9045 京阪HD 2020-11-05 15:00:00
京阪グループにおける今後の事業の方向性について [pdf]

                                                 2020 年 11 月 5 日
各    位
                                  会 社 名京阪ホールディングス株式会社
                                  代表者名 代表取締役社長 石丸 昌宏
                                       (コード:9045、東証第1部)
                                  問合せ先 執行役員 経営統括室経営戦略担当部長
                                                     塩山 等
                                       (TEL.06-6944-2529)


              京阪グループにおける今後の事業の方向性について


    当社は、今後想定される業績への影響、並びに厳しい経営環境に鑑み、今後の事業の方向性を策定いたし
ましたので、お知らせいたします。


                              記


    当社グループでは、京阪グループ長期戦略構想のもと、2050 年を見据えた経営ビジョン「美しい京阪沿線、
世界とつながる京阪グループへ」の実現に向け、2026 年度を目標年次とする長期経営戦略を定め、「沿線再
耕」
 「観光共創」「共感コンテンツ創造」の主軸戦略を推進しております。
    しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、人の移動を根幹とする当社グループの事業
活動に幅広い影響が生じており、また、お客さまの価値観やライフスタイルも大きく変化いたしました。
    この現状を踏まえ、当社グループでは、当面の間を「激変する事業環境の見極め期間」とし、以下のとお
                 ビ オ スタ イ ル
り「安全安心」「構造改革」「BIOSTYLE」を今後の事業の方向性と定め、経営基盤の立て直しを図ってまいり
ます。
    なお、長期経営戦略に掲げる主軸戦略については、ウィズコロナ・アフターコロナの社会を見据え、各プ
ロジェクトの見直しを図りながら、進めてまいります。


【今後の事業の方向性】
            ➢感染症や災害等により不安にさらされる状況においても、安心してご利用いただける
安 全 安 心
             商品・サービスを提供
            ➢既存事業の需要減に対応した体制を確立するとともに、新しい生活様式に対応する商
構 造 改 革
             品・サービスを展開
            ➢人々の暮らしの価値を高めると同時に社会課題の解決に資する商品・サービスを展開
BIOSTYLE


※現中期経営計画「くらし・まち・ときめき創造」(2018~2020 年度)については、計画策定時と現在の事
    業環境に大幅な乖離が生じており、また、2019 年度決算において、新型コロナウイルス感染症の影響を除
    くと、定量目標を前倒しで概ね達成することができたことから、現中期経営計画は、2020 年度期中であり
    ますが終了することといたします。


(参考資料)『京阪グループにおける今後の事業の方向性』


                                                        以     上
    京阪グループにおける
    今後の事業の方向性

            2020年11月5日
     京阪ホールディングス株式会社
( 東証1部 9045 https://www.keihan-holdings.co.jp/)

       将来の予測等に関する記述は、当社が現時点において入手可能な情報及び
    将来の業績に影響を与える不確実な要因に係る現時点における仮定を前提としています。
 現中期経営計画の終了
現中期経営計画「くらし・まち・ときめき創造」(2018~2020年度)の終了
• 新型コロナウイルスの影響により、計画当初と現在の事業環境に大きな乖離が生じている
• 中期経営計画の定量目標は、新型コロナウイルスの影響を除いた場合、
  2019年度時点で概ね達成
⇒ 以上を勘案し、 2020年度期中であるが、現中期経営計画は終了とする

《定量目標の達成状況》

                             2019年度        2019年度       2020年度
                              実績          コロナ影響なし(想定)    目標
 E   B   I   T       D   A     519億円           568億円      570億円
 ネット有利子負債
                                6.01倍           5.50倍         6倍台
 /EBITDA倍率
 R           O           E         8.3%          8.9%      8%以上
 営       業       利       益     311億円           360億円      335億円
(※)EBITDA:営業利益+減価償却費
   ROE   :自己資本当期純利益率




