9202 ANA 2020-04-28 15:00:00
2020年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]
2020年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年4月28日
上場会社名 ANAホールディングス株式会社 上場取引所 東
コード番号 9202 URL https://www.ana.co.jp/group/
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名)片野坂 真哉
問合せ先責任者 (役職名) グループ総務部長 (氏名)植野 素明 TEL 03-6735-1001
定時株主総会開催予定日 2020年6月29日 配当支払開始予定日 -
有価証券報告書提出予定日 2020年6月30日
決算補足説明資料作成の有無: 有
決算説明会開催の有無 : 有 (機関投資家、証券アナリスト向け)
(百万円未満切捨て)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社株主に帰属する
売上高 営業利益 経常利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年3月期 1,974,216 △4.1 60,806 △63.2 59,358 △62.1 27,655 △75.0
2019年3月期 2,058,312 4.4 165,019 0.3 156,681 △2.5 110,777 △23.0
(注)包括利益 2020年3月期 △14,742百万円(-%) 2019年3月期 141,630百万円 (△12.8%)
1株当たり 潜在株式調整後 自己資本 総資産 売上高
当期純利益 1株当たり当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2020年3月期 82.66 - 2.6 2.3 3.1
2019年3月期 331.04 - 10.6 6.0 8.0
(参考)持分法投資損益 2020年3月期 1,210百万円 2019年3月期 1,559百万円
(2)連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2020年3月期 2,560,153 1,068,870 41.4 3,171.80
2019年3月期 2,687,122 1,109,313 40.9 3,285.46
(参考)自己資本 2020年3月期 1,061,028百万円 2019年3月期 1,099,413百万円
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2020年3月期 130,169 △230,218 23,869 135,937
2019年3月期 296,148 △308,671 △46,480 211,838
2.配当の状況
年間配当金 配当金総額 配当性向 純資産配当
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) (連結) 率(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2019年3月期 - - - 75.00 75.00 25,105 22.7 2.3
2020年3月期 - - - 0.00 0.00 0 0.0 0.0
2021年3月期(予想) - - - - - -
(注)1.2019年3月期の配当金総額には関係会社に対する配当金9百万円を含めていません。
2.2021年3月期の配当予想につきましては、現時点では未定といたします。
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定することが
困難であることから、未定といたします。連結業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表いたします。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動): 無
新規 -社 (社名) 、除外 -社 (社名)
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更: 無
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 無
④ 修正再表示 : 無
※詳細は、20ページ「会計方針の変更」をご覧ください。
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2020年3月期 348,498,361株 2019年3月期 348,498,361株
② 期末自己株式数 2020年3月期 13,978,652株 2019年3月期 13,868,935株
③ 期中平均株式数 2020年3月期 334,559,440株 2019年3月期 334,632,361株
※1株当たり当期純利益金額(連結)の算定の基礎となる株式数については、23ページ「1株当たり情報」をご覧ください。
(参考)個別業績の概要
1.2020年3月期の個別業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年3月期 268,895 5.4 94,690 3.5 97,522 12.6 89,249 11.5
2019年3月期 255,109 △4.7 91,462 △18.4 86,613 △20.1 80,038 △10.3
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2020年3月期 266.66 -
2019年3月期 239.09 -
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2020年3月期 1,929,987 931,603 48.3 2,783.80
2019年3月期 1,966,499 879,989 44.7 2,628.71
(参考)自己資本 2020年3月期 931,603百万円 2019年3月期 879,989百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です。
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定するこ
とが困難であることから、未定といたします。なお、詳細については、5ページ「1.経営成績等の概況 (1) 経営成績
に関する分析 ② 次期の見通し」をご参照ください。
ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………………………… 2
(1) 経営成績に関する分析 …………………………………………………………………………………………… 2
(2) 財政状態に関する分析 …………………………………………………………………………………………… 6
(3) 利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………………………… 6
(4) 事業等のリスク …………………………………………………………………………………………………… 7
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………………………… 11
3.連結財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………………… 12
(1) 連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………… 12
(2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………… 14
(連結損益計算書) ……………………………………………………………………………………………… 14
(連結包括利益計算書) ………………………………………………………………………………………… 15
(3) 連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………… 16
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………… 18
(5) 連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………… 20
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………… 20
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) ……………………………………………………… 20
(会計方針の変更) ……………………………………………………………………………………………… 20
(連結キャッシュ・フロー計算書関係) ……………………………………………………………………… 20
(セグメント情報等) …………………………………………………………………………………………… 20
(1株当たり情報) ……………………………………………………………………………………………… 23
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………… 23
4.販売の状況及び輸送実績 …………………………………………………………………………………………… 24
(1) 販売の状況 ………………………………………………………………………………………………………… 24
(2) 輸送実績 …………………………………………………………………………………………………………… 25
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
1.経営成績等の概況
(1) 経営成績に関する分析
① 当期の概況
当期(2019年4月1日~2020年3月31日)のわが国経済は、企業収益が高水準で推移し個人消費の持ち直しがみ
