8746 J-第一商品 2021-10-25 15:30:00
(開示事項の経過)改善計画・状況報告書(原因の総括と再発防止策の進捗状況)に関するお知らせ [pdf]

                                             2021 年 10 月 25 日
各    位
                            会社名    第一商品株式会社
                            代表者名   代表取締役社長          岡田 義孝
                                        (JASDAQ コード:8746)
                            問合せ先   執行役員 管理本部長 長澤 正広
                                   電話番号 03-3462-8011(代表)




                  (開示事項の経過)

改善計画・状況報告書(原因の総括と再発防止策の進捗状況)に関するお知らせ


Ⅰ.はじめに
    当社は、2020 年7月 10 日付「特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求に
 関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、株式会社東京証券取引所(以下、
                                       「東
 京証券取引所」といいます。)より当社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと
 認められたために、2020 年7月 11 日付で「特設注意市場銘柄」に指定され、2020 年 12
 月 15 日付「改善計画・状況報告書(原因の総括と再発防止策の進捗状況)について」にて
 お知らせいたしましたとおり全社的な意識と行動の改革に取り組み、経営管理体制の強
 化や各種業務プロセスの不備の解消に向けた改善施策の実行に全社を挙げて取り組んで
 まいりました。
    その後、当社は、指定から1年後の 2021 年7月 12 日に有価証券上場規程の定めによ
 り内部管理体制確認書を東京証券取引所に提出し、審査を受け、コンプライアンス意識の
 強化、内部監査の整備等、一定の取り組みが行われていることが認められました。
    しかしながら、当社においては、内部管理体制に関して更なる取組みを必要とする状況
 が存在しており、これらの改善に向けた取組みの進捗において、なお確認する必要がある
 と判断され、当社株式の特設注意市場銘柄の指定を継続する旨の通知を受領いたしまし
 た。


    当社は、この事態を深く反省し、2021 年9月 27 日付「当社株式の特設注意市場銘柄の
 指定継続に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり内部管理体制に関して更
 なる取組みを必要とする状況を基に、再度原因分析を行い、改善策を取り纏めましたので

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 お知らせいたします。


  当社株式の特設注意市場銘柄指定の継続により、株主、投資家及び取引先の皆様、並
 びに市場関係者の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様には、多大なるご迷惑とご心
 配をおかけしております。今後も、内部管理体制の整備・強化を継続するとともに、当
 社グループ一丸となって、業績の向上及び信頼の回復に全力を尽くし、株主、投資家及
 び取引先の皆様、並びに市場関係者の皆様をはじめ、ステークホルダーの皆様のご期待
 に添えますよう経営体質の強化を図る所存でございます。引き続き、ご支援を賜ります
 ようお願い申し上げます。


Ⅱ.原因分析
 特設注意市場銘柄指定の継続に関する具体的な原因について以下のとおりと考えており
ます。
1.取締役会における牽制機能不備
  当社が特設注意市場銘柄に指定されたのは、特定の経営者に権限が集中したことから、
 長期間にわたり経営トップ主導の不正会計処理が見過ごされるなど、経営者のコンプラ
 イアンス意識の欠如に加え、経営者を監視・監督するガバナンス、取締役会における牽制
 機能が発揮されなかったことが原因です。
  この点を踏まえ、当社は取締役による監視・監督機能として取締役会審議の活性化を施
 策に掲げて、取締役会の透明化として、事前に議案に対する資料を原則開催3日前に各取
 締役及び監査役へ提供すること、取締役会より前に監査役会を開催し議案について協議
 をし、取締役会で監査役会の意見を徴すること、取締役会議事録作成について具体的なル
 ールを明文化するなど様々な対策を行っておりました。
  しかしながら、取締役が取締役会へ提案した一部議案については、利益相反取引となる
 関連当事者取引に該当する重要な取引であるとの認識が欠如し、取締役会において関連
 当事者取引が内包する懸念点、問題点について言及されることもなく審議がなされてお
 りました。また、業務執行側に十分な事前の検討を指示することもなかったために検討資
 料も不足しておりました。当社の場合、特定の経営者に権限が集中し、経営トップ主導の
 不正行為が行われていたことが問題点であったにもかかわらず、関連当事者取引おいて
 留意すべきであった、取引の必要性、取引条件の妥当性等について、十分な議論がなされ
 ることなく決議を行っており、上場企業の取締役会として役員間での牽制を意識した審
 議がしつくされたかという点においては不十分であったものと考えております。


