9119 飯野海 2021-05-11 14:00:00
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年5月11日
上場会社名 飯野海運株式会社 上場取引所 東 福
コード番号 9119 URL https://www.iino.co.jp/kaiun/
代表者 (役職名) 代表取締役社長 社長執行役員 (氏名)當舍 裕己
問合せ先責任者 (役職名) 執行役員 経理部長 (氏名)鮒子田 修 TEL 03-6273-3208
定時株主総会開催予定日 2021年6月25日 配当支払開始予定日 2021年6月28日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月25日
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無 :有
(百万円未満四捨五入)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社株主に帰属する
売上高 営業利益 経常利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期 88,916 △0.3 6,831 71.8 6,810 97.1 7,655 102.1
2020年3月期 89,179 5.1 3,976 △16.8 3,455 △26.5 3,788 △19.1
(注)包括利益 2021年3月期 7,782百万円 (301.4%) 2020年3月期 1,939百万円 (△59.7%)
1株当たり 潜在株式調整後 自己資本 総資産 売上高
当期純利益 1株当たり当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2021年3月期 72.35 - 10.0 2.9 7.7
2020年3月期 35.80 - 5.2 1.5 4.5
(参考)持分法投資損益 2021年3月期 324百万円 2020年3月期 311百万円
(2)連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2021年3月期 245,611 79,835 32.5 753.55
2020年3月期 231,088 73,428 31.7 692.63
(参考)自己資本 2021年3月期 79,730百万円 2020年3月期 73,285百万円
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2021年3月期 19,282 △22,991 2,894 13,301
2020年3月期 13,079 △14,840 6,234 14,208
2.配当の状況
年間配当金 配当金総額 配当性向 純資産配当
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) (連結) 率(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2020年3月期 - 5.00 - 7.00 12.00 1,270 33.5 1.7
2021年3月期 - 6.00 - 16.00 22.00 2,328 30.4 3.0
2022年3月期(予想) - 8.00 - 9.00 17.00 -
3.2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
親会社株主に帰属 1株当たり
売上高 営業利益 経常利益
する当期純利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 44,000 1.8 1,200 △69.4 900 △77.2 2,700 △15.9 25.52
通期 88,000 △1.0 4,100 △40.0 3,900 △42.7 6,000 △21.6 56.71
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):無
新規 -社 (社名)、除外 -社 (社名)
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更:無
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
④ 修正再表示 :無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年3月期 108,900,000株 2020年3月期 111,075,980株
② 期末自己株式数 2021年3月期 3,093,851株 2020年3月期 5,269,276株
③ 期中平均株式数 2021年3月期 105,806,409株 2020年3月期 105,806,909株
(注)1株当たり当期純利益(連結)の算定の基礎となる株式数については、添付資料23ページ「1株当たり情
報」をご覧ください。
(参考)個別業績の概要
1.2021年3月期の個別業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期 80,034 3.5 5,163 114.6 7,081 122.9 7,244 146.4
2020年3月期 77,298 6.3 2,406 54.5 3,177 △30.7 2,940 △35.3
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2021年3月期 68.47 -
2020年3月期 27.79 -
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2021年3月期 169,726 67,835 40.0 641.13
2020年3月期 157,436 60,082 38.2 567.85
(参考)自己資本 2021年3月期 67,835百万円 2020年3月期 60,082百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等
は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる仮定及び業績予想のご利用にあたっての
注意事項等については、添付資料5ページ(次期の見通し)をご覧ください。
飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………………………… 2
(1)経営成績に関する分析 …………………………………………………………………………………………… 2
(2)財政状態に関する分析 …………………………………………………………………………………………… 6
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………………………… 6
2.企業集団の状況 ………………………………………………………………………………………………………… 8
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………………………… 9
