9021 JR西 2020-10-30 15:00:00
「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直し [pdf]

               「JR西日本グループ中期経営計画 2022」見直し
                                            2020 年 10 月 30 日
                                            西日本旅客鉄道株式会社

Ⅰ.背景と位置付け
・今回の見直しでは、中長期的な財務基盤の回復、社会変化を捉えた変革、安全と成長への道筋を示すべく、
  「めざす未来~ありたい姿」の実現に向け、次期中期経営計画期間となる 2027 年度までを見通したうえでの
  方針策定と 2022 年度までの経営指標の見直しを行う。
・「JR西日本グループ中期経営計画 2022」 (以下、中計 2022)に基づき「めざす未来~ありたい姿」の実現に
  向け、グループ一体で取り組みを推進してきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、鉄道・創造事業
  ともに急激に業績が悪化。大規模な資金調達を行うとともに、経費節減や設備投資の抑制に注力している。
・中計 2022 見直しにおいては、お客様の行動変容による市場構造の変化に対応するために、鉄道の高コストな
  事業構造を改革すること、新たな価値を創造することならびにグループ全体で予測困難な未来への変化対応
  力を向上させることが重要な経営課題である。
・短期間でのご利用回復は見通せず、財務基盤が大きく損なわれたことで、中計 2022 の取り組みにも多くの
  影響が見込まれ、当初掲げた収支面の目標達成は困難な状況にある。
・しかしながら、社会の変化を変革の契機と捉え、当社グループの存在意義、変わらぬ価値観を改めて確認し、
  安全性の向上に取り組むとともに、雇用とサプライチェーンを守るためにも困難を乗り越え、大阪・関西
 万博開催といった機会も活かし、地域と共に成長し続け、持続可能な社会づくりに貢献する。
・なお、当面の将来予測も難しい状況から、本計画はコロナ禍の収束状況を見ながら、随時修正する。
Ⅱ.環境変化とJR西日本グループがめざすもの
1.環境変化                                                   V1
(1)確実に訪れる未来
 ・日本国内の人口減少      ・自然災害の激甚化(風水害等)
  ⇒ 消費市場縮小の長期トレンド、労働力確保の難化
    災害による経済への影響、設備被災等のリスク
(2)早く訪れた未来・変化の先が読めない未来(コロナ禍を契機に加速した変化)
 ・新たな感染症の脅威への再認識
 ・ICTツール活用によるデジタル空間の拡がり、働き方を含めた暮らしの多様化、価値観の変化
  ⇒ お客様のニーズが「画一・集中」から、一部「多様・分散」へシフト
    大都市圏一極集中から地方への関心の高まり
2.変化の中でJR西日本グループがめざすものと中計 2022 見直しの方向性                V2
(1)JR西日本グループの存在意義・変わらぬ価値観
 ・
 「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という確固たる決意のもと、事故の反省と教訓を
   重く受け止め、被害に遭われた方々への真摯な対応、安全性向上の取り組み、変革の推進という「経営の
   3本柱」を今後も経営の最重要課題として取り組んでいく。
 ・変化の予測が難しい社会だからこそ、   暮らしを支える企業グループとして、
                                      「人々が出会い、笑顔が生まれる、
   安全で豊かな社会」という「めざす未来」の実現に向けて地域と共に歩み続ける。
(2)中計 2022 見直しの方向性
 ・経営の根幹は基幹事業としての鉄道の安全であり、    「JR西日本グループ鉄道安全考動計画 2022」を堅持
   し、「組織全体で安全を確保する仕組み」と「安全最優先の風土」の構築に取り組むとともに、ハード・
   ソフトの組み合わせによる安全対策を進め、さらなる安全性向上に努める。
 ・人と人との出会いやつながり、地域同士の結びつきで生まれる「笑顔」は、社会が変化しても変わらない価値
   であり、出会い、つながることによりイノベーションも生まれる。だからこそJR西日本グループは人と人、
   地域をつなぎ、暮らしを支える地域共生企業として成長し続ける。そのために、新たな移動の創出や暮らしの
   提案に取り組み、  「訪れたい、住みたいまちづくり」を進めていく。
 ・一方で、繰り返し起こる災禍や、お客様・社会の行動変容によるご利用水準の低下を考えれば、鉄道の
   高コストな事業構造の改革が必要不可欠である。
 ・地域交通については、線区によっては大量輸送機関としての鉄道の特性が発揮できず、地域にお住まいの
   方々のニーズに必ずしもお応えできるものとはなっていないことから、様々なご利用に適した輸送の形や
   新しい交通体系を地域と共に模索していく。
 ・加えて、予測困難な未来に適応する変化対応力を高めるため、イノベーションを生み出す文化の醸成、
   人財の多様化、グループ経営組織改革、グループデジタル戦略の推進に取り組む。

