9075 福山運 2021-02-05 15:20:00
中期経営計画の策定に関するお知らせ [pdf]
2021 年 2 月 5 日
各 位
会 社 名 福山通運株式会社
代 表 者 取締役社長執行役員 小丸 成洋
(コード番号 9075 東証第1部)
問合せ先 執行役員 中山 淳史
(TEL.084 – 924 - 2000)
中期経営計画の策定に関するお知らせ
当社は、2021 年 2 月 5 日開催の取締役会において、2021 年度から 2023 年度までの 3 ヶ年の第
5 次中期経営計画「Challenge, Change 2023」を策定いたしましたので、別紙のとおりお知ら
せいたします。
以 上
第5次 中期経営計画
(Challenge, Change 2023)
~ 持続可能な発展のために ~
For Sustainable Development
2021年4月1日~2024年3月31日
2021年2月5日
福山通運株式会社
「第4次中期経営計画」の振り返り
弊社グループは労働環境の改善による人材確保、適正な運賃収受等による収益
の改善ならびに輸送モードの多様化によるサービス品質の向上等に取り組みまし
たが、7日間連続休暇を含め数値目標の一部において達成が難しい情勢となって
おります。
売上高及び営業利益率の推移 (%)
自己資本利益率(ROE)の推移
(億円) (%)
7.0
4,000 8.0
6.0
3,000 6.0 5.0
4.0
2,000 4.0
3.0
2.0
1,000 2.0
1.0
0 0.0 0.0
目標 2018 2019 2020予想 目標 2018 2019 2020予想
売上高 3,000 2,856 2,929 2,850 ROE 5.0 6.1 5.2 5.5
営業利益率 5.0 6.8 7.0 7.0
※赤線は目標値
1
「第4次中期経営計画」の振り返り
経営方針 実施項目
事業活動における環境負荷の低減に取り組みます。 福山レールエクスプレス号によるCO2削減量、2017年度比12.3%削減
環境配慮型サービスを提供します。 CNGの活用によるCO2削減量、2017年度比67.3%向上
CNG車の保有台数を375台増車(総台数625台)
LED照明の全対象店所への設置完了
iSTAR-2・Xの活用による紙の使用量削減2017年度比28.1%向上※⑴
安全・安心なサービスを提供します。 600km圏内の7時迄到着率2.8%向上※⑵
地域貢献活動に取り組みます。 荷物事故発生金額の減少(82.0%)※⑴
交差点事故(37.0%)・追突事故(94.1%)・フォークリフト事故(39.2%)の削減※⑶
7拠点新設などにより、他社中継エリア18市18町7村の自社化
関係団体との共同による交通安全教室(36回)と海外日本語スピーチコンテスト (12回)
及び不登校児童・生徒支援(83人)※⑷の実施
経営の透明性の向上に努めます。 内部監査の実施強化(951回)とフォローアップの徹底
リスク管理体制を強化します。 社内外通信の監視徹底、ウィルス対策等のセキュリティ対策強化
有事発生時における報告体制の確立
働き方改革による労働環境の改善に努めます。 リファラル採用による社員確保の強化、給与改定による賃金改善
労働環境を主体的に活用・実践できる人づくりを推進します。 休日の増加と総労働時間の減少による労働環境の改善
従業員インセンティブ・プランを導入します。 従業員の定着、離職率の大幅改善
グループ全従業員に対し、評価による株式付与制度の導入
※⑴2017年度月平均と今年度月平均の比較
※⑵2017年度3月期と今年度累計の比較
※⑶最近3事業年度(18,19,20年度)月平均値と直近月(20年12月)の比較
※⑷1996年5月開始、累計789名の学校への復帰支援
2
「第4次中期経営計画」の振り返り
労働環境改善に取り組んだ結果、離職率の低減につながりました。
項目 3年間の実績 全産業との離職率の比較
(%)
18.00
公休消化率 42.9% 増加 16.00
14.00
12.00
7日間連続休暇 2,266名※ 取得 10.00
8.00
6.00
4.00
リファラル採用 1,150名 採用 2.00
0.00
2016 2017 2018 2019 2020
給与昇給率 10.1% 増加 全産業 運輸業 弊社
※延べ人数 (厚生労働省公表値参照)
3
第5次中期経営計画策定の背景
