8473 SBI 2021-11-12 13:25:00
株式会社新生銀行(証券コード:8303)の買収防衛策に対する議決権行使助言会社のレポート発行を受けた公開買付けに関する補足説明 [pdf]

                                                          2021 年 11 月 12 日
各     位
                           本店所在地   東 京 都 港 区六 本 木一 丁 目 6 番 1号
                           会  社  名 S B I ホ ー ル デ ィ ン グ ス 株 式 会 社
                           ( コ ー ド 番 号 8 4 7 3       東 証 第 一 部 )
                           代  表  者 代表取締役社長 北             尾   吉   孝
                           問い合せ先   責 任 者 役 職 名 執         行   役   員
                                                     勝   地   英   之
                           電 話 番 号 0 3 - 6 2 2 9 - 0 1 0 0 ( 代 表 )

                           会    社       名 SBI地銀ホールディングス株式会社



            株式会社新生銀行(証券コード:8303)の買収防衛策に対する
          議決権行使助言会社のレポート発行を受けた公開買付けに関する補足説明

     当社及び当社の完全子会社である SBI 地銀ホールディングス株式会社(以下「公開買付者」とい
い、当社と 併 せ て「 当 社 ら 」と い い ま す 。)は、公開買付者が実施している株式会社新生銀行(以
下「対象者」といいます。
           )の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
                                          )に
関して、対象者が 2021 年 11 月 25 日に開催を予定している臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」
といいます。)の議案である「新株予約権の無償割当ての件」
                           (以下「本件議案」といいます。)につい
て、議決権行使助言会社である Glass Lewis & Co., LLC (以下「グラスルイス」といいます。
                                                      )が同
年 11 月5日に、Institutional Shareholder Services Inc.(以下「ISS」といい、グラススイスと 併 せ
て 「 ISS ら 」 と い い ま す 。)が同年 11 月8日にそれぞれ「賛成」を推奨する旨のレポート(以下
「レポート」といいます。
           )を発行されたことを確認しております。当該レポートを受け、本公開買付
けに関して下記のとおり補足説明いたします。


     当社らとしては、対象者が提示した本件議案に基づく買収防衛策の発動は、対象者の株主の皆様に
とってのプレミアムを加えた価格での売却機会や本公開買付けに賛同いただける対象者の株主の皆
様にとってのシナジーの価値享受の機会を奪うことになりかねないものであり、対象者の株主の皆様
の利益を著しく損なうものであると受け止めざるを得ず、また、以下の理由から ISS らの賛成推奨に
は十分な根拠がないものと考えており、当該議案に対して「賛成」を推奨する旨のレポートを発行さ
れたことは大変遺憾に思います。


1.    ISS らの賛成推奨の内容及び当社らの基本的な見解


     ISS らは、次に掲げる点を根拠に、本件議案について賛成推奨をしていますが、当社らは、後記 2.
で詳しくご説明するとおり、ISS らの賛成推奨には十分な根拠がないものと考えております。


                                    1
     (ISS らが示している賛成推奨の根拠)
     (1) 対象者が本公開買付けに賛同するための 2 つの条件は妥当であり、買収防衛策はより良い条件
       を当社から引き出すものとして機能
     (2) 部分買付けにより支配権を獲得することに対する懸念
     (3) 本公開買付け成立後の事業計画の具体性及び公的資金の返済計画に対する懸念
     (4) 当社らの子会社に対するガバナンス及びコンプライアンスに対する懸念
     (5) 経営陣及び取締役会の構成に対する懸念


