8848 レオパレス21 2020-01-17 17:00:00
株主による臨時株主総会の招集請求に対する当社対応に関するお知らせ [pdf]
2020 年 1 月 17 日
各 位
会 社 名 株式会社レオパレス2 1
代表者名 代表取締役社長 宮 尾 文 也
(コード番号 8848 東証第一部)
問合せ先 執行役員 新 井 清
(TEL 050-2016-2907)
株主による臨時株主総会の招集請求に対する当社対応に関するお知らせ
当社は、2019 年 12 月 27 日付け「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知ら
せ」において、当社株主 2 名(以下「請求人ら」といいます。)より、臨時株主総会の招
集請求(以下「本請求」といいます。)に関する書面を受領したことをお知らせし、ま
た、2020 年 1 月 15 日付け「株主による臨時株主総会の招集許可申立てに関するお知ら
せ」において、請求人らから当社の株主総会の招集許可申立て(以下「本申立て」といい
ます。)に係る申立書の送達を受けたことをお知らせしておりましたが、本日開催の取締
役会において、本請求及び本申立てに対する当社の対応方針について、下記のとおり決議
いたしましたので、お知らせいたします。
記
当社は、2020 年 1 月 6 日付け「臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知ら
せ」において、2020 年 2 月下旬ないし 3 月上旬を目処に、同年 1 月 24 日を議決権行使の
基準日とする臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することの適
否につき検討を開始している旨をお知らせしておりましたが、当社取締役会において慎重
に検討した結果、本申立ては請求人らの権利濫用に該当するものと判断し、本請求に基づ
く本臨時株主総会の招集手続きは行わないことといたしました。
なお、当社は、本日、本申立ては請求人らの権利濫用に該当し、速やかに却下されるべ
きである旨の意見書を東京地方裁判所に提出しております。
臨時株主総会招集請求及び株主提案議案に対する当社の考え方は、別紙をご参照下さ
い。
今後、開示すべき事象が発生した場合は、速やかにお知らせいたします。
以上
別紙
2020 年1月 17 日
株主による臨時株主総会招集請求及び株主提案議案に対する当社の考え方
当社は、2019 年 12 月 27 日にリリースしましたとおり、同日、当社株主である株式会社
レノ及び株式会社エスグラントコーポレーション(以下「請求人ら」といいます。)か
ら、臨時株主総会招集請求書を受領いたしましたが、当社としては、下記の理由により、
本臨時株主総会招集請求(以下「本請求」といいます。
)にも、また提案されている各議
案(以下「本提案」といいます。)についても反対いたします。
記
1 当社経営の現状について
当社は、家具家電を備えた賃貸住宅を約 57 万戸供給するとともに、これらを管
理・運営する事業を中心として展開しており、賃貸住宅の約2万8千人のオーナー様
との長期管理運営契約を通じて、地域経済ならびに金融機関とも密接な関係性を有し
ております。
当社は、自らの事業が社会インフラの一翼を担っているという自覚を持ち、施工不
備問題の解決に真摯に取り組んでいるところであります。
具体的には、当社はこれまで施工不備問題に関し、その原因の客観的な解明と再発
防止策策定のため、外部調査委員会を設置して調査を進め、同委員会から受領した報
告書の内容・提言を踏まえ、2019 年5月 29 日に、企業風土の抜本的改革、コンプラ
イアンス・リスク管理体制の再構築、建築請負事業体制の見直しを3本柱とする再発
防止策を策定し、建築法務部(建築法務課、検査課)をコンプライアンス統括部内に
設置し第三者的立場での施工管理・検査体制のチェックを行うなど、様々な再発防止
策を推進して参りました。
また、当社は、5名の社外取締役(うち4名は独立社外取締役)からそれぞれの知
識・経験を活かした独立・公正な立場に基づく当社の業務執行の監督や提言を受け、
施工不備問題に鋭意取り組みを続けており、その成果は少しずつではあるものの着実
に現れているものと認識しております。
さらに外部の視点による経営チェック体制をさらに強化するため、昨年の定時株主
総会において社外取締役を半数とし、本年6月開催予定の定時株主総会(以下「本年
定時株主総会」といいます。)では、取締役の過半数を社外取締役とする議案を提出
