8848 レオパレス21 2019-05-29 15:00:00
当社施工物件における界壁等の施工不備に関する原因及び再発防止策等について [pdf]

                                                             2019 年 5 月 29 日
各位


                                  会 社 名        株 式 会 社 レ オ パ レ ス 21
                                  代表者名              代表取締役社長 深 山 英 世
                                              (コード番号 8 8 4 8 東証第一部)
                                  問合せ先          取締役常務執行役員 宮 尾 文 也
                                             ( TE L0 50 - 20 16- 2 90 7 )




                 当社施工物件における界壁等の施工不備に関する
                         原因及び再発防止策等について


 株 式 会 社 レ オ パ レ ス 2 1( 本 社:東 京 都 中 野 区     社 長:深 山 英 世 、 以 下 、 当 社 」と い
                                                        (     「
います。)は 、2018 年 4 月 27 日 付 、2018 年 5 月 29 日 付 及 び 2019 年 2 月 7 日 付 の ニ ュ ー
スリリースにて公表しましたとおり、一部の当社施工物件において、界壁の施工不備、界
壁内部充填剤の相違、外壁構成における大臣認定との不適合及び天井部施工不備(以下、
各 施 工 不 備 を 総 称 し て「 界 壁 等 の 施 工 不 備 」と い い ま す 。)が 発 見 さ れ た こ と か ら 、か か る
界 壁 等 の 施 工 不 備 に 関 し て 、そ の 原 因 の 解 明 等 を 行 な う た め 、2019 年 2 月 27 日 に 伊 藤 鉄
男弁護士 西村あさひ法律事務所) 委員長とする外部調査委員会 以下、 本調査委員会」
    (           を             (  「
といいます。 を設置し、調査を進めてまいりました。
      )
 か か る 調 査 を 受 け て 、当 社 は 、本 調 査 委 員 会 よ り 2019 年 3 月 18 日 に「 株 式 会 社 レ オ パ
レス21外部調査委員会による調査の状況について」 以下、 調査状況報告書」といいま
                        (   「
す。)を 、2019 年 5 月 29 日 に「 施 工 不 備 問 題 に 関 す る 調 査 報 告 書 」 以 下 、 最 終 報 告 書 」
                                                       (     「
といいます。 を受領致しました。
      )
 当 社 は 、 2019 年 2 月 7 日 に リ リ ー ス し た 「 全 棟 調 査 進 捗 状 況 の ご 報 告 及 び 調 査 の 過 程
で新たに確認された不備について」に記載のとおり、界壁等の施工不備の原因、対応策及
び社内役員の責任について社外取締役のみで客観的に検証し決定することとしておりまし
たが、このたび調査状況報告書及び最終報告書の内容を踏まえて、当社として前記事項に
ついて検証し決定致しましたので、下記のとおりお知らせ致します。


 このたびは、界壁等の施工不備につきまして、当社施工物件の所有者様、入居者様をは
じめとする関係者の皆様及び各ステークホルダーの皆様には多大なるご心配及びご迷惑を
おかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
 界壁等の施工不備について、共同住宅という商品を扱う建設業者としてあるまじき問題
であることを重く受けとめ、全社一丸となって引続き調査及び補修の速やかな実施を行な


                                      1
うとともに、再発防止に全力で取り組んでまいります。
    なお、他社施工物件についても、継続的に調査を行い、原因究明と再発防止策の策定を
行なうこととしております。
                                         記


1   界壁等の施工不備の内容及びその原因について


( 1) 確 認 さ れ た 界 壁 等 の 施 工 不 備 の 内 容 に つ い て
     ア   界壁等の施工不備の概要について
         2018 年 4 月 27 日 付 、 2018 年 5 月 29 日 付 及 び 2019 年 2 月 7 日 付 の ニ ュ ー ス リ
         リースにて公表したとおり、一部の当社施工物件において、以下の施工不備が確認
         された。


         ① 界壁の施工不備
              一部の当社施工物件の界壁について、小屋裏または天井裏の界壁が施工され
             て い な い ま た は そ の 施 工 が 不 十 分 で あ り 、 建 築 基 準 法 30 条 、 同 法 施 行 令 114
             条 1 項に違反することが確認された。


         ② 界壁内部充填剤の相違、外壁構成における大臣認定との不適合
              一部の当社施工物件の界壁について、 計図書上では断熱材としてグラスウー
                               設
             ルが施工されるものと記載されているにもかかわらず、実際には、発泡ウレタ
             ン(硬質ウレタンフォーム)が施工されており、設計図書に記載された告示の
             仕様に適合していないことが確認された。また、外壁について、設計図書に記
             載された国土交通大臣認定の仕様に適合していないことが確認された。


         ③ 天井部施工不備
              一部の当社施工物件の界壁について、天井部の施工が、設計図書上は、告示
             の 仕 様 に 適 合 し た 強 化 石 膏 ボ ー ド 12.5mm の 上 に ロ ッ ク ウ ー ル 吸 音 板 9mm を
             張るというものになっているにもかかわらず、告示の仕様に適合しない仕上げ
             になっている不備があることを確認した。