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(3)戦略の構成                                            V3

 ・コロナ禍からの経営再建と事業構造改革の行程を、
                        「変革・復興期(第Ⅰ期)(~2022)
                                    」     、「変革・復興期(第
  Ⅱ期)(2023~2027)「進化・成長期」
     」          、      (2028~)の三期で捉え、各期に応じた優先順位付けを行う。全期
  を通じて安全性の向上と地域共生に取り組みつつ、
                        「変革・復興期」においては構造改革と財務基盤の立て
  直しによる経営の強靭化に取り組む。特に「変革・復興期(第Ⅰ期)
                                」では変化対応力を高めるべく、企業
  改革に集中的に取り組み、その後の「進化・成長期」におけるさらなる発展につなげていく。
  なお、本見直し計画では、「変革・復興期」全般にわたる経営の方向性と、そのための「変革・復興期
 (第Ⅰ期)」の取り組み・経営指標を示す。
                    「変革・復興期(第Ⅱ期)
                               」の具体的計画は、今後の社会変化を
  踏まえ次期中期経営計画で改めて策定する。
 ・以上を踏まえた中長期戦略は、限られた資源で最大限の効果を発揮させるため、以下4つを軸に再構築する。
  ① 「福知山線列車事故を原点とした安全性向上」                     ・・・
                                                「全期」
  ② 「地域共生の深耕と新たな価値創造への挑戦」                     ・・・
                                                「全期」
  ③ 「経営の強靭化」            ・・・「変革・復興期(第Ⅰ期)「変革・復興期(第Ⅱ期)
                                       」           」
  ④ 「変化対応力を高める企業改革」                  ・・・「変革・復興期(第Ⅰ期)」
Ⅲ.戦略
1.福知山線列車事故を原点とした安全性向上                          ・・・
                                                 「全期」
(1)
  「組織全体で安全を確保する仕組み」と「安全最優先の風土」の構築                   V4
 ・福知山線列車事故後の安全の取り組みを教訓に照らして振り返り、組織として継承していくとともに、
  一人ひとりの考動に結びつける取り組みを推進
 ・ルールや仕組みを定めて、それを守ることによる安全確保に加え、一人ひとりおよび組織がより能動的
  に考動することによる安全確保を推進
(2)踏切・ホームの安全対策の充実
 ・お客様との接点である踏切・ホームにおける安全対策をさらに推進
(3)鉄道労災対策
 ・労働災害防止に向けて、過去の事象を踏まえた対策を実施するとともに、労災につながる作業自体の削減に
 向けた検査の車上化等を推進
(4)自然災害対策(防災・減災)
 ・自然災害の激甚化に備え、重要施設への浸水等を想定した対策等も推進
(5)新型コロナウイルス感染防止
 ・お客様の感染拡大防止に向けて、駅・車内での消毒や設備の抗菌・抗ウィルス化等を推進
 ・混雑回避に資するリアルタイムかつ詳細な情報提供

2.地域共生の深耕と新たな価値創造への挑戦                          ・・・
                                                 「全期」
(1)地域共生の深耕                                        V5~7
   JR西日本グループがこれまで築いてきた、新幹線を基軸とした各エリアの鉄道ネットワークの充実と
  地域に根差した生活サービスとの融合により「訪れたい、住みたいまちづくり」につなげるスパイラル
  アップの展開にさらに磨きをかけ、地域の中核都市の発展への寄与と分散型社会への適応につなげる。
  そのためにも、デジタル技術も活用し、さらに便利で魅力的な移動・生活サービスを創造・提供する。
  ・広域鉄道ネットワーク充実のための山陽新幹線の利便性向上と北陸新幹線の新大阪への早期全線開業
  ・大阪・関西万博を契機とする関西都市圏ブランドの確立(鉄道ネットワークの利便性向上、重点線区での
   まちづくりに向けた拠点駅開発推進)
  ・「せとうちパレットプロジェクト」をはじめとした、鉄道・創造事業、地域が一体となった西日本
   各エリアの魅力創出
  ・ICOCA、MaaS、ネット予約サービスのシームレスな連携および会員・ポイント共通化、データ
   利活用を通じた個々のお客様に合わせた便利で魅力ある移動・生活サービスの提供
  ・事業スキームの多様化、他社協業や再開発事業への参画によるサスティナブルなまちづくり、地域の
   コミュニティを創出する生活密着型商業施設の展開