2.    当社らの見解


(1) 対象者が本公開買付けに賛同するための 2 つの条件は妥当であり、買収防衛策はより良い条件を
      当社から引き出すものとして機能


       ISS は対象者が本公開買付けに賛同の意見を表明するための 2 つの要件、すなわち、①本公開
      買付けについて買付予定数の上限のない公開買付けとすること(又は、買付予定数の上限及び下
      限のない公開買付け(「第2回公開買付け」)を 2022 年6月8日(又は、当社らとの協議の上、
      2022 年 6月8日以降の日で対象者が指定する日)までに開始すること)及び②本公開買付価格
      (第 2 回公開買付けを開始する場合には当該公開買付けにおける公開買付価格を含む。
                                              )を、対
      象者取締役会がフィナンシャル・アドバイザーの価値算定結果等に照らし対象者の本源的価値を
      反映した価格であると評価 判断できる水準まで引き上げること
                  ・                (以下「賛同要件」といいます。)
      は、いずれも妥当なものであり、買収防衛策は株主にとってより良い条件を当社から引き出すも
      のとして機能すると主張されています。
       しかしながら、公開買付者が 2021 年9月 10 日付で提出した公開買付届出書(その後に提出
      した訂正届出書による訂正を含みます。以下「本公開買付届出書」といいます。
                                         )に記載のとお
      り、当社らが本公開買付けにおける買付予定数の上限を当社らが既に保有する持分と合わせて
      48%となる株式数にした理由は、対象者における早期の経営改善が急務である中、銀行持株会社
      認可を取得する場合には一定の時間が必要であるため、経営刷新を早急に図ることが難しくなる
      と判断したためです。従って、本公開買付けにおける買付予定数の上限設定の撤廃は受け入れる
      ことはできません。当社らは、本公開買付けが成功した場合は、臨時株主総会において対象者の
      企業価値向上を可能とする新たな役員体制を構築し、当社グループと対象者グループの間の事業
      上の提携関係を構築・強化を含む具体的な企業価値向上策に関する検討を対象者と開始し、利益
      相反防止体制を前提に対象者に十分検討をいただいた上で、順次実行する予定です。当社らとし
      てはまずは対象者の企業価値向上に向けた努力に注力いたしますが、新たな役員体制の下で対象
      者の企業価値向上への道筋がついた段階で、当局の理解が得られれば、必要な銀行持株会社認可
      を取得した上で、一般株主の利益に十分配慮した形で、過半数以上の株式を取得することを検討
      する考えです。
       また、対象者株式の過去の市場株価の推移を踏まえると、本公開買付価格は十分なプレミアム
      水準を確保しており、また、対象者が主張する対象者の「本源的価値」の具体的な水準やその根
      拠も明らかでない以上、当社らとしては本公開買付価格を引き上げるつもりはありません。なお、
      ISS は、本公開買付けの買付価格に付されたプレミアムについて、
                                     当社ら以外の対象者株主にとっ

                              2
  ての本公開買付価格に対する実質的なプレミアムに換算すると 13%に留まる点を指摘しており
  ます。しかしながら、全ての株主が本公開買付けに応募する訳ではない点を踏まえると、このよ
  うな実質的なプレミアムという考え方は合理的なものではなく、不適切であると考えております。
   このような賛同要件を当社らが受け入れることはおよそ困難であることは対象者取締役会も
  認識していたはずであり、対象者が当該条件を本公開買付けに賛同するための要件としたのは、
  対象者に本公開買付けのより良い条件について交渉することを真に意図していたとは到底考え
  らません。従って、対象者取締役会が賛同要件を提示した真の意図は、自己保身目的で導入した
  買収防衛策の実態を隠すためであると考えられ、また、当社らが受け入れ難い条件をあえて提示
  して当社らにこれを拒ませる形にすることよって、本件議案に対する対象者株主の皆様の賛同の
  議決権行使を得るための材料にすることを意図したものであると考えております。なお、当社ら
  としましては、当該議案が本臨時株主総会において対象者の株主の皆様によって可決され、買収
  防衛策が発動された場合には、本公開買付けを撤回いたします。またその場合、当社らが現在保
  有している株式に関してはマーケットの状況を踏まえ、完全売却を含む様々な選択肢を検討して
  まいります。


