9202 ANA 2020-07-29 15:00:00
2021年3月期 第1四半期決算について [pdf]
ANA HOLDINGS NEWS
第 20-019号
2020年 7月 29日
2021年3月期 第1四半期決算について
ANA ホールディングス㈱は7月29日(水)、2021年3月期 第1四半期決算を取りまとめました。
詳細は「2021年3月期 第1四半期決算短信」をご参照ください。
1.2021年3月期 第1四半期の連結経営成績・連結財政状態
(1)概況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が急激に減少し雇用情勢が弱い動きとな
る等、依然として厳しい状況にありますが、このところ持ち直しの動きがみられます。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、旅客需要が著しく減退し、売上高は前年同期を大幅に下回りました。運航
規模の抑制に努め、燃油費・空港使用料等を削減した他、役員報酬・管理職賃金・夏季一時金等の人件費の削減も
進めましたが、多額の営業損失を計上しました。
既に航空券を購入済みのお客様に対して、航空券の払い戻しや搭乗日の変更を手数料なしで可能とする特別対応
を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中でも、お客様に航空機をより安心・安全にご利用いただくために、「ANA
Care Promise」というスローガンのもと、空港やラウンジ・機内等の清潔・衛生的な環境づくりに対する取り組みを始
めました。Peach Aviation㈱においても、空港・機内等での感染症対策を徹底しています。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、武漢に5機のチャーター機を運航し邦人避難支援へ貢献したことに対
し、6月に航空会社として初めて外務大臣から感謝状を受領しました。
結果として、営業費用は前年同期と比較して2,000億円以上減少しましたが、売上高の減少が非常に大きかっ
たことから、売上高は1,216億円、営業損失は1,590億円、経常損失は1,565億円、親会社株主に帰属する四
半期純損失は1,088億円となりました。
単位:億円(増減率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【連 結 経 営 成 績 】 増減 増減率(%)
第1四半期 第1四半期
売 上 高 1,216 5,005 ▲3,789 ▲75.7
営 業 費 用 2,806 4,843 ▲2,036 ▲42.0
営 業 損 益 ▲1,590 161 ▲1,752 ―――
営 業 外 損 益 25 8 +16 191.4
経 常 損 益 ▲1,565 170 ▲1,735 ―――
特 別 損 益 3 3 +0 4.7
親会社株主に帰属する
▲1,088 114 ▲1,202 ―――
四半期純損益
単位:億円(単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
増減
【セグメント情報】 第1四半期 第1四半期
売上高 営業損益 売上高 営業損益 売上高 営業損益
航 空 事 業 953 ▲1,537 4,397 141 ▲3,443 ▲1,679
航空関連事業 598 8 739 38 ▲140 ▲29
旅 行 事 業 31 ▲27 382 4 ▲350 ▲31
商 社 事 業 197 ▲13 375 7 ▲177 ▲21
そ の 他 92 6 103 5 ▲11 +0
ANA ホールディングス株式会社 広報・コーポレートブランド推進部 03-6735-1111
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(2)航空事業
① 国際線旅客(ANA ブランド)
国際線旅客では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う、各国の入国規制の強化・継続により、全
方面で旅客需要が大きく減退したため、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回りました。
路線ネットワークでは、需要の急減に合わせて運休・減便を進めましたが、公共交通機関としての使命を果たすため、
海外に駐在する邦人の帰国需要や、北米とアジア・中国間の退避・帰国需要、海外への赴任需要等に対応し一部路
線で運航を継続したこと等により、運航規模は前年同期比13.8%となりました
営業・サービス面では、スターアライアンスとして、加盟するエアラインの全ての運航便をお客様に安心してご利用い
ただけるよう衛生的な環境の提供に係る様々な取り組みを策定し、その内容はウェブサイト「Travel Information Hub」
(https://www.staralliance.com/en/journey-info)を通じて情報提供を行いました。
