9271 M-和心 2021-03-30 19:20:00
債務超過解消に向けた取り組みについて [pdf]
2021 年3月 30 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 和 心
代表者名 代 表 取 締 役 森 智 宏
(コード番号:9271 東証マザーズ)
問合せ先 経 理 部 副 部 長 山邊 伸顕
(TEL.050-5243-3871)
債務超過解消に向けた取り組みについて
当社は、2021年2月12日付にて開示いたしました「2020年12月期決算短信(連結)」でお知ら
せした通り、2020年12月期の連結ならびに個別の業績において債務超過となっております。
つきましては、債務超過解消に向けた取り組みについて、以下の通りお知らせいたします。
また、弊社ホームページ(https://www.wagokoro.co.jp/)内、「投資家の皆様へ」にて「2020
年12月期決算説明会資料(2021年2月24日)」を掲載しておりますので、あわせてご覧ください。
記
1.債務超過の原因について
2020年連結会計年度においては、当社グループの属する小売・サービス業界は、新型コロナ
ウイルス感染症拡大に伴い、政府や各自治体の要請に応じた臨時休業や営業時間短縮を余儀な
くされて、緊急事態宣言後には消費者の自粛疲れの反動による行動や各種GoToキャンペー
ンで一時的に回復基調がみられたものの、インバウンド需要の消失、外出自粛、消費マインド
の悪化等非常に厳しい状況で推移いたしました。2020年の訪日外客数は2019年に比べ87.1%減
少(出典:2020年日本政府観光局(JNTO) )しており、回復の目途が立たない状況です。
このような経済環境の下、当社は「日本のカルチャーを世界へ」を経営理念に、 「日本文化を
感じるモノを作り販売する」モノ事業と「日本文化の良さを体験してもらう」コト事業、及
び、その他事業、の3つの事業の強化に引き続き取り組みました。しかし、新型コロナウイル
ス感染症の影響により、出店計画の見直し、店舗の閉鎖を余儀なくされる状況となりました。
出退店につきましては、当連結会計年度において、出店が5店舗、退店が53店舗、業態転換が
3店舗、期末の店舗数は合計43店舗となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,288,995千円、営業損失996,932千円、経常損
失993,338千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,255,985千円となり、2020年12月31日時点
の連結貸借対照表上99,875千円の債務超過となりました。
セグメント毎の売上及び営業利益につきましては以下のとおりです。
(単位:千円)
2020年12月期実績
売上 営業利益
モノ事業 1,004,772 △539,126
コト事業 283,525 △163,916
その他事業 698 △15,231
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.債務超過の解消に向けた基本方針
当社グループは、当該状況の解消のために、下記のような改善施策の実行により、収益力及
び財務体質の改善を図ってまいります。
(1)安定的な利益確保
①店舗展開の見直し
1
2020年春以降、不採算店舗の退店と人員削減によるコスト削減を実施しております。2020年
1月に90店舗(モノ事業71店舗、コト事業19店舗)だった店舗を2020年12月には43店舗(モ
ノ事業37店舗、コト事業6店舗)まで縮小いたしました。店舗の撤退、倉庫やオフィスの集
約により、販売費及び一般管理費は1,696,322千円(連結、前年度比814,683千円減)となり
ました。今後も店舗の採算に応じて店舗撤退の要否を判断いたしますが、一方で、利益貢献
が見込める店舗(好立地、固定費のかからない契約形態、イニシャルコストの最小化など)
の積極的な出店を行うことで営業利益の向上を図ってまいります。2021年3月現在4店舗を
出店済み、3店舗を出店準備中です。
②事業のIT化
モノ事業における店舗展開以外に、ECサイトにおける販売、OEMサービス、宅配着物レ
ンタルサービス等の強化により、収益の確保を図ってまいります。
(2)財務状況の安定化
2020年6月においては100,000千円の金融機関から借入による資金調達を行っております。ま
た、2020年6月30日にお知らせしましたとおり、役職員の給与、本社・店舗等の家賃、ECビジ
ネス構築費用等に充当するため2020年7月16日払込による134,908千円の第三者割当増資を行
いました。このほか、緊急経済対策に基づく税金及び社会保険料の納税猶予制度を利用して運
転資金の確保を行いました。 今後の対応策として財務体質の改善をより確実なものとするため
