9285 I-東京インフラF 2019-08-22 15:00:00
「2019年6月期決算」並びに「2019年12月期、2020年6月期及び2020年12月期の運用状況の予想」に関するQ&A [pdf]
2019 年 8 月 22 日
各 位
インフラファンド発行者名
東京インフラ・エネルギー投資法人
代表者名 執行役員 杉本 啓二
(コード番号 9285)
管理会社名
東京インフラアセットマネジメント株式会社
代表者名 代表取締役社長 永森 利彦
問合せ先 取締役管理本部長 真山 秀睦
(TEL: 03-6551-2833)
「2019 年 6 月期決算」並びに「2019 年 12 月期、2020 年 6 月期及び 2020 年 12 月期の運用状況の予想」に関するQ&A
(2019 年 8 月 22 日付公表の「2019 年 6 月期 決算短信(インフラファンド)」補足資料)
本投資法人が 2019 年 8 月 22 日付決算短信において公表した「2019 年 6 月期決算)並びに「2019 年 12 月期、2020 年 6 月期及び 2020 年 6 月期の
運用状況の予想」に関し、金利スワップ取引に係る繰延ヘッジ損益の評価損を認識したことによる分配金への影響について、以下の通りQA方式にて
補足説明いたします。
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1.2019 年 6 月期決算
Q1.金利スワップ取引に係る繰延ヘッジ損益とは何ですか。
A1.まず、金利スワップは一般的に、借入金の金利変動リスクをヘッジ(回避)するために導入される金融取引です。本投資法人においては、現行
のゼロ金利政策のメリットを享受しつつ将来の金利上昇リスクをヘッジするために、 金利スワップの適用開始日を長期借入金の借入日から 2 年
3 か月後とする先スタート型の契約を締結いたしました。金利スワップの取引条件は、市場にて日々変動しているため、原則として投資法人の
決算期末ごとに時価評価する必要があります。2019 年 6 月期においては、長期金利の低下を受けて約 164 百万円の評価損失を計上いたしまし
た。しかしながら、これは現金の流出を伴う性質のものではなく、会計上の評価に過ぎません。
【図1】借入期間と金利スワップ期間
2018/10/1 2028/9/29
借入期間
(2年3か月) 金利スワップ期間
2020/12/30 2028/9/29
Q2.金利スワップにヘッジ会計は適用されないのですか。
A2.現在契約している金利スワップについては、ヘッジ会計の原則的処理に基づき「繰延ヘッジ」を適用しています。その結果、金利スワップの評
価損益が損益計算書には反映されず、貸借対照表の純資産の部に計上されています。なお、A1.にて記載の通り、借入期間と金利スワップの
(注)
期間が一致していないため、「金利スワップの特例処理」 の適用とはならず、繰延ヘッジによる会計処理を行っています。
(注)一定の要件を満たす場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産又は負債に係る利息に加減して処理することができる会計処理
のことをいいます。
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Q3.当期(2019 年 6 月期)の損益計算書では当期未処分利益を計上しているのに利益分配がないのはなぜですか。
A3.投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律(以下、 「投信法」といいます。)の下で運営されており、株式会社等とは異なり、損益計算書
(注)
ではなく貸借対照表の純資産の部を基に「利益」 の額を算出しますが、この「利益」が所謂「利益分配金」の原資となるものです。具体的に
は、 「純資産額-出資総額等(出資総額+出資剰余金) 」で得られる結果が正の場合にその値を利益(投信法上の利益)とします。本投資法人の
2019 年 6 月期においては、繰延ヘッジ損益△164,463 千円を計上したことにより、純資産額(純資産合計 4,232,883 千円)が出資総額等(出資
総額(純額)4,244,425 千円)を下回ったため、利益分配はありません。
(注)投資信託及び投資法人に関する法律 第 136 条第 1 項
(利益及び損失の処理)第百三十六条 投資法人は、第百三十一条第二項の承認を受けた金銭の分配に係る計算書に基づき、利益(貸借対照表上の純資産額が出
資総額等の合計額を上回る場合において、当該純資産額から当該出資総額等の合計額を控除して得た額をいう。次条第一項及び第三項において同じ。)の全部又
は一部を出資総額に組み入れることができる。
【図2】2019 年 6 月期決算短信 貸借対照表(抜粋)