         イ    2019 年 2 月 7 日 付 リ リ ー ス の 界 壁 及 び 外 壁 の 内 部 に 発 泡 ウ レ タ ン が 充 填 さ れ
             ている物件数の訂正
              2019 年 2 月 7 日 付 リ リ ー ス に お い て 、 壁 及 び 外 壁 あ る い は そ の 両 方 の 内 部
                                                界
             に発泡ウレタンが充填されている可能性のある物件は、ゴールドレジデンス
             ( GR) ニ ュ ー ゴ ー ル ド レ ジ デ ン ス ( NGR) ヴ ィ ラ ア ル タ ( AGR) の 3 シ
                  、                              、


                                          2
         リ ー ズ の 925 棟 で あ る と し て い た 。し か し 、界 壁 の 施 工 不 備 に 関 す る 調 査 の 過
         程 で 、 か か る 925 棟 に 含 ま れ な い GR 物 件 に お い て 、 界 壁 及 び 外 壁 の 内 部 に 発
         泡ウレタンが充填されていたことが確認された。そのため、当社内において物
         件の特定方法等を精査し、再集計した結果、界壁及び外壁の内部に発泡ウレタ
         ン が 充 填 さ れ て い る 物 件 は 941 棟 で あ る こ と が 判 明 し た 。


( 2) 界 壁 等 の 施 工 不 備 の 原 因 に つ い て
     本調査委員会による調査の結果、界壁等の施工不備問題について、最終報告書記載
   のとおり、それぞれの不備にかかる事実関係や不備に繋がった直接的な原因等が認定
   されている。本調査委員会の調査及びその調査結果を受けて、当社としては、界壁等
   の施工不備の根本的な原因については、以下の三点に収斂すると考える。


       ①   経営トップの意向ばかりを気にするような企業風土・法令軽視の企業風土
           当時、設計部門や品質部門等が経営トップに意見を言えるような雰囲気では
         なく、 営トップの意向ばかりを気にするような企業風土に陥っていた。 た、
            経                             ま
         早期の商品化のためには法令適合性が二の次になってもやむを得ないという意
         識をもっており、法令適合性や施工品質よりも経営トップの経営方針に従う企
         業風土であった。


       ②   建築基準法を含む法令遵守意識の欠如
            (a)ネ イ ル シ リ ー ズ の 小 屋 裏 界 壁 に つ い て は 、 屋 裏 界 壁 の 施 工 が 不 要 で あ る
                                                    小
         という誤った解釈を採用したこと、建築確認申請の際に、実態とは異なった確
         認申請図を作成したこと、特定行政庁からの遵法性に関する指摘を無視したこ
         と が 、 (b)界 壁 内 部 充 填 剤 の 相 違 及 び 外 壁 構 成 に お け る 大 臣 認 定 と の 不 適 合 に つ
         いては、大臣認定との不適合を認識し得たにもかかわらず、発泡パネルを採用
         したことが原因と考えられる。
           このように、新商品を開発する際に法令適合性の確認を怠っていたこと、新
         商品導入後にあった特定行政庁からの法令適合性に関する指摘を真摯に受け止
         めないこと等、当社役職員の建築基準法を含む法令遵守意識が欠如していた。


       ③   施工管理体制及び工事監理体制の不備
           界壁等の施工不備については、自主検査に依存した施工管理となっていたこ
         と 、建 築 士 が ほ と ん ど 工 事 監 理 に 関 与 し て い な か っ た こ と が 原 因 と 考 え ら れ る 。
         その他にも、主任技術者の不足による不十分な工程検査等の施工管理体制の不
         備及び建築確認申請書類の作成者である建築士による現場での工事監理の懈怠
         等の工事監理体制上の不備が原因と考えられる。


                                       3
         ま た 、本 調 査 委 員 会 の 最 終 報 告 書 に お い て も 、各 施 工 不 備 の 原 因 に 加 え て 、 全 体
                                                                         「
        的・本質的な原因・背景」として、以下の点が詳細に指摘されているが、かかる点
        についても、界壁等の施工不備問題の根本的な原因であるとして重く受け止めるも
        のである。


         ①   当 時 の 厳 し い 経 営 環 境 の 中 で 、 「走 り な が ら 考 え る 」と の 状 況 の 下 、 経 営 危 機
             からの脱却と請負建築事業の拡大が最優先されてしまったこと
         ②   経営トップの意向ばかりが強く推し進められるワンマン体制に陥っていたこ
             と
         ③   建築関係法令に対する遵法意識・リスク感度が低く、品質問題に対する当事
             者意識も欠如していたこと


2   再発防止策について
    当社において再発防止策の検討を行ってきたが、本調査委員会の再発防止策に関する
 提言を受け、その内容について真摯に受け止め、実効性のある再発防止策とするべく検
 討を行い、以下のとおり再発防止策を策定した。
    本再発防止策については、経営上の最重要課題と位置づけ、すみやかに実施する方針
 である。
    なお、各再発防止策への取組状況については、当社ホームページ上にて随時公開を行
 なう。


( 1) 企 業 風 土 の 抜 本 的 改 革
     最終報告書においては、界壁等の施工不備問題について、法令遵守意識が欠如して
    いたことに加えて、品質問題に対する当事者意識・リスク感度が低かったことや「走
    りながら考える」との状況のもと、問題点に気づいても対策等を後回しにすることが
    当時の企業風土として定着していたことが指摘されている。
     このような指摘を受けて、役職員らに対して、オーナー様や入居者様等の顧客の目
    線に立って、顧客から感謝される価値を提供することこそ当社の社会的意義であるこ
    との自覚を促し、界壁等の施工不備問題によって失った顧客の信頼を回復するため、
    以下のとおり企業風土の抜本的改革を行なう。


