任を求めております。
上記②について、請求人は、具体的には、(i)当社第 100 回定時株主総会の招集通知、当社 2020 年
3 月期有価証券報告書及び当社 2020 年 7 月 2 日付コーポレート・ガバナンスに関する報告書におい
て、当社がこれらの事実を開示しなかったこと、並びに、(ii)当社代表取締役社長乾康之が、当社第
100 回定時株主総会において、当社が川﨑取締役の所属する弁護士法人に支払った報酬に関する質問
を受けた際に、具体的な金額を回答しなかったことについて、
「技巧的」 「悪質な隠蔽工作」
で である、
「意図的な不開示」である等と主張しております。
(イ) 川﨑取締役の独立性に欠けるところはないこと
川﨑取締役が当社取締役に就任した後に、当社が川﨑取締役の所属する弁護士法人に対して委任し
た業務(以下「本件業務」といいます。
)及び当該業務に関して支払った報酬は、以下①~④のとおり
です(金額はいずれも税別)
。
①社内調査(ハラスメントの可能性のある事案について)
:金 30 万円(支払時期:2016 年 2 月)
②社内講演会(ハラスメントについて)
:金 30 万円(支払時期:2016 年 3 月)
③法律相談(ガバナンス体制に関する助言)
:金 10 万円(支払時期:2019 年 7 月)
④内部通報窓口業務:月額金 7 万円(支払時期:2016 年 5 月以降)
本件業務は、当社のコンプライアンス体制の強化の観点からは、当社の実情を把握している社外取
締役である弁護士が所属する法律事務所が実施することに積極的な意義を見出し得るものであり、い
ずれの業務も、同弁護士法人に所属する弁護士のうち、川﨑取締役以外の弁護士が担当しております
(上記④については、当社ウェブサイト「コンプライアンス・ホットライン(公益通報制度)のご利
用にあたって」
(http://www.inui.co.jp/compliance/)をご参照ください。。
)
このように、当社が本件業務に関して支払った報酬は僅少であること、及び、その業務内容等に照
らすと、川﨑取締役は、東京証券取引所が一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断する場合
の基準として定めている東京証券取引所 2007 年 11 月 1 日付上場管理等に関するガイドラインⅢ5.
(3)の2b「当該会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会
計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所
属する者をいう。」には該当せず、その他に一般株主との利益相反が生ずるおそれもないため、川﨑
)
取締役について、独立性に欠けるところは何らないと考えております。
(ウ) 川﨑取締役の適格性に何ら問題はないこと
当社が、①当社第 100 回定時株主総会の招集通知、②当社 2020 年 3 月期有価証券報告書、及び③当
社 2020 年 7 月 2 日付コーポレート・ガバナンスに関する報告書において、当社と川﨑取締役の所属
3
する弁護士法人との間の取引関係(以下「本取引関係」といいます。
)を開示しなかったのは、本件業
務の内容及び報酬の金額に照らし、独立性に影響を及ぼすような取引関係ではないと判断したためで
あり、当社が、本取引関係について「技巧的」で「悪質な隠蔽工作」や「意図的な不開示」をした事
実はありません。
なお、請求人が指摘するとおり、当社第 100 回定時株主総会において議長を務めた当社代表取締役
社長乾康之は、同株主総会において、当社が川﨑取締役の所属する弁護士法人に支払った報酬に関す
る質問に対する回答を差し控えましたが、これは手元に資料がなかったためであり、決して「技巧的」
で「悪質な隠蔽工作」や「意図的な不開示」を意図したものではありません。したがいまして、請求
人が主張するような「技巧的」で「悪質な隠蔽工作」や「意図的な不開示」の事実はなく、当社取締
役を担うのに充分な実績と実力を備えた川﨑取締役の適格性については、何ら問題がないと考えてお
ります。
エ 当社指名・報酬委員会の意見
2020 年 10 月 8 日開催の当社指名・報酬委員会では、川﨑取締役を除く当社指名・報酬委員会の委員
(乾康之代表取締役社長、苦瀬取締役)の全会一致により、大要、①川﨑取締役は、当社第 100 回定時
株主総会において、多数の株主の皆様のご賛同を得て選任されたものであること、②川﨑取締役は、弁
護士としての十分な専門性に加えて、十分な独立性を有していること等から、当社取締役として適格で
あること、及び、③川﨑取締役の任期途中の解任は、当社取締役会の機能に直ちに悪影響を及ぼすこと
を理由に、川﨑取締役を解任することは、当社の企業価値を毀損するものでしかなく、妥当ではないと
の意見が決定され、本日開催の当社取締役会において答申されております。
オ 結 論
川﨑取締役は、上記イのとおり、当社取締役会にとって必要不可欠な存在であり、任期途中の解任は
当社の企業価値の毀損につながります。また、上記ウのとおり、川﨑取締役について独立性及び適格性
を欠くとする請求人の提案理由における主張には理由がないと考えております。
