9202 ANA 2019-10-29 15:00:00
2020年3月期 第2四半期決算および通期業績予想について [pdf]
ANA HOLDINGS NEWS
第 19-024号
2019年10月29日
2020年3月期 第2四半期決算および通期業績予想について
ANA ホールディングス㈱は、10月29日(火)、2020年3月期 第2四半期決算を取りまとめました。
詳細は「2020年3月期 第2四半期決算短信」をご参照ください。
1.2020年3月期 第2四半期の連結経営成績・連結財政状態
(1)概況
当期のわが国経済は、輸出を中心に弱さが長引いているものの、企業収益が底堅く推移し雇用環境の改善が続
く等、景気は緩やかに回復しました。
当社は世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成銘柄に3年
連続で選定されました。
世界経済の先行きの不透明感から国際線貨物を中心に減収となったものの、ゴールデンウィーク10連休の旅客
需要を取り込んだこと等から、航空事業の売上高は前年同期を上回りました。また、航空関連、旅行、商社、その
他のすべてのセグメントでも増収となり、売上高は過去最高となりました。
一方で、安全・品質サービスの更なる向上や来年に控えた首都圏空港の発着枠拡大に備えて、人件費、機材費、
整備費等が増加したことから、営業利益は前年同期を下回りました。
航空事業を中心に増収となったことから売上高は1兆559億円となりましたが、営業費用の増加により、営業利
益は788億円、経常利益は815億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は567億円となりました。
単位:億円(増減率を除き、単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
【連結経営成績】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
売 上 高 10,559 10,380 179 1.7
営 業 費 用 9,771 9,328 442 4.7
営 業 損 益 788 1,052 ▲263 ▲25.0
営 業 外 損 益 26 ▲22 49 ―――
経 常 損 益 815 1,029 ▲214 ▲20.8
特 別 損 益 26 0 26 ―――
親会社株主に帰属する
567 737 ▲169 ▲23.0
四半期純損益
単位:億円(単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
増減
【セグメント情報】 第2四半期 第2四半期
売上高 営業損益 売上高 営業損益 売上高 営業損益
航 空 事 業 9,300 735 9,158 1,010 142 ▲275
航空関連事業 1,490 74 1,452 76 37 ▲2
旅 行 事 業 823 13 797 6 26 6
商 社 事 業 759 19 750 17 8 1
そ の 他 209 15 194 12 15 3
ANAホールディングス 広報・コーポレートブランド推進部 03-6735-1111
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(2)航空事業
①国際線旅客(ANA ブランド)
国際線旅客では、ビジネス需要が弱含んでいるものの、ネットワークの拡大に伴い、ハワイ線、欧州線の旅客数
が増加したこと等により、収入は前年同期を上回りました。
7月から成田=ホノルル線において、エアバス A380型機「FLYING HONU」での運航を週3便から週10便に拡大
しました。
9月より日本からオーストラリア西部への唯一の直行便となる成田=パース線を新規開設しました。
営業・サービス面では、8月から羽田=ロンドン線において、ファーストクラス、ビジネスクラスに約10年ぶりとな
る新シートを導入しました。
ビジネスクラスの新シート「THE Room」では、ANA初のドア付き個室型ワイドシートに加え、世界初となる4K 対応
のパーソナルモニターを導入する等、最上級のくつろぎ空間を実現しました。
また、お客様の手続きや待ち時間の極小化を目的として、9月から成田空港に自動手荷物預け機サービスを導
入する等、お客様の快適性と利便性の向上に努めました。
結果として、国際線旅客収入は、74億円の増収(前年同期比2.3%増)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
【国際線旅客】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
旅客収入(億円) 3,385 3,310 74 2.3
旅客数(千人) 5,172 5,172 ▲0 ▲0.0
座席キロ(百万) 34,893 33,315 1,578 4.7
旅客キロ(百万) 26,805 25,788 1,016 3.9
