9264 J-ポエック 2019-01-15 15:00:00
再生医療ベンチャー企業 株式会社アムノスへの追加出資に関するお知らせ [pdf]

                                         2019年1月15日
各 位
                     会 社 名 ポ エ ッ ク 株 式 会 社
                     代 表 者 名 代表取締役社長 来 山 哲 二
                      (コード番号:9264 東証JASDAQ)
                     問 合 せ 先 取締役管理部長 吉 本 貞 幸
                                 (TEL. 084-922-8551)

 再生医療ベンチャー企業 株式会社アムノスへの追加出資に関するお知らせ


 当社は、2019年1月15日開催の取締役会において、乾燥羊膜(ハイパードライ羊膜)(以
下、「HD羊膜」といいます。)の製品化に向けた研究開発を推進しております株式会社ア
ムノスへの追加出資を決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

                     記

1.出資の経緯及び目的

(出資の経緯)
  当社は、2018年6月14日に発表いたしました「投資に取り組む方針に関するお知らせ」
のとおり、株式会社アムノスへの積極的な投資を行う方針であります。
  同社は富山大学二階堂敏雄教授らが開発したハイパードライ技術を用いた胎児由来の
HD羊膜の事業化を目的として産学官及び医工連携を実現する富山大学発のベンチャー企
業として、  医療機器製造の許可を保有する株式会社TSSと当社の共同で2014年1月に設立
されました。
  現在、同社はHD羊膜の事業化へ向け、臨床研究と開発推進及び製造販売を主たる事業
として、本技術の実用化に向けた研究開発に注力しております。
  一方、同社のHD羊膜を日本市場で販売するためには、公的機関から安全性の確認証明
を受けることが条件となり、厚生労働省の管轄機関であるPMDA(医薬品医療機器総合機
構)から承認を得る必要があります。
  以上のような環境下での事業化及びHD羊膜の素材の性質を考慮しますと、臨床治験か
ら承認に至るまで3年から5年の長期間を要するものと思われます。
  このような状況を踏まえ、同社(株式会社アムノス)は、比較的早期に事業化が可能
な米国及び韓国での展開を優先して計画し、2018年3月27日米国食品医薬品局であるFDA
への登録申請を行いました。
  この結果、2018年6月にこの申請を受けて同局への製品登録が完了し、2019年後半から
2020年前半にかけて販売を実施できるよう対応中であります。
-HD羊膜とは-
 同社が早期事業化を目指すHD羊膜は、我が国及び海外の医療現場における下記課題に対
する有効な手段として考えられております。

 羊膜は、免疫原性を有しない組織であり、創傷治癒や熱傷等の治癒・組織再生を促進
する優れた生体材料であることは広く認知されていたものの、出産時に得られる羊膜は
入手が難しく保存技術がない等の理由により利用が難しいとされておりました。
 一方、近年米国ではFreeze-Dry製法により保存性の問題を解決した凍結乾燥羊膜を開
発し、創傷被覆材として製品化に成功し、高い治療効果を上げていることが報告されて
おります。
 しかしながら、米国で販売されている凍結乾燥羊膜は、凍結乾燥による組織構造への
影響により、生羊膜と異なる組織構造となることが確認されており、そのことが組織再
生促進能力の低下に繋がるのではないかと考えられております。
 そのため、米国製品では、羊膜に絨毛膜やコラーゲン等を様々に付与・加工し、 多層
化にて組織再生促進能力の機能補完をした製品として販売されております。
 しかし、多層化することによって、薄さ・透明さが求められる眼科領域(眼表面疾患)
に使うことはできない等の問題が指摘されており、また、多層化するためのコストが余
分に必要となる等の課題を有しております。
 これらの解決策として生羊膜と同等の再生促進機能を有し、かつ薄さと強度を兼ね備
え、保存性の高い羊膜材料の開発が求められております。
 このような状況にあって、  富山大学二階堂敏雄教授らは、  生羊膜を特殊な乾燥技術(遠
赤外線・マイクロ波を用いたHyper-Dry乾燥)を開発して乾燥することで、生羊膜に極め
て近い解剖学的膜構造を保持したHD羊膜を作製することに成功しました。
 本HD羊膜は、生羊膜同等の組織構造及び治癒促進機能を有し、乾燥していることから
輸送・保存が容易であります。
 さらには、羊膜単層のみの乾燥のため薄く、加工工程が不要のため製造コストが抑え
られる等が特長となっております。
 通常の組織再生に用いるのみならず、薄さと強度を兼ねそろえているため、創傷被覆
材としての活用に加えて、眼科領域の難治性眼表面疾患(角膜再生等)にも用いること
も可能となります。
 その他、HD羊膜は、眼科(再発翼状片、角膜穿孔)、耳鼻科(鼓室形成術)、脳外科
(脳硬膜の代用)及び口腔外科(頬粘膜症等)等の治療効果も発表されました。
 2019年1月7日発刊の日本経済新聞では、膝関節の病気をもつ患者が全国で約2,500
万人、そのなかでも変形性膝関節症の患者数は800万人存在し、年間2,000億の医療費市
場があるとの推計の記事が掲載されました。
 同社 (株式会社アムノス)では膝関節の病気にHD羊膜を利用することに着目しており、
特殊な加工を施したHD羊膜を患者の膝関節へ用い、時間の経過に従い当該処置部が膝軟
骨材化する特徴を活かし、これを製品化していくことを推進中であります。
 現在、HD羊膜を膝関節症の患者に用いることを目的として、国内大手医薬品メーカー
に対し共同開発、事業化を提案中であります。また、膝関節用の製品化が実現できた場
合は、従来からHD羊膜が対象とする医療分野のほか、比較的市場規模が大きい整形外科
分野においても同社(株式会社アムノス)の躍進が期待できると考えられます。

(出資の目的)
  当社は、以上の状況を踏まえて富山大学と連携のもと同社が展開するHD羊膜製造販売
 事業は、将来的に有望な事業であると考えており、当社の中長期的な企業価値増大を目
 指すため、さらには再生医療の発展に貢献するため同社に対する追加出資を決定いたし
 ました。
2.出資の内容
  出 資 金 額:30百万円
  出資金振込日:2019年1月21日(予定)

3.出資先の概要
 (1)名称                株式会社アムノス
 (2)所在地               富山県下新川郡朝日町草野287番地1
 (3)代表者の役職・氏名         代表取締役社長 田中 淳
                      再生医療に関わる調査、研究開発、製造・販
 (4)事業内容
                      売および輸出入
 (5)資本金               345百万円
 (6)設立年月日             平成26年1月24日
                             当社は10.7%の株式を保有して
                      資本関係
                             おります。
 (7)上場会社と当該会社との間の関係          当社の代表取締役社長が当該会
                      人的関係
                             社の取締役を兼務しております。
                      取引関係 該当事項はございません。
 (8)追加出資後の持株比率        14.6%

4.今後の見通し
  本件による、2019年8月期の当社の業績に与える影響は軽微でございます。

                                         以   上