8818 京阪神ビ 2019-10-25 13:40:00
新中期経営計画(2020/3期~2026/3期)策定のお知らせ [pdf]

                                                         2019年10月25日
各   位
                                      会 社 名     京阪神ビルディング株式会社
                                      代表者名     代表取締役社長 南         浩 一
                                      (コード番    号 8818 東 証 第 一 部 )
                                      問 合 せ先   取締役管理統括 多 田 順 一
                                                     (TEL 06-6202-7333)


            新中期経営計画(2020/3 期~2026/3 期)策定のお知らせ
 当社は、2017 年 2 月に中期経営計画「Beyond 4D & 70th~4 事業の深化と進化、70 周年のその
先へ~」を公表しておりますが、計画策定から 2 年半が経過、この間、外部・内部環境は大きく変化
する中で改めて当社を取り巻く事業環境とその方向性を再認識すべく、今般、中長期目標の見直し
を行いました。
 即ちテクノロジーの進化・デジタル化社会の進展や労働人口の減少に伴うライフスタイル・ワークス
タイルの変化は、これまでの産業構造や当社の主戦場たる不動産賃貸業界のビジネスモデルを大
きく変えていく可能性があります。また、環境への配慮やガバナンス等に対する社会の関心は高まっ
ており、こうした変化についても従来以上に意識して事業を展開していくことが求められています。一
方で、ここ数年の不動産市況の高騰、建築コストの高止まり等により投資環境は悪化しています。
 このような状況下、当社においては中期経営計画の柱である虎ノ門ビルおよび OBP ビルの 2 プロ
ジェクトが計画通り進捗しており、ビル竣工による本格稼働の道筋を計画に織り込むとともに、より中
長期的な視野に立った戦略を実行していくため、下記のとおり新たな中期経営計画「ここからの挑戦
~新たな成長のステージへ~」を策定しましたので、その内容を下記のとおりお知らせいたします。

                                記
1. 前中期計画の振返り
 (1) 業績計画
                    2018/3期     2019/3期                     前中計目標
                                             前期比
                     (実績)        (実績)                       (2022/3期)
        売   上   高     147 億円        149 億円     +1 億円           200 億円
        営 業 利 益       52 億円         54 億円      +1 億円            75 億円
        経 常 利 益       50 億円         52 億円      +1 億円            70 億円


        総   資   産   1,229 億円    1,327 億円       +98 億円        1,500 億円
        ネット有利子負債      412 億円        397 億円   △14 億円            500 億円
        ネット有利子負債/
                        5.3 倍        5.2 倍         -             5.0 倍
        EBITDA 倍率
        自 己 資 本       621 億円        641 億円     +19 億円          700 億円
        自己資本比率         50.5%         48.3%     △2.2pt           46.7%




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(2)投資計画
                              最終目標      社内決 裁 済投 資額 前中計目標
            投資分野
                              (累計)       (累計)        対比
           ・新データセンタービルの建築
  不動産投資                        450 億円    462 億円   +12 億円
           ・既存物件の取得

  更新修繕投資   ・所有物件の大規模修繕          50 億円     18 億円   △32 億円
             合   計             500 億円    480 億円   △20 億円


(3)重点施策
  ①新規投資戦略
   (イ)成果
      ㋑2017 年 6 月虎ノ門ビル用地を取得、2018 年 9 月新築工事に着手
      ㋺2019 年 4 月 OBP ビルの新築工事に着手
   (ロ)課題
      ㋑当社投資採算の目途を超える東京都心部の地価の高騰、建築コストの高止まり
      ㋺以上による投資採算の見直し、投資環境変化の見極め
      ㋩不動産情報ソースの拡充

 ②既存物件の見直し
  (イ)成果
     2018 年 4 月旭川商業施設、2018 年 7 月逆瀬川ビルを各々売却、良好な市況にも恵ま
     れ想定を上回る多額の売却益を実現
  (ロ)課題
     築年数長期化物件の運用方針の検討(建替え、売却、交換他)