    ア   顧客本位の企業風土の醸成
        品質問題に対する当事者意識が低く、問題点に気づいても対策を後回しにする企
        業風土から脱却し、顧客本位とする企業風土に改める。
        そのためには、界壁等の施工不備問題の根本的な原因・再発防止策について、過


                                         4
    去のことではなく一当事者として危機感を持って取り組むことが必要である。 た、
                                       ま
    顧客から感謝される価値を提供することの重要性について、当社役職員が理解する
    ことが、当社が顧客の信頼を回復するために必要不可欠である。
     当 社 は 、2016 年 12 月 に 社 是 を 策 定 し 、 全 て 社 会 の 為 に 」活 動 す る こ と を 基 本 方
                                      「
    針としているが、役職員に対し、顧客から感謝される価値(共同住宅の品質や安全
    性を含む。)を 提 供 す る こ と の 重 要 性 に つ い て 自 覚 さ せ る た め 、そ の 重 要 性 に に つ い
    て、通達、会議、教育研修等のあらゆる機会を通じて繰り返し周知徹底を図る。


イ    コンプライアンスファーストの方針の定着
     界 壁 等 の 施 工 不 備 問 題 の 原 因 は 、 走 り な が ら 考 え る 」と の 状 況 下 で 、営 業 優 先 ・
                                  「
    業績優先の方針の下、建築関連法令を軽視する等、法令遵守意識が欠如していたこ
    とであった。営業優先、業績優先の企業風土を改め、法令遵守を当社の事業遂行に
    おける最も重視すべき方針(コンプライアンスファースト)とする。そのために、
    以下の施策を継続的に実施する。


     ① コンプライアンスファーストに関する定期的なメッセージの発信
         当 社 は 、 界 壁 等 の 施 工 不 備 問 題 の 再 発 防 止 策 の 一 環 と し て 、 2019 年 1 月 21
       日付で、当社社長及びコンプライアンス統括部より、当社の「企業倫理憲章」
       の目的である社会からの信頼の確立を達成するためには、各役職員のコンプラ
       イアンスに対する意識の向上が不可欠であること等を内容とするメッセージを
       発信し、コンプライアンスファーストを経営方針とすることを役職員に対して
       宣言した。
         今後も経営トップからコンプライアンスファーストに関する強いメッセージ
       を組織の末端まで浸透させるようあらゆる機会を通じて発信していく。


     ② コンプライアンスへの取組姿勢等に関する人事評価の導入の検討
         コンプライアンスファーストを根付かせるため、コンプライアンスに関する
       取組姿勢に関する人事評価制度の導入を検討することとした。


         (a) コ ン プ ラ イ ア ン ス フ ァ ー ス ト へ の 取 組 姿 勢 の 積 極 的 評 価
            コンプライアンスを推進することは面倒・無意味というようなネガティ
          ブなものではなく、むしろ企業価値を高めるために称賛されるべきもので
          あることを意識づけるためにも、従業員がコンプライアンスファーストの
          方針に合致した取組みや行動等を行ったかどうかについて、人事評価に反
          映する仕組みの導入を検討する。




                                     5
         (b) 多 面 的 評 価 制 度 の 導 入
            コンプライアンスへの取組姿勢を客観的に評価するため、下位役職者が
          上位役職者の法令遵守意識を評価することや他部署が評価すること等多面
          的な評価ができる評価制度の導入を検討する。


ウ   ステークホルダーとの対話の実施による企業風土改革の実現
    従業員をはじめとする各ステークホルダーとの積極的な対話を推進することによ
    り、 テークホルダーと一体となっての企業風土改革を実現することを目的として、
      ス
    以下の施策を推進する。


    ①   経営陣と従業員の積極的な対話の推進
        コンプライアンスファーストの方針の定着をはじめとする企業風土の改革を
        実現するためには、経営陣と従業員の相互理解を図ることが重要であることを
        改めて認識し、以前から実施している経営陣と従業員の対話を開催頻度や対話
        の時間を拡充して実施することで活性化を促す。これにより、経営の意志を従
        業員へ伝達すると共に、従業員の提案を事業運営に取り入れる。


    ②   従業員意識調査の実施
        コンプライアンス意識の醸成度合いや従業員満足度について、定期的に従業
        員意識調査を実施する。その結果を踏まえて、コンプライアンス研修の内容を
        見直すものとする。


    ③   各ステークホルダーとの対話の推進及びその見える化の実施(ステークホル
        ダーエンゲージメントの実施)
        当社は、賃貸物件のオーナー様、入居者様、取引先様、株主様、従業員等の
        各ステークホルダーに対して、各種会合、フリーコール等により接点を持ち対
        話を行っているが、その具体的な取組内容やその取組状況の公開については、
        限定的にとどまるものであった。
        今後は、かかる各ステークホルダーとの対話及びその充実化を推進すること
        に加え、これら対話の中で得られた情報や改善点を事業運営に反映し、その取
        組内容を開示する等して、その改善状況の見える化を図ることとする。


エ   法令違反等の報告体制の整備
    当 時 、 走 り な が ら 考 え る 」と の 状 況 の も と 、問 題 点 に 気 づ い て も 対 策 等 を 後 回 し
        「
    にしていたことが界壁等の施工不備問題の原因であることに鑑み、法令違反やその
    おそれがある場合について、適切な報告がなされる仕組みを構築するため、以下の


