8558 東和銀 2021-03-03 16:10:00
令和2年9月期における経営強化計画の履行状況について [pdf]

                                        令和 3 年 3 月 3 日


各   位
                            会 社 名: 株式会社 東   和   銀 行
                                 (コード 8558 東証第一部)
                            代表者名:代表取締役頭取 江原      洋
                            問合せ先:執行役員総合企画部長 岡部   晋
                                   TEL(027)230-1503




          令和 2 年 9 月期における経営強化計画の履行状況について




 株式会社東和銀行(頭取    江原洋)は、
                     「金融機能の強化のための特別措置に関する法律」
に基づき、令和 2 年 9 月期における経営強化計画の履行状況を取りまとめましたので、下
記のとおりお知らせいたします。
 当行は、引き続き、経営強化計画の着実な実践により、中小規模事業者等のお客様に対
する円滑な資金供給や経営改善支援などのコンサルティング機能の発揮に努め、地域経済
の活性化とお客様の持続・発展に、地域金融機関として全力で取り組んでまいります。




                        記




 1.添付資料   経営強化計画の履行状況報告書(令和 2 年 9 月期)




                                                 以    上
経営強化計画の履行状況報告書




    令和 2 年 12 月
                     <目   次>


1.令和 2 年 9 月期決算の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    1
 (1)経営環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        1
 (2)決算の概要(単体ベース)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
                                        4
2.経営改善にかかる数値目標の実績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (1)コア業務純益(収益性を示す指標)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
 (2)業務粗利益経費率(業務の効率性を示す指標)・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3.新型コロナウイルス感染症に対する取組みについて・・・・・・・・・・・・・・        5
4.経営改善の目標を達成するための方策の進捗状況・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
   「TOWAお客様応援活動」の強化・深化・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
 (1)
 (2)人材育成と活躍フィールド拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
 (3)ローコスト・オペレーションの確立・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
 (4)当行自身の SDGs への取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
5.従前の経営体制の見直し、その他の責任ある経営体制の確立に関する事項の
  進捗状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
 (1)業務執行に対する監査又は監督の体制の強化のための方策・・・・・・・・・ 40
 (2)リスク管理態勢の強化のための方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
 (3)法令遵守の態勢強化のための方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
 (4)経営に対する評価の客観性の確保のための方策・・・・・・・・・・・・・・ 46
 (5)情報開示の充実のための方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
6.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化、その他の主として業務を
  行っている地域における経済の活性化に資する方策の進捗状況・・・・・・・・・ 47
 (1)中小規模の事業者等に対する信用供与の残高及び総資産に占める割合・・・・ 47
 (2)中小規模の事業者等に対する信用供与の円滑化のための方策・・・・・・・・ 47
                                        48
 (3)その他主として業務を行っている地域における経済活性化に資する方策・・・・・
7.剰余金の処分の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
 (1)配当に対する方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
 (2)役員に対する報酬及び賞与についての方針・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
 (3)財源確保の方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
8.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策の進捗状況・ 51
 (1)経営強化計画の適切な運営管理に向けた活動・・・・・・・・・・・・・・・ 51
 (2)経営管理に係る体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
 (3)各種リスク管理の状況及び今後の方針等・・・・・・・・・・・・・・・・        52
1.令和 2 年 9 月期決算の概要
(1)経営環境
    令和 2 年 9 月期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大によるショックを
  受け、実質 GDP 成長率の戦後最大の落ち込みを経験するなど、大変厳しいものとなりま
  した。具体的に振り返ると、令和 2 年 2 月から始まった感染拡大は、インバウンド需要
  を消失させるとともに、中国からの供給停滞からサプライチェーンの機能を低下させ供
  給制約を起こし、更に国内の製造業の停滞と海外のロックダウンの動きから、輸出の大
  幅な減少をもたらしました。また、コロナ対策としての休業要請や移動の自粛要請を受
  け、個人消費全体が大きく落ち込みました。その後、緊急事態宣言解除後の 5 月を底に、
  個人消費は自動車や家電など耐久消費材を中心に持ち直し、生産面においては自動車生
  産の持ち直しが顕著となる一方で、宿泊や飲食業などは、まだまだ厳しい状況が続いて
  います。また、金融を取り巻く環境は、新型コロナへの対策のために金融緩和が継続さ
  れるなど、極めて緩和的な状況が続いています。
    当行の営業エリアである群馬県経済は、輸送用機械などの製造業で、サプライチェー
  ンの寸断により生産が一時ストップしましたが、夏頃からは持ち直しております。また、
  個人消費についても、巣篭もり需要などで食料品や自動車・家電などを中心に持ち直し
  ております。しかし、宿泊や飲食業は大きく落ち込み「Go                                To キャンペーン」等の政策
  で一定程度持ち直しておりますが、前年の水準には回復しておりません。埼玉県経済は、
  製造業では食料品など生産がコロナ前の水準を維持する業種もありますが、化学工業や
  輸送用機械では前年の水準には程遠い業種も多くあります。また、個人消費については、
  群馬県と同様に持ち直しの動きを見せております。
    このような経済環境のもと当行は、経営強化計画「プランフェニックスⅤ」に基づき、
  お客様の本業支援、経営改善・事業再生支援、お客様の資産形成支援の実践により、お
  客様の企業価値の向上と当行の収益力の向上を図る「共通価値の創造」に取り組むこと
  で、お客様と当行の双方で持続可能性のある発展を目指してまいりました。また、業務
  執行に対する監査、監督を強化するためにコーポレートガバナンス・コードの趣旨に基
  づき、複数名の独立社外取締役による意思決定プロセスの透明性確保、外部評価委員会
  における経営施策の適切性の評価など、責任ある経営体制の確立に努めてまいりました。


(2)決算の概要(単体ベース)
  ①預金・預り資産
    令和 2 年 9 月期末の預金残高は、前年同期比 962 億円増加の 2 兆 978 億円、預り資産
  残高は、前年同期比 72 億円増加の 1,854 億円となりました。


【図表 1】預金残高の推移                                                               20,978
 (億円)
                                        19,856            20,016   19,818
                      19,629   19,528            19,602
             19,184
    18,886




   28年9月期 29年3月期 29年9月期 30年3月期 30年9月期 31年3月期 1年9月期                 2年3月期    2年9月期

                                        預金残高




                                          1
【図表 2】預り資産残高の推移
 (億円)
                                                                                 1,854
                                                               1,782
                                                      1,743             1,736
                                            1,697
        1,667    1,668
                          1,630    1,639




   28年9月期 29年3月期 29年9月期 30年3月期 30年9月期 31年3月期 1年9月期                     2年3月期    2年9月期

                                           預り資産残高



  ②貸出金
    令和 2 年 9 月期末の貸出金残高は、前年同期比 492 億円増加の 1 兆 4,944 億円となり
  ました。また、令和 2 年 9 月期末の貸出事業所先数は、前年同期比 602 先増加の 16,988
  先となりました。


【図表 3】貸出金残高と貸出事業所先数の推移

 (億円)                                                                           16,988 (先)
                                                     16,327   16,386   16,560
                                  15,753   16,015
                15,077   15,416
    14,632                                                                      14,944
                                                              14,452   14,590
                                           14,319    14,365
                                  14,107
                13,859   13,914
    13,534


   28年9月期 29年3月期 29年9月期 30年3月期 30年9月期 31年3月期 1年9月期                     2年3月期    2年9月期

                                   貸出金残高            貸出事業所先

 ③収益
    資金利益は、中小規模事業者等向け貸出金が増加したものの、利回りの低下により、
  貸出金利息と有価証券利息配当金が計画を下回る結果となったことなどから、計画を 998
  百万円下回る 11,437 百万円となりました。
    役務取引等利益は、投資信託販売手数料等が計画を下回ったことなどから、計画を 44
  百万円下回る 922 百万円となりました。
    経費は、人件費が、退職給付引当金繰入や厚生費が減少したことから、計画を 105 百
  万円下回る 5,815 百万円となり、物件費は、事務費の削減などにより、計画を 461 百万
  円下回る 3,378 百万円となりました。経費全体では、計画を 677 百万円下回る 9,981 百
  万円となりました。
    コア業務純益は、資金利益とその他業務利益が計画を下回ったことなどから、計画を
  2,761 百万円下回る 2,422 百万円となりました。また経常利益も資金利益とその他業務
  利益が計画を下回ったことに加え、信用コストが計画を上回ったことなどから、計画を
  3,502 百万円下回る 2,689 百万円となりました。当期純利益は、法人税等が減少したこ
  となどから、計画を 2,653 百万円下回る 1,625 百万円となりました。




                                              2
【図表 4】損益状況の推移(単体)                                                                     (単位:百万円)
                              1/9期       2/3期                                2/9期
                               実績         実績                   計画             実績        計画比
業務粗利益                           14,308     28,970               17,265         12,403   △ 4,862
 (うち資金利益)                       12,311         24,317            12,435        11,437    △ 998
 (うち役務取引等利益)                       889          2,120               966           922     △ 44
 (うちその他業務利益)                     1,107          2,532             3,864            42   △ 3,822
経費(除く臨時処理分)                     10,172         20,039            10,658         9,981    △ 677
 人件費                             5,928         11,728            5,920          5,815     △ 105
 物件費                             3,460          6,884            3,839          3,378     △ 461
 税金                                783          1,425              899            787     △ 112
一般貸倒引当金繰入額                         454            827                0            831       831
業務純益                            3,681      8,103                 6,607          1,590   △ 5,017
 (コア業務純益)                       3,518      6,928                 5,183          2,422   △ 2,761
臨時損益                          △ 1,361    △ 2,435                 △ 416          1,099     1,515
 (うち不良債権処理額)                    2,194      3,641                   605            596      △ 9
 (うち株式等関係損益)                    △ 335          △ 319                 0         1,250      1,250
経常利益                            2,319          5,667             6,191         2,689    △ 3,502
特別損益                            △ 611          △ 256             △ 10          △ 120     △ 110
税引前当期純利益                        1,707          5,410             6,181         2,568    △ 3,613
法人税、住民税及び事業税                    1,099          2,421             1,903            696   △ 1,207
法人税等調整額                         △ 394          △ 266                 0            247       247
当期純利益                           1,002          3,256             4,278          1,625   △ 2,653

信用コスト                            2,648            4,469             605         1,428           823

 ④自己資本比率
     自己資本比率は、前年同期比 0.85 ポイント上昇し 10.45%となりました。


【図表 5】自己資本比率(単体)の推移

 (%)
12                             11.58
    11.17             11.33
              10.92
11                                                                                       10.45
                                             9.75                                9.84
10                                                        9.60        9.60

               平成 30 年 5 月
 9
               公的資金 200 億円返済

 8
     28年9月期 29年3月期 29年9月期 30年3月期 30年9月期 31年3月期 1年9月期 2年3月期 2年9月期


 ⑤不良債権
     金融再生法開示債権比率は、前年同期比 0.01 ポイント減少し 2.27%となりました。


【図表 6】金融再生法開示債権比率

 (億円) 4.00                                                                                     (%)
               3.53
                       3.28
                                2.82
        31                               2.47
                19                                        2.32       2.28        2.29    2.27
                       20
                                 14
                                             10            8          9           7       23
        453    417     382      318          279          270        270         276     274