られる等、景気は緩やかに回復していましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪
化し、極めて厳しい状況になりました。
このような経済情勢の下、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各
種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人材・設
備投資を進めましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により航空需要が大幅に減退し
ました。
以上の結果、当期における連結業績は、航空事業を中心に減収となったことから売上高は1兆9,742億円(前期比
4.1%減)となり、急激な需要の落ち込みに合わせて運航規模を抑制し費用の削減を図ったものの、売上高の減少影
響が非常に大きかったことから、営業利益は608億円(同63.2%減)、経常利益は593億円(同62.1%減)となりま
した。特別損益において、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上した一方、Peach・Aviation
㈱に係るのれんについて、将来キャッシュフローを算定した結果、収益性が低下したことから、のれんの減損を行
ったこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は276億円(同75.0%減)となりました。
なお、当社は経済産業省と東京証券取引所から、戦略的なIT活用に取り組む企業として、「攻めのIT経営銘柄」
に2年連続で選定されました。さらに、「攻めのIT経営銘柄」選定企業の中から、最も「デジタル時代を先導する
企業」として、当期より新設された「DXグランプリ」にも選定された他、東京証券取引所が主催する「第8回企業
価値向上表彰」において、投資家視点の経営を実践している企業として優秀賞を受賞しました。
以下、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。
(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の冷え込み等により、国際線貨物の需要が低迷したものの、堅調な国内
線旅客需要や国際線ネットワークの拡大等により、第3四半期までの業績は堅調に推移しました。第4四半期は
新型コロナウイルスの感染拡大による、世界各国の入国制限措置や国内の外出自粛等の影響で国内外の移動需要
が急激に減退し、当期の航空事業の売上高は1兆7,377億円(前期比4.2%減)となりました。航空需要減退に対
して、国際線・国内線ともに運休・減便を実施し、燃油費・空港使用料等を抑制したものの、安全・品質サービ
スの更なる向上や首都圏空港の発着枠拡大に備えて、機材費・整備費等が増加したことから、営業利益は495億円
(同69.1%減)となりました。
なお、当社グループは、英国SKYTRAX社から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に8年連続で認定さ
れた他、世界の航空データを分析・評価するグローバルブランドであるCIRIUMのThe On-Time Performance
Awardsにて、2019年の定時到着率がアジア・パシフィック地域で1位、全世界では2位に認定されました。
<国際線旅客(ANAブランド)>
国際線旅客では、新規路線の開設やハワイ線へのエアバスA380型機の投入等でネットワークを拡充し需要を
取り込んだものの、1月末より中国線で新型コロナウイルスによる需要減退の影響を受け始め、その後アジア
線、北米線、欧州線、ハワイ線に拡がったため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、新規都市への就航を積極的に推進し、9月から成田=パース線(オーストラリア西
部)、10月から成田=チェンナイ線(インド南部)、本年3月から成田=ウラジオストク線(ロシア東部)を
開設しました。また、5月より成田=ホノルル線に世界最大の旅客機であるエアバスA380型機「FLYING
HONU」を投入しました。一方で、新型コロナウイルス影響による需要減退を受け、2月より需給調整を行い、
3月末までに71路線・2,814便を対象に運休・減便を実施しました。
営業・サービス面では、ファーストクラス、ビジネスクラスに約10年ぶりとなる新シートを導入し、機内空
間を一新したボーイング777-300ER型機を、8月から羽田=ロンドン線、11月から羽田=ニューヨーク線、成田
=ニューヨーク線、本年2月から羽田=フランクフルト線に投入しました。ビジネスクラスの新シート「THE
Room」では、ANA初のドア付き個室型ワイドシートに加え、世界初となる4K対応のパーソナルモニターを
導入する等、最上級のくつろぎ空間を実現しました。
また、当社グループは、成長著しいアジア・オセアニア地域のネットワーク強化、プレゼンス向上を目的と
して、シンガポール航空等との包括提携契約を締結しました。今後一層提携関係を深化させ、アジア・オセア
ニア地域におけるお客様の利便性の向上ならびに競争力の確保に取り組んでまいります。
以上の結果、当期の国際線旅客数は941万人(前期比6.7%減)となり、収入は6,139億円(同5.8%減)とな
りました。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
<国内線旅客(ANAブランド)>
国内線旅客では、好調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動に加え、ゴールデンウィーク10連休の旺盛な需
要を取り込むとともに、各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により好調に推移していたものの、2月
末からは新型コロナウイルスの影響で需要が大幅に減退し、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、5月から成田=中部線、10月から中部=熊本線を増便した他、路線便数の最適化や
投入機種の柔軟な調整を推進し、ネットワークの効率化を図りました。また、新型コロナウイルスによる需要
の減退局面において、公共交通機関としてネットワークの維持に努めながらも、3月より一部減便を開始し、
合計42路線・2,674便の運休・減便を行いました。
営業・サービス面では、搭乗の355日前から購入可能な割引運賃を設定する等、ゴールデンウィーク期間や夏
休み期間を含め早期から需要の取り込みを図った他、11月よりボーイング777-200型機に、新たにタッチパネル
式パーソナルモニターを装着した普通席や、電動リクライニングにより快適性と機能性が向上したプレミアム
クラスの新シートを順次導入しました。また、那覇空港では9月に隈研吾氏監修のもとANA LOUNGEをリニュー
アルし、11月に出発カウンターのレイアウト変更や自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」等を国内4空港目
として導入する等、フルサービスキャリアとしてサービス品質の向上に努めました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,291万人(前期比3.2%減)となり、収入は6,799億円(同2.4%減)と
なりました。
<貨物(ANAブランド)>
国際線貨物では、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発貨物ともに通期で需
要は低位に推移したことに加え、2月より新型コロナウイルスの影響で多数の減便が生じたため、輸送重量・
収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、7月から成田=上海(浦東)線、10月から成田=シカゴ線へ大型貨物機ボーイング
777F型機を導入し、比較的需要が好調な半導体製造装置をはじめとする大型特殊貨物の需要を取り込んだ他、
第4四半期には新型コロナウイルス発生に伴う緊急物資輸送等の対応に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は866千トン(前期比5.2%減)となり、収入は1,026億円(同17.9%
減)となりました。
<LCC>
LCCでは、香港の市民デモや日韓関係の悪化、期末にかけての新型コロナウイルスの感染拡大により需要
が大幅に減退したため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。なお当期においては、10月にバニラ・エア
㈱の運航が終了し、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の事業統合が完了しております。
路線ネットワークでは、バニラ・エア㈱の10路線の移管を終えた他、本年3月に成田=鹿児島線、成田=長
崎線を開設しました。一方で、新型コロナウイルスの影響で2月より国際線の一部で運休を行い、3月末まで
に国際線・国内線合わせて23路線・2,088便を対象に運休・減便を実施しました。
営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の統合後、「“空飛ぶ電車”Peachセール」を全40路線で
実施し販売促進に努めました。
以上の結果、当期の旅客数は728万人(前期比10.6%減)となり、収入は819億円(同12.5%減)となりまし
た。
<その他>
航空事業におけるその他の収入は2,257億円(前期比6.6%増)となりました。なお、航空事業におけるその
他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
◎航空関連事業
関西空港、中部空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、沖
縄にて本格的な事業展開を開始した航空機整備のMRO Japan㈱が、当期より新たに連結子会社として加わったこと
等により、売上高は2,994億円(前期比2.9%増)となり、営業利益は181億円(同37.7%増)となりました。