                                   6
    とおり報告体制を整備した。


    ①    報告ルールの周知徹底
         コンプライアンス違反の早期発見等を目的として、コンプライアンスに関す
        る施策の周知や法令違反を発見した際に報告を行なう役割を担うコンプライア
        ン ス 担 当 者 を 各 拠 点 の 責 任 者 を 中 心 に 設 置 し て い る 。当 社 グ ル ー プ の 役 職 員 は 、
        コンプライアンス違反またはそのおそれがある場合には、コンプライアンス担
        当者に報告または相談しなければならない旨、コンプライアンス規程に定めら
        れており、報告をしなかった場合において、従業員就業規則により処分の対象
        となるようにした。
         今後は、この報告ルールを周知するとともに、このルールに違反した場合に
        は 厳 格 な 指 導・処 分 を 行 な う こ と に よ り 、 効 性 の あ る も の と す る 方 針 で あ る 。
                                           実


    ②    内部通報制度の周知徹底
         既に導入済みの当社グループの内部通報制度について、制度の信頼性を高め
        るとともに、実効性を確保するため、以下の施策を実施及び推進する。


         (a) 従 業 員 に 対 し 利 用 方 法 や 法 令 違 反 と な る 対 象 事 案 の 例 示 、リ ニ エ ン シ ー 制
            度の周知徹底
         (b) 内 部 通 報 受 付 窓 口 担 当 者 の 育 成
         (c) 内 部 通 報 制 度 に 関 す る 認 証 制 度 の 導 入


オ   企業風土改革のための教育研修の実施
    顧客本位の企業風土の醸成、コンプライアンスファーストの方針の定着を図るた
    めに、以下の教育研修を実施する。


     ① 界壁等の施工不備問題の根本的な原因・再発防止策の研修
         界壁等の施工不備問題の根本的な原因・再発防止策について、役職員全員が
        本質的な部分から理解できるよう、すみやかに最終報告書及び本再発防止策に
        基づいて研修を実施する。また、界壁等の施工不備問題を風化させないよう、
        繰り返し研修を行い、再発防止策の定着を図る。


     ② 教育研修の実施
         顧客本位の企業風土の醸成、コンプライアンスファーストの方針の定着を目
        的として、教育研修プログラムを作成することとした。今後は、同プログラム
        に基づき、以下の教育研修を実施することとした。


                                      7
         (a)    階層別教育
               それぞれの階層に応じて必要とされる自社サービスについての横断的な知
               識 や 法 令 知 識 と 、顧 客 本 位 の 企 業 風 土・コ ン プ ラ イ ア ン ス フ ァ ー ス ト の 方 針
               に つ い て 、経 営 層 を 筆 頭 に 管 理 職 、非 管 理 職 、新 入 社 員 向 け の 階 層 別 教 育 を
               実施する。 えば、 入社員向けには配属された部署に関連する法令の理解、
                    例   新
               非管理職向けには自部署と自部署に関わりのある部署に関連する法令の理
               解 、管 理 職 向 け に は 会 社 業 務 全 般 に わ た っ て 必 要 と な る 法 令 の 理 解 、経 営 層
               には管理職向けの内容に加え、経営に必要な諸法令について教育していく。


         (b) 業 務 内 容 別 教 育
               現在の業務内容がどのような法令に関連して行われているのかを確認し、
           関連法令に関して理解促進と遵守徹底を図る業務内容別教育を実施する。例
           えば、所管業務の業務フローのどこにどのような法令が必要とされているの
           か、どの法令のどの条項の問題なのかを理解し、常にコンプライアンスを意
           識して業務にあたることができるよう教育していく。


   カ   人事制度の見直し(ジョブローテーションの強化)
       当 時 の 経 営 ト ッ プ に は 、営 業 部 門 は「 我 々 」、開 発 部 門 は「 彼 ら 」と の 意 識 が あ り 、
       その他の役職員も、品質問題に対する当事者意識が低く、相互牽制機能が全く働い
       ていなかった。
       当社においては、社内公募以外、部門間の人事異動はほとんどなく、所属部署が
       固定化され、セクショナリズムに陥っていることが、品質問題に対する当事者意識
       が低くなっていることの原因であると考えられる。
       そのため、今後は部署間での人事異動を活性化し、他部署の業務知識等について
       理解を深め、情報共有が行われる組織とするべく人事制度の見直しを検討する。


( 2) コ ン プ ラ イ ア ン ス ・ リ ス ク 管 理 体 制 の 再 構 築
     界壁等の施工不備問題の原因として、新商品等を開発する際に、法令適合性を検討
   することができる体制となっていなかったことが挙げられる。 記のとおり、 社は、
                               前      当
   コンプライアンスファーストの方針を定めたところ、かかるコンプライアンスファー
   ストを仕組み的に担保する観点から、以下のとおりコンプライアンス・リスク管理体
   制の再構築を行なうこととした。


   ア   コンプライアンス統括部を設置
        2019 年 2 月 7 日 付 の ニ ュ ー ス リ リ ー ス に て 公 表 し た と お り 、 当 社 グ ル ー プ の コ


