8806 ダイビル 2021-11-30 18:15:00
支配株主である株式会社商船三井による当社株式に対する 公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ [pdf]

                                                                         2021 年 11 月 30 日
各 位
                                               会 社 名    ダ   イ   ビ    ル   株   式   会    社
                                               代表者名     代表取締役 社長執行役員 園部 俊行
                                                            (コード番号 8806 東証第1部)
                                               問合せ先     執行役員経営企画部長 多賀 秀和
                                                                    (TEL.06-6441-1937)



                   支配株主である株式会社商船三井による当社株式に対する
                   公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ



当社は、本日開催の取締役会において、下記のとおり、当社の支配株主(親会社)である株式会社商船三井
(以下「公開買付者」といいます。
               )による当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。
                                        )に対する公開買
付け(以下「本公開買付け」といいます。
                  )に賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、
本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
なお、当社の上記取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続(以下総称して「本
取引」といいます。
        )により当社を公開買付者の完全子会社とすることを企図していること、並びに当社株式
が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。


1.公開買付者の概要
(1)   名                 称   株式会社商船三井
(2)   所        在        地   東京都港区虎ノ門二丁目1番1号
(3)   代表者の役職・氏名             代表取締役社長執行役員                橋本 剛
(4)                         世界的な規模において不定期船、各種専用船、油送船、LNG 船及びコンテ
      事    業       内    容   ナ船による海上貨物運送を行い、運賃、貸船料、運航手数料等を収集する
                            海運業、海洋事業、倉庫業及び不動産賃貸業など
(5)   資        本        金   65,400 百万円
(6)   設    立   年    月   日   1942 年 12 月 28 日
(7)                         日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)                                14.93%
                            株式会社日本カストディ銀行(信託口)                                       7.74%
                            株式会社三井住友銀行                                               2.50%
                            三井住友海上火災保険株式会社                                           2.35%
                            MSIP CLIENT SECURITIES                                   1.61%
      大株主及び持株比率
                            (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG 証券株式会社)
      (2021 年9月 30 日現
                            三井住友信託銀行株式会社                                             1.24%
      在)
                            ザ バンク オブ ニューヨーク メロン 140044                               1.18%
                            (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)
                            株式会社みずほ銀行                                                1.17%
                            日本証券金融株式会社                                               1.08%
                            ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM                                   1.04%
(8)   当社と公開買付者の関係
                            公開買付者は、本日現在、当社株式を 59,527,766 株(所有割合(注1)
                                                                  :
      資    本       関    係
                            51.91%)所有し、当社を連結子会社としております。
      人    的       関    係   本日現在、当社取締役6名のうち、園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏
                                           1
                       は公開買付者の出身者です。また、当社監査役3名のうち、堀口英夫氏は
                       公開買付者の出身者です。
                       上記のほか、本日現在、公開買付者の従業員1名が当社に出向しており、
                       当社の従業員1名が公開買付者に出向しております。
                       当社グループ(注2)は、公開買付者グループ(注3)に対し、当社所有
      取    引   関   係
                       ビルを賃貸しております。
      関 連 当 事 者 へ の    公開買付者は当社の親会社であり、公開買付者と当社は相互に関連当事者
      該    当   状   況   に該当します。
(注1)
   「所有割合」とは、当社が 2021 年 11 月 12 日に提出した「第 150 期第2四半期報告書」
                                                     (以下「当社
    四半期報告書」といいます。)に記載された 2021 年9月 30 日現在の当社の発行済株式総数
    (115,051,049 株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(367,282 株)を控除した株式数
    (114,683,767 株)に占める割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下所有
    割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じです。。
                              )
(注2)
   「当社グループ」とは、当社及び当社の連結対象会社の総称をいいます。以下同じです。なお、2021
    年9月 30 日現在、当社グループは当社及び連結対象会社 15 社(全て連結子会社)で構成されていま
    す。
(注3)
   「公開買付者グループ」とは、公開買付者及び公開買付者の連結対象会社の総称をいいます。以下同
    じです。なお、2021 年9月 30 日現在、公開買付者グループは、公開買付者及び公開買付者の連結対
    象会社(当社を含みます。
               )481 社(うち、連結子会社 369 社、持分法適用関連会社 112 社)で構成さ
    れているとのことです。



2.買付け等の価格
  当社の普通株式1株につき、2,200 円(以下「本公開買付価格」といいます。
                                       )



3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由
(1)意見の内容
   当社は、本日開催の取締役会において、下記「
                       (2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記
  載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し
  て、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
   なお、上記取締役会決議は、下記「
                  (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反
  を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧当社における利害関係
  を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法
  により決議されております。


(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
  本項の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいて記載し
 ております。
   ① 本公開買付けの概要
     公開買付者は、本日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。
                                             )市場第
    一部に上場している当社株式 59,527,766 株(所有割合:51.91%)を所有しており、当社を連結子会
    社としているとのことです。
     この度、公開買付者は、2021 年 11 月 30 日開催の取締役会において、当社株式の全部(但し、公開
    買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得するこ
    とにより、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。



                                 2
 公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けに
おいて、16,928,034 株(所有割合:14.76%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付
けに応じて応募がなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。
                              )の総数が買付予定数の下限に
満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本
公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以
上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
 買付予定数の下限(16,928,034 株)は公開買付者が当社を完全子会社とすることを目的としており、
下記「
  (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                                     」の「②株式併
合」に記載の完全子会社化のために必要な会社法第 180 条に基づく当社株式の併合(以下「株式併合」
といいます。
     )の手続を実施する際には、会社法第 309 条第2項に規定する株主総会における特別決
議が要件とされているため、本取引の実施を着実に遂行すべく、本公開買付け後に、公開買付者が当
社の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有することとなるようにするためとのことです。また、
買付予定数の下限(16,928,034 株)は、当社四半期報告書に記載された 2021 年9月 30 日現在の当社
の発行済株式総数(115,051,049 株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(367,282 株)を
控除した株式数(114,683,767 株)に係る議決権数(1,146,837 個)に3分の2を乗じた議決権数
(764,558 個)に当社株式1単元(100 株)を乗じた株式数(76,455,800 株)より、公開買付者が所
有する当社株式数(59,527,766 株)を控除した株式数としているとのことです。なお、公開買付者は、
本公開買付価格は、下記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意
思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「
                        (ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決
定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社の株価に対して十分なプレミ
アムを付した価格であり、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限(16,928,034 株)を上回る応募
が見込まれると判断したため、本公開買付けの実施に当たり、特定の株主との間で本公開買付けへの
応募に関する契約は締結していないとのことです。
 公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けに
おいて当社株式の全部を取得できなかった場合には、下記「
                          (5)本公開買付け後の組織再編等の方
針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている当社の株主を公開買付者のみとするため
の一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、当社株式の
全部を取得することを予定しているとのことです。


 公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けの決済の開始日の前営業日までに、本
公開買付けに係る決済に要する資金を、1,230 億円を限度として株式会社三井住友銀行から借り入れ
る資金により賄うことを予定しているとのことです。なお、当該借入れについて、担保提供を行うこ
とは予定していないとのことです。



② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公
開買付け後の経営方針
(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
 公開買付者は、1964 年4月、大阪商船株式会社と三井船舶株式会社の合併により発足した大阪商船
三井船舶株式会社が、1999 年4月にナビックスライン株式会社と合併し、現在の商号となった会社で
あるとのことです。大阪商船株式会社は、1884 年5月、関西の船主が大同合併して資本金 1,200 千円
をもって創立された定期船(注1)の保有及び運航を行う会社であるとのことです。三井船舶株式会
社は、明治初期より海上輸送事業を行っていた三井物産株式会社の船舶部が、1942 年 12 月 28 日に分
離独立し、資本金 50,000 千円をもって設立されたとのことです。大阪商船株式会社と三井船舶株式
会社は、第二次世界大戦により所有船舶のほとんど及び自主運航権を失いましたが、1950 年4月に海
運の民営還元が実現した後、運航権の回復と船舶の整備拡充に努めた結果、1950 年代前半には第二次
世界大戦前の主要航路での運航を再開することができたとのことです。その後、上記のとおり1964 年


                         3
4月に実施された大阪商船株式会社と三井船舶株式会社の合併(合併後の商号は大阪商船三井船舶株
式会社)を経て、わが国貿易の発展及び海上輸送形態と積荷の多様化に対応して事業の拡大と多角化
に努めてきたとのことです。
 大阪商船株式会社は 1884 年6月に大阪株式取引所(現、株式会社大阪取引所)に、三井船舶株式
会社は 1949 年5月に東京・大阪・名古屋の各証券取引所にそれぞれ上場し、1964 年には国内全ての
証券取引所において上場したとのことです。その後 2007 年 11 月に証券会員制法人札幌証券取引所、
2013 年5月に証券会員制法人福岡証券取引所、2013 年7月に株式会社大阪証券取引所(現、株式会
社大阪取引所。以下「大阪証券取引所」といいます。
                       )市場第一部、2017 年5月に株式会社名古屋証
券取引所市場第一部において上場を廃止し、現在、公開買付者は東京証券取引所市場第一部に上場し
ているとのことです。
 2021 年9月 30 日現在、公開買付者の連結対象会社(当社を含みます。
                                     )は 481 社(うち、連結子会
社 369 社、持分法適用関連会社 112 社)であり、公開買付者グループは海運業を中心にグローバルな
事業展開を図っているとのことです。公開買付者グループの事業は、ドライバルク船事業、エネル
ギー輸送事業、製品輸送事業、関連事業及びその他の5セグメントに分類されており、それぞれの事
業の概要は以下のとおりであるとのことです。


