8593 三菱HCキャピタル 2021-06-18 08:45:00
米国の大手海上コンテナリース企業CAI社の買収に関するお知らせ [pdf]
2021年6月18日
各 位
三菱HCキャピタル株式会社
代表取締役 社長執行役員 柳井 隆博
(コード番号:8593)
(上場取引所:東・名)
米国の大手海上コンテナリース企業 CAI 社の買収に関するお知らせ
当社は、このたび、米国の大手海上コンテナリース企業 CAI International, Inc.(米国ニューヨーク証券
取引所上場:CAI/以下、CAI 社)の全株式を取得し、完全子会社化することを決議、本日、契約を締結し
たこと(以下、本買収)をお知らせいたします。
当社は、中長期的な経営戦略を牽引する成長ドライバーのひとつとして、注力領域に掲げる「グローバ
ルアセット」の強化を図るべく、本買収を決定いたしました。今回、当社の子会社となる CAI 社は、海上コン
テナリース業界におけるコンテナ保有数(TEU*ベース)で世界 5 位の企業であり、世界各国のマーケティ
ング・オペレーティング拠点やコンテナの保管拠点を基盤とするグローバルプラットフォームに強みを有し
ています。当社の海上コンテナリース事業会社である Beacon Intermodal Leasing, LLC(以下、BIL 社)
とあわせると、当社グループのコンテナ保有数は世界第 2 位グループの規模となり、両社のプラットフォー
ムの有効活用、その経験、知見の融合により、さらなる収益の拡大、成長の加速を図ります。
海上コンテナリース事業は、持続的成長市場として、安定的な需要と高い収益性を有する領域です。
当社は、本買収を通じて、海上コンテナリース事業のグローバルにおける競争力を高めるとともに、その
成長機会を取り込むことで、今後の中長期的な成長を支えるドライバーとして強化していきます。
なお、当社は、三菱 UFJ リース株式会社と日立キャピタル株式会社の経営統合により発足、持続可能で
豊かな未来に貢献することを経営理念に掲げています。その統合シナジーとして、強固で安定的な収益
基盤を生かした投資活動を推進する投資シナジーの実現も掲げており、本件はその第一弾となります。
当社は、今後も財務健全性の維持に努めつつ、成長分野における事業投資を推進していきます。
* TEU:20 フィートコンテナ 1 個分を表す単位
1. 本買収の戦略的意義
(1) 海上コンテナリース事業のさらなる拡大
当社は、高い流動性を有する高付加価値資産を対象とした「グローバルアセット」を注力領域の
ひとつに設定し、海上コンテナ、鉄道貨車、航空機、航空機エンジンなどの事業をグローバルに展開、
その強化を図っています。
当社は、2014 年 11 月に米国 BIL 社を買収し、海上コンテナリース事業に参画以降、グローバル
アセット事業の柱のひとつとして、その展開地域、ならびに事業規模の拡大に取り組んでいます。
そして、今回、その一環として、グローバルにおける海上コンテナリース事業のさらなる成長、競争力
強化を図るべく、本買収を決定いたしました。そのおもな背景は以下のとおりです。
1
① 海上コンテナにおける安定的なリース需要
海上輸送は、人々の豊かな暮らしや各産業の成長と密接に関連する重要なインフラであり、
その輸送に使用されるコンテナには安定的なリース需要が見込まれます。近年では、海運会社に
おける事業の多角化により、海運会社が自社によるコンテナの購入を控え、リースを活用する動き
が拡大、コンサルティング会社 Drewry の調査によると、2009 年から 2019 年の 10 年間で、グロ
ーバルの総コンテナ数に占めるリース比率は 41%から 51%に増加するなど、安定的な成長が
続いています。
また、コロナ禍においては、巣ごもり需要の拡大にともなう貨物量の増加で、海上コンテナの
需要は拡大傾向にあり、足元では世界的なコンテナ不足が発生するなど、海上輸送における海上
コンテナの重要性があらためて認識されています。国際物流における必要不可欠なインフラとして
安定的な成長が見込める海上コンテナリース事業は、今後のロジスティクス事業分野の牽引役と
して期待されており、当社においても成長ドライバーのひとつとすべく、その強化を図ります。
② グローバルプラットフォーム構築による競争力の強化
海上コンテナリース事業においては、コンテナの返却や修理のためのコンテナデポ、マーケティ
ング・オペレーションの拠点など、グローバルプラットフォームの強化がその競争力の源泉となりま
す。CAI 社は世界 39 カ国、180 カ所のコンテナデポと使用契約を締結、また、12 カ国に 13 拠点
を有しています。当社は、BIL 社との相乗効果を図るとともに、両社の経験、知見を融合、さらには、
グローバルネットワークを拡大することで、お客さまに対する柔軟かつ包括的なサービスを提供、
利便性の向上を実現します。
CAI 社 BIL 社
業界順位* 第5位 第6位
海上コンテナフリート数** 1,745 千 TEU 1,515 千 TEU
事業資産** 2,411 百万米ドル 2,210 百万米ドル
* 業界順位は Drewry 調査ベース
** 2020 年 12 月末時点
③ 全社戦略における新たな成長ドライバーの確立
当社は、「社会資本/ライフ」「環境・エネルギー」「モビリティ」「販売金融」「グローバルアセット」を