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(2)最適な地域交通体系の模索・実現
    引き続き全ての線区を対象に、ご利用に応じた列車ダイヤの適正化に取り組むとともに、鉄道の特性が
  発揮できないと考えられる線区については、イノベーションの力も活用しながら、地域のニーズにより
  適した持続可能な新しい交通体系を、積極的に地域と共に模索し早期に実現していく。
(3)新たな価値創造への挑戦
    既存資源の最大活用や社会変化に対応した多様な暮らし方や働き方の提案につながる新たな価値を
   提供する。
  ・多拠点生活者向けの「住まいのサブスク」   、不動産・ホテルにおける既存施設を柔軟に活用した
    サービス(シェアオフィス等)によるテレワーク・ワーケーション拠点の市場開拓や、新たな移動ニーズ
    に対応するサービス創造
   ・データ分析を通じて得られたソリューション技術の外部展開、 既存の事業資産を新たな用途で活用した
    事業展開への挑戦

3.経営の強靭化               ・・・「変革・復興期(第Ⅰ期)「変革・復興期(第Ⅱ期)
                                      」           」
(1)財務基盤の早期回復による財務健全性の確保
    今後新たな感染症や自然災害といった災禍が起こった場合でも、 社会インフラを担う企業グループとし
   ての使命を果たし続けていくために、また、変化対応力を向上させ、さらなる発展につなげるためにも、
   早期に財務基盤の回復を図る。
    資金使途の優先順位は、①安全投資、②債務削減・成長投資・株主還元とし、基幹事業である鉄道の
   安全投資を最優先に、早期の債務削減に重点を置くとともに、より効果の高い成長投資と長期安定的な
  株主還元を実行する。
(2)構造改革                                          V8
    予測困難な未来に対応しながら価値を提供し続けるとともに、 行動変容によりご利用減少が継続したと
  しても安定した利益が創出できる事業構造への改革を進める。
   ・生産性向上(CBM※確立を軸とするメンテナンスのシステムチェンジ、駅での販売のあり方見直し等)
    ※Condition Based Maintenance:設備状態の常時監視による品質と効率性を両立させる予防保全
  ・鉄道輸送におけるご利用ピーク時間帯や時期の平準化に応じた列車ダイヤの適正化
  ・創造系各事業における市場変化に柔軟に対応したスピーディな事業ポートフォリオの見直し
   やアライアンス強化、業務プロセス見直しによる高効率化の実現
  ・組織構造改革、働き方改革による本社・支社機能の見直しと間接部門の生産性向上

4.変化対応力を高める企業改革                    ・・・「変革・復興期(第Ⅰ期)」
(1)企業風土改革、人財、組織
    変化の予測が難しい社会において成長し続けるためには、既存事業のオペレーション改善や強みの深掘
  りといった既存分野と、 環境変化に対応した新たな機会獲得や事業領域の開拓といった新規分野の両面に
  おいて、果敢に挑戦し、さまざまな人やパートナーと出会い、試行錯誤を積み重ね、イノベーションを
  起こすことが重要である。それを実現していくのは人財であり、人の可能性を最大限引き出し、成長
   できる場づくりを重視して、組織と人財が共に変化に対応し成長していくための基盤づくりに取り組む。
   ・不確かなものへの挑戦を促す企業風土への改革
   ・多様な人財が活躍し、それぞれが認め合い、能力を高め合う組織風土構築とさらなる成長支援
   ・グループ経営強化を実現する実行力と変化対応力を兼ね備えた組織と仕組みの構築
(2)JR西日本グループデジタル戦略の推進                          V9・10
    デジタル技術によりJR西日本グループが持つ豊富で多彩なデータの利活用を促進し、駅や店舗、地域
   のリアルな体験へとつなげることで、新しい価値を生み、提供し続け、西日本エリアの活性化に貢献、
  さらにそのプロセスを通じた業務変革を進める。
  【デジタル戦略の軸 ~3つの「再構築」~】
   ① 顧客体験の再構築(お客様ニーズに応じたサービスのあり方の追求)
   ② 鉄道システムの再構築(技術ビジョンの実現)
   ③ 従業員体験の再構築(働き方改革)



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「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直し




       2020年10月30日
      西日本旅客鉄道株式五社
                       環境変化と戦略の方向性                         1
           確実に訪れる未来                  新型コロナウイルス感染症の拡大

・ 日本国内の人口減少                   ・ 国内、インバウンドのご利用急減に伴う業績の急激な
・ 自然災害の激甚化                    悪化
・ 安全ニーズの高まり                   ・ 有利子負債の増加による経営体力の低下

