9052 山陽電鉄 2019-05-17 15:00:00
山陽電鉄グループ中期経営計画(2019年度~2021年度)の策定について [pdf]

                                             2019年5月17日
各    位


                      会 社   名 山陽電気鉄道株式会社
                      代 表 者 名 代表取締役社長           上 門 一 裕
                      コード番号 9052
                      上場取引所 東証第1部
                             常務取締役
                      問 合 せ 先 経営統括本部副本部長 荒 木 素 直
                             兼ゼネラルマネージャー
                             (TEL    078-612-2032)




    山陽電鉄グループ中期経営計画(2019 年度~2021 年度)の策定について



 当社グループでは、このたび、第 2 次計画となる「山陽電鉄グループ中期経営計画(2019 年度
~2021 年度)
        」を策定しましたので、お知らせいたします。


 基本方針としては、
         「厳しい事業環境に適応し、持続的な成長・発展を成し遂げるための基盤強
化に努める」と定めています。また、5 つの基本戦略として「各事業の連携強化による企業価値
の向上」「沿線活性化に向けた取り組みの推進」「非鉄道事業分野での収益基盤の着実な拡充」
   、                  、                    、
「安全・安心の確立とサービスの向上」「健康で明るく活き活きと働ける職場環境の整備」を掲
                 、
げ、激しく変化する社会環境に対応できる強固な経営体制の確立を目指します。


 長期的な視点で見たときには、少子高齢化の進行による人口減少をはじめ様々な外部環境の悪
化も想定されます。また、2020 年東京オリンピック後の景気の不透明感や、異常気象による自然
災害の発生などにより、予期せぬ経済状況の悪化が起こる可能性もあります。このように、当社
グループを取り巻く厳しい環境に変わりはありません。このような状況にあっても、持続的なグ
ループの成長・発展を目指すため、中期経営計画に取り組んでまいります。
1.計画期間
 2019 年度から 2021 年度までの 3 年間


2.基本方針
 厳しい事業環境に適応し、持続的な成長・発展を成し遂げるための基盤強化に努める。


3.基本戦略
①「各事業の連携強化による企業価値の向上」
  事業の枠にとらわれず連携をはかり、グループの企業価値の向上をはかる。
②「沿線活性化に向けた取り組みの推進」
  沿線まちづくりや駅の魅力向上によって居住人口・交流人口の増加を実現するとともに、
 イベントの開催 連携や沿線スポーツとの連携など、
        ・                沿線活性化に向けた取り組みを推進する。
③「非鉄道事業分野での収益基盤の着実な拡充」
  不動産業を中心として、非鉄道事業分野での収益基盤の着実な拡充を進める。
④「安全・安心の確立とサービスの向上」
  安全・安心の確立とサービスの向上のため、財務の健全性を維持した上で必要な設備投資を
 実施するとともに、計画的な人材の確保・育成に注力する。
⑤「健康で明るく活き活きと働ける職場環境の整備」
  日常業務の見直しや効率化をはかるなかで、健康で明るく活き活きと働ける会社を目指す。


4.主要事業戦略
(1)運輸業
①鉄道事業
Ⓐ鉄道部門
・沿線人口の減少が確実視されるなか、関係各所との連携をさらに強化し、沿線まちづくりや駅
 の魅力向上による沿線価値向上によって居住人口・交流人口の増加を実現するとともに、年間
 輸送人員を 6,000 万人以上とする。
・沿線観光資源の魅力を広く情報発信することや、イベントの開催・連携、沿線スポーツとの連
 携などによって沿線を活性化させ、沿線の魅力向上を自ら創出することや私鉄ネットワークを
 活用することで、インバウンド市場の取り込みと、京阪神地域をはじめとした国内での交流人
 口の増加促進をはかる。
・
「有責事故」および「重大インシデント」ゼロを継続するとともに、鉄道内要因による輸送障害
 ゼロを将来的な目標に安全性の維持向上をはかる。
・顧客ニーズを的確に捉えた商品の造成や、お客さまの視点に立った接客レベルの向上・駅の利
 便性向上など、利便性・快適性の充実改善を進め、お客さまに選んで頂ける上質なサービスを
 実現する。
・競合輸送機関との競争力を強化し、輸送人員の獲得拡大をはかる。
Ⓑ索道・遊園部門
・鉄道事業との一体運営。
・安全・安心の確立。
・行楽施設としての魅力度アップ。
・情報発信と外部営業の強化。
・ローコストオペレーションの徹底。
・神戸市との連携。