4.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………… 10
(1)連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………… 10
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………… 12
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………… 12
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………… 13
(3)連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………… 14
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………… 16
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………… 17
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………… 17
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) ………………………………………………………… 17
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………… 20
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………… 23
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………… 23
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
1.経営成績等の概況
(1)経営成績に関する分析
当連結会計年度(以下、「当期」という。)の世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19。以下、「感染
症」という。)の影響により、期中に大幅に悪化した後、国や地域差はあるものの景気回復に向けた動きが強まりま
した。欧州経済は感染症変異株の出現や冬季での感染症拡大による主要都市のロックダウンにより大きく落ち込みま
した。一方で、早期の感染防止策が奏功した中国経済は感染症流行以前の水準まで回復し、米国経済も巣ごもり需要
により住宅市場や製造業等が堅調であり、感染拡大が続く中でも株高等を背景に持ち直しました。我が国の経済は
GoToキャンペーン等により秋口には一時回復傾向となるも、第3四半期末から当期末にかけて感染が再拡大し一部の
地域には緊急事態宣言が発令される等、経済活動は再び抑制されました。
当社グループの海運業を取り巻く市況は、大型ガス船では急騰し、ドライバルク船でも年央以降、堅調に推移しま
した。しかしながら、ケミカルタンカーや大型原油タンカーでは当期初において市況は一時急騰したものの、その後
下落し、低調に推移しました。また、感染症の影響による船員交代の制限等、運航上のリスクが顕在化しました。こ
のような状況の下、当社グループでは、既存契約の有利更改や効率配船への取り組みをはじめとして、運航採算の向
上を図りました。不動産業においては商業テナントの営業やイイノホール&カンファレンスセンター等で感染症の影
響を受けておりますが、事務所テナントは順調な稼働を継続していることから全体としては安定した収益を確保しま
した。
以上の結果、売上高は889億16百万円(前期比0.3%減)となりましたが、ケミカルタンカーや大型ガス船の市況が
一時的に高騰したことや、前期に飯野ビルディングで発生していた空室には既に新規テナントが入居し満室稼働とな
っている影響等から、営業利益は68億31百万円(前期比71.8%増)、経常利益は68億10百万円(前期比97.1%増)と
なりました。また、海外子会社の清算結了に伴う為替換算調整勘定の実現による特別利益を計上したこと等から、親
会社株主に帰属する当期純利益は76億55百万円(前期比102.1%増)となりました。
各セグメント別の状況は次の通りです。
①外航海運業
当期の外航海運市況は以下の通りです。
大型原油タンカー市況は、感染症の拡大を受け原油需要が急激に減少したことで、陸上の貯蔵タンクが不足し滞船
が増えたことや原油価格の急落により裁定取引が活発化した影響等から、原油の洋上備蓄需要が高まり一時高騰しま
した。しかしながら、その後はOPECプラスの協調減産が再開されると輸送需要が減退し、感染症拡大の影響も受けて
低水準で推移しました。年明けにはサウジアラビアが追加減産を発表し、OPECプラスが減産幅維持を決定したことか
ら市況の低迷が続き、当期末にかけて損益分岐点を下回る水準で推移しました。
ケミカルタンカー市況は、石油タンカーの洋上備蓄の需要増によりケミカルタンカー市場からプロダクトタンカー
が退出した影響等で5月以降市況は一時的に高騰しました。その後、欧米やインドを中心とした世界的な景気低迷に
より輸送需要は夏場以降継続して弱含んでおり、加えてプロダクトタンカー市況の悪化を受けプロダクトタンカーが
ケミカルタンカー市場に再流入していることも重なり、市況は下落しました。
大型ガス船のうち、LPG船市況は、感染症の影響による世界経済の低迷により当初軟化しましたが、アジアでの堅
調な民生用需要及び中国向け石油化学原料需要が増加したことや、入渠船の増加及び主要航路である米国とアジアを
繋ぐパナマ運河の混雑等によって船腹需給が引き締まったことにより、年末にかけて高騰しました。しかしながら、
年明け以降は米国出しLPGの裁定取引が縮小したことによる輸送需要及び米国から極東向けのLPG輸送量が共に減少し
たことから、市況は下落しました。LNG船市況は、感染症による需要減の影響で春から夏には低迷したものの、秋か
ら冬にかけては中国経済の回復や寒波による東アジアの電力需要急増に伴い、米国積みを中心にアジア向けLNG輸送
が活発化し船腹需給がひっ迫したため一時的に過去最高水準を記録する等、大きく変動しました。
ドライバルク船市況は、感染症の世界的な拡大により当期初より軟調なスタートとなりましたが、いち早く経済活
動を再開させた中国向け荷動きが回復に転じたことで、第1四半期終盤から上昇に転じました。その後も、市況は各
国で打ち出された景気刺激策により世界的に荷動きが増加したことを受け、堅調に推移しました。さらに中国向けを
中心に好調に推移する穀物需要に加え、北半球における冬場の電力需要を背景とした石炭需要の増加、それらに伴う
荷積み港、荷揚げ港における滞船もあり、第4四半期において市況が急伸し前年比大幅高で当期末を迎えました。
なお、当期における当社グループの平均為替レートは¥105.79/US$(前期は¥109.13/US$)、船舶燃料油価格につ
いてはC重油380cStの平均価格 はUS$269/MT(前期はUS$412/MT)、適合燃料油 の平均価格 はUS$346/MT(前期はUS
$598/MT)となりました。