              成長の機会              早く訪れた未来・変化の先が読めない未来
                              ・ ICTツール活用によるデジタル空間の拡がり
・ 大阪・関西万博の開催、夢洲まちづくり          ・ 働き方・暮らしの多様化、価値観の変化
・ 北陸新幹線敦賀開業やせとうちエリア等、地方への     ・ 新たな感染症の脅威の再認識

 注目度の高まり                      ・ お客様の行動変容に伴う市場構造の変化
                               (従来のような形のご利用には戻らない)


  変化のなかでも「変わらぬ価値観」・「JR西日本グループの存在意義」再確認と「変えていくもの」
       変わらぬ価値観・存在意義                      変えていくもの
「福知山線列車事故のような事故を二度と
 発生させない」という変わらぬ決意            ■ 経営の強靭化
 → 「経営の3本柱」は引き続き最重要課題
                              ・ 構造改革によるキャッシュフロー創出力の回復
コロナ禍での人と人とのつながりの制約による         ・ 施策の重点化による財務基盤の回復
ひずみは、むしろつながりの大切さへの再認識に
 → 「人々が出会い、笑顔が生まれる、安全
    で豊かな社会」というめざす未来の実現       ■ 予測困難な未来への変化対応力の向上
    がより重要に
                             「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直しの方向性                              2
■ JR西日本グループの戦略の体系


                                      企業理念・
めざす未来                                 経営ビジョン
~ありたい姿    めざす
                            人々が出会い、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会
                                                                    変わらぬ価値観・存在意義
          未来


          ありたい
                            地域共生企業として、私たちの使命を果たします
           姿
                                  挑戦し続ける企業となります
          提供する
           価値                    ステークホルダーの皆様を「笑顔」に                                   不変
      グループ
      共通戦略        地域価値の向上            線区価値の向上              事業価値の向上
 JR西日本
  グループ                    鉄道事業                          創造事業
中期経営計画
   2022          ▶基本戦略                     ▶基本戦略                    「JR西日本グループ鉄道安全
                 ①安全性の向上
                 ①安全性の向上
                 ②CSの向上
                                               ①主要事業の深耕
                                               ②新たな市場への進出
                                                                      考動計画2022」の堅持
                 ③生産性の向上                       ③新たな事業領域への展開
                 ④人財育成と技術による変革                 ④成長を支える基盤づくり
                 ▶事業戦略                     ▶事業戦略
                 ①新幹線                          ①物販・飲食
                 ②近畿エリア                        ②不動産賃貸・販売            ・ 取り組みの方向性や価値観
                 ③西日本各エリア                      ③ショッピングセンター(SC)        は変わらない
      経営基盤
                                               ④ホテル
                                                                    ・ 構造改革・施策重点化
       づくり         ▶ESGへの取り組み                  ▶安全と成長に資する組織づくり

                                                                                     見直し
                                                           +
                  「環境変化・予測困難な未来に立ち向かう力」=「変化対応力」
                     を高める企業改革(風土・人財・組織・デジタル化)
                 「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直しの方向性             3
■ 経営再建と事業構造改革の行程、4つの戦略の軸
     2020    2022    2023             2027   2028~
        中計2022                  次期中計以降




 行
      変革・復興期                変革・復興期           進化・成長期
        (第Ⅰ期)               (第Ⅱ期)
 程



                                                      め
     1.福知山線列車事故を原点とした安全性向上                            ざ
                                                      す
                                                      未
     2.地域共生の深耕と新たな価値創造への挑戦                            来
 4
 つ
 の
 軸   3.経営の強靭化


     4.変化対応力を高める企業改革
                1.福知山線列車事故を原点とした安全性向上                                     4
安全を最重要戦略と位置づけ、「組織全体で安全を確保する仕組み」と「安全最優先の風土」の構築、
およびハード・ソフトの組み合わせによる安全対策を進め、さらなる安全性向上に努める

 「組織全体で安全を確保する仕組み」と「安全最優先の風土」の構築

・ 福知山線列車事故後の安全の取り組みを教訓に照らして振り返り、一人ひとりの考動
に結びつける取り組みの推進                                                 tJ




・ 「能動的に考え、学び、採り入れ、やってみる」組織風土の実現に向けた支援ツール等
 の整備
                                             <支援ツールを用いたリスク抽出>
                                                 ./∵.