(2) 部分買付けにより支配権を獲得することに対する懸念


   ISS は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定している点について、本公開買付けに応
  募しない株主は、流動性が大幅に低下した上場企業の少数株主の立場に置かれると指摘しており
  ます。しかしながら、株式会社日本証券取引所グループによれば、現存の東証株価指数(以下
  「TOPIX」といいます。 構成銘柄は選択市場にかかわらず、
              )                 一定期間継続採用されることとなっ
  ており、かつ、流通株式時価総額が 100 億円以上であれば 2025 年 1 月末以降も継続して TOPIX
  の構成銘柄となりますが、対象者株式の流通株式時価総額は上記の基準を十分に満たしておりま
  す。また、仮に新たにプライム市場インデックスが誕生した場合であっても、当該インデックス
  を採用する機関投資家の動向は、現時点では明らかではありません。さらに、現在まで TOPIX
  が広く市場関係者に利用されてきた点を踏まえると、プライム市場インデックスが設定された場
  合であっても、TOPIX を参照する取引量が大幅に減少することは想定しがたい状況であると考
  えます。このような状況に鑑みると、対象者株式の流動性の観点からも、本公開買付けにより対
  象者の株主の皆様の利益が毀損される可能性は限定的と思われます。また、部分買付けにより財
  務的な負担を回避して対象者を支配しようとしているとの指摘がございますが、本公開買付届出
  書に記載のとおり、当社らが本公開買付けにおける買付予定数の上限を当社らが既に保有する持
  分と合わせて 48%となる株式数にした理由は、対象者における早期の経営改善が急務である中、
  銀行持株会社認可を取得する場合には一定の時間が必要であるため、経営刷新を早急に図ること
  が難しくなると判断したためです。
   当社らは、本公開買付けが成功した場合は、対象者の臨時株主総会において対象者の企業価値
  向上を可能とする新たな役員体制を構築し、当社グループと対象者グループの間の事業上の提携
  関係の構築・強化を含む具体的な企業価値向上策に関する検討を対象者と開始し、利益相反防止
  体制を前提に対象者に十分検討をいただいた上で、順次実行する予定です。当社らとしてはまず
  は対象者の企業価値向上に向けた努力に注力いたしますが、新たな役員体制の下で対象者の企業
  価値向上への道筋がついた段階で、当局の理解が得られれば、必要な銀行持株会社認可を取得し

                           3
  た上で、一般株主の利益に十分配慮した形で、過半数以上の株式を取得することを検討する考え
  です。


(3) 本公開買付け成立後の事業計画の具体性及び公的資金の返済計画に対する懸念


        ISS は本公開買付けが成立し、当社が対象者を連結子会社とした後の具体的な計画を提示でき
  ておらず、対象者の株主の皆様に不確実性をもたらすと指摘しております。また、当社らの事業
  計画は具体的ではなく、公的資金返済のための株価を実現する時間軸が不明瞭と指摘しておりま
  す。グラスルイスについても、当社グループと対象者グループとの事業上の連携によって期待さ
  れるシナジーは定量化されておらず、対象者の株主の皆様が本公開買付けによるアップサイドを
  理解できないと指摘しております。また、当社らが批判する対象者の公的資金について、当社ら
  も対象者同様、具体的な返済計画を示していないと指摘しております。
        しかしながら、2021 年 11 月 12 日付の「預金保険機構からの質問に対する回答について」に
  おいて当社らが示したように、本公開買付けによる対象者株式の追加取得により、対象者が連結
  子会社として当社グループに入ることで、対象者グループと当社グループの経営資源の有機的結
  合が実現され、協業による相互の事業分野の補完、クロスセルによる顧客基盤の拡大と収益力の
  強化等を通じて、両グループの以下のようなシナジー効果を強力に働かせることが可能となると
  理解しております。


  ① SBI 証券との銀証連携を通じた企業価値向上
  (i)    リテール分野での連携を通じた企業価値向上(同時口座開設、預金連携、金融商品仲介など)
  (ii) 法人カバレッジの強化
  ② 当社グループのノウハウを活用した対象者事業の強化
  (i)    消費者金融(小口ファイナンス)分野での連携
  (ii) SBI アセットマネジメント・グループ、SBI リクイディティ・マーケットでの資金運用によ
         る年間収益の改善
  (iii) 当社グループの有する住宅ローン関連のノウハウ提供による、リテールビジネスの再強化
  (iv) 株式担保ローンの開発・提供
  (v) 共同店舗運営による金融商品仲介での収益貢献