このような事業環境の下、当社グループの外航海運業の概況は以下の通りとなりました。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
大型原油タンカーにおいては、入渠船の影響を完全に避けることはできませんでしたが、第2四半期及び第4四半
期に竣工した新造VLCC2隻を含む支配船腹を長期契約に投入する等、安定収益の確保に努めました。
ケミカルタンカーにおいては、当社の基幹航路である中東域から欧州向け及びアジア向けの数量輸送契約に加え、
市況高騰時に高運賃のスポット貨物を取り入れる等、安定的に輸送を行い、復航においても北アフリカからの燐酸液
やアジア域からのスポット貨物を積極的に取り込むことで収益を確保しました。当社と米国オペレーターとの合弁事
業においては、安定的な数量輸送契約に加え効率的なスポット貨物の集荷に取り組み、稼働を維持しました。
大型ガス船においては、LPG船及びLNG船共に、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保したことに加え、一部船
舶が高騰したLPG船市況を享受し、外航海運業の増益に大きく貢献しました。また、海外顧客と新たに締結した定期
用船契約向けに、サステナビリティへの取り組みの一環として、従来の重油のみならずLPGを推進燃料とすることに
より温室効果ガスの排出量を削減できるLPG2元燃料主機関を搭載する大型LPG船を2隻発注しました。
ドライバルク船においては、当期中に新たに竣工した専用船が順調に稼働し収益に貢献しました。ポストパナマッ
クス及びハンディ船型を中心とする不定期船部門においては、当期初の感染症拡大により一時市況は低迷しました
が、第2四半期以降市況は回復し、契約貨物への投入を中心に市況上昇を捉えた効率配船に努めた結果、総じて運航
収支は改善し採算は堅調に推移しました。
以上の結果、外航海運業の売上高は692億95百万円(前期比1.3%増)、営業利益は24億63百万円(前期比278.1%
増)となりました。
②内航・近海海運業
当期の内航・近海海運市況は以下の通りです。
内航ガス輸送の市況は、石油化学ガスやLPG需要が低調に推移したこと等から総じて低迷しました。石油化学ガス
はプラントの定期修繕及び感染症拡大に伴う生産品需要の減少の影響により出荷は低調に推移しましたが、業界全体
としては底堅いプラント間転送需要及び船員不足に伴う稼働隻数の減少も影響し、船腹需給は均衡して推移しまし
た。LPG需要のうち、プラント間転送需要は底堅く堅調に推移しました。一方、家庭用LPG需要は、第2四半期までは
感染症拡大の影響に加えて季節的要因もあり低調に推移しました。第3四半期に入り気温も低下したことから春に比
べ持ち直す傾向となりましたが、感染症の再拡大を受け、厳冬期を過ぎると再び需要は低下しました。
近海ガス輸送の市況は、主要貨物であるプロピレン、塩化ビニルモノマーの国内生産量が中国向け輸出関連需要に
牽引され、堅調に推移しておりました。中国及び東南アジアのプラントの稼働が定期修繕やトラブルによって低下し
たことにより夏期以降一時的に市況は軟化しましたが、中国向け輸出需要の回復に伴い再び堅調な推移となりまし
た。また、同じく感染症の影響による輸送需要の鈍化に伴い、当社が主力とする3,500㎥型高圧ガス船の市況も軟化
しました。
このような事業環境の下、当社グループの内航・近海海運業の概況は以下の通りとなりました。
内航ガス輸送においては、感染症拡大と季節的要因に伴うLPG需要の低下及び石油化学ガス出荷プラントの定期修
繕、並びに生産品需要減による出荷量減少の影響を受けました。また、運航船の入渠等により冬場の稼働減少が発生
しましたが、中長期契約に基づく安定的な売上確保と効率配船に取り組みました。
近海ガス輸送においては、感染症拡大によって稼働が減少した影響を完全に避けることはできず、定期用船契約更
改時に市況下落の影響を受けました。一方で新規用船者への投入も実現し、安定した貸船収入の維持に努めました。
以上の結果、内航・近海海運業の売上高は85億81百万円(前期比7.2%減)、営業利益は5億5百万円(前期比
11.4%減)となりました。
③不動産業
当期の不動産市況は以下の通りです。
都心のオフィスビル賃貸市況は、感染症拡大の影響がオフィス市場にも本格的に現れ下降基調は鮮明になりまし
た。国内企業はリモートワークを拡充し、これまでの増員計画をベースにした増床移転の見直しや固定費削減のため
の事業所縮小等を行い、オフィス需要が減少したことから賃料は下落が続き、空室率は2015年6月以来、需給が均衡
し賃料が反転する目安と言われる5%を上回りました。
貸ホール・貸会議室においては、秋期以降、イベント自粛緩和の動きが見られたものの、多数の競合施設がある中
で厳しい顧客獲得競争が続きました。
不動産関連事業のフォトスタジオ事業においては、感染症拡大により広告需要が大幅に減少しました。
英国ロンドンの不動産市況は、事務所テナントではリモ-トワークの普及により既存テナントが自社スぺ-スを転
貸する等の動きがみられ、空室率が若干上昇しました。商業テナントでは感染症の拡大を受け厳しい状況となりまし
た。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
このような事業環境の下、当社グループの不動産業の概況は以下の通りとなりました。
当社所有ビルにおいては、商業テナントの営業に感染症の影響はあったものの、事務所テナントは堅調な稼働を継
続し、安定した収益を維持することができました。
また、当社が参画している日比谷フォートタワーでは、新築建物の工事が順調に進捗し、現在のところ2021年6月
末の竣工を予定しております。
当社グループのイイノホール&カンファレンスセンターにおいては、感染症の影響で稼働と収益に大きな影響を受
けていますが、10月以降、観客数を減らしながらも配信や収録を利用したイベントが増加傾向となり、1月以降の緊
急事態宣言下においても稼働は改善に向かいました。
フォトスタジオ事業を運営する㈱イイノ・メディアプロにおいては、感染症対策を実施し新規顧客を取り込んだも
のの、広告需要の減少の影響により収益が減少しました。
英国ロンドンの不動産事業においては、賃貸ビルで商業テナントについては感染症の影響はあるものの、事務所テ
ナントは順調に稼働したため、収益を維持することができました。
以上の結果、不動産業の売上高は111億58百万円(前期比4.4%減)、営業利益は38億63百万円(前期比40.2%増)
となりました。前期比で売上高が減少したものの営業利益が増加したことは、前期は飯野ビルディングにおいて一部
テナントの退去により、原状回復工事を引き受けたことによる売上高の計上があった一方、空室期間が生じたことに
よる賃料収入の減少等があったためです。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(次期の見通し)
世界的な感染症の拡大は各国でのワクチン接種が始まり、抑制される期待はありますが、変異株が流行しているこ
とに加え、ワクチンの副反応発生リスクが懸念される等、完全な収束の目途は立っておりません。一方で、各国の積
極的な財政・金融政策に加えて中国を含む一部の国々では先駆けた経済回復が見られる等、先行き不透明ではあるも
