8967 R-ニホンロジ 2020-09-14 15:00:00
浦安物流センター再開発事業に関するお知らせ [pdf]
2020 年 9 月 14 日
各 位
不動産投資信託証券発行者
日本ロジスティクスファンド投資法人
代表者名 執行役員 亀岡 直弘
(コード番号:8967)
資産運用会社
三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社
代表者名 代表取締役社長 亀岡 直弘
問い合わせ先 財務企画部長 関口 亮太
TEL.03-3238-7171
浦安物流センター再開発事業に関するお知らせ
日本ロジスティクスファンド投資法人(以下「本投資法人」といいます。)が資産の運用を委託する資
産運用会社である三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社(以下「資産運用会社」といいます。)
は、本投資法人が現在保有している浦安物流センター(以下「本物件」といいます。)について、2020 年
9 月 14 日、下記のとおり再開発事業(以下「本事業」といいます。)の実施を決定しましたのでお知らせ
します。
記
<本事業のハイライト>
⚫ 本投資法人の特長である「OBR」の第 5 弾
⚫ 希少性と賃貸需要の高い浦安エリアでの実施
⚫ ポートフォリオ収益と含み益の向上による資産価値の最大化
⚫ OBR に対応できる財務基盤と資産運用会社の知識・経験
1.再開発の経緯
本物件の所在する浦安エリアは、物流業務に適した立地条件で賃貸需要が高く、かつ新規物流施設の
開発が少ない希少性の高いエリアです。また本物件の既存建物は、鋼材関連荷物の保管に対応する平屋
建ての倉庫のため用途が限定されること、また消化容積率も低い(法定の指定容積率 200%に対して実
際の容積率 49.8%)ことから、汎用性の高い大型の施設へ建替えることにより賃料単価や総賃貸可能面
積の増加が見込めることを踏まえ、時機を見て「OBR(Own Book Redevelopment=投資法人自らが行う
保有物件の再開発)」を行うことを検討してきました。
本物件の OBR について、立地評価、テナント需要及び運用状況への影響等について詳細な分析・検
証を実施し、OBR に伴う費用等の発生に際しては圧縮積立金の取り崩し等を行うことで安定的な分配金
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を維持しつつ、OBR 後には資産価値(含み益:+668 百万円)と収益性の増大(賃貸事業収入:+214 百
万円)(注)を図ることができるとの結論に至りました。
また、OBR は本投資法人自らが再開発事業者となることで再開発に要するコスト及び本物件の土地簿
価で新築の物流施設を取得できるため不動産売買市場での取得よりも割安であり、本投資法人の投資主
が開発利益を含み益として享受する効果が期待できます。本物件について既存テナントとの再契約、入
替/売却といった複数の選択肢と比較した結果、本事業が本物件の資産価値を最大化する手段であると判
断したため、2020 年 9 月から本物件の再開発事業を開始することを決定しました。
(注)一定条件の下に算出した本日現在の見込みであり、テナントの入居状況等により変動する可能性があります。
2.本事業のハイライト
(1) 本投資法人の特長である「OBR」の第5弾
本事業は本投資法人の最も独自性の高い戦略である「OBR(Own Book Redevelopment=投資法人
自らが行う保有物件の再開発)」の第 5 弾です。OBR とは、保有資産のうち築古で未消化容積率
の大きい物件において、本投資法人が当該物件を本投資法人のバランスシートに残したまま再
開発を行い、未消化容積率を活用することでより大型の最新設備を有した施設へ転換する取り
組みです。本投資法人では、過去 4 物件で OBR を実施し、資産価値及び収益性を大幅に向上し
てきました。
(2) 希少性と賃貸需要の高い浦安エリアでの実施
本物件の位置する浦安エリアは、大消費地である東京都心から約 13km の距離に位置し、消費地
向けの地域配送拠点としての利用に加えて、東京港や羽田空港及び成田空港等、主要な物流イン
フラの活用も容易であることから広域配送拠点としても利用できます。また、本物件は工業団地
内に位置し 24 時間操業できること、さらに住宅地も近いことから労働力確保が容易である等、
物流業務に適した立地条件を備えています。これらのことから強い賃貸需要が期待できる一方
で、開発用地入手の難しさ等から物流施設の開発物件は限定的であり築浅の大型物流施設の希
少性が高いエリアです。
本物件の既存建物は鋼材関連の荷物が保管できる倉庫として建築されていたため賃貸の対象と
なりうるテナントが限定されていました。本事業により幅広いテナントのニーズに応える施設
