8894 REVOLUTION 2019-02-18 14:00:00
事業の現状、今後の展開等について [pdf]
平成 31 年2月 18 日
各 位
会社名 株 式 会 社 原 弘 産
代表者名 代表取締役社長 岡 本 貴 文
(コード番号 8894 東証第2部)
問い合せ先 取 締 役 津 野 浩 志
電話番号 083−229−8894
事業の現状、今後の展開等について
当社は、下記のとおり、事業の現状および今後の展開等について、株式会社東京証券取引所に対し、
株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程第 601 条第1項第4号aに定める書面を提出いたしまし
たので、お知らせいたします。
本書面の提出により、株式会社東京証券取引所の上場廃止基準(上場時価総額)にかかる猶予期間は
9ヶ月となり、2019 年8月 31 日までのいずれかの月において、月間平均時価総額および月末時価総額
が 10 億円以上となったときは同上場廃止基準には該当しないことになります。
記
1.事業の現状について
(1) 事業の概要
当社は、山口県下関市に本社を置き、現在は下関市、山口市を中心に「不動産分譲事業」「不動
、
産賃貸管理事業」の2つのセグメントにより事業を展開しております。
不動産分譲事業につきましては、マンションや戸建ての中古住宅や土地等の不動産に関する売
買仲介、当社の企画で建設された建売住宅を中心に事業展開しております。
不動産賃貸管理事業につきましては、アパートや駐車場等の物件管理、斡旋や自社所有物件の
運営、ウィークリー・マンスリー事業を中心に事業展開しております。
(2) 事業の現状
当社は、平成 20 年(2008 年)の米国サブプライムローン問題の顕在化に端を発した世界的な景
気後退によるわが国の経済の減速、金融市場の収縮、不動産市況の悪化による影響を受け、平成
21 年2月期より業績は大幅に悪化しました。大幅に経営環境が変化する中で、子会社整理、大幅
な経費節減、たな卸資産の売却、有利子負債の圧縮等、財務体質の改善を進めつつ、それまでの中
心事業であったマンション分譲事業や新規事業として注力していた風力発電事業等の環境事業か
ら撤退し、安定的に収益が見込める不動産賃貸管理事業や仲介事業に注力してまいりました。さ
らには、平成 27 年6月に新たな事業分野としての中古戸建住宅・中古マンションを取得してのリ
フォーム販売、戸建企画住宅の販売等の販売用不動産の仕入及び開発資金を目的として、第三者
割当増資を実施し、事業資金を確保、最終利益の黒字化を目指してまいりました。直近3年の業績
は次のとおりです。
1
単位:千円
決算期 第 31 期 第 32 期 第 33 期
(平成 29 年2月期) (平成 29 年 10 月期) (平成 30 年 10 月期)
売上高 827,597 556,540 863,189
営業利益 △80,567 △27,436 26,578
経常利益 △104,950 △39,684 4,640
当期純利益 △105,844 △1,033,641 4,647
純資産額 1,107,441 70,268 71,197
総資産額 2,959,861 1,920,816 1,821,039
※平成 29 年5月 26 日開催の第 31 回定時株主総会決議により、決算期を2月末日から 10 月末日に変更しました。従って、
第 32 期は平成 29 年3月1日から平成 29 年 10 月 31 日の8ヶ月間となっております。
平成 29 年2月期(非連結決算)は、前期契約した建売住宅の売却や東京支店の閉鎖や子会社の
解散による非連結決算移行等を実行、経営体制が刷新されて社内改革を進めたものの、新たに仕
入れた建売住宅が契約に至らず、売上総利益は前期より増加したものの販管費を補える程ではな
く、営業利益、経常利益の黒字化には至らず当期純損失 105 百万円を計上いたしました。
決算期を変更し変則決算となった平成 29 年 10 月期(非連結)は、前期契約に至らなかった建
売住宅の売却、事業提携先が手掛ける分譲マンションの代理販売、新たな建売住宅用地を仕入れ
る等、積極的な営業活動を行ったものの、有利子負債返済のために簿価以下で物件売却したこと
により、販管費を補える程の売上総利益を確保できず営業利益、経常利益の黒字化には至らず、