     I.     ドライバルク船事業:公開買付者グループは、ドライバルク船(注2)
                                           (火力発電用の石炭
            を輸送する石炭船を除く。
                       )を保有、運航し、世界中で海上貨物輸送を行っているとのこと
            です。
     II.    エネルギー輸送事業:公開買付者グループは、火力発電用の石炭を輸送する石炭船、油送
            船、海洋事業・LNG船等を保有、運航し、世界中で海上貨物輸送を行っているとのこと
            です。
     III.   製品輸送事業:公開買付者グループは、自動車専用船(注3)を保有、運航し、世界中で
            海上貨物輸送を行っているとのことです。また、コンテナ船の保有、運航、コンテナター
            ミナルの運営、航空・海上フォワーディング(注4)
                                   、陸上輸送、倉庫保管、重量物輸送等
            の「トータル・物流ソリューション」を提供しているとのことです。さらに、公開買付者
            の連結対象会社である商船三井フェリー株式会社及び株式会社フェリーさんふらわあが、
            主として太平洋沿海及び瀬戸内海でフェリーを運航し、旅客及び貨物輸送を行っていると
            のことです。
     IV.    関連事業:当社を中心として不動産事業を行っているほか、公開買付者グループは、客船
            事業、曳船業、商社事業(燃料・舶用資材・機械販売等)等を営んでいるとのことです。
     V.     その他:エム・オー・エル・シップマネージメント株式会社等の連結対象会社を通じて、油
            送船とLNG船を除く船舶の船舶管理業、グループの資金調達等の金融業、情報サービス
     業、経理代行業、海事コンサルティング業等を営んでいるとのことです。
(注1) 「定期船」とは、始発港、寄港地、到着港、発着予定日、航路名などをあらかじめ公表し
      て、一定航路を定期的に航海する船とのことです。
(注2) 「ドライバルク船」とは、梱包されていない穀物・鉱石・セメントなどのばら積み貨物を
      船倉に入れて輸送するために設計された貨物船とのことです。
(注3) 「自動車専用船」とは自動車の輸送に特化した船とのことです。
(注4) 「フォワーディング」とは、輸送の依頼主(荷主)と実際の輸送業者(キャリア)の間に
      立って、貿易事務や輸送手配に付随して発生する専門業務を支援する業務とのことです。

一方、当社は 1923 年 10 月に大阪商船株式会社、宇治川電気株式会社並びに日本電力株式会社の三
社共同出資により株式会社大阪ビルヂングとして設立され、1945 年 10 月に大阪建物株式会社に社名
を変更しました。1950 年 12 月には大阪証券取引所、1983 年 12 月には東京証券取引所市場第一部に上
場し、その後 1992 年1月に現在の社名に変更しております。当社は 2013 年7月の東京証券取引所と
の統合に伴い大阪証券取引所への上場は廃止し、現在は東京証券取引所市場第一部に上場しておりま
す。


                            4
 2021 年9月 30 日現在、当社の連結対象会社は 15 社(全て連結子会社)であり、当社グループは、
オフィスビルの賃貸を主な事業とし、
                「ビルを造り、街を創り、時代を拓く」という経営理念のもと、
誠実を旨に顧客重視の良質なオフィススペースを提供し、経済社会の発展に貢献するとともに、収益
の向上に努め企業価値を高めていくことを目指しております。当社グループの事業は、土地建物賃貸
事業、ビル管理事業、その他の3セグメントに分類されており、それぞれの事業の概要は以下のとお
りです。


     I.   土地建物賃貸事業:当社及び連結子会社を通じて、当社及び連結子会社が所有するオフィス
          ビル、ホテル、マンション等を賃貸しております。
     II. ビル管理事業:連結子会社を通じて、当社が所有するビル及び当社以外の者が所有するビル
          等について、ビル管理業務を請負っております。
     III. その他:当社及び連結子会社を通じて、建築、設備の設計監理・請負工事・工事管理を行っ
          ております。


 当社と公開買付者の資本関係については、公開買付者の前身である大阪商船株式会社が、宇治川電
気株式会社及び日本電力株式会社との三社共同出資により当社(当時の商号は株式会社大阪ビルヂン
グ)を 1923 年 10 月に設立し、2004 年9月 30 日現在、当社株式 32,235,531 株(2004 年9月 30 日現
在の持株割合(当該時点の当社の発行済株式総数から当該時点の当社が所有する自己株式数を控除し
た数に対する割合を意味します。小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、本段落の「持株
割合」の記載において同じです。:27.62%、同日現在の当社の発行済株式総数:116,851,049 株、同
               )
日現在の自己株式数:143,397 株)
                   )を所有するに至ったとのことです。また、公開買付者は、2004 年
9月に、中核事業である外航海運を基軸に、強固な企業グループの実現、及びグループ経営の促進を
図るため、当社を公開買付者グループ企業と明確に位置付けることを目的として、当社株式への公開
買付け(買付け等の期間:2004 年9月 15 日から同年 10 月 14 日、買付予定数の上限:27,300,000 株、
買付予定数の下限:なし)を行い、2004 年 10 月 21 日付で当社株式 27,300,000 株を新たに取得した
ことにより、同日現在 59,535,531 株(2004 年 10 月 15 日現在の持株割合:51.01%、同日現在の発行
済株式総数:116,851,049 株、同日現在の自己株式数:145,674 株)を所有し、当社を連結子会社と
したとのことです。その後、公開買付者は、公開買付者が所有する単元未満株の買取請求をしたこと
により、2006 年3月 24 日現在 59,527,766 株(2006 年3月 24 日現在の持株割合:51.03%、同日現在
の発行済株式総数:116,851,049 株、同日現在の自己株式数:205,873 株)の当社株式を所有するこ
ととなり、本日現在、当社株式 59,527,766 株(所有割合:51.91%)を所有するに至ったとのことで
す。
 公開買付者グループの主たる事業分野である海運業は、世界各国の資源・原材料・製品の生産動向
が輸送需要に直接的に影響する性質を有しており、世界経済全体の成長に伴い各国の生産動向の変動
要因が多様化していることから、需要の見通しが立てにくい状況となりつつあります。また、近年は
業界全体としてLNG等のクリーン代替燃料を利用した新型船舶の導入に向けた取り組みが進んでお
りますが、こうした取り組みは技術革新という不確実な要素に左右される側面があることから、供給
面についても将来予測が難しくなっているとのことです。このように需要・供給の両面において業界
の見通し分析が年々難易度を増していることから、コンテナ船事業をはじめ、鉄鉱石輸送を中心とし
たドライバルク事業やエネルギー輸送に従事するタンカー事業を含め、海運業に係る業界の成長性及
び将来予測は不確実性を増しており、公開買付者は、運航や貨物の取り扱いの専門性が高くないがゆ
えに参入障壁が低い一般的な海上輸送事業を継続するだけで公開買付者グループが中長期的に成長を
続けていくことはもはや難しくなってきているとかねてより考えていたとのことです。また、近年ま
すます顕著になっている、SDGsに代表される社会の持続性に関する世界的な大きな流れ、特に、
気候変動をはじめとした環境問題への対応は、社会の要請が日に日に高まっており、公開買付者グ
ループにとっても避けては通れない喫緊の課題と認識しているとのことです。公開買付者グループは、
2021 年4月1日に公開買付者グループの企業理念とグループビジョンの改訂を行い、社会の長期的な