                                                     ︸ 1  ,

踏切・ホームの安全対策の充実         自然災害対策(防災・減災)        新型コロナウイルス感染防止
                                                t
                                                 r




・ 特殊信号発光機検知支援システム     ・ 局地的大雨の対応に向けたレーダー   ・ 駅・車内での抗ウイルス・抗菌加工
の試験導入                  雨量の活用               ・ 特急車両への空気清浄機の搭載
・ 第4種踏切への安全装置の開発      ・ 車両基地への浸水を想定した対策    ・ 混雑回避に資するリアルタイムかつ
・ 乗務員のホームにおける安全確認       の実施                 詳細な情報提供
方法の充実(L空間の確認等)
                      ・画像処理により特殊信号
                       発光機の赤色発光を検知
                      ・検知後、音声により注意喚起
       鉄道労災対策

・ 車両でのデータ測定による、線路上で
実施する検査の削減
                       <特殊信号発光機検知支援システム>                           <車内の抗菌対策>
            2.地域共生の深耕 - 新幹線を基軸とした広域鉄道ネットワークの磨き上げ                                              5
訪れたい、住みたいまちづくりや新たな価値創造によりご利用拡大をめざすとともに、新幹線を基軸とした
広域鉄道ネットワークの強みをさらに磨き上げ、安全で快適な移動空間を提供
           山陽新幹線の利便性向上                            北陸新幹線敦賀開業

                                        ■ 開業に向けた「W7」車両
■ 「N700S」車両の4編成増備
                                          の11編成増備

            お客様の利便性向上                       新幹線からのフィーダー輸送強化
                                                                                  北陸エリア
■ チケットレスサービスの拡充                                                                  北陸新幹線敦賀開業
 ・ 北陸新幹線eチケットサービス                       ■ 「やくも」車両新製                              に向けた、地域と連携
 ・ 九州新幹線へのEXサービス拡大                                                               した観光素材及び駅
                                                                                 周辺開発
■ デジタル接点の充実・魅力向上                                           北近畿エリア
 ・ WESTER      ・ setowa                 山陰エリア
                                                「TWILIGHT EXPRESS瑞風」
                                                                              北陸新幹線全線開業
                                                「WEST EXPRESS銀河」を活用
                                                した地域の魅力発信
   ‖   礁
                                                                        新大阪
               社会変化に対応した         諭 瀬戸内エリア                               大阪
                                                                                 中央新幹線(リニア)
              暮らし方・働き方の提案                       岡山
                     ielc’wa」   広島
                                                                       関西都市圏ブランド
                                                                          の確立
九州新幹線
                                     西日本各エリアの
                                       魅力創出
                                                                  南紀エリア
                                                                鉄道を活用した地域の魅力発信や
                                                                多様な暮らし方・働き方の提案
  九州エリア
                                    2.地域共生の深耕 – 関西都市圏ブランドの確立                                                                                      6
    ① 当社最大のターミナル大阪駅を起点とした「駅からはじまるまちづくり」を環境変化に対応し推進
    ② 大阪・関西万博を契機に、関西都市圏の鉄道ネットワークの利便性を向上

                                               関西エリアの発展に貢献
                                                                                                                               ② うめきた(大阪)地下駅での
                                                                                                              ② 新大阪~桜島
                                                                                                              r                  未来駅への挑戦
                                                                                                                直通列車運行
    うめきた2期開発
                                                                                .




                                     ①ⅱ 周辺との連携により、
                                      ﹂
                  2024年               ︻                                                                                                          至 京都
                                          エリア全体を活性化   ー
                                                                                 

                                      μ                                          
                                                                                                             至 神戸
                                      ゴ
                                                                                 
                                                                                    i
                                                                                                                                      新大阪
                                                                                 
                    ザ                                                    I                     
              ム

                                                                                 
                        r                                                        
                                                                                 

                                                                         I
                                                                        /
                                                                                 
                                                                                               
                                                                                          −
                                                                                    l i’
                                                                                 

                            うめきた(大阪)地下駅
                                                                                 
                                                                        f        
                                                                                       
                                                                                                                                 大阪
                                                                                 

                               =大阪駅                                     .                
                                                                                 
                                                                                 
                                                                                     
                                                                                 t
                                                                                 
                                                                        ー        

                            2023年                                       ー   − −
                                                                                 
                                                                                 




    高架下開発 2027年
                                                               ︳             ’
                                                                              ’ ●
                                                                                        才




                                                                                         ,
                                                                                                         桜島
                                                               S
                                                1・                                       ’


                                                                                                                                ② 乗換利便性向上
                                                         
    新駅ビル開発 2024年
                                          一.