        58      54     55        66          65           56          51         51       44
      28年9月期 29年3月期 29年9月期 30年3月期 30年9月期 31年3月期 1年9月期 2年3月期 2年9月期
               破産更正債権        危険債権      要管理債権       開示債権比率

                                         3
【図表 7】金融再生法開示債権比率の状況                                                                               (単位:百万円)
                                            1/9末              2/3末                             2/9末
                                             実績                 実績               実績           1/9末比            2/3末比
破産更生債権及びこれらに準ずる債権                               5,166                5,185        4,466          △ 700               △ 719
危険債権                                          27,071               27,644        27,411                340           △ 233
要管理債権                                               985               728         2,312           1,327               1,584
合計(A)                                         33,223               33,558        34,191                968              633
正常債権                                        1,418,172        1,431,346         1,466,306         48,134              34,960
総与信(B)                                      1,451,396        1,464,905         1,500,497         49,101              35,592
金融再生法開示債権比率(A)/(B)(%)                             2.28                2.29          2.27        △ 0.01               △ 0.02




2.経営改善に係る数値目標の実績
(1)コア業務純益(収益性を示す指標)
  令和 2 年 9 月期のコア業務純益は、人件費・物件費ともに削減が図られ計画を下回った
 ものの、貸出金利息と有価証券利息配当金の減少により資金利益が計画を下回り、加えて
 その他業務利益が計画を下回ったことから、計画を 2,761 百万円下回る 2,422 百万円とな
 りました。


【図表 8】コア業務純益の計画・実績                                                                                     (単位:百万円)
            30/3期      30/9期      31/3期      1/9期          2/3期                        2/9期                            3/3期
             始期         実績         実績        実績            実績          計画         実績       計画比          始期比            計画

 コア業務純益      10,563      3,985      7,502      3,518         6,928       5,183     2,422      △2,761     △5,719         10,603

 ※コア業務純益=業務純益+一般貸倒引当金繰入額-国債等債券関係損益
 ※2/9 期の始期比は、2/9 期実績を 2 倍にして対比


(2)業務粗利益経費率(業務の効率性を示す指標)
  令和 2 年 9 月期の機械化関連費用を除く経費が、予算執行の厳格化や事務費等の削減な
 どにより、計画を 594 百万円下回る 8,848 百万円となったものの、業務粗利益は、資金利
 益やその他業務利益が計画を下回ったことなどから、計画を 4,862 百万円下回る 12,403 百
 万円となりました。
  その結果、業務粗利益経費率は計画比 16.65 ポイント下回る 71.33%となりました。


【図表 9】業務粗利益経費率の計画・実績                                                                                   (単位:百万円)

           30/3 期     30/9 期     31/3 期     1/9 期      2/3 期                           2/9 期                           3/3 期

            始期         実績         実績         実績            実績         計画         実績        計画比          始期比            計画

 経費(機械化
           18,966      9,220     18,142      9,068        17,853       9,442      8,848       △594       △1,270        18,366
 関連費用除く)

 業務粗利益     35,455     14,334     27,683     14,308        28,970      17,265     12,403    △4,862       △10,649        34,337

 業務粗利益
            53.49      64.32      65.53      63.37         61.62       54.68      71.33        16.65         17.84      53.48
 経費率

 ※業務粗利益経費率=(経費-機械化関連費用)/業務粗利益×100
 ※機械化関連費用は、事務機器等の減価償却費、機械賃貸料等を計上




                                                       4
3.新型コロナウイルス感染症に対する取組みについて
(1)お客様への支援態勢
  当行は、新型コロナウイルス感染症に対するお客様への資金繰り支援の態勢について、
 令和 2 年 1 月から全取引先に対して影響調査を開始し、2 月には全店に融資相談窓口を設
 置しており、さらに休日の電話相談窓口の設置やホームページ上での専用相談フォームに
 よる 24 時間相談受付、ゴールデンウィーク中の資金繰り相談窓口の設置など、資金繰り等
 の相談受付態勢を順次整備してまいりました。
  令和 2 年 10 月末現在の新型コロナ関連の融資実行状況について、新規申込は 5,603 件、
 1,182 億円実行しており、このうち実質無利子・無担保融資は 4,685 件、749 億円実行とな
 っています。
  また、非対面営業としてのコロナ禍におけるお客様への新たな本業支援については、コ
 ロナによる売上減少等の影響を受けているお客様の売上回復、販路の確保を目的に当行ホ
 ームページ内に「TOWA お客様応援サイト」を開設し、お客様の商品・サービスを掲載して
 おります。なお、これまで 153 社の参加を頂いております。
  さらに当行は、全国 58 の金融機関が連携して地域の中小企業の成長を支援するプラット
 フォームである「Towa Big Advance」に令和 2 年 1 月から参加しており、金融機関の枠を
 超えたビジネスマッチングや 900 社を超える大手企業とのオープンイノベーションなど幅
 広いサービスをウェブ上で提供しています。また、同年 9 月から海外進出コンサルティン
 を行う㈱フォーバル(東証一部上場)と提携し、ウェブ上で日本の食料品を海外バイヤー
 に紹介する「越境 EC プラットフォーム」のサービスも開始しております。
  このように令和 2 年度上期において、コロナ禍におけるお客様への資金繰り支援態勢を
 整備した上で、お客様の本業支援態勢についても取組んでまいりました。


【図表 10】新型コロナウイルス感染症に対するお客様への支援態勢状況
   日付                          概   要
   1/29      取引先影響調査を開始
   2/14      全店に融資相談窓口を設置
   3/13      緊急対応特別融資の取扱い開始
   3/23      貸付条件変更について、最長 2 年間の猶予期間を認める対応を開始
   3/25      当行ホームページで上での 24 時間Eメール相談受付を開始
   3/28      休日電話相談窓口を設置
             住宅ローンについて、最長 12 ヶ月の元金据置(返済猶予)の支店長権限
   4/20
             による対応を開始
    5/1      実質無利子・無担保融資(新型コロナ対応資金)の取扱を開始
             ゴールデンウィーク中の資金繰り相談窓口の設置
  5/2~5/6
             (群馬県 7 店舗ほか全 16 店舗)
   5/11      貸付条件変更時の手数料を免除
    5/15     決算書・確定申告書等の提出期限を一定期間免除
    7/22     「TOWA お客様応援サイト」をホームページ上に開設
 8/20~8/30   ウェブ上での新現役交流会の開催
     9/7     「越境 EC プラットフォーム」のサービスの提供を開始
   10/23     SBI グループとの戦略的業務提携強化による共同ファンドの設立を合意




                           5
【図表 11】新型コロナ関連の融資実行状況     (10 月末現在)
                                              (単位:件、億円)

                 制 度  融 資                      合   計
                               プロパー融資
                 (保証協会付保)
         件   数         6,898            283            7,181
 申   込
         金   額         1,300            281            1,581
         件   数         5,372            231            5,603
 実   行
         金   額           984            198            1,182


【図表 12】実質無利子・無担保融資の融資実行状況(10 月末現在)
                  (単位:件、億円)
         件   数         5,188
 申   込
         金   額           865
         件   数         4,685
 実   行
         金   額           749


(2)令和 2 年度下期からのお客様への支援態勢について
  令和 2 年 10 月からは、これまでの取り組みを更に深化させて、コロナ禍においてお客様
が資金繰りを気にせず本業に専念できる環境づくりをお手伝いする「資金繰り支援」と、
お客様の企業価値向上につながる「本業支援」を開始しました。
 具体的には、当行がメイン及び準メインとなっている約 4,500 社のうち、令和 2 年度下
期(6 ヶ月間)分として約 2,000 社を選定して、お客様と一緒に年間資金繰り表を作成して
いく支援を行い、年間ベースで資金繰りを支えていきます。その上で、資金繰り計画作成
により見えてくる課題・ニーズに対して、資金繰り面においてはリファイナンスや資本性
資金の検討を行い、本業面では売上増加や経費削減、事業承継等につながる支援を行って
いきます。


【図表 13】資金繰り支援と本業支援のイメージ図




                          6
   さらに令和 2 年 10 月、当行は SBI グループと資本性資金を提供する共同ファンド設
  立に向けて、戦略的業務提携強化の合意を致しました。これにより、短期継続融資(短
  コロ)やリファイナンスに続く柱として、資本性資金をお客様に提供出来るようになる
  ことから、ポストコロナ時代における資金繰り支援が実現できるものと考えています。
  また、SBI グループのもつ RPA(業務プロセス自動化技術)や、クラウドファンディン
  グ、ロボアドバイザーを利用したマーケット分析、AI やビッグデータの利用など最先端
  のテクノロジーを生かし、ウィズコロナ・アフターコロナ時代に対応したお客様のデジ
  タル化や IT 化、さらに DX(デジタルトランスフォーメーション)などビジネス変革を
  支援していきたいと考えています。


【図表 14】SBI グループとの共同ファンド概要




(3)感染防止に向けた行内 BCP の取組みについて
  社会インフラとしての金融サービスの維持を目的に、感染拡大を防止する観点から、交
 代勤務や昼休業の実施、時差出勤の奨励、スプリット・オペレーション(分散勤務)の実
 施、会議・研修等のウェブ開催、リモートでの採用面接の実施、受付やデスク間の透明ア
 クリル板設置など、順次取り組んできまいりました(令和 2 年 10 月末現在、交代勤務など
 一部解除)。
  令和 2 年 8 月、行員本人及び同居家族の体調不良時等に、行員本人が取るべき行動を明
 確にするために、
        「新型コロナウイルス感染症対策フロー」を改定し、職場復帰目安などを
 定めました。また、新型コロナウイルス接触確認アプリの活用や、定期的に通達を発信し
 て感染防止対策の徹底を、周知しております。
  令和 2 年 10 月、令和 2 年度上期においては開催を中止していた支店長会議を、全 7 ブロ
 ックの母店と本店大会議室をテレビ会議システムでつなぎ、リモート形式にて開催を行い
 ました。このようなコロナ禍における行内行事の開催に際して見つかった課題等の解決を
 図り、今後も感染拡大の防止に向けた行内 BCP を構築してまいります。




                        7
4.経営改善の目標を達成するための方策の進捗状況
 当行は、平成 30 年 6 月に策定した経営強化計画「プランフェニックスⅤ」に基づき、お客
様の売上増加や経営課題の解決、お客様の長期的な資産形成の支援に取り組むことで、地域
経済を活性化させ、当行の収益力の向上を図るという共通価値の創造に取り組んでまいりま
した。こうした「TOWAお客様応援活動」の実践は、お客様・地域経済・当行の持続可能
な発展を目指すものであり、SDGs(Sustainable Development Goals)そのものであると考え
ております。当行は経営改善の目標を達成する為に「お客様と当行の SDGs(持続可能な発展
目標)の推進」 をキーワードに、
      (※)       お客様応援活動の強化・深化に取り組んでまいりました。
(※)当行は、お客様と当行の持続的な発展を目指す観点から「持続可能な発展目標」としております。