                                                                    1
 現中期経営計画の終了
《主軸戦略および事業戦略の進捗状況》
                状況    実施事項                       完了時期(※)
   沿線再耕         完了     枚方市駅リニューアル               2018年12月
                推進中    淀屋橋御堂筋ビル建替               2025年度
                       中之島4丁目未来医療国際拠点整備         2023年度
主                      枚方市駅周辺再開発                2023年度
軸
戦                      京橋駅周辺再開発                 未定
略 観光共創          完了      THE THOUSAND KYOTO開業    2019年1月
                推進中     三条駅周辺再開発                未定
   共感コンテンツ創造    完了      GOOD NATURE STATION開業   2019年12月
   運輸業          完了     • 北野白梅町駅リニューアル            2020年3月
                       • 貴船口駅リニューアル              2020年3月
                推進中    • 3000系車両プレミアムカー導入        2021年1月
                       • 新型ATS京阪線全線導入            2021年3月
事 不動産業          完了     • 虎ノ門ヒルズビジネスタワー竣工         2020年1月
業
戦 流通業           完了     • フレスト松井山手店リニューアル         2018年11月
略
                       • 京阪シティモールリニューアル          2019年3月
   レジャー・サービス業   完了     • くずはゴルフリンクスリニューアル        2019年9月
                推進中    • ホテル京阪 天満橋駅前出店           2021年春
                       • (仮称)ホテル京阪 なんば グランデ出店    2023年春
(※)…推進中の事項については、完了予定時期を記載                                   2
 今後の事業の方向性
                  消費者の行動変容をもたらす要因

     感染症拡大          自然災害          雇用・家計         高齢化社会



                    ライフスタイルの中長期的変化

    健康・予防を意識した         新しい働き方・暮らし方         環境問題・社会問題への
      行動の定着            (テレワーク等)の浸透           意識の高まり



                     今後の事業の方向性
 ライフスタイルが大きく変化している現状を踏まえ、「安全安心」「構造改革」「BIOSTYLE」
  を当社グループが取り組む今後の事業の方向性とする
 各事業において当該方向性に基づく施策を遂行し、経営基盤の立て直しを図る

        安全安心               構造改革            BIOSTYLE

※ BIOSTYLE(ビオスタイル)…“京阪版SDGs”として当社グループが推進する「健康的で美しくクオリティの高い生活
                   を実現し、循環型社会に寄与するライフスタイル」                     3
    各事業の施策(安全安心)
             感染症や災害等により不安にさらされる状況においても、
    安全安心      安心してご利用いただける商品・サービスを提供

事業別の主な施策
     事業群                       施策
     運輸業   ■安全・防災(自然災害)・衛生(車内・駅)対策の強化

           ■安全・安心・エコ対策を重点とし、
    不動産業
            顧客ニーズの変化に対応する住宅および施設の開発・展開

レジャー・サービス業 ■生活者視点での商品・サービスの展開

    鉄道の安全・防災対策
•   2020年11月、京阪電気鉄道の社員教育訓練施設
    として「総合研修センター」を新設
    新型シミュレータを用いた運転教習などにより、
    従業員の安全意識のさらなる向上を図る
•   運転保安度の維持・向上を目的として、2020年度
    は、耐震補強、変電所更新、多情報連続式ATSの                新型シミュレータを用いた
    京阪線全線への導入等を実施                          運転教習施設


                                                          4
    各事業の施策(安全安心)
    「プレミアムカー」サービスを拡大             医療機関等と連携したマンション開発を推進
•    2021年1月より、3000系車両全編成の       • 医療機関等との連携により、健康管理から介
     6号車に「プレミアムカー」を導入              護までライフステージに応じて入居者を包括的
•    8000系プレミアムカー同様、微粒子イオンで車       にサポート
     内の空気を浄化する「ナノイー X(※)」発生装置    (サービスイメージ)
     を搭載                             健康診断、かかりつけ医としての相談窓口、
     「確実に座れる」「上質な移動空間」の提供によ          訪問診療、訪問介護、リハビリなどのサービ
     り、人の密集を避け安心して移動できるサービス          ス提供
     を拡充




    (※)「ナノイー」は
     パナソニック株式会社の商標です



    琵琶湖ホテルの取り組み
•    琵琶湖ホテルでは、2020年9月より、
     人の密集を避け、琵琶湖を眺めながら快適に
     仕事ができる「レイクサイド・ワーケーションプラン」
     を提供開始
•    インルームダイニングなど、密を避けた過ごし方を提案
                                                        5
各事業の施策(構造改革)
            既存事業の需要減に対応した体制を確立するとともに、
 構造改革        新しい生活様式に対応する商品・サービスを展開

事業別の主な施策
  事業群                           施策
         ■お客さまの志向の変化や需要の平準化に対応したダイヤ改定
  運輸業
         ■デジタル技術等を活用した鉄道業務の合理化