                                         8
    ン プ ラ イ ア ン ス 体 制 を 抜 本 的 に 見 直 し 、堅 固 な 体 制 を 再 構 築 す べ く 、 コ ン プ ラ イ ア
                                                               「
    ンス統括部」を設置した。コンプライアンス統括部は、コンプライアンス企画部、
    建築法務部、法務部により構成され、当社グループのコンプライアンス・リスク管
    理体制を抜本的に見直し、新たな体制構築の企画・立案をする他、情報管理体制の
    構築・運用、当社グループにおける新規事業・新サービス・新商品等の法令適合性
    の 検 証 等 を 行 な う 。 ま た 、 2019 年 4 月 1 日 付 で 、 当 社 グ ル ー プ の コ ン プ ラ イ ア ン
    ス・リスク管理体制の強化を図るため本部組織に改編し、コンプライアンス統括本
    部 長 を CLO( 最 高 法 務 責 任 者 ) と し た 。


イ    コンプライアンス統括部内に建築法務部を設置し、事業部外から新商品等の法令
     適 合 性 の 検 討 及 び 検 査 を 行 な う ( 2019 年 2 月 7 日 付 実 施 済 )
      従来は、法令遵守部門としての法務部のほか、建築請負事業部内に建築管理部建
    築法務課を設置していた。同課は、建設業法に基づいた技術者の配置や建築士法に
    基づいた工事監理記録台帳の管理等を行っていたが、建築部門において遵法性が確
    保された事業活動がなされているかの確認は十分になされていなかった。また、同
    課は、建築請負事業部内に設置されており、独立性が担保されていない状況にあっ
    た。
      さらに、施工管理等が適切に行われているかの検査についても、建築管理部検査
    課において行なうこととしていたが、同様に、同部は建築請負事業部に所属してお
    り、独立性が担保されていない状況にあった。
      このようなことから、一級建築士等の建築の専門的知識を有する者による法令適
    合性の検討を可能にすること、建築請負事業部とは独立した形で法令適合性及び施
    工の検査を行なうこと等を目的として、コンプライアンス統括部内に建築法務部を
    設置した。


ウ    コンプライアンス委員会の運営方法の見直し
      2019 年 4 月 22 日 付 で 、当 社 コ ン プ ラ イ ア ン ス 委 員 会 に つ い て 、当 社 グ ル ー プ 全
    体のコンプライアンス体制上の最高機関であることを明確にし、審議内容及び委員
    構成を見直した上で、コンプライアンス違反事案等にかかる専門的な意見を提案す
    るとともに活発な議論を促す体制とした。
      今後は、コンプライアンス委員会の執行機関に対する牽制機能を強化することを
    目的として、コンプライアンス委員会の委員長を社外取締役とした上で、業務の内
    容等が法令に違反することが明らかである場合等において、コンプライアンス委員
    会から各部署に対して、業務の執行(進行)の中止を指示することができる権限を
    付与する等コンプライアンス委員会の権限を強化していく。
     また、コンプライアンス委員会の透明性を確保するため、コンプライアンス委員


                                     9
    会の取組状況について、社内外に対して情報発信を行なう。


エ   リスク管理方法の見直し
     現在は、リスク管理委員会において、既に顕在化した発生事案への対応を行って
    いる。
     今後は、リスク管理委員会について全社リスクを横断的に管理・監督する機関と
    いう位置づけのもと、既に顕在化した発生事案への対応に加え、潜在的なリスクに
    ついて洗い出したうえで、対応策の有効性や対応すべき水準について討議・検討を
    行なうこととした。
     また、コンプライアンス統括部へ寄せられる相談案件の精査及び各事業部との定
    例会の実施等によって、各事業部内の潜在的なリスクを積極的に洗い出し、リスク
    の重要度等に応じた実効的なリスク管理及び危機対応を行なうこととした。


オ   新 規 事 業 等 の 開 始 及 び 内 容 の 変 更 に 関 す る 法 令 適 合 性 等 の 確 認 ( 2019 年 1 月 16
    日付実施済)
    新 規 事 業 等( 新 商 品・新 サ ー ビ ス の 開 始 を 含 む 。)を 行 な う 場 合 、事 業 の 内 容 を 変
    更する場合、重要な判断を要する場合(取締役会決議事項・社長稟議事項)に関し
    て、従来は法務部による法令適合性等のチェックが必ずしも社内手続上必要とされ
    ていなかった。
    今後は、新規事業等に関する法令適合性を確保するため、新規事業等について、
    コンプライアンス統括部による法令適合性等の確認を行なうこととした。


カ   コンプライアンス担当者制度の見直し
    当 社 で は 、2016 年 7 月 よ り コ ン プ ラ イ ア ン ス 担 当 者 を 各 部 署 に 設 置 し 、コ ン プ ラ
    イアンス担当者は、コンプライアンス違反事案の報告、各部署でのコンプライアン
    ス意識を徹底する役割を担ってきた。
    今後は、コンプライアンス担当者制度を見直し、権限と責任を強化した上で、人
    事制度上の位置付けも明確にすることとを検討する。また、自社や他社で起きた法
    令違反の事例をもとに、コンプライアンスの重要性や自身の役割理解を中心に、コ
    ンプライアンス担当者に向けた役割別教育を実施する。さらに、コンプライアンス
    担当者会議を地域ごとに実施する等、コンプライアンス担当者が主体となって各部
    署のコンプライアンス体制を構築することを検討する。


キ   法令違反に関する疑問が生じた場合の対応方法の見直し
    法令違反に関する適切な報告がなされないことを防ぐため、前記のとおり、報告
    ルートを見直し、適切な報告がなされなかった場合には、人事処分を行なう。


