9308 乾汽船 2020-08-13 15:00:00
中期経営計画 Beyond120の策定に関するお知らせ [pdf]
2020 年 8 月 13 日
各 位
会 社 名 乾 汽 船 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 乾 康之
(コード番号:9308 東証第一部)
問合せ先 コーポレートマネジメント部長 加藤 貴子
(TEL.03-5548-8613)
中期経営計画 Beyond120 の策定に関するお知らせ
当社は、2020 年 4 月から 2023 年 3 月までの 3 ヵ年の新しい経営計画として、 「中期経営計画
Beyond120」を策定いたしました。
本計画の概要は下記の通りです。当社ウェブサイト(IR(投資家情報)-中期経営計画)の補足説明
資料も併せてご参照ください(http://www.inui.co.jp/ir/library/managementplan.html)
。
また、本計画について、機関投資家との対話の機会を予定しております。
記
1. 綿々と
1904 年の開業からこれまでの間、荒波に耐え、商いを紡いできたのが乾汽船の経営です。3 つの事業
を組み合わせ、取引先や同業者と力を合わせて共に進む力を鍛えてきました。カタチを変えながら長
く生きてきた我らは、これまでも、これからも、世のため人のために「よくはこぶ」会社であり続け
ます。
2. 前中期経営計画(2017 年4月~2020 年3月)の振り返り
前中期経営計画の主題は、
「海運市況は何時、回復するか?」でした。その予測は、想定の範囲でし
た。計数計画が未達であったことはしっかりと反省すべきですが、この市況回復前提の中で、課題を
整理し、体質の改善を着々と進めることができました。勝どきの再開発は、高騰する工事費や周辺開
発の動向から、後ろ倒しにしましたが、その判断は正解であったと思います。倉庫・運送事業も思う
ように力をつけてきました。実直な歩みは、さらなる仕掛けに発展し、追い風を受ける準備は完了し
ています。
3. 経営の基本方針
基本方針に変更はありません。
① 資産の力を事業の力に
勝どき・月島の不動産施設は収益力と資金調達力に優れた資産です。そして、外航海運も倉庫も
資本投下型の事業です。これらの景気波動が異なる事業資産を組み合わせることで可変性のあ
る資産ポートフォリオを形成し事業の基盤を支えていきます。
② カイゼンは宝
我々の事業には現場があります。だからこそ、カイゼンは、全社員の共有化された価値(Shared
Value)となりました。我らのカイゼンはステークホルダーを巻き込んだ全体最適を志向してい
ます。日常化したカイゼンは弛まぬ前進を支えます。
③ 「らしさ」の追求
当社の「らしさ」は少しずつ目に見えてわかるようになってきました。どれもこれも商売と真っ
正面に向き合い、地道な努力を練り込みながら作り上げています。ちょっとやそっとでは壊れま
せん。
「らしさ」は差別化の源泉です。他と違うことを恐れず、素直に独自性を追求する、それ
が我々の存在意義であり、競争力です。
4. 各事業の方針・施策
① 外航海運事業について
・事業方針
船隊の最適活用へ
・環境要因
外航海運事業の環境は、 中長期的に市況は回復すると考えていますが、短期的にはコロナ禍からの
混乱による影響がありそうです。ですから海運市況予測として、2021 年度まで回復に要し、本格
的な復調は 2022 年度であろうと考えました。
・施策
大切な商売道具である船の「ご長寿・お達者」は、環境規制対応で新造船発注が難しくなってきた
時流に良く合います。揚げ地から積み地への空荷航海の極小化を目論む「BABA」は VIB とスクラバ
ー搭載船で更なる進化を目指します。 船隊の安全運行管理を促進させる SCS
(Ship-Communication-
System)を使い「洋上のカイゼン」に挑み、また、国外営業拠点の新設も計画しました。
② 倉庫・運送事業について
・事業方針
新たなロジスティクスバリューの創出
・環境要因
倉庫・運送事業は相変わらず向かい風ですが、進み方を学びました。前期間も相当に厳しい環境で
はありましたが、着実に利益体質へと改善しています。環境の厳しさは増すばかりですが、サプラ
イチェーン全体で最適を志向し物流効率化に向う潮流が、我らの施策を後押ししてくれます。
・施策
着荷主までを巻き込んだ配送のムラ取り「バラちらし」は、名誉ある賞を授けてくれました。逆風
下でも力強く進める力があります。多くの企業と Network を構築したり、協業したり、情報共有す
る仕掛けを開発し、促進させています。そして何より、Fun to Work を掲げる我等の現場は今日も
元気です。
③ 不動産事業について
・事業方針
「住み心地」の提供
・環境要因
勝どき・月島エリアは、東京五輪に向け準備を進めてきましたが、開催の可否は分かりません。全
体的に計画は大きく後ろ倒しになりますが、街は、どんどん良くなります。特に築地市場跡地の開
発は、次代の TOKYO の象徴となりましょう。対岸の我々は、これに呼応する街づくりに挑みます。
・施策
資金調達力と日々の収益という重要な役目を長期安定的に果たすには、勝どきが永続的に 「良い街」
でなくてはなりません。余剰容積のある施設の再開発計画の検討に着手していますが、 急がず慌て
ず周辺開発や既存の街との調和を良く見ながら新しい「良い街」を考えていきます。目指すのは「住
まう人」とつくる「住み心地」です。
5. 計数計画
2019 年度 2022 年度
(実績) (本計画最終年度)
売上高 217 億円 236 億円
営業利益 △8 億円 20 億円
当期純利益※ 0 億円 15 億円
ROE 0.4% 9.1%
※親会社株主に帰属する当期純利益
6. 配当方針
配当政策は「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」です。当社経営には、残念ながら悪いときも
ありますし、自助努力では回復できない環境もあります。我々は何よりも「よくはこぶ」ことを優先
します。その上で、配当をもって株主の期待に応えられるよう事業に専心して参ります。
7. 最後に
本計画を終える時、当社は 119 歳となります。確かに時代も変わったのでしょうが、運と縁に支えら
れ、今日があります。私共は「歴史を、正しく、未来に繋ぐ」実業の事業会社でありたいと願い、こ
れからも、精一杯の努力精進を重ねて参ります。
ステークホルダーのみなさま方、どうぞ、よろしくお願い致します。
以上