のの今後の経済動向につきましては大きく回復すると予測されています。
中国では、足元での一部地域での感染症の再拡大を受けて、活動制限の再強化が景気の回復を抑圧しております
が、政府の消費刺激策を受けて緩やかな成長が継続すると見込まれます。米国でも、当面は経済活動の規制等によっ
てサービス消費の回復は遅れる見込みであるものの、民主党が上院においても主導権を獲得し議会とのねじれが解消
したことでバイデン新政権の公約実現の確度が高まっていることや、FRBによる大規模な金融緩和が継続する見立て
もあること等から景気は回復を続ける見通しとなっています。我が国経済は、インバウンド需要や国内家計の消費活
動が大きく落ち込んでいるほか、緊急事態宣言の再発令等やワクチン接種の遅れもあり不確実性はあるものの回復す
る見通しです。
当社グループの海運業では、感染症の影響による荷動きの鈍化は限定的と見られるものの、ケミカルタンカー市況
の回復が遅れることも懸念され、全体としては先行き不透明な状況が続くと見込まれます。
当社グループの不動産業では、商業テナントの営業やイイノホール&カンファレンスセンター等で感染症の影響を
完全には避けられない状況ですが、事務所テナントにおいては堅調な稼働を継続する見込みであることから安定した
収益を確保する見込みです。
また、2021年3月31日に発表したとおり、2022年3月期第2四半期連結会計期間には固定資産(船舶)の譲渡によ
る特別利益の計上を見込んでいます。
以上を踏まえた次期の連結業績の見通しは、以下の通りです。連結業績予想算出にあたっては、2022年3月期通期
で感染症の影響が継続するという前提のもと、海運業における船員交代の制限等による費用の増加や、不動産業にお
ける商業テナントの営業やイイノホール&カンファレンスセンター等での感染症の影響を織り込んでいます。ただ
し、本連結業績の見通しについては感染拡大の状況や収束時期によっては大きく変動する可能性がありますので、見
直しを行った場合には速やかに開示します。
連結業績の見通し(通期)
2021年3月期 2022年3月期
増減率
(実績) (予想)
売上高 88,916百万円 88,000百万円 △1.0%
営業利益 6,831百万円 4,100百万円 △40.0%
経常利益 6,810百万円 3,900百万円 △42.7%
親会社株主に帰属
7,655百万円 6,000百万円 △21.6%
する当期純利益
<見通しの前提>
為替レート 105円/US$
船舶燃料油価格 通期US$400/MT
(油種:C重油380cSt(High Sulfur Fuel Oil) 補油地:シンガポール)
通期US$500/MT
(油種:適合燃料油(Very Low Sulfur Fuel Oil) 補油地:シンガポール)
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(2)財政状態に関する分析
①資産、負債及び純資産の状況
当期末の総資産残高は前期末に比べ145億23百万円増加し、2,456億11百万円となりました。これは主に船舶の竣工
や投資有価証券の評価額の増加によるものです。
負債残高は前期末に比べ81億16百万円増加し、1,657億76百万円となりました。これは主に公募形式によるグリー
ンボンド(第2回無担保社債)の発行及び固定資産の取得に伴う設備資金の借入れによるものです。
純資産残高は前期末に比べ64億7百万円増加し、798億35百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する
当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加や保有する投資有価証券の株価が上昇したことによるその他有価証券評価差
額金の増加によるものです。
以上の結果、当期末の連結自己資本比率は32.5%(前期末は31.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、192億82百万円のプラス(前期は130億79百万円のプラス)とな
りました。これは主に税金等調整前当期純利益81億58百万円と減価償却費110億83百万円によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は229億91百万円のマイナス(前期は148億40百万円のマイナス)となりま
した。これは主に船舶及び不動産への設備投資を中心とした固定資産の取得による支出308億70百万円が、船舶を中
心とした固定資産の売却による収入76億77百万円を上回ったことによるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は28億94百万円のプラス(前期は62億34百万円のプラス)となりました。
これは主に長期借入れによる収入297億65百万円及び社債の発行による収入49億70百万円が、長期借入金の返済によ
る支出206億70百万円及び短期借入金の純減額85億43百万円を上回ったことによるものです。
以上の結果、「現金及び現金同等物の当期末残高」は133億1百万円(前期末は142億8百万円)となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
自己資本比率(%) 33.7 32.9 32.8 31.7 32.5
時価ベースの自己資本比率(%) 26.5 25.6 17.7 14.2 22.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 9.7 9.5 8.1 9.7 6.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) 5.4 7.1 9.0 8.9 15.3
(注1)上記指標の計算式は次の通りです。
自己資本比率:自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い
(注2)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注3)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債(リース債務を除く)
を対象としております。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と位置付けています。また、事業環境の変化に対応する事業基
盤の強化のために内部留保を確保しつつ、確保した資金は持続的な企業成長に向けた新規投資のために活用し、株主
価値の増大に努めると同時に、長期的な観点から安定的、継続的な配当を維持することを基本方針としております。
さらに当期より、配当額と利益成長との連動性を高めるため、従来の安定配当維持の基本方針に加え、通期業績に対
して配当性向30%を基準とした配当を継続していくことを新たな基本方針としております。
当期の配当につきましては、中間配当金は1株当たり6円としましたが、当期の業績が直近の業績予想(2021年2
月10日発表)から上振れたことを受けて、前述の新たな基本方針に基づき、期末配当金は1株当たり5円増額の16円
とし、年間で1株当たり22円の配当を実施させていただく見込みです。