仕様を備えることで、浦安エリアだけでなく浦安に隣接する需給が逼迫するエリアからの賃貸
需要も期待できます。
本投資法人は、資産運用会社の幅広いネットワークを活かしてテナントリーシング活動を行っ
ていきます。
(3) ポートフォリオ収益と含み益の向上による資産価値の最大化
本事業の完了後、本物件の総賃貸可能面積は約 3.8 倍の規模となる見込みであり、汎用性の高い
仕様を備えた大規模マルチテナント型物流施設に生まれ変わります。本事業の実施により、賃貸
可能面積の増加と建物仕様の向上による賃料単価の上昇により、本物件の不動産賃貸事業損益
は 214 百万円増加し資産価値の最大化を図れると見込まれます。
また、J-REIT が保有している物件の再開発を行う場合、OBR を行う以外に、スポンサー等外部
の不動産開発事業者に一旦当該物件を売却し、その不動産開発事業者が再開発を行った上で、J-
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REIT が買い戻すケースが考えられます。その場合、開発を行った不動産開発事業者は開発利益
を享受するために、再開発に要したコスト以上の価格で J-REIT に売却することがあります。本
投資法人は OBR を行うことで、この開発利益相当額が外部の不動産開発事業者に流出してしま
うことを防ぎ、投資主のために本投資法人の中に含み益として取り込むことができます。本事業
の実施により、含み益は 668 百万円増加し投資主価値の増大が見込まれます。
(4) OBR に対応できる財務基盤と資産運用会社の知識・経験
本投資法人は、2020 年 7 月期末時点で低水準の鑑定 LTV(32.8%)
(注 1)と J-REIT 最高水準の
(注 2)を維持しており、本事業の有する様々なリスクに対応可能な財務基盤
含み益率(42.6%)
を構築しています。本投資法人は、保有物件の売却による売却益の一部を圧縮積立金として内部
留保しており、2020 年 7 月期に繰入れる圧縮積立金と併せて 1,220 百万円の圧縮積立金を有し
ています。これにより、OBR に伴う保有物件の解体費・建物にかかる除却損等の一過性の費用
が発生した場合でも、圧縮積立金を柔軟に活用することで一口当たり分配金の安定化を図るこ
とが可能です。
また、資産運用会社は、物流業界・開発事業に精通した社員を複数擁しています。本投資法人は、
開発業者や建設業者と技術的なコミュニケーションを取ることができる一級建築士や、テナン
トのニーズに対する深い洞察力を持つリーシング担当者等の高い専門性を有する社内の人的資
源や過去 4 物件の OBR でのノウハウを最大限活用することで、綿密なリスクマネジメントを行
うことができると考えています。
(注 1)鑑定 LTV(%)=有利子負債残高÷保有物件の鑑定評価額合計×100
有利子負債残高=114,700 百万円(2020 年 7 月期末時点)
保有物件の 2020 年 7 月期末算定価額合計=349,850 百万円
(注 2)含み益率(%)=(期末算定価額-期末帳簿価額)÷期末帳簿価額×100(2020 年 7 月期末時点)
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<本事業の効果>
再開発前 再開発後 増減
26,850.28 ㎡
総賃貸可能面積 9,543.72 ㎡ 36,394.00 ㎡
(+281%)
賃貸 NOI 370 百万円
131 百万円(注 1) 502 百万円(注 2)
(Net Operating Income) (+281%)
214 百万円
不動産賃貸事業損益 119 百万円(注 1) 333 百万円(注 2)
(+179%)
1 口当たり増減(注 3) ― ― 約 120 円/期
6,117 百万円
取得価格 2,902 百万円 9,019 百万円(注 4)
(+211%)
668 百万円
含み益 2,517 百万円(注 5) 3,186 百万円(注 6)
(+27%)
容積率の消化状況(注 7) 49.8% 195.1% 292%
(注 1) 2020 年 7 月期の実績をもとに、稼働率 100%の場合の想定値を記載しています。
(注 2) 稼働率 100%を前提とした場合の竣工年度の特殊要因を排除した年間の予想数値であり、竣工時点の予
想数値ではありません。
(注 3) 不動産賃貸事業損益の増減÷現時点の発行済投資口数(905,073 口)
(注 4) 当初の売買契約書に記載された土地の売買代金 2,469 百万円に建築コスト
6,549 百万円を加算した金額を記載しています。
(注 5) 期末算定価額-期末帳簿価額(2020 年 7 月期末時点)
(注 6) 調査価格-想定帳簿価額(竣工時点)