2.社内規程の不十分な運用
  当社では、特定の経営者に権限が集中し、経営トップ主導で不正が行われていた実態を
 踏まえて、取締役会への牽制を効かせるためにも業務の執行側である所轄部署毎の権限

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 の分野を明確にし、社内規程の整備・運用の徹底として業務フローの改善、監査役と内部
 監査室による日常的なモニタリングを行うなど社内規程を整備し、役員・従業員間の牽制
 機能を発揮する体制を作り、運用の徹底に向けた取組みを進めてまいりました。
  しかしながら、取締役が取締役会へ提案した関連当事者取引において、業務を所轄する
 部署で十分に検討することなく、社内規程で定められている職務権限規程や職務権限明
 細表に則った承認手続きも経ていないものが認められました。当社で過去に発生した経
 営者主導の不正の再発防止と、経営者に対して牽制を効かせるために、業務執行側が社内
 ルールに基づいて必要な手続きを行うべきところを、取締役より所轄部署へ提案内容及
 び資料の提供がなされておらず、また、規程に則って職務権限表に定められた所轄部署に
 て稟議申請手続きを行い、所轄部署からも取締役に対する妥当性を検証するという働き
 かけがなされておりませんでした。役員と従業員間における牽制機能の重要性の理解が
 不十分であったため社内規程の運用が徹底されなかったと考えております。


Ⅲ.再発防止に向けた改善措置
1.利益相反取引に関する牽制機能の強化(原因分析「取締役会における牽制機能不備」に対
応する改善策)
  (1)関連当事者取引管理規程の新設
     利益相反取引となる関連当事者取引について、取締役会で取引の合理性、取引条
    件の妥当性について十分な審議が行われなかったことから、関連当事者取引につ
    いて牽制機能を強化するため、関連当事者取引管理規程を新設いたします。関連当
    事者取引管理規程では関連当事者の範囲、具体的な基準を明文化し、原則関連当事
    者取引を禁止いたします。
     また、規程の遵守を徹底し、業務フローを確立して適切な運用を行ってまいりま
    す。
  (2)研修の実施
     2021 年 4 月 26 日に関連当事者取引に関する役員向けコンプライアンス研修を
    実施致しましたが、役員不正に関する注意の意識が社内役員に向いていたこと、ま
    た、社外役員は専門知識を持ち、社内役員とは異なる独立した立場より経営の監督
    を行うことから、研修には参加をしておりませんでした。しかし関連当事者取引に
    関する研修においては共通認識を持ち、経営における重要な取引であることを再
    認識していただくために全役員を対象とした研修を年一回、行ってまいります。
     これにより上場企業の役員としての職責や関連当事者取引に対する牽制の重要
    性を再確認し、今後の取締役会の更なる審議の充実に向け取り組んでまいります。
  (3)取締役会規程の改訂
     取締役会規程において、決議するに当たっては各取締役が発言をすることを義
    務付け、十分な審議を行うことを明文化いたします。重要議案については各自が見

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    解を示したうえで、あらゆる角度から審議する成熟した会議体に成長できるよう
    取り組んでまいります。


