8518 アジア投資 2019-09-24 15:15:00
2015年12月新株予約権(行使価額修正条項付)の資金使途変更に関するお知らせ [pdf]

                                                                 2019 年 9 月 24 日
各 位
                                      会    社   名      日本アジア投資株式会社
                                      代表者の役職名         代表取締役社長 下村哲朗
                                      ( コ ー ド 番 号      8 5 1 8   東 証 一 部 )
                                      問 い 合 せ 先       執 行 役 員      岸 本 謙 司
                                      T    E    L     0 3 ( 3 2 5 9 ) 8 5 1 8


          2015 年 12 月新株予約権(行使価額修正条項付)の資金使途変更に関するお知らせ


 当社は、2015 年 12 月 11 日付「First Eastern (Holdings) Limited との資本業務提携契約の締結及び第三
者割当による取得条項付第 1 回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行並びに第三者割当による 2015 年 12
月新株予約権(行使価額修正条項付)の発行及び第三者割当契約の締結に関するお知らせ」にて開示しました
2015 年 12 月新株予約権(行使価額修正条項付)
                          (以下「本新株予約権」といいます。)の発行に係る資金使途
を、下記の通り変更することを決定しましたので、お知らせいたします。


1. 変更の理由
  (1)概要
      当社は、2015 年 12 月 11 日開催の取締役会決議に基づき、2015 年 12 月 29 日付で、第三者割当の方法
  により本新株予約権を発行いたしました。本新株予約権の行使は 2016 年 11 月 11 日に完了しており、当
  社は 487 百万円(発行諸費用差引後の手取額)を調達しました。
      本新株予約権の発行目的は、2015 年 12 月 11 日付で First Eastern (Holdings) Limited
                                                                     (以下「FE 社」
  といいます。
       )との間で締結した資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)の中で組
  成を計画していた大型ファンドへの出資に必要となる資金の調達でした。当社と FE 社は、本資本業務提
  携契約に従い、これまで大型ファンドの組成に向けて協議を行ってきましたが、現時点においてファンド
  の組成は実現しておりません。この間、本新株予約権の発行による調達資金は、銀行口座にて長期に亘り
  保管されている状態にあり、早期にこの資金を運用し、資金効率や企業価値の向上を図ることが当社にと
  って大きな課題となっています。


  (2)本新株予約権発行後の外部環境の変化と当社の事業方針の転換
      当社と FE 社との資本業務提携は、当社と FE 社が共同でファンドを組成したうえで投資活動を行って
  いくことを主たる目的としたものであり、当社は、本資本業務提携契約の締結以降、FE 社との間で共同
  運営ファンドの設立に向けた協議を進めてまいりました。しかしながら、中国においては FE 社が中心と
  なって中国の地方都市の市政府と協議を行い、当該市政府からの出資を受けてファンドを設立すること
  で具体的に話が進みましたが、最終局面でファンド設立後の運営体制について市政府側との協議が難航
  し、また、その間に中国国内の政情により市政府の方針が変更されたため、結果としてファンドの組成は
  実現しませんでした。
      日本国内においては、当社が中心となって投資対象候補となる企業の発掘を行うなど、ファンド組成に
                                       1
向けた取組みを行ってまいりましたが、当社側の人材不足もあり FE 社との間でファンド募集に向けた準
備が思うように進みませんでした。そこで、当社は外部からプライベートエクイティ投資に関する高いス
キルを持つ人材を招聘し、FE 社との協議を担う社内体制を整えたうえでファンドの設立協議を進めまし
たが、時間の経過とともに当社が事業方針を大きく転換したため、ファンドの設立には至りませんでした。
 当社が事業方針を転換した理由は、FE 社と本資本業務提携契約を締結した時点と現在とでは、当社を
取り巻く外部環境が大きく変化したためです。特に、メガソーラープロジェクトへの投資は、累計で 40
件以上のプロジェクトへの投資を行った結果、多くの成功案件を生み出しており、当社の主要な事業の柱
となってきました。そのため、当社は、現行の中期経営計画において、大型ファンドの組成によるフィナ
ンシャルな投資を主体とした従前の事業方針から、メガソーラープロジェクトを中心とした再生可能エ
ネルギーや植物工場などへのプロジェクト投資や、これらプロジェクト投資に関係するパートナー企業
への戦略投資を主体とした事業方針へと転換しています。
 メガソーラープロジェクトを含む再生可能エネルギープロジェクト投資への当社の従来連結基準(注)
による営業投資有価証券の投資残高は、2013 年 3 月期末時点ではゼロでしたが、2020 年 3 月期第 1 四半
期末時点では 5,393 百万円に増加しています。さらに、メガソーラープロジェクトについては、昨今の
流通市場の拡大により、長期保有による安定収益だけではなく、売却により一括での利益を得ることも
可能です。当社では、2017 年 3 月期から 2019 年 3 月期までの 3 期において、保有プロジェクトの売却
によって大きな利益を得ることができました。2014 年 3 月期から 2020 年 3 月期第 1 四半期末までの 6
年 3 ヶ月間に再生可能エネルギープロジェクト投資から得られた売電収益や売却益等の利益の累計は、
2,955 百万円となっており、この期間における当事業の年間投資収益率(単純利回り)は、当事業の年
間平均利益 472 百万円を当事業の従来連結基準(注)による営業投資有価証券の平均投資残高 2,696 百万
円で除した約 17.5%となっています。それらの結果、当社は、2009 年 3 月期より続いていた赤字体質か
ら脱却し、2016 年 3 月期から 2019 年 3 月期まで 4 期連続での黒字計上を実現しました。
 一方で、プライベートエクイティ投資については、上記の事業方針の転換により安定収益拡大のため
にファンドの規模を追求する必要がなくなったため、小規模であっても当社の特色を活かした明確な投資
戦略に基づく優位性のあるファンドを組成することが重要となっています。そこで当社は、長年に亘りア
ジアで投資活動を行ってきた経験とネットワークを活かし、アジアへ進出する日本企業や日本に進出する
アジア企業を支援するファンド等を組成する方針としました。このファンドは FE 社と共同で企画・設立
するものではありませんが、海外進出支援にあたっては当社のアジアでのネットワークを広く活用する必
要があり、FE 社との関係も活用することで、より差別化を図ることができると考えています。このよう
に、FE 社との今後の業務提携は、ファンドの組成ではなく、当社の中国におけるプライベートエクイテ
ィ投資活動への助言を受けることや、プロジェクト投資での共同投資等の可能性の協議などにより継続す
る方針です。
 このような状況から、当社は、本新株予約権の発行により調達した資金をファンドへの出資金に充当す
るよりも、より収益性と流動性の高いプロジェクトへの投資資金に充当すべきとの判断から、その使途を
変更することとしました。具体的には、下記「2.変更内容(注)5」の表中に記載したメガソーラープ
ロジェクトへの投資資金に充当する方針です。今回本新株予約権による調達資金を充当しようとしてい
るプロジェクトは、電力の固定価格による買取制度に基づく売電価格がキロワット時当たり 36 円と高い
こと等から、当社は高い採算性を期待しています。よって、当社は、本新株予約権により調達した資金の

