8795 T&DHD 2021-10-01 08:00:00
米国持分法適用関連会社における組織再編およびこれに伴う会計処理の遡及適用について [pdf]

                                                     2021 年 10 月1日
各 位
                                        株式会社T&Dホールディングス
                                        代表取締役社長     上原 弘久
                                        (コード番号:8795 東証第一部)


    米国持分法適用関連会社における組織再編およびこれに伴う会計処理の遡及適用について


 株式会社T&Dホールディングス(以下「当社」               )は、持分法適用関連会社である米国再保険持
株会社 Fortitude Group Holdings, LLC(以下「フォーティテュード社」)が、2021 年 10 月1日付
でグループ組織再編(以下「本件組織再編」               )を実施すること、およびこれに伴い当社の 2021 年3
月期の連結決算において会計処理の遡及適用を行うこととしたことにつき、下記のとおりお知らせ
いたします。

                               記

要    旨
•   フォーティテュード社において、グローバルのクローズドブック市場における一層の競争力強
    化に向けて新たな再保険会社を設立することに伴い、本件組織再編を行い、当社を含むフォー
    ティテュード社に出資する全ての投資家がこれに同意します。
•   本件組織再編に伴い、米国会計基準上、フォーティテュード社において、2020 年6月2日に遡
    って同社の負債が新たな計算方式で再評価されることとなり、同日時点における純資産が減少
    する等、純資産および純利益(損失)の増減が発生します。
•   フォーティテュード社の連結財務諸表に対して持分法を適用している当社の連結財務諸表にお
    いても、2020 年6月2日に遡って同様の会計処理を行うことにより、当社の 2021 年3月期決
    算において連結純資産および連結純利益が下表のとおり減少することが見込まれます。ただし、
    下表に記載の数値は、フォーティテュード社による直近時点での試算値に基づくものであるた
    め、最終的に確定する数値は、これとは異なる可能性があります。
     当社遡及適用前後の当社連結純資産・連結純利益の増減(単位:億円)
                     2021 年3月期決算   2021 年3月期決算
                        連結純資産      連結純利益(通期)
    当社遡及適用後(試算値)                       15,017                1,086
    当社遡及適用前                            15,531                1,623
    増減(試算値)                              -513                 -536

•   上記の当社における連結純資産および連結純利益の減少は、フォーティテュード社における米
    国会計基準特有の会計処理に起因するものであり、当社のフォーティテュード社への投資に対
    する評価や当社グループの経済的実体に影響を及ぼすものではないと考えております。
•   なお、上記の遡及適用に関して、当社の 2022 年3月期通期の連結業績予想に修正はありませ
    ん。また、当社グループの経営実態を表す指標の一つとしているグループ修正利益についても
    予想の見直しを想定しておりません。
1.本件組織再編
①背景・目的
  フォーティテュード社は、クローズドブック事業に注力する再保険グループの持株会社であり、
同社には、当社子会社であるT&Dユナイテッドキャピタル株式会社(以下「TDUC 社」                  、保有持
分:25%)に加え、Carlyle FRL, L.P. (以下「Carlyle ファンド」    、保有持分:71.5%)および
American International Group, Inc.(以下「AIG 社」
                                           、保有持分:3.5%)が出資しています。フ
ォーティテュード社は、傘下に英国領バミューダ諸島(以下「バミューダ」                    )籍の再保険会社であ
る Fortitude Reinsurance Company, Ltd.(以下「フォーティテュード・リー社」  )を擁していま
す。
  フォーティテュード・リー社は、AIG 社の米国事業に係るクローズドブックを再保険引受(受再)
しています。また、フォーティテュード社は、2021 年9月 15 日(現地時間)          、米国の保険グループ
である Prudential Financial, Inc.との間で、同社子会社である Prudential Annuities Life
Assurance Corporation の全株式を取得することにつき合意したことを発表しています。
 フォーティテュード社は、米国のクローズドブック市場における活動に加え、グローバルのクロ
ーズドブック市場においても、複雑な保険引受リスクを抱えた保険業界への優れたソリューション
提供者として選ばれることを目指し、新たな生損保兼営の再保険会社の設立・開業に向けた準備を
進めています。
 今回、フォーティテュード社は、この再保険会社新設にあたり必要となる本件組織再編を行い、
フォーティテュード社に出資する全ての投資家(TDUC 社、Carlyle ファンドおよび AIG 社。以下、
総称して「既存投資家」
          )がこれに同意します。
②本件組織再編の概要
 新たにバミューダ籍のリミテッドパートナーシップ(以下「新フォーティテュード社」)を設立
し、既存投資家がそれぞれ保有するフォーティテュード社に対する持分を新フォーティテュード社
に拠出することで、既存投資家はその拠出に応じた新フォーティテュード社への持分をそれぞれ取
得します。
 それと同時に、新フォーティテュード社が新たなバミューダ籍の再保険会社(以下「フォーティ
テュード・インターナショナル・リー社」)を設立することで、同社は、傘下に、フォーティテュ
ード・リー社およびフォーティテュード・インターナショナル・リー社の2つのバミューダ籍再保
険会社を擁する再保険持株会社となります。
 フォーティテュード・リー社およびフォーティテュード・インターナショナル・リー社はともに
バミューダ籍の再保険会社ですが、フォーティテュード・リー社は米国税法上の「税務上の米国法
人」としての選択をしているのに対し、フォーティテュード・インターナショナル・リー社はかか
る選択をしないことにより、米国外におけるクローズドブックの受再に最適化する予定です。
 なお、本件組織再編に伴う新たな金銭等の払込みや、既存投資家間での持分比率の変動はありま
せん。したがって、本件組織再編により既存投資家の持分について経済的な変動は生じません。
 本件組織再編の概要図