                                           ’                                                   1  ,’
                                                       
                                                       
                                                               g        s
                                                                                                ’ゴ『、
                                                                                             ’
                                                                                                 ’
                                                                                                    1
                                                      sr                                                                 弁天町
                                                          ・




                                                                            ’
                                                                                             t
                                                                                                         Z  夢洲
                                                                                                             |

                                                                                                         (万博会場)
                                                                                                           
                                                                                                         ’
                                                     ‘・
                                                              ・4
                                                              一’   d
                                                                                                  ?゜
                                                                                                                                天王寺
      N ?r’
                                                 ●〆⇔
                                                                                                      
 
l
    s①ⅰEi;
        駅西側に
        ’
                                                         し
                                               ①ⅲ うめきた(大阪)地下駅・なにわ筋線開業                                                                             奈良
t   ’
            新たな流動を創出                              により新大阪駅・関西空港と結節
                                                → 大阪駅の拠点性を飛躍的に向上
                                                                                                                  関西空港
                                                                                                                             ①ⅳ 特急列車の利便性向上により、
                                                                                                              N                関西エリア全体の発展に貢献
                                西地区開発 2024年                                                                          至 和歌山
                                           2.地域共生の深耕 – 西日本各エリアの魅力創出                                                                                                                                          7
鉄道事業と創造事業、地域が一体となったコンテンツ整備・プロモーション展開による広域観光エリアの磨き
上げや、地方中核都市を中心としたまちづくりにより、西日本各エリアの魅力を創出し、交流・関係人口を拡大
■ 取り組み事例(せとうちパレットプロジェクト等)

       デジタル空間                                                                 広域周遊の拠点と滞在施設の整備による魅力向上
         による                                                          広島駅ビル
      西日本各エリアの
        魅力発信                                                                                           三原駅
                                                                                                                                                    NIPPONIA
                                                                                                                                                    HOTEL
                                                                                                                                                       竹原 製塩町                             せとうちグランピング
                                   setowa
      仙崎

             東萩                                                                                   さんすて岡山                                                                                                岡山
                                  WESTER                                                                                                                                                宇野駅
             新山口                                                              広島                             三原
      新下関                                                                                                                                                                                      倉敷
下関                                                                                                                                                                           福山
                                                                        宮島口                                                                            尾道
                                                                                     呉                                                                                                                  宇野
                                                                                             竹原
                                  徳山                                                                                                                                                               児島
                                                                                                      SHIMANAMI
 魅力的な旅のみちを創る観光列車                                                                         サイクルシップ「ラズリ」 LEMON 認. BIKE ;
                                                                                          ”r>
                                                                                                              .


     エトセトラ
                                                                                                                ︷
                                                                                                                      。
                           ○○のはなし
                                                                                                                  .



                                                                         SEA SPICA
                                                                                                                                                         ふ
                                                                                                                                                          
                                                                                                                                                         、
                                                                                                                                                          
                                                                                                                                                         .




                                                                                                                                                                                              琴平
                                                                         「世界随一の多島美」の観光資源としての磨き上げ
                                                                   地域の魅力を活かし魅力を発信する商材開発                                                                                        新たな価値創造への挑戦
 ラ・マル・ド・ボァ           ハローキティ新幹線                                                                 .,.、・:・’   ㌔・ぺ
                                                                                                        1−   !旅も、仕事も、
                                                                                                           
                                                                                                           
                                                                                                                 
                                                                                                                  
                                                                                                                       
                                                                                                                                                                                 
                                                                                                                                                                                     
                                                                                                                                                                                    !


                                                                                                                         
                                                                                                 ・方tうちt ttV・’.       お気に入りの
                                                                                                                          i
                                                                                                                                                                                 




                                                                                                           /ゼ’ヒコレ、 1竺でD
              © 1976, 2020 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L613358    とれ海老やん オイスターぼんぼん          せとコレ
                                                                                                ._、.t、L噛.,,.,.,㌧
                                                                                                                                                             多拠点生活者向け「JR西日本×住まいのサブスク」
                                          怜.  t
             エリアの魅力創出 × デジタル空間による発信 ⇒ 西日本各エリアの交流・関係人口拡大へ                                                                         .{          .∫、、
                  3.経営の強靭化 – 構造改革                      8

行動変容によりご利用減少が継続したとしても、持続的に価値を提供し続けることができる事業構造改革
   収益        費用
行動変容                  ① コスト構造改革(固定費の低減)
による減収