【図表 15】ビジネスモデル




【図表 16】「TOWAお客様応援活動」




                            8
(1)「TOWAお客様応援活動」の強化・深化
 ①本業支援
  ア.ビジネスマッチング(販路拡大)支援
   お客様の売上増加に向けた本業支援としては、まず、当行のお客様同士を繋ぐ行内
  ビジネスマッチングの実績(平成 30 年 4 月から令和 2 年 9 月)は、6,054 件の商談を
  行い、798 件の成約(成約率 13.2%)となりました。
                              「TOWAお客様応援活動」を開
  始して以降の累計(平成 24 年 4 月から令和 2 年 9 月)では、30,458 件の商談を行い、
  2,963 件の成約(成約率 9.7%)となりました。


【図表 17】行内ビジネスマッチング
                                                         (単位:件)
                   本計画期間(30/4~2/9)             累計(24/4~2/9)
          商談                    6,054                   30,458
          成約                     798                     2,963
         成約率                    13.2%                     9.7%


   また、大手企業の本社や工場へお客様をお連れし、当行取引先と行なう商談会「川
  上・川下マッチング」は、事前に提示した大手企業のバイヤーや技術者のシーズ・ニ
  ーズに対する応募型のマッチング事業で、大手企業(川下)と当行のお客様(川上)
  との成約を目指す有力な取り組みであると考えております。
   令和 2 年度上期の大手企業との個別面談会は、新型コロナウイルス感染症の影響に
  より開催出来ませんでしたが、令和 2 年度下期中に Web ビジネス交流会の開催を予定
  しており、その中で個別商談会を実施し、お客様の販路拡大の支援を行ってまいりま
  す。


【図表 18】「川上・川下マッチング」商談会
                                                        (単位:社)
        年月         大手バイヤー               応募企業         参加企業
    平成29年6月       アイリスオーヤマ                     111            46
    平成29年7月          タニタ                       164            33
    平成30年5月          ミツバ                        42            25
    平成30年10月        LIXIL                       56            28
    平成30年12月       日本アクセス                       15            14
    令和元年7月        アイリスオーヤマ                      58            27
       令和元11月      三越伊勢丹                        20            20


   平成 26 年 12 月に締結した、筑波銀行・栃木銀行との地域経済活性化に関する広域
  連携協定に基づく連携については、3 行の各地元開催の共同商談会に相互の取引先が
  参加し、ビジネスチャンスの拡大機会を提供してまいりました。
   毎年 11 月、当行の取引先のお客様で組織する「東和新生会」が主催する「東和新生
  会ビジネス交流会」を開催しておりましたが、令和 2 年度は新型コロナウイルス感染
  症の影響により、開催中止となりました。なお、前年度(令和元年 11 月)に開催した
  「第 16 回東和新生会ビジネス交流会」については、群馬県など各自治体に加え、群馬
  県産業支援機構、北関東産官学研究会、関東経済産業局、各地商工会議所の後援を受
  け、2,400 名の来場がありました。本交流会では、出展企業のブースの他、群馬県から
                            9
    次世代産業課や群馬県よろず支援拠点、群馬産業技術センター、群馬県信用保証協会
    の支援相談ブースや、国際協力機構(JICA)
                         ・日本貿易振興機構(JETRO)
                                        ・国際協力銀
    行(JBIC)との相談ブース、及び、筑波銀行、栃木銀行の取引先企業 20 社を含め合計
    202 ブース設置するとともに、大手バイヤー等との個別商談ブースを 58 ブース設置い
    たしました。個別商談は、大手バイヤー等のニーズに対するソリューション等を記載
    した提案書に基づき、時間割による延べ 311 回の商談を実施しました。
          なお、令和 2 年度下期中に、新型コロナウイルス感染症により売上等に影響を及ぼ
    しているお客様の販路拡大の支援等を行うために、Web ビジネス交流会の開催を予定
    しております。工業系や食品系の大手企業との個別商談や、大学との共同研究相談な
    ど、テレビ会議システムを利用して実施する予定となっています。


【図表 19】ビジネス交流会の開催状況
 開催年月             交流会名         参加企業数      当行         筑波銀行        栃木銀行

 H26.10    2014筑波銀行ビジネス交流商談会        596         10      576             10

 H26.11    第11回東和新生会ビジネス交流会         143        133           5           5

  H27.5    観光ビジネス交流商談会              146         30          31          85

 H27.11    2015筑波銀行ビジネス交流商談会        250         20      210             20

 H27.11    第12回東和新生会ビジネス交流会         165        125          20          20

  H28.5    とちぎんビジネス交流商談会2016        161         20          21      120

 H28.10    2016筑波銀行ビジネス交流商談会        235         22      198             15

 H28.11    第13回東和新生会ビジネス交流会         200        166          20          14

  H29.5    とちぎんビジネス交流商談会2017         80         10          10          60

 H29.10    2017筑波銀行ビジネス交流商談会        241         21      198             22

 H29.11    第14回東和新生会ビジネス交流会         200        172          15          13

  H30.5    とちぎんビジネス交流商談会2018         79         10          10          59

 H30.10    2018筑波銀行ビジネス交流会          239         15      209             15

 H30.11    第15回東和新生会ビジネス交流会         201        181          10          10

  R1.10    2019筑波銀行ビジネス交流会          215         12      188             15

  R1.11    第16回東和新生会ビジネス交流会         202        182          10          10




          令和元年 6 月に開催した第二地銀協加盟行ネットワークを活用した「食の魅力発見
    商談会」において、18 社の参加を支援し、当行からも多数の行員が参加してお客様の
    ブースへ来場者をご案内・誘導するなどのサポートを行った結果、これまでに 13 社が
    大手企業と取引成立となりました。令和 2 年度は、新型コロナウイルス感染症の影響
    により、令和 2 年 8 月から令和 3 年 3 月までの期間、ウェブ上での開催となり、当行
    から 10 社の企業が参加しております。今後、リレバン推進部お客様応援室の担当者
    が、お客様と大手バイヤーとのパイプ役になり、成約に向けたサポートを行ってまい
    ります。


    イ.補助金申請支援
          当行は、他行に先駆けて取り組んできた「ものづくり補助金」の申請支援を、補助
    金を活用した新規設備導入による、お客様の生産性向上に直結する重要な本業支援と
    位置づけており、リレバン推進部お客様応援室と外部専門コーディネーターが連携し
                               10
        て、生産工程の課題分析や改善策を記載した申請書の作成支援に取り組んでおります。
            令和元年度補正予算「ものづくり補助金」については 6 件(令和 2 年 4 月に 2 件、
        6 月に 4 件)が採択され、平成 27 年度から 5 年間の累計件数は、群馬県・埼玉県の金
        融機関でトップの採択件数となっています。
            その他、令和 2 年度に申請支援した補助金は、
                                  「IT 導入補助金」10 件、
                                                「小規模事業
        者持続化補助金」8 件となっております。


【図表 20】ものづくり補助金の採択状況
        件
  100                 88                                      平成27年度                 平成28年度                        平成29年度                 平成30年度                令和元年度

   80
            62                                62                                              61
                           57                      58                               58
                                    54
   60            50                                                                      49
                                         45                                                        47
                                                                                                                  40        39
   40                                                       32 29 31 31                                                32
                                                                                                                                 28
                                                                                                                                          24        24 26
                                                                                                                                               18
   20                                                                                                                                                                11
                                6                       4                                               3                                                        6        5 5
                                                                          1                                                           1                     0                   0
    0
                  当行                      A行                    B行                        C行                            D行                      E行                    F行
                  263                     223                   124                       218                           140                     92                    27




        ウ.専門人材支援
            当行は、関東経済産業局と連携して、専門的な知識と経験を持つ大手企業 OB らと専
        門人材の不足に悩むお客様との橋渡しをする「新現役交流会」を、平成 26 年 7 月に地
        方銀行として初めて開催し、その後も毎年、群馬県と埼玉県で交互開催しております。
            令和 2 年度も 7 回目となる新現役交流会を群馬県高崎市で開催する予定でしたが、
        新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、8 月 20 日から 30 日にかけてウェブ上
        での開催としました。参加企業 20 社と新現役(企業 OB)44 名との延べ 55 回に及ぶ面
        談を実施しており、その後も成約に向けた支援を継続しております。


【図表 21】新現役交流会の開催状況
<開催実績>
   開催日                 H26.7.25           H27.6.15          H28.5.18           H29.5.19                 H30.6.5                  R1.6.4        R2.8.20~30            累計

   参加企業                    20社                20社             20社                  20社                      20社                   21社                20社             141社

 新現役(企業OB)                 55名                86名             58名                  77名                      59名                   94名                44名             473名

 延べ面接回数                    112回               133回            131回                 141回                     149回                 152回                55回             873回
                                                                              新都心ビジネス                                      新都心ビジネス
   開催場所                高崎支店         さいたまアリーナ                高崎支店               交流プラザ
                                                                                                        高崎支店                  交流プラザ
                                                                                                                                                Web開催

<成約状況>

   二次面談               取引先13社             取引先17社             取引先17社            取引先16社                取引先17社                   取引先19社                                  99社
    実施先               新現役13名             新現役23名             新現役30名            新現役30名                新現役33名                   新現役34名                                  163名

                       取引先8社             取引先12社             取引先13社            取引先15社                取引先17社                   取引先15社                                  80社
  支援成約先                                                                                                                                        継続支援中
                      新現役11名             新現役13名             新現役13名            新現役16名                新現役18名                   新現役22名                                  93名

                       取引先3社             取引先8社              取引先4社             取引先5社                     取引先8社                取引先6社                                   34社
  民-民契約
                       新現役3名             新現役9名              新現役4名             新現役5名                     新現役8名                新現役7名                                   36名


        また、平成 29 年 12 月には、地域経済活性化支援機構(REVIC)が 100%出資し、地
    方創生を目的として設立された日本人材機構と、経営人材紹介及びコンサルティング
    業務に係る業務提携を行い、お客様の人材不足に係る経営課題の解決支援態勢の強化
                                                                              11
を図りました。平成 30 年 5 月、業歴 40 年のプラスチックフィルム加工業のお客様に
対して、製造現場における品質管理・衛生管理能力の向上という経営課題を解決するた
めの人材紹介などを行い、令和 2 年 9 月末までに、取引先 5 社に対して 5 名の紹介が
成立となりました。
 さらに令和 2 年 7 月、地域企業の人材支援に取り組むため、有料職業紹介事業の許
可を取得し、民間人材会社を介さずに求人票の作成を行い、候補人材を見つけ採用企業
に紹介することが出来るようになりました。特に、経営専門人材等の紹介については、
令和 2 年 7 月、内閣府地方創生推進室が推進する「先導的人材マッチング事業」の間接
補助事業者として採択されており、民間人材会社 10 社とコンソーシアムを形成して事
業に取組んでいます。今後、当行取引先企業への経営専門人材の紹介を通じて、経営課
題の解決に取組んでまいります。