        これらの取り組みの実現によって、当社グループにとっても直接的あるいは間接的にシナジー
  を享受することを想定しております。上記シナジー効果の定量化やシナジー発現の時間軸につい
  ては、本公開買付け成立後に、対象者の経営陣のみならず、従業員の皆様とも時間をかけて議論
  していく必要がありますが、現時点においては当社グループに入ることで対象者に下記のような
  収益拡大及び企業価値向上が見込まれるものと初期的に考えております。なお、当然のことなが
  ら、こうした事業上の連携は、対象者において採用される利益相反防止措置を通じて、対象者の
  少数株主の利益に適うとの判断が対象者においてなされた場合に限り実施されます。


        <業務粗利益>(単位: 億円)


                              4
                                                                          2,875
                                                         2,676    2,623
                                      2,460      2,464
         2,306   2,319        2,340




          2022/3期              2023/3期            2024/3期          2025/3期
                             新生銀行計画           SBIHD計画(シナジー含む)
                         (2021年10月21日発表)


 <実質業務純益>(単位: 億円)




                                                                          1,255
                                                         1,071    1,013
                                      871         861
         733     740           731




           2022/3期              2023/3期           2024/3期          2025/3期
                              新生銀行計画          SBIHD計画(シナジー含む)
                         (2021年10月21日発表)


 <親会社株主に帰属する当期純利益>(単位: 億円)




                                                                           710
                                                         580      548
         388     391                  421        425
                               322



          2022/3期               2023/3期            2024/3期       2025/3期
                           新生銀行計画               SBIHD計画(シナジー含む)
                       (2021年10月21日発表)




 また、対象者及びその大株主である預金保険機構及び整理回収機構と協議できていない段階で
あるため具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、上記で示した、対象者との事業上
の連携によるシナジー効果を発揮することにより対象者の企業価値を高めることが公的資金の
返済に向けた本質的なアプローチであると考えております。なお、ISS は、三菱 UFJ モルガン・

                                       5
  スタンレー証券株式会社及び株式会社プルータス・コンサルティングの企業価値評価によると、
  当社らが提示した公開買付価格 2,000 円は非常に低いことについて指摘しておりますが、当該算
  定のレンジについては何ら公表されていないこと、また、当該企業価値の算定においては対象者
  の事業計画を基に算定を行っているものの、過去 7 期のほとんどの事業年度において対象者公表
  の計画値が未達であることを踏まえると、当該指摘は妥当ではないと考えております。


(4) 当社らの子会社に対するガバナンス及びコンプライアンスに対する懸念


   ISS は、当社らが対象者の支配権を獲得しつつ、対象者が引き続き上場し続ける点について、
  親子上場問題に関する我が国のガバナンスの議論に反するものであると指摘しております。しか
  しながら、新規上場によって親子上場となる事例もあるなど、親子上場そのものが我が国におい
  て規制されているものではなく、親子上場の場合、より慎重なガバナンス体制の構築が重要で
  あって、ISS による指摘は親子上場という事実のみを捉えた不十分なものと考えております。な
  お、当社らは、機関銀行化や対象者の少数株主利益の毀損といった事態は、決して発生してはな
  らないものと認識しており、そのような疑念を生じさせるような所作に及ぶことは全く想定して
  おりませんが、そうした事態が万一にも発生することのないようにするために徹底した利益相反
  管理を行うという観点から、下記のような体制を採ることを想定しています。すなわち、対象者
  と当社グループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が対象者の少数株主にとって不
  利益をもたらさないかについて過半数の独立社外取締役を含む独立性を保った対象者の取締役
  会において慎重に審議・検討を行うとともに、アームズ・レングス・ルールを原則とし、市場規
  律に基づき取引条件を適切に決定し、また当社グループの社内取締役又は従業員及び、それらの
  経歴を有する者など当社グループと関係の深い役員は当社グループと対象者との間の取引につ
  いて対象者内の意思決定に関与しないなど、当社グループとの十分な利益相反管理体制を敷くこ
  とで対応することを想定している他、本公開買付けにより対象者が当社の連結子会社となった場
  合には、当社グループと対象者との取引に関しては、対象者において独立した委員からなる特別
  委員会を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで利益相反管理
  体制に遺漏無きを期すこととしたいと考えております。これに対し、グラスルイスは、このよう
  な徹底した利益相反管理体制を敷き、リソースを割くことによって、効率性の低下や追加的な費
  用が生じると指摘しております。しかしながら、当社グループにおいてはモーニングスター株式
  会社及び SBI インシュアランスグループ株式会社が上場しており、これらの上場子会社におい
  ても、十分な利益相反管理体制を構築した実績があることを踏まえると、当該指摘はあたらない
  と考えております