に、エクイティファイナンスも検討することで、将来の事業拡大に備えた機動的な資金調達を
図ってまいります。
3.取組の内容及びスケジュール
(1)モノ事業
・モノ事業は、企画・デザインから製造、販売までを自社で徹底して管理する製造小売業、い
わゆるSPAの事業形態を取っております。店舗の空間設計や施工、オムニチャネル化を可
能としたECサイトの開発・運用まで一貫して管理する事業形態を取ることで、効率的かつ
高収益を目指した小売業を展開しております。 [かんざし屋wargo] [北斎グラフィック]
、 、
[箸や万作] [猫まっしぐら] [かすう工房] [おびどめ屋wargo] [ゆかた屋hiyori]
、 、 、 、
及びこれら複数ブランドの商品を取り扱う複合店舗[The Ichi]を国内の主要都市/観光地
に展開しております。また、小売業で蓄積したノウハウを武器に、他企業へのOEM提案を
行っております。
・モノ事業においては、新型コロナウイルス感染防止のための安全対策に取り組みながら営業
を続け、家賃減額交渉も行いましたが、来店客数の減少は補いきれず、2020年12月期は37店
舗(前年同期比35店舗減)と大幅な店舗数の減少となりました。2021年12月期に関しまして
は、既存の優良店舗で既存の在庫をメインに営業を進めてまいります。家賃減額交渉も継続
しながら拠点数や人員は維持継続することとし、 集客を強化することにより収益向上を図っ
てまいります。
・OEM部門では、アニメ、マンガ、ゲーム及びそのキャラクターグッズなどサブカルチャー
コンテンツを手掛ける企業を主要取引先として、OEMサービスを提供しております。店舗
展開ではないため、コロナ禍でもOEM部門は底堅く、2020年12月期売上高は168,834千円
(前年同期比93.8%)となりました。2021年12月期も引き続き人員を増強し、前期以上の受
注獲得に努力してまいります。
(2)コト事業
・コト事業は観光で着る着物と冠婚葬祭で着る着物を、着物のレンタルはもちろん、着付けや
荷物のお預かり、ヘアセットまで提供し手ぶらで着物を楽しめる店舗、及びWebで着物一式
を借りることができる宅配着物レンタルサービスを運営しております。
・[きものレンタルwargo]では、国内の主要都市/観光地に出店する他、ECサイトからの予
約システムや、 ECサイトで着物一式を借りることができる宅配着物レンタルサービスを運
営しております。なお、京都府では[京都きものレンタルwargo]、京都府以外の地域では
[きものレンタルwargo]の店舗名で事業展開しております。
・コト事業においては、訪日外客数の減少やイベント開催の減少により店舗の閉鎖を余儀なく
され、 2020年連結会計年度末における店舗数は6店舗 (前年同期比13店舗減) となりました。
しかし、 着物レンタルの業績が回復してきたことから、 固定費のかからない契約形態に絞り、
2021年12月期は10店舗の出店を計画しております。
2
(3)その他事業
・その他事業では、不動産賃貸事業を運営しております。
・今後は物件数を増やしながら、宿泊施設やジム・サウナ等の無人店舗での業務を拡大し、よ
り生活に近いサービスを展開していく予定です。
(4)事業のIT化
・当社はモノ事業及びコト事業ともに集客手段としてインターネット上に複数のECサイトを
運営しております。ECサイトの企画から開発、運営とwebマーケティングの運用を内製
化することで迅速な新コンテンツのリリース等に対応してきました。今後も、ECサイトを
活用することにより、ネット通販、OEMサービスの受注、宅配着物レンタルサービスの収
益向上を図ってまいります。
・モノ事業におけるネット通販は、外部コンサルタントの活用により固定費はかけずに、EC
サイトにおける販売を強化してリアル店舗以外の収益機会も推進してまいります。
・コト事業では宅配着物レンタルの需要が伸びております。2021年12月期は人員を増強し、E
Cサイトへの集客と予約獲得に努めてまいります。
(5)販売費及び一般管理費の削減
当社では、全店舗について家賃減額の交渉、人件費の削減、本社機能の縮小、倉庫移転などを
行ってまいりました。この施策により、給与手当を前年度比477,646千円、地代家賃を前年度
比18,398千円、それぞれ削減しております。本社及び店舗の運営費用の削減等引き続き経費の
削減に努力してまいります。
(6)資本政策
抜本的な経営改善策を実行し、営業利益等の確保のみならず、上記の施策と併せて早急に増資
体制の拡充を図り、早期の債務超過の解消を目指してまいります。
上記の収支改善に向けた経営改善計画の各取り組みと、資本増強に向けた各種施策の実施によ
り、2021年12月までの債務超過解消を目指します。
以 上
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