                            2
  使途を変更したうえで同プロジェクトに充当することが、資金効率や当社の企業価値の向上に資すると
  判断しました。


  (注)従来連結基準
   当社グループでは、2007 年 3 月期より、
                         「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関
  する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会      2006 年 9 月 8 日   実務対応報告第 20 号)を適用し、当社
  グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しておりま
  す。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識頂
  くためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えており、参考情報として、従来の
  会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない
  当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連
  結財務諸表等を「従来連結基準」として継続的に開示しております。


2. 変更内容
  変更箇所は、下線を付しています。
【変更前】
 本新株予約権の発行及び行使により調達する資金の具体的な使途及び支出予定時期
               具体的な使途             金   額(円)               支出予定時期
              ファンドへの出資金               656,624,623   2016 年 6 月~2021 年 5 月
(注)1 調達資金を実際に支出するまでは、銀行口座にて管理いたします。
(注)2 ファンドへの出資金が本新株予約権の行使による調達額を超える部分については、手元資金より拠
       出する計画です。また、本新株予約権の行使状況や行使価額によっては、本新株予約権の行使によ
       る調達額がファンドへの出資金を想定以上に下回る可能性もありますが、その場合においてはファ
       ンドの規模を縮小させるか、又は他の投資計画の見直しや、既存投資資産の回収時期の前倒し等の
       対応を行う必要があり、それによって事業計画が下振れする可能性があります。
(注)3 設立予定のファンドの期間は 10 年間を予定しており、そのうち当初 5 年間を投資組入期間とする
       予定であり、支出予定時期については組入期間に合わせて上記の期間としています。
【変更後】
 本新株予約権の発行及び行使により調達する資金の具体的な使途及び支出予定時期
               具体的な使途             金   額(円)               支出予定時期
       メガソーラープロジェクトへの投資資金             487,039,488   2019 年 9 月~2021 年 8 月
(注)1 金額は、本新株予約権の発行及び行使により調達した総額から発行諸費用を控除後の最終的な手取
       額です。
(注)2 調達資金を実際に支出するまでは、銀行口座にて管理いたします。
(注)3 メガソーラープロジェクトへの投資資金とは、具体的には、メガソーラー発電所の建設用地の造成
       費用、電力会社向けの工事負担金、プロジェクト権利の購入対価、プロジェクト開発者や仲介者へ
       の支払手数料、プロジェクトファイナンス関連支出、メガソーラー発電所の建設関連資金等です。
(注)4   メガソーラー事業の開発には多くの事業者や団体が関与します。具体的には、土地所有者、ディベ