結果として、国際線旅客収入は、1,546億円の減収(前年同期比94.2%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【国際線旅客】 増減 増減率(%)
第1四半期 第1四半期
旅客収入(億円) 95 1,641 ▲1,546 ▲94.2
旅客数(千人) 91 2,507 ▲2,415 ▲96.3
座席キロ(百万) 2,365 17,137 ▲14,772 ▲86.2
旅客キロ(百万) 619 12,917 ▲12,297 ▲95.2
利用率(%) 26.2 75.4 ▲49.2pt ―――
② 国内線旅客(ANA ブランド)
国内線旅客では、2月末より新型コロナウイルス感染症の影響を受けていましたが、4月に緊急事態宣言が発令さ
れると、更に需要が減退し、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に下回りました。
路線ネットワークでは、航空需要の減退に合わせて運休・減便を進め、5月の運航規模は前年同期比14.8%まで
低下しましたが、緊急事態宣言の解除後は徐々に運航便を増やし、6月の運航規模は前年同期比25.2%となりま
した。今後は需要動向を見極めながら更に運航便を増加させ、運航規模は7月に前年同期比43.3%、8月は前年
同期比72.4%まで回復させる計画です。
営業・サービス面では、出発24時間前から搭乗手続きと搭乗券が発行できるオンラインチェックインサービスを6月
に開始し、これまでスキップサービスをご利用いただけなかった一部のお客様も、当日空港のカウンターや自動
チェックイン機に立ち寄ることなく、そのまま保安検査場にお進みいただけるようにする等、利便性の向上に努め
ました。
結果として、国内線旅客収入は、1,438億円の減収(前年同期比86.5%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【国内線旅客】 増減 増減率(%)
第1四半期 第1四半期
旅客収入(億円) 224 1,662 ▲1,438 ▲86.5
旅客数(千人) 1,278 10,840 ▲9,562 ▲88.2
座席キロ(百万) 3,939 14,781 ▲10,841 ▲73.3
旅客キロ(百万) 1,176 9,913 ▲8,737 ▲88.1
利用率(%) 29.9 67.1 ▲37.2pt ―――
③ 貨物(ANA ブランド)
国際線貨物では、新型コロナウイルス感染症により世界経済が停滞し、需要が減少しました。世界的な旅客便の運
休・減便により貨物スペース供給量が大幅に減少する中、マスク等の緊急物資輸送需要が増加したことで、需給が
逼迫しました。このような状況において、当社グループでは、貨物専用機による臨時便・チャーター便の設定や、旅
客機を使用した貨物臨時便の運航、客室への貨物搭載等を積極的に推進し、緊急物資の輸送需要等の取り込みを
図った結果、収入は前年並みの水準を確保しました。
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結果として、国際線貨物収入は、7億円の減収(前年同期比2.7%減)、国内線貨物収入は、25億円の減収(前
年同期比41.5%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【貨物】 増減 増減率(%)
第1四半期 第1四半期
国 貨物収入(億円) 254 261 ▲7 ▲2.7
際 輸送重量(千トン) 98 213 ▲114 ▲53.7
線 有償貨物トンキロ(百万) 451 1,034 ▲582 ▲56.3
国 貨物収入(億円) 36 61 ▲25 ▲41.5
内 輸送重量(千トン) 35 89 ▲53 ▲60.3
線 有償貨物トンキロ(百万) 39 93 ▲53 ▲57.2
④ LCC
LCC では、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要の減退に合わせ、運休・減便を実施したことで旅客数・収入
ともに前年同期を大きく下回りました。
路線ネットワークでは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国際線では各国の入国制限の強化・継続のため、
3月中旬から全路線で運休を継続しています。国内線では運航規模が前年同期比42.0%となりました。6月中旬
からは国内線の全路線で運航を再開し、7月には運航規模を前年並みまで回復させます。また、8月からは新規路
線を開設する等、国内線のネットワークを更に拡充してまいります。
結果として、LCC の売上高は、189億円の減収(前年同期比91.6%減)となりました。
(増減率、利用率を除き、単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【LCC】 増減 増減率(%)
第1四半期 第1四半期
LCC 収入(億円) 17 206 ▲189 ▲91.6
旅客数(千人) 173 1,941 ▲1,767 ▲91.0
座席キロ(百万) 559 2,873 ▲2,313 ▲80.5
旅客キロ(百万) 197 2,462 ▲2,265 ▲92.0