   また ISS は、2021 年6月8日に関東財務局が当社子会社の SBI ソーシャルレンディング株式
  会社(以下「SBISL」といいます。)に対し行政処分を行ったことを挙げ、当社の子会社を管理・
  監督する能力に懸念があると指摘しております。しかしながら、SBISL と対象者では事業の規模
  が大きく異なり、仮に本公開買付けが成立し、対象者が当社の連結子会社となった場合、グルー
  プ内における重要性が SBISL と対象者では大きく異なります。また、上記のとおり、当社は上
  場子会社において、十分な利益相反管理体制を構築している実績もございます。さらには、2021
  年6月8日に当社が公表した「SBI ソーシャルレンディングの事案をうけた当社グループの再発

                         6
  防止への取り組みについて」において示したとおり、SBISL が設置した第三者委員会による調査
  報告書の内容等を踏まえ、リスク管理を中心とする内部管理体制の強化を図る取り組みを推進し
  ております。具体的には当該事案の問題の発生要因を分析して新たにリスク評価重点項目を抽出
  し、それらの項目と関連性を有する子会社との間でリスク要因を定期的に評価・分析し、その改
  善状況をモニタリングするための新たなリスク評価機関を立ち上げております。また、当社グ
  ループは新たな事業領域に積極的に挑戦する企業文化を有しており、そのため、業歴が浅く、業
  容や運用資産等を急拡大させている連結子会社がありますが、そのような連結子会社における内
  部管理体制の更なる強化のため、当社人事部門がグループ各社の人材ニーズ等についてグループ
  横断的に情報収集し、必要な役職員の派遣や配属を重点的に行っております。このような内部管
  理体制のより一層の強化・充実に継続的に取り組むことで、SBISL の事案と同様の事案の再発防
  止に努めており、当社が子会社を管理・監督する能力に懸念があるとの指摘はあたらないと考え
  ております。


(5) 経営陣及び取締役会の構成に対する懸念


   ISS は対象者の現在の取締役会について、7 人の取締役のうち 5 人が社外取締役であることを
  もって、対象者の取締役会の独立性は明らかに高いと主張しております。しかしながら、本公開
  買付届出書に記載のとおり、当社らとしては、取締役会メンバーの中には、ゴールドマン・サッ
  クス証券株式会社やマネックスグループ株式会社など、社外取締役の出身母体に特定の偏りがあ
  るように見受けられる面もあり、現在の対象者の役員体制の妥当性について疑問を抱いており、
  本年 6 月の対象者の定時株主総会におきましては、工藤英之氏の他、社外取締役のアーネスト M.
  比嘉氏、槇原純氏及び村山利栄氏の再任について反対票を投じております。特定の出身母体に
  偏っていることは現経営体制に限ったことではなく、工藤英之氏が代表取締役社長に就任してか
  ら本日までに社外取締役として在籍した実績のある計8名のうち、現任の槇原純氏、村山利栄氏
  及び 2019 年8月退任の J. クリストファー フラワーズ氏の3名がゴールドマン・サックス証券
  株式会社(グループ会社含む)、現任の槇原純氏及び 2020 年6月退任の川本裕子氏の2名がマ
  ネックスグループ株式会社と、計4名の方がゴールドマン・サックス証券株式会社またはマネッ
  クスグループ株式会社との関係を有しております。このように社外取締役が特定の出身母体に
  偏っていることで、公正かつ活発な議論が期待できず、中立性も損なわれると思われるため、経
  営及びガバナンスの両面から問題と考えております。
   また ISS は、当社らが本公開買付届出書に記載した 3 名の取締役候補について対象者のビジ
  ネスに関する経験が十分ではないと指摘しております。しかしながら、川島克哉氏は当社グルー
  プの金融サービス事業の中核を担う株式会社 SBI 証券や住信 SBI ネット銀行株式会社などで重
  要な役職を歴任し、経営全般に関する幅広い見識と豊富な経験を有し、五味廣文氏は金融行政に
  深く携わってきた経験、畑尾勝巳氏は旧株式会社東京銀行(現株式会社三菱 UFJ 銀行)で要職
  を経験し、現在当社の子会社でロシアの商業銀行である SBI Bank の取締役会会長を務めるな
  ど、いずれも対象者のビジネスに関する十分な経験を有しており、ISS の主張はあたらないと考
  えております。
   本公開買付届出書に記載のとおり、守秘性の観点から、本公開買付けの公表・開始前には対象
  者の社外取締役候補者となりうる人物との十分な接触を行っていないため、現時点においては独