したがいまして、当社取締役会は、本議案に反対いたします。
(2)第 2 号議案 対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件
ア 買収防衛策の導入及び存続について、既に多数の株主の皆様のご賛同を得ており、改廃すべき事情は
生じていないこと
(ア) 買収防衛策の導入及び存続の経緯
当社は、2019 年 5 月 14 日開催の当社取締役会(以下「本プラン導入に係る取締役会」といいます。
)
において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を決定するとと
もに、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを
防止するための取組み(会社法施行規則第 118 条第 3 号ロ(2)
)として、2019 年 6 月 21 日開催の当
社第 99 回定時株主総会(以下「当社第 99 回定時株主総会」といいます。
)において、株主の皆様にご
承認をいただくことを条件として、当社株式の大規模買付行為等への対応策(以下「本プラン」といい
ます。
)を導入することを決議いたしました。
そして、当社第 99 回定時株主総会において、本プラン導入に係る議案(以下「本プラン導入議案」
といいます。
)は、議決権を行使することができる出席株主の議決権の 58.74%の賛成を得て、承認可
決されております。このうち、請求人の議決権行使に係る議決権個数(62,467 個)を除いた賛成率は
81.93%であることから、本プラン導入議案は、請求人を除く多数の株主の皆様に支持されたものであ
ります。
一方、請求人は、このように、請求人を除く多数の株主の皆様に支持された本プランにつき、改廃
4
を行うべき事情が生じていないにもかかわらず、当社第 99 回定時株主総会からわずか 3 か月の短期
間のうちに、
本議案と同一の議案を付議議案に含む臨時株主総会の招集を求めました。
しかしながら、
2020 年 5 月 7 日開催の臨時株主総会(以下「前回臨時株主総会」といいます。
)においても、同議案
は 52.4%の反対多数により否決されております。このうち、請求人の議決権行使に係る議決権個数
(75,640 個)を除いた同議案への賛成率は 13.89%であり、当社第 99 回定時株主総会と同様、請求人
を除く多数の株主の皆様が本プランの存続に賛同していることは明らかです。
しかしながら、請求人は、このように、約 1 年の短期間のうちに 2 度も請求人を除く多数の株主の
皆様に支持された本プランにつき、改廃を行うべき事情が生じていないにもかかわらず、前回臨時株
主総会からわずか 4 か月の短期間のうちに、再度、廃止を求める本議案を付議議案に含む臨時株主総
会の招集を求めております。
以上のとおり、本プランは、その有効期間を 2022 年 6 月開催予定の当社第 102 回定時株主総会の
終結時までとして、当社第 99 回定時株主総会において多数の株主の皆様のご賛同を得て承認可決さ
れ、
その後の前回臨時株主総会においてもその存続が承認されているものであり、
現時点に至るまで、
引き続き、本プランを改廃すべき事情は生じていない以上、その廃止を求めることに合理的な理由は
ないと判断しております。
請求人は、約 1 年の短期間のうちに 2 度も本プランの廃止という同一の議案を付議するために臨時
株主総会の招集請求をしており、かかる対応は、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を追求
するものではなく、専ら請求人のみの利益の実現を追求したものであると判断せざるを得ません。
なお、本プランの必要性と相当性については、前回臨時株主総会の招集通知記載のとおりでござい
ますが、その内容について改めて以下に記載いたします。
(イ) 本プランの必要性
大規模買付けの中には、当社の中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益に資さない、専ら自身
の短期的な利得のみを目的とするようなものや明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、対象会社の
株主に株式の売却を事実上強制するおそれがあるものも少なからず存在する等、当社は、そのような
当社株式の大規模買付けを行う者については、当社の経営権を有すべき者として不適切であると考え
ております。
また、大規模買付けの中には、対象会社の株主や取締役会が買付けや買収提案の内容等について検
討し、対象会社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要な期間・情報を与えないものや、
対象会社の企業価値を十分に反映しているとはいえないもの等も見受けられますが、それらの大規模
買付けに対して有効に対抗することは必ずしも容易ではありません。
加えて、金融商品取引法が定める現在の公開買付制度のみでは、株主の皆様に対して、当社の企業