                              5
繁栄のために、公開買付者グループが強みを持つ分野で貢献し、海運業にとどまらない幅広い社会イ
ンフラ事業をグローバルに展開しながら価値創造を行っていくこと、また、2021 年6月 18 日に公開
買付者グループの環境ビジョンを改訂した「商船三井グループ 環境ビジョン 2.1」においては、公
開買付者グループ総力を挙げて、各業界のリーダーと共に、社会の温室効果ガス排出削減を目指す
「2050 年ネットゼロ・エミッション」を謳っており、それによって公開買付者グループ自身の持続的
な成長も可能になると考えているとのことです。
公開買付者グループの主たる事業分野である海運業は、需要が景気や市況の変動による影響を受け
やすく、業界として極端な好景気と不景気を繰り返す性質があるとともに、中長期的には、石炭・石
油などの化石燃料エネルギーの輸送需要の減少や重油からLNG等のクリーン代替燃料への船舶燃料
の切り替えの過程における追加投資負担や代替燃料価格変動などによる脱炭素化の影響による収益の
不安定化等の不確実性があるとのことです。このような環境の中、当社を公開買付者の完全子会社と
することは、海運業とは異なる事業特性・市況サイクルを持つ不動産事業の事業ポートフォリオ上の
比重を高めることに繋がり、伝統的な海運業に対する依存度を相対的に低下させることによるグルー
プ全体として常に安定的な利益を上げられるような体質の強靭化及び海運業の中で培ってきた公開買
付者グループの持つ強みやネットワークを活かせる新規事業領域への多様化に資すると考えていると
のことです。また、当社グループの営む不動産事業は、公開買付者グループの海外各国のビジネス慣
習や経済状況等についての知識や経験、地場の企業と長年事業を営んできた関係性等を活かして海外
各国でのビジネスを拡大することができると見込んでいるとのことです。また、市況を勘案しながら
の長期保有を前提とする船舶・不動産等の資産の取得及び所有を行っている点や事業内容は異なるも
ののユーザーへのサービス提供を行っている点で、公開買付者グループが主たる事業としている海運
業との共通性が高く、公開買付者グループが海運業において培ってきたサービス提供体制構築等の経
営ノウハウをはじめとする公開買付者グループの強みを活かせる事業領域であると考えているとのこ
とです。そして、当社を公開買付者の完全子会社とすることで、上場会社として独立性の維持の観点
から制限のあった当社グループと公開買付者グループの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経
営資源の相互活用が可能になり、お互いの強みを活かした当社グループと公開買付者グループの協業
及びネットワークの活用により、お互いに新たな知見及び経営資源を利用することができ、公開買付
者グループ全体の資産効率の向上や物流施設等のロジスティクス関連不動産への投資及び成長性の高
い海外不動産への投資の拡大が見込めると考えているとのことです。
一方で、公開買付者は、当社グループにおいては、当社が公開買付者の完全子会社となることで、
一時的な投資負担の増加や短期的な業績悪化が株主に与える影響を考慮することなく、これまで以上
に迅速な意思決定が可能となること及び上場会社として独立性の維持の観点から制限のあった当社グ
ループと公開買付者グループの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源の相互活用が可能
になることで、より中長期的視点に立脚した成長戦略の推進が可能になると考えているとのことです。
具体的には、当社グループの主な事業であるオフィスビル賃貸の市況については、新型コロナウイル
ス感染症の感染拡大による経済への影響及びそれに伴うワークスタイルの変化により、需給のバラン
ス等含め厳しい状況が継続する可能性が高いと考えているとのことですが、本取引後は、上記のとお
り当社が公開買付者の完全子会社となり、一時的な投資負担の増加や短期的な業績悪化が当社の一般
株主に与える影響を考慮する必要が無くなるため、短期的な業績動向や利益にとらわれずに、中長期
的な視点に基づいてオフィスビル関連の成長投資や環境戦略を積極的に行うことが可能になると考え
ているとのことです。また、当社グループは、2018 年4月 27 日付で、2018 年4月から 2023 年3月ま
での5年間を計画期間とする現行の中期経営計画「“Design 100”プロジェクト Phase–Ⅱ」(以下
「Phase–Ⅱ」といいます。
              )を策定し、当該計画における重点施策として「都心大型オフィスビルへ
の投資」や「投資対象拡充」を掲げておりますが、本取引後は、上記のとおり迅速な意思決定が可能
となり、かつ上場会社としての独立性の維持のために存在した制限がなくなるため、公開買付者グ
ループのネットワークや資本等の経営資源をより一層活用することが可能となり、現在当社グループ
が取り組んでいる国内再開発案件等は従来と変わらず取り組む一方、公開買付者グループが手掛ける
ロジスティクス事業と関連した不動産分野への進出や、公開買付者が 2021 年4月5日付で発表した


                         6
公開買付者グループの 2021 年度に係る経営計画「ローリングプラン 2021」
                                       (以下「本ローリングプ
ラン」といいます。
        )や公開買付者グループの「商船三井グループ 環境ビジョン 2.1」で推進してい
る低脱炭素事業の不動産事業への展開など、当社グループの成長に資するようなより大型かつ多様な
新規開発投資や戦略的提携も検討していくことが可能になると考えているとのことです。当社グルー
プがベトナム及びオーストラリアで展開している海外事業についても、公開買付者グループの海外に
おける人材等のリソース、グローバルな情報網を活用することで、当社グループの事業戦略や本ロー
リングプランにマッチする海外での物件取得や開発、他社との提携が検討・実行可能となり、今後、
オフィスマーケットの拡大が期待される海外地域での事業拡大を図ることも可能になると考えている
とのことです。上記の成長投資や環境戦略を行う上で必要となる資金調達に関しても、公開買付者グ
ループの金融機関等との関係や資金調達手段を当社グループにも展開できるものと考えており、多額
の投資に際しても公開買付者グループの与信枠を使っての資金調達が可能になると考えているとのこ
とです。
公開買付者は 2004 年 10 月 15 日付で当社を連結子会社として以降、上場会社としての当社の独立性
を尊重しながら、公開買付者グループとしての一体運営及びシナジー実現を進めてきたとのことです。
しかしながら、公開買付者としては、現在、当社が上場会社であり、公開買付者グループと当社グ
ループの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源を相互活用及び最適化することに独立性
の観点から制限があることから、当社の上場を維持したままでは、前二段落に記載した、公開買付者
が本公開買付け後に実施することを想定しているオフィスビル関連の成長投資や環境戦略の積極的な
実施、公開買付者グループのネットワークや資本等の経営資源の活用、公開買付者グループが手掛け
るロジスティクス事業と関連した不動産分野への進出等の大型かつ多様な新規開発投資や戦略的提携、
オフィスマーケットの拡大が期待される海外地域での事業拡大、公開買付者グループの与信枠を使っ
ての資金調達等の施策を実行することは難しいと考えているとのことです。また、公開買付者は、上
記の施策は中長期的には当社グループの企業価値向上に資すると考えているものの、短期的には当社
グループの投資額の増加や業績の不安定さを招く可能性もあり、短期的には当社の既存の一般株主の
皆様の利益と必ずしも一致しないことも想定されることから、当社を連結子会社として以降、当社と
の資本関係の在り方について内部で慎重に検討を重ねてきたとのことです。そして、公開買付者は、
2021 年4月5日付で発表した本ローリングプランの策定以降、上記の施策の実現及び当社グループの
中長期的な目線での成長戦略、経営戦略の実行のための当社との資本関係について、公開買付者社内
での検討を加速させ、その結果 、2021 年8月上旬に、当社を公開買付者の完全子会社とし、株主を
公開買付者のみとすることが当社グループを含めた公開買付者グループとしての一体的な運営及び上
記の施策の実現のために最適であり、公開買付者グループ及び当社グループ双方の企業価値の向上に
とって最善の選択であるとの考えに至ったとのことです。公開買付者は、親子上場の解消について、
2019 年6月 28 日に経済産業省が「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」を公表する
など、上場子会社のガバナンス体制の公正性・透明性がより一層要請される中で、公開買付者による
当社の完全子会社化を行うことは、昨今のグループガバナンスに関する議論の潮流に沿ったものであ
ると考えているとのことです。
こうした認識のもと、公開買付者は 2021 年8月上旬に、当社グループ及び公開買付者グループから
独立した財務アドバイザーとしてゴールドマン・サックス証券株式会社(以下「ゴールドマン・サッ
クス」といいます。
        )を、法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任し、本取
引に関する本格的な検討を開始し、本取引の一環として公開買付けの手法により当社株式の取得を行
うことで当社の少数株主に合理的な株式売却の機会を提供することが適切であると考え、2021 年8月
31 日に当社に対して公開買付けの手法により本取引を行うことを提案するとともに公開買付者及び当
社の間で、本取引の実施の有無及び条件について協議を開始したい旨の初期的な打診を行い、当社と
協議を進めることで合意したとのことです。その後、2021 年9月 16 日に当社より 2022 年3月期から
2028 年3月期の事業計画(以下「当社事業計画」といいます。
                              )を受領するとともに、同年9月 22 日
に当社から当社事業計画に関する説明を受け、同年9月 30 日に、当社に対して、当社株式の市場株
価推移分析、及び当社事業計画を踏まえた財務予測モデル分析等に基づく当社の本源的な企業価値、