エ.事業承継支援
 当行は、平成 30 年 4 月、事業承継や M&A ニーズの高まりに積極的に対応するため、
リレバン推進部内にコンサルティング室を設置しました。専門的な知識やノウハウが
必要な事業承継・M&A に係る本業支援を、業務提携する公認会計士や税理士を擁する
コンサルティング会社などの外部機関や、群馬県よろず支援拠点などの公的機関と連
携して取り組んでおります。
 具体的な活動としては、経営者が 60 歳以上の中小事業者の中から、営業店が特に事
業承継が重要と考える先を中心に、ヒアリングやアンケートによりニーズやシーズを
把握するため、「事業承継気づき活動」を平成 30 年 5 月~令和 2 年 9 月にかけて実施
し、これまでの累計で 2,652 社から回答を得ました。また、これまで外部専門家によ
る事業承継セミナー及び相談会を開催しており、取引先 71 先が参加しています。
 さらに支援を必要とする先については、当行と事業承継や M&A にかかる有料のコン
サルティング契約を締結し、外部コンサルティング会社と連携して重点的に対応して
おります。これまで取引先 24 先とコンサルティング契約を締結しており、このうち 6
社の事業承継等が完了しております。
 今後も、公的機関及び民間事業者との連携も強化し、更なる事業承継支援に取り組
んでいく方針です。


オ.地元大学との共同研究開発支援
 当行は、高い技術力を持つ取引先企業の更なる技術開発 商品開発を支援するため、
                          ・
群馬大学・前橋工科大学との共同研究開発支援に取り組んでおり、本計画期間の実績
(平成 30 年 4 月~令和 2 年 9 月)では、61 社に共同研究を提案し 9 社が開始してお
ります。
 なお、平成 29 年 9 月と平成 30 年 11 月の 2 回にわたり、群馬大学産学協同コーディ
ネーター研修会を開催し、当行法人渉外課長を中心とした計 45 名が研修を修了して同
コーディネーターに任命されるなど、一層の取組み強化を図っております。
 令和元年 5 月には、群馬大学との「産官学金連携マッチング事業」を開催しました。
この事業は、群馬大学の各教授・研究者・研究室のシーズやニーズ、またはこれまで
の研究成果等を活用し、それらを事前に提示する応募型のマッチング事業で、28 ブー
                      12
 スを出展し、大手・中小企業等 200 社、300 名の参加を支援しました。現在も、引き続
 き共同研究開始に向けた、面談支援に取り組んでおります。


【図表 22】地元大学との共同研究開発支援の実績
                                                    (単位:件)
                           本計画(30/4~2/9)   累計(24/4~2/9)
               提案                     56             186
   群馬大学
             共同研究開始                    8              35
               提案                      5              43
  前橋工科大学
             共同研究開始                    1                8
               提案                     61             229
    合計
             共同研究開始                    9              43


 カ.海外進出等支援
  海外進出支援は、国際部海外進出支援チームによる海外ネットワークを活用した各
 種情報提供や業務提携先と連携した海外進出支援に取り組んでおり、本計画期間では
 130 件の実績となりました。
  令和 2 年 9 月から海外進出コンサルティングを行う㈱フォーバル(東証一部上場)
 と提携し、ウェブ上で日本の食料品を海外バイヤーに紹介する「越境 EC プラットフォ
 ーム」のサービスを開始しております。コロナ禍で渡航が制限される中、海外バイヤ
 ーとウェブ上での商談が可能となっており、販路拡大を目指す群馬県内の食料品メー
 カーとの商談が進んでいます。
  また、業務提携する国際協力機構(JICA)の「中小企業・SDGs ビジネス支援事業」
 を積極的に進めております。この事業は、SDGs の理念のもと途上国の抱える環境・エ
 ネルギー関連の課題を、日本企業の優れた製品・技術を輸出することで解決する事業
 です。現在、海外進出を目指す取引先 3 社に対して、国際部と JICA 職員が協働して、
 事業の採択に向けた支援をしております。
  この他、取引先企業及び海外現地法人の海外での資金調達を円滑に行える態勢の整
 備も行っており、本計画期間(平成 30 年 4 月~令和 2 年 9 月)において、外貨建てク
 ロスボーダーローン 5 件 10.08 百万ドル、国際協力銀行による 3 百万米ドルの融資に
 対する債務保証、タイの TMB 銀行による 30,000 千バーツの信用供与に対するスタンド
 バイ・クレジットの発行などに取り組みました(金額は当初実行金額の合計)。
  令和 2 年度は開催中止となりましたが、令和元年 11 月に開催した「第 16 回東和新
 生会ビジネス交流会」では、国際協力機構(JICA)
                         ・日本貿易振興機構(JETRO)
                                        ・国際
 協力銀行(JBIC)との個別相談ブースを設置し、海外進出等に係る情報提供や連携支
 援に取り組んだほか、
          「外国人雇用を検討する上での具体的課題とチェックポイント」
 セミナーを開催し、34 社 44 名が参加いたしました。
  また、中国人観光客向けインバウンドビジネス等をサポートするため、日本恒生ソ
 フトウェアと業務提携し、平成 30 年 3 月に「支付宝(アリペイ)、平成 30 年 5 月に
                                   」
 「微信支付(ウィーチャットペイ)」の導入支援を開始し、これまで、群馬県のアンテ
 ナショップ「ぐんまちゃん家」や、群馬県片品村の観光施設 8 施設などで導入されて
 おり、令和 2 年 9 月末までの導入実績は合計 40 社となっております。




                      13
【図表 23】海外進出等支援実績                                       (単位:件)
               連携先             本計画(30/4~2/9)   累計(24/4~2/9)
国際協力機構(JICA)                               3              9
日本貿易振興機構(JETRO)                           40             82
国際協力銀行(JBIC)                               2              7
交通銀行(中国)                                   0             13
TMB銀行(タイ)                                  2             45
その他海外提携銀行                                  1             20
中小機構                                       1              2
日本恒生ソフトウェア(アリペイ・ウィーチャットペイ導入)              42             42
国際人材育成機構(アイムジャパン)                         26             73
リース各社・民間コンサル・商社・他                         13            154
               合計                        130            447




【図表 24】海外業務提携先ネットワーク




  キ.創業・新規事業支援
   創業 新規事業支援は、
     ・        創業補助金申請支援や創業資金対応に取り組んでいるほか、
  平成 28 年 8 月からは、群馬県後継者バンクと連携し、主に事業意欲のある企業家と後
  継者のいない小規模事業者のマッチング支援等に取り組んできた結果、本計画期間中
  (平成 30 年 4 月~令和 2 年 9 月)に 294 件の支援実績となっております。
   また、令和元年 12 月に開催した、当行と群馬大学、前橋工科大学、共愛学園前橋国
  際大学との主催による「第 3 回創業スクール」では、起業に興味のある方や起業間も
  ない経営者、学生など、29 名(内大学生 10 名)を対象に計 5 回(5 日間)に亘り開催
  し、起業に必要な知識や起業家による実践的な経営論を含む起業家育成支援に取り組
  みました。また、昨年度の創業スクール卒業生で既に起業した 2 名からの、起業に向
  けた体験談発表を行うなど、より実践的な内容へと改善を図っています。
   閉講後もリレバン推進部お客様応援室が、継続的に事業計画の立案支援や取引先紹
  介などに取り組んだ結果、ブルーベリーの溶液栽培・加工販売会社の起業(新規就農)
                          14
  など、現在 9 社が起業し、7 社が起業準備中という成果につながっています。


  ク.東和農林漁業 6 次産業化応援ファンド
   当行は農・食分野における地域経済の活性化に向けて、農林漁業成長産業化支援機
  構(A-FIVE)との共同出資により「東和農林漁業 6 次産業化応援ファンド」を設立し、
  1 次・2 次・3 次産業者との連携による新たな事業機会の創出を図っており、平成 29 年
  5 月には第 1 号案件として、地元産生乳を使用したジェラートの製造・販売にかかる
  事業計画の立案支援・出資に取り組んでまいりました。
   令和元年7月には、全国屈指のねぎ産地である埼玉県深谷市における、ねぎの生産・
  加工・販売までの一貫体制を目指す事業モデルを対象に、第 2 号案件として事業計画
  の立案支援・出資、及び冷蔵・加工工場の新設資金の融資に取り組みました。


【図表 25】東和農林漁業 6 次産業化応援ファンド第 2 号案件のスキーム




  ケ.群馬県委託事業「高付加価値な食品開発支援事業」
   当行は、平成 31 年 4 月、群馬県が業務委託する平成 31 年度群馬県地域活性化雇用
  プロジェクト「高付加価値な食品開発支援事業」に採択され、群馬県の食品製造事業
  者への「付加価値の高い食品開発」「事業化」「首都圏等への販路開拓」等の支援を通
  じた地域経済の活性化に取り組んでまいりました。
   具体的には、リレバン推進部お客様応援室と新たに連携する 2 名のフードコーディ
  ネーターが協働し、情報収集や案件の掘り起こし、産学官金連携によるシーズ・ニー
  ズ等のマッチングや共同研究、商品開発、パッケージ開発、商品 PR に取り組み、首都
  圏等への販路開拓を行いました。首都圏での販路拡大事業では、令和 2 年 2 月、
                                         「ぐん
  ま県産品マッチングフェア in 銀座」を開催し、22 社がブース出展したほか、個別商
  談 44 件が行われました。令和 2 年 4 月には、当行の支援のもと洋菓子製造業者と都内
  食品スーパーとの商談が成立するなど、令和 2 年 9 月までに合計 2 社が成立していま
  す。
   さらに、群馬県の食品製造事業者の事業 PR のため、群馬県産業経済部・地域企業支
  援課から「ぐんま食品関連企業ガイドブック」の作成事業を受託しており、令和 2 年
  3 月に発行となりました。当行の取引先をはじめ 100 社の企業を紹介しており、群馬
  県主催の各種イベントにて配布されるなど、今後の販路拡大等への活用が見込まれて
  います。
                      15
   こうした一連の伴走型支援により、群馬県の公募要領で定める本事業の成果指標で
  ある、「支援企業に対する雇用創出目標値」(就業者数 24 名、うち正社員登用 12 名)
  を達成することができました。


  コ.東和地域活性化ファンドの組成
   当行は、令和元年 11 月、地域の中堅・中小企業へのメザニン(劣後)ローンや優先
  株取得といった手法を活用したエクイティ性資金の供給による、地域経済の活性化を
  図るため、「東和地域活性化投資事業有限責任組合(東和地域活性化ファンド)」へ出
  資いたしました。本ファンドは、運営管理を担う無限責任組合員(GP)として東和銀
  リースと AGS コンサルティングの 2 社、有限責任組合員(LP)としてゆうちょ銀行と
  東和銀行の 2 行が参画しております。
   なお、本ファンドの組成・運用に係る実践ノウハウの獲得を図るため、平成 30 年 12
  月に地域経済活性化支援機構(REVIC)と特定専門家派遣契約を締結し連携を強化した
  ほか、平成 30 年 12 月から REVIC へ出向させていた当行行員 1 名が令和元年 9 月に帰
  任するなど、態勢面の整備も進めてまいりました。