利用率(%) 76.8 77.4 ▲0.6pt ―――
②国内線旅客(ANA ブランド)
好調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動に加え、ゴールデンウィーク10連休の旺盛な需要を取り込むとともに、
各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
5月から成田=中部線を増便した他、夏季の一部期間において福岡=宮古線の再開、関西=宮古線、羽田=那
覇線の深夜便「ギャラクシーフライト」を増便する等、路線ネットワークの充実を図りました。
搭乗の355日前から購入可能な割引運賃「SUPER VALUE EARLY」等により、ゴールデンウィーク期間や夏休み
期間を含め、早期から需要の取り込みを図りました。
9月に隈研吾氏監修のもと、那覇空港の ANA LOUNGE をリニューアルした他、佐賀空港にて国内初となるリモコ
ン式遠隔操作による航空機牽引を実用化する等、サービス品質の向上とイノベーションの推進に努めました。
結果として、国内線旅客収入は、163億円の増収(前年同期比4.7%増)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
【国内線旅客】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
旅客収入(億円) 3,687 3,523 163 4.7
旅客数(千人) 23,102 22,340 762 3.4
座席キロ(百万) 30,251 29,372 878 3.0
旅客キロ(百万) 21,293 20,511 781 3.8
利用率(%) 70.4 69.8 0.6pt ―――
③貨物(ANA ブランド)
国際線貨物では、7月から成田=上海線に大型貨物機ボーイング777F 型機を導入し、半導体製造装置等の大
型特殊貨物の需要を取り込みましたが、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発と
もに需要が減退したこと等から、輸送重量・収入ともに前年同期を下回りました。
結果として国際線貨物収入は130億円の減収(前年同期比20.4%減)、国内線貨物収入は13億円の減収
(前年同期比9.9%減)、となりました。
2
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
【貨物】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
国 貨物収入(億円) 511 642 ▲130 ▲20.4
際 輸送重量(千トン) 433 483 ▲50 ▲10.5
線 有償貨物トンキロ(百万) 2,082 2,253 ▲171 ▲7.6
国 貨物収入(億円) 126 140 ▲13 ▲9.9
内 輸送重量(千トン) 185 197 ▲12 ▲6.2
線 有償貨物トンキロ(百万) 191 205 ▲13 ▲6.4
④LCC
Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の統合に向けた機体改修や運航乗務員の訓練等により、一時的に運航便数
が減少した結果、旅客数・収入ともに前年同期を下回りました。
路線ネットワークでは、Peach・Aviation㈱が4月から新千歳=ソウル(仁川)線を新規開設しました。また、バニラ・
エア㈱から Peach・Aviation㈱への路線移管を行い、Peach・Aviation㈱として順次運航を開始しています。
営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の両社が、統合に向けて「CountDown100 THANKS フェスタ!」を
実施し、合同セールや限定グッズプレゼント等の様々な取り組みを行い、販売促進に努めました。
結果として、当期の LCC 収入は22億円の減収(前年同期比4.6%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
【LCC】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
旅客収入(億円) 461 483 ▲22 ▲4.6
旅客数(千人) 3,995 4,067 ▲71 ▲1.8
座席キロ(百万) 5,858 6,000 ▲141 ▲2.4
旅客キロ(百万) 5,090 5,228 ▲138 ▲2.6
利用率(%) 86.9 87.1 ▲0.3pt ―――
⑤その他
航空事業におけるその他の収入は1,088億円(前年同期1,014億円、前年同期比7.3%増)となりました。な
お、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