価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図るために必要な情報の提供と熟慮の機会が十分に提供
されないおそれがあります。
現在の公開買付制度では、原則として市場内の買付けは適用対象とならず、市場内で大量買付行為
が行われる際に対象会社やその株主が買収の是非について検討するために必要な情報や時間が必ずし
も保障されているものではなく、また、部分公開買付け(一定の条件下で買付株式数に上限を付けて
行う公開買付け)を容認するものであること等から、強圧的買収(株主の皆様の判断の機会又は自由
を制約し、事実上、株主の皆様に当社の株式の売却を強要するおそれのある買付け等)等の濫用的な
買収を必ずしも排除できるものではありません。これらの事情を勘案し、当社は、当社の企業価値ひ
いては株主共同の利益を確保・向上させるためには、当社株式の大規模買付けが一定の合理的な手続
に従って行われるよう、当社株式の大規模買付けが行われる場合における情報提供等に関する一定の
手続を設定するとともに、当社の基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付けがなされた場
合に、それらの者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組
みが必要と考え、対抗措置の発動手続等を定めた本プランを導入することといたしました。
5
当社は、上記記載の本プラン導入の必要性については、現時点においても変わりはないと判断して
おります。
(ウ) 本プランの相当性(株主意思の尊重等)
本プランについては、大規模買付行為等に対する対抗措置の発動に関する当社取締役会の恣意的判
断を排するため、以下の手続を定めており、その内容は相当なものであります。
すなわち、本プランに基づく対抗措置の発動については、大規模買付者等が本プランに定める手続
を遵守しない場合及び大規模買付行為等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと
当社取締役会が合理的な根拠をもって判断した場合に限定されております。また、当社取締役会は、
本プランに基づく対抗措置の発動の決定に関し、必ず株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認す
ることとしており、対抗措置を発動するか否かの判断に関しても株主の皆様のご意向が反映される建
付けとしております。
そして、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社経営陣からの独立性を有する当社社外取
締役及び当社社外監査役 3 名以上で構成する独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、
独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の是非について判断することとしておりま
す。
加えて、当社は、当社取締役会の大規模買付行為等に関する意見、大規模買付行為の提案に対する
代替案等(その決定に至った取締役会の評価・検討等の内容も含みます。 及び当社取締役会が本プラ
)
ン所定の具体的な対抗措置を発動することの決定について、
適時適切に開示することとしております。
上記手続が定められている本プランの内容は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、
向上させるために必要かつ相当なものであると考えております。
イ 請求人の提案理由における主張に理由がないこと
請求人は、本議案の提案理由において、要旨、①本プラン導入議案の決議結果は、株主の皆様の真意
を反映していないこと、
②当社と川﨑取締役の所属する弁護士法人との間には取引関係が存在するため、
川﨑取締役は本プランの独立委員としての適格性を欠いていること、③本プランが目的外利用されてい
ることを挙げておりますが、いずれも理由がありません。
まず、上記①については、当社は、2019 年 5 月 14 日付「当社株式の大規模買付行為等への対応策(買
収防衛策)の導入について」及び当社第 99 回定時株主総会の招集通知等において明確に記載していると
おり、本プラン導入に係る取締役会において、当社第 99 回定時株主総会において株主の皆様にご承認を
いただくことを条件として、本プランを導入することを決議しており、実際に、多数の株主の皆様のご
承認をいただいた上で本プランを導入しております。したがいまして、本プラン導入議案の決議結果が
株主の皆様の真意を反映していないという請求人の主張は、見当外れのものであると言わざるを得ませ
ん。
また、上記②については、上記(1)ウ(イ)のとおり、当社が本件業務に関して川﨑取締役の所属する弁
護士法人に支払った報酬は僅少であること、及び、その業務内容等に照らすと、川﨑取締役は、東京証
券取引所が一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断する場合の基準として定めている東京証券
取引所 2007 年 11 月 1 日付上場管理等に関するガイドラインⅢ5.
