9202 ANA 2020-10-27 15:00:00
2021年3月期 第2四半期決算について [pdf]
ANA HOLDINGS NEWS
第 20-028号
2020年10月27日
2021年3月期 第2四半期決算および通期業績予想について
ANA ホールディングス㈱は、10月27日(火)、2021年3月期 第2四半期決算を取りまとめました。
詳細は「2021年3月期 第2四半期決算短信」をご参照ください。
1.2021年3月期 第2四半期の連結経営成績・連結財政状態
(1)概況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益の大幅な減少が続き雇用情勢が弱い
動きとなる等、依然として厳しい状況にありますが、このところ持ち直しの動きがみられます。
航空業界は、各国の入国規制や外出自粛等により人の移動が激減したことから、世界的に厳しい状況に
あります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、旅客需要が著しく減退し、売上高は前年同期を大幅に下回りました。
旅客需要については、国内線では5月の緊急事態宣言解除以降徐々に回復していますが、国際線では期を通じ
て大きく減退した状況が続いています。
需要の減退に合わせて運航規模を抑制し燃油費・空港使用料等を削減した他、役員報酬・管理職賃金・一時金
等の人件費の削減にも取り組みましたが、多額の営業損失を計上しました。
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中でも、お客様に航空機をより安心・安全にご利用いただくために、空港
やラウンジ・機内等の清潔・衛生的な環境づくりに取り組んでいます。
運航規模の抑制による変動費の削減に加え、人件費等の固定費を削減し3,330億円のコスト削減策(雇用
調整助成金214億円の効果を含む)を実行しましたが、売上高の減少が非常に大きかったことから、売上高は
2,918億円、営業損失は2,809億円、経常損失は2,686億円、親会社株主に帰属する四半期純損失は
1,884億円となりました。
単位:億円(増減率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【連結経営成績】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
売 上 高 2,918 10,559 ▲7,641 ▲72.4
営 業 費 用 5,727 9,771 ▲4,043 ▲41.4
営 業 損 益 ▲2,809 788 ▲3,598 ―――
営 業 外 損 益 122 26 +96 +366.0
経 常 損 益 ▲2,686 815 ▲3,501 ―――
特 別 損 益 7 26 ▲18 ▲71.4
親会社株主に帰属する
▲1,884 567 ▲2,452 ―――
四半期純損益
単位:億円(単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
増減
【セグメント情報】 第2四半期 第2四半期
売上高 営業損益 売上高 営業損益 売上高 営業損益
航 空 事 業 2,367 ▲2,777 9,300 735 ▲6,932 ▲3,512
航空関連事業 1,198 87 1,490 74 ▲292 +13
旅 行 事 業 138 ▲40 823 13 ▲685 ▲53
商 社 事 業 382 ▲28 759 19 ▲376 ▲47
そ の 他 185 8 209 15 ▲24 ▲6
ANAホールディングス 広報・コーポレートブランド推進部 03-6735-1111
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(2)航空事業
①国際線旅客(ANA ブランド)
国際線旅客では、新型コロナウイルス感染症の影響による世界各国での入国規制により、4月から旅客需要が
大きく減退した状況が続き、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回りました。
路線ネットワークでは、大規模な運休・減便を継続した一方で、海外赴任・帰任等の需要動向を見極め、運航継
続路線の選択や臨時便の設定等に努めた結果、運航規模は前年同期比で15.6%となりました。
営業・サービス面では、8月より期間限定で日本発片道割引運賃を設定し、海外赴任や留学等の需要の取り込
みを図りました。 また、9月より Google の提供する航空券の比較検索機能「Google フライト」において、ANA の
公式サイトへ移動することなく、検索から予約・決済まで行うことができるサービスを開始し、国際航空券をより便
利にご予約・購入いただけるようになりました。
結果として、国際線旅客収入は、3,189億円の減収(前年同期比94.2%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【国際線旅客】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
旅客収入(億円) 196 3,385 ▲3,189 ▲94.2
旅客数(千人) 193 5,172 ▲4,978 ▲96.3
座席キロ(百万) 5,426 34,893 ▲29,466 ▲84.4
旅客キロ(百万) 1,311 26,805 ▲25,493 ▲95.1
利用率(%) 24.2 76.8 ▲52.6pt ―――
②国内線旅客(ANA ブランド)
国内線旅客では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回り
ました。5月の緊急事態宣言解除以降、旅客需要は徐々に回復に向かっているものの、依然として感染者数の動
向に影響を受けやすい状況が続いています。