                        7
並びに当社による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通しを総合的に勘案して、
本公開買付価格を1株当たり 2,000 円とすることを含む、本取引に関する正式提案を行ったとのこと
です。その後、2021 年 10 月 18 日に当社から当社株式の株価に対するプレミアム水準が本取引と同様
の支配株主による完全子会社化事例と比して不十分であること並びに当社及び当社の特別委員会の財
務アドバイザーによる株式価値算定結果に照らしても合理的な価格と判断できないことを理由に提案
内容の再検討を要請されたことを踏まえ、同年 10 月 27 日に本公開買付価格を1株当たり 2,050 円と
する旨の提案を行いましたが、同年 11 月8日に当社から上記と同様の理由により提案内容の再検討
を再度要請されたため、同年 11 月 17 日に本公開買付価格を1株当たり 2,100 円とする最終提案を
行ったとのことです。これに対して、同年 11 月 24 日に当社から上記と同様の理由により本公開買付
価格を 2,200 円に引き上げるよう求める旨の提案を受領したため、公開買付者は、当社取締役会にお
いて本公開買付けへの賛同の意見表明及び当社の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨につい
て決議すること並びに本公開買付けに係る公表日までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事
由が発生又は判明しないことを前提として、同年 11 月 25 日に当社の提案を受諾したとのことです。
 以上の経緯のもとで、公開買付者は、本日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所から
受けた法的助言、ゴールドマン・サックスから受けた財務的見地からの助言及びゴールドマン・サッ
クスから取得した本日付の株式価値算定書(以下「GS算定書」といいます。
                                  )の内容も踏まえ、公
表情報及び当社への確認に基づき同年 11 月 24 日以降同年 11 月 30 日までに公開買付者の判断に重大
な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明していないことを確認の上、当社取締役会において本公開買付
けへの賛同の意見表明及び当社の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議が行われ
ることを前提として、公開買付者による当社の完全子会社化を目的とした本公開買付けを実施するこ
とを決議したとのことです。なお、GS算定書の概要については、下記「
                                (3)算定に関する事項」
の「③公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得」の「
                                       (ⅱ)算定
書の概要」をご参照ください。


(ii)本公開買付け実施後の経営方針等
 公開買付者は、本取引後、当社を含む公開買付者グループ内の連携を加速させるとともに意思決定
を迅速化し、顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の当該グループの経営資源の配分の最適化及び相互活
用を図ることで、今後の事業環境の変化等にも対応し、当社グループの特性や強みを十分に活かしな
がら当社グループの事業強化及び持続的な収益成長を実現していく想定であるとのことです。また、
中長期視点での競争力強化、機動的な経営施策の実行等により、当社グループを含めた公開買付者グ
ループ全体の利益成長を加速させ、企業価値の向上に努めていくとのことです。
 なお、本取引後の当社の経営体制につきましては、当社の現在の経営体制を維持した上で、本取引
後に期待される当社グループの競争力強化及び成長と、公開買付者グループ全体の中長期的成長をで
来る限り早期に実現することを目指して、今後、当社と、必要な施策及びその推進について協議の上、
速やかに決定していく予定とのことです。


③ 当社における意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
 当社は、上記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の
過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「
                    (ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに
至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2021 年8月 31 日に公開買付者から、本取
引についての初期的な打診を受け、前向きに検討すべく、同年9月 16 日開催の当社取締役会の決議
により本特別委員会(以下に定義します。
                  )を組成して以降、公開買付者と協議を進めることで合意
し、当社と公開買付者の実務者間で本取引に関する具体的な協議を開始しました。当社は、公開買付
者との間で本取引に係る協議を開始するに際し、当社が公開買付者の連結子会社であり、本取引が構
造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、こ
れらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2021 年9月上旬に、当社及び公開買付者から


                        8
独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいま
す。)を、法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「ア
ンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。
                      )をそれぞれ選任し、同法律事務所の助言を踏ま
え、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社グループの企業価値の向上及び当社の一般株主の
皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたし
ました。
具体的には、2021 年9月上旬より、当社の社外取締役及び社外監査役から構成される特別委員会の
設置に向けた準備を開始し、2021 年9月 16 日開催の当社取締役会の決議により、大井篤氏(当社独
立社外取締役)
      、宮野谷篤氏(当社独立社外取締役)
                      、妙中茂樹氏(当社独立社外監査役)及び西出智
幸氏(当社独立社外監査役)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
                                            )
を設置し(詳細については、下記「
               (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相
反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「②当社における独立
した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。、本特別委員会に対
                                    )
し、(i) 本取引の目的は正当・合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含
む。、(ii) 本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。
  )                                )の公正性・妥当性が確保
されているか、(iii) 本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなさ
れているか、(iv) 上記(i)乃至(iii)のほか、当社取締役会における本取引についての決定が、当社
の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか、(v) 当社取締役会が本公開買付けに賛同し、
当社株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」
といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、
特別委員会を当社取締役会から独立した合議体と位置付け、①本取引に関する当社取締役会の意思決
定は、当社取締役会の委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特
に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取
引条件による本取引に賛同しないこと、②当社が公開買付者と本取引に係る公開買付価格その他の取
引条件等について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意
見、指示及び要請を受けること、③本特別委員会は、必要と認めるときは、当社の費用負担の下、独
自の弁護士、算定機関、公認会計士、ファイナンシャル・アドバイザーその他のアドバイザーを選任
することができること、④本特別委員会は、当社の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引
に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、その職務に必要
な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。
                            )を行うことができること、及び⑤
本特別委員会に対し、本取引に係る公開買付価格その他の取引条件等について、必要に応じて公開買
付者と交渉を行う権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議については、
下記「
  (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、
本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「②当社における独立した特別委員会の設置及び特
別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。。なお、本特別委員会は、下記「
                      )              (6)本公開買
付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性
を担保するための措置」の「②当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書
の取得」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2021 年9月 16 日に独自の法務アドバイザーとして
中村・角田・松本法律事務所を、独自の財務アドバイザーとして株式会社プルータス・コンサルティ
ング(以下「プルータス」といいます。
                 )を選任しております。
また、当社は、下記「
         (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「②当社における独立した特別委員
会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2021 年9月 16 日開催の第1回特別
委員会において、野村證券を当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関とすること並びにアンダー
ソン・毛利・友常法律事務所を当社の法務アドバイザーとすることについて、その独立性及び専門性
に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための


                       9
体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。
                                           )
を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことに
ついて本特別委員会の確認を受けております(かかる検討体制の詳細については、下記「
                                       (6)本公
開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公
正性を担保するための措置」の「⑦当社における独立した検討体制の構築」をご参照ください。。
                                          )


(ⅱ)検討・交渉の経緯
 当社は、野村證券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉の方針に関する
助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所からの
本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法務的助言を受け、
これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
 当社は、公開買付者から、2021 年8月 31 日に初期的な提案を受領し、同年9月 16 日開催の当社取
締役会の決議により本特別委員会を組成して以降、公開買付者との間で、本取引に係る取引条件につ
いて継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。具体的には、公開買付者より、9月 30 日に本公
開買付価格を1株当たり 2,000 円とする旨の提案を受領いたしました。その後、2021 年 10 月 18 日に
当社は当社株式の株価に対するプレミアム水準が本取引と同様の支配株主による完全子会社化事例と
比して不十分であること並びに当社及び本特別委員会の財務アドバイザーによる株式価値算定結果に
照らしても合理的な価格と判断できないことを理由に提案内容の再検討を要請し、同年 10 月 27 日に
本公開買付価格を1株当たり 2,050 円とする旨の提案を公開買付者より受領しましたが、同年 11 月8
日に上記と同様の理由により提案内容の再検討を再度要請を行いました。その後、同年 11 月 17 日に
本公開買付価格を1株当たり 2,100 円とする最終提案を公開買付者より受領しました。これに対して、
同年 11 月 24 日に当社は上記と同様の理由により本公開買付価格を 2,200 円に引き上げるよう求める
旨の提案を行い、公開買付者は、当社取締役会において本公開買付けへの賛同の意見表明及び当社の
一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議すること並びに本公開買付けに係る公表日
までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明しないことを前提として、同年
11 月 25 日に当社の提案を受諾する旨の返答を受けました。その後、同年 11 月 29 日の特別委員会に
て、同年 11 月 30 日開催の当社取締役会での承認を受けることを条件に、本公開買付価格を 2,200 円
とすることについて合意に至りました。


(ⅲ)判断内容
 以上の経緯のもとで、当社は、本日開催の当社取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律
事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに 2021 年 11 月 29 日付で
提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證
券)
 」といいます。
       )の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けたプルータス作成に係る2021 年
11 月 29 日付株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)
                                   」といいます。
                                         )及び本公開買
付価格の財務的見地からの合理性に関する意見(フェアネス・オピニオン)
                                 (以下「本フェアネス・
オピニオン」といいます。
           )の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された答申書(以下「本答
申書」といいます。
        )の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の一連の手続及び本
取引に関する諸条件について、当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本
取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
 その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの
創出を見込むことができ、当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。


 これまで当社は上場会社として、当社の少数株主の利益を尊重し、当社としての独立性の確保に努
めてまいりました。このため、公開買付者グループが有するノウハウや経営インフラ等を共有するこ
とについては、公開買付者グループと当社の少数株主との間で利益相反の懸念があり、当社としての
独立性の確保の観点から、迅速かつ円滑にその共有化を推進することが困難でありました。本取引後