 ③所有物件の収益性追求
  (イ)成果
     ㋑築年数経過のデータセンタービルについて、
      (ⅰ)ビルの特性を生かした新たなテナント需要の確保による利回り向上
      (ⅱ)テナントの需要動向を掴んだ受変電設備の更新による長寿命化
     ㋺アンケート実施等によるテナント満足度向上のための各種施策を実施し、継続入居を
      確保(ビルの高稼働維持)
  (ロ)課題
     直接営業力の強化による新規顧客の開拓

 ④ リスクへの対応を強化
  (イ)成果
    ㋑所有物件の地域ポートフォリオ分散の観点から、首都圏での新規投資、開発の拡充
      関西エリアの築年数経過物件の売却
     ㋺水害対策としての特高受変電設備の高層階移設




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  (ロ)課題
     所有物件の地域ポートフォリオ分散の推進と、更なる BCP 対応ビル等へ計画的なリニュ
     ーアルの実施

 ⑤将来に向けた新たな展開
  (イ)成果
     ㋑社会情勢の変化を捉えたビル管理の高度化として、BEMS 導入による省エネ効果検証
      を準備(2021/3 期からデータ取得を開始し、効果検証を実施)
     ㋺海外不動産の投資先として適格国の絞込みのほか、投資手法、協力先の調査等、具体
      化に向けた検討を実施
  (ロ)課題
     第 5 の柱となる事業投資を引き続き検討

 ⑥強固な財務基盤を堅持
  (イ)成果
     ㋑過去 2 年間で累計 200 憶円の社債を発行、平均返済期間の長期化(2017/3 末 4.8 年
      →2019/3 末 8.3 年)、平均調達金利の低減(2017/3 末 1.01%→2019/3 末 0.83%)を実
      現
     ㋺2019/3 期の自己資本比率は 48.3%、ネット有利子負債/EBITDA 倍率は 5.2 倍と安全
      性の水準を堅持
  (ロ)課題
     さらなる平均返済期間の長期化と平均調達金利の低減を推進。新規投資資金を、直接
     金融と間接金融のバランスを図り調達

 ⑦ガバナンス体制の強化
 (イ)成果
    ㋑執行役員制度を採用し、幹部社員から1名執行役員として就任
    ㋺取締役等の指名や報酬等に関する評価・決定プロセスを透明化・客観化することで監督
     機能を強化するため、指名・報酬委員会を設置
    ㋩社外取締役の増員、女性役員の招へい
 (ロ)課題
   経営の執行と監督の分離、役員の多様化によるさらなる経営の透明性を確保

(4)配当施策
   (イ)成果
      2019/3 期の配当性向は 30.8%で目標水準を堅持。創立 70 周年を記念し、自己株式の取
      得を実施、総還元性向は 55.9%
   (ロ)課題
      さらなる株主還元充実等の検討




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2.新中期経営計画
(1)対象期間
   2020/3 期~2026/3 期   7 カ年

(2)基本方針

  「 ここからの挑戦 ~新たな成長のステージへ~ 」
 前中期経営計画の各種収益基盤強化策を具現化し、特色ある既存 4 事業のさらなる成長と拡大
 を図ります。また、当面の投資環境の変化を見極め、前計画施策実現後の新たなステージでの成
 長戦略により、将来にわたる持続的な成長と企業規模の拡大を目指すとともに、既存事業に次ぐ
 新たな事業も引き続き模索します。

(3)目指す姿
  独自性を維持しながら、時代のニーズに応える価値ある事業空間を提供し「次世代に継承される
  資産を拡充する」ことを目指します。

(4)数値目標
  ①業績計画

                          2019/3期              2020/3期        2026/3期
                           (実績)                 (予想)         (最終目標)
       売    上   高                 149 億円           152 億円        220 億円
       営 業 利 益                    54 億円            55 億円          80 億円
       経 常 利 益                    52 億円            53 億円          75 億円
       税引後償却前
                                  58 億円            58 億円         100 億円
       経 常 利 益

