9202 ANA 2021-01-29 15:00:00
2021年3月期 第3四半期決算について [pdf]
ANA HOLDINGS NEWS
第 2 0 - 0 4 1 号
2021年 1月 29日
2021年3月期 第3四半期決算について
ANA ホールディングス㈱は、1月29日(金)、2021年3月期 第3四半期決算を取りまとめました。
詳細は「2021年3月期 第3四半期決算短信」をご参照ください。
1.2021年3月期 第3四半期の連結経営成績・連結財政状態
(1)概況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益の大幅な減少が続き雇用情勢が弱い
動きとなる等、依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きがみられます。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、旅客需要が著しく減退し、売上高は前年同期を大幅に下回り
ました。需要動向に合わせて運航規模を適正化し燃油費・空港使用料等の変動費を削減した他、役員報酬・管理
職賃金・一時金等の人件費の抑制に努めましたが、営業損失を計上しました。
当社は、世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成銘柄に4
年連続で選定され、航空業界部門において最も評価の高い「Industry Leader」に2年ぶりに3回目の選定を受け
ました。
当社グループでは、11月に既存のジェット燃料よりも環境負荷を抑えた SAF(Sustainable Aviation Fuel)を本邦エ
アラインとして初めて、日本出発の国際線定期便に使用しました。今後も社会的価値と経済的価値の同時創造に
よる持続的な成長を目指してまいります。
売上高は大幅に減少し5,276億円となりました。運航規模の適正化による変動費の削減に加え、人件費等の
固定費を抑制し4,730億円のコスト削減策を実行しましたが、売上高の減少が非常に大きかったことから、営業損
失は3,624億円、経常損失は3,507億円、親会社株主に帰属する四半期純損失は3,095億円となりました。
なお、収支改善を進めるための航空機の早期退役等に伴い、事業構造改革費用として760億円を特別損失に
計上しています。
単位:億円(増減率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【連結経営成績】 増減 増減率(%)
第3四半期 第3四半期
売 上 高 5,276 15,821 ▲10,545 ▲66.7
営 業 費 用 8,900 14,625 ▲5,724 ▲39.1
営 業 損 益 ▲3,624 1,196 ▲4,820 ―――
営 業 外 損 益 116 28 +87 +304.7
経 常 損 益 ▲3,507 1,225 ▲4,732 ―――
特 別 損 益 ▲773 26 ▲800 ―――
親会社株主に帰属する
▲3,095 864 ▲3,960 ―――
四半期純損益
単位:億円(単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
増減
【セグメント情報】 第3四半期 第3四半期
売上高 営業損益 売上高 営業損益 売上高 営業損益
航 空 事 業 4,320 ▲3,480 13,953 1,121 ▲9,632 ▲4,601
航空関連事業 1,667 20 2,248 113 ▲581 ▲93
旅 行 事 業 361 ▲47 1,192 19 ▲831 ▲66
商 社 事 業 610 ▲30 1,144 31 ▲533 ▲61
そ の 他 274 5 314 19 ▲39 ▲14
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(2)航空事業
①国際線旅客(ANA ブランド)
国際線旅客では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界各国での入国規制により、需要が著しく低迷した
ことで旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回りました。
路線ネットワークでは、大規模な運休・減便を継続する中でも、海外赴任・帰任等の需要動向を見極め、運航継続
路線の選択や臨時便の設定等に努めました。
第3四半期(10月~12月)においては、一部の国・地域からの入国規制緩和に伴う技能実習生・留学生や年末
の日本人の里帰り等の渡航需要を取り込みました。また、貨物輸送を中心に需要が一定程度見込まれることから、
12月から日本の航空会社として初めて成田=深圳線を開設した他、羽田=サンフランシスコ線に就航しました。
営業・サービス面では、日本発片道割引運賃の販売を本年2月まで延長し、引き続き海外赴任や留学等の需要
の取り込みを図った他、12月より国際線機内免税品販売サービスを再開しました。なお、感染予防対策として
シートモニターから商品を注文いただく方法に変更しています。
結果として、国際線旅客収入は4,757億円の減収(前年同期比93.6%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【国際線旅客】 増減 増減率(%)