(3)の2b「当該会社から役員報酬
以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得
ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。」には該当せず、その他
)
に一般株主との利益相反が生ずるおそれもないため、川﨑取締役について、独立性に欠けるところは何
らないと考えられる以上、本件業務の存在自体や、その存在を開示していなかったことをもって、川﨑
取締役の独立委員としての適格性を欠くことにはなりません。
最後に、上記③について、請求人は、当社第 100 回定時株主総会で承認可決された「第 3 号議案 当
社取締役会によるアルファレオホールディングス合同会社に対する情報提供要請に関する承認の件」に
6
基づく当社から請求人に対する情報提供要請(以下「本情報提供要請」といいます。
)が、本プランの一
部を切り出して構成されたものであるとして、本プランが目的外利用されていると述べているようです
が、本情報提供要請と本プランとは全く別個のものであり、例えば、本情報提供要請への請求人の対応
等に起因して本プランに基づく対抗措置を発動するものではありませんので、かかる請求人の主張は誤
解に基づくものであると言えます。
ウ 結 論
以上のとおり、本議案は、上記の当社取締役会の考えに反するものであることから、当社取締役会は、
本議案に反対いたします。
以 上
7
別紙
※本別紙は、アルファレオ社から受領した本年 9 月 8 日付「株主総会招集請求書」の
内容を、原文のまま記載しております。
株主提案の内容
第1 株主総会の目的である事項及び要領
1 取締役 1 名解任の件
川﨑清隆を取締役から解任すること。
2 対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件
2019 年 6 月 21 日開催の第 99 回定時株主総会にて決議された「対象会社株式
の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)」を廃止すること。
第2 招集の理由
1 取締役 1 名解任の件
(1) 川﨑清隆の所属事務所と対象会社との取引関係に関する虚偽記載
川﨑清隆(以下「川﨑氏」という。)は、対象会社の指名・報酬委員会の委員
長、かつ買収防衛策の独立委員会の委員であり、厳格な公正性・独立性が求めら
れる立場にある。
対象会社が本年 6 月 4 日付けで東京証券取引所に提出した独立役員届出書に
て、初めて、「川﨑氏がパートナ一弁護士である弁護士法人御堂筋法律事務所
が、対象会社から報酬の支払を受けている事実 (報酬額は対象会社の売上高の 1%
未満の額)」が公に開示された。対象会社の 2020 年 3 月期の売上高は 203 億 8500
万円であるので、売上高の 1%は約 2 億円である。そして、この 2 億円未満の報酬
の支払は 4~5 年前から継続していることが、2020 年 6 月 19 日開催の第 100 回定
時株主総会(以下「2020 年定時総会」という。)での乾康之議長・代表取締役の説
明によって明らかとなった (なお、具体的な報酬額についての質問がなされた
が、乾康之議長・代表取締役は回答しなかった。)。
これは川﨑氏の独立性を疑わせるに十分な事情である。現に、議決権行使助言
会社の 1 つは、川﨑氏を独立者ではなく、関係者と位置付けており、かつ、2020
年定時総会での川﨑氏の選任議案について反対を推奨した。
にもかかわらず、2020 年定時総会に係る招集通知(添付された株主総会参考書
類及び事業報告書を含む。)では、川崎氏がパートナー弁護士である弁護士法人御
堂筋法律事務所が、2 億円未満の額の報酬を対象会社から得ているとの事実は一
切記載されなかった。
(2) 有価証券報告書における、川﨑氏の所属事務所と対象会社の取引関係について
の虚偽記載及び意図的な事実の隠秘
さらに、2020 年定時総会後に開示された対象会社の 2020 年 3 月期の有価証券
報告書では、(法令上、有価証券報告書の様式では「取引関係その他の利害関係に