また、固定資産の減損損失の計上により当期純損失 1,033 百万円を計上することとなりました。
平成 30 年 10 月期は、監査等委員会設置会社へ以降するとともに新たな経営体制となり、各事
業の再構築や組織変更を進め、事業効率の最大化を図ってまいりました。山口市を中心に管理物
権が増加し、付随した手数料収入等に貢献しました。また、事業提携先が手掛ける分譲マンショ
ンが竣工したため契約者への引き渡しを完了したことにより手数料を受領、また、契約済みだっ
た建売1戸を引渡した他、中古マンションや土地等の仲介事業も堅調に推移した結果、8期ぶり
に黒字化を達成いたしました。
(3) 財務状況
財務状況については、(2) 事業の現状で記載したとおり、経営環境が悪化したことで資金繰り
が悪化、有利子負債の返済が厳しい状況となりました。たな卸資産の売却等により、返済を続けて
おりましたが、平成 30 年9月 20 日付け「第三者割当による第4回新株予約権発行及び無担保ロ
ーン契約に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、返済期限が到来した有利子負債(借入
れ2案件)が存在し、その債権者様との交渉が難航している状況となり、事業の継続性が危ぶま
れ、最悪破産手続きにより法人を清算せざるを得ない状況も考えられました。この状況を解決す
るために、様々なスポンサー候補と相談、交渉を行ってまいりましたが、借入先への返済に充当可
能な額を提供してもらえる相手先が見つからない中、EVO FUND からは、300 百万円の融資を実行
いただいた上で最終的には株主総会特別決議による授権枠拡大後の発行可能株式総数の上限に近
い新株予約権の発行をすることで総額 432 百万円の資金提供をいただくことが可能であるとの表
明をいただき、最悪の事態を回避できるかどうかは協議の結果によるため不透明な面もありまし
たが、新株予約権の発行及び無担保ローン契約による資金調達により既存債権者様と協議するこ
とが、当社にとっての最悪の事態を回避するための最善の手段と考え、臨時株主総会の承認を得
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て、新株予約権を発行いたしました。その後、債権者様と協議を進め、借入れ2案件のうち1案件
は、平成 30 年 12 月 12 日付け「債権者の異動、及び返済期限の延長に関するお知らせ」にてお知
らせしましたとおり、EVO FUND の属するグループの関連会社に譲渡されることとなり、新債権者
との間で返済期限の延長及び金利の変更について合意に至りました。また、残りの1案件につい
ては、平成 31 年1月 23 日付け「有利子負債の弁済合意、並びに特別損失の計上に関するお知ら
せ」にてお知らせしましたとおり、弁済に関して合意に至り、平成 31 年1月 25 日付け「金銭消
費貸借契約の締結(資金の借入)に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、その弁済資金
について EVOLUTION JAPAN アセットマネジメント株式会社より新たに借入を行うことで調達する
こととなりました。そして、平成 31 年1月 31 日付け「金銭消費貸借契約に基づく融資実行、及
び弁済合意に基づく借入金の弁済実行に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、新たな
借入れを受け、弁済合意に基づく返済を実行いたしました。
この結果、返済の猶予がなく早急に対応することが必要とされていた借入れ2案件については、
うち1件については債権譲渡先と変更契約を締結し返済期限を延長し、うち1件については本件
弁済による借り換えが完了する見込みであること、そして前述の2案件以外に返済期限が到来し
た債務は存在しないことから、借入金の返済に関する危機的状況は解消できたものと判断してお
ります。
2.今後の見通し及び上場維持について
(1) 事業について
当社は、第 34 期(2019 年 10 月期)の業績見通しにつきまして、当初は、売上高 819 百万円、
営業利益 40 百万円、経常利益 15 百万円、当期純利益 15 百万円を見込んでおりました。その後、