  流通業    ■eコマースプラットフォームの構築によるグループ横断での独自の商品・サービスの展開
レジャー・サービス業 ■立地の優位性を活かした資産活用

 お客さまの志向の変化に対応したダイヤ改定
• ライフスタイルの変化に伴うダイヤの抜本的な見直しを検討
  (運転本数見直し、終電繰り上げ等)

 デジタル技術を活用した業務効率化
• 橋梁等の鉄道設備            •   駅業務における遠隔監視制御システムやロボットの活用
  の点検にドローンを               などにより、効率的な運営体制によるサービス提供をめざす
  活用することで、
  作業効率を向上                               遠隔制御




                                 お客さま           駅係員
                                                        6
    各事業の施策(構造改革)
    eコマースプラットフォームを構築
•   京阪グループの商品・サービスを、カテゴリーごとに
    容易に展開できるeコマースサイトを構築
•   グループ各社のノウハウを最大限活用し、百貨店の
    バイヤーが発掘・企画した商材や、一流シェフが企画
    した食品など、「手に入りにくい」、「こだわりの」、
    「専門性の高い」 商品やサービスを提供




    立地の優位性を活かしたホテルの利活用を推進
•   京都タワーホテルアネックスでは、京都駅
    徒歩3分の立地を活かし、1階レストラ
    ン「レジーナ」をコワーキングスペースに業
    態転換してリニューアルオープン
•   他のホテルにおいても、自社使用区画を
    縮小し賃貸区画に転換するなど、好立
    地を活かした収益確保策を検討中


                                7
  各事業の施策(BIOSTYLE)
                   人々の暮らしの価値を高めると同時に社会課題の解決に資する
 BIOSTYLE           商品・サービスを展開
事業別の主な施策
  事業群                                                 施策
               ■安全・安心・エコ対策を重点とし、
  不動産業          顧客ニーズの変化に対応する住宅および施設の開発・展開
               ■空き家対策への取り組み等、持続可能な沿線まちづくり
               ■ BIOSTYLE ( 「 エ シ カ ル 」 「 ウ ェ ル ビ ー イ ン グ 」 「 エ ン タ ー テ イ ン メ ン ト 」 ) に よ る
レジャー・サービス業
                差別化・競争力強化
               ■グループ全体でのBIOSTYLE PROJECTの推進・確立
    全社
                (SDGs達成への貢献と事業化支援。ESGを意識したコミュニケーション)
                                           BIOSTYLE PROJECT ガイドライン            (重点SDGs項目)
※BIOSTYLE                                          GOOD for Health
                                                     体に良いか
• BIOSTYLEは、健康的で美しくクオリティの
                                                   GOOD for Minds
  高い生活を実現し、循環型社会に寄与する                       活
                                            動
                                                     心に良いか

  ライフスタイルとして、京阪グループが新たに                     ガ
                                            イ      GOOD for Locals
                                            ド        地域に良いか
  提案するもの                                    ラ
                                            イ      GOOD for Social
• BIOSTYLEを“京阪版SDGs”と位置付け、                  ン
                                                     社会に良いか


  グループ各社が積極的に取り組めるよう                               GOOD for Earth
                                                     地球に良いか

  BIOSTYLE PROJECTとしてガイドラインを制定             ガ   グ   GOOD for KEIHAN Brand
                                           イ   ル     京阪ブランドに貢献するか
                                           ド   ー
                                           ラ   プ
                                           イ
                                           ン
                                                   GOOD for KEIHAN Business
                                                     事業性・継続性はあるか                              8
    各事業の施策(BIOSTYLE)

    環境・健康に配慮した家づくり
•   ゼロ・コーポレーションでは、2020年7月に
    「ゼロホーム守口住宅展示場」をオープン
    ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など
    環境に優しい住宅を提案
•   また、中古住宅や空き家の活用方法を提案することで、
    持続可能なまちづくりにも貢献
•   自社が建築・販売する新築住宅には、抗菌・抗ウイルス
    効果のある光触媒コーティングを全棟標準施工