本物件は再開発後の建物が未竣工であるため、竣工後の建物や賃貸借契約に想定上の条件を付加した
価格調査に基づき作成された調査報告書(価格時点:2020 年 9 月 1 日)を株式会社谷澤総合鑑定所か
ら取得しています。なお、本件価格調査は不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価ではありません。
(注 7) 延床面積(容積対象床面積)÷敷地面積×100
3.事業概要
2020 年 9 月から既存建物の解体に着手し、2022 年 7 月に新たな建物が竣工する予定です。
<施設の特徴(計画中)>
⚫ 汎用性の高い施設仕様
柱間隔 11m 以上、天井高 5.6m 以上、基準階床荷重 1.5t/㎡と現在の物流施設に求められる基準を満た
す施設仕様。
⚫ 大規模マルチテナント型
4 階建、延床面積 11,000 坪を超える大規模物流施設であり、スロープを通じて 2 階部分に直接アク
セス可能なトラックバースを設置するほか、建物の両側に事務所スペースを配置することにより
様々なテナントニーズに応じた面積で分割賃貸することが可能。
⚫ 災害時に備えた液状化対策工事の実施
本事業実施前に地盤調査を行っており、震災発生時の液状化現象に対応できるよう、適切な地盤工事
や杭工事を実施予定。
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<物件概要(再開発前)>
物件名称 M-2 浦安物流センター
資産の種類 不動産信託受益権
取得年月日 2005 年 5 月 9 日
取得価格 2,902 百万円
土地価格(割合) 2,469 百万円 (85.1%)
建物価格(割合) 432 百万円 (14.9%)
所在地 千葉県浦安市港 79 番
面積 19,136 ㎡
用途地域 準工業地域
土地
容積率 200%
建ぺい率 60%
所有形態 所有権
①鉄骨造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建
構造/階数(注)
②鉄骨造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建他
建築時期(注) ①1986 年 10 月 8 日、②1994 年 3 月 31 日
延床面積(注) ①4,355.24 ㎡、②5,193.10 ㎡
建物 容積率の消化状況 49.8%
総賃貸可能面積 9,543.72 ㎡
用途(注) ①倉庫、②倉庫
所有形態 所有権
(注)本土地上には、二棟の建物が建築されています。上記では、家屋番号 79 番の建物に関する部分を①、家屋
番号 79 番の 2 の建物に関する部分を②として記載しています。
<物件概要(再開発後)>
取得価格(注 1) 9,019 百万円
土地価格(割合) 2,575 百万円 (28.6%)
建物価格(割合) 6,443 百万円 (71.4%)
構造/階数 鉄筋コンクリート・鉄骨造 4 階建
建築時期 2022 年 7 月(予定)
建物 建築面積 11,036.33 ㎡
(注 容積対象床面積 37,350.33 ㎡
2) 容積率の消化状況 195.1%%
総賃貸可能面積 36,394.00 ㎡
用途 倉庫、事務所
(注 1) 当初の売買契約書に記載された土地の売買代金 2,469 百万円に再開発後の建物に係る建築コスト 6,549
百万円を加算した金額を記載しています。
(注 2) 現時点における基本計画図の表示によります。
(注 3) 現時点の計画に基づくものであり再開発後の内容を確定するものではありません。
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4.運用状況への影響
(1) 解体工事
本事業に係る解体工事に伴う費用は現時点で総額 454 百万円を見込んでいます。当該費用の
うち、固定資産除却損については 2021 年 1 月期(第 31 期)
、解体・撤去工事関連費用について
は 2021 年 7 月期(第 32 期)に計上される予定です。本投資法人は、当該費用の影響により当
期純利益が減少することから、1 口当たり分配金を平準化することを目的として 2021 年 1 月期
(第 31 期)に 258 百万円(1 口当たり 285 円)、2021 年 7 月期(第 32 期)に 493 百万円(1 口
当たり 544 円)の内部留保の取り崩しを実施する予定です。
本事業の影響を踏まえた本投資法人の 2021 年 1 月期(第 31 期)及び 2021 年 7 月期(第 32
期)の運用状況の予想については、2020 年 9 月 14 日に公表した 2020 年 7 月期(第 30 期)決算
短信をご参照ください。
<解体工事に伴う費用の内訳>
固定資産除却損 247 百万円
解体・撤去工事関連費用 207 百万円
(2) 新築工事
