9308 乾汽船 2020-05-27 18:05:00
当社取締役会によるアルファレオホールディングス合同会社に対する情報提供要請に関する承認に係るお知らせ [pdf]

                                                  2020 年5月 27 日
各 位
                               会 社 名 乾汽船株式会社
                               代表者名 代表取締役社長      乾 康之
                                      (コード番号:9308 東証第一部)
                               問合せ先 コーポレートマネジメント部長
                                                加藤 貴子
                                           (TEL. 03-5548-8613)


      当社取締役会によるアルファレオホールディングス合同会社に対する
            情報提供要請に関する承認に係るお知らせ



 当社取締役会は、2020 年5月 27 日開催の当社取締役会において、2020 年6月 19 日開催予定の当社第
100 回定時株主総会(以下「本総会」といいます。
                        )において株主の皆様のご承認をいただいた上で、当社
が当社の筆頭株主であるアルファレオホールディングス合同会社(以下「アルファレオ社」といいます。
                                              )
との間で、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上へ向けた建設的な対話を実現することを目
的として、アルファレオ社に対して、当該対話の実現のために必要となる情報の提供を要請する旨を決議
いたしました(以下「本決議」といい、かかる要請を、以下「本情報提供要請」といいます。
                                         )ので、以
下のとおりお知らせいたします。


1. 本決議に至る経緯


 当社取締役会は、2020 年5月1日付で、当社及び当社子会社の従業員並びに当社の従業員組合の組合
員である当社の株主複数名から、アルファレオ社の実態や、投資の目的について、全てのステークホルダ
ーに対して納得のいく説明等を求める文書(別添)
                      (以下「本文書」といいます。
                                   )を受領いたしました。
その後、2020 年5月 25 日現在、当社従業員 78 名(本文書の名義人を含み、全従業員の約 98%に相当し
ます。、当社の関係会社役職員 137 名、
   )                 その他当社の創業家親族などを含む、合計 236 名の当社の事業に
現在関与し、又は、これまで関与してきた方々(以下「当社従業員等」といいます。
                                     )より、本文書に賛
同する旨の連絡を受けております。なお、本文書の名義人及びその賛同者が保有する株式の総数は
3,633,810 株(2020 年3月 31 日現在における当社発行済株式総数(以下「当社発行済株式総数」といい
ます。
  )の 13.94%に相当します。、当該株式に係る議決権の総数は 36,295 個(2020 年3月 31 日現在に
                  )
おける当社発行済株式に係る議決権の総数(以下「当社議決権総数」といいます。
                                    )の 14.66%に相当し
ます。
  )となります。
 そして、当社取締役会は、本文書の内容及びその賛同者の数等を勘案した結果、本文書が提出された背
景には、以下の2点が存在すると考えました。すなわち、まず、①2020 年3月 31 日現在におけるアルフ
ァレオ社の保有する株式については、その総数が当社発行済株式総数の 29.01%、当該株式に係る議決権
の総数が当社議決権総数の 30.34%であり、アルファレオ社が当社の経営・事業運営等に強い影響力を有
していること、次に、②アルファレオ社が、当社代表取締役の取締役からの解任議案や任期中の当社全監
査役の解任議案を当社株主総会に提出するなど、自己の株主権を行使することを通じて、当社の経営・事
業運営等にその強い影響力を及ぼすことにより、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を阻
害しかねないのではないかとの不安を当社従業員等に生じさせていることです。当社取締役会は、本文書
の内容を真摯に受け止め、今後の対応について検討を行った結果、上記のとおり当社従業員等に不安が生
じたのは、これまで当社とアルファレオ社との間で当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上へ
向けた建設的な対話が十分でなかったことに原因があり、今後、アルファレオ社との間で、より本質的な
方法を通じて建設的な対話を行う必要があるとの結論に至りました。
 しかしながら、アルファレオ社は、スチュワードシップ・コードに則り当社との対話を推進していく旨
を明言しておりますが、その実態が必ずしも定かではなく、また、如何なる目的をもって当社株式への投
資を行っているのかも明らかでないため、同社との間で建設的な対話を実現するための基礎となる情報
を欠いている状況にあります。この点に関して、アルファレオ社は、2019 年 10 月 29 日付当社プレスリ
リース「当社質問状に対する回答書受領に関するお知らせ」のとおり、当社株式への投資目的を「純投資」
であると回答しており、また、同社が提出した 2020 年5月 15 日付変更報告書(13)においても、当社株式
の保有目的を「純投資が基本であるが、状況に応じて経営陣への助言や重要提案行為を行う」と述べてお
りますが、例えば、アルファレオ社が求める当社代表取締役の取締役からの解任や当社全監査役の解任に
ついては、仮に同社が求めるとおりに当該解任が実現した場合、当該解任後の当社の経営・事業運営等の
ためにはそれらの後任となる候補者等の適切な代替案があってしかるべきであるにもかかわらず、アル
ファレオ社からは適切な代替案が示されませんでした。
                        「純投資」を目的として当社株式を保有している
同社が、なぜ当社に対して適切な代替案なくこのような行為を行うのか、当社といたしましてはその意図
を測りかねております。
 当社取締役会は、これまでも、アルファレオ社に対し、同社の実態や、投資の目的等の情報の提供を要
請しておりましたが、同社からは十分な回答が得られておりませんでした。しかしながら、本文書による
要請を契機として、アルファレオ社に対する今後の対応を検討した結果、アルファレオ社に対して、改め
て情報提供を要請する必要があると判断いたしました。
 また、本情報提供要請の実施は、会社法及び当社定款上、株主総会決議を要する事項として定められて
いるものではございませんが、上記の経緯を踏まえ、特定の株主であるアルファレオ社のみに情報提供を
要請するものであること、アルファレオ社が、上記のとおり当社の経営・事業運営等に重大な影響を与え
得る株主であるため、今後のアルファレオ社との対話の方針等が当社の経営・事業運営等に重大な影響を
与える可能性があること等に鑑み、本情報提供要請に当たっては、本総会において株主の皆様のご承認を
いただくことが適切であると判断いたしました。
 なお、本総会における本情報提供要請に係る議案の決議は、会社法第 309 条第1項及び当社定款第 17
条第1項に定める普通決議の要件により実施されるものといたします。