                      ■ 鉄道オペレーションの生産性向上・スリム化


        ②             ■ ご利用に応じた列車ダイヤ適正化

            ①         ■ 不採算店舗の撤退・入替・縮小

                      ■ 組織構造改革・働き方改革による効率的な運営

                      ② 地域共生の深耕と新たな価値創造
                      ■ 地域共生の深耕(P5~7)
                      ■ 多様な暮らし方・働き方の提案につながる新たな
                        商品・サービスの創出
                        ・ 多拠点生活者向け「住まいのサブスク」の試行
                        ・ モバイルICOCA(仮称)を基軸とした柔軟なサービス
                        ・ ネットと店舗の融合によるお客様との接点拡大
                      ■ 既存資源の最大活用による新たな事業展開
            4.変化対応力を高める企業改革 – JR西日本グループデジタル戦略                               9
 デジタル技術によりJR西日本グループが持つ豊富で多彩なデータの利活用を進め、駅や店舗、地域のリアルな体験へ
 とつなげることで、新しい価値を生み、提供し続け、西日本エリアの活性化に貢献、さらにそのプロセスを通じた業務変革
 を推進
<デジタル戦略の軸 ~3つの再構築~>
 デジタル技術とグループデータの利活用         グループ一体化・外部連携         変化対応力・イノベーションを生み出す力
  (データ利活用基盤等整備)             (会員・ポイント共通化)          (カルチャー× 組織・仕組 ×人財)

 ① 顧客体験          ■ JR西日本グループの全てのサービスの一体化、外部パートナーとの連携
      の再構築
  (お客様ニーズに応じた      ⇒ 一人ひとりのお客様のニーズに合わせた新しい価値を連続的に提供
  サービスのあり方の追求)     ⇒ MaaSアプリ(WESTER、setowa)、モバイルICOCA(仮称)、e5489等のサービス拡充
                                                                          P10

 ② 鉄道システム        ■ 持続可能な鉄道システムの構築、さらなる安全性向上・安定輸送の追求
       の再構築
  (技術ビジョンの実現)      ⇒ 運行オペレーションの変革やメンテナンスのシステムチェンジ(CBM)への挑戦
                                                                          P10

 ③ 従業員体験         ■ 働く環境のデジタル化・ICT活用を促進
      の再構築
  (働き方改革)
                   ⇒ 社員の働き方改革(モチベーション向上、成果を効率的かつ高頻度に生み出す仕組みづくり)


<JR西日本グループデジタル戦略のめざす未来>
                                                            お客様

デジタル技術がグループ、外部をつなぎ新しい価値を生み出すことで、                         デジタルで
                                                  生活サービス つながる       モビリティ
人々がつながり、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会                                エコシステム
                                                             社員
                   4.変化対応力を高める企業改革 – JR西日本グループデジタル戦略                                 10
               顧客体験の再構築                                          鉄道システムの再構築
        (お客様ニーズに応じたサービスのあり方の追求)                                      (技術ビジョンの実現)

■ デジタル技術を活用し、一人ひとりのニーズに対応した ■ さらなる安全と安定輸送の追求
  シームレスな移動や生活サービスの提供         ・ 保安システム・運行システム次世代化
        デジタルとお客様をつなぐキーデバイスの整備                            ・ 斜面リスク分析
        決済・乗車・認証   モバイルICOCA(仮称)   2023春

           これまで                       これから
        定期券の購入・チャージ                  いつでも・どこでも           ■ 持続可能な鉄道・交通システムの構築
         駅窓口や券売機で                 「非接触」「非対面」で可能に
                                                         ・ 新たな技術による生産性の向上
              会員・ポイント共通化
                                                         ・ 機器の状態に応じたメンテナンス(CBM)の実現
                                                         ・ 地域ニーズに適した持続可能な交通体系の模索
            グループ間連携               社外連携
                                         お客様とのインターフェース
   予約                                                     (外部と連携した隊列走行式自動運転BRTの開発推進)
        e5489                        MaaS
      EXサービスなど        交通システム間連携



■ リアル(駅)とデジタルを融合した未来駅への挑戦
・ うめきた(大阪)地下駅での技術ビジョンの具体化
一  一鞠,,.i・‘“tit

 の                
 −

世界初方式の
          l山
                                     AI案内ロボット
  ホームドア
                    顔認証を
                   活用した改札機
                           SDGsに向けた取り組み                         11
              将来世代を含め、誰もが生き生きと活躍し続けられる西日本エリアの実現
                              ~当社グループとしての貢献~


            使 命   鉄道事業を核に、お客様の暮らしを支え、地域の社会、経済の発展に貢献
              安全・安心              地域共生              地球環境
当社グループが     社会インフラを担う責任      地域に根差した企業グループ      多くのエネルギーを使用して
 担う責任                        としての責任             交通サービスを提供する責任
            安全で安心な社会づくりに     人と人との出会いや地域同士の     鉄道の環境優位性、地域の
当社グループの
            貢献できる力           結びつきを起点にまちづくりに貢献   自然、文化を地域活性化に
  強み
                             できる力               つなげる力


             既存の枠組み、領域、エリアを超えたパートナーシップを通じたイノベーション


          すべての人にとっての「当たり前」 西日本地域の持続的発展、           地域の豊かな自然、
          の安心感、無意識の心地よさ    均衡のとれた豊かさ              文化の保全
  提供
  価値