【図表 26】東和地域活性化ファンドのスキーム




  令和 2 年 4 月、東和地域活性化ファンドの 1 号案件として、群馬大学の知的財産権
 を活用した製品開発及び販売をおこなうベンチャー企業に対して、主力製品であるバ
 イオマスを原材料としたウッドチップブロックを製造する機械設備購入資金 として
 100 百万円を出資しました。群馬大学発のベンチャー企業のパイオニアに対する出資と
 して、地域経済の活性化に貢献する案件であると考えております。
  令和 2 年 8 月には、第 2 号案件として 50 百万円の出資を行っておりますが、詳細は
 守秘義務により非公表としています。これにより、令和 2 年 9 月末までに、合計 2 件・
 150 百万円の出資を行っております。今後も、本ファンドを活用し、地域経済を支える
 観光産業・地場産業への成長資金や、地域の商流と雇用を守る為の事業承継・M&A資
 金の供給、創業新事業資金の供給強化と、お客様の資金調達手法の多様化に取り組むこ
 とで、「リスクマネーの地域への循環」を図ります。




                        16
 【図表 27】東和地域活性化ファンド第 1 号案件の概要




サ.Towa Big Advance
 当行は令和 2 年 1 月、お客様の本業支援の一層の強化を図るため、全国規模のビジ
ネスマッチングや従業員向け福利厚生サービスの提供などが可能な経営支援プラット
フォーム「Towa Big Advance」の取り扱いを開始いたしました。
 本サービスは、全国複数の金融機関(11 月 1 日現在 58 機関)が連携して地域の中
小企業の成長を支援するプラットフォームで、インターネットを通じて専用の WEB サ
イトにアクセスすることで、金融機関の枠を超えた全国規模のビジネスマッチングや
900 社を超える大手企業とのオープンイノベーション、従業員向け福利厚生サービス
の提供、企業のホームページ作成支援、新たなコミュニケーションツールとしてのチ
ャット機能など、幅広いサービスを提供しているものです。
 令和 2 年 9 月末までに、698 先の取引先が加入しており、他金融機関の加入企業と
のビジネスマッチングの成約は 6 件となっています。今後、ウィズコロナ・ポストコ
ロナに向けて、非対面における商談支援ツールとして活用してまいります。


シ.東和 SDGs 支援
 当行は、
    「TOWAお客様応援活動」により、お客様の本業支援、経営改善・事業再
生支援、資産形成支援に全行的・継続的に取り組み、地域経済の活性化に貢献するこ
とで当行の収益力の強化を図るという、
                 「共通価値の創造」をビジネスモデルとして確
立し、全役職員一丸となって取り組んでまいりました。こうした「TOWAお客様応
援活動」の実践は、お客様・地域経済・当行の持続可能な発展を目指すものであり、
SDGs(Sustainable Development Goals)(※1)そのものであると考えております。
 当行は、
    「TOWAお客様応援活動」を徹底することで、当行のビジネスモデルの持
続可能性を高めるとともに、お客様への本業支援と経営改善支援を通じた、地域経済
                        17
 の持続的な発展への取り組みを更に強化するため、平成 31 年 1 月に、総合企画部内に
 SDGs 推進室を設置し、SDGs に関する施策の企画 立案 推進管理を強化いたしました。
                            ・  ・
  平成 31 年 4 月には、当行の SDGs に対する考え方や積極的に取り組むセグメントを
 定めた、
    「東和銀行 SDGs 宣言」を制定しており、今後は、この宣言に基づき、SDGs の
 達成に向けた諸施策を実施してまいります。なお、令和元年 10 月、持続可能な社会の
 形成のために必要な責任と役割を果たしたいと考える金融機関の行動指針として策定
 された「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21 世紀金融行動原則) へ署名
                                      」
 いたしました。
  こうした当行自身の取り組みに加え、本計画では、お客様の SDGs に繫がる経営課題
 等に着眼し、その解決に向けた本業支援を特に「SDGs 支援」
                              (※2)と定め、KPI(重要
 業績評価指標)に設定した中で取り組んでまいりました。平成 30 年 12 月には、地域
 経済・社会の持続的な発展に貢献する企業への円滑な資金供給手段として、学校や自
 治体、自然保護団体等に対して、発行額の 0.2%相当の寄附・寄贈を選択できる「東和
 SDGs 私募債」の取り扱いを新たに開始し、平成 30 年 12 月から令和 2 年 9 月末までに
 35 件 4,630 百万円の実績となっております。こうした取り組みにより、本計画の KPI
 である SDGs 支援は 200 件の目標に対し、157 件の実績となりました。


(ア)環境省「地域における ESG 金融促進事業」に係る支援先機関の認定
  当行は、令和元年 10 月、令和元年度より開始された環境省の「地域における ESG 金
 融促進事業」の支援先機関として採択されました(9 機関採択)。本事業は、地域金融
 機関を対象に、ESG 地域金融(※3)を促進することを目的として、有望なグリーンプ
 ロジェクト等の地域の市場調査、将来性・利益性の掘り起こし、地域金融機関におけ
 る ESG 要素を考慮した事業性評価及びそのプロセス構築等の支援を行うものです。
  令和元年度に当行が支援した事業「福祉施設と温浴施設が連携した薪製造・薪ボイ
 ラー導入による地域コミュニティ活性化事業」では、温浴施設の CO2 排出量削減を薪
 ボイラーの安定稼動により達成すると共に、その燃料製造を地域の障害者福祉施設で
 行うことにより雇用創出を目指すもので、実際に障害者施設での燃料製造の試行を開
 始することができました。また、当行営業エリアにおいて、脱炭素の取り組みに興味
 を持つ福祉施設やゴルフ場を経営する複数のお客様に対し、本事業モデルの「横展開」
 を目指すため、本支店と外部専門家による共同ヒアリングを実施いたしました。


 【図表 28】「福祉施設と温浴施設が連携した薪製造・薪ボイラー導入による地域コミ
        ュニティ活性化事業」スキーム図




                       18
 令和 2 年 6 月、
           「令和 2 年度地域 ESG 金融促進事業」についても、支援先機関として採
択されております(11 機関採択)。
 令和 2 年度に当行が支援している事業「医療・福祉施設を対象とする災害対応型の太
陽光発電・蓄電池等による電力供給モデル事業」では、福祉施設に災害対応型の太陽光
発電・蓄電池、電気自動車等の設備を設置し、通常時はクリーンエネルギー利用による
CO2 削減を図り、災害時には電力自給ができることから、入居者の安心・安全を確保する
とともに、周辺住民の避難者の受け入れ等を行うことで、地域のレジリエンス(災害対
応力)の向上を目指すものです。このモデル事業をもとに、産官学金が連携して対象施
設の時間帯別の必要電力・熱需要調査等を行い、それを賄う太陽光発電設備や蓄電池等
の導入規模を試算し、地域コミュニティ活性化に資する再生エネルギーの活用方策を、
福祉施設に対して提言します。更に、本事業での試算をもとに当行営業エリア内におい
て、本件モデルケースの「横展開」を目指してまいります。


 【図表 29】
       「医療・福祉施設を対象とする災害対応型の太陽光発電・蓄電池等による電
      力供給モデル事業」スキーム図




  これらの取り組みにより、案件の発掘からヒアリング、オペレーション上の課題の
 把握など、本支店と外部専門家が連携して取り組み、ESG に対する地域・行内双方の認
 識を高めるとともに、具体的な案件づくりのノウハウを共有してまいります。


(イ)環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域 ESG 融資促進利子補給事
業)」に係る指定金融機関の認定
  当行は、令和元年 9 月、令和元年度より開始された環境省の「二酸化炭素排出抑制
 対策事業費等補助金(地域 ESG 融資促進利子補給事業)」に係る指定金融機関として
 認定されました。本制度は、地域循環共生圏の創出に資する ESG 融資(※4)を行なう
 金融機関を対象として、利子補給制度の活用により ESG 融資の促進や CO2 排出量削減
 を目指すものです。同年 11 月から、本利子補給制度を活用した融資の取扱いを開始
 し、主に再生可能エネルギー設備資金への取り組みを強化することで、ESG 融資の普
 及・推進に取り組んできた結果、ESG 融資目標 400 件、100 億円に対して、太陽光発
 電設備事業者や産廃処理事業者への融資を中心に、 融資実績として 402 件、 億
                        ESG            136
 円と目標を達成することができました。
                     19
      令和 2 年 8 月、「令和 2 年度地域 ESG 融資促進利子補給事業」についても、指定金
    融機関として引き続き認定されており(27 機関認定)、今後も ESG 融資の普及・促進
    に取り組んでまいります。
   (※1)SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標) 」の略称。2015 年 9 月「国連
      持続可能な開発サミット」において採択された、                 「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」
      の中で掲げられた、国連に加盟する全ての国が取り組む 2030 年までの国際目標で、17 のゴー
      ルと 169 のターゲットで構成されている。経済、社会、環境などの広範な課題に統合的に取り
      組むことで、持続可能な社会の実現を目指しているもの。当行では、お客様と当行の持続的な
      発展を目指す観点から、         「発展目標」としております。
   (※2)経営強化計画記載の「ESG 支援」を「SDGs 支援」に改称いたしました。
   (※3)ESG 地域金融とは、    「地域の特性に応じた ESG 要素に考慮した金融機関としての適切な知見の
      提供やファイナンス等の必要な支援」のこと(                 「ESG 金融懇談会提言」資料より)  。
   (※4)地域循環共生圏の創出に資する ESG 融資とは、環境、社会、コーポレートガバナンスの要素
      を考慮して行い、環境・社会へのインパクトをもたらす事業に対して行なう融資であって、地
      域循環共生圏の創出に係る計画等に位置づけられる融資等のこと。


【図表 30】ビジネスモデル




【図表 31】東和銀行 SDGs 宣言




                                  20
 【図表 32】SDGs の取組み




   ス.経営者保証ガイドラインの積極活用
     当行は、リレバン推進部コンサルティング室の新設による、事業承継支援の態勢整
   備・強化に加え、事業承継の際のネックの一つとなっている経営者保証について、経
   営者保証ガイドラインの積極的な活用に取り組むことで、担保保証に過度に依存しな
   い融資の推進を図り、事業承継や再チャレンジの応援に取り組んでおります。
     平成 30 年 7 月、 経営者保証ガイドライン適用チェックリスト」
                「                      を全面的に改定し、
   チェック項目に該当する類型と債務者区分を組み合わせて経営者保証を不要とする基
   準をより明確にし、経営者保証ガイドラインの積極的な活用を徹底してまいりました。
     令和 2 年 3 月、事業承継の阻害要因のひとつとなっている前経営者と新経営者の双
   方からの二重徴求防止を目的とした「経営者保証に関するガイドラインの特則・適用
   チェックリスト」を新たに制定し、適用基準の明確化による二重徴求防止の徹底を図
   っております。
     令和 2 年度上期の経営者保証ガイドラインの活用実績は、31.25%となり、経営強化
   計画の始期である平成 29 年度下期(平成 30 年 3 月期)実績 15.15%と比べ、16.1 ポ
   イント上昇しましたが、同計画においてKPIと定める 50%の目標とは乖離がありま
   す。要因としては、令和 2 年度上期は、コロナ対応の各種制度融資が経営者保証を要
   件としていることが大きく、プロパー融資のみの実績では 56.92%とKPIを達成し
   ております。引き続き、同ガイドラインの趣旨に則り、活用の徹底を図ってまいりま
   す。
【図表 33】経営者保証ガイドラインの活用状況
                                                                                (単位:件)