平成 31 年1月 25 日付けで業績の見通しを修正し、次のとおりとなっております。
単位:百万円
第 34 期第2四半期 第 34 期通期
決算期
(予想) (予想)
売上高 437 819
営業利益 29 40
経常利益 14 20
当期純利益 △56 △50
上記の業績予想は、債権者様との間で弁済合意の締結による特別損失の計上、弁済を資金使
途として新たに借り入れた借入金の金利が期首見込み額より低いことから支払利息が減少した
ことを要因として修正しました。
各セグメント別には次のとおりです。
①不動産分譲事業
不動産の売買仲介については、競売物件関係の媒介委託を数件引き受けており、山口県内
や大分県で展開する計画で、すでに契約・引渡しを終えた案件もあり、堅調に推移しており
ます。また、アパート等の収益物件の管理を委託されているオーナー様より、収益物件の売
買について委託を受け、こちらも契約・引渡しを終えております。その他のマンションや戸
建住宅の売却や購入依頼については広告等を通じて集客を図り、媒介物件の仕入れから契約、
引渡しまでの件数を増やし、前期以上の売上を計画しております。完成しました建売住宅2
棟については、すでに1件が契約を完了しております。引き続きもう1件の契約、完売を目
3
指します。そして、建売住宅の売上資金を原資として中古住宅の再生再販事業の仕入れを開
始することを計画しております。商圏としては、山口県内や福岡県北九州市、大分県北部・
中部を想定しており、現在の資金状況を鑑みた仕入れ規模となるため、今期下半期に2案件
を売上に計上する計画です。なお、現在の資金状況では仕入れる物件数や金額が限定される
ため、当社の企業価値向上を支援いただける旨を公表いただいております新株予約権の引受
先である EVO FUND より事業資金の融資について打診していく考えです。これにより、来期以
降の当該事業の件数を一定数確保することが可能になるものと考えております。
②不動産賃貸管理事業
当該事業の柱は、自社の収益物件やウィークリー事業の家賃収入です。収益物件は 90%以
上、ウィークリー事業では 80%前後の稼働率を維持しており、今春の社会人の異動や大学生
の入退去においても入居者を獲得し高稼働を維持することで計画どおり進捗させます。また、
オーナー様の物件管理については、斡旋・修繕・管理をパッケージとした付加価値を提供する
ことで、管理棟数・戸数を増やしてまいります。特に、山口市では今期も受託が進み、前年同
時期に比べ約 140%増加いたしました。物件への斡旋事業については、アパマンショップのフ
ランチャイズ店舗として、引き続き3店舗(下関市内2店舗、山口市内1店舗)展開を継続、
フランチャイズを利用した広報展開により集客を図り、自社物件や管理物件、大手メーカー
物件等の斡旋を積極的に行ってまいります。営繕工事事業については、退去後の部屋の原状
回復工事や不具合の改修等の小規模工事を積み重ね、必要に応じたリノベーション工事を提
案・獲得してまいります。そして、近年では留学生の増加や外国人労働者の受け入れ拡大に向
けた改正出入国管理法(入管法)が改正される等の海外の方に関するニーズが高まっており
ます。当社では、すでに大学と連携して斡旋に取り組んでおり、また、技能実習生を受け入れ
た地元企業に対して入居可能なお部屋を斡旋しております。今後拡大することが見込まれる
海外の方の受け入れ体勢を整え、外国人に対する賃貸ビジネスを積極的に行ってまいります。
第 34 期は、以上のとおり、既存事業の更なる強化施策を実行することで、営業利益、経常利
益は黒字計上を目指し、当期純利益の赤字を縮小できるように努めてまいります。なお、今後
の業績予想の見通しに変更が生じる場合は、速やかに公表いたします。
(2) 財務について
「1.事業の現状について (3) 財務状況」で記載したとおり、返済の猶予がなく早急に対応
することが必要とされていた案件は期日が延長され、期限利益を喪失した状態の債務は無くな
りました。また、新たな借入先には金利負担を優遇いただいており、当面の金利負担は大幅に減
少いたしました。
一方で、平成 31 年1月 25 日付け「第4回新株予約権の資金使途の変更に関するお知らせ」
にてお知らせしましたとおり、発行しました新株予約権の行使により調達できる資金使途を変