組織風土と     サプライチェーン全体の雇用の安定、働きがいと誇りのある「居場所」と「貢献」
 人財
          多様な人財の可能性を最大限引き出し、イノベーションを創出
                            財務戦略・設備投資計画                                     12
■ 財務基盤の回復
   変革・復興期(第Ⅱ期)末において、D/Eレシオ1倍程度への回復をめざす
■ 資金使途の優先順位
    変革・復興期の基本方針は以下のとおり。なお、変革・復興期(第Ⅱ期)は、この方針を踏まえつつ、次期中計で策定する
    具体的計画にあわせて改めて検討
優                                   安全投資
先
順   ・ 安全は最重要戦略。数値目標を含めて「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」を堅持
位   ・ 投資総額は一定抑制するが、安全性向上に必要な投資を着実に進めていく
①
            債務削減                     成長投資                     株主還元
    ・ 新たな感染症や自然災害等が起こった ・ 企業価値向上の資する件名を重点化 ・ 長期安定的な配当を基本方針とし、
優
先    場合でも、社会インフラを担う企業グループ
                           し投資を進める             2022年度において配当性向35%
順    としての使命を果たし続けていくために、
位    また、変化対応力を向上させ、さらなる発展 ・ デジタル技術を活用したサービス提供等 程度をめざす
②
     につなげるためにも、早期に財務基盤の    により新たな価値を創出
     回復を図る
■ 設備投資計画 [中計期間総額(2018-2022)]
                       2018年4月公表時        2020年10月見直し            増減
                           1兆2,700億円          1兆2,500億円          ▲200億円
      連結設備投資額           (うち単体 9,980億円)     (うち単体 9,200億円)   (うち単体 ▲780億円)

         安全投資                 5,300億円           5,000億円          ▲300億円
      維持更新投資                  8,100億円           7,500億円          ▲600億円
      成長投資                    4,600億円           5,000億円          +400億円
                【参考】 セグメント別内訳…運輸業8,600億円、流通業300億円、不動産業3,100億円、その他500億円
                                        経営指標等                                                   13
■ JR西日本グループ中期経営計画2022目標
                                                          2022年度 目標              2022年度 目標
             経営指標                     2017年度 実績
                                                         (2018年4月公表時)           (2020年10月見直し)

          連結営業収益※                        1兆5,004億円            1兆6,300億円            1兆4,500億円
           連結EBITDA                        3,561億円              4,000億円               3,300億円
            連結ROA                                 6.3%           6%台半ば                   4%程度
          [参考]連結ROE                           11.3%              10%程度                   9%程度
※「収益認識に関する会計基準等」の適用による影響は加味していない   ● 2030年頃の連結営業収益2兆円の目標については一旦取り下げるものの、変革・復興期を通じて構造
                                     改革と財務基盤の立て直しによる経営の強靭化に取り組み、進化・成長期でのさらなる発展をめざす
■ 目標指標・めざす状態
                                                          2022年度 目標              2022年度 目標
                                                         (2018年4月公表時)           (2020年10月見直し)
                       お客様が死傷する列車事故[5年間累計]                               0件                     0件
                       死亡に至る鉄道労災[5年間累計]                                  0件                     0件

        安全性の向上         お客様が死傷する鉄道人身障害事故                      さらに1割減(9件)            さらに1割減(9件)
                       踏切障害事故                                さらに1割減(22件)          さらに1割減(22件)
鉄道                     部内原因による輸送障害                          さらに1割減(126件)         さらに1割減(126件)

          CSの向上        お客様満足度調査 好感度                                4.0以上                 4.0以上

          新幹線          新幹線輸送人員(対2017年度)                                 +5%                     -
                       JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅乗車人員                  265万人/日                         -
          近畿エリア
                       ICカード利用率                                         85%                  85%

         物販・飲食         物販・飲食店舗売上高(対2017年度)                       +200億円                 +30億円

       不動産賃貸・販売        営業収益(外部売上高)                               1,000億円               1,200億円
創造
      ショッピングセンター(SC)   テナント売上高                                   3,250億円               3,000億円
                       客室数                                       1万1千室        宿泊部門売上高※ 350億円
           ホテル         訪日のお客様の宿泊の拡大                                   ー
                       連結営業収益                                     650億円                         -
共通      訪日のお客様
                       訪日専用旅行商品ご利用者数                               260万人                        -
                                                                          ※宿泊特化型ホテル(ヴィアイン)を含む
将来の見通しについて

この資料に記載されている将来の業績等については、現時点での見通しに基づくものであり、

経営環境の変化等により実際の業績等と大きく異なる可能性がありますのでご注意下さい。