       総    資   産             1,327 億円           1,400 億円       1,950 億円
       ネット有利子負債                   397 億円           470 億円        920 億円
       ネット有利子負債/
                                   5.2 倍             6.1 倍         7.3 倍
       EBITDA 倍率
       自 己 資 本                    641 億円           670 億円        820 億円
       自己資本比率                      48.3%            47.9%          42.0%

 ②投資計画

                              投資分野                           投資金額(累計)
                       ・虎ノ門ビル、OBPビルの建築費の一部
        不動産投資                                                    920 億円
                       ・収益物件の取得
        更新修繕投資         ・所有物件の大規模修繕                                80 億円
                              合    計                            1,000 億円




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(5)重点施策
  ①新規投資戦略
   (イ)オフィスビル
     ㋑虎ノ門ビル建築の推進および早期満室確保
     ㋺東京エリアでのブランド力強化により東京都心部への投資を推進
     ㋩中規模クラスのビルに特化
     ㋥他社とのタイアップによる再開発事業への参画

  (ロ)データセンタービル
    ㋑OBP ビル建築の推進および早期テナント誘致
    ㋺大阪地区での根強い需要に応える都心型新データセンタービル開発用地の取得・建築
    ㋩データセンター業界での知名度を生かした、東京地区での事業および大阪地区での郊外
     型データセンター事業を検討
    ㋥アライアンスによるデータセンタービル投資の検討

  (ハ)商業ビル
     首都圏や地方中核都市の商業集積地やターミナル駅に近い都市型商業ビルの取得

  (ニ)物流倉庫
    ㋑顧客のニーズに沿った設備・機能を備えたビルド・トゥ・スーツ型(特定企業向け)倉庫の
     取得
    ㋺利便性の良いマルチテナント型大型倉庫の取得

 ②既存施設の見直し
  (イ)収益性の悪化や築年経過物件の売却または建替を着実に実行
  (ロ)ビルの特性を生かした新規業態のテナント誘致による収益性の向上

 ③保有アセットの収益性追求
  (イ)質の高いビル設備で高稼働の追及
  (ロ)お客様志向の徹底による更なるテナントリレーションの強化
  (ハ)提案力の強化による新規顧客の開拓

 ④リスクへの対応力を強化
  (イ)所有物件の地域ポートフォリオの分散
  (ロ)BCP対応ビル等へ計画的なリニューアルの実施

 ⑤将来に向けた新たな展開
  (イ)アライアンス等により事業の多角化、規模拡大を検討
  (ロ)投資手法の多様化を検討
  (ハ)米国等の先進国に投資先を絞った、海外不動産投資を検討

 ⑥強固な財務基盤を堅持
  (イ) 直接金融と間接金融のバランスに留意し、安定的かつ低金利での資金調達に取り組む
  (ロ)財務バランスの健全性を維持し、自己資本比率は 30%以上、ネット有利子負債は EBITDA
    (償却前営業利益)の 10 倍以下を堅持

                        5
  (ハ)良好な格付を堅持しつつ、1ステージ上の格付け取得を模索
  (ニ)ROA(営業利益/総資産)は 4%台を確保

⑦ESG を意識した事業運営
  (イ)E(環境)
    ㋑予防保全を通じたビルの長寿命化
    ㋺緑化・省エネへの取り組み
    ㋩各種認証取得を検討
  (ロ)S(社会)
    ㋑BCP、防災設備の整備等を通じた地域社会への貢献
    ㋺イベントへの協賛、寄付活動等を通じた地域活性化への取り組み
    ㋩働き方改革を通じた生産性向上
  (ハ) G(ガバナンス)
    機関設計の見直し、一段の役員の多様性の確保等を通じ、経営の健全性、透明性を強化

(5)株主還元
   配当性向を従来比 5~10pt引上げた 35~40%とし、「安定性」、「継続性」を主とした配当方針と
   します。また、経済情勢および自社の株価を総合的に勘案し、資本効率を十分に意識した株主
   還元についても検討します。

                                                 以 上




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