注力領域に掲げ、各々の強化、拡大を図りつつ、さらなるポートフォリオの分散にむけた、新たな
成長ドライバーの育成に努めています。当社は、本買収を通じて、海上コンテナリース事業におけ
る高い収益性と安定性を確立、安定的な資産構成の実現を図ります。
また、当社は、海上コンテナをはじめとしたロジスティクス分野(鉄道貨車、船舶、自動車等)に
関連する事業を展開しており、同分野のさまざまな既存事業との親和性を生かした相乗効果の
発揮、さらには、その知見や資本基盤を活用することで、本事業の強化を図っていきます。
ロジスティクスの高度化、効率化は、人々の豊かなくらしの実現に直結するものであり、同分野の
強化により、当社の持続的成長を確かなものにしていきます。
(2) 統合シナジーの顕在化
当社は、三菱 UFJ リース株式会社と日立キャピタル株式会社の経営統合により、両社が展開してき
た各事業の強み、さらには、理想的な相互補完関係を生かし、ビジネス領域や展開地域におけるポー
トフォリオの分散とフルラインアップ化を実現しました。これにより、外部環境の影響を受けにくい、強固
で安定的な収益基盤を生かした投資活動を推進、そのシナジーの創出により、収益力を向上していき
ます。
2
当社は、今後、経営資源、営業、投資の 3 つの側面から統合シナジーの創出に取り組みます。
今回の買収は、投資シナジーの創出に向けた取り組みの一環で、統合シナジーの顕在化に向けた
大きな成果となります。今後も 3 つの側面から統合シナジーの顕在化に注力、投資シナジーに関して
は、全社的な観点にて戦略的資源配分とリスク管理のバランスを堅持した投資戦略を策定し、成長
分野において、企業価値向上に資する事業投資を実行していきます。
2. 異動する子会社(CAI International, Inc.)の概要
(1) 名 称 CAI International, Inc.
(2) 所 在 地 Steuart Tower, 1 Market Plaza, Suite 2400, San Francisco, CA
(3) 代表者の 役職・ 氏名 Timothy Page, President and Chief Executive Officer
(4) 事 業 内 容 海上コンテナリース業
(5) 資 本 金 103,867 千米ドル
(6) 設 立 年 月 日 1989 年 8 月 3 日
1. Dimensional Fund Advisors LP (8.06%)
2. BlackRock Institutional Trust Co. (6.64%)
大株主および持株比率
(7) 3. Mr. Ogawa (Andrew) (6.26%)
(2021 年 3 月 31 日時点)
4. Aristotle Capital Boston, LLC (6.13%)
5. Wellington Management Group LLP (5.70%)
当社と当該会社との間には、記載すべき資本関係はありま
せん。また、当社ならびに当社の関係者および関係会社と
資 本 関 係
当該会社ならびにその関係者および関係会社の間には、
特筆すべき資本関係はありません。
当社と当該会社との間には、記載すべき人的関係はありま
上場会社と当該会社 せん。また、当社ならびに当社の関係者および関係会社と
(8) 人 的 関 係
と の 間 の 関 係 当該会社ならびにその関係者および関係会社の間には、
特筆すべき人的関係はありません。
当社と当該会社との間には、記載すべき取引関係はありま
せん。また、当社ならびに当社の関係者および関係会社と
取 引 関 係
当該会社ならびにその関係者および関係会社の間には、
特筆すべき取引関係はありません。
(9) 当該会社の最近 3 年間の連結経営成績及び連結財政状態
決 算 期 2018 年 12 月期 2019 年 12 月期 2020 年 12 月期
連 結 純 資 産 701 百万米ドル 693 百万米ドル 702 百万米ドル
連 結 総 資 産 3,013 百万米ドル 2,902 百万米ドル 2,613 百万米ドル
普 通 株 式 1 株 当 た り
35.84 米ドル 39.10 米ドル 40.02 米ドル
連 結 純 資 産
連 結 売 上 高 285 百万米ドル 299 百万米ドル 294 百万米ドル
連 結 営 業 利 益 150 百万米ドル 140 百万米ドル 149 百万米ドル
親会社株主に帰属する
当 期 純 利 益 77 百万米ドル 47 百万米ドル 72 百万米ドル
(Continuing Operation)*
普 通 株 式 1 株 当 た り
連 結 当 期 純 利 益
3.92 米ドル 2.62 米ドル 4.08 米ドル
(Continuing Operation)*
3
1 株 当 た り 配 当 金
-米ドル -米ドル 0.5 米ドル
( 普 通 株 式 配 当 )
(10) 格 付 Standard & Poor’s:BB(長期)、Stable(アウトルック)
*CAI 社は、2020 年 8 月にロジスティクス事業、2020 年 12 月に鉄道貨車リース事業をそれぞれ売却しており、
当該「親会社株主に帰属する当期純利益(Continuing Operation)」および「普通株式1株当たり連結当期純利益(Continuing