    グランピング施設を開業
•   2021年4月、滋賀県近江舞子内湖に隣接する社有地に
    グランピング施設を開業
•   カヌーでの内湖周遊、野鳥や琵琶湖固有の
    水生生物の観察、自然の中でのダイナミックな食事など、
    琵琶湖と比良山系の豊かな自然体験が可能
•   自然環境調査や希少生物の保全などを通じて、
    自然との共生を重視した事業運営をめざす
                                 イメージ
                                        9
 各事業の施策(BIOSTYLE)
 ホテルにおけるBIOSTYLEの取り組み              GOOD NATURE STATION
■エシカル                              WELL認証、LEED認証、
                                   ミシュランガイド一つ星・3パビリオンを取得
~地球環境・人・地域社会全体への配慮をめざして~
•   ㈱ビオスタイルのオリジナルコスメ           •   2020年8月、「GOOD NATURE HOTEL
    「NEMOHAMO」をアメニティとして導入予定        KYOTO」がWELL認証(v1)をゴールドランクで、
                                   「GOOD NATURE STATION」がLEED認証を
•   レストランでの有機野菜
                                   シルバーランクで取得(※)
    の食材利用、
    農産物の地産地消など                 •   さらに、2020年10月に「ミシュランガイド京都・
                                   大阪+岡山 2021」において、レストラン3店舗が
■ウェルビーイング                          一つ星として、ホテルが3パビリオンとして掲載
~身体的・精神的・社会的な健康・充足感をめざして~
•   サラダを中心としたビジブルで
    ヘルシーな食の提供
•   屋上テラスでのリラックスヨガ

■エンターテインメント
~体験価値の付加をめざして~                 •   BIOSTYLE PROJECTの推進拠点であると同時
•   ホテル客室を京阪電車                     に、お客さまから評価いただけるサービスを提供す
    コラボコンセプトルームに改装                 る商業施設として、更なる魅力の向上をめざす
•   e-sports関連サービスの            (※)…WELL認証:建物内で暮らし、働く居住者の健康・快適性に
    提供を検討                                 焦点を当てた建物・室内環境評価システム
                                   LEED認証:ビルト・エンバイロメント(建築や都市の環境)の
•   有名社寺 非公開スポットでの特別体験プランの提供
                                          環境性能評価システム
                                                               10
  長期経営戦略について
 ウィズコロナ・アフターコロナの社会においても、京阪グループが持続的に成長するために、
  2026年度を目標年次とする長期経営戦略に掲げる主軸戦略は、
  事業環境の変化に応じた見直しを図りながら推進する

※ 当面の間を「激変する事業環境の見極め期間」とし、
  主軸戦略と合わせて、「安全安心」「構造改革」「BIOSTYLE」に基づく施策を遂行し、
  経営基盤の立て直しを図る

                      長期経営戦略(2018~2026年度)


                                                    沿線再耕
       中期経営計画           今後の事業の方向性
   「くらし・まち・ときめき創造」
                           安全安心                     観光共創
                           構造改革
        (終了)              BIOSTYLE
                                            共感コンテンツ創造

2018   2019    2020      …………………………………       2025      2026

   主な                     東京オリンピック                        夢洲IR
 イベント・事業                                            大阪・関西万博
                                                                 11
主軸戦略について

               •   当社グループにとって沿線価値向上は経営の原点であるため、淀屋橋、中之島、
沿線再耕               枚方市を中心に、ライフスタイルの変化に応じた拠点開発を引き続き推進する
               •   中長期的な観光マーケットの回復を踏まえ、ウィズコロナ・アフターコロナの社会にお
観光共創               ける観光のあり方を見極めながら、三条の開発等を推進する

共感コンテンツ        •   コロナ禍により、BIOSTYLEが、お客さまに共感されやすい状況となったことを踏まえ、
創造                 グループ全体でのBIOSTYLE PROJECTの推進・確立に取り組む

                        2018   2019    2020     2021    2022   2023   2024     2025   2026

          淀屋橋御堂筋ビル      都市計画決定○           ○ 解体開始       ○着工                   竣工●
          建替
          中之島未来医療国際
          拠点整備                                 未来医療国際拠点開業●
沿線再耕
          枚方市駅周辺          都市計画決定○         ○再開発事業着手       社有地エリア開業○    事業完了予定●
          再開発

          大阪東西軸復権                                       京橋駅周辺再開発・中之島線延伸

観光共創      三条・出町柳・
          中書島 駅周辺再開発                                         三条の開発等を推進

共感コンテンツ   BIOSTYLE推進   GOOD NATURE
                                   ●          グループ全体でのBIOSTYLE PROJECTの推進・確立
創造                      STATION開業




                                                                                             12
お問い合わせ先




    京阪ホールディングス株式会社
          経営統括室経営戦略担当
            TEL 06-6944-2529