8802 三菱地所 2020-01-24 10:00:00
三菱地所グループ長期経営計画策定 [pdf]

                                         2020年1月24日
各位
                                会社名   三菱地所株式会社
                                代表者名  執行役社長 吉田 淳一
                                コード番号 8802
                                問合せ先  広報部長  佐藤 元洋
                                (TEL 03-3287-5200)



             三菱地所グループ長期経営計画策定

 三菱地所グループは、新たな経営計画として、
                     「長期経営計画2030」を策定しましたのでお知らせし
ます。

                            記

1.「長期経営計画2030」策定の背景
 2017年に策定し、現在進行中の中期経営計画については、計数目標を全て達成見込みであり、資本
政策やコーポレート・ガバナンスにおいても進展する等、当社グループとして順調な成長を遂げました。
 これを土台とし、当社グループが今後より長期的にサステナブルにステークホルダーに対して価値提供
を行うため、本年4月から開始する「長期経営計画2030」を策定しました。



2.経営計画において目指す姿
 当社グループの基本使命と持続的成長の実現に向け、       「社会価値向上戦略」と「株主価値向上戦略」を両
輪に据えた経営を実践します。
 社会価値向上戦略では、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを実行し、まちの利用者や従業員
を含む全てのステークホルダーへのより高い価値の提供を行います。
 株主価値向上戦略では、ROA・ROE・EPS の KPI を掲げ、高効率で市況変化に強い事業ポートフォリオへ
の変革を目指します。



3.当社グループの強みと成長戦略
 当社グループの強みである「超長期視点でのまちづくりと時代を先取りする DNA」及び「膨大なエンド
ユーザーとの接点と膨大な不動産への関与」を活かし、
                        「国内アセット事業」「海外アセット事業」「ノン
                                  、           、
アセット事業」の3つ領域にて成長の実現を目指します。
 また、ノンアセット事業をはじめとする不動産市況の変動に強い収益の拡大と柔軟な資本政策を組み合
わせ、ROA・ROE の底上げを図ります。




                 <本件に関するお問い合わせ先>
             三菱地所株式会社 広報部 TEL:03-3287-5200
4.計数目標
(1)2030年の計数目標 ※括弧内は20年3月期予想(2019年5月14日公表値)
 ROA※1           ROE※2           EPS※3
 5%(3.9%)        10%(7.8%)       200円(100.20円)
※1 ROA=事業利益※4 ÷ 総資産(期首期末平均)
※2 ROE=親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 自己資本
※3 EPS=親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 期中平均株式数


(2)目標達成に向けた前提・指標
      利益成長                         株主還元                財務健全性

      事業利益※4                   配当性向:30%程度           現状の格付水準が維持可能な
 3,500~4,000億円程度                   +                  財務健全性の確保
                              資本政策の一環としての
                                自己株式の取得

                          ただし、不動産市況・投資環境・株価・           【参考】現状格付
                          ROE/EPS の状況等に応じて、株主還元の手      R&I   :AA-
                          法や規模感については柔軟に検討              S&P   :A+
                                                       Moody’s:A2
※4 事業利益=営業利益 + 持分法投資損益。尚、事業利益については、ノンアセット事業の成長をはじめ、スピード感をもった事業展
  開を目指す上で、第三者との協業が従来以上に重要であり、それら事業からのリターンも含めた利益をモニタリングするために設定。


(3)ROE 向上に向けた基本方針
 ・ROA の向上を通じた ROE の向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範
  囲で適切にコントロール。

(4)計数目標の実現イメージ
 ・事業利益は国内アセット、海外アセット、ノンアセットの3つの事業で各500億円程度の成長(2
  0年3月期比)を見込み、3,500~4,000億円程度の水準を目指す。(20年3月期予想は
  2,305億円)
 ・総資産については、不動産市況に応じた成長投資、資産売却、株主還元、資金調達等の最適な組み合
  わせにより、1~2兆円増加の7~8兆円程度を想定。(20年3月期予想は5.9兆円)