次期の配当につきましては、現時点での通期業績見通しと前述の基本方針に基づき、中間配当金を1株当たり8
円、期末配当金を1株当たり9円とし、合計17円の年間配当金を予定しております。先が読みにくい市況や為替の影
響が大きい海運業の特性上、正確な通期の業績予想は困難なことに加え、多額の費用が一括で計上される船舶の入渠
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
や所有不動産の営繕工事等の影響で上期と下期の業績に偏りが生じうることから、中間配当金については通期の業績
に対する年間配当金予想のおよそ半額を見込んでおります。
なお、四半期配当等配当回数の変更は、当面予定しておりません。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
2.企業集団の状況
当社グループは、提出会社(飯野海運株式会社、以下当社という)のほか連結対象子会社59社、持分法適用会社5社
及び連結対象外の関係会社10社(2021年3月31日現在)で構成され、外航海運業、内航・近海海運業及び不動産業の3
事業を行っております。各事業における当社及び関係会社の位置付けなどは次の通りであります。
(外航海運業)
船舶の運航、貸渡、用船、管理、海運仲立業、舶用品販売及び代理店業を行っております。
主な関係会社
(運航及び貸渡) AZALEA TRANSPORT S.A.
(管 理) イイノマリンサービス㈱
(仲立業及び舶用品販売) イイノエンタープライズ㈱
(内航・近海海運業)
船舶の運航、貸渡、用船及び管理を行っております。
主な関係会社
(運航、貸渡及び管理) イイノガストランスポート㈱
(不動産業)
ビルの賃貸、管理、倉庫業及び不動産関連事業を行っております。
主な関係会社
(管 理) イイノ・ビルテック㈱
(倉 庫 業) 泰邦マリン㈱
(不動産関連事業) ㈱イイノ・メディアプロ
事業系統図は次の通りです。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務
諸表を作成する方針であります。
なお、IFRS(国際会計基準)の適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であり
ます。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 14,211 13,304
受取手形及び売掛金 7,006 7,536
貯蔵品 2,451 2,679
商品 90 76
販売用不動産 3 3
繰延及び前払費用 1,744 1,797
未収還付法人税等 65 102
その他 4,315 4,324
貸倒引当金 △3 △1
流動資産合計 29,884 29,818
固定資産
有形固定資産
船舶(純額) 84,065 98,215
建物及び構築物(純額) 39,561 40,125
土地 41,612 42,801
リース資産(純額) 6,202 5,094
建設仮勘定 10,422 7,838
その他(純額) 194 171
有形固定資産合計 182,056 194,244
無形固定資産
電話加入権 9 9
その他 542 520
無形固定資産合計 551 529
投資その他の資産
投資有価証券 15,762 18,743
長期貸付金 186 147
退職給付に係る資産 - 225
繰延税金資産 101 20
その他 2,548 1,884
投資その他の資産合計 18,597 21,019
固定資産合計 201,204 215,793
資産合計 231,088 245,611
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
負債の部
流動負債
買掛金 5,136 5,777
短期借入金 34,892 26,688
未払費用 290 310
未払法人税等 219 242
前受金 2,873 2,911
賞与引当金 311 338
株主優待引当金 - 26
リース債務 1,907 5,122
その他 1,935 2,932
流動負債合計 47,563 44,345
固定負債
長期借入金 91,435 100,056
社債 - 5,000
役員退職慰労引当金 62 60
退職給付に係る負債 705 704
特別修繕引当金 3,025 3,624
受入敷金保証金 8,201 8,977
リース債務 4,471 29
繰延税金負債 1,954 2,747
その他 244 234
固定負債合計 110,097 121,430
負債合計 157,660 165,776
純資産の部
株主資本
資本金 13,092 13,092
資本剰余金 7,613 6,275
利益剰余金 52,542 58,822
自己株式 △3,245 △1,907
株主資本合計 70,002 76,282
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 1,803 4,103
繰延ヘッジ損益 725 △234
為替換算調整勘定 756 △421
その他の包括利益累計額合計 3,283 3,449
非支配株主持分 143 105
純資産合計 73,428 79,835
負債純資産合計 231,088 245,611
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
(連結損益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
売上高 89,179 88,916
売上原価 78,074 75,589
売上総利益 11,105 13,326
販売費及び一般管理費 7,129 6,495
営業利益 3,976 6,831
営業外収益
受取利息 61 30
受取配当金 759 875
持分法による投資利益 311 324
為替差益 8 130
その他 17 110
営業外収益合計 1,157 1,468
営業外費用
支払利息 1,463 1,256
その他 214 233
営業外費用合計 1,678 1,490
経常利益 3,455 6,810
特別利益
固定資産売却益 968 463
子会社清算益 - 822
受取保険金 - 80
その他 1 0
特別利益合計 969 1,365
特別損失
固定資産除却損 20 16
投資有価証券評価損 210 -
ゴルフ会員権評価損 1 0
その他 1 -
特別損失合計 231 17
税金等調整前当期純利益 4,193 8,158
法人税、住民税及び事業税 287 279
法人税等調整額 127 234
法人税等合計 414 513
当期純利益 3,780 7,646
非支配株主に帰属する当期純損失(△) △8 △10
親会社株主に帰属する当期純利益 3,788 7,655
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(連結包括利益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期純利益 3,780 7,646
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 △1,537 2,300
繰延ヘッジ損益 21 △793