利用率(%) 35.3 85.7 ▲50.4pt ―――
⑤ その他
航空事業におけるその他の収入は316億円(前年同期比41.7%減)となりました。なお、航空事業におけるその他
には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
(3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
航空関連事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う航空各社の運休・減便の影響により、旅客の搭乗受付
や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が全空港で減少したことや、機内食関連業務の受託が減少したこと等
により、売上高は598億円(前年同期比19.0%減)、営業利益は8億円(同78.4%減)となりました。
旅行事業では、国内旅行は新型コロナウイルス感染症の拡大により旅行のキャンセルが相次ぎ、海外旅行は外務
省による渡航中止勧告等を踏まえ、当社グループが主催する全てのツアーを催行中止にする等、甚大な影響を受け
ました。お客様に安心して旅行していただくために、感染拡大の予防に関する取り組みを紹介する「ANA トラベ
ラーズあんしんの約束」をウェブサイト上に掲載しています。これらの結果、売上高は31億円(前年同期比91.7%
減)、営業損失は27億円(前年同期 営業利益4億円)となりました
商社事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う旅客便の大幅な運休・減便の影響で、リテール部門では空
港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」において大規模に臨時休業・短縮営業を実施した
他、生活産業部門では機内で提供する飲料・食品やアメニティ等の機用品の取り扱いが大幅に減少したこと等によ
り、売上高は197億円(前年同期比47.4%減)、営業損失は13億円(前年同期 営業利益7億円)となりました。
その他では、不動産関連事業の収入が減少したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で空港施設の閉鎖
が発生し、建物・施設の保守管理事業等の収入が減少しましたが、人件費や外部委託費の削減を進めた結果、売
3
上高は92億円(前年同期比11.3%減)、営業利益は6億円(同7.8%増)となりました。
なお、4月に新たなビジネスモデルの創出や社会課題の解決を目的に「avatarin(アバターイン)㈱」を設立しました。
遠隔操作ロボットであるアバターを社会インフラとして、医療、介護、教育、ショッピング等の様々な用途で利用可能
なサービスを展開してまいります。
(4)連結財政状態
(自己資本比率、D/E レシオを除き単位未満は切り捨て)
2021年3月期
【連結財政状態】 2020年3月期末 増減
第1四半期末
総資産(億円) 28,573 25,601 +2,972
純資産(億円) 9,743 10,688 ▲945
自己資本(億円) (注1) 9,677 10,610 ▲932
自己資本比率(%) 33.9 41.4 ▲7.6pt
有利子負債残高(億円) 13,589 8,428 +5,160
D/E レシオ(倍) (注2) 1.4 0.8 +0.6
注1:自己資本は純資産合計から非支配株主持分を控除しています。
注2:D/E レシオ=有利子負債残高÷自己資本
(5)連結キャッシュ・フロー
単位:億円(単位未満は切り捨て)
2021年3月期 2020年3月期
【連結キャッシュ・フローなど】
第1四半期 第1四半期
営業活動によるキャッシュ・フロー ▲1,353 1,158
投資活動によるキャッシュ・フロー 276 ▲1,019
財務活動によるキャッシュ・フロー 5,137 ▲57
現金および現金同等物期末残高 5,418 2,199
減価償却費 450 421
2.2021年3月期の見通し
新型コロナウイルス感染症の収束時期は現時点で引き続き不透明であり、業績見通しを合理的に算定することが
困難なことから、2021年3月期の連結業績予想については未定とさせていただき、開示が可能となった時点で速や
かに開示いたします。
新型コロナウイルス感染症の影響から人々の行動が変化しており、「新しい生活様式」が定着しつつあります。こ
の影響は航空業界にも及んでおり、需要構造が大きく変わろうとしています。そのような中、短期的には航空事業に
おけるポートフォリオ戦略の最適化や固定費の圧縮に向けたリソース対応等により、収支均衡に向けて事業構造の
転換を図ります。また、中期的には新型コロナウイルス感染症の収束を見据えて、航空事業のポートフォリオ戦略を
深化させ、ノンエア事業で航空に次ぐ収益の柱を構築する等、着実に価値を創出する強靭なグループ事業構造を確
立し、持続的な成長を追求してまいります。
以上
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