 <変更前>

         TDUC 社                     Carlyle ファンド                                 AIG 社

          25%                              71.5%                                  3.5%

                                  フォーティテュード社
                             (Fortitude Group Holdings, LLC)
                                   米国籍保険持株会社

                              フォーティテュード・リー社
                          (Fortitude Reinsurance Company, Ltd.)
                                 バミューダ籍再保険会社



 <変更後:網掛け部が今回新設>

         TDUC 社                     Carlyle ファンド                                 AIG 社

          25%                              71.5%                                  3.5%

                                 新フォーティテュード社
                                   (FGH Parent, L.P.)
                                バミューダ籍保険持株会社



                                                      新中間持株会社(バミューダ)
                                                          (Fortitude International Ltd.)
                                                         バミューダ籍保険持株会社

          フォーティテュード社                                      新中間持株会社(英国)
     (Fortitude Group Holdings, LLC)               (Fortitude International Group Holdings Ltd.)
           米国籍保険持株会社                                         英国籍保険持株会社
                                                        フォーティテュード・
       フォーティテュード・リー社                                   インターナショナル・リー社
   (Fortitude Reinsurance Company, Ltd.)             (Fortitude International Re Ltd.)
         バミューダ籍再保険会社                                      バミューダ籍再保険会社
       「税務上の米国法人」を選択                               「税務上の米国法人」を選択しない



③本件組織再編の日程
 本件組織再編の実施日は 2021 年 10 月1日です。また、フォーティテュード・インターナショナ
ル・リー社は、関係当局の承認を条件として、2022 年1月1日に事業を開始する予定です。
 なお、当社は、新フォーティテュード社を新たに持分法適用関連会社とし、新フォーティテュー
ド社の連結財務諸表に対して持分法を適用します。また、今後、新中間持株会社(バミューダ)、
新中間持株会社(英国)およびフォーティテュード・インターナショナル・リー社も当社の持分法
適用関連会社となる予定です。
2.本件組織再編に伴うフォーティテュード社の会計処理の遡及適用
 本件組織再編は、フォーティテュード社において、米国会計基準上の共通支配下の取引として取
り扱われ、現在のフォーティテュード社の支配関係が成立した日(2020 年6月2日)に遡り、新フ
ォーティテュード社に拠出されたフォーティテュード社の純資産に対して同基準における企業結合
会計が行われ、同社の 2020 年 12 月期の財務諸表に遡及適用されます(以下「本件遡及適用」。
                                                )
 本件遡及適用により、2020 年6月2日時点においてフォーティテュード社の負債は新たな計算方
式で再評価されます。その結果、フォーティテュード社において、新たな負債が追加計上されると
ともに、当該負債は将来にわたって償却され、同社の会計上利益として計上されます。2020 年6月
2日時点における負債が増加することにより、同日時点におけるフォーティテュード社の純資産は
減少する一方で、フォーティテュード社の 2020 年6月2日から 2020 年 12 月末までの純利益は増
加します。
 フォーティテュード社の純資産および純利益(損失)は、米国会計基準上、資産(特に再保険貸
資産)と負債との間の時価変動の認識が一致しない等の会計上の理由により、金利等の変動により
大きく増減する構造にあります。一方、同社は、資産および負債のマッチング(ALM)を通じ、金
利等の変動による経済価値ベースの純資産の変動をコントロールしています。また、本件遡及適用
は、同社の経済価値ベースの純資産に影響を及ぼしません。
 そのため、当社は、本件遡及適用に伴うフォーティテュード社の純資産および純利益(損失)の
増減は上述の米国会計基準特有の会計処理に起因するものであり、同社の健全性や収益性等の経済
的実体の変化を示すものではないと考えております。
 なお、直近時点における、本件遡及適用によるフォーティテュード社の純資産および純利益の増
減額の試算値は下表に記載のとおりです。ただし、これらの数値は、フォーティテュード社による
直近時点での試算値であるため、最終的に確定する数値は、これとは異なる可能性があります。