為替換算調整勘定 5 △1,016
持分法適用会社に対する持分相当額 △330 △354
その他の包括利益合計 △1,841 137
包括利益 1,939 7,782
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 1,944 7,820
非支配株主に係る包括利益 △6 △38
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(3)連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 13,092 7,613 50,341 △3,245 67,801
当期変動額
剰余金の配当 △1,587 △1,587
親会社株主に帰属する当期
3,788 3,788
純利益
自己株式の取得 △0 △0
自己株式の処分
自己株式の消却
株主資本以外の項目の当期
変動額(純額)
当期変動額合計 2,201 △0 2,201
当期末残高 13,092 7,613 52,542 △3,245 70,002
その他の包括利益累計額
非支配株主持分 純資産合計
その他有価証券 その他の包括利
繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定
評価差額金 益累計額合計
当期首残高 3,341 971 815 5,127 149 73,077
当期変動額
剰余金の配当 △1,587
親会社株主に帰属する当期
3,788
純利益
自己株式の取得 △0
自己株式の処分
自己株式の消却
株主資本以外の項目の当期
△1,537 △247 △59 △1,843 △6 △1,850
変動額(純額)
当期変動額合計 △1,537 △247 △59 △1,843 △6 351
当期末残高 1,803 725 756 3,283 143 73,428
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 13,092 7,613 52,542 △3,245 70,002
当期変動額
剰余金の配当 △1,375 △1,375
親会社株主に帰属する当期
7,655 7,655
純利益
自己株式の取得 △0 △0
自己株式の処分 △0 0 0
自己株式の消却 △1,338 1,338
株主資本以外の項目の当期
変動額(純額)
当期変動額合計 △1,338 6,280 1,338 6,281
当期末残高 13,092 6,275 58,822 △1,907 76,282
その他の包括利益累計額
非支配株主持分 純資産合計
その他有価証券 その他の包括利
繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定
評価差額金 益累計額合計
当期首残高 1,803 725 756 3,283 143 73,428
当期変動額
剰余金の配当 △1,375
親会社株主に帰属する当期
7,655
純利益
自己株式の取得 △0
自己株式の処分 0
自己株式の消却
株主資本以外の項目の当期
2,300 △958 △1,176 165 △38 127
変動額(純額)
当期変動額合計 2,300 △958 △1,176 165 △38 6,407
当期末残高 4,103 △234 △421 3,449 105 79,835
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益 4,193 8,158
減価償却費 9,740 11,083
持分法による投資損益(△は益) △311 △324
退職給付に係る資産の増減額(△は増加) 87 △225
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) 45 △1
受取利息及び受取配当金 △820 △905
受取保険金 - △80
投資有価証券売却損益(△は益) △1 △0
投資有価証券評価損益(△は益) 210 -
支払利息 1,463 1,256
有形及び無形固定資産売却損益(△は益) △968 △463
売上債権の増減額(△は増加) △471 △531
たな卸資産の増減額(△は増加) 161 △215
仕入債務の増減額(△は減少) △237 635
預り敷金及び保証金の増減額(△は減少) 57 784
子会社清算損益(△は益) - △822
その他 554 1,417
小計 13,701 19,766
利息及び配当金の受取額 1,037 1,072
保険金の受取額 - 80
利息の支払額 △1,475 △1,268
法人税等の支払額又は還付額(△は支払) △184 △368
営業活動によるキャッシュ・フロー 13,079 19,282
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形及び無形固定資産の取得による支出 △17,711 △30,870
有形及び無形固定資産の売却による収入 2,225 7,677
投資有価証券の取得による支出 △7 △3
投資有価証券の売却による収入 8 2
その他 644 202
投資活動によるキャッシュ・フロー △14,840 △22,991
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) △1,747 △8,543
長期借入れによる収入 33,028 29,765
長期借入金の返済による支出 △22,690 △20,670
社債の発行による収入 - 4,970
自己株式の取得による支出 △0 △0
自己株式の処分による収入 - 0
配当金の支払額 △1,586 △1,371
リース債務の返済による支出 △771 △1,256
財務活動によるキャッシュ・フロー 6,234 2,894
現金及び現金同等物に係る換算差額 △89 △92
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 4,382 △907
現金及び現金同等物の期首残高 9,826 14,208
現金及び現金同等物の期末残高 14,208 13,301
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
Ⅰ 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数59社
主要な連結子会社の名称は、「2 企業集団の状況」に記載しているため、省略しております。
新規連結子会社 LPG EDELWEISS PANAMA S.A. 他2社については、新設により新たに連結の範囲に含めました。
SCP Tankers S.A.、IINO SHIPPING ASIA PTE.LTD.については、会社を清算したため連結の範囲から除いており
ます。
(2)子会社のうちIINO UK LTD.他5社は連結の範囲に含められておりません。
非連結子会社はいずれも小規模であり、総資産、売上高、当期純損益のうち持分に見合う額及び利益剰余金の
うち持分に見合う額等のそれぞれは連結財務諸表に重要な影響を及ぼしておりません。
Ⅱ 持分法の適用に関する事項
(1) 持分法を適用した関連会社は次の5社であります。
JIPRO SHIPPING S.A.