                    29/上      29/下        30/上      30/下      1/上      1/下       2/上


経営者保証に依存しない融資件数       1,142     1,005       1,363     1,315    1,378    1,543      2,611


新規融資件数                6,594     6,634       7,119     5,410    5,462    5,392      8,354

新規融資に占める経営者保証に依存し
                     17.32%    15.15%      19.15%    24.31%   25.23%   28.62%     31.25%
ない融資の割合




  ②経営改善・事業再生支援
   ア.審査管理部企業支援室の機能強化
     審査管理部企業支援室は、本部 5 名と営業店を 9 グループ化し各母店に常駐させて
   いる 9 名の専担者から成り、経営状況が厳しく経営改善支援が必要な先を半期毎に洗
   い替えしながら選定した上で、お客様への直接訪問による実態把握や経営改善計画の
   策定支援に取り組んでおり、令和 2 年度上期は 175 先を対象として支援してまいりま
                                     21
   した。また、母店常駐者がブロック内の営業店を臨店し指導育成を図ることや、お客
   様への訪問時に営業店担当者を同行させることで、経営改善・事業再生手法や事業性
   評価の全行的な浸透を図っております。
     本計画期間における、外部専門機関や外部専門家との連携による経営改善計画策定
   支援の取組み実績は 239 件となっております。
     この他に、当行は全国の地方銀行に先駆けて、平成 26 年 1 月から地域経済活性化支
   援機構(REVIC)の特定専門家派遣制度を活用し、地域の中核的企業に対して、高度な
   専門的知識を有する専門家と当行が連携し、お客様への直接訪問による経営改善支援
   に取り組んでおり、平成 30 年度は、7 社の支援実績となっております。また、平成 30
   年 7 月から、特定専門家派遣制度の内容が事業性評価支援に変更されたことに伴い、
   REVIC の知見・ノウハウを活用した深度ある事業性評価に取り組んでおり、これまで
   に 8 社を対象として実施いたしました。今後も審査部と連携し、事業性評価の知見・
   ノウハウの蓄積に取り組んでまいります。

【図表 34】経営改善支援(外部専門機関との連携による経営改善計画の策定支援
                                                                                  (単位:件)
                                                            実績                    累計
                                                         (30/4~2/9)            (24/4~2/9)
 経営改善支援                                                           239                        754
   中小企業再生支援協議会                                                        50                     127
   経営改善支援センター                                                         27                      98
   経営サポート会議                                                           58                     206
   その他(地域経済活性化支援機構、外部専門家等)                                        104                        323
 地域経済活性化支援機構(REVIC)の特定専門家派遣制度                                         15                     101



【図表 35】外部専門機関との連携

      外部機関                                                                    当行提携先

                                 一般コンサル会社
                                                                        地域経済活性化支援機構
                                                                      専門家との再生手法の検討(H26年2月~)
   地域経済活性化支援機構
                                 計画策定・経営改善支援                               MeUアドバイザーズ
                                                                  経営相談会、支援方針アドバイス(H22年5月~)




   中小企業再生支援協議会   計画策定支援
                                                                            TKC関東信越会
                                                                       顧問税理士との連携(H26年10月~)

                 経営改善支援
                                     東和銀行の
                 金融機関調整               お客様                              群馬県中小企業診断士協会
                                                                       中小企業診断士派遣(H25年11月~)
   経営改善支援センター

                                                                           群馬県信用保証協会
                                                                           経営改善支援(H29年1月~)



   保証協会サポート会議             再生型               事業再生支援
                          事業承継・M&A          人的支援                           埼玉県信用保証協会
                          廃業支援              資金支援(エクイティ・デット)               経営改善支援(H29年3月~)




                  ・地域経済活性化支援機構            ・ぐんま中小企業再生ファンド
                   (特定支援業務)
                                          ・オリックス/ドイツ証券/新生銀行
                   ・日本M&Aセンター              あおぞら債権回収/リサパートナーズ等




   イ.貸出条件変更先に対する経営改善支援の強化
     当行は、平成 28 年 12 月、貸出条件変更先に対する経営改善支援の強化を図る観点
   から、これまで、信用格付に基づいて審査部・審査管理部に分かれていた貸出条件変

                                     22
   更先の所管について、経営改善支援に係るノウハウや外部専門機関との連携実績が豊
   富な企業支援室を有する審査管理部への一元化を図り、企業支援室担当者が全先を直
   接訪問し経営改善支援に取り組んでおります。
    その結果、経営改善計画の策定支援先数は、平成 28 年 3 月末時点では、貸出条件変
   更先 1,103 先中 461 先(41.8%)だったのに対し、令和 2 年 9 月末時点では、貸出条
   件変更先そのものも 209 先減少(▲18.9%)の 894 先となった上で、経営改善計画の
   未策定先は 441 先減少(▲68.6%)の 201 先となるなど、大幅に改善いたしました。
    なお、令和 2 年度上期において、新型コロナウイルス感染症の影響により、貸出条
   件変更先の増加が懸念されましたが、2 件の増加に留まりました。これは、新型コロナ
   の影響を受けたお客様に対する元金据え置き等の条件変更については、116 先の新規
   受付を行いましたが、経営改善計画の策定支援と並行し貸出条件変更先に対する金融
   取引の正常化を進めた結果、114 先の貸出条件変更先の正常化が図れたことによるも
   のです。
    新型コロナウイルス感染症の影響により、資金繰りが悪化し借入金の返済負担が重
   い取引先に対しては、元金返済の棚上げなど借入金の条件変更に速やかに対応してお
   り、また、他行との金融調整が必要な取引先に対しては、中小企業再生支援協議会に
   よる「新型コロナ特例リスケ」の積極的な活用を助言しております。令和 2 年度下期
   以降も、新型コロナの収束は不透明であることから、外部専門家や外部機関の活用、
   政府系金融機関との連携等を活用して、取引先に対する資金繰り支援に引き続き取組
   んでまいります。


【図表 36】貸出条件変更先への支援状況




    また当行は、地域経済にとって雇用や商取引の要にあり、金融支援によって再生見
  込のある企業に対し、DDS や債権放棄といった手法を活用した抜本的な事業再生支援に
  も取り組み、本計画期間中で 27 件 21 億円、国の資本参加後の累計では 67 件(56 社)
  103 億円の実績となっております。
    この様に、当行は金融機能強化法の趣旨を踏まえ、公的資金を活用した抜本的な事

                         23
      業再生支援や地元企業への積極的な信用リスクテイクに努め、地域経済の活性化に取
      り組んだ結果、令和 2 年 9 月期において、支援対象企業の従業員 3,553 名、総売上高
      639 億円の保全を図るとともに、地元企業に対する信用リスク 168 億円と、DDS 等実施
      額 103 億円の合計額 271 億円の公的資金残額 150 億円との比率は 181.3%となりまし
      た。


【図表 37】抜本的な事業再生等に向けた取組み状況
                                           (上段:件数、下段:百万円)                                                                                                      (百万円)

取組手法      26/3     27/3    28/3   29/3     30/3     31/3       2/3         2/9        累計
                                                                                                                                                  9,610 10,048 10,302
              0       1       0        0       0          0           0           0           1
  DES
                                                                                                                                                                    2,990
              0       6       0        0       0          0           0           0           6                                          8,177             2,990
                                                                                                                               7,991             2,942
                                                                                                                      7,520
              3       1       0        1       0          0           3           0           9
                                                                                                             6,648             1,664 1,700
  DDS
                                                                                                                      1,664
          1,989     400       0      181       0          0          81           0    2,823
                                                                                                             1,300
                                                                                                                                                                    3,068
              0       2       1        6       1          4           6           7         21      4,864                                                  3,068
                                                                                                                                           3,067
  DIP                                                                                                                          3,067 3,067
              0     149     120      243     150     191         308         562       1,415         803              3,020
                                                                                                             2,632
              0       3       2        3       0          0           1           0         11                                                             1,161 1,415
 債権                                                                                                 1,900                       512      662      853
                                                                                                              149      269
 放棄
              0     732     388       47       0          0           1           0    3,068

                                                                                                             2,561 2,561 2,742 2,742 2,742 2,823 2,823
 債権           0       4       3        0       4          4           2           0         19      2,161
 譲渡
              0     497     364        0      36 1,242               48           0    2,990                   6        6        6        6        6         6        6
                                                                                                    26/3      27/3     28/3     29/3     30/3     31/3      2/3      2/9
              3      11       6       10       5          8          12           7         67
 合    計
          1,989 1,784       872      471     186 1,433           438         254 10,302                   DES        DDS        DIP       債権放棄                 債権譲渡




【図表 38】地元向け事業性融資における信用リスクに対する所要資本額
                                                                           (百万円)                                                                            (百万円)

           26/3     27/3     28/3     29/3        30/3        31/3        2/3         2/9                                                      18,276
                                                                                                                                      17,464            17,220 16,893
                                                                                                                             16,807
  Var
          16,414 16,429 16,357 18,796 19,171 19,744 19,428 19,935                                                   13,924
 リスク量                                                                                                      13,275
                                                                                                  11,250
     EL
           5,164    3,155    2,432    1,989       1,707       1,467       2,207       3,042
予想損失額

     UL
 非期待      11,250 13,275 13,924 16,807 17,464 18,276 17,220 16,893                                  26/3     27/3     28/3     29/3     30/3     31/3     2/3       2/9
 損失額




                                                                                24
【図表 39】公的資金対比率
                                                           (百万円)
                                                                                                                  185.9%
                                                                                                                           181.3% 181.8%
         26/3       27/3    28/3    29/3    30/3    31/3   2/3    2/9

  UL
 非期待     11,250 13,275 13,924 16,807 17,464 18,276 17,220 16,893
 損失額
                                                                                                          73.3%
 DDS 等                                                                                            70.9%
            4,864   6,648   7,520   7,991   8,177   9,610 10,048 10,302           56.9%   61.2%
 実施額                                                                      46.0%

  合計     16,114 19,923 21,444 24,798 25,641 27,886 27,268 27,195

 公的資金
 対比率
         46.0% 56.9% 61.2% 70.9% 73.3% 185.9% 181.8% 181.3%               26/3    27/3    28/3      29/3     30/3    31/3     2/3    2/9



※平成 30 年 5 月、公的資金の一部 200 億円を返済したことから、平成 31 年 3 月期の「公的資金対比率」
 は公的資金残額 150 億円対比


  ③資産形成支援
       ア.資産形成支援に係る態勢整備
         平成 29 年 7 月に、お客様本位の中長期的な資産形成に係る取り組みを強化・徹底す
       るため、
          「お客様本位の業務運営方針」及び本方針に基づくアクションプラン、取組状
       況を策定・公表し、その後毎年、具体的な取組状況を含めた成果指標(KPI)を公表して
       おります。
         また、平成 29 年 10 月には、お客様の安定的な資産形成を支援し、お客様の最善の
       利益につながる取り組みを一層強化するため、新たにお客様資産形成部を設置しまし
       た。
         平成 29 年度下期以降、お客様本位の業務運営を徹底するため、投資信託の販売目標
       額を廃止したほか、お客様起点の新たな営業スタイル「守り育てる運用」の導入や、
       投資信託や保険商品を購入された全てのお客様を対象とした「お客様資産形成満足度
       アンケート」の実施など、積極的に取り組んでまいりました。