                         10
においては、公開買付者の完全子会社になることで、公開買付者グループと当社の少数株主との間の
利益相反の懸念が解消され、独立性確保のための制約を回避しつつ、公開買付者グループとの連携及
び経営資源等の効率的な活用を迅速かつ円滑に行いながら、当社の企業価値の向上及び当社を含む公
開買付者グループの中長期的な企業価値の向上に資することができると考えております。
 本取引を通じて、当社が実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。


 (a) 国内における「投資対象の拡充」の強化
 当社グループは、現行の中期経営計画である Phase–Ⅱにおける重点施策として「投資対象の拡充」
を掲げております。前中期経営計画「
                “Design 100”プロジェクト Phase–Ⅰ」までは東京都心三区
(千代田区、中央区、港区)における投資金額が 400 億円規模のオフィスビルを主な投資対象として
おりましたが、こうした物件の取得機会は限られるうえ、取得候補となる物件に関して入札手続が実
施される場合には、海外を含めた投資家と競合することから、取得が極めて困難な環境が続いており
ます。
 こうした外部環境を踏まえ、Phase–Ⅱでは投資対象物件の「地域」「用途」「規模」について対象
                                  ・  ・
を広げて投資機会を窺っています。
 「地域」については東京、大阪以外の地方中核都市(札幌、仙台、名古屋、広島、福岡)を対象と
しておりますが、現状、情報収集には限界があり、2019 年の札幌での物件取得に留まっております。
一方、海運業を営む公開買付者グループは、国内においても地方の有力企業と考えている取引先や上
記地方中核都市を含む地方自治体等に幅広い人脈やビジネス上の繋がりを有していると考えており、
それらを活用することにより当社の地方中核都市への更なる投資拡充が図れるものと考えております。
 「用途」についても、公開買付者グループは、当社が所有していない物流施設等を所有・運営し、
物流サービスプロバイダーとして運営ノウハウも有しているため、当社グループは、公開買付者グ
ループのそうした知見を活用することにより、物流施設等のロジスティクス関連不動産への投資を拡
大し、投資対象の「用途」の拡充を図ることができると考えております。
 また、投資「規模」については、当社は公開買付者グループから独立した第三者として、資金調達
については当社が独自で行っており、年々大型化が進む東京や大阪といった都心及び地方中核都市に
おける投資案件において、その物件規模から当社グループ単独では実行が困難であった案件がござい
ましたが、本取引により公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループの金融機関等と
の関係や資金調達手段を活用することができ、多額の投資に際しても公開買付者グループの与信枠を
使っての資金調達が可能となると考えており、規模の大きな投資案件の実行が可能になることを期待
しております。


 (b) 海外事業の強化
 2017 年に公表された国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口によると、日本の国内人口
は、2050 年に向けて減少し続ける一方で、当社グループが投資しているベトナムや豪州は国際連合に
よる世界人口推計によると 2050 年まで人口増加が続くと予測されており、今後もさらなる成長が見
込まれております。
 当社グループは 2007 年に海外事業の検討を開始し、2012 年1月に海外投資の第一号案件としてベ
トナム・ホーチミン市のサイゴン・タワーを所有する Saigon Tower Co., Ltd.を子会社化したことを
皮切りに、海外事業を拡大してまいりました。2014 年 12 月にはベトナムハノイ市のコーナーストー
ン・ビルディングを所有する VIBANK-NGT., Ltd.を子会社化し、2018 年9月には豪州シドニーで
Daibiru Holdings Australia Pty Ltd(現 Daibiru Australia Pty Ltd)を通じてオフィスビル開発
プロジェクト「275 George Street」を獲得、2020 年 12 月にオフィスビル「275 George Street」が
完工しました。
 当社グループが今後も持続的に企業価値拡大を図る上では、
                           「海外事業の強化」は、Phase–Ⅱで掲げ
た施策の中でも、特に欠かすことができない重点施策の1つであります。
 公開買付者グループは、これまで長きにわたり海外事業を展開しており、当社グループにはない海


                                 11
外における幅広いネットワークを世界各所に有し、また、海外における豊富なビジネス経験や高い知
見・スキルを有する人材を保有しています。
本取引により、上場会社として独立性の維持の観点から制限のあった公開買付者グループと当社グ
ループとの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源の相互活用が可能になり、当社グルー
プがこうした公開買付者グループが有する人材やネットワーク等を一層活用することで、海外事業の
強化・拡充が実現できると考えております。また、海外事業は国内事業とは異なるリスクを含みます
が、公開買付者グループは、為替リスクへの対応を含め豊富なノウハウを有しており、リスクマネジ
メントの強化も図れると考えております。


また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり 2,200 円は当社の一般株主の皆
様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対し
て適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると本日開
催の取締役会において判断いたしました。


(ア)当該価格が、当社において、下記「
                  (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び
利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開
買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特
別委員会の関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果、合意された価格であること。


(イ)当該価格が、下記「
           (3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関か
らの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(野村證券)における野村證券による当社
株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回って
おり、また、DCF法(下記「
             (3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機
関からの株式価値算定書の取得」の「
                (ii)当社株式に係る算定の概要」において定義します。
                                          )に
よる算定結果の範囲内であること。


(ウ)当該価格が、下記「
           (3)算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定
機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(プ
ルータス)におけるプルータスによる当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比
較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であること。
また、下記「
     (3)算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株
式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付
価格である1株当たり 2,200 円が当社株式の株主(公開買付者を除きます。
                                     )の皆様にとって、財務
的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンが発行されていること。


(エ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である 2021 年 11 月 29 日の東
京証券取引所市場第一部における当社株式の終値 1,489 円に対して 47.75%(小数点以下第三位を
四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)
                                、2021 年 11 月 29 日から直
近1ヶ月間の終値単純平均値 1,522 円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均
値の計算において同じです。)に対して 44.55%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値 1,533 円に対し
て 43.51%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値 1,464 円に対して 50.27%のプレミアムが加算された
ものであり、本取引が上場親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした取引であることか
ら、2019 年1月以降に公表された上場親会社による上場子会社の完全子会社化を目的としたほかの
公開買付けの事例 24 件におけるプレミアム水準(公表日前営業日の終値(事前に報道が行われた案
件については、当該報道が行われた日の前営業日)
                      、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近
6ヶ月間の終値の単純平均値それぞれからのプレミアムの中央値(約 42%程度~44%程度)
                                           ・平均
値(約 46%程度~49%程度)
               )に照らしても遜色なく、合理的な水準と認められること。


                        12
    (オ)当該価格は、下記「
               (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避
    するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「②当社における独立した特
    別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した
    本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。


    こうした判断のもと、当社は、本取引が当社グループの企業価値の向上に資するものであるととも
   に、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、本日開催の当社取締
   役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開
   買付けへの応募を推奨することを決議しております。
    当社取締役会における決議の方法については、下記「
                           (6)本公開買付価格の公正性を担保するため
   の措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧
   当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない
   旨の意見」をご参照ください。


(3)算定に関する事項
 ① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
  (ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
    当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価
   格に対する意思決定の公正性を担保するために、当社及び公開買付者から独立した財務アドバイザー
   及び第三者算定機関である野村證券に対し、当社株式価値の算定を依頼し、2021 年 11 月 29 日付で、
   本株式価値算定書(野村證券)を取得いたしました。
    野村證券は当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重
   要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等
   を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及
   び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本
   公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけ
   ではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関
   として選任しております。


  (ii)当社株式に係る算定の概要
    野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用す
   べき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評
   価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所市場第一部に上場しているこ
   とから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式
   価値が類推可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するために
   ディスカウント・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
                                   )を算定手法として用いて、
   当社の株式価値の算定を行い、当社は野村證券から 2021 年 11 月 29 日付で本株式価値算定書(野村證
   券)を取得しております。
    本株式価値算定書(野村證券)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たり
   の株式価値の範囲は以下のとおりです。


    市場株価平均法: 1,464 円から 1,533 円
    類似会社比較法: 915 円から 1,799 円
    DCF法:       1,211 円から 2,448 円


