8704 J-トレイダーズHD 2020-05-14 15:10:00
連結子会社の異動(株式譲渡)及び債権譲渡に関するお知らせ [pdf]

                                    2020 年5月 14 日
 各   位
                      会 社 名 トレイダーズホールディングス株式会社
                      代表者名 代表取締役社長 金丸 勲
                            (JASDAQ・コード 8704)
                      問合せ先 取締役 加藤 潤
                            (TEL 03-4330-4700(代表))




         連結子会社の異動(株式譲渡)及び債権譲渡に関するお知らせ


 当社は、本日開催の取締役会において、当社の連結子会社で再生可能エネルギー関連事業を営む株式
会社 ZE エナジー(以下、
             「ZE エナジー」といいます。)の一部株式を譲渡する株式譲渡契約書、及び当
社の保有する ZE エナジーへの債権の一部を譲渡する債権譲渡契約書を株式会社江寿(京都府京都市、
代表取締役 西枝英幸氏。以下、   「江寿」といいます。)との間で締結することを決議しました。それに
伴い ZE エナジーは連結子会社から除外され持分法適用会社となりますので併せてお知らせいたしま
す。

                          記


1.株式譲渡及び債権譲渡の理由
  当社は、再生可能エネルギー関連事業を外国為替取引事業(FX事業)に次ぐ新たな事業の柱として掲
げ、ZEエナジーを2015年12月1日に連結子会社化して当社グループに迎え、同事業の成長拡大を支援し
てまいりました。
  ZEエナジーを連結子会社化した当時の当社グループを取り巻く経営環境は、主軸事業である FX事業
において、FX事業者間による顧客獲得や取引シェア拡大のための熾烈なサービス競争により、主要通貨
ペア全般に低スプレッド化が進展し、収益が圧迫される一方、システム利用料等の定常的なコスト負担
は継続していたことから安定的な利益を確保することが難しい状況でした。さらに、外国為替相場のボ
ラティリティ(変動率)が低い期間が長期に及んだこともあり、当社の業績は長期にわたり低迷しまし
た。こうした中、FX事業のみに依存した事業構造では、中長期的に成長拡大を続けていくことは難しい
と考え、新たな成長の柱となる事業分野への進出・育成が必要不可欠であると判断し、再生可能エネル
ギー関連事業を営むZEエナジー及び金融取引システムの開発事業を営む株式会社Nextop.Asiaを2015年
12月に完全子会社化して3つの事業領域に拡大させることで事業の安定的な成長を図ってまいりまし
た。
  しかしながら、ZEエナジーについては、当社の連結子会社となり約4年が経過した現在においても、
当初企図した木質バイオマスガス化発電の標準型となる1基500kwの発電装置は長期間高出力での安定
稼働を実現するには至っておらず、いまだ不具合設備の改修と運転調整による稼働の最適化を目指して
おり、改良途上にある状況であります。
  当社としては、このまま改修や運転調整に伴う各種費用及び管理費等を当社単体で負担し続けるので
はなく、ZEエナジーの成長と技術の向上を目指して協業の効果が期待できる外部の資金を受け入れ、支
援基盤を強固にすることで再生可能エネルギー事業のさらなる進展と円滑化を図ることになり、また、
ZEエナジーにおいても、事業活性化と将来の事業拡張余地を増やすことになるものと考え、そうした考
えに賛同する相手先と協議を続けてまいりました。