5.事業戦略
 計数目標達成のため、事業利益の成長に向けた戦略を以下の通り設定致します。

(1)国内アセット事業:+500億円程度(20年3月期比)
 ・丸の内エリアでは、今後のまちづくりのテーマを「丸の内 Re デザイン」と掲げ、人・企業が集まり交
  わることで新たな「価値」を生み出す舞台を目指す。また、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更
  新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーシ
  ョンを推進。
 ・今後10年間で、丸の内エリアの再開発をはじめ、アウトレットモールや物流施設等を含む国内アセ
  ット事業全体で、NOI※5 ベースで約600億円規模の新規開発や増床プロジェクトを推進。
  ※5 NOI=賃貸収益 - 賃貸費用(減価償却費を含まない)
 ・回転型事業※6 については、不動産市況や投資環境に応じ、物件売却によるキャピタルゲインを柔軟に
  コントロールする。
  ※6 物件を開発後、グループ会社が運営するファンド等の投資家へ売却し、売却後は、AM・PM 等のフィービジネスを継続受託する事
     業モデル
 ・住宅事業については、2020年代前半は賃貸マンションの開発・売却、及び分譲マンションの再開
  発案件獲得に注力。2020年代後半は再開発案件の進捗により、分譲マンションの売上計上戸数が
  回復、賃貸マンションは不動産市況に応じたキャピタルゲインの最大化を図る。

(2)海外アセット事業:+500億円程度(20年3月期比)
 ・事業利益を900億円程度、総資産を現状の2倍程度となる1.5兆円程度と想定。
 ・強力な基盤を構築している欧米事業に加えて、アジアを中心とした開発事業を強化し、現状、海外事
  業におけるアジア事業の比率は総資産で28%、事業利益で5%のところ、2030年までにそれぞ
  れ45%程度に高める。
 ・アジアについては、当社主導型の開発事業の拡大を図りながら、投資残高の積み増し、回転型資産の
  ポートフォリオの構築を強化。
 ・欧州については、収益の安定性と資本効率向上のバランスを意識した投資・回収を実行。また、決定
  済みの大規模開発案件を中心として開発事業を更に推進。
 ・米国については、ロックフェラーグループインターナショナル社のノウハウを活用した回転型事業を
  強化。また、現地パートナーとの JV 型開発をはじめ、開発事業をより多様化。

(3)ノンアセット事業:+500億円程度(20年3月期比)
 ・投資マネジメント事業における継続的な AUM 拡大、ホテル運営客室数の増加等、既存領域の成長によ
  り利益を安定的に拡大。また、建物運営管理・設計監理等のフィービジネスでは、規模の拡大だけで
  なく、効率化・生産性向上等も推進しながら利益成長を目指す。これらの着実な成長により、203
  0年に向けて事業利益を200~250億円程度増加させる。
 ・社会課題を背景とした潜在的ニーズに対し、テクノロジーの活用や、B to C や B to B to C に着目し
  たサービスやコンテンツの提供等の新たな事業を展開し収益機会を獲得、2030年に向けて事業利
  益を250~300億円程度増加させる。



6.ESG の取組み
(1)マテリアリティ(サステナビリティ経営上の重要課題)
 ・サステナビリティ経営上の重要課題として、7つのマテリアリティ及びそれに伴う機会とリスクを特
  定。マテリアリティは、環境、グローバリティ、コミュニティ、ダイバーシティ、少子高齢化、スト
  ック活用、デジタル革新の7つを設定。

(2)マテリアリティを踏まえ「三菱地所グループの Sustainable Development Goals 2030」を策定
 ・サステナブルな社会の実現に向けた4つの重要テーマを設定。
  ①Environment:気候変動や環境課題に積極的に取り組む持続可能なまちづくり
  ②Diversity & Inclusion:暮らし方の変化と人材の変化に対応しあらゆる方々が活躍できるまちづくり
  ③Innovation:新たな世界を生み出し続ける革新的なまちづくり
  ④Resilience:安全安心に配慮し災害に対応する強靭でしなやかなまちづくり

(3)主な KPI(重要指標)と目標
 ・CO2 排出量を2030年までに35%削減(目標)※18年3月期比
 ・1㎡あたりの廃棄物排出量を2030年までに20%削減(目標)※20年3月期比
 ・再生可能電力比率を2030年までに25%へ(目標)※19年3月期1.3%
 ・廃棄物再利用率を2030年までに90%へ(目標)※19年3月期45.5%

                                                            以 上