8
ついて、具体的に、かつ、分かりやすく記載すること」とされているのに反して)
「重要な取引関係その他の利害関係について、特別な関係は有しておりません」
と記載し(同報告書 37 頁)、根拠なく「重要な取引関係」に限定することにより、
川﨑氏が所属する法律事務所に対して、対象会社が 2 億円未満の額の報酬を支払
っている事実を開示しなかった。
また、対象会社の 2019 年 3 月期の有価証券報告書では、
「取引関係その他の利
害関係について、特別な関係は有しておりません」と記載されており、虚偽記載
であったといえる。これに対し、2020 年 3 月期の有価証券報告書では、上述のと
おり「重要な取引関係」に限定することにより、意図的に事実の隠秘が図られ
た。過去の虚偽記載も到底許されないが、2020 年 3 月期の有価証券報告書の記載
の仕方は、技巧的であり、悪質な隠蔽であると言わざるを得ない。
(3) コーポレートガバナンス報告書における、川﨑氏の所属事務所と対象会社の取
引関係についての虚偽記載及び意図的な事実の隠秘
2020 年 7 月 2 日付けコーポレートガバナンス報告書では、川﨑氏が「対象会社
の取引先の業務執行者」に該当することが開示されるに至った。コーポレートガ
バナンス報告書にその旨が記載されたのはそれが初めてのことである。また、
2020 年 7 月 2 日付けコーポレートガバナンス報告書では、「当社と川﨑氏の現所
属団体との間に人的関係、資本的関係又は重要な取引関係その他の利害関係がな
く」と記載されている。
他方、2019 年 6 月 24 日付けコーポレートガバナンス報告書では、
「当社と川﨑
清隆氏の現所属団体とは取引関係がなく」と記載されており、虚偽記載であった
といえる。これに対し、2020 年 7 月 2 日付けコーポレートガバナンス報告書で
は、
「重要な取引関係」に限定することにより、意図的に事実の隠秘が図られた。
過去の虚偽記載も到底許されないが、2020 年 7 月のコーポレートガバナンス報告
書の記載の仕方は、技巧的であり、悪質な隠蔽工作であると言わざるを得ない。
(4)小括
開示において最も大切なことは、株主や市場の投資家に対して、真実をそのま
ま開示することであり、対象会社の取締役が独断により「重要でない」と考える
事項の開示を回避して、真実を秘匿することはあってはならない。上述のような
意図的な不開示は、事実の隠蔽と評価しうるものであり、川﨑氏を含む対象会社
の取締役が株主や市場の投資家に対して真実を提供する意思がないことを端的に
示している。そして、川﨑氏は、自らに関する事実を 4~5 年もの間開示しなかっ
たのであるから、社外取締役 (しかも、指名・報酬委員会の委員長、かつ買収防
衛策の独立委員会の委員という重要な立場にある)の適格性を欠くと言わざるを得
ず、株主総会の決議にて、川﨑氏を取締役から解任すべきである。
2 対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件
9
対象会社の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策) (以下「本プラン」とい
う。)については、2020 年 5 月 7 日の臨時株主総会以降も、下記で述べるとお
り、重大な瑕疵を内包していることが判明しているため、直ちに廃止されるべき
である。
(1)本プランの導入決定機関と効力発生日
2019 年 6 月 21 日開催の第 99 回定時株主総会(以下「2019 年定時総会」とい
う。)の招集通知に添付された事業報告書(招集通知 54 頁) にて「当社は、2019
年 5 月 14 日開催の取締役会において、
「当社株式の大量取得行為に対する対応策
(買収防衛策)」(以下、
「本プラン」という。)の導入について決議し、発効いたし
ました。
」と明記されていたことが判明した。対象会社は、請求者が申し立てた裁
判において、2019 年 12 月 27 日付け準備書面で「
「本プランが株主総会決議で導
入された」という事実はない。
」と明確に主張した。このように、対象会社の取締
役会は、