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  一方、当社グループにおいてFX事業やシステム開発事業などの主軸事業が安定的に黒字を確保できる
体質に転換できた状況に鑑み、今後の人的・金銭的な各経営資源の配分については、最適な事業ポート
フォリオの構築を図ったうえで各事業を推進させていくことが、当社グループの企業価値の最大化に寄
与するものと考え、これまで当社取締役会において慎重に議論を重ねてまいりました。
  このような過程を経て、当社は、本日開催の取締役会において、ZEエナジーがバイオマスガス化発電
設備の商用化(事業化)を実現するため、今後の追加的な研究開発を継続するにあたり、外部パートナー
の資金的援助や専門家の技術的支援を受け入れ、新たな体制に再構築することが、当社グループ全体に
おいても、中長期的な企業価値向上に資するものと判断し、今般、当社が保有するZEエナジー株式
3,131株のうち1,597株(51%)を江寿へ1株当り1円で譲渡する株式譲渡契約書を同社と締結すること
を決議いたしました。これにより、当社の保有株式数は1,534株(49%)となります。なお、当社はす
でにZEエナジーの株式を帳簿上1円まで減損しておりますので、当該譲渡による損失の発生はありませ
ん。
  また、江寿との当該株式譲渡契約締結のための交渉を進める過程において、江寿からは、当社が引き
続きZEエナジー株式の49%を保有し協調関係を維持した上でZEエナジーの事業推進に取り組んでいくよ
う要請があり、当社は同意いたしました。当面のZEエナジーの事業支援に関しては、相互の株式持分比
率に応じて、協力・協議しながら同社の経営をサポートしていくことで合意しております。
  一方、当社がZEエナジーに対して有する貸付等債権については、当該債権のうち238百万円は引き続
き貸付債権として当社が保有するものの、残りの3,070百万円の債権については、江寿に譲渡する債権
譲渡契約書を締結することを合わせて決議いたしました。当該譲渡債権は、すでに当社において全額貸
倒引当金を計上しているため、当該債権譲渡による損失の発生はありません。
  江寿は、ZEエナジーが現在手掛けている山形県最上町の「もがみまち里山発電所」の発注者である株
式会社ZEデザイン(京都府京都市、代表取締役:西枝英幸氏、以下、「ZEデザイン」といいます。)の
親会社であり、ZEエナジーとは長年深いパートナーシップを築いてきました。「もがみまち里山発電
所」が事業採算性を確保することが可能となった後は、順次、別の地域でも同様のバイオマスガス化発
電設備を建設し、発電(売電)事業を中山間地域の発展と雇用促進のために進めていく方針を掲げていま
す。
  江寿は、社会価値と経済価値の双方を追求する投資事業を営んでおり、再生可能エネルギー事業への
投資を行うためZEデザインを設立し、これまで見過ごされていた地元の資源に金銭的価値を創造し、産
業の創生により地元に雇用を生み出し、外部へのコスト流出を低減させることを事業目的としていま
す。
  江寿の資本参加後のZEエナジーの新役員体制については、現在の代表取締役松下康平に代わり、当社
執行役員の岡本宗太郎(現ZEエナジー取締役副社長)が新たに代表取締役として就任する予定です。ま
た新たな役員として国内外の木質バイオマス発電に関する知見を有する外部の技術専門家(技術団体の
役員)を招聘し就任していただくことを予定しております。今後のZEエナジーの技術的な改良や高度化
を進めるうえで重要であり不可欠な人選と判断いたしました。
  なお、当該株式譲渡に伴い、ZEエナジーは当社の連結子会社から持分法適用関連会社となるため、今
後、ZEエナジーの損益は、当社の持分法投資損益として取り込むことになります。

2.異動する当該連結子会社の概要
  (1) 商号         株式会社ZEエナジー
  (2) 本店所在地      東京都港区浜松町一丁目10番14号
  (3) 代表者の役職・氏名  代表取締役社長 松下 康平
                 バイオマス発電施設の運営管理、売電事業、バイオマス燃料の製造
  (4) 主な事業内容     販売、バイオマス発電システムの製造販売、環境関連装置の製造販
                 売、バイオマスボイラーの製造販売等
  (5) 資本金        1億775万円

