9049 京福電鉄 2021-05-26 17:00:00
京福グループにおける今後の事業の方向性について [pdf]
                                                2021 年 5 月 26 日
各   位
                           会 社 名   京福電気鉄道株式会社
                           代表者名    取締役社長      大塚 憲郎
                                   (コード番号 9049     東証第二部)
                           問合せ先    取締役管理部長       長尾 拡昭
                                   (TEL 075-841-9385)
           京福グループにおける今後の事業の方向性について
 当社グループでは、
         2019 年 6 月 20 日に、2023 年度までの「京福グループ中期経営計画 2023」
を策定しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、経営環境が劇的に変化
したためこれを打ち切るとともに、
               「with コロナ、after コロナ」という新たなライフスタイ
ルに順応すべく、2023 年度までの事業の方向性を整理しましたので、お知らせします。
                          記
1.「京福グループ中期経営計画 2023」(2019~2023 年度)の検証
 当社グループは、経営ビジョンのもと、「安全・安心」への継続投資】「沿線深耕」を通じ
                  【             【
たエリア戦略】
      【沿線のまちづくり】を基本方針に、エリア屈指のなくてはならない交通機関
への成長や住んでよかった・来てよかったと感じていただける沿線づくりによる京福ブラン
ドの醸成を目指してきました。
 嵐山線では、
      「安全あんしん5ヶ年計画」に基づき、北野白梅町駅の全面リニューアルをは
じめ、駅施設を中心にバリアフリー化や安全性向上のための工事を計画的に実施するととも
に、管理・監督職がサービス介助士資格を取得するなど、ソフト面でのバリアフリー化に向
けた取り組みを行いました。バス・タクシー事業では、京都地区において老朽化した整備工
場の建て替えにより安全運行の基盤を整備したほか、福井市内においては乗合・貸切バスと
タクシーの拠点統合を実施することで、よりきめ細やかな地域交通サービスの実現に向けた
一体的な運営管理、営業体制のスタートを切りました。また、不動産事業においても、新た
な賃貸住宅の建設や土地・戸建の分譲にも取り組むなど、増収を図るとともに沿線エリアの
活性化を目指しました。
 しかし、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は甚大で、運輸業およびレジャー・サ
ービス業でこれまでにない営業損失となりました。これに対し、不動産事業の増益により補
填を図ったものの、2020 年度は減損損失の計上もあり遺憾ながら目標未達となりました。
2.基本方針
 今後の事業の方向性は、コンセプトを「adapt + rebuild(順応と再構築)」とし、これま
での中期経営計画は打ち切りますが、継続すべき施策は継続し、新たな経営環境に即して見
直すべきは見直し、経営基盤の再構築のため、
                    【安全・安心】
                          【構造改革】
                               【SDGs】を柱に
持続可能な組織・事業体への変革を実現するための取り組みを行います。
【経営基盤の再構築】
 これまでの中期経営計画において、主に期間後半での実現可能性を模索していた「大規模
投資を前提とした成長戦略」については事業環境が整った時点で再検討することとし、まず
は新型コロナウイルス感染拡大によって大きく変化した外部環境に適した組織や事業体への
変革を志向した基盤の再整備を優先します。また、成長戦略として掲げた「沿線拡大」への
着手についても一旦見合わせ、既存の事業エリアの充実である「沿線深耕」に注力します。
一方で、基幹事業である交通事業での安全に対する投資と働き方改革等に対応した人材確保
と人材活用は、これまでどおり最優先で進めます。
(1)【安全安心】の取組み:安定かつ継続したヒトとモノへの投資(これまで通り)
 ○設備更新
 ・「安全あんしん 5 ヶ年計画」に基づく老朽化設備の更新・バリアフリー化の継続実施
 ・車両やバスロケーションステムの更新、福井交通事業での車載器の IC 化による効率化の
  実施
 ・保有施設の災害等に備えた投資の継続実施
 ○人材活用
 ・雇用期間の延長に向けた健康管理(SAS 検査、脳ドック等)の充実
 ・グループ全体としての有用な人材確保と人材活用への仕組みの充実
 ・安全教育(ヒューマンエラー防止、ドライブレコーダーを活用した事故分析)
                                    、接客教育
  の充実
 ○危機管理
 ・新型ウイルス、自然災害および情報管理に対する危機管理体制の充実
(2)【構造改革】の取組み:with コロナ・after コロナ下での安定収益の確保
 「with コロナ、after コロナ」の新たなライフスタイルに順応しつつ収益を確保していく
ため、働き方改革に沿った収益構造や組織見直しを図りガバナンス体制の向上も推進します。
 ○安定した収益構造への転換
 ・福井交通事業のシナジーを最大限に引き上げるための地域交通事業戦略の見直しと推進
 ・福井エリアの北陸新幹線開通に向けた着実な対応
 ・外部環境の変化に対応するための不動産事業利益の拡大ほかポートフォリオの再構築と
  投資配分の整備
(3)【SDGs】の取組み:持続可能な社会および企業の実現
 当社グループの経営理念・行動憲章と安全・安心や環境保護などの従来からの取組みの多
くがSDGsの方向性ときわめて親和性が高く、当社グループが取り組むべきSDGsの重
要課題を整理し、持続可能な社会への貢献を目指します。
 ○重要課題
 ・安全・安心でユニバーサルな事業とまちづくり
 ・人と地球に優しいエコでクリーンな事業推進
 ・笑顔のパートナーシップと学び合いによる事業創出
3.定量目標
 2023年度収支および財務状況の2018年度並みまでの回復を目指します。
 なお、新型コロナウイルスの影響は、2024 年 3 月(2023 年度)までは継続し、インバウン
ド需要は十分回復しないと見込んでいます。一方で、国内需要については新たな生活様式に
よる消費動向の変化に対応し、2024 年 3 月(2023 年度)までに新型コロナウイルス流行前の
水準に回復することを見込んでいます。
                                              以上