更しました。他の既存債権者様とは良好な関係を保っておりますが、今後の返済方法等につい
て個別に交渉した上で、調達した資金を返済に充てることを計画しております。第 33 期末にお
ける有利子負債の額は 1,449,631 千円となっており、その一部の返済に充てることで、金利負
担の削減を更に進め、引き続き当面のご支援をいただく予定です。なお、新株予約権の行使タ
イミングについては、当社が決定するものはありませんが、引受先である EVO FUND と協議した
上で実行される予定です。
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また、資金繰りについては、既存債権者様のご協力や金利負担を優遇いただいたこともあり、
今すぐに問題が生じるような状況にはありません。事業を維持、継続するための運転資金は確
保できており、今期安定して事業を展開できる見込みです。一方で、不動産分譲事業における
仕入れに関しては一定の資金が必要となりますので、建売住宅の売却資金や当社の企業価値向
上を支援いただける旨を公表いただいております新株予約権の引受先である EVO FUND より事
業資金の融資打診により確保する考えです。よって、運転資金に大きな影響を与えない範囲で
仕入れ活動を行い、引き続き資金繰りを安定させてまいります。
以上のとおり、借入金に関する危機的状況は解消され、更には他の既存債権者様の弁済を進
めることで資金繰りを安定させ、事業利益を確保した上で、今後の返済を拡充していく方針で
す。
(3) 継続企業の前提に関する注記について
当社は、平成 20 年(2008 年)の米国サブプライムローン問題の顕在化に端を発した世界的な
景気後退により、長らく低迷し、営業利益を計上できず、また、営業活動によるキャッシュ・フ
ローにおいてもマイナスとなっていたこと、一部の金融機関等からの借入に関し、期日延長の
手続きを完了しておらず、元金弁済及び利息の支払いを延滞していることから、継続企業の前
提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
これらの状況を解消するため、様々な施策を実行した結果、前期末(2018 年 10 月期)におい
ては、営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フローを計上しました。一方で、金融機関等の
借り入れに関しまして問題が生じておりましたが、「1.事業の現状について (3) 財務状況」
で記載したとおり、危機的状況は脱することができました。今期の事業計画では、債権者様との
間で弁済合意の締結による特別損失として一時的な損失を計上することになり当期純損失を計
上する見込みですが、営業利益、営業活動によるキャッシュ・フローは、ともに黒字計上する計
画であり、来期以降も黒字を維持できるものと考えております。更には、既存債権者様への弁済
再開を検討しており、猶予いただいていた状態から正常な取引関係に戻すことを模索しており
ます。その上で、資金繰り上の運転資金に対して一定の負荷をかけても企業継続を維持できる
状態を目指しております。これら全ての状況を一定期間維持し、将来にかけて問題が無い状態
となることで、当該注記を解消できるものと考えております。
長らく低迷していた当社ではございますが、当該注記を解消させることで、既存事業の更な
る強化や新たな事業を検討できるような企業としての正常な姿を取り戻し、企業価値の向上を
目指してまいります。
当社は、以上の事業計画、財務計画を実行すること、そして新規事業の模索を行うことで企業
価値の向上を図り、当社株式の月間平均時価総額および月末時価総額について、株式会社東京証
券取引所の定める基準を上回ることにより、今後も東京証券取引所第二部上場を維持するよう努
めてまいる所存であります。
株主の皆様をはじめ関係者の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけいたしますが、今後とも
引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
以上
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