8511 日証金 2020-03-24 14:00:00
中期経営計画策定のお知らせ [pdf]

                                      2020年3月24日
 各    位


                          会 社 名 日 本 証 券 金 融 株 式 会 社
                          代 表 者 名 代表執行役社長   櫛田 誠希
                          (コード番号 8511 東証第1部)
                          問合せ先 経 営 企 画 部 長   由元 裕二
                          (TEL.03-3666-3184)




                中期経営計画策定のお知らせ


 日本証券金融株式会社(以下「当社」という)は、2020 年度から 2022 年度までの3年間を計
画期間とする「第6次中期経営計画(2020 年度~2022 年度) を別紙のとおり策定しましたので、
                                」
お知らせします。


 当社グループは、2017年3月に策定した第5次中期経営計画の下で、これまで培ってきた資金・
有価証券関連業務の運営能力と高い信用力、市場における中立性を活かして、既存ビジネスの強化
に取組むとともに、内外の新たな取引ニーズを積極的に取り込むことにより、収益基盤の強化に努
めてまいりました。また、この間、当社においては、指名委員会等設置会社への移行を通じ、ガバ
ナンス体制の更なる強化に取組んでまいりました。


 一方で、当社グループを取り巻く事業環境をみますと、引き続き大きく変化する渦中にあります。
すなわち、超低金利環境の継続とデジタライゼーションの急速な進展がみられるなかで、取引先証
券会社や金融機関等においては、人工知能(AI)を始めとする新たな情報処理技術の活用による金
融サービス事業の再構築に向けた取組みが進められています。そうした下で、国際金融規制や有価
証券決済制度の見直しの影響も相まって、新たな金融取引ニーズが生まれているほか、取引ニーズ
の多様化がみられています。


 当社グループは、証券市場のインフラの担い手として求められている財務の健全性を維持するこ
とを前提に、人的資源を含め当社が有する資本をより有効に活用することにより、免許業務である
貸借取引の基盤強化と収益源の多様化への取組みを更に推進するとともに、迅速かつ効率的な業務
運営体制の構築による競争力の基盤強化を図り、市場や投資家の信認に応えていきたいと考えてい
ます。


 こうした考えに立って、2020 年度を初年度とする新たな中期経営計画を策定しました。


                                              以   上
                                          別 紙
              中期経営計画(2020 年度~2022 年度)



1.企業理念
  日本証券金融は、証券金融の専門機関として、常にその公共的役割を強く認識するとと
 もに、証券界、金融界の多様なニーズに積極的に応え、証券市場の参加者、利用者の長期
 的な利益向上を図ることで、証券市場の発展に貢献することを使命とする。


2.経営方針
 (1) 証券金融会社としての社会的責任を常に認識し、新たなガバナンス体制のもとでコン
   プライアンス、企業統治および経営リスクの管理を徹底することにより健全な業務運
   営を実践し、以って、揺るぎない社会的信頼を確立する。
 (2) 証券市場のインフラの担い手として求められる経営の安定性および財務の健全性を確
   保するため、強固な自己資本を維持しながら企業価値の増大を図るとともに、収益環
   境や投資計画などを総合的に勘案し、株主への利益還元を引き続き充実したものとし
   ていく。
 (3) 証券金融会社の根幹である貸借取引業務をより強化し、あわせて当社・グループ会社
   が提供する金融・証券関連サービスの拡充・強化と新規展開に務め、ビジネス基盤を一
   層拡大し堅固なものとする。
 (4) 経営環境の変化に機動的に対応するため、迅速かつ効率的な業務運営体制を構築し、
   競争力の基盤強化を図る。


3.経営目標
  当社業務の核となる貸借取引業務が市況変動等の影響を大きく受けることを踏まえ、
 貸借取引の基盤強化のため、貸借銘柄数の着実な増加を図るとともに、証券市場のイン
 フラとしての機能を安定的に果たしていくため、収益源の多様化を推進し、基礎収支額
 (想定貸借取引収支 iのもとで試算される経常利益)の着実な増加を目指す。


4.戦略
 (1) 証券市場のインフラとしての貸借取引業務の強化
        株式市場を取り巻く環境変化に適切に対応し貸借取引業務の安定的な運営および
       利便性向上を図る。また、市場参加者の動向の的確な把握や貸借銘柄数の着実な増
       加などにより、貸借取引の利用促進を図るとともに、制度信用・貸借取引にかかる
       情報発信を強化し、投資家のすそ野を拡大する。