◎旅行事業
国内旅行において、店頭販売を中心とする「ANAスカイホリデー」の取扱高が通期で減少したものの、国内旅
行、海外旅行ともにインターネット販売商品の集客が好調だった他、ゴールデンウィーク10連休の需要を取り込
んだこと等により、第3四半期までは堅調に推移しましたが、1月末より新型コロナウイルス感染拡大に伴うキ
ャンセルの増加や新規予約減少の影響を受けたことで、売上高は前期を下回りました。一方、システム費用が減
少したこと等により、営業利益は前期を上回りました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は1,439億円(前期比4.5%減)、営業利益は13億円(同129.9%
増)となりました。
◎商社事業
航空・電子部門において、航空機部品等の取扱高が増加したものの、食品部門でナッツ類等の取扱高が減少し
た他、リテール部門で、特に第4四半期において、新型コロナウイルスの影響で空港利用者が大幅に減少し、空
港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」の取扱高が減少したこと等により、売上高は前期を
下回りました。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,447億円(前期比3.9%減)、営業利益は29億円(同21.5%
減)となりました。
◎その他
不動産関連事業ではサブリース取扱高が増加し、保有物件の売却を行った他、建築設備事業では、羽田空港タ
ーミナルの設備改修や建築工事関連の収入が増加した結果、当期のその他の売上高は442億円(前期比8.0%
増)、営業利益は35億円(同55.0%増)となりました。
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② 次期の見通し
今後の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれ
ており、感染症の拡大が世界経済を更に下振れさせるリスクも懸念されています。政府による緊急経済対策が計画
されているものの、企業収益の低下による雇用・所得環境の悪化、個人消費の低迷による業績への影響は避けられ
ないと考えています。
国内における外出自粛や海外への渡航制限、外国人の入国制限等の感染拡大防止策の継続が直接的に当社に与え
る影響を踏まえると、新型コロナウイルス感染症の終息時期が不明な現時点では、業績見通しを合理的に算定する
ことが困難なことから、2021年3月期の連結業績予想については未定とさせていただき、開示が可能となった時点
で速やかに開示いたします。
このような未曾有の状況下で当社グループは、航空事業において引き続き運航規模を抑制し、燃油費等の運航関
連費用を削減する他、役員報酬・管理職賃金の減額や従業員の一時帰休の活用等で人件費を削減することに加え、
航空機等の設備投資を精査・抑制し、実施時期も見直していきます。また、本年4月に金融機関から1,000億円の借
入を行う他、融資枠として既存の1,500億円に加えて新たに3,500億円のコミットメントライン契約を本日(2020年
4月28日)締結する等、今後も必要に応じて適宜新規借入等の資金調達を行い、グループ各社の手元流動性の確保
に努めてまいります。
ANAブランドでは本日(2020年4月28日)時点において、運航便数では当初の計画から国際線で約9割、国内
線で約7割の運休・減便を行っていますが、感染拡大の状況や各国の出入国規制、需給環境、景気動向等を注視
し、将来の需要回復局面においては適宜運航便の再開を図り、積極的に需要を取り込んでまいります。更に、国際
線旅客では羽田空港から新規開設及び増便を14路線で実施し、国内線旅客では国際線接続に適した時間帯に羽田=
関西線を期間増便する等、ネットワークを拡充する他、必要な需要喚起策や適切な運賃設定を通じて収入最大化を
目指します。LCCでは、バニラ・エア㈱の成田拠点を引き継いだPeach・Aviation㈱が、成田・関西の2大拠点を
軸としたネットワークの拡充を図り「アジアのリーディングLCC」を目指してまいります。
また、航空関連事業、旅行事業、商社事業においても、事態の収束後、適宜事業の回復と強化・拡大に向けた取
り組みを推進してまいります。
なお、本年4月に新たなビジネスモデルの創出や社会課題の解決を目的に「avatarin(アバターイン)㈱」を設
立し、遠隔操作ロボットであるアバターを社会インフラとして、医療、介護、教育、ショッピング等様々な用途で
利用可能なサービスとして展開してまいります。また、新型コロナウイルス感染拡大の状況下において、遠隔コミ
ュニケーションを必要とする医療施設等に独自開発のアバター「newme(ニューミー)」を優先して提供してまいり
ます。
<機材計画>
機材計画では、以下の機材導入及び退役を予定しています。
導入予定機材 退役予定機材
機種 機数 機種 機数
エアバスA380型機 1機 ボーイング777-200型機 1機
ボーイング787-9型機 5機 ボーイング767-300型機 1機
エアバスA321neo型機 7機 ボーイング767-300BCF型機 ※ 1機
合計 13機 ボーイング737-700型機 3機
ボーイング737-500型機 3機
合計 9機
※ 貨物専用機
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(2) 財政状態に関する分析
① 連結貸借対照表
資産の部は、航空機の取得に伴い有形固定資産が増加した一方で、新型コロナウイルスの影響により予約数が減
少するなか、航空券の払い戻しが増加したことにより、総資産は前期末に比べて1,269億円減少し、2兆5,601億円
となりました。
負債の部は、前期を上回る700億円の社債の発行や借入を行うなど、資金調達を増やした一方で、発売未決済が
1,071億円減少したため、前期末に比べて865億円減少し、1兆4,912億円となりました。なお、有利子負債は、前期
末に比べて542億円増加し、8,428億円となりました。
純資産の部は、市況の変化を受けて、燃油ヘッジや有価証券の評価額が変動したことにより、純資産合計は前期
末に比べて404億円減少し、1兆688億円となりました。この結果、自己資本比率は41.4%となりました。
② 連結キャッシュ・フロー計算書
税金等調整前当期純利益515億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結
果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,301億円の収入となりました。
投資活動においては、航空機や新訓練施設の取得などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは2,302億円の
支出となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは1,000億円の支出となりました。
財務活動においては、社債の発行や借入などの資金調達を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フロー
は238億円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて759億円減少し、1,359億円となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は下記のとおりです。
区分 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
自己資本比率(%) 35.4 39.7 38.6 40.9 41.4
時価ベースの自己資本比率
49.8 51.4 53.8 50.5 34.5
(%)
債務償還年数(年) 2.7 3.1 2.5 2.7 6.5
インタレスト・カバレッジ・
22.3 23.9 36.1 41.3 20.4
レシオ
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しています。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用
しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象
としています。
(3) 利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は、株主の皆様に対する還元を経営の重要課題と認識しており、中長期的な企業価値向上に向けた成長投
資の原資確保や財務の健全性の維持を前提としつつも、株主還元を一層充実させていきたいと考えております。
しかしながら新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績に与える影響は甚大であり、現時点では、その
終息時期が全く見通せない状況にあります。このような未曽有の厳しい経営環境の下では、手元流動性を確保す
ることが喫緊の課題でありますことから、誠に遺憾ながら配当は無配とさせていただきたく存じます。
株主の皆様には、深くお詫び申し上げるとともに、可能な限り早期に復配できるよう努めてまいりますので、
引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
また、次期の配当につきましては、現段階では未定とさせていただき、合理的な予想の開示が可能となった時
点で速やかに公表いたします。
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(4) 事業等のリスク
当社グループにおいては以下に記載する事項を投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えて
います。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
① 景気が低迷するリスク
航空産業は、景気動向の影響を受けやすい業界であり、国内外の景気が低迷すると、個人消費の落ち込みや企業
収益の悪化による航空需要の低下を引き起こす可能性があります。なお、国際線(旅客・貨物)事業については、