②バス事業
・垂水地区における営業基盤強化を行う。
・2021 年度の有責事故件数を、2018 年度比半減を目指す。
・不採算路線からの撤退や規模縮小を進める。
・観光貸切については需要状況、営業体制等を考慮し、将来の方向性を決定する。
・安定的な事業運営のために運転士不足を解消する。
・バス事業に必要な資産を持ち、自立的・機動的な事業運営を行う体制を構築する。
・建物・設備の老朽化更新を行う。


(2)流通業
①百貨店事業
・西播磨地域における商業施設としての絶対的地位の確立。
・売上高減少にも耐えられる筋肉質経営の推進。
・時代にマッチした商業施設としての「新・百貨店」への転換。
・老朽化した設備の更新とリモデルを合わせた本館耐震工事計画の策定。
・業務効率の向上(ペーパーレス化、電子化)。
・オンラインショッピングの充実。


(3)不動産業
・安定・継続的に事業収益を確保できる体制構築。
・事業領域および事業エリアの拡大。
・実効性のある CRE 計画、ポートフォリオ戦略の策定・実行。
・グループ保有不動産の一元管理による、シナジーの発揮。
5.2021 年度の連結目標経営指標
                                         (百万円)
                     2018 年度           2021 年度
                         実績             計画
 営業収益                    51,475          52,000
 営業利益                     3,686           3,300
 親会社株主に帰属する当期純利益          2,285           2,100
 EBITDA *1                7,760           7,800
 有利子負債残高 *2              35,356          38,000
 有利子負債/EBITDA 倍率              4.6            4.9
  *1 EBITDA=営業利益+減価償却費
  *2 有利子負債残高=借入金+社債


<収益性について>
 連結目標経営指標の中でも EBITDA を特に重視し、収益性の向上を目指してまいります。
 本計画期間では、営業収益は不動産業を中心に増収をはかります。一方で、営業利益と親会社
株主に帰属する当期純利益については、安全・安心の確立とサービスの向上に必要な設備投資の
実施などにより、減価償却費を中心とした費用の増加を見込むことから、2018 年度実績を下回る
計画となります。
 しかしながら、5 つの基本戦略に基づき基盤強化に努めることで、EBITDA は 2018 年度実績
を上回る水準を確保し、収益性の向上をはかります。


<財務の健全性について>
 安全・安心の確立とサービスの向上に必要な設備投資の実施により、有利子負債残高は 2018
年度実績より増加しますが、EBITDA も増加するため、有利子負債/EBITDA 倍率は 4 倍台を保
ち、財務の健全性を維持する計画となります。
(参考)前回計画の達成状況について
                                            (百万円)
                    2018 年度     2018 年度
                                            計画比
                     実績          計画
 営業収益                 51,475      50,000    +1,475
 営業利益                  3,686       3,100     +586
 経常利益                  3,734       3,000     +734
 親会社株主に帰属する当期純利益       2,285       1,900     +385
 EBITDA                7,760       7,600     +160
 有利子負債残高              35,356      37,500    △2,144
 有利子負債/EBITDA 倍率          4.6         4.9    △0.3


 企業業績や雇用環境の改善を背景として、通勤定期を中心に輸送需要が増加したことなどによ
り、鉄道事業が堅調に推移しましたほか、不動産業におきましても分譲マンション事業を中心に
収益基盤の拡充に努めました。
 その結果、収益・利益ともに計画を上回り、有利子負債残高および有利子負債/EBITDA 倍率も
含め、最終年度の数値目標を全て達成することができました。


                                                     以   上