    市場株価平均法では、基準日を 2021 年 11 月 29 日として、東京証券取引所市場第一部における当社


                                    13
       株式の基準日の終値 1,489 円、直近5営業日の終値単純平均値 1,512 円、直近1ヶ月間の終値単純平
       均値 1,522 円、直近3ヶ月間の終値単純平均値 1,533 円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値 1,464 円
       を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を 1,464 円から 1,533 円までと算定しております。
         類似会社比較法では、完全には類似していないものの、当社と比較的類似する事業を営む上場会社
       として、東京建物株式会社、平和不動産株式会社、京阪神ビルディング株式会社を類似会社として抽
       出し、企業価値に対する税引前利益から受取利息及び支払利息を除外した数値(以下「EBIT」と
       いいます。
           )の倍率、償却前EBITの倍率(以下「EBITDAマルチプル」といいます。、企業
                                                )
       価値に対する時価純資産(保有不動産の課税考慮後の含み損益を加味した純資産)に純有利子負債を
       加算した数値の倍率、時価総額に対する純利益の倍率及び時価総額に対する純資産の倍率を用いて、
       さらに当社が保有する現金同等物の全ての価値を加算するなど財務上の一定の調整を行って、当社株
       式の1株当たりの価値の範囲を 915 円から 1,799 円までと算定しております。
         DCF法では、当社の 2022 年3月期から 2028 年3月期までの7期分の事業計画における収益や投
       資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、将来創出されると見込まれるフリー・
       キャッシュ・フローを、事業リスクを考慮した適切な割引率で現在価値に割り引いて当社の株式価値
       を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を 1,211 円から 2,448 円と算定しております。なお、
       割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)を使用しており、3.0%~
       3.5%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率は-0.25%~0.25%、E
       BITDAマルチプルは 15.5 倍~17.5 倍として当社株式の1株当たり株式価値を算定しております。
         野村證券がDCF法による算定の前提とした当社事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。
       野村證券が算定に使用した当社の事業計画には、対前年度比において大幅な増益を見込んでいる事業
       年度が含まれております。具体的には、2024 年3月期は当社保有ビルの建替関連損失に起因する特別
       損失の発生が見込まれることから、当該事業年度の親会社株主に帰属する当期純利益は減益が見込ま
       れるものの、2025 年3月期は当該一過性要因の剥落及び新築ビルの通期寄与から、大幅な増益が見込
       まれております。なお、2023 年3月期から 2027 年3月期までは、国内大型ビルを含む大規模投資に
       加え、現在進行中である比較的大きな建替投資(札幌、御堂筋、八重洲)を見込んでいるため、フ
       リー・キャッシュ・フローはマイナスとなる見込みですが、2028 年3月期には大口の投資が一巡する
       ことから、投資キャッシュ・フローの減少によりフリー・キャッシュ・フローはプラスに転じる見込
       みです。
         また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において収益に
       与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、野村證券が算定に使用した当社の事業計画に
       は加味されておらず、以下の財務予測にも含まれておりません。
                                                                             (単位:百万円)
           2022 年      2023 年     2024 年          2025 年     2026 年     2027 年     2028 年
           3月期         3月期        3月期             3月期        3月期        3月期        3月期
           (6ヶ月)
営業収益          20,943     44,905     44,900          46,905     49,326     51,851     54,269
EBIT          4,257      12,758     12,797          14,979     15,622     17,043     18,520
EBITDA        8,219      20,791     20,902          22,822     24,222     26,188     28,272
フ リ ー ・
キャッシュ・        4,706    △36,089    △24,200          △8,615    △25,560    △11,339      14,339
フロー
         (注) 野村證券は、当社株式の価値算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情
               報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性につい
               ての検証は行っておりません。当社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、
               その他の偶発債務を含みます。
                            )について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独
               自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行ってお
               りません。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。
                                           )については、当社の経営


                                             14
       陣(但し、過去に公開買付者に在職経験がある園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏を除
       きます。
          )により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は
       作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2021 年 11 月 29 日までに野村
       證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社の
       取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としてお
       ります。


② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取
 得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
  本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引
 条件の公正性を担保するために、当社及び公開買付者から独立した独自の財務アドバイザー及び第三
 者算定機関であるプルータスに対し、当社株式の株式価値の算定及び付随する財務分析、並びに本
 フェアネス・オピニオンの表明を依頼し、2021 年 11 月 29 日付で、本株式価値算定書(プルータス)
 及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。
  プルータスは当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、
 重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るプルータスに対する報酬は、本取引の成立
 等を条件に支払われる成功報酬はございません。


(ii)当社株式に係る算定の概要
  プルータスは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用
 すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に
 評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所市場第一部に上場している
 ことから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価
 値が類推可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDC
 F法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定をいたしました。
  本株式価値算定書(プルータス)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当た
 りの株式価値の範囲は以下のとおりです。


  市場株価法    : 1,464 円から 1,533 円
  類似会社比較法: 1,011 円から 1,681 円
  DCF法     : 1,602 円から 2,911 円


  市場株価法では、基準日を 2021 年 11 月 29 日として、東京証券取引所市場第一部における当社株式
 の基準日の終値 1,489 円、直近1ヶ月間の終値単純平均値 1,522 円、直近3ヶ月間の終値単純平均値
 1,533 円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値 1,464 円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を
 1,464 円から 1,533 円までと算定しております。
  類似会社比較法では、完全には類似していないものの、当社と比較的類似する事業を営む上場会社
 として、東京建物株式会社、平和不動産株式会社、京阪神ビルディング株式会社を類似会社として抽
 出し、PBR(株価純資産倍率)
               、修正PBR(株価に対する修正時価純資産(賃貸等不動産の課税
 考慮後の時価を加味した純資産)倍率)
                  、EBIT(利払前税引前利益)
                                、及びEBITDA(利払前
 税引前償却前利益)の倍率を用いて、当社株式の1株当たりの価値の範囲を 1,011 円から 1,681 円ま
 でと算定しております。
  DCF法では、当社の 2022 年3月期から 2028 年3月期までの7期分の事業計画における収益や投
 資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、将来創出されると見込まれるフリー・
 キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の株式価値を算定し、当社株式の1
 株当たり株式価値の範囲を 1,602 円から 2,911 円と算定しております。なお、割引率には加重平均資


                                 15
      本コスト(Weighted Average Cost of Capital)を使用しており、3.0%~3.5%を採用しております。
      また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用しております。永久成長率は0%として当
      社株式価値を算定しております。
       プルータスがDCF法による算定の前提とした当社事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。
      プルータスが算定に使用した当社の事業計画には、対前年度比において大幅な増益を見込んでいる事
      業年度が含まれております。具体的には、2024 年3月期は当社保有ビルの建替関連損失に起因する特
      別損失の発生が見込まれることから、当該事業年度の親会社株主に帰属する当期純利益は減益が見込
      まれるものの、2025 年3月期は当該一過性要因の剥落及び新築ビルの通期寄与等から、大幅な増益が
      見込まれております。なお、2023 年3月期から 2027 年3月期までは、国内大型ビルを含む大規模投
      資に加え、現在進行中である比較的大きな建替投資(札幌、御堂筋、八重洲)を見込んでいるため、
      フリー・キャッシュ・フローはマイナスとなる見込みですが、2028 年3月期には大口の投資が一巡す
      ることから、投資キャッシュ・フローの減少によりフリー・キャッシュ・フローはプラスに転じる見
      込みです。
       また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において収益に
      与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測に加味しておりませんが、上
      場関連費用の削減効果のみ考慮しております。また、下記「
                                (6)本公開買付価格の公正性を担保す
      るための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」
      の「②当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、
      特別委員会が事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
                                                                       (単位:百万円)
            2022 年     2023 年    2024 年        2025 年    2026 年    2027 年    2028 年
            3月期        3月期       3月期           3月期       3月期       3月期       3月期
            (6ヶ月)
営業収益          20,943    44,905    44,900        46,905    49,326    51,851    54,269
EBIT          4,257     12,758    12,797        14,979    15,622    17,043    18,520
EBITDA        8,877     20,759    20,092        23,892    25,203    27,581    29,778
フ リ ー ・
キャッシュ・        7,891    △35,340   △23,454        △7,845   △24,788   △10,555    15,132
フロー



      (ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要
       本特別委員会は、2021 年 11 月 29 日付で、プルータスから本公開買付価格である1株当たり 2,200
      円が当社株式の株主(公開買付者を除きます。
                          )の皆様にとって、財務的見地から公正である旨の本
      フェアネス・オピニオンを取得しております(注)
                            。本フェアネス・オピニオンは、事業見通しに基
      づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり 2,200 円が、当社の少
      数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピ
      ニオンは、プルータスが、当社から、当社グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとと
      もに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの
      概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社グループの
      事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメント
      チームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。


       (注) プルータスは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値
            の算定を行うに際して、当社から提供され又は当社と協議した情報及び基礎資料、一般に
            公開されている資料について、それらが正確かつ完全であること、当社株式の株式価値の
            分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータスに対して未開示の事実は


                                          16
      ないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておら
      ず、その調査、検証を実施する義務も負っておりません。
       プルータスが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた当社の事業見通しそ
      の他の資料は、当社の経営陣(但し、過去に公開買付者に在職経験がある園部俊行氏、丸
      山卓氏及び太田威彦氏を除きます。
                     )により現時点における最善の予測と判断に基づき合
      理的に作成されていることを前提としており、プルータスはその実現可能性を保証するも
      のではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前
      提条件については、何ら見解を表明していません。
       本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が当社の少数株主にとって財務的見地か
      ら公正であるか否かについて、その作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその
      他の情勢を前提に、また、その作成日までにプルータスが入手している情報に基づいてそ
      の作成日時点における意見を述べたものであり、その後の状況の変化により本フェアネ
      ス・オピニオンの内容に影響を受けることがありますが、プルータスは、そのような場合
      であっても本フェアネス・オピニオンの内容を修正、変更又は補足する義務を負いません。
      また、本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事
      項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、
      示唆するものではありません。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が当社の少
      数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく公正なものであることについて意見
      表明するにとどまり、本公開買付け実行の是非及び本公開買付けに関する応募その他の行
      動について意見表明や推奨を行うものではなく、当社の発行する有価証券の保有者、債権
      者、その他の関係者に対し、いかなる意見を述べるものではありません。
       また、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格に関する当社取締役会及び特別委
      員会の判断の基礎資料として使用することを目的としてプルータスから提供されたもので
      あり、他のいかなる者もこれに依拠することはできません。