第3四半期 第3四半期
旅客収入(億円) 323 5,080 ▲4,757 ▲93.6
旅客数(千人) 320 7,733 ▲7,412 ▲95.9
座席キロ(百万) 9,809 52,729 ▲42,919 ▲81.4
旅客キロ(百万) 2,140 40,502 ▲38,362 ▲94.7
利用率(%) 21.8 76.8 ▲55.0pt ―――
②国内線旅客(ANA ブランド)
国内線旅客では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回り
ました。5月の緊急事態宣言解除以降、需要は回復傾向となり、特に10月から一段と高まりましたが、12月から
は感染者数の増加に伴い減少に転じました。
路線ネットワークでは、第1四半期の運航規模は前年同期比26.7%でしたが、需要の回復に合わせて運航便
数を増やし、第2四半期(7月~9月)は同50.7%、第3四半期(10月~12月)は同61.4%となりました。
営業・サービス面では、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、日程や行先の変更の際に手数料がかから
ない「あんしん変更キャンペーン」を本年3月末まで延長しました。今後もお客様に安心してご利用いただける
サービスの向上に努めてまいります。
結果として、国内線旅客収入は3,971億円の減収(前年同期比71.7%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【国内線旅客】 増減 増減率(%)
第3四半期 第3四半期
旅客収入(億円) 1,563 5,535 ▲3,971 ▲71.7
旅客数(千人) 9,906 34,724 ▲24,817 ▲71.5
座席キロ(百万) 20,812 44,941 ▲24,129 ▲53.7
旅客キロ(百万) 9,097 31,945 ▲22,848 ▲71.5
利用率(%) 43.7 71.1 ▲27.4pt ―――
③貨物(ANA ブランド)
国際線貨物では、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に旅客便の運休・減便が発生し、貨物搭載ス
ペースの供給量は低位に推移する中、当社グループにおいても輸送重量は前年同期を下回りました。
一方で第1四半期(4月~6月)にマスクをはじめとする衛生関連用品等の緊急物資の輸送需要が増加したことに
加え、8月からは完成車・自動車部品や半導体・電子機器等の需要が回復し始め、第3四半期(10月~12月)に
は前年並みの水準に達し、需給の逼迫は継続しました。
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このような状況において、貨物専用機による臨時便・チャーター便の設定に加え、10月に成田=フランクフルト線、
12月に成田=バンコク線に大型貨物機ボーイング777F 型機を就航させ需要動向に柔軟に対応を図った他、旅
客機を使用した貨物臨時便を大幅に増やす等、積極的に需要を取り込みました。
結果として、第3四半期(10月~12月)における国際線貨物収入は過去最高を更新し、234億円の増収(前年同
期比30.0%増)、国内線貨物収入は43億円の減収(前年同期比22.0%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【貨物】 増減 増減率(%)
第3四半期 第3四半期
国 貨物収入(億円) 1,016 781 +234 +30.0
際 輸送重量(千トン) 429 672 ▲242 ▲36.1
線 有償貨物トンキロ(百万) 2,066 3,221 ▲1,154 ▲35.9
国 貨物収入(億円) 153 196 ▲43 ▲22.0
内 輸送重量(千トン) 162 289 ▲126 ▲43.7
線 有償貨物トンキロ(百万) 179 298 ▲119 ▲40.0
④LCC(Peach Aviation㈱)
新型コロナウイルス感染症の影響により需要が大きく減退した結果、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回
りました。5月の緊急事態宣言解除以降、国内線の旅客需要は徐々に回復していたものの、感染者数の増加に
伴い12月からは減少に転じています。
路線ネットワークでは、旅客需要の増加に合わせたネットワークの回復に加えて、8月に成田=釧路線、成田=
宮崎線、10月に新千歳=那覇線、仙台=那覇線、12月に中部=新千歳線、中部=仙台線を新規開設しました。
国際線では、全路線で運休が続いていましたが、入国制限の緩和等に伴い10月より台北(桃園)への運航を部
分的に再開しました。
営業・サービス面では、お客様に安心してご利用いただくために、11月から国内線の一部路線で航空券予約と
抗原検査を同時に申込みできるサービスを開始しました。
結果として、当期の LCC 収入は489億円の減収(前年同期比76.1%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【LCC】 増減 増減率(%)
第3四半期 第3四半期