路線ネットワークでは、第1四半期の運航規模は前年同期比26.7%でしたが、需要の回復に合わせて運航便
数を増やし、第2四半期(7月~9月)は同50.7%となりました。今後も新型コロナウイルスの感染状況や需要動
向を注視し、機動的に運航規模の最適化を図ります。
営業・サービス面では、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、航空券の払い戻しや変更等を手数料なしで
可能にする特別対応を6月まで実施しておりましたが、7月以降は感染状況が不透明な中でも安心してお客様に
ご利用いただくために、日程や行先の変更の際に手数料がかからない「あんしん変更キャンペーン」を実施
しました。
また、運航便数の増加に伴い、閉鎖していた羽田空港第2ターミナルの一部区画を7月に再開した他、自動手荷
物預け機「ANA Baggage Drop」を国内5空港目である伊丹空港へ導入し、フルサービスキャリアとしての利便性向
上に努めました。
結果として、国内線旅客収入は、2,897億円の減収(前年同期比78.6%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【国内線旅客】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
旅客収入(億円) 789 3,687 ▲2,897 ▲78.6
旅客数(千人) 4,673 23,102 ▲18,428 ▲79.8
座席キロ(百万) 11,789 30,251 ▲18,461 ▲61.0
旅客キロ(百万) 4,284 21,293 ▲17,009 ▲79.9
利用率(%) 36.3 70.4 ▲34.0pt ―――
③貨物(ANA ブランド)
国際線貨物では、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的な旅客便の運休・減便が発生し、貨物スペース
の供給量が低位に推移する中、マスク等の緊急物資の輸送需要が増加したことに加え、8月以降は完成車・自動
車部品や半導体・電子機器等の需要が徐々に回復し、需給の逼迫は継続しました。このような状況において、当
社グループでは、貨物専用機による臨時便・チャーター便の設定や、旅客機を使用した貨物臨時便の運航を積極
的に推進し需要の取り込みを図りました。この結果、大規模な旅客便の運休・減便の影響で輸送重量は前年同期
を大幅に下回りましたが、収入は前年並みの水準を確保しました。
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結果として、国際線貨物収入は3億円の減収(前年同期比0.6%減)、国内線貨物収入は39億円の減収(前年
同期比31.6%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【貨物】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
国 貨物収入(億円) 508 511 ▲3 ▲0.6
際 輸送重量(千トン) 227 433 ▲205 ▲47.4
線 有償貨物トンキロ(百万) 1,047 2,082 ▲1,035 ▲49.7
国 貨物収入(億円) 86 126 ▲39 ▲31.6
内 輸送重量(千トン) 93 185 ▲92 ▲49.8
線 有償貨物トンキロ(百万) 103 191 ▲88 ▲45.9
④LCC
LCC では、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が大きく減退した結果、旅客数・収入ともに前年同期を大
幅に下回りました。5月の緊急事態宣言解除以降、国内線の旅客需要は徐々に回復していますが、前年同期と比
較すると低位にとどまっています。
路線ネットワークでは、第1四半期の国内線の運航規模は前年同期比42.0%でしたが、8月に成田=釧路線、
成田=宮崎線を新たに開設する等、旅客需要の増加に合わせてネットワークの回復・拡充を図り、第2四半期(7
月~9月)の運航規模は前年同期比112.4%となりました。国際線では、3月中旬から全路線で運休が続いてい
ますが、入国制限の緩和等に伴い、10月より羽田=台北(桃園)線、成田=台北(桃園)線、関西=台北(桃園)線を
それぞれ週3往復で再開する等、環境変化に柔軟に対応してまいります。
結果として、当期の LCC の売上高は377億円の減収(前年同期比81.7%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【LCC】 増減 増減率(%)
第2四半期 第2四半期
旅客収入(億円) 84 461 ▲377 ▲81.7
旅客数(千人) 817 3,995 ▲3,178 ▲79.5
座席キロ(百万) 2,090 5,858 ▲3,768 ▲64.3
旅客キロ(百万) 922 5,090 ▲4,167 ▲81.9
利用率(%) 44.1 86.9 ▲42.8pt ―――
⑤その他
航空事業におけるその他の収入は681億円(前年同期比37.5%減)となりました。なお、航空事業におけるそ
の他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
(3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
航空関連事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大による航空各社の運休・減便の影響により、旅客の搭乗
受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が全空港で減少したことや、機内食関連業務の受託が減少し
たこと等により、売上高は1,198億円(前年同期比19.6%減)となりました。一方、人件費等の費用を削減した