 本件遡及適用前後のフォーティテュード社 純資産・純利益(損失)の増減(単位:百万米ドル)
                                         (参考)
            2020 年6月2日時点 2020 年6月2日から    2021 年1月1日から
            純資産          2020 年 12 月末までの 2021 年6月末までの
                         純利益(損失)         純利益(損失)
本件遡及適用後                3,185        1,656        (644)
(試算値)
本件遡及適用前                6,193          653        (673)

増減(試算値)               -3,008        1,003          29
3.本件遡及適用に伴う当社における会計処理の遡及適用
 当社は、2020 年6月2日よりフォーティテュード社を持分法適用関連会社とし、同社の連結財務
諸表に対して持分法を適用しています。持分法適用に当たっては、フォーティテュード社の連結財
務諸表が米国会計基準に準拠して作成されていることから、会計基準(日本基準)に従い、フォー
ティテュード社の連結財務諸表に修正を加えることなく、そのまま3カ月ずれで持分法投資損益等
の計上を行っています。
 フォーティテュード社における本件遡及適用は同社の 2020 年 12 月期の財務諸表に遡及適用され
た形で開示される予定であり、当社は、当該会計処理をこれまでと同様にそのまま受入するものと
し、当社の連結財務諸表においても同様の遡及適用を行います(以下「当社遡及適用」。これによ)
り、当社の 2021 年3月期決算における連結純資産および連結純利益は減少します。
 この当社遡及適用による 2021 年3月期決算における当社の連結純資産および連結純利益の増減
は、フォーティテュード社における会計処理の遡及適用(本件遡及適用)の結果生じた純資産およ
び純利益(損失)の増減を受入することにより生じます。ただし、前述のとおり、フォーティテュ
ード社の純資産および純利益(損失)の増減は上述の会計処理に起因するものであり、当社のフォ
ーティテュード社への投資に対する評価や当社グループの経済的実体に影響を及ぼすものではない
と考えております。
 なお、直近時点における、当社遡及適用による当社の連結純資産および連結純利益の増減額の試
算値は下表に記載のとおりです。ただし、これらの数値は、フォーティテュード社による直近時点
での試算値に基づくものであるため、最終的に確定する数値は、これとは異なる可能性があります。

 当社遡及適用前後の当社連結純資産・連結純利益の増減(単位:億円)
                  2021 年3月期決算    2021 年3月期決算
                     連結純資産       連結純利益(通期)
当社遡及適用後(試算値)                    15,017             1,086
当社遡及適用前                         15,531             1,623
増減(試算値)                           -513              -536

 なお、当社遡及適用に関して、2021 年5月 14 日に公表しました当社の 2022 年3月期通期の連結
業績予想に修正はありません。また、当社グループが、グループの経営実態を表す指標の一つとし
ているグループ修正利益(市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損益等を一部調整したも
の)についても予想の見直しを想定しておりません。
 また、当社遡及適用による当社の連結純資産および連結純利益の増減は、フォーティテュード社
における会計処理の遡及適用の結果生じた純資産および純利益の遡及的な増減の受入に起因するも
のです。そのため、当社の 2022 年3月期に係る連結財務諸表において掲載される比較情報として
の 2021 年3月期に係る数値としては当社遡及適用後のものが記載される予定ですが、当社遡及適
用に関して、すでに公表された当社の連結財務諸表、中間連結財務諸表および四半期連結財務諸表
に訂正はありません。

                                                   以   上



     【お問合せ先】
      株式会社T&Dホールディングス 広報課 井本・山本 TEL 03-3272-6115