③ 公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得
(ⅰ)財務アドバイザーの名称並びに当社及び公開買付者との関係
  公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者の財務アドバイザーであるゴール
 ドマン・サックスに対し、当社株式の価値の財務分析を依頼し、これに関してゴールドマン・サック
 スが作成した 2021 年 11 月 30 日付のGS算定書を取得しているとのことです。なお、ゴールドマン・
 サックスは、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係
 を有していないとのことです。ゴールドマン・サックスは、2021 年 9 月 30 日時点の公開買付者の株
 主名簿上同日時点において公開買付者の株式の 1.04%を保有しておりますが、ゴールドマン・サック
 スによれば、ゴールドマン・サックスの社内において、財務アドバイザリー業務及び当社株式の価値
 の財務分析業務を担当する部署と株式等のトレーディングを所轄する同社の別部署との間において情
 報隔壁措置等の適切な利益相反防止措置を講じているとのことです。また、財務アドバイザリー業務
 及び当社株式の価値の財務分析業務を担当する部署は、株式等のトレーディングを所轄する同社の別
 部署とは独立した立場で当社株式の価値の財務分析を行っているとのことです。公開買付者は、上記
 記載の通り、ゴールドマン・サックスの社内において情報隔壁措置等の適切な利益相反防止措置が講
 じられていること、公開買付者とゴールドマン・サックスは一般取引先と同様の取引条件で取引を実
 施していること、ゴールドマン・サックスは過去の同種事案の財務アドバイザーとしての実績を有し
 ていること等を踏まえ、ゴールドマン・サックスを公開買付者及び当社から独立した財務アドバイ
 ザーとして選定したとのことです。また、公開買付者は、ゴールドマン・サックスから本公開買付価
 格又は本公開買付けの公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、ゴールド
 マン・サックスはかかる意見を一切表明していないとのことです。


 (ⅱ)算定書の概要


                         17
 ゴールドマン・サックスは、上記のGS算定書において、市場株価法、DCF法、将来株式価値の
現価分析、プレミアム分析を用いた分析を行っているとのことです。なお、DCF法及び将来株式価
値の現価分析は本財務予測(公開買付者)(注)に定義します。
                   (        )に基づいているとのことです。各
手法の分析結果として、当社株式の1株当たり価値として下記のレンジが示されているとのことです。


1. 市場株価法 1,188 円~1,652 円
 市場株価法において、ゴールドマン・サックスは、2021 年 11 月 29 日を基準日とし、過去 52 週間
における当社株式の終値を検討しているとのことです。かかる検討に基づき、ゴールドマン・サック
スは、当社株式の1株当たり価値の範囲を 1,188 円から 1,652 円までと算出しているとのことです。


2. DCF法 1,239 円~2,813 円
 DCF法において、ゴールドマン・サックスは、当社の推定加重平均資本コストを踏まえた
3.25%から 3.75%までのレンジの割引率を用いて、本財務予測(公開買付者)に織り込まれた当社
の将来のフリー・キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより当社株式の価値を分析して
いるとのことです。ゴールドマン・サックスは、0.50%から 1.00%までの永久成長率を適用して
ターミナル・バリューを計算しているとのことです。かかる分析に基づき、ゴールドマン・サック
スは、当社株式の1株当たり価値の範囲を 1,239 円から 2,813 円までと算出しているとのことです。
ゴールドマン・サックスがDCF法に用いた本財務予測(公開買付者)は、2022 年3月期から 2028
年3月期を対象とする7会計年度で構成されているとのことです。なお、ゴールドマン・サックス
がDCF法に用いた 2022 年3月期から 2028 年3月期を対象とする本財務予測(公開買付者)には、
大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024 年3月期に
おいて、建替関連損失に起因する特別損失の計上により親会社株主に帰属する当期純利益の一時的
な減少が見込まれることから、翌 2025 年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は前年対比で大
幅な増益となることが見込まれているとのことです。なお、本財務予測(公開買付者)は、当社単
独のものであり、また、本取引により実現することが期待できるシナジー効果を現時点において具
体的に見積もることが困難であることから、当該シナジーを織り込んでいないとのことです。


3. 将来株式価値の現価分析 1,008 円~2,180 円
 将来株式価値の現価分析において、ゴールドマン・サックスは、本財務予測(公開買付者)に基
づく当社の 2023 年3月期から 2026 年3月期の将来のEBITDAに 15.0 倍から 19.0 倍までの1年
フォワードEBITDA倍率を適用して、2022 年から 2025 年の各年3月 31 日時点の当社株式の価
値を算出しているとのことです。そして、当社の推定株主資本コストを踏まえた 7.50%の割引率を
用いて、それぞれの時点の株式価値を現在価値に割り引いているとのことです。2022 年から 2025 年
の各年3月 31 日時点の当社株式の価値を算出するに際して、ゴールドマン・サックスは本財務予測
(公開買付者)における各年3月 31 日時点の純有利子負債を控除しているとのことです。さらに、
ゴールドマン・サックスは、本財務予測(公開買付者)において 2022 年3月期から 2025 年3月期の
それぞれの年度で当社が支払うと見込まれる配当の現在価値の累積値を加算し、当社株式の1株当
たり価値の範囲を 1,008 円から 2,180 円までと算出しているとのことです。


4. プレミアム分析 1,905 円~2,256 円
 プレミアム分析において、ゴールドマン・サックスは、公開情報に基づき、日本において一定の
期間に公表された、上場子会社の少数株主持分の取得を目的とした親会社による公開買付けにおける
プレミアム水準の検討と分析を行っているとのことです。当該参照期間における取引に関して、ゴー
ルドマン・サックスは、公表日の前営業日の当社の株価終値(事前に報道が行われた案件については、
当該報道が行われた日の前営業日)に対する公開買付価格のプレミアムの第一四分位と第三四分位を
計算しているとのことです。かかる計算により、当該参照期間において、第一四分位である 27.9%
から第三四分位である 51.5%までのプレミアム比率のレンジが示されているとのことです。その上


                             18
で、ゴールドマン・サックスは、27.9%から 51.5%までのプレミアムを当社株式の 2021 年 11 月 29
日の終値に適用しているとのことです。かかる分析に基づき、ゴールドマン・サックスは、当社株式
の1株当たり価値の範囲を 1,905 円から 2,256 円までと算出しているとのことです。
 (注)    ゴールドマン・サックスによる当社株式に係る財務分析及びGS算定書の作成を行う
       にあたっての前提条件、手続、考慮事項及び分析における制約事項に関する補足説明は
       以下のとおりとのことです。
        ゴールドマン・サックス及びその関連会社(以下「ゴールドマン・サックス・グルー
       プ」と総称します。
               )は、様々な個人及び法人顧客のために、アドバイザリー、証券引受
       及びファイナンス、自己勘定投資、セールス・トレーディング、リサーチ、投資顧問その
       他の金融及び非金融の業務及びサービスに従事しているとのことです。ゴールドマン・
       サックス・グループ及びその従業員、並びにこれらが管理する又は(共同若しくは単独で)
       投資若しくはその他の経済的利益を有するファンドその他の事業体が、公開買付者、当社
       及びそのいずれかの関係会社並びに第三者の証券、デリバティブ、ローン、コモディティ、
       通貨、クレジット・デフォルト・スワップその他の金融商品又は本公開買付けに係るいず
       れかの通貨及びコモディティにつき、常時、売買し、買い持ち若しくは売り持ちのポジ
       ションを取り、これらのポジションに対する議決権を行使し又は投資する場合があるとの
       ことです。ゴールドマン・サックスは、本公開買付けに関し公開買付者の財務アドバイ
       ザーを務め、本公開買付けの実施に向けた交渉に一定の関与をしたとのことです。ゴール
       ドマン・サックスは、本公開買付けに関するゴールドマン・サックスのサービスに対して
       報酬を受領する予定であるほか(報酬の大半は本公開買付けの完了を条件としています。、
                                              )
       公開買付者は、ゴールドマン・サックスが要した一定の実費を負担すること及び財務アド
       バイザー業務に起因する一定の債務を補償することに同意しているとのことです。ゴール
       ドマン・サックスは、これまでに、また本公開買付けと並行して、公開買付者及び/又は
       その関係する会社に対して、2021 年4月の 2056 年満期 1.60%公募ハイブリッド社債(元
       本総額 500 億円)のコ・マネージャーとしての活動を含む一定の財務アドバイザリー及び
       /又は証券引受業務を提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらの
       サービスに関して報酬を受領しており、また、受領する可能性があるとのことです。さら
       に、ゴールドマン・サックスは、将来、公開買付者及び当社並びにそれらの関係会社に対
       して、財務アドバイザリー及び/又は証券引受業務を提供する可能性があり、ゴールドマ
       ン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領する可能性があると
       のことです。
        GS算定書の作成にあたり、ゴールドマン・サックスは、当社の 2021 年3月 31 日に終
       了した会計年度までの5会計年度の有価証券報告書、当社の 2021 年9月 30 日に終了した
       四半期の四半期報告書、その他の当社による当社の株主に対する一定のコミュニケーショ
       ン、当社の経営陣が作成し、公開買付者による一定の調整を織り込み、ゴールドマン・
       サックスによる使用につき公開買付者の了承を得た、当社の一定の内部財務分析及び予測
       (以下「本財務予測(公開買付者)
                      」といいます。
                            )等について検討したとのことです。ま
       た、ゴールドマン・サックスは、当社の過去及び現在の事業・財務状況並びに将来の見通
       しに関する評価について公開買付者及び当社の経営陣と協議をし、公開買付者の過去及び
       現在の事業・財務状況並びに将来の見通しに関する評価、並びに本公開買付けの戦略的意
       義及び潜在的利益について公開買付者の経営陣と協議をし、また、当社株式の市場価格及
       び取引状況を検討し、日本における近年の上場子会社を対象とした公開買付けの取引条件
       を財務的見地から検討し、ゴールドマン・サックスが適切と思料するその他の調査と分析
       を実施し、その他の要因を考慮したとのことです。財務分析の実施並びにGS算定書の作
       成にあたり、ゴールドマン・サックスは、ゴールドマン・サックスに対して提供され、
       ゴールドマン・サックスが聴取し又はゴールドマン・サックスが検討した財務、法務、規
       制、税務、会計その他の情報全ての正確性及び完全性について、公開買付者の同意に基づ