「本プランの導入又は効力発生を決定した機関は取締役会であり、株主総
会決議で導入されたものではない。」と位置付けている。また、本プランの効力発
生日についても、「2019 年定時総会の会日よりも 1 か月以上前である 2019 年 5 月
14 日に本プランの効力が発生した」と対象会社の取締役会は位置付けている。こ
のような位置付けは、2019 年定時総会で本プランの導入に賛成した株主の意思に
明らかに反する。2019 年定時総会の決議結果は、株主の真意を反映していないた
め、本プランは廃止されるべきである。
(2) 対象会社と本プランの独立委員である川﨑清隆取締役がパートナー弁護士であ
る弁護士法人との間の取引関係の不開示
上記 1 で述べたように、川﨑氏がパートナー弁護士である弁護士法人御堂筋法
律事務所は、対象会社から 2 億円未満の額の報酬の支払を受けている。このこと
は 2020 年 6 月に判明した事実であるが、さらに当該報酬の支払は 4~5 年前から
行われていたことも判明している。大規模買付者が登場した場合、川﨑氏は、自
らがパートナー弁護士である弁護士法人が引き続き 2 億円未満の額の報酬を得ら
れることを確保すべく、現経営陣による経営の継続を優先し、大規模買付者によ
る買収を阻止する方向に行動する動機が十分にある。そしてそのように行動する
動機を有すること自体が、本プランの独立委員としての適格性を欠くことを意味
する。
本プランの導入に係る 2019 年定時総会の決議に際して、
「川﨑氏がパートナー
弁護士である弁護士法人御堂筋法律事務所が、対象会社から 2 億円未満の額の報
酬の支払を受けている事実」は、株主に全く開示されていなかった。当該事実が
株主に開示されていないために、そのような「取引関係」を有する川﨑氏が独立
委員であることを考慮した上で本プランの導入の可否が株主によって審議された
ことは一度もない。2019 年定時総会の決議結果は、株主の真意を反映していない
ため、本プランは廃止されるべきである。
10
(3) 本プランが目的外利用されていること
2020 年定時総会に先立ち、対象会社の従業員ら 4 名(うち 1 名は対象会社の株
主でない) は、対象会社の取締役会に対して、「現在の買収防衛策にあるような独
立委員会において「請求者が対象会社のステークホルダーにとって、企業価値の
毀損をもたらすような敵対者か否か」を判定することを求め、かつ、「当社の買収
防衛策の趣旨からすると、これらの検討の開始は株主総会で決議できるはずで
す。
」と明記した要望書を提出した。この要望を受け、対象会社の取締役会は、請
求者の株式保有割合が 30%に達していないにもかかわらず、本プランの一部であ
る情報提供要請の部分を切り出して、2020 年定時総会において、請求者に対する
情報提供要請の議案として上程した。そもそも、対象会社の従業員は、株主総会
での決議を求める権限を何ら有していない。また、従業員の要望書には、「コロナ
禍という未曽有の危機の最中、アルファレオ社の陽動に惑わされることなく、わ
れわれ社員と現経営陣は一丸となってこの難局を切り抜けていかねばなりませ
ん。
」と記載されていた。このように、本プランは、現経営陣にとって好ましくな
い少数株主が出現した場合に、現経営陣と従業員が一丸となって、本プランを濫
用し、当該少数株主を排除する道具として利用されてしまうことが明らかになっ
た。今後、本プランは、他の株主に対しても同様に濫用される恐れがあり、対象
会社の企業価値を損なうことが明らかである。
(4)小括
このように、本プランの導入に際しての虚偽の説明及び重要な情報の不開示並
びに従業員と現経営陣が一丸となって本プランを濫用していることに加えて、依
然として、買収防衛策の導入が対象会社の企業価値を向上させることの説明がな
いため、 本プランの廃止を株主総会の会議の目的事項とすべきである。
第3 今後について
仮に、この請求にもかかわらず、招集の通知が発せられない場合、請求者は、
対象会社の株主価値・企業価値を守るため、会社法 297 条 4 項に基づき裁判所の
許可を得て株主総会を招集する手続を取らせて頂くことを付言する。
以上
11