本事業に係る建築コストは現時点で総額 6,549 百万円(税抜)を見込んでいます。当該建築
コストは工事の出来高に応じて分割支払を行う予定であり、支払時期に応じて各期の建設仮勘
定として資産計上されます。当該建築コストに係る資金調達については、調達金額及び調達時
期、調達方法が決定した時点で改めてお知らせします。
(3) 本物件の収支見通し
本事業の実施に伴うテナント退去について、2020 年 3 月 13 日公表の「2020 年 1 月期 決算
」にて公表した「2020 年 7 月期(2020 年 2 月 1 日~2020 年 7 月 31 日)及び 2021
短信(REIT)
年 1 月期(2020 年 8 月 1 日~2021 年 1 月 31 日)の運用状況の見通し」において 2021 年 1 月期
より本物件の全テナントが退去することを見込んでいるため、影響は軽微です。本事業の開始か
ら竣工までの期間(2020 年 9 月~2022 年 7 月)は不動産賃貸事業収益が発生せず、本事業完了
後の収支状況についてもテナントの入居状況により変動することから現時点では未定です。
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5.施工者等の概要
(1) 工事請負契約
名称 株式会社 安藤・間
所在地 東京都港区赤坂六丁目 1 番 20 号
代表者の役職・氏名 代表取締役社長 福富 正人
事業内容 建設業
資本金 17,006 百万円(2020 年 3 月 31 日現在)
設立年月日 2003 年 10 月 1 日
純資産 129,332 百万円(2020 年 3 月 31 日現在)
総資産 322,269 百万円(2020 年 3 月 31 日現在)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 13.11%
大株主 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 6.33%
(2020 年 3 月 31 日現在)
資本関係・人的関係はありません。
本投資法人又は
2020 年 7 月期において、特筆すべき取引関係はありません。
資産運用会社との関係
また、本投資法人・資産運用会社の関連当事者には該当しません。
(2) コンストラクションマネジメント契約(注 1)
名称 日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社
所在地 東京都文京区後楽 1 丁目 4 番 27 号
代表者の役職・氏名 代表取締役社長 水野 和則
事業内容 建築工事のコスト、品質、発注に関するコンサルティング業務
資本金 80 百万円(2020 年 3 月 31 日現在)
設立年月日 2005 年 1 月 4 日
純資産 非開示(注 2)
総資産 5,321 百万円(2020 年 3 月 31 日現在)
大株主 株式会社日建設計 100.0%(2020 年 3 月 31 日現在)
資本関係・人的関係はありません。
本投資法人又は
2020 年 7 月期において、特筆すべき取引関係はありません。
資産運用会社との関係
また、本投資法人・資産運用会社の関連当事者には該当しません。
(注 1)本事業の総合監修及び調整補助業務をいいます。
(注 2)取得先の承諾が得られなかったため開示していません。
6.日程(予定)
解体工事契約締結:2020 年 9 月
解体工事:2020 年 9 月~2021 年 1 月
新築工事契約締結:2020 年 9 月
新築工事:2021 年 3 月~2022 年 7 月
7.今後の見通し
本事業の影響を踏まえた本投資法人の 2021 年 1 月期(第 31 期)及び 2021 年 7 月期(第 32 期)
の運用状況の予想については、2020 年 9 月 14 日に公表した 2020 年 7 月期(第 30 期)決算短信をご
参照ください。
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【添付資料】
参考資料 1:再開発後のイメージ図
参考資料 2:本物件の立地図
以 上
※本投資法人のウェブサイト https://8967.jp/
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【添付資料】
参考資料 1:再開発後のイメージ図(注)
(注)再開発後の建物を想定して作成した完成予想図であり、実際とは異なる場合があります。
(再開発前の外観写真)
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参考資料 2:本物件の立地図
・広域
・近郊
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