2. 本情報提供要請の手続


(1) 情報提供の要請


 当社取締役会は、2020 年 7 月 31 日(金)までに、アルファレオ社に対して、以下の各事項に関連する
質問等を記載した書面(以下「初回質問状」といいます。
                         )を発送し、同社に回答を要請いたします。な
お、当社への回答期限については、初回質問状の発送日から 30 日後の日とし、これを初回質問状に記載
することといたします。


 ① アルファレオ社及びその関係会社の概要(名称、所在地、資本関係(実質的な資金提供者との関係
   を含む。、役員構成(実質的な意思決定の主体を含む。
       )                   )等)
 ② 当社株式を保有する目的(当社に対する助言・提案行為を行う目的を含む。
                                    )
 ③ スチュワードシップ責任を果たすための機関投資家の活動のあり方についての考え方
 ④ 上記③を踏まえた当社との対話の方針
 ⑤ 当社株式の今後の保有・売却等の方針
 ⑥ 今後実施を予定している当社株式の追加取得その他の投資の方法及び内容
 ⑦ 当社の経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策、想定している経営者候
    補等
 ⑧ 今後当社株式の追加取得その他の投資を行う場合における当社の株主(アルファレオ社を除く。、
                                              )
    従業員、取引先その他の当社の利害関係者等への対応方針
 ⑨ 当社の企業価値を継続的かつ安定的に向上させるための施策、及び当該施策が当社の企業価値を
    向上させることの根拠
 ⑩ 過去に行われたアルファレオ社の当社に対する助言・提案行為が当社の企業価値を向上させるこ
    との根拠
 ⑪ 当社株式の取得その他の投資のために投下した資本の回収方針
 ⑫ 当社株式の取得資金に係る資金調達の概要(調達先の名称、金額・返済期日その他の調達条件等)
    及び担保の状況


(2) 追加の情報提供の要請


 当社取締役会は、初回質問状に対するアルファレオ社の回答内容が同社との間で建設的な対話を実現
するために十分でないと合理的に判断する場合には、アルファレオ社に対して、追加の質問等を記載した
書面(以下「追加質問状」といいます。
                 )を発送し、同社に追加の回答を要請いたします。
 かかる追加の質問等は、アルファレオ社の回答内容が同社との間で建設的な対話を実現するために十
分であると当社取締役会が合理的に判断するまで繰り返し行うことができますが、その最終の回答期限
日は、当社取締役会によりアルファレオ社の回答内容が同社との間で建設的な対話を実現するために十
分であると合理的に判断されない場合でも、初回質問状の発送日から 60 日後の日に設定されます。