ことにより、営業利益は87億円(同17.6%増)となりました。
旅行事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、旅行事業は海外旅行・国内旅行ともに大きな影響を受
けました。海外旅行は渡航制限の影響により、当社グループが主催する全ツアーの催行を中止としました。また、
国内旅行は7月からの「Go To トラベルキャンペーン」の後押し等もあり、需要は徐々に回復していますが、前年同
期と比較すると低位にとどまっています。これらの結果、売上高は138億円(前年同期比83.2%減)、営業損失
は40億円(前年同期 営業利益13億円)となりました。
商社事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、リテール部門の空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」
や空港物販店「ANA FESTA」を中心に甚大な影響を受けました。「ANA FESTA」は、国内線旅客数の増加に伴い
徐々に回復しているものの、前年同期と比較して大幅な減収となりました。また、生活産業部門では機内で提供
する飲料・食品やアメニティ等の機用品の取り扱いが大幅に減少しました。これらの結果、売上高は382億円(前
年同期比49.6%減)、営業損失は28億円(前年同期 営業利益19億円)となりました。
その他では、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、空港施設の閉鎖や工事案件の減少等が発生し、建物・
施設の保守管理事業や建築設備事業の収入が減少したこと等により、売上高は185億円(前年同期比11.6%
減)、営業利益は8億円(同43.5%減)となりました。
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(4)連結財政状態 (自己資本比率、D/Eレシオを除き単位未満は切り捨て)
2021年3月期
【連結財政状態】 2020年3月期末 増減
第2四半期末
総資産(億円) 27,446 25,601 +1,844
純資産(億円) 8,902 10,688 ▲1,786
自己資本(億円) (注1) 8,851 10,610 ▲1,758
自己資本比率(%) 32.3 41.4 ▲9.2pt
有利子負債残高(億円) 13,155 8,428 +4,726
D/Eレシオ(倍) (注2) 1.5 0.8 +0.7
注1:自己資本は純資産合計から非支配株主持分を控除しています。
注2:D/E レシオ=有利子負債残高÷自己資本
(5)連結キャッシュ・フロー 単位:億円(単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【連結キャッシュ・フローなど】
第2四半期 第2四半期
営業活動によるキャッシュ・フロー ▲1,909 1,403
投資活動によるキャッシュ・フロー 372 ▲1,125
財務活動によるキャッシュ・フロー 4,694 3
現金および現金同等物期末残高 4,510 2,398
減価償却費 901 858
2.2021年3月期の見通し
新型コロナウイルス感染症の影響により、収入動向等が極めて不透明な状況が続き、適正かつ合理的な算定が
困難であることから業績予想を未定としておりましたが、現時点で入手可能な情報から得られた判断に基づいて
業績予想を公表いたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界各国の入国制限や日本国内における移動自粛等の影響を強く受
け、旅客需要は大きく減退しました。下半期については、需要は徐々に回復に向かうものの、前期水準まで戻ら
ないと見込んでおり、通期の売上高は前期から約6割減少すると見通しています。一方、運航規模の抑制による
変動費の削減に加え、人件費や機材費等の固定費の削減に取り組んでまいりますが、売上高の減少の影響が
大きく、各段階利益は前期から大きく下回り、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計
上する見通しとなりました。
また、「『ANA グループの新しいビジネス・モデルへの変革』に関するお知らせ」にて本日公表いたしましたとおり、
収支改善を進めるための航空機の大量退役に伴う減損損失等(約730億円)に、施設・設備等の減損損失等を
含め、合計1,100億円の特別損失を計上する見込みです。
以上のことから、現時点における2021年3月期の連結業績予想は、売上高7,400億円(前期比62.5%減)、
営業損失5,050億円(前期営業利益 608億円)、経常損失5,000億円(前期経常利益 593億円)、親会社に
帰属する当期純損失5,100億円(前期親会社に帰属する当期純利益 276億円)を見込んでおります。
業績予想が困難であることから未定としておりましたが、新型コロナウイルス感染症による影響が当社グループ
に甚大な業績の悪化をもたらしていることから、誠に遺憾ながら無配とさせていただきたく存じます。
なお、算出にあたり、米ドル円為替レートは110円、航空燃油費の一指標であるドバイ原油の市場価格を1バレ
ルあたり40米ドル、シンガポール・ケロシンを1バレルあたり50米ドルとしています。
単位:億円(単位未満は切り捨て)
前期実績
【2021年3月期見通し(連結業績)】 当期予想 増減
(2020年3月期)
売 上 高 7,400 19,742 ▲12,342
営 業 損 益 ▲5,050 608 ▲5,658
経 常 損 益 ▲5,000 593 ▲5,593
親 会 社 株 主 に 帰 属 す る
▲5,100 276 ▲5,376
当 期 純 損 益
以 上
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