                              3
     ロッパー、発電所建設業者、発電施設の販売業者、発電事業者、発電設備の管理事業者、国や地方
     自治体、金融機関等です。当社は、原則としてこれらのコーディネートを主導的に行い、また、当
     社が単独で、又は他の投資家と共同で投資し、事業化を進めます。
(注)5 当社は、下記表に記載した案件に、本新株予約権により調達した資金を充当してまいります。
     なお、下記の記載は、現時点で入手し得る情報を元に合理的に試算したものですが、今後の状況に
     応じて変更となる可能性があります。


    案件    キロワッ   売電開始      見込         総事業資     投資家    当社の       うち
   所在地    ト時当た   予定時期     事業規模        金見込額             社債      当社の
          り売電価                                        による      最終的な
           格                                           投資       投資
                                                      見込額      見込額
   熊本県    36 円   2021 年    11.9       約 51.0   当社及び   総額 830    382
   山鹿市            8月       メガ          億円      スマート   百万円      百万円
                          ワット                  ソーラー   (うち未
                                               株式会社   実行額
                                                      480 百万
                                                       円)
   栃木県    36 円   2024 年    2.1        約 8.4     当社    総額 400    154
   那須烏山           5月       メガ          億円             百万円      百万円
    市                     ワット                         (うち未
                                                      実行額
                                                      280 百万
                                                       円)
    合計     -       -       14.0       約 59.4    -      総額       536
                           メガ          億円             1,230    百万円
                          ワット                         百万円
                                                      (うち未
                                                      実行額
                                                      760 百万
                                                       円)


(注)6 総事業資金のうち 10%から 20%程度を当社及び共同投資家による投資資金、残り 80%から 90%程
     度をノンリコース型のプロジェクトファイナンスの負債性資金で調達する計画です。現在、複数の
     金融機関とプロジェクトファイナンスについて協議を行っており、プロジェクトファイナンスが実
     行されるまでの間のプロジェクトの推進に必要な資金は、当社及び共同投資家が社債により投資資
     金を拠出して賄う予定です。その後、プロジェクトファイナンスが実行されるタイミングで、最終
     的な投資額を超過する部分の社債は償還される予定です。

                                  4
(注)7   熊本県山鹿市のプロジェクトについては、既に九州電力から送電網への接続の承諾を受けており、
       上記の売電価格での買取りが確定しております。また、2019 年 8 月には建設工事を開始しており、
       現状では 2021 年 8 月に工事完了・売電開始となる予定です。
       栃木県那須烏山市のプロジェクトについては、既に東京電力から送電網への接続の承諾を受けてお
       り、上記の売電価格での買取りが確定しております。2023 年 11 月には建設工事を開始する予定で
       あり、現状では 2024 年 5 月に工事完了・売電開始となる予定です。
(注)8 熊本県山鹿市のプロジェクトについては、プロジェクト権利の購入対価や電力会社向けの工事負担
       金等の初期段階に必要な費用の支払のため、当社は総額で 830 百万円を社債により投資する予定で
       す。このうち 2018 年 12 月には 330 百万円の社債による投資を実行し、2019 年 3 月にも追加で 20
       百万円の社債による投資を実行しております。今後、2019 年 9 月には更に 480 百万円の社債によ
       る投資を実行する予定です。本新株予約権の発行及び行使により調達した資金については、一旦 480
       百万円を 2019 年 9 月に社債により投資実行した後に、最終的な投資額 382 百万円に充当する予定
       です。社債による投資額 480 百万円が最終的な投資額 382 百万円を超過する 98 百万円部分は、す
       でに実行済みの社債による投資額 350 百万円と共に(合計 448 百万円)、2020 年 3 月までに金融機
       関からのプロジェクトファイナンスの実行により償還される予定です。
       栃木県那須烏山市のプロジェクトについては、プロジェクト権利の購入対価や電力会社向けの工事
       負担金等の初期段階に必要な費用の支払のため総額 400 百万円を社債により投資する予定です。こ
       のうち 2019 年 6 月には 120 百万円の社債による投資を実行しております。今後、2019 年 12 月ま
       でに更に 110 百万円の社債による投資を実行する予定であり、2021 年 8 月には残り 170 百万円の
       社債による投資を実行する予定です。そのうえで 2023 年 11 月に金融機関からのプロジェクトファ
       イナンスの実行により、これらの社債による投資の合計額 400 百万円のうち、最終的な投資 154 百
       万円を超過する 246 百万円を償還する予定です。本新株予約権の発行及び行使により調達した資金
       のうち熊本県山鹿市のプロジェクトの最終投資金額 382 百万円に充当した後の残額については、
       2019 年 12 月までに実行予定の社債による投資額 110 百万円及び 2021 年 8 月に実行予定の社債に
       よる投資額 170 百万円の一部に充当し、残額は手元預金から拠出する予定です。


                                                               以上




                                5