 (2) セキュリティ・ファイナンス業務の拡充・強化
        当社がこれまで培ってきた資金取引や有価証券取引のノウハウを有効に活用し、内
       外の金融商品取引業者等との多様な取引に積極的に対応するとともに、取引先や対象
       有価証券等の拡大により、セキュリティ・ファイナンス業務を強化・拡充し、収益機
       会の拡大を図る。
     (3) 新規業務の開発と具体化
        証券金融会社としての業歴を背景とした当社の特長を活かし、内外の関係先やグ
       ループ会社との連携の下で、長期的視野に立って新規業務の開発に取組むとともに、具
       体化を図っていく。

     (4) 資金の効率的活用としての有価証券運用の多様化
        外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールの下、機動的にポートフォリオの
       見直しを実施することで、安定した収益を確保する。また、外国国債など外貨建て有価
       証券による運用拡大や、外貨を利用したビジネス展開をサポートするため、外貨調達手
       段の拡充を図る。

     (5) 業務管理体制の強化
        当社に求められている社会的要請に積極的に対応し、企業理念を実現していくため、
       コンプライアンスを経営の前提と位置付けていることをあらためて確認する。
        当社に対する揺るぎない社会的信頼を確立するため、内部監査の実効性を確保し、金
       融業務に付随するリスクの多様化・複雑化に対応してリスク管理の一層の充実を図る。
        重大な災害発生時においても証券市場のインフラとしての機能を果たせるよう、業
       務継続体制の更なる強化を図る。

     (6) 効率的な業務運営による競争力の基盤強化
        取引量の増加や業務の複雑化が進む中、業務プロセスの見直しや RPA(ロボティッ
       ク・プロセス・オートメーション)等のデジタル技術の活用を積極的に推進することに
       より、効率的な業務運営体制を構築し、競争力の基盤強化を図る。

     (7) 多様な働き方への対応と企業活力の向上
        働き方改革、定年延長など労働の在り方が大きく変化し多様化している中、人事制度
       の見直し等により、職員が自覚とやりがいを持って働ける職場環境を整備し、職員ひと
       りひとりの生産性を高め、企業活力を向上させる。


5.リスクアペタイト・フレームワークの活用
      上記経営目標・戦略とリスク管理を一体運営していくための枠組みとして、リスクア
     ペタイト・フレームワークを導入する。



                                             以   上

i
    想定貸借取引収支:貸借取引業務収支の過去3年平均値を想定
◆第6次中期経営計画(2020年度~2022年度)の概要

                              当社業務の核となる貸借取引業務が市況変動等の影響を大きく受けることを踏まえ、
                              貸借取引の基盤強化のため、貸借銘柄数の着実な増加を図るとともに、証券市場の
   経営目標                       インフラとしての機能を安定的に果たしていくため、収益源の多様化を推進し、基礎収
                              支額(想定貸借取引収支のもとで試算される経常利益)の着実な増加を目指す。


        戦略                                             証券市場のインフラとしての
                                                        貸借取引業務の強化

                                                                       セキュリティ・ファイナンス
                     新規業務の開発と具体化
                                                                         業務の拡充・強化


              資金の効率的活用としての
                                                                          業務管理体制の強化
               有価証券運用の多様化


                            多様な働き方への対応と                            効率的な業務運営による
                              企業活力の向上                               競争力の基盤強化


                           <経営目標・戦略とリスク管理を一体運営するための枠組み>
                                              リスクアペタイト・フレームワークの活用


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◆ 経営目標について

  貸借銘柄数 ・・・ 貸借取引の基盤強化のため、貸借銘柄数の着実な増加を図る
  基礎収支額 ・・・ 証券市場のインフラとしての機能を安定的に果たしていくため、収益源の多様化を
                                  推進し、基礎収支額の着実な増加を目指す
                                  ◆「基礎収支額」の定義
                                     想定貸借取引収支(過去3年平均値を想定)のもとで試算される経常利益

     1.当社経常利益の特徴                                                            2.「基礎収支額」の算出
            経常利益の推移(イメージ)


                                                                                                     基
                                                                                                     礎
                                                                                                     収
                                                                                                     支
                                                                                                     額
                                                                   (A)+(B)+(C)
               (A)                (B)                 (C)
                                                                        3

            20XX-3              20XX-2              20XX-1                       20XX年度     20XX+1       20XX+2
             貸借取引業務収支                 貸借取引以外の業務収支                                想定貸借取引収支     貸借取引以外の業務収支


                                                                              基礎収支額の算出により、平均的な貸借取
           主要業務である貸借取引が市況変動を受
                                                                               引業務収支をベースとした当社の収益力を
            けやすい(収益のブレが大きい)                                                    可視化
           当社の基調的な収益の推移がわかりづらい                                               基調的な収益の推移がわかりやすくなる


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