                         19
       き、これに依拠し、また、これを前提としており、これらについて何ら独自の検証を行う
       責任を負うものではないとのことです。ゴールドマン・サックスは、公開買付者の同意に
       基づき、本財務予測(公開買付者)が、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測
       及び判断に基づき合理的に作成されたものであることを前提としています。ゴールドマ
       ン・サックスは、当社又は当社の子会社の資産及び負債(偶発的なもの、派生的なもの又
       はその他の貸借対照表に計上されていない資産及び負債を含みます。
                                     )について独自の評
       価又は鑑定を行っておらず、かかる評価書又は鑑定書も入手していないとのことです。
         GS算定書は、本公開買付けを行うに際しての公開買付者の経営上の意思決定や公開
       買付者がとりうる他の戦略的手段と比較した場合における本公開買付けの利点について見
       解を述べるものではなく、法務、規制、税務又は会計に関する事項についていかなる見解
       を述べるものでもないとのことです。ゴールドマン・サックスは、本公開買付けに関する
       いかなる条件又は側面、あるいは本公開買付けにおいて企図され又は本公開買付けに関連
       して合意又は修正されるその他の合意又は法律文書に関するいかなる条件又は側面(公開
       買付者、当社の各種類の証券の保有者、当社の債権者又はその他の関係者にとっての本公
       開買付けの公正性及びこれらの者が本公開買付けに関連して受領した対価の公正性を含み
       ます。
         )についても、考察を述べるものではなく、また、ゴールドマン・サックスは、当
       社の役員、取締役、従業員等に対して本公開買付けに関連して支払われる又は支払うべき
       あらゆる報酬の金額や性質の公正性又はこれらの者の階級についての見解を示すものでは
       ないとのことです。また、ゴールドマン・サックスは、当社株式の将来の取引価格や、ク
       レジット市場、金融市場及び株式市場の変動が当社又は公開買付者に与える潜在的な影響、
       本公開買付けの影響による公開買付者又は当社の支払能力や存続性、公開買付者又は当社
       のそれぞれの債務についてその支払期日における弁済能力についての意見を一切表明する
       ものではないとのことです。GS算定書は、必然的に、その時点の経済環境、金融環境、
       市場環境及びその他の状況、並びに当該日時点においてゴールドマン・サックスに提供さ
       れた情報のみに基づいており、ゴールドマン・サックスは、当該日以降に発生するいかな
       る事情、変化又は事由に基づいても、GS算定書を更新し、改訂し又は再確認する責任を
       負うものではないとのことです。ゴールドマン・サックスのアドバイザリー・サービス及
       びGS算定書は、公開買付者の取締役会が本公開買付けを検討するにあたっての情報提供
       及びかかる検討の補佐のみを目的として提供されたものとのことです。ゴールドマン・
       サックスは、特定の公開買付価格を公開買付者に対して推奨したことはなく、また、特定
       の公開買付価格を唯一適切なものとして推奨したこともないとのことです。GS算定書は、
       必ずしも、部分的な分析又は要約を行うことができるものではないとのことです。GS算
       定書を全体として考慮することなく一部又はその要約を選択することは、GS算定書が依
       拠するプロセスについての不完全な理解をもたらすおそれがあるとのことです。ゴールド
       マン・サックスはいずれの要素又は実施したいずれの分析に対しても特に重点的に依拠を
       するものではないとのことです。


 本公開買付価格である1株当たり 2,200 円は、公開買付者による本公開買付けの公表日の前営業日
である 2021 年 11 月 29 日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値 1,489 円に対して
47.75%、直近1ヶ月間(2021 年 11 月1日から 2021 年 11 月 29 日)の終値単純平均値 1,522 円に対
して 44.55%、直近3ヶ月間(2021 年8月 30 日から 2021 年 11 月 29 日)の終値単純平均値 1,533 円
に対して 43.51%、直近6ヶ月間(2021 年5月 31 日から 2021 年 11 月 29 日)の終値単純平均値 1,464
円に対して 50.27%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となるとのことです。


(ⅲ)算定書を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯
 公開買付者は、当社との協議・交渉の結果を踏まえ、2021 年 11 月 30 日開催の取締役会において、
当社取締役会による本公開買付けへの賛同が見込まれること、GS算定書の内容、当社株式の市場株


                             20
   価の動向、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、最終的に本公開買付価格を1株
   当たり 2,200 円と決定したとのことです。なお、本公開買付価格は、GS算定書における市場株価法
   及び将来株式価値の現価分析によって示された当社株式の1株当たり価値のレンジを上回っており、
   DCF法及びプレミアム分析によって示された当社株式の1株当たり価値のレンジの範囲内となって
   いるとのことです。


(4)上場廃止となる見込み及びその事由
   当社株式は、本日現在、東京証券取引所市場第一部に上場されておりますが、公開買付者は、本公開
 買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、
 東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性
 があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公
 開買付けが成立した場合には、下記「
                 (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に
 関する事項)
      」に記載の各手続を実施することを予定しておりますので、その場合には、当社株式は、東
 京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後
 は、当社株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。


(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
  公開買付者は、上記「
           (2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」
  に記載のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者
  が当社株式の全部を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式の
  全部の取得を目的とした手続を実施することを予定しているとのことです。


 ① 株式売渡請求
   公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総
  株主の議決権の数の 90%以上となり、公開買付者が会社法第 179 条第1項に規定する特別支配株主と
  なる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、
  当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。以下①において同じです。
                                  )の全員に対し、その所有す
  る当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。
                                    )する予定とのことです。
   株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の
  株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知
  し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請
  求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公
  開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、当社の株主全員からその所有する当社株式
  の全部を取得するとのことです。そして、公開買付者は、当該各株主の所有していた当社株式1株当た
  りの対価として、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
   なお、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、当社は、当社取締役会にてかかる株式売渡
  請求を承認する予定です。株式売渡請求がなされた場合については、会社法第 179 条の8その他の関係
  法令の定めに従って、当社の株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立
  てを行うことができます。


  ② 株式併合
   本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の
  90%未満である場合には、公開買付者は、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単
  元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主
  総会」といいます。
          )を本公開買付けの決済の完了後、速やかに当社に要請する予定とのことです。な
  お、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。本日現在では、
  当社は公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は 2022


                        21
  年3月頃を予定しております。
   本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力
  を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応
  じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端
  数が生じるときは、当社の株主に対して、会社法第 235 条その他の関係法令の定める手続に従い、当該
  端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下
  同じです。
      )に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付
  されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、
  本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。
                                    )に交付される金銭の額
  が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した
  上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当
  社株式の併合の割合は、本日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全部(当社が所有
  する自己株式を除きます。
             )を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主
  (公開買付者を除きます。
             )の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予
  定とのことです。
   株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じ
  るときは、会社法第 182 条の4及び第 182 条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社
  に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ること
  を請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が
  会社法上定められております。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった
  当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。
                      )が所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる
  予定ですので、株式併合に反対する当社の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定との
  ことです。
   なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切あ
  りません。
   また、本スクイーズアウト手続が 2022 年3月 31 日までの間に完了しない場合には、公開買付者は、