                         7
  立社外取締役の具体的候補者名を挙げることはできませんが、ガバナンス体制強化の観点から独
  立社外取締役が取締役総数の過半数となる体制とする考えです。また、独立社外取締役が当社ら
  から真に独立した人物で構成されることを担保すべく、独立社外取締役が過半数を占める任意の
  指名報酬委員会において、取締役候補者を選定する体制を採用いたします。
   なお、当社らは、本公開買付けが成功した場合は、臨時株主総会の招集を請求し、対象者の役
  員選任議案を諮る予定です。同株主総会において取締役候補者として推薦する業務執行取締役 3
  名については本公開買付届出書記載のとおりですが、独立社外取締役の候補者については、当社
  らの独自の裁量で選定するのではなく、本公開買付け成立後速やかに、対象者と当社らとで独立
  社外取締役選定委員会を組成した上で透明かつ客観的なプロセスを経て選定することを対象者
  に提案する予定です。同委員会は、当社ら及び対象者の現任取締役から独立し、十分な識見を有
  し、公正・中立と客観的に評価される人物を法曹界から招き委員長とし、当社ら及び対象者がそ
  れぞれ 1 名ずつ推薦する委員によって構成することを想定しております。かかる委員会におい
  て、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」及び経済産業省の「グループ・ガバ
  ナンス・システムに関する実務指針」を尊重しつつ独立社外取締役の候補者を選定することによ
  り、当該臨時株主総会における独立社外取締役選定の公正性・中立性を担保することを考えてお
  ります。
   また、対象者の持続的成長と企業価値の最大化、また対象者従業員のモチベーション向上の観
  点から、対象者のステークホルダーの意向も踏まえながら、独立社外取締役の過半数を維持しつ
  つ、当社らが既に提案しております業務執行取締役(社内取締役)に加え若干名の業務執行取締
  役の選任を行うことはありうるものと考えております。
   一方で、ISS は、近年の対象者の業績を考慮した場合、経営陣又はその監督機関の変更が有益
  である可能性があると指摘しています。本公開買付届出書に記載のとおり、本公開買付けの目的
  の一つは対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にする議
  決権を確保することにあります。したがって、最適な役員体制を実現することを目的とした本公
  開買付けの成立を阻む対象者の買収防衛策の発動に係る本件議案について「賛成」を推奨するこ
  とは、役員体制を一新する機会を株主の皆様から奪い、株主の皆様の共同の利益に資さないと考
  えております。


 このように当社らとしては議決権行使助言会社各社によって発行されたレポートの論拠は、いずれ
も対象者の議案に「賛成」を推奨するには不十分なものと考えており、株主の皆様には本臨時株主総
会において、対象者の現経営陣による企業価値向上策と当社らが提案する施策のいずれが対象者の全
てのステークホルダーの皆様にとって望ましいものであるか、当社らの本公開買付けの提案を支持す
るかどうかを踏まえて、本件議案への賛否について適切なご判断を下していただきたいと考えており
ます。
 なお、上記(1)に記載のとおり、当社らとしましては、本件議案が本臨時株主総会において対象者
の株主の皆様によって可決され、買収防衛策が発動された場合には、本公開買付けを撤回いたします。
またその場合、当社らが現在保有している株式に関してはマーケットの状況を踏まえ、完全売却を含
む様々な選択肢を検討してまいります。当社らは明確にシナジーを示し十分なプレミアムを含む公開
買付価格を提示した戦略的投資家です。当社らにおいては、本買収防衛策はかかる公開買付者による
資本市場における正当な取引を、経営者の保身目的で否定することを企図したものであると引き続き

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考えております。


                                                  以   上


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本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
SBI ホールディングス株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 03-6229-0126




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