Operation)」は、売却済み事業を除く CAI 社の現存する事業に係る「親会社株主に帰属する当期純利益の額」および「普通株式
1株当たり連結当期純利益」を記載しております。
3. 取得株式数、取得価額および取得前後の所有株式の状況
0株
(1) 異動前の所有株式数 (議決権の数:0 個)
(議決権所有割合:0%)
普通株式:17,611,805株*
(2) 取 得 株 式 数 シリーズ A 優先株式:2,199,610 株
シリーズ B 優先株式:1,955,000 株
約 1,108 百万米ドル**
(3) 取 得 価 額
(1 米ドル 110 円換算で約 121,914 百万円)
100 株***
(4) 異動後の所有株式数 (議決権の数:100 個)
(議決権所有割合:100.0%)
* 普通株式の数については、買収にともなう株式型報酬の精算による希薄化等を反映した 2021 年 6 月 17 日現在の完全希薄化
ベースの株式数を基準としております。
** 取得価額については、アドバイザリー費用等の概算額も含めた金額となっております。なお、シリーズ A 優先株式およびシリー
ズ B 優先株式については、本買収実行日時点における未払い配当額も支払われる予定ですが、当該金額は現時点では算定
できないため、取得価額には含まれておりません。
***逆三角合併完了後の存続会社の全株式
4. 本買収の方法
本買収は、当社が本買収のために設立した米国における完全子会社 Cattleya Acquisition
Corp.(デラウェア州/以下、買収子会社)と CAI 社の合併による方法(逆三角合併)で実施いたします。
合併の効果として、CAI 社の株式は下記の合併対価が交付される権利に転換されて消滅、同時に買
収子会社の株式が存続会社である CAI 社の普通株式に転換されることにより、CAI 社が当社の完全
子会社となります。なお、本買収の実行は、CAI 社の株主総会において承認が得られること、関連す
る国において競争当局の認可等が得られること、その他合併契約に定める前提条件が満たされること
を条件としております。
本買収においては、CAI 社の普通株式を 1 株当たり 56 米ドル、シリーズ A 優先株式を 1 株当たり
25 米ドル、シリーズ B 優先株式を 25 米ドルでそれぞれ取得する予定です。なお、シリーズ A 優先株
式およびシリーズ B 優先株式については、本買収実行日時点における未払い配当額も支払われる予
定です。
5. 日程
(1) 当社取締役会決議日 2021 年 6 月 18 日
(2) 契 約 締 結 日 2021 年 6 月 18 日
(3) 本 買 収 実 行 日 2022 年 3 月期第 2 四半期~第 3 四半期(予定)
*本買収の実行は、CAI 社の株主総会において承認が得られること、関連する国において競争当局の認可等が得られること、
その他合併契約に定める前提条件が満たされることを条件としております。
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6. 今後の見通し
CAI 社の株主総会による承認および当局における許認可を取得後、本買収が成立した場合、CAI
社は当社の連結子会社となります。これにともなう連結業績に与える影響は、現在精査中であり、開示
すべき事項が生じた場合は速やかに開示いたします。
なお、本買収の実行日は 2022 年 3 月期第 2 四半期から第 3 四半期を予定しています。本買収実
行日以降の CAI 社の損益は、当社連結業績に反映する見込みです。
以 上
■三菱HCキャピタルグループについて
三菱HCキャピタルは、2021 年 4 月 1 日、三菱 UFJ リース株式会社と日立キャピタル株式会社の
統合により、誕生しました。三菱HCキャピタルグループは、「社会資本/ライフ」「環境・エネルギー」
「モビリティ」「販売金融」「グローバルアセット」を注力領域としています。三菱HCキャピタルは、絶えず
変化する社会やお客さまのニーズに応えるべく、地球環境に配慮し、独自性と進取性のある事業を展開
することで、明るく希望に満ちた未来社会や豊かな暮らしの実現に貢献していきます。
詳しくは、三菱HCキャピタルのウェブサイト(https://www.mitsubishi-hc-capital.com/)をご覧くださ
い。
■予想と見通しに関する注意事項
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る可能性があります。しかしながら、将来のある時点でこれらの将来予想に関する記述を更新することを
選択する可能性はありますが、当社はこれらを更新する義務を負うものではありません。当社の事業
または財務結果に影響を及ぼす可能性のある追加的な要因については、当社および CAI 社の公開
提出書類に含まれるリスク要因に記載されています。
■報道機関お問い合わせ先
三菱HCキャピタル株式会社
コーポレートコミュニケーション部
〒100-6525 東京都千代田区丸の内一丁目 5 番 1 号
TEL:03-6865-3002 (直通)
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