       (ア)投資信託窓販
            下記イ.に記載の通り、投信営業推進方法を抜本的に変革するプロジェクトの成
         果をベースとして、ローリスク・ローリターンのコア・ファンドを中心とした営業
         及び「長期」「分散」「積立」を基本とした積立投信の推進により、お客様の長期的
         な金融資産の増大につながるよう資産形成支援を行ってまいりました。引続きお客
         様起点の新たな営業スタイルの定着に向け取り組んでまいります。


       (イ)生命保険窓販
            渉外行員の保険提案力の強化を図るため、外部から生命保険販売の経験豊富な実
         務経験者を保険コンサルタントとして採用し、同行訪問などを通じた育成・支援態
         勢の強化に取り組んでまいりました。平成 28 年 1 月から埼玉地区で先行して実施し
         ており、行員の育成・営業支援の成果が上がってきたことから、令和元年 6 月より
         順次、群馬地区・東京地区にも拡大し、配置を行いました。令和 2 年 9 月末現在、
         保険コンサルタントは埼玉地区に 8 名、群馬地区に 2 名、東京地区に 2 名の合計 12
         名を配置し、お客様の運用商品の選択に役立つ保険提案力の強化を図っております。
                         25
(ウ)金融商品仲介業務
  お客様の多様な資産運用ニーズに応えるため、平成 30 年 2 月に、SBI 証券と提携
 し、インターネットによる非対面での金融商品仲介業務を開始いたしました。平成
 31 年 4 月には、SBI グループと共同で対面での金融商品仲介業務として「東和銀行
 SBI マネープラザ」を本店営業部内に開設し、対面での金融商品仲介業務としての
 専門的なアドバイス等のご提供や、当行で取り扱いのない国内外の株式、債券(仕
 組債)、投資信託、新規上場株式(IPO)、公募売出株式(PO)など充実した商品を取
 り揃えております。
  「東和銀行 SBI マネープラザ」は本店営業部内に開設してから 1 年 6 ヶ月が経過
 し、態勢整備も十分進んだことから、新たに埼玉県内に 2 店舗目の開設を検討して
 おります。今後も、お客様の多様なニーズに対応した取り組みを行ってまいります。


イ.外部専門家との協働によるお客様本位の投信営業プロジェクト
 人生 100 年時代の資産形成支援を行っていくため、平成 30 年 7 月、お客様の長期
的・安定的な金融資産形成に役立つよう、独自の運用や人材育成のノウハウを持ち、
地域金融機関の投信営業の実情に精通した和(なごみ)キャピタルと提携し、お客様
起点の新たな投信営業スタイルの確立を目指すプロジェクトを立ち上げました。本プ
ロジェクトでは、従来の商品を中心とする営業スタイルから、お客様の属性や運用ニ
ーズを十分把握した上で、適切な運用のアドバイスを行うスタイルへの転換を行い、
お客様の資産形成にかかる満足と信頼を得ることにより、預り資産残高の増加を図る
方針といたしました。
 平成 30 年 11 月以降、本プロジェクトのコア商品として、ローリスク・ローリター
ンで低廉な手数料体系の投資信託の取扱を開始するとともに、新たな提案ツール、投
資環境見通し、投信営業ハンドブック等の整備を行い、本店営業部で試行的にお客様
に対して提案活動を実施いたしました。
 平成 31 年 4 月から、資産形成プロモーター・投信専担者配置店の 36 カ店でお客様
起点の新たな投信営業を本格的にスタートし、7 月からは全店に拡大しております。
 令和元年 8 月には、新たな投信営業スタイルにおける営業支援ツールの活用方法と
具体的な営業活動に関する研修用 DVD を作成・配付し、10 月には、全支店長を対象と
した新たな投信営業のコンセプトを周知するための研修会を開催するなど、役職員全
員への浸透を進めてきました。12 月には、
                    「TOWA経済レポート」に、和キャピタル
による運用の長期・分散・積立投資に関する考え方を分かり易く解説した「資産運用
の勧め」を掲載し、お客様に配布するなど資産形成へのリテラシー向上に努めてまい
りました。
 今後は、お客様起点の新たな投信営業スタイルの定着を図ることで、お客様の金融
資産の増大と当行預り資産の増加が収益に反映されるよう地道な営業努力を続けてま
いります。


ウ.資産形成プロモーターの養成
 当行は、営業店渉外課へ資産形成プロモーターを配置し、投資信託等預り資産セー
ルスを特化して行うことで、渉外行員の預り資産セールスに係る時間的負担の軽減を
                   26
 図り、渉外行員がお客様の本業支援に注力できる態勢整備を目指しております。
  資産形成プロモーターの任用については、当初、職位定年を迎えた専任職から登用
 しておりましたが、平成 29 年 3 月に人事制度を改定し、本人の希望により一般職行員
 からの資産形成プロモーターへの登用を可能とし、更に平成 30 年 5 月、従業員の活躍
 フィールドを拡大するため、これまで課長クラスを上限としていた一般職の昇進昇格
 を、特化店支店長・参事まで拡大するとともに、職務範囲も拡大し、資産形成プロモ
 ーターへの任命を可能とする人事制度を改定いたしました。そうした結果、資産形成
 プロモーターは、令和 2 年 9 月末時点で 37 名の配置となっております。
  なお、今後も資産形成プロモーターの増員を図る予定であり、計画終期までに 50 名
 の任用を目指しております。


 【図表 40】資産形成プロモーターの任用状況                                                       (単位:人)

                  28/3         29/3        30/3        31/3        2/3         2/9

 資産形成プロモータ人数             10           15          14          32         28          37


④お客様目線・顧客本位の業績評価
  当行は、お客様の実態把握の徹底とお客様応援活動の質的向上を図るため、お客様
 応援活動に係る業績表彰基準について、平成 27 年 4 月から定性評価を導入するととも
 に、その後も、役席者の関与度合いに応じた 6 段階の加減点ルールの導入や、お客様
 応援活動に係る配点の増加など、順次、改善に取り組んでまいりました。また、平成
 29 年 10 月からは、業績表彰基準において投資信託の販売目標額の設定を廃止するな
 ど、お客様本位の業務運営に努めてまいりました。
  平成 30 年 4 月からは、より定性評価を重視した評価基準としました。具体的にはリ
 レバン推進部推進役が実際に顧客企業に訪問し、本業支援の取組状況をヒアリングす
 るなどして、定性評価に反映させました。平成 30 年 10 月からは、融資金額・件数目
 標などの定量評価を廃止し、件数ありきではなく真にお客様が望んでいる本業支援を
 行い評価する仕組みとしました。これに加え、平成 31 年 4 月からはビジネスマッチン
 グ件数や補助金申請件数など計測可能な本業支援だけでなく、支店自らが顧客企業に
 喜ばれた好事例を申告させ評価する仕組みを導入しました。令和 2 年 4 月からは、顧
 客への応援活動に対するアンケート調査を、加点項目から主要配点項目へと格上げを
 行いました。
  令和 2 年 10 月からは、コロナ禍のお客様に対する資金繰り支援と本業支援に大きく
 重点を置く評価基準とし、融資金額や件数目標などを業績評価基準から撤廃しました。
 具体的には、当行がメイン先・準メイン先となっている取引先を支店が選定し、年間
 の資金繰りを支える支援と、企業価値向上につながる本業支援について、定性・定量
 の両面で評価する仕組みを導入し、コロナ禍で苦しむお客様を支える活動を評価する
 基準に大きく転換させました。




                          27
 ⑤KPI(重要業績評価指標)
    当行は、本計画で掲げた、お客様応援活動の強化・深化に向けた諸施策の実効性を担
  保するとともに、進捗度合いを測るためのツールとして、以下の各項目を KPI(重要業績
  評価指標)として設定しており、本計画期間中の実績は以下の通りです。


【図表 41】KPI の実績と達成率
                                                    実績
                項   目                 目   標       (H30.4~      達成率
                                                   R2.9)
 1.行内ビジネスマッチング成約                       1,500 件        798 件      53.2%

 2.ご提案活動成約                             1,000 件      1,247 件      124.7%

 3.事業承継・M&A支援                             750 件       678 件      90.4%

 4.経営者保証ガイドライン適用率                          50%       31.2%    (※) 46.2%

 5.SDGs 支援                                200 件       157 件      78.5%

 6.要注意先への事業性評価に基づく融資                      300 件       274 件      91.3%

 7.短期継続融資・リファイナンス等による CF 改善               100 件       79 件       79.0%

 8.外部専門機関と連携した経営改善計画の策定支援                 400 件       239 件      59.8%
 (注)H29/下の経営者保証ガイドライン適用率 15.1%と目標 50.0%との差 34.9 ポイントに対する増加比率



(2)人材育成と活躍フィールド拡大
  ①お客様応援活動を担う人材の育成強化
    ア.人材育成プログラムの強化
     当行のビジネスモデルを担う若手行員の体系的な業務習熟を加速し、本業支援や事
    業性融資の強化を図るため、平成 28 年 9 月に人材育成プログラムを制定し、平成 29
    年 4 月から運用を開始いたしました。
     具体的には、これまで延べ 10 日間の分散開催としていた新入行員研修について抜本
    的に変更し、総合職は 4 月から連続 2 ヶ月間、一般職は連続 1 ヶ月間の集中研修を実
    施することで、社会人教養から商品知識、ビジネスマナー、融資稟議、企業調査・本
    業支援といった広範な分野を徹底して指導する態勢とするとともに、一部合宿研修を
    導入することで、新入行員同士の「絆」や「協働意識」の醸成を図ってまいりました。
     平成 30 年 4 月からは、多岐に亘る本業支援の更なる高度化や、目利き能力の向上、
    専門的な知識に基づく資産形成支援の一層の強化を図るため、人材育成プログラムの
    更なる改善を図り、本業支援や財務分析、稟議起案などについては 5 年程度、資産形
    成支援については 1 年程度の時間軸を定めた体系的な研修となるよう取り組んでおり
    ます。
     また、質の高い本業支援の中核となる若手リーダー育成を図るため、平成 29 年 6 月
    から「融資実践リーダー養成研修」を開始しました。具体的には、法人渉外係長を中
    心とした 15 名を選抜し、毎月連続 2~3 日間の集中研修を 9 ヶ月間行なう長期研修プ
    ログラムで、財務三表のメカニズム理解、財務分析から事業目利き、業種別事業性評
    価(製造業、建設・不動産業、小売・卸売業、医療・介護事業)、案件審査のポイント
    と案件ケース・スタディー、事業再生、シ・ローン、私募債、国際業務支援の理解など