   上記施策の検証として、実行状況を内部監査室が確認を行うことといたします。


2.社内規程の運用の徹底(原因分析「社内規程の不十分な運用」に対する改善策)
  (1)情報共有の徹底
     取締役会において当社の事業上のリスクを踏まえた十分な審議が行われるよう
    に、それぞれの取締役に対して原則開催3日前には議題及び関連資料をメール送
    信などによって提供することで、取締役会開催前に取締役各自が判断できる期間
    を設け、提供する情報の充実や早期化を図り、取締役会が十分な牽制機能を発揮で
    きる体制を確保しておりますが、執行側に対しては情報の提供がなされず、執行側
    での事前の検討がされないまま決議されておりました。
     今後は、執行側への情報共有を徹底し、取締役への働きかけを行います。これに
    より執行側でも議案の検証や承認手続きが可能になり、執行側及びコンプライア
    ンス面から役員と従業員間での牽制機能を発揮できる体制を確保いたします。
     また、執行側に対して役員と従業員間での牽制機能の重要性について内部監査
    室による説明会を実施いたします。
     なお、関連当事者取引を把握する方法として関連当事者取引の該当者リストを
    作成しておりますが、稟議申請の合議先への周知を徹底し、経営の健全性及び株主
    等の利益を損なわないよう留意し、適宜客観性を以てその可否を慎重に審議・判断
    を行うことといたします。

  (2)承認手続きの運用の徹底
     関連当事者取引については上記 1.(1)関連当事者取引管理規程の新設により
    原則的に禁止といたしますが、関連当事者以外には有利な取引条件の取引先がな
    い場合、当該取引が事業を行うために必要であるにもかかわらず代替の取引先を
    見つけることができない場合など取引の合理性が認められる場合においては、稟
    議申請書において関連当事者取引であること、取引の合理性、取引条件の妥当性に
    ついて別途記載を行ったうえで承認手続きを経ること、社内規程における承認手
    続きの再周知を行うことにより規程の適切な運用を徹底いたします。
     また、当該取引を検討する機関として取締役会及び監査役会の他にコンプライ
    アンス委員会の意見を徴することを 2021 年 9 月 7 日のコンプライアンス委員会に
    て決定し、2021 年 9 月 15 日開催の取締役会にて関連規程を改訂しております。
     今後は監査役と内部監査室のモニタリングでも特に注意すべき事案として位置
    づけモニタリングを強化し、現在継続している関連当事者取引に関しても取引の
    合理性及び取引条件の妥当性を再検討し、これらが認められない場合には当該取

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    引を解消することを取締役会へ進言することといたします。


     上記施策の検証として、内部監査室が稟議申請状況を確認するとともに、取締役
    会議事録及び添付資料を閲覧し、執行側での適切な承認手続きが行われているか
    を確認いたします。




Ⅳ.改善措置実施スケジュール
上記「Ⅲ.再発防止に向けた改善措置」に記載しました施策については以下の日程で実施い
たします。
1.利益相反取引に関する牽制機能の強化              実施予定日(完了日)


(1)関連当事者取引管理規程の新設                2021 年 11 月 17 日


(2)関連当事者取引管理に関する役員向けコンプライアンス研修   2021 年 12 月中旬


(3)取締役会規程の改訂                     2021 年 10 月 20 日


・施策の実行状況の内部監査室による内容確認            2021 年 10 月下旬から
                                 開始し、継続して実施
2.社内規程の運用の徹底                     実施予定日(完了日)


(1)情報共有の徹底


・取締役会の議案の情報共有の徹底                 2021 年 10 月下旬


・役員と従業員間の牽制機能について説明会             2021 年 10 月下旬


・関連当事者リストの合議先への周知                2021 年 10 月下旬


(2)承認手続きの運用の徹底


・社内規程による承認手続きの再周知                2021 年 10 月下旬


・関連当事者取引に関する意見を取締役会に提出する旨のコン     2021 年 9 月 7 日
プライアンス委員会における決定

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・関連当事者取引についてコンプライアンス委員会の意見徴収    2021 年 9 月 15 日
 を義務付ける関連規程の改定
・関連当事者取引について監査役、内部監査室によるモニタリン   2021 年 10 月下旬
 グの開始
・稟議申請状況と取締役会議事録との照合の開始          2021 年 10 月下旬




                                                  以上




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