する方針を 2019 年 12 月 16 日開催の取締役会で決定し、同日公表しております。
1
2 本請求を受けた経緯について
当社は、コーポレートガバナンス・コードに則り、これまで請求人らと真摯に対話を
行い、請求人らのアドバイザーである村上世彰氏(以下「村上氏」という。
)を含め面
談等を行ってきました。
しかし、2019 年 11 月の面談において、村上氏から、大株主から推薦された社外取締
役が当社の取締役会の過半数を占める選任議案を、本年定時株主総会の会社提案とし
て提出する旨を 12 月 16 日までに公表しなければ、臨時株主総会の招集請求を行うと
の発言があり、その旨の書面も受領しております。
当社としては、昨年来より社外取締役による経営監視の重要性は認識しており、昨年
の定時株主総会においても社外取締役を半数といたしましたが、さらにガバナンスを
強化するため、本年定時株主総会において取締役の過半数を社外取締役とする方針を
決定し、2019 年 12 月 16 日にその旨をリリースしました。
また、同年 12 月の面談及びメールにおいて、村上氏及び大村氏(本提案における取
締役候補者)からは、賃貸事業の売却などの抜本的改革案の検討が求められ、さらにそ
の検討に請求人らが関与する旨をリリースするよう要請があり、そうしない場合には
臨時株主総会の招集請求を行うとの通告を受けました。
当社としては、ステークホルダー全体の利益や株主共同の利益を考慮すると、一部の
大株主だけが抜本的改革案の検討に関与することは適切でないことから、これを断り
ましたところ、本請求を受けたものです。
以上の経緯から明らかなとおり、請求人らによる本請求は、あくまでも村上氏らの要
求を当社に認めさせるための手段として利用されており、株主の正当な権利の行使と
しての請求とは言えません。しかも、仮に臨時株主総会を開催することとなった場合は、
次項のような具体的弊害があります。
3 臨時株主総会を開催することとした場合の弊害
株主の皆様の審判を仰ぐこと自体は、皆様から委任を受けている取締役として当然
でありますが、臨時株主総会を開催した場合は、開催に伴うコストのほか、以下のよ
うな弊害が具体的に予測されます。
(1)事業提携・事業再編を含む抜本的改革案検討の中断
当社は毀損した信頼の回復に向けて日々取り組んでいるほか、一部事業・資産の売
却を進めておりますが、2020 年3月期の業績予想について下方修正することとなった
こともあり、事業構造改革による生産性の向上やコスト削減、賃貸事業を中心とした
ビジネスモデルの深耕など、事業提携・事業再編を含めたあらゆる選択肢について検
討しているところです。そのような状況で取締役の選解任を内容とする臨時株主総会
2
が開催することとなった場合、その対応の必要や経営陣交代の可能性がある中での具
体的検討は、中断せざるを得ない状況となります。
(2)業績への影響
当社の収益の柱である賃貸事業は毎年1月から4月が「最繁忙期」で、この時期に多
くの人員を割いて入居率を上げられるかが業績に直結します。特に現在は施工不備問
題の影響により、募集にあたっては、入居者の6割を占める法人(社宅利用)に対する
営業はより丁寧な対応が必要であり、改修工事の推進による募集再開にあたっては関
係当局への対応が必要です。
ところが、取締役の選解任を内容とする臨時株主総会を2月下旬から3月上旬に開
催することとなれば、経営陣交代の場合を想定したご心配の声がオーナー様や入居者
様をはじめとする取引先様から寄せられることとなり、その説明のために更に人員が
必要となります。その上、経営陣交代の可能性が、当社の様々な取り組みに影響を及ぼ
すこととなり、また、とりわけ法人を中心とするお客様への営業活動に支障をきたすこ
とが予想され、今後の当社の業績への悪影響が避けられないこととなります。
4 請求人らが求める取締役の選解任は定時株主総会で行うべきであること
請求人らの本提案は、社外取締役を含めた現任取締役 10 名全員の解任と、請求人ら
の関係者である3名の取締役候補者の選任です。しかし、当社の取締役の任期は1年で
あり、本年定時株主総会の終結を以て任期満了となります。
当社は、取締役の選任に際しては、株主の皆様に対して十分な情報提供を行った上で、
株主の皆様にご判断していただくことが当社のコーポレートガバナンス向上に資する
ものであると考えております。また、当社が決定する候補者以外から取締役を選任すべ
きと請求人らが考える場合は、株主提案をすることが可能です。
このように、本年定時株主総会では、株主の皆様が適切と判断される取締役が選任さ
れますので、それを僅か3か月程度前倒しにする理由は全くありません。