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 (6)   設立年月日      2008年8月13日
 (7)   大株主及び持株比率  当社99.9%
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     上場会社と                    当社の取締役2名が取締役を兼務しております。
 (8)              人的関係
     当該会社の関係                  当社の監査役1名が監査役を兼務しております。
                  取引関係        資金の貸付、管理業務の受託
 (9) 当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態                          (単位:千円)
 決算期           2017年3月期           2018年3月期        2019年3月期
 総資産                   265,245            815,154         153,680
 純資産                  △847,004         △2,050,671      △2,992,045
 売上高                   759,439             55,362          88,465
 営業利益                 △444,985          △519,908        △367,777
 経常利益                 △602,827          △516,449        △354,125
 当期純利益                △605,349         △1,203,665       △886,109

3.株式譲渡及び債権譲渡先の相手先の概要
  (1) 商号         株式会社江寿
  (2) 本店所在地      京都府京都市中京区丸太町通寺町西入毘沙門町557
                 代表取締役 西枝 英幸
  (3) 代表者の役職・氏名
                 代表取締役 西枝 攻
  (4) 主な事業内容     株式の保有、売買並びにその他の投資事業他
  (5) 資本金        9,000万円
  (6) 設立年月日      1984年11月12日
                            当社の普通株式を2,063,833株(持株比率)1.41%保
                 資本関係
                            有しております。
      上場会社と
  (7)                       株式会社ZEエナジー及び株式会社ZEデザインの取
      当該会社の関係    人的関係
                            締役を1名兼務しております。
                 取引関係       該当事項はありません。
 ※ 相手先は非上場企業であるため、非公開の一部事項の記載を省略しております。

4.譲渡株式数及び譲渡前後の所有株式の状況
                 3,131株
  (1) 異動前の所有株式数  (議決権の数 3,131個)
                 (議決権所有割合 99.96%)
  (2) 譲渡株式数      1,597株
                 1,597円
                 ZEエナジーが債務超過となっていること及び同社の木質バイオマ
                 スガス化発電装置の製造販売事業等による安定的な収益化が確立
  (3) 譲渡価額及び算定根拠
                 した場合において将来5年間で創出する収益及び利益が合理的に
                 算定できないことから企業価値算定に関してはインカムアプロー
                 チによるDCF法ではなく純資産法を採用して算定しております。
                 1,534株
  (4) 異動後の所有株式数  (議決権の数 1,534個)
                 (議決権所有割合 48.97%)



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5.日程
  (1)   取締役会決議日        2020年5月14日
  (2)   契約締結日          2020年5月14日
  (3)   株式及び債権譲渡実行日    2020年5月15日

6.債権譲渡の概要
     債権譲渡の目的たる財
 (1)                  当社のZEエナジーに対する貸付債権等
     産
                      30億7,024万円
        債権譲渡の目的たる財
 (2)                  (当社が保有するZEエナジーへの貸付債権総額31億4,294万円のう
        産の価額
                      ち、29億494万円及び業務委託費用未回収金額1億6,530万円)
 (3)    譲渡価額          債権譲渡契約書に基づき非公開としております。

7.今後の見通し
   本件株式譲渡及び本件債権譲渡が2020年3月期及び2021年3月期の当社連結業績に与える影響は
  軽微であります。ZEエナジーの株式については、2020年3月末現在の当社帳簿において1円まで減
  損しておりますので、当該譲渡による損失の発生はありません。譲渡債権については、2020年3月
  末現在、当社において全額貸倒引当金を計上しているため、当該債権譲渡による損失の発生はあり
  ません。
   一方、ZEエナジーは連結から除外され持分法適用会社となります。2020年3月期は連結子会社と
  して当社連結財務諸表に100%損益を取り込んでいましたが、2021年3月期からは49%の損益が持分
  法投資損益として取り込まれます。本件株式譲渡後は、当社の資金負担が半減するとともに、2021
  年3月期の再生可能エネルギー関連事業にかかる営業損失は2020年3月期に比べ減少すると見込んで
  おります。なお、本件株式譲渡及び本件債権譲渡を反映した2021年3月期の連結業績予想につきま
  しては、本日公表いたします「2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)、3. 2021年3月期の連
  結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)」をご覧ください。

                                                     以   上




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