ALLIED CHEMICAL CARRIERS LLC
TAKARABUNE SHIP MANAGEMENT S.A.
MARTIN ISLAND SHIPPING S.A.
NORTHERN LNG TRANSPORT CO., I LTD.
(2) 持分法を非適用とした非連結子会社及び関連会社
非連結子会社IINO UK LTD.他5社及び関連会社CENTRAL TANKER S.A.他3社は、いずれも小規模であり、当期純
損益のうち持分に見合う額及び利益剰余金のうち持分に見合う額等のそれぞれは、連結財務諸表に重要な影響を
及ぼしておりません。
Ⅲ 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、IKK HOLDING LTD他16社の決算日は12月31日であり、同日現在の財務諸表を使用しておりま
すが、連結決算日との間に発生した重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。
Ⅳ 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
(イ)有価証券
その他有価証券
時価のあるもの
決算期末日の市場価格等に基づく時価法によっております(評価差額は全部純資産直入法により処理し、
売却原価は移動平均法により算定)。
時価のないもの
株式:移動平均法による原価法によっております。
(ロ)たな卸資産
販売用不動産は個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
であり、その他は先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方
法)によっております。
(ハ)デリバティブ
時価法によっております。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
(イ)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法(一部の船舶については定率法)を採用しております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっておりま
す。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
ただし、次の資産の耐用年数は以下の通りとしております。
鉄骨造の事務所 50年
昇降機・給排水設備・冷凍機・発電機・高圧機器 20年
船舶 15年~20年
(ロ)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっておりま
す。
ただし、ソフトウエア(自社利用分)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採
用しております。
(ハ)リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
(3) 重要な引当金の計上基準
(イ)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権
については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(ロ)賞与引当金
従業員の賞与の支給に備えるため、将来の支給見込額のうち当連結会計年度の負担額を計上しております。
(ハ)役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支給に充てるため、内規に基づく当連結会計年度末要支給額を計上しております。
(ニ)特別修繕引当金
船舶の定期検査費用の支出に備えるため、将来の修繕見積額に基づき計上しております。
(ホ)株主優待引当金
株主優待制度に基づく費用の発生に備えるため、翌期において発生すると見込まれる額を計上しておりま
す。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
当社及び連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職一時金制度については退職給付
に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とし、また、当社の企業年金制度については、直近の年金財政計算
上の数理債務をもって退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(5) 重要なヘッジ会計の方法
(イ)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。また、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は
特例処理を、為替変動リスクのヘッジについて振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を採用しており
ます。
(ロ)ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段 ヘッジ対象
金利スワップ 借入金利息
外貨建金銭債務 外貨建予定取引
通貨スワップ 外貨建予定取引
為替予約 外貨建予定取引
(ハ)ヘッジ方針
主として当社の内部規程である「デリバティブ管理規程」に基づき、個別案件ごとにヘッジ対象を明確に
し、当該ヘッジ対象の為替変動リスクあるいはキャッシュ・フロー変動リスク、金利変動リスク又は価格変動
リスクをヘッジすることを目的として実施することとしており、投機目的のための取引は行わない方針であり
ます。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
(ニ)ヘッジの有効性評価の方法
ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー
変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。
ただし、為替予約については、外国通貨による決済見込額に対し、通貨種別、金額、履行時期等の重要な条
件が同一である為替予約を行っているため、また金利スワップについては、特例処理の要件を満たす金利スワ
ップを行っているため、いずれも有効性の評価は省略しております。
(6) 海運業収益及び海運業費用の計上基準
航海の経過日数に基づいて収益及び費用を計上する航海日割基準を採用しております。
(7) 支払利息の処理方法
支払利息については、原則として発生時の費用処理としておりますが、長期かつ金額の重要な事業用資産で、
一定の条件に該当するものに限って、建造期間中の支払利息を事業用資産の取得価額に算入しております。
(8) 消費税等
消費税及び地方消費税の会計処理は税抜方式を採用しております。
(9) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか
負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなります。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経
営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、海運業と不動産業を軸に事業活動を展開しており、更に海運業は外航海運業と内航・近
海海運業の2つの事業活動を展開しております。
当社グループの事業活動は、経済的特徴を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されてお