中国やその他アジア・北米を中心とした海外市場への依存度が高いため、当該地域の経済状況により、輸送人数・
輸送重量の減少及び輸送単価の下落といった影響を受ける可能性があります。
② 経営戦略に関わるリスク
1)フリート戦略に関わるリスク
当社グループは、航空事業において、経済性の高い機材の導入、機種の統合、ならびに需給適合の深化を軸と
したフリート戦略に則ってボーイング社、エアバス社、ボンバルディア社、三菱航空機㈱から航空機の導入を進
めていますが、納期が財務上その他の理由により遅延した場合、当社グループの事業に支障を及ぼす可能性があ
ります。
更に、かかる戦略は以下の要因により奏功せず、また、その所期する効果が減殺される可能性があります。
(ⅰ)ボーイング社への依存
当社は、上記のフリート戦略に従って導入を計画している機材の多くをボーイング社に対して発注してい
ます。したがって、ボーイング社が財政上その他の理由により当社又は同社製品の保守管理等を行う会社と
の間の契約を履行できない場合には、当社グループのフリート戦略に沿った機材の調達又は保守管理等がで
きず、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)三菱航空機㈱による機材開発計画の進行遅延等
当社は、三菱航空機㈱が開発中の「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の導入を決定しており、引き渡
し時期は2021年度以降が予定されていますが、引き渡し時期が更に延期された場合には、当社グループの事
業に支障をきたす可能性があります。
2)発着枠に関わるリスク
首都圏(羽田空港・成田空港)をはじめとした混雑空港の発着枠の割当て数や、時期等が当社グループの想定
と異なった場合においては、当社グループの経営計画の達成に影響を及ぼす可能性があります。
3)LCC事業に関わるリスク
LCC事業については、当該事業進出の目的である新規航空需要の創出に至らないことや、国内外の他のLC
Cとの競争激化により、所期する効果が得られない可能性があります。また、運航乗務員数の不足や他社流出に
より、策定した事業計画が遂行できなくなる可能性があります。更には、海外を含めたLCCによる事故や不安
全事象の発生により、LCCに対する顧客離れが起こる可能性もあります。
4)投資に関するリスク
当社グループは、更なる成長領域の拡大のために、新たな事業への進出あるいは他企業等への出資または企業
買収を行うことがありますが、これら出資等が所期する効果を得られない可能性、各出資会社等の利害が一致せ
ず、当社が適切と考える方法による合弁会社の運営ができない可能性、合弁会社の経営が悪化した場合に当社が
経済的負担を負う可能性及び当社以外の出資会社等の経営悪化や同事業からの離脱の可能性があります。また、
海外諸国や航空事業との関連性が低い事業への進出については、所期する効果を得ることが困難になる可能性が
あります。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
③ 原油価格変動によるリスク
航空機燃料は原油精製による製品のため、その価格は原油価格に連動する傾向があります。中東産油国での政情
不安、米国でのシェールオイル生産体制、新興国の急激な経済成長に伴う原油需要の増加、石油備蓄量または埋蔵
量の低下、原油への投機的な投資行動、自然災害等の要因により原油価格が当社グループの予測を超えて変動した
場合には、当社グループの経営に以下のような影響を及ぼす可能性があります。
1)原油価格が上昇した場合のリスク
原油価格が上昇すると、航空機燃料の価格も上昇するため、当社グループにとって大きな負担となります。こ
のため、航空機燃料の価格変動リスクを緩和し、営業利益の安定化を図ることを目的として原油ならびに航空機
燃料のコモディティ・デリバティブを利用して一定期間のうちに計画的、継続的にヘッジ取引を実施しています
が、原油価格が短期間で高騰した場合、自助努力によるコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があるた
め、ヘッジポジションの状況等によっては価格高騰の影響を完全には回避できない可能性があります。
2)原油価格が急落した場合のリスク
当社グループは原油価格の変動リスクを緩和するためヘッジ取引を実施しており、原油価格が短期間で急落し
た場合、燃油サーチャージ収入が減少あるいは消滅する一方で、ヘッジポジションの状況等によっては燃油費が
即座には減少せず、価格下落の効果を享受できない可能性があります。
④ 新感染症の発生・蔓延に関するリスク
重大な新感染症が発生・蔓延した場合の被害増大は、国際線のみならず全事業の需要減退リスクになり得ます。
風評による顧客の航空利用の意欲の低下を含め、感染拡大や被害増大、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染
拡大時に実施されたような各国の出入国規制や日本国内における移動自粛要請により、国内線及び国際線の利用客
数が激減し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染力が強い新感染症が流行し、予想を超える社員・委託先での罹患者の大量発生や毒性の変化が生じ強
毒化した場合等は、事業継続面で影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替変動によるリスク
当社グループは、外貨収入よりも外貨支出の方が多く、円安になった場合には収支に与える影響は少なくありま
せん。為替相場変動による収支への影響を緩和するため、同種通貨間においては収入で得た外貨を可能な限り外貨
建て支出に充当しつつ、航空機及び航空機燃料の調達に必要な外貨の一部については、円貨換算ベースでの支払額
の平準化ならびに抑制を図ることを目的として先物為替予約及び通貨オプション取引を活用しています。しかし、
為替相場が短期間で急激に円安になった場合、自助努力によるコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があ
るため、ヘッジポジションの状況等によっては当社グループの収支に影響を及ぼす可能性がある一方、為替相場が
短期間で急激に円高になった場合、ヘッジポジションの状況等によっては燃油費が即座には減少せず、円高の効果
を享受できない可能性があります。
⑥ 国際情勢等の影響によるリスク
現在、当社グループは北米・欧州・中国・アジア方面を中心に国際線を展開しています。今後、当社グループ就
航地域や事務所等の拠点が所在する地域で政情不安、国際紛争、大規模なテロ事件が発生した場合や、就航国との
外交関係が悪化した場合等、当該地域路線の需要の減少等により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があり
ます。
⑦ 法的規制に関わるリスク
当社グループは、航空運送事業者として航空事業関連法規の定めに基づき事業運営を行っています。また、旅
客・貨物を含めた国際線事業においては、条約、二国間協定、IATA(国際航空運送協会)及びICAO(国際
民間航空機関)の決定事項その他の国際的取決めに従った事業運営が求められています。これらの規制により、当
社グループの事業における運賃、飛行空域、運航スケジュール、安全管理等について様々な制約を受けます。更
に、当社グループの事業は、運賃及び料金の設定につき独占禁止法その他諸外国の類似の法令の制約を受けること
があります。
⑧ 訴訟に関わるリスク
当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの経営に影響
を及ぼす可能性があります。
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⑨ 公租公課等に関わるリスク
航空事業に関する公租公課等として航空機燃料税や着陸料、航行援助施設利用料等があげられますが、航空機燃
料税、着陸料及び航行援助施設利用料については現在、国の時限的な軽減措置を受けており、今後、軽減措置の縮
小・廃止が行われた場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 環境規制に関わるリスク
近年、地球環境保全の一環として、航空機による騒音、温室効果ガス(CO2等)の排出量、環境汚染物質の使用な
らびに処理、主な事業所におけるエネルギー使用等に関わる数多くの国内・海外法規制が導入、または強化されつ
つあります。当社グループは、これらの法規制を遵守するため多額のコストを負担していますが、2021年から導入
が決定されている国際航空における温室効果ガス抑制に関わる排出権取引及び削除スキームに加えて、世界共通の
環境税等の新たな規制が導入された際には、事業活動が制限され、または多額の追加的費用を負担しなければなら
ない可能性があります。
⑪ 航空業界を取り巻く環境のリスク
日本国内における航空政策あるいは地域政策の方針転換や、経営破綻等に起因する合併や資本提携による競合他
社の状況変化等、今後、現在の競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可
能性があります。
⑫ 競合リスク
今後、燃油費、資金調達コスト、環境規制への対応その他の要因により、当社グループの事業にかかるコストが
上昇する可能性があります。かかる場合、当社グループが利益を確保するためには、間接固定費の削減等のコスト
削減を実施するとともに、かかるコストを運賃・料金等に転嫁する必要があります。しかしながら、当社は国内外
の同業他社やLCCの他、一部の路線については新幹線等の代替交通機関と競合関係にあるため、かかるコストの
転嫁により価格競争力が低下し、または競合相手との価格競争上かかるコスト転嫁が大きく制約を受ける結果、当
社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 提携戦略が奏功しないリスク
当社グループは、スターアライアンスに加盟しています。また、ATI(独占禁止法適用除外)認可に基づき、
アジア米州間ネットワークにおいてはユナイテッド航空と、日欧間ネットワークにおいてはルフトハンザドイツ航