福山通運グループ(以下、福山通運)は、第4次中期経営計画において“ESG+ES” ※を基本方
針に持続可能な成長による企業価値の向上に取り組んでまいりました。
しかし、その最終年度となる2020年は、新型コロナウィルス感染症(以下、COVID-19)が全
世界で拡大し、年初から全世界が全く予期しない事態に襲われることとなりました。また、
COVID-19が世界で猛威を振るうなか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会までも延期
に追い込まれました。国内においても4月には緊急事態宣言が発令されるなか、福山通運は、
国民生活のライフラインである“物流” を止めないため、安全・安心を最優先に総力を結集し、
物流を担う企業としての使命感を持って事業を継続してまいりました。
この機に際し、安全・安心な物流サービスを安定かつ継続して提供し続けていく“決意”を新た
に、第5次中期経営計画を策定いたしました。
※ESG+ES :
ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:企業統治)
+ES(Employee Satisfaction:従業員満足)
4
第5次中期経営計画の位置づけ
福山通運の経営理念は、「すべての多様な人々と協働し、安全・安心な物流サービスの提供を通じて心豊かで
活力のある社会を実現していく」ことを目的としております。まさしく、持続可能な社会の実現に取り組むこと
です。福山通運は、物流を担う企業としての使命を果たすだけでなく、これからは持続可能な社会の実現を支え
る企業でもありたいと考えております。引き続きESG経営を推進し、すべてのステークホルダーの皆様のご期
待にお応えすべく満足度の向上に努め、安全・安心なサービスをお届けし続けてまいります。
With/Postコロナの時代は、いままでの仕事のやり方、生活の仕方が通じないニュー・ノーマル(新常態)の世
界となり、AI、5G、IOT※などのデジタル基盤技術の活用による新しい生活様式に対応したサービスが求
められてきます。これらは物流も例外ではありません。このような状況のなか、企業は、今まで以上に「持続可
能性(Sustainability)」を高めていく新たな成長戦略が必要となります。第5次となる中期経営計画では、国連
で定めた2030年までに世界が達成すべき持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)を
踏まえた基本方針を設定し、経営目標の達成を目指してまいります。
※AI : Artificial Intelligence(人工知能)
5G : 5th Generation(第5世代移動通信システム)
IOT: Internet of Things(モノのインターネット)
5
第5次中期経営計画の経営目標
項目 目標値
売上高 3,200億円
営業利益率 7%以上
自己資本利益率 '7%
(ROE)
7 日 連 続 休 暇 取 得
CO2 の 削 減
6
事業別セグメントの目標
売上高 営業利益
セグメント 主な事業内容
2020年度予想 2023年度目標 2020年度予想 2023年度目標
運送事業 2,511 2,750 181 195
ネットワーク事業 国内輸送 2,040 2,140 143 146
貸切事業 チャーター・ルート配送 471 610 38 49
流通加工事業 加工作業・貨物保管 184 190 31 32
国際事業 国際運送・国際利用運送・通関 78 100 3 8
その他事業 不動産賃貸・商品販売 155 150 22 23
新規事業 - - 90 - 4
セグメント間相殺 △ 78 △ 80 △ 37 △ 38
合 計 2,850 3,200 200 224
(億円)
7
第5次中期経営計画 基本方針
持続可能(Sustainable)な成長を実現することで、企業価値の向上に努めるという前中期経営計画の基
本方針を継承してまいります。環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に福
山通運の企業価値の源泉である創業以来の労使協調の基盤となる従業員満足(Employee Satisfaction)を
加えたESG+ESを深化させ、更なる企業価値の向上を図り、SDGsの達成に貢献してまいります。
E 環境 脱炭素社会の実現への取り組み
(Environment) 環境負荷低減による豊かな自然環境づくり