LCC 収入(億円) 153 643 ▲489 ▲76.1
旅客数(千人) 1,583 5,776 ▲4,193 ▲72.6
座席キロ(百万) 3,769 8,595 ▲4,826 ▲56.1
旅客キロ(百万) 1,822 7,334 ▲5,511 ▲75.1
利用率(%) 48.4 85.3 ▲37.0pt ―――
⑤その他
航空事業におけるその他の収入は1,071億円(前年同期1,656億円、前年同期比35.3%減)となりました。
なお、本項目には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
(3) 航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
新型コロナウイルス感染症の拡大により、航空関連事業では、航空各社の運休・減便の影響に伴い、旅客の搭
乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託、及び機内食関連業務の受託が減少したこと等により、売
上高は1,667億円(前年同期比25.8%減)、営業利益は20億円(同81.9%減)となりました。12月より ANA
国際線エコノミークラスの機内食等のインターネット販売を実施し、多くのお客様にご購入いただきました。今後は
商品ラインアップの拡充に努め、お客様のニーズにお応えするとともに増収を図ってまいります。
旅行事業では、海外旅行は渡航制限の影響により、当社グループが主催する全ツアーの催行を中止しました。
国内旅行は7月からの「Go To トラベルキャンペーン」の後押し等により、第3四半期(10月~12月)にはイン
ターネット販売のダイナミックパッケージ商品の取扱高は前年同期を上回る等、需要は徐々に回復しましたが、感
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染者数増加の影響により12月からは減少に転じました。これらの結果、売上高は361億円(前年同期比
69.7%減)、営業損失は47億円(前年同期 営業利益19億円)となりました。また、新型コロナウイルス感染症
の影響が続く中、新たな需要を取り込むため、「ANA トラベラーズ オンラインツアー」を開始しました。同商品では
オンラインで旅先の風景を楽しみながら、ご当地に詳しい専門家等とのコミュニケーションを通じて旅行を疑似体
験いただける企画等をご提供しています。
商社事業では、リテール部門の空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」を中心に大き
く影響を受けました。「ANA FESTA」の取扱高は、国内線旅客数の増加に伴い徐々に回復していましたが、12月
からは減少に転じています。また、生活産業部門では機内で提供する飲料・食品やアメニティ等の機用品の取り
扱いが大幅に減少しました。これらの結果、売上高は610億円(前年同期比46.7%減)、営業損失は30億円
(前年同期 営業利益31億円)となりました。
その他では、ラウンジの閉鎖に伴う受付管理業務の受託が減少した他、講師派遣等の研修事業の収入が減少し
たこと等により、売上高は274億円(前年同期比12.6%減)、営業利益は5億円(同74.7%減)となりました。
(4)連結財政状態 (自己資本比率、D/E レシオを除き単位未満は切り捨て)
2021年3月期
【連結財政状態】 2020年3月期末 増減
第3四半期末
総資産(億円) 32,933 25,601 +7,332
純資産(億円) 10,574 10,688 ▲114
自己資本(億円) (注1) 10,518 10,610 ▲91
自己資本比率(%) 31.9 41.4 ▲9.5pt
有利子負債残高(億円) 16,885 8,428 +8,456
D/E レシオ(倍) (注2) 1.6 0.8 +0.8
注1:自己資本は純資産合計から非支配株主持分を控除しています。
注2:D/E レシオ=有利子負債残高÷自己資本
(5)連結キャッシュ・フロー 単位:億円(単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【連結キャッシュ・フローなど】
第3四半期 第3四半期
営業活動によるキャッシュ・フロー ▲2,009 1,949
投資活動によるキャッシュ・フロー ▲5,213 ▲1,808
財務活動によるキャッシュ・フロー 11,105 294
現金および現金同等物期末残高 5,236 2,558
減価償却費 1,348 1,299
2.2021年3月期の見通し
連結業績予想の見直しは現時点では行っておりません。 単位:億円(単位未満は切り捨て)
前期実績
【2021年3月期見通し(連結業績)】 当期予想 増減
(2020年3月期)
売 上 高 7,400 19,742 ▲12,342
営 業 損 益 ▲5,050 608 ▲5,658
経 常 損 益 ▲5,000 593 ▲5,593
親 会 社 株 主 に 帰 属 す る
▲5,100 276 ▲5,376
当 期 純 損 益
以 上
ANAホールディングス株式会社 広報・コーポレートブランド推進部 03‐6735‐1111
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