(3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
航空関連事業では、中部空港、関西空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託
が増加したことや、外国航空会社から機内食関連業務の受託が増加したこと等により、売上高は1,490億円(前
年同期比2.6%増)となりました。一方、人件費が増加したこと等により、営業利益は74億円(前年同期比
3.0%減)となりました。
旅行事業では、国内旅行は、店頭販売を中心とする「ANA スカイホリデー」の取扱高が減少したものの、インター
ネット販売のダイナミックパッケージ商品「旅作」において、需要の早期取り込みが奏功したこと等から、売上高は
前年同期を上回りました。海外旅行は、重点的に販売強化しているハワイ方面に加え、「ANA ハローツアー」等の
個人型商品や添乗員付き商品の集客が堅調に推移したこと等から、売上高は前年同期を上回りました。これらの
結果、売上高は823億円(前年同期比3.3%増)となり、営業利益は13億円(前年同期比93.4%増)となりまし
た。
商社事業では、リテール部門の空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や、食品部門のナッツ類等で取扱高が減
少したものの、航空機部品や ANA 公式 EC サイト「ANA ショッピング A-style」等の取扱高が増加したこと等によ
り、売上高は759億円(前年同期比1.2%増)、営業利益は19億円(前年同期比8.0%増)となりました。
その他では、不動産関連事業において、保有物件の売却等により、売上高は209億円(前年同期比8.0%増)、
営業利益は15億円(前年同期比25.8%増)となりました。
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(4)連結財政状態 (自己資本比率、D/Eレシオを除き単位未満は切り捨て)
2020年3月期
【連結財政状態】 2019年3月期末 増減
第2四半期末
総資産(億円) 27,180 26,871 309
負債(億円) 15,884 15,778 106
純資産(億円) 11,295 11,093 202
自己資本(億円) (注1) 11,192 10,994 198
自己資本比率(%) 41.2 40.9 0.3pt
有利子負債残高(億円) (注2) 8,187 7,886 301
D/Eレシオ(倍) (注3) 0.7 0.7 0.0
注1:自己資本は純資産合計から非支配株主持分を控除しています。
注2:有利子負債残高にはオフバランスリース負債は含みません。
注3:D/E レシオ=有利子負債残高÷自己資本
(5)連結キャッシュ・フロー 単位:億円(単位未満は切り捨て)
2020年3月期 2019年3月期
【連結キャッシュ・フローなど】
第2四半期 第2四半期
営業活動によるキャッシュ・フロー 1,403 1,597
投資活動によるキャッシュ・フロー ▲1,125 ▲1,228
財務活動によるキャッシュ・フロー 3 ▲408
現金および現金同等物期末残高 2,398 2,676
減価償却費 858 767
2.2020年3月期の見通し
上期の売上高は前年同期に比べて179億円増加しましたが、米中貿易摩擦等による貨物需要の減少や、国際
線ビジネス需要の一部に伸び悩みが見られたこと等により、当初想定を下回りました。下期についても、この基
調が継続すると見込まざるを得ないことに加え、LCC 事業においても他社との競合が激化しております。
これらの影響を勘案した結果、通期の売上高は当初予想と比べて600億円程度減少し、2兆900億円になる見
通しとなりました。
かかる状況の下、下期における収入増並びに着実な費用減に努めてまいりますが、通期の業績予想につきまし
ては、売上高の減少に伴い、営業利益は当初予想から250億円減益の1,400億円、経常利益は1,370億円、
親会社株主に帰属する当期純利益は940億円と減益を見込まざるを得ないものと判断いたしました。
なお、算出にあたりましては、米ドル円為替レートを110円 、航空燃油費の一指標でありますドバイ原油の市場
価格を1バレルあたり65米ドル、シンガポール・ケロシンを1バレルあたり80米ドルとしております。
単位:億円(単位未満は切り捨て)
【2020年3月期見通し 前期実績
修正予想 当初予想 増減 増減
(連結業績)】 (2019年3月期)
売 上 高 20,900 21,500 ▲600 20,583 316
営 業 利 益 1,400 1,650 ▲250 1,650 ▲250
経 常 利 益 1,370 1,600 ▲230 1,566 ▲196
親会社株主に帰属する
940 1,080 ▲140 1,107 ▲167
当 期 純 利 益
以 上
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