り、「外航海運業」、「内航・近海海運業」及び「不動産業」の3つを報告セグメントとしております。
「外航海運業」は、全世界にわたる水域で原油、石油化学製品、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス
(LPG)、発電用石炭、肥料、木材チップ等の海上輸送を行っております。「内航・近海海運業」は、国内、
近海を中心とした水域で液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、石油化学ガス等の海上輸送を行っており
ます。「不動産業」は、国内の賃貸オフィスビルの所有、運営、管理、メンテナンス及びフォトスタジオを
中心とした不動産関連事業を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事
項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
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飯野海運(9119)2021年3月期決算短信
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
連結財務諸
外航 内航・近海 調整額
不動産業 計 表計上額
海運業 海運業
売上高
外部顧客への売上高 68,891 8,717 11,571 89,179 - 89,179
セグメント間の内部売上高
△501 527 96 123 △123 -
又は振替高
計 68,391 9,244 11,667 89,302 △123 89,179
セグメント利益 651 570 2,755 3,976 - 3,976
セグメント資産 112,844 10,254 90,059 213,157 17,931 231,088
その他の項目
減価償却費 7,165 583 1,992 9,740 - 9,740
持分法適用会社への投資額 2,530 - - 2,530 - 2,530
有形固定資産及び
15,144 1,977 274 17,395 15 17,410
無形固定資産の増加額
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
連結財務諸
外航 内航・近海 調整額
不動産業 計 表計上額
海運業 海運業
売上高
外部顧客への売上高 69,641 8,225 11,049 88,916 - 88,916
セグメント間の内部売上高
△346 356 108 118 △118 -
又は振替高
計 69,295 8,581 11,158 89,033 △118 88,916
セグメント利益 2,463 505 3,863 6,831 - 6,831
セグメント資産 118,070 10,849 90,799 219,718 25,893 245,611
その他の項目
減価償却費 8,354 749 1,979 11,083 - 11,083
持分法適用会社への投資額 2,170 - - 2,170 - 2,170
有形固定資産及び
22,580 1,976 5,967 30,522 46 30,567
無形固定資産の増加額
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4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
売上高
報告セグメント計 89,302
セグメント間取引消去 △123
連結財務諸表の売上高 89,179
(単位:百万円)
資産
報告セグメント計 213,157
セグメント間債権の相殺消去 △3,354
全社資産(注) 21,285
連結財務諸表の資産合計 231,088
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現預金)及び長期投資
資金(投資有価証券)であります。
(単位:百万円)
その他の項目 報告セグメント計 調整額 連結財務諸表計上額
減価償却費 9,740 - 9,740
有形固定資産及び
17,395 15 17,410
無形固定資産の増加額
(注) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産に係る有形固定資産及び無形固定資産の取得
価額であります。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
売上高
報告セグメント計 89,033
セグメント間取引消去 △118
連結財務諸表の売上高 88,916
(単位:百万円)
資産
報告セグメント計 219,718
セグメント間債権の相殺消去 △2,430
全社資産(注) 28,323
連結財務諸表の資産合計 245,611
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金(現預金)及び長期投資
資金(投資有価証券)であります。
(単位:百万円)
その他の項目 報告セグメント計 調整額 連結財務諸表計上額
減価償却費 11,083 - 11,083
有形固定資産及び
30,522 46 30,567
無形固定資産の増加額
(注) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産に係る有形固定資産及び無形固定資産の取得
価額であります。
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【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
該当事項はありません。
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(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
1株当たり純資産額 692.63円 753.55円
1株当たり当期純利益 35.80円 72.35円
潜在株式調整後 潜在株式調整後1株当たり当期純利 同左
1株当たり当期純利益 益については、潜在株式が存在しない
ため記載しておりません。
(注) 算定上の基礎は以下の通りであります。
1 1株当たり純資産額
前連結会計年度 当連結会計年度
項目
2020年3月31日 2021年3月31日
連結貸借対照表上の
(百万円) 73,428 79,835
純資産の部の合計額
普通株式に係る純資産額 (百万円) 73,285 79,730
差額の主な内訳
(百万円) 143 105
非支配株主持分
普通株式の発行済株式数 (千株) 111,076 108,900
普通株式の自己株式数 (千株) 5,269 3,094
1株当たり純資産額の算定に
(千株) 105,806 105,806
用いられた普通株式の数
2 1株当たり当期純利益金額
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
親会社株主に帰属する
(百万円) 3,788 7,655
当期純利益金額
普通株主に帰属しない金額 (百万円) - -
普通株式に係る親会社株主に
(百万円) 3,788 7,655
帰属する当期純利益金額
普通株式の期中平均株式数 (千株) 105,807 105,806
(重要な後発事象)
当社は2021年3月31日開催の取締役会において、12月31日を決算日とする連結子会社が保有するガスタンカー1隻の
売却を決議いたしました。
これに伴い、2022年3月期第2四半期連結会計期間におきまして約29億円を固定資産売却益(特別利益)として
計上する予定です。
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