空、ルフトハンザグループであるスイスインターナショナル エアラインズ、オーストリア航空、ルフトハンザカー
ゴAGとの共同事業を実施しています。加えて、アジアを中心に、アライアンスの枠を超えた個別提携を推進して
います。しかしながら、各国の独占禁止法の制約によりアライアンスの解体を余儀なくされた場合、他のアライア
ンスパートナーが、スターアライアンスを脱退し、もしくは事業方針を変更した場合、他のアライアンス・グルー
プが競争力を強化した場合、または2社間提携の解消や経営悪化・再編、提携先の信用力の低下等が発生した場
合、もしくは外的要因で提携活動に対する規制が強化されるようなことがあった場合等には、提携効果が低下し、
当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 運航リスク
1)航空機事故等
当社グループ運航便及びコードシェア便で航空機事故が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や
社会的評価が失墜し、事故直後から中長期的に需要が低下して当社グループの経営に大きな影響を及ぼす可能性
があります。
また、他社において大規模な航空機事故が発生した場合においても、同様に航空需要が低下して当社グループ
の経営に影響を及ぼす可能性があります。なお、航空機事故が発生した場合、損害賠償や運航機材の修復・買換
え等に多額の費用が発生しますが、これらの直接的費用のすべてが航空保険にて填補されるわけではありませ
ん。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
2)耐空性改善通報等
航空機の安全性を著しく損なう問題が発生した場合、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報等が発出
され、機体や装備品に対し指示された改善策を施すまで同型式機材の運航が認められない場合があります。ま
た、法令に基づく耐空性改善通報等が発出されない場合であっても、技術的見地から安全性が確認できない場
合、自主的に同型式機材の運航を見合わせ、点検等の整備を行うことがあります。このような事態が発生した場
合、当社グループの航空機の安全性に関する信用及び経営に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グルー
プは、ボーイング787型機等、新型機種への集約を進めていますが、当社グループの主力となる新型機種につい
て設計上想定外の不具合または技術的な問題が発生した場合には、当社グループの経営により深刻な影響を及ぼ
す可能性があります。
⑮ 顧客情報等漏洩リスク
当社グループは、ANAマイレージクラブの会員数約3,665万人(2020年3月末日現在)に関わる会員情報をはじ
め、膨大な顧客等に関する情報を保持しており、個人情報保護法やその他諸外国の類似法令により、これらの個人
情報を適切に管理することが求められています。当社グループでは、プライバシーポリシーを定め、個人情報の取
扱いに関する当社グループの姿勢・考え方を広くお客様に告知するとともに、システム対策を含め情報セキュリテ
ィについては想定しうる対策を講じています。また、セキュリティホールをなくすべく、業務手順の改定やシステ
ム改修を継続的に実施していますが、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩
事故が発生した場合、多額の損害賠償費用が発生し、また、信用失墜により、当社グループの経営に影響を及ぼす
可能性があります。
⑯ 災害等リスク
地震、津波、洪水、台風、積雪、火山噴火、感染症、ストライキ、暴動等により空港が長期間閉鎖または運用制
限がかかる場合、飛行経路が制限を受ける場合には、その間当該空港又は当該経路を利用する運航便に影響が生
じ、または航空需要が大幅に減退することにより、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループがデータセンターを首都圏に設置していること、国内線・国際線全便の運航管理を羽田空港
にて実施していること及び当社グループの旅客の大半が首都圏空港を利用していること等により、地震、台風等の
大規模災害が発生した場合、当該施設において火災等の災害が発生した場合、またはストライキ等により空港もし
くはそのアクセスが閉鎖された場合、当社グループのシステムもしくは運航管理機能または運航そのものが長期間
停止し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑰ 損益構造に関わるリスク
当社グループは、航空機材費等の固定費、ならびに主として機種によって定まる燃料費及び空港使用料等、搭乗
率の影響を受けない費用が全体のコストに占める割合が高く、経済状況に即応した事業規模調整の自由度が低位な
ため、旅客数あるいは貨物輸送量が減少した場合、損益に与える影響が大きくなる可能性があります。
また、当社グループの航空旅客事業は夏場に売上が増加する傾向があるため、かかる時期において需要が大きく
減少した場合には、その事業年度における当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑱ IT(システム)リスク
当社グループは、お客様へのサービス及び運航に必要な業務等、システム依存度が高い業種といえます。自然災
害、事故、コンピュータ・ウィルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりかかる
システムあるいは通信ネットワークに重大な障害が発生した場合、お客様へのサービス及び運航の維持が困難にな
るとともに、信用失墜により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのシステ
ムは他提携航空会社においても使用されており、その影響範囲は自社グループ内にとどまらなくなる可能性があり
ます。
⑲ 人事・労務に関わるリスク
当社グループの従業員の多くは労働組合に所属しており、当社グループの従業員が集団的にストライキ等を行っ
た場合、当社グループの航空機の運航が影響を受ける可能性があります。
⑳ 人材確保に関わるリスク
LCCの運航規模拡大等により運航乗務員等に対する需要が高まっている一方、運航乗務員等の育成には一定期
間の教育訓練等が必要であり、当社グループが適時に適切な員数の適正能力を有する運航乗務員等を確保できない
場合には、当社グループの経営が影響を受ける可能性があります。また、労働市場における需給バランスの変化に
よって、空港ハンドリング等の人材不足、あるいは賃金水準の高騰が発生する可能性があります。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
㉑ 財務に関わるリスク
1)資金調達コストの増加
当社グループは、機材調達等のため銀行借入・社債発行等により資金調達を行っています。しかしながら、今
後、航空業界の事業環境が悪化した場合、金融市場が混乱した場合、税制、政府の金利政策や政府系金融機関の
保証制度等が変更された場合、もしくは当社の信用格付けが格下げされた場合等においては、当社にとって有利
な条件による資金調達が困難または不可能となる結果、資金調達コストが増加し、当社グループの経営に影響を
及ぼす可能性があります。
2)資産減損等のリスク
当社グループは、その事業の性質上多くの固定資産を保有していますが、今後各種事業収支が悪化した場合、
あるいは資産売却を決定した場合等には、固定資産の減損または固定資産の売却損の計上が必要となる可能性が
あります。
㉒ 航空機燃料確保に関わるリスク
当社グループは、羽田空港・成田空港の発着枠拡大を最大のビジネスチャンスと捉え、事業拡大を計画する中で
大幅な航空機燃料の使用量増加を見込む一方、航空機燃料の適切な数量確保が出来ない場合、当社グループの航
空機の運航に影響を与える可能性があります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは更なるグローバル化、事業領域拡大による企業価値向上を目指す中、資本市場における財務情報の
国際的な比較可能性の向上を目的として、国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を検討しています。
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3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年3月31日) (2020年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 68,301 109,447
受取手形及び営業未収入金 180,667 98,845
リース投資資産 26,491 22,823
有価証券 225,360 129,200
商品 13,707 13,490
貯蔵品 48,423 53,822
その他 137,738 144,073
貸倒引当金 △457 △538
流動資産合計 700,230 571,162
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物(純額) 97,262 127,983
航空機(純額) 1,062,626 1,157,585
機械装置及び運搬具(純額) 27,130 33,219
工具、器具及び備品(純額) 12,503 21,751
土地 54,270 53,886
リース資産(純額) 6,644 5,897
建設仮勘定 286,635 180,005
有形固定資産合計 1,547,070 1,580,326
無形固定資産
のれん 51,132 24,461
その他 104,048 101,062
無形固定資産合計 155,180 125,523
投資その他の資産
投資有価証券 159,184 145,664
長期貸付金 4,725 5,269
繰延税金資産 85,307 99,824
退職給付に係る資産 476 815
その他 36,141 32,799
貸倒引当金 △1,691 △2,029