                                   10
       既存の商品・サービス・事業について法令違反の疑いがある場合には、コンプラ
       イアンス委員会に事業を停止する権限を付与する。


( 3) 建 築 請 負 事 業 体 制 の 見 直 し
     界壁等の施工不備問題においては、前記のとおり、新商品等の開発の際に法令適合
   性 の 検 討 を 怠 っ て い た こ と に 加 え て 、自 主 検 査 に 依 存 し た 施 工 管 理 と な っ て い た こ と 、
   建築士がほとんど工事監理に関与していなかったことが原因と考えられる。その他に
   も、主任技術者の不足による不十分な工程検査等の施工管理体制の不備及び建築確認
   申請書類の作成者である建築士による現場での工事監理の懈怠等の工事監理体制上の
   不備が原因と考えられることから、以下のとおり建築請負事業体制の見直しを行なう
   こととした。
     なお、前記(2)で記載のとおり、従来建築事業部にあった建築法務課及び検査課
   を新設したコンプライアンス統括部建築法務部に組織改変し、事業部外から下請けも
   含めた施工体制全般に対して、検査、教育研修、技術指導を行う体制とした。


   ア   新 商 品 等 の 開 発 プ ロ セ ス の 改 善 ( 2019 年 4 月 1 日 付 実 施 済 )
       界壁等の施工不備問題の原因として新商品等の開発における法令適合性の検討に
       関する部署やルールが明文化されていなかったこと、各種図面間で齟齬が生じてい
       たことが挙げられる。
       今 後 は 、 商 品 等 バ ー ジ ョ ン・部 材 の 変 更 等 を 含 む 。 を 開 発 す る に あ た っ て は 、
              新     (                             )
       以下のとおり新商品等の開発プロセスを細分化した上で、各プロセスにおいて、法
       令適合性を含む詳細な検討を行なうこととした。


       ①    商品企画段階における法令適合性の検討
            商品開発部門において、 様等の基本的な計画と関係法令の適合性チェックを
                       仕
        行 な っ た 上 で 、建 築 請 負 事 業 部 か ら 独 立 し た コ ン プ ラ イ ア ン ス 統 括 部 建 築 法 務 部
        において、法令適合性の検討が適切になさ れ てい る か 等を 審 査 する こ とと し た 。
            ま た 、か か る 審 査 を 経 た 上 で 、商 品 開 発 会 議 及 び 執 行 役 員 会 議 に お い て 、法 令
        適 合 性 を 含 む 各 検 討 が 適 切 に な さ れ て い る か を 確 認 の 上 、商 品 化 の 承 認 を 行 な う
        こととした。


       ②    詳細設計段階における法令適合性の再検討・一般図の作成


           (a) 詳 細 設 計 段 階 に お け る 法 令 適 合 性 の 再 検 討
            従 来 か ら 、商 品 開 発 部 門 に お い て 行 な う 新 商 品 等 の 基 本 計 画( コ ン セ プ ト 、デ
           ザイン、仕様・装備、構造、設備等)に基づき、さらに各部位の詳細検討(安


                                         11
    全性・耐久性・機能性・施工性に関する検討)を行った上で、再度法令適合性
    の確認を行なうこととしていた。
     今 後 は 、コ ン プ ラ イ ア ン ス 統 括 部 建 築 法 務 部 に お い て 、か か る 法 令 適 合 性 の 検
    討が適切になされているか等を審査することとした。


    (b) 一 般 図 の 齟 齬 の 防 止
     従 来 か ら 、一 般 図( 構 造 リ ス ト 、仕 上 表 、平 面 詳 細 図 、展 開 図 、建 具 表 、矩 計
    図の総称)の作成を行なう際、それぞれの二次元図面データごとに作成・修正
    を行っていたことから、それぞれの図面作成過程で齟齬が生じる可能性があっ
    た。
     今 後 は 、 BIM( Building Information Modeling) を 導 入 す る こ と に よ り 、 設
    計の初期段階からコンピューター上に仮想三次元モデル(デジタルの模型)と
    して作成し、同時に自動で平面図、展開図、立面図、仕上表などを作成するこ
    とで、常に整合した図面とするとともに、一元的に共有及び管理することで整
    合性を担保することとする。


③    施工確認・性能確認段階
     従 来 か ら 、安 全 性・耐 久 性・機 能 性・施 工 性 に つ い て 、建 築 基 準 法 が 求 め る 基
    準を満たしているかどうかを確認するため、公的な試験方法や公的な試験機関
    による各部材等の性能確認(部材強度、遮音性能等)を実施していたが、それ
    らの結果について、承認等の記録がなく、曖昧な状態で運用されていた。
     今 後 は 、コ ン プ ラ イ ア ン ス 統 括 部 建 築 法 務 部 に お い て 、適 切 な 手 続 き が 履 践 さ
    れているか、性能確認の結果が必要な基準値を満たしているか等の審査を行な
    うこととした。


④    施工マニュアル作成段階(一般図と施工マニュアルの齟齬の防止)
     従来から、 工マニュアルについては、 記一般図に基づいて作成していたが、
          施            前
    頻繁な仕様変更が行なわれることにより、一般図と施工マニュアルの記載内容
    に齟齬が生じる可能性があった。
     今 後 は 、 前 記 の BIM を 導 入 し 、 施 工 マ ニ ュ ア ル 作 成 の 際 に も 同 一 の BIM デ
    ータを使用することで、一般図と施工マニュアルの齟齬を生じさせないよう改
    善を図ることとした。
     また、 成された施工マニュアルは、 ンプライアンス統括部建築法務部にて、
        作             コ
    商品開発部門の決裁、承認の記録等をチェックし、各図面(使用材料、部材形
    状等)に齟齬がないかの審査を行なうこととする。