                               28
   広範囲にわたる実践的な融資業務の研修に取り組んでおり、平成 31 年 4 月からは第 3
   期生、令和 2 年 6 月からは第 4 期生の養成に取り組んでおります。
    令和 2 年度上期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりスケジュールの変更
   を余儀なくされましたが、新入行員研修をはじめとする人材育成プログラムで例年実
   施している研修会については、室内換気などの感染防止対策を徹底した中、少人数の
   班編成による分割開催にて実施しました。
    なお、令和 2 年 12 月には、法人渉外係長 30 名を対象に、外部講師を招き「コロナ
   禍での本業支援強化研修会」の開催を計画しております。


【図表 42】人材育成プログラム(渉外行員編)の時間軸




   イ.階層別/業務別研修
    当行は、人材育成プログラムに基づく若手行員の早期育成に向けた連続性のある研
   修や、入行年次や職位などの階層別研修、担当する業務別の研修、コンプライアンス
   研修などを計画的に実施し、幅広い教養と知識を備えた、当行のビジネスモデルを担
   う人材の育成に努めております。
    また、外部専門機関との連携による研修にも取り組んでおり、平成 30 年 8 月には、
   中小企業基盤整備機構と連携し、
                 「取引先の経営課題に対応するための対話力向上セミ
   ナー」を開催いたしました。本研修は、同機構が従来実施してきたカリキュラムを実
   践的にリニューアルし、販路開拓・事業性評価・経営支援を一体的に捉えた新カリキ
   ュラムで行なったもので、地域金融機関で初めての開催となりました。
    平成 30 年 9 月には、群馬県よろず支援拠点と連携し、中小規模事業者の経営相談を
   サポートできる人材育成を目的に、群馬県では初めてとなる「エクセレントパートナ
   ー認定研修」を開催し、グループワークやロールプレイング形式による実践的な研修
   を修了した 29 名がエクセレントパートナーの認定を受けました。
    なお、令和 2 年 11 月、12 月には、6 名の選抜行員に対して㈱地域経済活性化支援機
   構(REVIC)による延べ 10 日間の「事業性評価集中研修会」の開催を計画しており、
   事業性評価に係る知見・ノウハウを習得させ、深度ある本業支援活動を行える行員の
   育成を目指しております。




                       29
【図表 43】研修の実施状況(令和元年度分~)
≪新入行員向け研修≫
 年 月                    研 修 名                  受講者数
平成 31/4   新入行員研修(総合職・一般職合同 15 日間 内合宿研修 3 日間)    60 名
令和元/5        〃  (総合職 16 日間 うち合宿研修 3 日間)         42 名
令和元/7     新入行員フォロー研修(2 日間)                      59 名
令和 2/4
          新入行員研修(総合職・一般職合同 全 6 日間 分割開催)         59 名
~令和 2/6
令和 2/6       〃  (総合職 4 日間)                      40 名
令和 2/7    新入行員フォロー研修(2 日間)                      58 名
≪人材育成プログラムおよび本業支援・事業性評価の強化に向けた研修≫
 年 月                     研 修 名                 受講者数
令和元/9     渉外実践トレーニー研修 基礎編①②(2 日間) 入行 1 年目       41 名
令和元/12          〃      基礎編③(1 日間) 入行 1 年目       39 名
令和元/7     渉外実践トレーニー研修 応用編①(1 日間) 入行 1 年目        40 名
令和元/11          〃      応用編②(1 日間) 入行 2 年目       38 名
令和 2/2          〃      応用編③(1 日間) 入行 2 年目       34 名
令和元/8     リレバン推進強化研修 基礎編①(1 日間)    入行 3 年目      41 名
令和 2/2          〃    基礎編②(1 日間)    入行 3 年目      36 名
令和元/6           〃     基礎編③(1 日間)   入行 4 年目      30 名
令和元/12          〃    基礎編④(1 日間)    入行 4 年目      30 名
令和元/6     リレバン推進強化研修 応用編②(1 日間)    入行 5 年目      32 名
令和元/8           〃    応用編③(1 日間)    入行 5 年目      30 名
令和元/6     融資実践リーダー養成研修①(2 日間) 選抜者(入行 6 年目以降)    16 名
令和元/7           〃       ②(3 日間)     〃           16 名
令和元/8           〃       ③(2 日間)     〃           15 名
令和元/9           〃       ④(2 日間)     〃           15 名
令和元/10          〃       ⑤(2 日間)     〃           14 名
令和元/11          〃       ⑥(2 日間)     〃           14 名
令和 2/1          〃       ⑦(2 日間)     〃           15 名
令和 2/2          〃       ⑧(2 日間)     〃           15 名
令和元/7     相談業務能力向上研修(1 日間)                      20 名
令和 2/7          〃    (1 日間)                     21 名
令和 2/9    渉外実践トレーニー研修 基礎編①②(2日間) 入行 1 年目        39 名
令和 2/7          〃      応用編①(1日間)   入行 2 年目      34 名
令和 2/8    リレバン推進強化研修 基礎編①(1日間)     入行 3 年目      28 名
令和 2/6          〃    基礎編③(1日間)     入行 4 年目      35 名
令和 2/6          〃    応用編①(1日間)     入行 5 年目      26 名
                〃    応用編②(1 日間)
令和 2/8                                          26 名
          入行 5 年目
令和 2/6    融資実践リーダー養成研修①(2 日間) 選抜者(入行 6 年目以降)    15 名
令和 2/7          〃       ②(3 日間)     〃           15 名
令和 2/8          〃       ③(2 日間)     〃           15 名
令和 2/9          〃       ④(2 日間)     〃           15 名
令和 2/10         〃       ⑤(2 日間)     〃           14 名
≪資産形成支援の強化に向けた研修≫
 年 月                    研 修 名                  受講者数
令和元/7     預り資産業務研修①②(2 日間) 入行 1 年目 総合職・一般職      60 名
令和元/9        〃    ③④(2 日間)      〃               59 名
令和元/10       〃    ⑤⑥(2 日間)      〃               57 名
令和元/11       〃    ⑦⑧(2 日間)      〃               57 名
令和元/12       〃    ⑨⑩(2 日間)      〃               57 名
令和 2/1       〃    ⑪(1日間)        〃               56 名
令和 2/2       〃    ⑫(1日間)        〃               54 名

                             30
令和 2/7     預り資産業務研修①(1日間)          入行1年目 総合職・一般職    58 名
令和 2/9        〃        ②(1日間)        〃              57 名
令和 2/10       〃        ③(1日間)        〃              57 名
令和元/6      資産運用アドバイザー研修(3 日間)                       17 名
令和元/11           〃          (2 日間)                  17 名
令和元/5      預り資産新任担当者研修(3 日間)                        18 名
令和元/10          〃          (3 日間)                   12 名
令和元/9      投信専担者・資産形成プロモーター販売強化フォロー研修(1 日間)         30 名
令和元/6      投信実務研修(2 日間) 対象者:外務員試験合格者                40 名
令和元/10        〃    (2 日間) 対象者:外務員試験合格者              13 名
令和 2/1     投信専担者・資産形成プロモーター販売強化フォロー研修(1 日間)         29 名
令和 2/6     投信実務研修(2 日間) 対象者:外務員試験合格者                7名
令和 2/9        〃    (1 日間) 対象者:外務員試験合格者              44 名
令和 2/7
           預り資産新任担当者研修(3 日間)                        24 名
~令和 2/9
令和 2/10
                〃        (3 日間)                     9名
~令和 2/11
≪新入行員に向けた融資基礎研修≫
 年 月                      研 修 名                    受講者数
令和元/10     融資基礎研修①②(2 日間) 入行 1 年目 総合職               41 名
令和元/11        〃  ③④(2 日間)       〃                   40 名
令和元/12        〃  ⑤ (1 日間)       〃                   40 名
令和 2/1        〃  ⑥ (1 日間)       〃                   39 名
令和 2/2        〃  ⑦ (1 日間)       〃                   39 名
令和 2/7     融資基礎研修①②(2 日間) 入行 1 年目 総合職               40 名
令和 2/8        〃  ③④(2 日間)       〃                   40 名
令和 2/9        〃  ⑤ (1 日間)       〃                   39 名
令和 2/10       〃  ⑥ (1 日間)       〃                   38 名


    ウ.土曜勉強会
     当行は、行員の自律的学習支援のため、本業支援・事業性評価などの銀行業務に関
    する知識の習得や、公的資格の取得のための土曜勉強会を開催しております。
     令和 2 年度上期は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催を中止しておりま
    すが、令和 2 年度下期以降は感染状況を見極めたなか開催を計画しております。


【図表 44】土曜勉強会の実施状況(令和元年度分~)
≪土曜勉強会≫
 年 月       研 修 名                                   受講者数
令和元/4      事業性評価ソリューション提案力強化セミナー                    28 名
令和元/5      証券外務員一種試験受験対策セミナー                        12 名
令和元/10     証券外務員一種試験受験対策セミナー(含む内定者)                 32 名
令和元/11     証券外務員一種試験受験対策セミナー(内定者)                   32 名
令和元/6      初級・融資稟議作成セミナー                            31 名
令和元/7      融資案件・常務会シート作成セミナー                        35 名
令和元/7      事業承継・相続対策セミナー                            31 名
令和元/8      初級・企業調査作成セミナー                            32 名
令和元/9      業種別事業性評価セミナー (建設業)                       37 名
令和元/11     業種別事業性評価セミナー (医療・介護事業)                   15 名
令和元/9      改正相続法理解講座                                27 名
令和元/11     改正相続法理解講座                                12 名
令和 2/1     初級・融資稟議作成セミナー                            26 名
令和 2/2     初級・融資稟議作成セミナー                            18 名
                              31
令和 2/2     証券外務員一種試験受験対策セミナー(内定者)         15 名
令和 2/10
           証券外務員一種試験受験対策セミナー(内定者)         33 名
~令和 2/11
令和 2/11    証券外務員一種試験受験対策セミナー              15 名


    エ.Web 研修
      当行は、令和 2 年度中を目処にテレビ会議システムを利用した Web 研修を導入する
    計画であり、開催回数や対象者数に限界のある集合研修を段階的に削減する一方で、
    営業店での Web 研修に注力してまいります。これにより、営業店での多頻度開催が可
    能となり研修対象者も大幅に増加させることができるとともに、出張回数の減少によ
    り、人的・時間的コストの削減が図られ、少人数支店においても円滑な業務運営態勢
    の確保が可能となると考えています。


【図表 45】Web 研修の実施計画
 年 月       研 修 名                         受講者数
令和 2/12    係長・一般基本研修会(階層別基本研修会)          予定 64 名
令和 3/1     支店長マネジメント研修会                  予定 48 名
令和 3/2     役席者基本研修会(階層別基本研修会)            予定 48 名
令和 3/3     管理職基本研修会(階層別基本研修会)            予定 48 名


  ②従業員の活躍フィールド拡大
    当行は、平成 30 年 5 月、渉外行員がお客様応援活動に専念する時間の確保や、資産形
  成プロモーターによる金融資産コンサルティング機能の充実・強化、多様な人材が活躍
  する場の拡大を図るため、人事制度を改定する