投資その他の資産合計 284,142 282,342
固定資産合計 1,986,392 1,988,191
繰延資産合計 500 800
資産合計 2,687,122 2,560,153
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年3月31日) (2020年3月31日)
負債の部
流動負債
営業未払金 223,685 185,897
短期借入金 336 429
1年内返済予定の長期借入金 77,883 84,057
1年内償還予定の社債 30,000 20,000
リース債務 4,768 3,821
未払法人税等 21,374 8,441
発売未決済 218,950 111,827
賞与引当金 41,580 21,158
その他の引当金 - 5,958
その他 67,357 88,958
流動負債合計 685,933 530,546
固定負債
社債 115,000 165,000
転換社債型新株予約権付社債 140,000 140,000
長期借入金 406,830 416,900
リース債務 13,832 12,655
繰延税金負債 110 112
役員退職慰労引当金 881 959
退職給付に係る負債 158,209 163,384
その他の引当金 15,445 15,765
資産除去債務 3,371 1,224
その他 38,198 44,738
固定負債合計 891,876 960,737
負債合計 1,577,809 1,491,283
純資産の部
株主資本
資本金 318,789 318,789
資本剰余金 258,448 258,470
利益剰余金 548,439 550,839
自己株式 △59,032 △59,435
株主資本合計 1,066,644 1,068,663
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 37,622 22,120
繰延ヘッジ損益 10,636 △14,595
為替換算調整勘定 2,873 2,668
退職給付に係る調整累計額 △18,362 △17,828
その他の包括利益累計額合計 32,769 △7,635
非支配株主持分 9,900 7,842
純資産合計 1,109,313 1,068,870
負債純資産合計 2,687,122 2,560,153
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(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
(連結損益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
売上高 2,058,312 1,974,216
売上原価 1,559,876 1,583,434
売上総利益 498,436 390,782
販売費及び一般管理費
販売手数料 105,678 103,495
広告宣伝費 12,813 11,830
従業員給料及び賞与 39,760 39,446
貸倒引当金繰入額 87 46
賞与引当金繰入額 7,913 3,879
退職給付費用 3,462 3,329
減価償却費 24,828 27,616
その他 138,876 140,335
販売費及び一般管理費合計 333,417 329,976
営業利益 165,019 60,806
営業外収益
受取利息 767 958
受取配当金 2,159 2,073
持分法による投資利益 1,559 1,210
為替差益 - 473
資産売却益 2,554 6,746
固定資産受贈益 2,512 3,553
その他 7,048 3,644
営業外収益合計 16,599 18,657
営業外費用
支払利息 6,995 6,291
為替差損 1,761 -
資産売却損 641 302
資産除却損 11,117 7,133
その他 4,423 6,379
営業外費用合計 24,937 20,105
経常利益 156,681 59,358
特別利益
投資有価証券売却益 - 1,122
補償金 6,810 17,897
その他 3 235
特別利益合計 6,813 19,254
特別損失
投資有価証券評価損 - 853
関係会社株式売却損 343 7
減損損失 1,997 25,159
独禁法関連費用 6,423 -
その他 708 1,092
特別損失合計 9,471 27,111
税金等調整前当期純利益 154,023 51,501
法人税、住民税及び事業税 47,354 24,407
法人税等調整額 △5,168 1,175
法人税等合計 42,186 25,582
当期純利益 111,837 25,919
非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に
1,060 △1,736
帰属する当期純損失(△)
親会社株主に帰属する当期純利益 110,777 27,655
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
(連結包括利益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
当期純利益 111,837 25,919
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 13,115 △15,369
繰延ヘッジ損益 14,115 △25,227
為替換算調整勘定 △382 △221
退職給付に係る調整額 2,930 539
持分法適用会社に対する持分相当額 15 △383
その他の包括利益合計 29,793 △40,661
包括利益 141,630 △14,742
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 140,613 △12,749
非支配株主に係る包括利益 1,017 △1,993
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
(3)連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 318,789 268,208 457,746 △59,015 985,728
当期変動額
剰余金の配当 △20,084 △20,084
親会社株主に帰属する当期
純利益
110,777 110,777
自己株式の取得 △41 △41
自己株式の処分 24 24
非支配株主との取引に係る
親会社の持分変動
△9,760 △9,760
株主資本以外の項目の当期
変動額(純額)
-
当期変動額合計 - △9,760 90,693 △17 80,916
当期末残高 318,789 258,448 548,439 △59,032 1,066,644
その他の包括利益累計額
その他の包括 非支配株主持分 純資産合計
その他有価証 為替換算調整 退職給付に係る
券評価差額金
繰延ヘッジ損益
勘定 調整累計額
利益累計額
合計
当期首残高 24,467 △3,471 3,201 △21,264 2,933 11,891 1,000,552
当期変動額
剰余金の配当 △20,084
親会社株主に帰属する当期
純利益
110,777
自己株式の取得 △41
自己株式の処分 24
非支配株主との取引に係る
親会社の持分変動
△9,760
株主資本以外の項目の当期
13,155 14,107 △328 2,902 29,836 △1,991 27,845
変動額(純額)
当期変動額合計 13,155 14,107 △328 2,902 29,836 △1,991 108,761
当期末残高 37,622 10,636 2,873 △18,362 32,769 9,900 1,109,313
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当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 318,789 258,448 548,439 △59,032 1,066,644
当期変動額
剰余金の配当 △25,105 △25,105
親会社株主に帰属する当期
純利益
27,655 27,655
自己株式の取得 △453 △453
自己株式の処分 50 50
非支配株主との取引に係る
親会社の持分変動
22 22
連結範囲の変動 △150 △150
株主資本以外の項目の当期
変動額(純額)
-
当期変動額合計 - 22 2,400 △403 2,019
当期末残高 318,789 258,470 550,839 △59,435 1,068,663
その他の包括利益累計額
その他の包括 非支配株主持分 純資産合計
その他有価証 為替換算調整 退職給付に係る
券評価差額金
繰延ヘッジ損益
勘定 調整累計額
利益累計額
合計
当期首残高 37,622 10,636 2,873 △18,362 32,769 9,900 1,109,313
当期変動額
剰余金の配当 △25,105
親会社株主に帰属する当期
純利益
27,655
自己株式の取得 △453
自己株式の処分 50
非支配株主との取引に係る
親会社の持分変動
22
連結範囲の変動 △150
株主資本以外の項目の当期
△15,502 △25,231 △205 534 △40,404 △2,058 △42,462
変動額(純額)
当期変動額合計 △15,502 △25,231 △205 534 △40,404 △2,058 △40,443
当期末残高 22,120 △14,595 2,668 △17,828 △7,635 7,842 1,068,870
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益 154,023 51,501
減価償却費 159,541 175,739
減損損失 1,997 25,159
のれん償却額 4,031 4,006
固定資産売却損益(△は益)及び除却損 9,204 689
投資有価証券売却及び評価損益(△は益) △149 △269
関係会社株式売却損益(△は益) 343 7
貸倒引当金の増減額(△は減少) 51 419
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) 4,801 5,503