                                 12
    ⑤    商品のリリース
         従来は、 工マニュアル作成前に新商品のリリースの決定を行っていた。 た、
             施                            ま
     新商品のリリースは事業統括本部統括本部長決裁で足ることとなってい。
         今 後 は 、取 締 役 会 に て 、上 記 の 手 続 き が 履 践 さ れ て い る こ と 、コ ン プ ラ イ ア ン
     ス上の問題点がないことを確認した上で承認決議を行なうこととする。
         な お 、新 商 品 の リ リ ー ス 後 に デ ザ イ ン の 変 更 及 び 使 用 材 料 、認 定・告 示 仕 様 の
     変 更 を 行 な う 場 合 に お い て は 、コ ン プ ラ イ ア ン ス 統 括 部 の 承 認 を 経 た 上 で 、決 裁
     権限規程に基づいて決裁を得ることとする。


イ   確認申請図作成段階のチェック体制の見直し
     従 来 か ら 、確 認 申 請 図 及 び 施 工 図 に つ い て は 、各 図 面 の 整 合 性 の 確 認 、法 令 適 合
    性の確認を行なうこととしていたが、その確認を行なうための必要な時間が十分に
    確保できていなかった。
     今 後 は 、設 計 工 程 に 各 図 面 の 整 合 性 の 確 認 、法 令 適 合 性 の 確 認 を 行 な う 日 程 を 予
    め組込み、確実な確認を行なうこととした。


ウ   工事監理体制の見直しによる適切な工事監理の実施
    界壁等の施工不備問題の原因として、建築士がほとんど工事監理に関与していな
    かったことが挙げられることから、建築士法上の工事監理を適切に行なうため、以
    下のとおり工事監理体制の厳格化を図る。
    ①    重 要 工 程 に お け る 立 会 確 認 に よ る 工 事 監 理 の 実 施 2019 年 4 月 1 日 付 実 施 済 )
                                                    (
         従 来 は 、建 築 士 に よ る 工 事 監 理 は 書 類 に よ る も の が 中 心 と な っ て お り 、立 会 確
        認による工事監理を実施することができていなかった。
         そ の 後 、上 棟 、竣 工 工 事( 2016 年 ~ )、基 礎 工 事( 配 筋・ア ン カ ー )( 2017
        年 ~ ) 、 基 礎 工 事 ( コ ン ク リ ー ト ) 木 工 事 中 間 ( 2018 年 ~ ) に お い て 、 立 会
                                       、
        確認による工事監理を実施することとしていた。
         今 後 は 、 地 盤 改 良 等 工 事 、基 礎 工 事( 配 置 )、耐 火 被 覆 工 事 を 加 え た 全 8 工 程
        において現場での立会確認による工事監理(目視による工事監理)を実践す
        ることをルール化した。


    ②    工事監理実施日の施工管理工程への組込み
         従 来 は 、施 工 管 理 工 程 に 工 事 監 理 及 び 自 主 検 査 実 施 日 が 組 込 ま れ て お ら ず 、立
        会い確認等による工事監理を行わないまま次工程へ進む可能性がある状態とな
        っていた。
         今 後 は 、施 工 管 理 工 程 へ 工 事 監 理 実 施 日 を 具 体 的 に 組 込 む こ と に よ り 、適 切 に
        工事監理を実施することとした。


                                     13
エ   適切な施工管理の実施による施工品質の確保
    共同住宅の施工品質を確保するため、以下の体制を構築する。
    ①    主任技術者等の適切な配置による施工管理体制の確保
         主任技術者の数が物件数に比して慢性的に不足していたため、 物件の主任技
                                     各
        術者が実際に現場まで足を運んで工程検査を行なうことはほとんどできなかっ
        た。また、主任技術者において支店の担当者を通じて工程検査を徹底していた
        とも言い難い状況であった。
         現在の当社は、適正な施工を確保するために十分な数の技術者(主任技術者、
        監理技術者)を配置しており、システムによる担当物件の適切な配置等を確保
        することができる体制としている。


    ②    第三者による工程検査の実施
         従 来 か ら 客 観 的 な 工 程 検 査 を 行 な う た め 、 配 筋 検 査 ( 2016 年 ~ ) 上 棟 検 査
                                                                   、
        ( 2016 年 ~ )、防 水 検 査( 2017 年 11 月 ~ )及 び 界 壁 検 査( 2018 年 7 月 ~ )に
        ついては、第三者による工程検査を実施していた。
         今 後 は 、こ れ ら に 加 え て 、耐 火 被 覆 工 事 に つ い て も 第 三 者 に よ る 検 査 を 実 施 す
        ることとする。