S 社会 安全・安心で豊かな社会づくりへの貢献
(Social) ダイバーシティの推進
G 企業統治 コンプライアンス体制の強化とリスク管理
(Governance) 企業情報開示の充実
ES 従業員満足 「働きがい」のある職場環境への取り組み
(Employee 多用な人材の育成と活用
Satisfaction) 健康増進の取り組み
8
第5次中期経営計画 基本方針
環境 Environment
1.脱炭素社会の実現への取り組み
①太陽光発電など再生可能なエネルギーの導入
②モーダルシフトと輸送生産性の向上
・ソーラーパネル(前橋支店) ・福山レールエクスプレス号
2.環境負荷低減による豊かな自然環境づくり
①紙の使用量の削減
②環境財団の活動
③グリーン物流の推進※
・受領書のデジタル化 ・環境財団の活動
※温室効果ガスの低減など環境に配慮した物流
9
第5次中期経営計画 基本方針
社会 Social
1.安全・安心で豊かな社会づくりへの貢献
①バラの花や樹木を全国に植え、潤いのある街づくりに貢献
②渋谷育英会・小丸交通財団・福山通運小丸環境財団の活動支援
③国立大学法人広島大学と無呼吸症候群(SAS)の研究(産学連携)
・SASの研究(広島大学)
④Gマーク取得推進※
2.ダイバーシティの推進
①女性人材の登用・活躍推進
②グローバル人材の育成強化
・交通安全教室(小丸交通財団) ・グローバル人材の育成
※国土交通省が推進する「安全性優良事業所」の認定制度
10
第5次中期経営計画 基本方針
企業統治 Governance
1.コンプライアンス体制の強化とリスク管理
①内部監査の充実・強化
②BCP(事業継続計画)管理の徹底※⑴
・決算説明会の開催
2.企業情報開示の充実
IR、ホームページによる情報開示の強化※⑵
※⑴Business Continuity Plan ・ホームページ、アプリによる情報開示
(緊急事態発生時における事業資産の確保・継続)
※⑵Investor Relations
(株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどを広報活動)
11
第5次中期経営計画 基本方針
従業員満足 Employee Satisfaction
1.「働きがい」のある職場環境への取り組み
①労働力の確保で組織力を強化し適切な配置を実現
②ワークライフバランスを推進し労働環境を改善
③ホワイト物流推進※⑴
2.多用な人材の育成と活用
・管理職研修
①女性労働力と高年齢労働力の活用
②社員の成長と次世代幹部育成につながる教育の拡充
3.健康増進の取り組み
①健康経営優良法人への取り組み※⑵
②再検査受診を含めた健康診断環境の強化 ・女性ドライバーの採用
※⑴トラック運転者不足に対応し、物流の安定と経済の成長に役立つことを目指した運動
※⑵地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に
優良な健康経営を実践している法人 12
第5次中期経営計画 DX戦略
DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略
福山通運は、AIやIOTなど最新技術(IT)と社内に蓄積したビックデータを最大限に活用する
ことで、デジタル化による業務改善のみならずネットワーク事業を始めとする各事業のビジネ
スモデルを変革し、業務や組織も改革していくことを目指しております。これにより、SDGs達
成への貢献をより加速し、持続可能な社会の実現を支える企業として、新たな企業価値を創出
してまいります。
福山通運は、デジタル技術を活用して、以下のことに取り組んでまいります。
1.紙ベースの「アナログ」業務を削減し、生産性を飛躍的に向上させます。
2.すべての業務の「見える化」を加速し、BPR(業務改革) ※に取り組みます。
3.事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応する組織に改革します。
※BPR:Business Process Re-engineering(業務改革)
13
経営資源の配分方式
投資項目と金額
(億円)
ネットワークに係わる投資 308 合計 700億円
情報関連に係わる投資 90
省力機器に係わる投資 32
環境関連に係わる投資 240
新規事業・業容拡大投資 30
要員計画
従業員数 目標 29,000人
14