本年 1 月 15 日付け当社プレスリリース「株主による臨時株主総会の招集許可申立て
に関するお知らせ」の通り、請求人らは東京地方裁判所に当社の株主総会の招集許可の
申し立てを行っておりますが、上述の2~4に記載した理由により、当社は臨時株主総
会自体の開催を行うべきではないと考えており、東京地方裁判所にその旨、主張してま
いります。
3
5 臨時株主総会で請求人らが決議を求めている議案について
(1)全取締役の解任議案について
施工不備問題については、全棟調査の過程で新たに明らかになった不備も多く、改
修費用やその工程が当初の予想よりも増加しています。また、改修工事の実施には入
居者様にご退去頂く等の必要もあり、工事の完了や入居者募集の再開が遅延していま
す。これらによって、2020 年3月期の業績予想について下方修正をすることとなり、
また、改修工事の完了時期も延期することとなりました。当社の見通しの甘さは否定
できず、関係者の皆様にはご迷惑をおかけし、株主の皆様にも報いることができない
状況にあり、誠に申し訳なく思っております。
しかしながら、4に記載しましたとおり、当社取締役の任期は1年であり、取締役
として誰が適任かは、本年6月に開催予定の本年定時株主総会において、本年度決算
を踏まえた株主の意思で決定されます。それまで待てないような理由は請求人らから
は具体的に示されておりませんし、そもそも経営陣の交代によって請求人らが何を目
指すのかも全く示されておりません。
そして、当社が施工不備問題の調査及び改修に向けて至急の対応に取り組んでいる
最中に急遽、経営陣が全て交代することは、それ自体業務上大きな影響を及ぼすこと
が明らかであり、弊害しかないものと考えております。
なお、請求人らは、当社が 2018 年6月 14 日から同年8月 23 日までに実施した自
己株式取得について、当時の当社取締役が欠損填補責任を負うことも提案理由として
おりますが、この点については、2019 年7月 31 日付け「第 46 期自己株式の取得にお
ける取締役の責任についての監査役会意見受領のお知らせ」でお知らせしましたとお
り、当社監査役会より、当時の認識・検討状況や欠損が生じるに至った経緯等を踏ま
えると、当社取締役は当該自己株式取得について欠損填補責任及び損害賠償責任を負
わないとの結論に至ったため、取締役に対する責任追及をしない旨の意見を受領して
おります。したがって、現任の取締役は請求人らが言うような欠損填補責任や損害賠
償責任を負うものではなく、その適格性に疑義は生じないと考えております。
(2)請求人らの3名の取締役選任議案について
請求人らは、現取締役全員の解任の他、当社の個別具体的な業務に通じているとは
いえない大村氏ら3名の候補者を取締役に選任することを提案しています。
しかし、候補者は、いずれも請求人株式会社レノの役職員であり、これまでも村上
氏と行動を共にしています。代表取締役候補とされる大村氏には当社のような規模の
会社を経営した経験はなく、村上氏の意向に従った経営をするものと推測されます。
また、福島氏及び中島氏は社外取締役候補者とされていますが、当社の社外役員と
4
しての独立性基準を満たしていません。このため、両氏には独立・公正な立場から当
社の経営を監督する役割を果たすことは期待できません。
さらに、東証のコーポレートガバナンス・コードによれば、社外取締役の役割は、
「会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督すること」
(原則4-7)とさ
れておりますところ、請求人らの提案こそ、コーポレートガバナンス・コードに反す
るものと考えます。
(3)請求人らは、施工不備問題の発覚後の 2019 年3月頃より当社の株式の取得を開始し
ており、2019 年4月以降の当社との面談や書簡のやり取りの中で、当社の解体や減資
を示唆する発言を行うほか、自らが主導した「解体型買収」の例に言及し、当社賃貸事
業の売却で大きな利益が出るというような主張を行っています。
当社が施工不備問題の調査及び改修に向けて至急の対応に取り組んでいる最中に急
遽、経営陣が全て交代することは、それ自体で著しい混乱を生じさせ、業務上大きな
影響を及ぼすことが明白です。
当社の中長期的な企業価値の向上による株式価値の向上に取り組むのではなく、
「解体型買収」を実現して他のステークホルダー様の利益を犠牲にしかねない本請求
及び本提案に、当社は反対いたします。
以上
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