受取利息及び受取配当金 △2,926 △3,031
支払利息 6,995 6,291
為替差損益(△は益) △534 273
売上債権の増減額(△は増加) △7,195 82,312
その他債権の増減額(△は増加) △20,788 △9,284
仕入債務の増減額(△は減少) 3,355 △38,045
発売未決済の増減額(△は減少) 37,597 △107,123
その他 12,694 △14,510
小計 363,040 179,637
利息及び配当金の受取額 3,447 3,831
利息の支払額 △7,175 △6,371
法人税等の支払額 △63,164 △46,928
営業活動によるキャッシュ・フロー 296,148 130,169
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入による支出 △45,811 △55,819
定期預金の払戻による収入 30,794 50,789
有価証券の取得による支出 △176,060 △175,070
有価証券の償還による収入 196,582 159,200
有形固定資産の取得による支出 △336,807 △317,604
有形固定資産の売却による収入 84,917 151,652
無形固定資産の取得による支出 △39,057 △33,757
投資有価証券の取得による支出 △18,978 △8,339
投資有価証券の売却による収入 153 1,424
その他 △4,404 △2,694
投資活動によるキャッシュ・フロー △308,671 △230,218
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) 156 98
長期借入れによる収入 69,710 96,684
長期借入金の返済による支出 △87,903 △82,035
社債の発行による収入 19,876 69,586
社債の償還による支出 △10,000 △30,000
リース債務の返済による支出 △5,602 △4,609
連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得に
△11,326 △96
よる支出
自己株式の純増減額(△は増加) △17 △405
配当金の支払額 △20,084 △25,105
その他 △1,290 △249
財務活動によるキャッシュ・フロー △46,480 23,869
現金及び現金同等物に係る換算差額 332 △274
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △58,671 △76,454
現金及び現金同等物の期首残高 270,509 211,838
連結範囲変更に伴う現金及び現金同等物への影響額 - 553
現金及び現金同等物の期末残高 211,838 135,937
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(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
連結の範囲に関する事項
① 連結子会社数 62社
新規:2社
MRO Japan ㈱
ANAビジネスジェット㈱
除外:2社
㈱エー・スイーツ・ハウス
Strategic Partner Investment Pte.Ltd.
② 持分法適用会社数 16社
(会計方針の変更)
該当事項はありません。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
現金及び預金勘定 68,301百万円 109,447百万円
有価証券勘定 225,360 129,200
預入期間が3か月を超える定期預金 △26,103 △31,120
預入期間が3か月を超える譲渡性預金 △55,720 △71,590
現金及び現金同等物 211,838 135,937
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報の入手が可能であり、グループ経
営戦略会議が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている
ものです。
当社グループの報告セグメントの区分は、「航空事業」「航空関連事業」「旅行事業」「商社事業」と
しています。
「航空事業」は旅客、貨物等の国内線及び国際線の定期・不定期の航空運送を行っています。「航空関
連事業」は空港ハンドリング、整備など航空輸送に付随するサービスを提供しています。「旅行事業」は
旅行商品開発及び販売を中心に、パッケージ旅行商品等の企画及び販売を行っています。「商社事業」は
主に航空関連資材等の輸出入及び店舗・通信販売等を行っています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事
項」における記載と概ね同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。
セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいています。
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3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自2018年4月1日 至2019年3月31日) (単位:百万円)
報告セグメント
航空事業 航空関連事業 旅行事業 商社事業 計
売 上 高
(1) 外部顧客への売上高 1,728,645 51,783 140,805 122,454 2,043,687
(2) セグメント間の内部売上高
85,772 239,268 9,941 28,225 363,206
又は振替高
計 1,814,417 291,051 150,746 150,679 2,406,893
セ グ メ ン ト 利 益 160,556 13,178 606 3,706 178,046
セ グ メ ン ト 資 産 2,409,579 148,288 60,163 61,019 2,679,049
そ の 他 の 項 目
減 価 償 却 費 152,948 4,496 507 1,354 159,305
の れ ん 償 却 額 3,889 28 - 114 4,031
有形固定資産及び無形固定資産の
370,778 1,838 241 1,156 374,013
増 加 額
連結財務諸表計上額
その他(注1) 合計 調整額(注2)
(注3)
売 上 高
(1) 外部顧客への売上高 14,625 2,058,312 - 2,058,312
(2) セグメント間の内部売上高
26,333 389,539 △389,539 -
又は振替高
計 40,958 2,447,851 △389,539 2,058,312
セ グ メ ン ト 利 益 2,275 180,321 △15,302 165,019
セ グ メ ン ト 資 産 23,434 2,702,483 △15,361 2,687,122
そ の 他 の 項 目
減 価 償 却 費 236 159,541 - 159,541
の れ ん 償 却 額 - 4,031 - 4,031
有形固定資産及び無形固定資産の
269 374,282 1,582 375,864
増 加 額
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、施設管理、ビジネスサポ
ート他の事業を含んでいます。
2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去及び全社費用等です。
セグメント資産の調整額に含めた全社資産の金額は171,058百万円であり、その主なものは、連結会社
の長期投資資金(投資有価証券)です。
3.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
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当連結会計年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日) (単位:百万円)
報告セグメント
航空事業 航空関連事業 旅行事業 商社事業 計
売 上 高
(1) 外部顧客への売上高 1,658,763 49,804 134,759 115,269 1,958,595
(2) セグメント間の内部売上高
78,974 249,629 9,237 29,481 367,321
又は振替高
計 1,737,737 299,433 143,996 144,750 2,325,916
セ グ メ ン ト 利 益 49,550 18,144 1,393 2,909 71,996
セ グ メ ン ト 資 産 2,305,293 147,275 42,405 57,219 2,552,192
そ の 他 の 項 目
減 価 償 却 費 168,296 5,323 553 1,305 175,477
の れ ん 償 却 額 3,889 3 - 114 4,006
有形固定資産及び無形固定資産の
343,476 6,200 258 2,250 352,184
増 加 額
連結財務諸表計上額
その他(注1) 合計 調整額(注2)
(注3)
売 上 高
(1) 外部顧客への売上高 15,621 1,974,216 - 1,974,216
(2) セグメント間の内部売上高
28,602 395,923 △395,923 -
又は振替高
計 44,223 2,370,139 △395,923 1,974,216
セ グ メ ン ト 利 益 3,526 75,522 △14,716 60,806
セ グ メ ン ト 資 産 25,276 2,577,468 △17,315 2,560,153
そ の 他 の 項 目
減 価 償 却 費 262 175,739 - 175,739
の れ ん 償 却 額 - 4,006 - 4,006
有形固定資産及び無形固定資産の
141 352,325 △964 351,361
増 加 額
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、施設管理、ビジネスサポ