    ③    施工業者による施工品質の確保及び向上
         施 工 業 者 へ の 発 注 に あ た っ て は 、か ね て よ り 、工 期 、建 物 の 品 質 等 を 確 保 す る
    た め 、業 者 ご と( 工 務 店 ・ 設 備 業 者 等 )に 評 価 シ ー ト 等 を 用 い た 施 工 能 力 等 の 評
    価を行い、同評価に基づいて次の発注の可否等の決定を行っていた。
         今 後 は 、施 工 業 者 ご と に 第 三 者 検 査 業 者 に よ る 施 工 内 容 の 評 価( 部 位 別 に 施 工
    不 備 の 有 無 等 を 検 査 し 、不 備 率 等 に つ い て 数 値 化 す る )を 行 い 、そ の 内 容 を フ ィ
    ー ド バ ッ ク し 、施 工 業 者 の 施 工 品 質 の 向 上 を 図 る 。ま た 、評 価 の 内 容 を 前 記 評 価
    シートに反映することによって、評価に応じた施工業者への教育を行なう。
         ま た 、施 工 業 者 に 対 し て は 、定 期 的( 概 ね 二 か 月 に 一 度 )に 当 社 通 達 内 容 の 共
    有 、当 社 図 面 の 変 更 の 共 有 を 行 な う 機 会 を 設 け て い た が 、今 後 は 、第 三 者 も 交 え
    て実施することとする。


    ④    自主検査実施日の施工管理工程への組込み
         前記ウ②同様、自主検査実施日を施工管理工程に組み込む。


オ   コンプライアンス統括部建築法務部による検査の実施
    施工管理及び工事監理体制上の不備が認められたことから、施工管理及び工事監


                                     14
        理の適正な実施を確保するため、以下のとおり、コンプライアンス統括部建築法務
        部による検査体制を強化することとした。
        コンプライアンス統括部建築法務部は、各地域に検査員を配置し、工程ごとの検
        査を実施して、施工マニュアルや設計図書どおりに施工されているかの確認を行な
        う。


        ①    工事監理に関する検査の実施
             前記工事監理が適切に実施されているかについて、 築士事務所の管理建築士
                                    建
            または設計責任者に対し、工事中や工事完了した物件の工事監理業務及び各書
            類の保管状況等の検査を定期的に実施する。


        ②    トリプルチェック体制による検査の徹底
             前記施工管理が適切に実施されているかについて、従来から施工業者による
            自主検査、工事担当者による自主検査(写真による記録)を行なうこととして
            いた。
             今後は、コンプライアンス統括部建築法務部において、施工マニュアルや設
            計図書どおりに施工されているかの検査を行ない、写真等の検査記録を残すこ
            ととする。


        ③    品質を確保する適正な工程の確保
             2019 年 4 月 15 日 付 に て 建 築 統 括 部 担 当 執 行 役 員 を は じ め と す る 設 計 、 工 事
            監理及び施工管理を所管する各責任者より、従業員に対して、工事監理及び自
            主検査の確実な実施、工事監理及び自主検査が完了するまでの工程の進行の停
            止等を指示する旨の通達を発した。
             ま た 、前 記 コ ン プ ラ イ ア ン ス 統 括 部 建 築 法 務 部 に よ る 検 査 の 結 果 、工 事 監 理 及
            び施工管理が行われていない、または不十分であることが判明した場合には、
            自主検査の再実施及び工事日程の組直しを指示することとする。


    カ   コンプライアンス統括部建築法務部による研修の実施
        建築法務部において、社内担当者及び施工業者担当者を対象として、各商品の設
        計趣旨、施工品質・工事監理の重要性等に関する研修を実施することとした。


3   経営陣の責任について
     界壁等の施工不備問題につきましては、当社取締役会として極めて重大な事象な事
    象と捉えており、社外取締役において客観的に検証した上、以下のとおり決定してお
    ります。


                                         15
( 1) 役 員 報 酬 の 減 額
       2019 年 5 月 9 日 付「 業 績 予 想 の 修 正 に 関 す る お 知 ら せ 」で リ リ ー ス い た し ま し た と
   おり、経営責任を明らかにするため、以下の通り役員報酬の減額をいたしました。


         期間    2019 年 5 月 ~ 2020 年 3 月
         対象    取締役・監査役・執行役員
         内容    代表取締役              60%
               その他社内取締役           45% ~ 55%
               常勤監査役              35%
               執行役員               35% ~ 45%


( 2) 役 員 の 退 任
       界壁等の施工不備問題によって毀損した信用及び業績の早期の回復を目的とし、経
   営体制の刷新を図るため、役員の異動について以下のとおり決定いたしました。


   ア    代表取締役の退任
         2019 年 5 月 10 日 付「 代 表 取 締 役 及 び 執 行 役 員 の 異 動 に 関 す る お 知 ら せ 」で リ リ
       ースいたしましたとおり、代表取締役社長執行役員深山英世が退任することとし、
       第 46 期 定 時 株 主 総 会 ( 2019 年 6 月 27 日 開 催 予 定 ) 終 結 の 時 を も っ て 任 期 満 了 に
       より取締役も退任することとしております。


   イ    その他の取締役の退任
         本日付「役員の人事に関するお知らせ」でリリースいたしましたとおり、以下の
       取 締 役 に つ き ま し て は 、 第 46 期 定 時 株 主 総 会 終 結 の 時 を も っ て 任 期 満 了 に よ り 取
       締役を退任することとしております。


         取締役副社長執行役員               深山     忠広
         取締役専務執行役員                関谷     譲
         取締役専務執行役員                武田     浩
         取締役専務執行役員                田尻     和人
         取締役常務執行役員                原田     博行
         取締役常務執行役員                伊東     弘美


                                                                           以上




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