(3) 公表


 当社は、初回質問状又は追加質問状に対するアルファレオ社の回答の有無及びその概要について、適時
かつ適切に公表いたします。
 また、当社は、初回質問状及び追加質問状に対するアルファレオ社の回答内容が同社との間で建設的な
対話を実現するために十分であるか否かを当社取締役会として合理的に判断の上、その結果を適時かつ
適切に公表いたします。


3. 建設的な対話の実施


 本情報提供要請に対して、アルファレオ社から当社取締役会に対する情報提供の内容が同社との間で
建設的な対話を実現するために十分であると当社取締役会が合理的に判断した場合には、当社は、同社と
の間で、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上へ向けた建設的な対話を実施したいと考えて
おります。
 これに対して、アルファレオ社から当社取締役会に対する情報提供の内容が同社との間で建設的な対
話を実現するために十分でないと当社取締役会が合理的に判断した場合には、当社といたしましては、同
社との間で建設的な対話を実現する前提を欠くことになるため、かかる対話を実現することは困難にな
ると言わざるを得ませんが、当社としては、同社との間で建設的な対話を実現する方策を引き続き検討し
ていく方針に変わりはありません。
 なお、当社は、本情報提供要請の結果として実現したアルファレオ社との間の対話の有無及びその概要
については、これを適時かつ適切に公表いたします。


                                           以 上
                                               別添
                                     2020 年 5 月 1 日
乾汽船取締役会 御中
                                乾汽船(株)社員 小坂吉彦
                              乾汽船従業員組合員 豊田大介
                     イヌイ倉庫オペレーションズ(株)社員 小山健一
                              イヌイ運送(株)社員 松本尚彦


                乾汽船取締役会への要望


私ども乾汽船及び関係会社の社員は、下記の通り、アルファレオホールディングス合同会社
を対象とした買収防衛策の始動を第 100 期定時株主総会議案に加えることを希望しておりま
す。なお、本要望は株主提案ではございません。
                      記
要望内容:
 アルファレオホールディングス合同会社の目的が「純投資」でないことは客観的事実から明
らかです。同社は、何者であり、当社に何をしようとしているのかを明らかになるよう必要な
処置を講じて下さい。
要望理由:
 アルファレオホールディングス合同会社(以下、アルファレオ社)の行為は、我々乾汽船ま
たはその関連会社で働く者から見て、違法ではないかも知れませんが、異常だと考えます。彼
らは投資顧問会社と称し保有理由を純投資としているようですが、純投資株主が任期途中の乾
康之社長解任等を求めるような行為は尋常ではなく、我々社員の就労や生活に大きな不安をも
たらしています。
 極めつけは、今回の臨時株主総会を巡る騒動です。COVID-19 に揺れる社会情勢に付け込み、
他の株主及び発行体会社を徹底して軽視した臨時株主総会の運営方法を巡る主張や考え方は、
正気の沙汰とは思えません。またこれまでの社会常識から逸脱した行為は、少なくとも、この
1 年において、当社および関係会社の事業環境を悪化させ続けています。コロナ禍という未曽
有の危機の最中、アルファレオ社の陽動に惑われることなく、われわれ社員と現経営は一丸と
なってこの難局を切り抜けていかねばなりません。
 まず、アルファレオ社とは、一体何者であり、保有目的が何なのかを、全てのステークホル
ダー対して正しく納得のいく説明を求めます。その上で、現在の買収防衛策にあるような独立
委員会において「アルファレオ社が乾汽船のステークホルダーにとって、企業価値の毀損をも
たらすような敵対者か否か」の判定を行なって欲しいのです。当社の買収防衛策の趣旨からす
ると、これらの検討の開始は株主総会で決議できるはずです。アルファレオ社は「買収防衛策
に関するすべては株主総会で決議せよ」と主張していますので、本件は是非、その株主総会に
諮っていただきたいのです。
 言うまでもないことですが、我々の多くは株主でもあります。そして、本件につきましては、
当社 OB 会である乾友会でも賛同をもらっています。また、乾新悟さんを通じて、創業ご一族
の皆様方にも声掛けをし、ご協力をいただくことになっております。
 なにとぞ本要望をお汲みいただき、一日も早く社員が事業に邁進できる環境を整えていただ
けますよう宜しくお願い申し上げます。
                                             以   上