(単位:千円)
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Q4.1口当たり分配金の内訳を詳しく教えてください。
A4.2019 年 6 月期の1口当たり分配金は 4,203 円とさせていただきました。A3.に記載の通り投信法上の利益がなかったことから、4,203 円全額
が利益超過分配金となります。そのうち、一時差異等調整引当額からの分配金が 3,116 円、その他の利益超過分配金が 1,087 円となっていま
す。
【表1】分配金の内訳
内訳 分配金総額の内訳 1 口当たり分配金の内訳 分配金原資
分配金総額 193,501 千円 4,203 円 -
当期未処分利益のうち主と
一時差異等調整引当額からの分配金(注) 143,457 千円 3,116 円
して当期純利益
その他の利益超過分配金
50,044 千円 1,087 円 減価償却費
(税法上の出資等減少分配)
(注)利益分配と同様に源泉徴収の対象となります。
Q5.一時差異等調整引当額とは何でしょうか。
A5.投資法人の計算に関する規則(以下、 「計算規則」といいます。 第 2 条第 2 項第 30 号に規定されている利益超過分配の一種で、所得超過税会
)
不一致及び純資産控除項目の合計額の範囲内において、利益処分に充当されるものをいいます。2019 年 6 月期決算のように、当期未処分利益
を計上しているにも拘わらず、投信法上の利益には該当しないため利益分配ができないという矛盾を回避するために、2015 年 3 月 31 日に計算
規則が改正され 2015 年 4 月より導入された制度です。この制度の活用により、純資産控除項目(今回のケースでは繰延ヘッジの評価損)の範
囲内において、利益処分に充当することが可能となりました。
2019 年 6 月期決算においては、当期未処分利益 152,921 千円のうち、既に引当済みの一次差異等引当額 9,437 千円を減算した残額について、
投資口 1 口当たりの分配金が 1 円未満となる端数部分を控除した 143,457 千円を一時差異等調整引当額に係る分配金として、減価償却費の約
28%に相当する 50,044 千円をその他の利益超過分配金(税法上の出資等減少分配)として分配することとしました。
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2.2019 年 12 月期、2020 年 6 月期及び 2020 年 12 月期の運用状況の予想
Q6.一時差異等引当額からの分配金は当面続きますか。
A6.金利スワップは決算期毎に評価の洗い替えを行い、その結果を繰延ヘッジ損益として決算に反映する必要がありますが、業績予想にあたり各期
末時点における金利スワップの評価については、2019 年 6 月期末時点の評価額(△164 百万円)から変わらないものとして分配金の予想を作成
しています。その場合、2020 年 6 月期及び 2020 年 12 月期は一時差異等引当額からの分配金は生じない見通しです。
【表2】
2019 年 12 月期 2020 年 6 月期 2020 年 12 月期
予想 予想 予想
A.当期純利益(予想) 83 百万円 130 百万円 84 百万円
B.前期繰越利益 152 百万円 164 百万円 164 百万円
C.当期未処分利益(A+B) 235 百万円 295 百万円 249 百万円
D.繰延ヘッジ損益 △164 百万円 △164 百万円 △164 百万円
投信法上の利益(C+D) 71 百万円 130 百万円 84 百万円
(a)利益分配金 71 百万円 130 百万円 84 百万円
(b)一時差異等引当額からの分配金 11 百万円 - -
(c)その他の利益超過分配金 50 百万円 50 百万円 50 百万円
(a)+(b)+(c)=分配金の総額 132 百万円 180 百万円 134 百万円
(a) :利益分配
(b)及び(c):利益超過分配
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Q7.金利スワップの評価損益が変動した場合はどうなりますか。
A7.基本的に、期末時点の評価損失が縮小すれば縮小相当分の利益分配金が増え(一時差異等引当額からの分配金は減少)、評価損失が拡大すれば
拡大相当分の利益分配金が減少(一時差異等引当額からの分配金は増加)しますが、評価損失の増減自体が分配金の総額に直接影響を及ぼすこ
とはありません。
Q8.損益計算書上の当期未処分と投信法上の利益並びに分配総額の関係について教えてください。
A8.下図をご参照ください。
(百万円)
【図3】2019 年 6 月期決算を例にしたイメージ図
以上
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