ート他の事業を含んでいます。
2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去及び全社費用等です。
セグメント資産の調整額に含めた全社資産の金額は157,553百万円であり、その主なものは、連結会社
の長期投資資金(投資有価証券)です。
3.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
1株当たり純資産額 3,285円46銭 3,171円80銭
1株当たり当期純利益金額 331円04銭 82円66銭
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため
記載していません。
2.1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
1株当たり当期純利益金額
親会社株主に帰属する当期純利益金額
110,777 27,655
(百万円)
普通株主に帰属しない金額(百万円) - -
普通株式に係る親会社株主に帰属する当
110,777 27,655
期純利益金額(百万円)
普通株式の期中平均株式数(千株) 334,632 334,559
(提出会社) (提出会社)
・2022年満期ユーロ円建取得条項 ・2022年満期ユーロ円建取得条項
希薄化効果を有しないため、潜在株式調 (交付株数上限型)付転換社債型 (交付株数上限型)付転換社債型
整後1株当たり当期純利益の算定に含め 新株予約権付社債13,513千株 新株予約権付社債13,513千株
なかった潜在株式の概要 ・2024年満期ユーロ円建取得条項 ・2024年満期ユーロ円建取得条項
(交付株数上限型)付転換社債型 (交付株数上限型)付転換社債型
新株予約権付社債13,725千株 新株予約権付社債13,725千株
3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年3月31日) (2020年3月31日)
純資産の部の合計額(百万円) 1,109,313 1,068,870
純資産の部の合計額から控除する金額
9,900 7,842
(百万円)
(うち非支配株主持分(百万円)) (9,900) (7,842)
普通株式に係る期末の純資産額(百万円) 1,099,413 1,061,028
1株当たり純資産額の算定に用いられた期
334,629 334,519
末の普通株式の数(千株)
4.「普通株式の期中平均株式数」は、株式交付信託が所有する当社株式(前連結会計年度108千株、当連結会
計年度173千株)を控除しています。
また、「1株当たり純資産額の算定に用いられた期末の普通株式の数」は、株式交付信託が所有する当社株式
(前連結会計年度107千株、当連結会計年度209千株)を控除しています。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
4.販売の状況及び輸送実績
(1) 販売の状況
対象期間 前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日 増減
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
セグメントの名称 金額(百万円) 金額(百万円) 金額(百万円)
航空事業
国際線
旅客収入 651,587 613,908 △37,679
貨物収入 125,015 102,697 △22,318
郵便収入 5,100 4,764 △336
小計 781,702 721,369 △60,333
国内線
旅客収入 696,617 679,962 △16,655
貨物収入 27,454 25,533 △1,921
郵便収入 3,230 3,136 △94
小計 727,301 708,631 △18,670
航空事業収入合計 1,509,003 1,430,000 △79,003
LCC収入 93,611 81,953 △11,658
その他の収入 211,803 225,784 13,981
航空事業小計 1,814,417 1,737,737 △76,680
航空関連事業
航空関連収入 291,051 299,433 8,382
航空関連事業小計 291,051 299,433 8,382
旅行事業
パッケージ商品収入(国内) 119,362 112,711 △6,651
パッケージ商品収入(国際) 20,979 20,925 △54
その他の収入 10,405 10,360 △45
旅行事業小計 150,746 143,996 △6,750
商社事業
商社収入 150,679 144,750 △5,929
商社事業小計 150,679 144,750 △5,929
報告セグメント計 2,406,893 2,325,916 △80,977
その他
その他の収入 40,958 44,223 3,265
その他小計 40,958 44,223 3,265
売上高合計 2,447,851 2,370,139 △77,712
セグメント間取引 △389,539 △395,923 △6,384
売上高(連結) 2,058,312 1,974,216 △84,096
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含みます。
3.LCC収入は、Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の収入の合計です。
4.上記の金額には、消費税等は含みません。
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(2) 輸送実績
① ANAブランド輸送実績
対象期間 前連結会計年度 当連結会計年度
前期比
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
(%)
項 目 至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
国際線
旅客数 (人) 10,093,299 9,416,415 △6.7
座席キロ (千席キロ) 65,976,156 68,885,746 4.4
旅客キロ (千人キロ) 50,776,587 50,219,355 △1.1
利用率 (%) 77.0 72.9 △4.1
有効貨物トンキロ (千トンキロ) 7,122,948 7,354,438 3.2
貨物輸送重量 (トン) 913,915 866,821 △5.2
貨物トンキロ (千トンキロ) 4,318,339 4,222,117 △2.2
郵便輸送重量 (トン) 25,407 22,065 △13.2
郵便トンキロ (千トンキロ) 131,516 120,449 △8.4
貨物重量利用率 (%) 62.5 59.0 △3.4
国内線
旅客数 (人) 44,325,835 42,916,334 △3.2
座席キロ (千席キロ) 58,475,114 58,552,753 0.1
旅客キロ (千人キロ) 40,704,695 39,502,036 △3.0
利用率 (%) 69.6 67.5 △2.1
有効貨物トンキロ (千トンキロ) 1,720,144 1,705,379 △0.9
貨物輸送重量 (トン) 393,773 373,176 △5.2
貨物トンキロ (千トンキロ) 408,275 387,038 △5.2
郵便輸送重量 (トン) 30,482 29,308 △3.9
郵便トンキロ (千トンキロ) 30,125 29,030 △3.6
貨物重量利用率 (%) 25.5 24.4 △1.1
合計
旅客数 (人) 54,419,134 52,332,749 △3.8
座席キロ (千席キロ) 124,451,271 127,438,500 2.4
旅客キロ (千人キロ) 91,481,282 89,721,391 △1.9
利用率 (%) 73.5 70.4 △3.1
有効貨物トンキロ (千トンキロ) 8,843,092 9,059,818 2.5
貨物輸送重量 (トン) 1,307,688 1,239,996 △5.2
貨物トンキロ (千トンキロ) 4,726,614 4,609,156 △2.5
郵便輸送重量 (トン) 55,890 51,373 △8.1
郵便トンキロ (千トンキロ) 161,641 149,480 △7.5
貨物重量利用率 (%) 55.3 52.5 △2.8
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ANAホールディングス株式会社(9202)2020年3月期 決算短信
(注) 1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーと
のコードシェア便実績及びオリエンタルブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
2.国内線、国際線ともに不定期便実績を含みません。
3.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契
約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
4.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフラ
イヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下
貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれてい
ます。
8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合
計です。
9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
10.利用率及び貨物重量利用率については、「前期比(%)」の欄に前期差(%)を記載しています。
11.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の実績は含みません。
② LCC輸送実績
対象期間 前連結会計年度 当連結会計年度